JP5337936B2 - 固体高分子形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、発電機能を発揮する複数の単セルが積層された構造を有する。当該単セルは、(1)高分子電解質膜(例えば、Nafion(登録商標)膜)、(2)これを挟持する一対の触媒層、(3)さらにこれらを挟持し、供給ガスを分散させるための一対のガス拡散層(GDL)、を含む膜電極接合体(MEA)を備える。そして、個々の単セルが有するMEAは、セパレータを介して隣接する単セルのMEAと電気的に接続される。このようにして単セルが積層されることにより、燃料電池スタックが構成される。そして、この燃料電池スタックは、種々の用途に使用可能な発電手段として機能する。
このような燃料電池スタックにおいて、セパレータは、上述したように、隣接する単セル同士を電気的に接続する機能を発揮する。これに加えて、セパレータのMEAと対向する表面にはガス流路が設けられるのが通常である。当該ガス流路は、アノード及びカソードに燃料ガス及び酸化剤ガスをそれぞれ供給するためのガス供給手段として機能する。
ここで、PEFCの発電メカニズムを簡単に説明すると、PEFCの運転時には、単セルのアノード側に燃料ガス(例えば水素ガス)が供給され、カソード側に酸化剤ガス(例えば大気、酸素)が供給される。その結果、アノード及びカソードのそれぞれにおいて、下記反応式で表される電気化学反応が進行し、電気が生み出される。
アノード反応:H→ 2H+ 2e・・・(1)
カソード反応:2H+ 2e+ (1/2)O→ HO・・・(2)
上記の電気化学反応を進行させるために、GDLは、燃料ガスや酸化剤ガスを効率的に拡散して触媒層に供給するガス供給機能が必要である。そして、特許文献1は、GDLとして発泡金属多孔体を用いる構造を提案している。
特表2002−542591号公報
しかしながら、発泡金属多孔体は形成される細孔がランダムであることから、圧力損失が比較的大きい。このため、ガス拡散速度が遅くなって、十分なガス供給機能を得ることができず、電気化学的反応が妨げられ、結果として電池出力が低下する。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、その目的は、ガス拡散路の圧力損失を少なくし、十分なガス供給機能を確保することによって、高出力化を図ることができる固体高分子形燃料電池を提供することにある。
本発明の態様に係る固体高分子形燃料電池は、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の面に設けられる電極触媒層と、導電性を備え、ガスを遮断するためのセパレータと、前記電極触媒層と前記セパレータとの間に配置され、前記電極触媒層と共に電極を形成する電極部材と、を備え、前記電極部材は、前記電極触媒層に対して直接接触する第1の接触部と、前記セパレータに対して直接接触する第2の接触部と、前記ガスが流れるガス拡散路と、を備え、多数の開孔が形成されると共に、波形形状に折り曲げた導電性の板状部材から構成されている。
図1(a)は、本発明の参考形態に係る固体高分子形燃料電池の基本構成を示す概略断面図、図1(b)は、図1(a)に破線によって囲んだ領域1Bを拡大して示す断面図である。 図2(a)は図1(a)の電極部材を示す斜視図、図2(b)は電極部材を構成する板状部材の一例を拡大して示す平面図である。 図3Aは、電極部材の波形形状の例を示す図であり、正弦曲線のような波形形状の電極部材を備えるPEFCを示す概略斜視図である。 図3Bは、電極部材の波形形状の例を示す図であり、三角形状のような波形形状の電極部材を備えるPEFCを示す概略斜視図である。 図3Cは、電極部材の波形形状の例を示す図であり、矩形形状のような波形形状の電極部材を備えるPEFCを示す概略斜視図である。 図4は、燃料電池スタックを搭載した車両を示す概略図である。 図5は、図1(a)の固体高分子形燃料電池から保護層を除いた構成を示す概略断面図である。 図6は、本発明の実施形態に係る固体高分子形燃料電池の一例を示す概略断面図である。 図7は、導電体の配置の一例を示す平面図である。 図8は、本発明の実施形態に係る固体高分子形燃料電池の他の例を示す概略断面図である。 図9は、実施例及び比較例の各評価用単セルの発電試験を行った評価結果を示す図である。
以下、本発明に係る固体高分子形燃料電池について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
参考形態
参考形態に係る固体高分子形燃料電池(PEFC)10は、図1(a)に示すように、高分子電解質膜20が備えられている。そして、高分子電解質膜20の一方の面には、カソード電極触媒層90cと、導電性を備え、ガスを遮断するためのカソードセパレータ80cとが設けられている。さらに、カソード電極触媒層90cとカソードセパレータ80cとの間には、カソード電極触媒層90cと共にカソード60cを形成する電極部材50cが配置されている。また、高分子電解質膜20の他方の面には、アノード電極触媒層90aと、カソードセパレータ80cと同様に導電性を備え、ガスを遮断するためのアノードセパレータ80aとが設けられている。さらに、アノード電極触媒層90aとアノードセパレータ80aとの間には、アノード電極触媒層90aと共にアノード60aを形成するガス拡散層40aが配置されている。
そして、高分子電解質膜20、アノード電極触媒層90a、カソード電極触媒層90c、ガス拡散層40a及び電極部材50cは、積層された状態で膜電極接合体70(MEA)を構成する。さらに、複数のMEA70をセパレータ80a,80cを介して順次積層することによって、燃料電池スタックを構成する。ここで、燃料電池スタックにおいて、セパレータ80a,80cと高分子電解質膜20との間などにガスシール部を配置しても良いが、図1(a)では図示を省略してある。
ここで、後に詳述するが、上記電極部材50cは、酸化剤ガスを電極触媒層90cに供給するガス供給機能と、集電機能とを有している。電極部材50cは、電極触媒層90cに対して接触する第1の接触部111と、セパレータ80cに対して接触する第2の接触部112と、酸化剤ガスが流れるガス拡散路121と、を備えている。電極部材50cは、多数の開孔131が形成されると共に波形形状をなすように折り曲げられた導電性の板状部材100から構成されている。
参考形態のPEFC10において、電極触媒層90cは、触媒成分を含有する触媒成分層30cと、前記触媒成分層30cの破損を防止する導電性の保護層150と、を備えている。上記保護層150は、触媒成分層30cと電極部材50cとの間に介在しており、さらに触媒成分層30cに対して直接接触する第1の面151と、電極部材50cの第1の接触部111に直接接触する第2の面152とを有している。
電極部材50cは、アノード60a及びカソード60cの少なくともいずれか一方に適用できる。ただ、本参考形態ではカソード60cにのみ電極部材50cを適用し、アノード60aには一般的なガス拡散層40aを適用している。このため、以下の説明においては、カソード60cの電極部材50cを「カソード電極部材50c」と称し、アノード60aのガス拡散層40aを「アノードガス拡散層40a」と称する。また、アノード60aの電極部材を指すときには「アノード電極部材」と称し、符号として「50a」を用いることとする。以下、本参考形態のPEFC10の各部材について詳述する。
(電極部材)
図1及び図2に示すように、本参考形態においてカソード60cに用いられているカソード電極部材50cは、多数の開孔131が形成された導電性の板状部材100を、波形形状に折り曲げることによって形成されている。そして、カソード電極部材50cは、第1の接触部111においてカソード電極触媒層90cに対して直接接触することによって、カソード電極部材50cとカソード電極触媒層90cとの間の導電性を確保している。また、カソード電極部材50cは、第2の接触部112においてカソードセパレータ80cに対して直接接触することによって、カソードセパレータ80cとの間の導電性を確保している。
さらに、カソード電極部材50cのガス拡散路121は、開孔131が形成された板状部材100を波形形状に折り曲げることによって形成される。そのため、図1(a)に示すように、均等かつ規則的な第1の流路122と、開孔131からなる第2の流路123とを得ることができる。
上記構成のカソード電極部材50cによれば、反応ガスの圧力損失を少なくしつつ、セル抵抗を低くし、さらにセル電圧を高める効果を奏する。すなわち、カソード電極部材50cのガス拡散路121は、従来のような発泡金属多孔体におけるランダムな流路に比べて格段に均等かつ規則的な流路であるので、ガス拡散路121の圧力損失が少なくなる。このため、ガス拡散速度が低下しないので、酸化剤ガスを効率的に拡散して、十分なガス供給機能を確保することができる。そして、電気化学的反応の進行が促進される結果、高出力化を図ることができる。また、ガス拡散速度が低下しないことから、カソード60cにおける生成水をガス拡散方向の下流側に押し出して排出し易くなり、その結果、生成水が滞留するフラッディング現象を十分に抑制することができる。この観点からも、電気化学的反応の進行を促進し、高出力化を図ることができる。さらに、反応ガスの圧力損失が少なくなるので、流量分布が均一になり、電圧の安定化を図ることもできる。
また、カソード電極部材50cの第1の接触部111がカソード電極触媒層90cに直接接触し、第2の接触部112がカソードセパレータ80cに直接接触している。そのため、カソード電極部材50cを介してカソード電極触媒層90cとカソードセパレータ80cとの間の導電性が確保されることから、カーボンペーパ等のガス拡散層を設けなくてもセル抵抗が低くなる。よって、カソード電極触媒層90cにおいて発生した電流を容易にカソードセパレータ80c側に通電させることができる。
より詳細に説明すると、従来は、カソード電極触媒層90cとカソードセパレータ80cとの間のガス拡散性及び導電性を確保すべく、炭素製の織布や不織布からなり、導電性及び多孔質性を有するシート状材料のガス拡散層が必要とされていた。しかし、本参考形態では、ガス拡散層を設けず、カソード電極触媒層90cとカソードセパレータ80cの間にカソード電極部材50cが直接介在している。そのため、カソード電極触媒層90cとカソードセパレータ80cとの間のガス拡散性及び導電性を確保しつつ、MEA全体の薄層化を図ることが可能となる。
ここで、カソード電極部材50cは、多数の微細な開孔131を有しており、カソード電極触媒層90cに接している部位に開孔131が臨んでいる。そのため、カソード電極触媒層90cに接している部位において、カソード電極触媒層90cに酸化剤ガスを直接供給することができる。よって、カソード電極触媒層90cの全面を均一に利用することができ、その結果、セル電圧を高めることができる。
ガス拡散路121は、具体的には、波形形状をなす板状部材100とカソード電極触媒層90c及びカソードセパレータ80cとの間に形成される第1の流路122と、開孔131によって形成される第2の流路123と、を有している。これら第1及び第2の流路122,123を有することによって、より一層均等かつ規則的な流路を形成することができ、ガス拡散路121の圧力損失をより少なくできる。
第1の流路122は、図1(a)においては紙面に直交する方向、図2(a)においては左斜め方向に伸長している。第2の流路123は、波形形状をなす板状部材100の法線方向に向かって形成されている。なお、図2(a)の矢印125は、カソード電極触媒層90cとカソードセパレータ80cとの間の空間における酸化剤ガスの流下方向を示している。酸化剤ガスの流下方向は、ガス供給用マニホールド(図示せず)から、ガス排出用マニホールド(図示せず)に向かう方向である。
カソード電極部材50cは、カソード電極触媒層90cとカソードセパレータ80cとの間の空間における酸化剤ガスの流下方向(図2(a)の矢印125)に第1の流路122を沿わせて配置することが好ましい。これにより、第1の流路122が伸長する方向と、酸化剤ガスの流下方向とが平行となるので、ガス拡散路121の圧力損失を少なくできる。その結果、酸化剤ガスが効率的に拡散するため、電気化学的反応の進行を促進し、高出力化を図ることができる。また、ガス拡散路121における圧力損失が少なくなるため、フラッディング現象をより一層抑制することもできる。
ここで、「ガスの流下方向に第1の流路122を沿わせる」とは、ガスの流下方向と、第1の流路122が伸びる方向とを平行にする場合に限定することを意図したものではない。発泡金属多孔体のランダムな流路との対比において、流路全体として圧力損失を少なくできる限り、ガスの流下方向と第1の流路122が伸びる方向とが交差する部位が生じていても何ら支障はない。この文言は、ガスの主流方向に第1の流路122を沿わせるように電極部材50a,50cを配置すれば足りることを意味している。
カソード電極部材50cは、カソード電極触媒層90cの表面全体に接触するように、カソード電極触媒層90cとカソードセパレータ80cとの間に敷詰めることが好ましい。これによりセル抵抗が低くなるため、カソード電極触媒層90cにおいて発生した電流を容易にカソードセパレータ80c側に通電させることができる。なお、カソード電極部材50cを、カソード電極触媒層90cの表面の一部に配置しても構わない。
板状部材100を構成する導電性材料は特に制限はなく、金属セパレータの構成材料として用いられているものが適宜用いられる。板状部材100の構成材料としては、例えば、鉄、チタン及びアルミニウム並びにこれらの合金が挙げられる。これらの材料は、機械的強度、汎用性、コストパフォーマンス及び加工容易性などの観点から好ましく用いられる。ここで、鉄合金にはステンレスが含まれる。なかでも、板状部材100は、ステンレス、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成することが好ましい。
板状部材100は、図2(b)に示されるように、メタルメッシュ101を使用することが好ましい。使用するメタルメッシュ101の寸法は適宜選択できるが、例えば、メッシュ数が100〜500メッシュ、線径が25〜40μm、ピッチPが50〜80μmである。メタルメッシュ101の織り方は特に限定されず、平織、綾織、平畳織、綾畳織など何れでも良い。メタルメッシュ101の場合、交錯した線材102同士の間の網目103が、開孔131に相当する。なお、上記メッシュ数及び線径は、JIS G3555に従い、測定することができる。さらに、ピッチPは、図1(a)及び図2(a)に示すように、隣接する凸部の頂点間距離を測定することにより求めることができる。
板状部材100は、多数の開孔131が形成され、導電性を有し、さらに波形形状に折り曲げることができる限りにおいて、図示したメタルメッシュ101以外のものも使用することができる。例えば、板状部材100は、パンチングメタル、エッチングメタル又はエキスパンドメタルから形成することもできる。これらの材料を板状部材100に適用することによって、カソード電極部材50cに多数の微細な開孔131を形成することができる。そのため、上述したように、カソード電極触媒層90cに接している部位において、カソード電極触媒層90cに酸化剤ガスを直接供給することができる。その結果、カソード電極触媒層90cの全面を均一に利用することができ、セル電圧を高めることができる。
板状部材100をメタルメッシュ101から形成する場合には、メッシュ数が100メッシュ以上であることが好ましい。網目103が比較的多いので、カソード電極触媒層90cの全面に容易に酸化剤ガスを供給することができ、セル電圧を高めることができる。また、孔径が比較的小さいので、単位面積あたりのカソード電極触媒層90cやカソードセパレータ80cとの接触面積が多くなる。そのため、セル内の電気抵抗を低くなり、アノード電極触媒層90aで発生した電子が容易にカソード電極触媒層90cに伝達される。
板状部材100をエッチングメタルから形成する場合には、開孔率が50%以上であり、さらに開孔131の孔径が200μm以下であることが好ましい。これにより、上記と同様にセル電圧を高め、セル抵抗を低くすることができる。なお、板状部材100をパンチングメタルやエキスパンドメタルから形成する場合にも同様に、カソード電極部材50cのガス供給機能及び集電機能が好適に発揮されるように、開孔131の多さや孔径を定めることが好ましい。
板状部材100の折り曲げ加工に関しては、板状部材100をエンボスロール成型することによって、波形形状を賦形することが好ましい。エンボスロール成型は、コストが比較的安く、大量生産に適しているからである。波形形状の寸法についても適宜選択できるが、例えば、高さhを200μm程度、波形ピッチPを200μm程度にすることができる(図2(a)を参照)。
このように、板状部材100に波形形状を賦形するときには、板状部材100を規則的に折り曲げ加工することが好ましい。これによって、カソード電極部材50cの第1の接触部111をカソード電極触媒層90cに対して均等に接触させることができ、さらに第2の接触部112をカソードセパレータ80cに対して均等に接触させることができる。また、ガス拡散路121における第1の流路122を、板状部材100とカソード電極触媒層90cとの間及び板状部材100とカソードセパレータ80cとの間に均等に形成することができる。
電極部材50a,50cの波形形状は、特に限定されるものではなく、圧力損失を少なくし、セル抵抗を低くし、さらにセル電圧を高める効果を奏する限りにおいて、適宜の形状に折り曲げることができる。つまり、電極部材50a,50cは、板状部材を連続的に曲折したものであれば良く、断面形状は如何なるものでも良い。例えば、電極部材50a,50cの波形形状として、図2(a)及び図3Aに示すように、断面が正弦曲線のような波形形状にしても良い。また、図3Bに示すように、三角形が連続した波形形状にしても良く、図3Cに示すように、略矩形が連続した波形形状にしても良い。なお、図3A〜図3Cは、アノード電極部材50aもカソード電極部材50cと同様の波形形状を有しているが、図1のようにカソード60cのみに上記形状の電極部材を使用しても良く、アノード60aのみに使用しても良い。
図1(b)に示すように、カソード電極部材50cの表面は導電性の防食処理が施されていることが好ましい。カソード電極部材50cに導電性防食処理を施すことによって、カソード電極部材50cが腐食せず、セルの耐久性を高めることができる。
上記導電性防食処理としては、金又は導電性炭素のコーティングであることが好ましい。金コーティングとしては、金メッキを用いることができる。また、金コーティングとしては、金を板状部材の表面に張り合わせた金クラッドを用いることができる。さらに、導電性炭素のコーティングとしては、図1(b)に示すように、板状部材100の表面に導電性炭素層140を設けることが好ましい。このように、導電性腐食処理が金メッキ、金クラッド又は導電性炭素層140である場合には、板状部材100が燃料電池内の環境下で腐食しにくくなるため、セルの耐久性を高めることができる。
上記導電性防食処理が導電性炭素層140の場合について、さらに詳細に説明する。導電性炭素層140が有する結晶構造は、耐食性を付与できる限り、如何なるものでも構わない。しかし、炭素層の結晶構造が異なると、これに起因して耐食性や導電性も変動する。そのため、導電性炭素層140の優れた導電性を十分に確保しつつ耐食性を向上させるためには、導電性炭素層140に含まれる炭素の結晶構造を制御することが重要である。そこで、導電性炭素層140は、ラマン散乱分光分析により測定される、Dバンドピーク強度(I)とGバンドピーク強度(I)との強度比R(I/I)が1.3以上であることが好ましい。
炭素材料をラマン分光法により分析すると、通常1350cm−1付近及び1584cm−1付近にピークが生じる。結晶性の高いグラファイトは、1584cm−1付近にシングルピークを有し、このピークは通常、「Gバンド」と称される。一方、結晶性が低くなる、つまり結晶構造欠陥が増し、グラファイト構造が乱れるにつれて、1350cm−1付近のピークが現れてくる。このピークは通常、「Dバンド」と称される。なお、ダイヤモンドのピークは厳密には1333cm−1であり、上記Dバンドとは区別される。Dバンドピーク強度(I)とGバンドピーク強度(I)との強度比R(I/I)は、炭素材料のグラファイトクラスタサイズやグラファイト構造の乱れ具合(結晶構造欠陥性)、sp結合比率などの指標として用いられる。すなわち、本参考形態においては、R値を導電性炭素層140の接触抵抗の指標とすることができ、さらに導電性炭素層140の導電性を制御する膜質パラメータとして用いることができる。
R(I/I)値は、顕微ラマン分光器を用いて、炭素材料のラマンスペクトルを計測することにより算出される。具体的には、Dバンドと呼ばれる1300〜1400cm−1 のピーク強度(I)と、Gバンドと呼ばれる1500〜1600cm−1 のピーク強度(I)との相対的強度比(ピーク面積比(I/I))を算出することにより求められる。
上述したように、本参考形態において、R値は1.3以上であることが好ましい。また、当該R値は、好ましくは1.4〜2.0であり、より好ましくは1.4〜1.9であり、さらに好ましくは1.5〜1.8である。このR値が1.3以上であれば、燃料電池の積層方向の導電性が十分に確保された導電性炭素層140が得られる。また、R値が2.0以下であれば、グラファイト成分の減少を抑制することができる。さらに、導電性炭素層140自体の内部応力の増大をも抑制でき、下地である板状部材100との密着性を一層向上させることができる。
導電性炭素層140における導電性炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノホーン、カーボンフィブリルなどを使用することができる。また、カーボンブラックの具体例として、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、オイルファーネスブラック又はサーマルブラックなどが挙げられる。なお、カーボンブラックは、グラファイト化処理が施されていても良い。上記炭素材料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。また、上記導電性炭素層140は、上記導電性炭素のみから形成されていても良いが、後述するように、撥水剤又は親水剤を含有していても良い。
上記導電性炭素層140の製造方法としては、まず、鉄、チタン及びアルミニウム等からなる板状部材100を、適当な溶媒を用いて表面の脱脂及び洗浄処理を行う。溶媒としては、エタノール、エーテル、アセトン、イソプロピルアルコール、トリクロロエチレン及び苛性アルカリ剤などを用いることができる。脱脂及び洗浄処理としては、超音波洗浄などが挙げられる。続いて、板状部材100の表面に形成されている酸化皮膜の除去を行う。酸化皮膜を除去するための手法としては、酸による洗浄処理、電位印加による溶解処理、又はイオンボンバード処理などが挙げられる。
そして、上記導電性炭素層140は、導電性炭素からなるターゲット材をターゲットとして、板状部材100の表面に成膜することにより上記導電性炭素層140を形成することができる。その際、スパッタ法もしくはアークイオンプレーティング法などの物理的蒸着(PVD)法、またはフィルタードカソーディックバキュームアーク(FCVA)法などのイオンビーム蒸着法を利用することが好ましい。前記スパッタ法として、マグネトロンスパッタリング法、アンバランスドマグネトロンスパッタリング(UBMS)法、デュアルマグネトロンスパッタ法などが挙げられる。このような形成方法を用いることにより、水素含有量の少ない導電性炭素層140を形成することができる。したがって、炭素原子同士の結合(sp)の割合を増加させることができ、優れた導電性が得られる。
ここで、上述のように、カソード電極部材50cは撥水処理がされていても良い。カソード電極部材50cに撥水処理を施すことによって、開孔131内、波形形状の間、あるいはカソード電極部材50cとカソードセパレータ80cとの間における水の滞留が減少し、水によるガス供給の阻害がなくなる。また、電極部材における水のフラッディングが抑えられるため、カソード電極触媒層90cへ酸化剤ガスが滞りなく供給される。これにより、セル電圧の急激な低下を抑えて、セル電圧を安定させることが可能となる。
撥水処理としては、カソード電極部材50cに撥水剤を被覆させる方法や上記導電性炭素層140に撥水剤を含有させる方法がある。撥水剤としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系の高分子材料、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。PTFEやPVdFなどは、燃料電池内の環境下での劣化が少ないことから、カソード電極部材50cの撥水性を保って、セルの耐久性を高めることができる。
また、カソード電極部材50cは、撥水処理の代わりに親水処理がされていても良い。カソード電極部材50cに親水処理を施すことによって、カソード電極触媒層90cからの液水を流路側に引き寄せるため、カソード電極触媒層90c内の水詰まりを低減できる。この結果、セル電圧の急激な低下を抑えて、セル電圧を安定させることができる。
親水処理としては、カソード電極部材50cに親水剤を被覆させる方法や上記導電性炭素層140に親水剤を含有させる方法がある。親水剤としては、特に限定されないが、シランカップリング剤やポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
なお、1枚のカソード電極部材50cに親水処理と撥水処理の両方を施すようにしても良い。つまり、板状部材100の一方の面には親水処理を施し、他方の面には撥水処理を施すようにしても良い。この場合には、板状部材100におけるセパレータ側の面に親水処理を施し、電極触媒層側の面に撥水処理を施すのが好ましい。
(保護層)
図1(a)に示すように、カソード電極触媒層90cは、上記触媒成分層30cに加え、導電性の保護層150を備えることが好ましい。本参考形態において、前記保護層150は単層であり、さらに触媒成分層30cとカソード電極部材50cとの間に配置されている。つまり、上記保護層150は、触媒成分層30cとカソード電極部材50cとの間に介在し、第1の面151が触媒成分層30cに対して直接接触し、第2の面152がカソード電極部材50cの第1の接触部111に対して直接接触する。そのため、触媒成分層30cとカソード電極部材50cとの間の導電性を高めて集電性能を向上させることができる。さらに、保護層150は、触媒成分層30cの表面を覆っているため、金属製のカソード電極部材50cが圧接することによる触媒成分層30cの破損を防止することができる。
保護層150を構成する材料は、触媒成分層30cとカソード電極部材50cとの間の導電性を確保でき、かつ、触媒成分層30cが破損することを防止できる限りにおいて任意の材料を選択することができる。例えば、保護層150として、ポリテトラフルオロエチレンの多孔体にカーボン粒子を含浸させて焼結させたシート体を用いることができる。シート体とすることによって、製造工程が簡易になり、また、PEFC10の各部材を積層する際の取り扱い及び組み立てが容易になる。
保護層150を有する場合には、カソード電極部材50cの波形形状のピッチをP、保護層150及び触媒成分層30cの合計の厚さをt’とすると、P<10t’を満たすことが好ましい。例えば、触媒成分層30cの厚さが10μm、保護層150の厚さが20μmのときには、合計の厚さt’が30μmであり、ピッチPはP<300μmであることが好ましい。P<10t’を満たすことによって、カーボンペーパ(ガス拡散層)を使わずとも集電することが可能となる。
また、カソード電極部材50cのピッチPをやや大きくすることによって保護層150との接触面積が減少するような場合には、P<10t’を満たすように触媒成分層30cの厚さtを厚くすれば良い。触媒成分層30cの厚さtが厚くなるため、触媒成分層30cの水平方向の電気抵抗が減少することからピッチPが大きくなっても効率的な集電が可能になる。また比較的高価で作製も煩雑なカーボンペーパを用いなくて良いことから、カソード60cの作製コストを低減することができる。またカーボンペーパを必要としないため厚さ方向のサイズを低減することができる。
なお、上述のように、電極部材のピッチPは、隣接する凸部の頂点間距離を測定することにより求めることができる。つまり、図2(a)及び図3Aに示すように正弦曲線のような波形形状や図3Bに示すように三角形が連続した波形形状の場合、カソードセパレータ80c又はカソード電極触媒層90cに接触する凸部の頂点間距離がピッチPとなる。また、図3Cに示すように略矩形が連続した波形形状の場合、カソードセパレータ80c又はカソード電極触媒層90cに接触する凸部の中心間距離がピッチPとなる。
(カーボン粒子層)
図1(a)に示すように、アノード触媒成分層30aとアノードガス拡散層40aとの間にはカーボン粒子層160を配置しても良い。カーボン粒子層(マイクロポーラス層)は、集電性向上のため、アノード触媒成分層30a上に圧着によって設けている。
カーボン粒子層は、PTFE多孔体に、アセチレンブラックと、PTFE微粒子と、増粘剤とからなる水分散液を含侵し、焼成処理を行うことにより作製することができる。
(セパレータ)
セパレータ80a,80cは、単セルを複数個直列に接続して燃料電池スタックを構成する際に、各セルを電気的に直列接続する機能を有する。また、セパレータ80a,80cは、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却剤を互いに遮断する隔壁としての機能も有する。
セパレータ80a,80cを構成する材料としては、緻密カーボングラファイト、炭素板などのカーボンや、ステンレスなどの金属など、従来公知の材料が適宜用いられる。本参考形態では、アノードセパレータ80a及びカソードセパレータ80cは、ともにカーボン製である。
そして、アノードセパレータ80aは、燃料ガスが流れる流路となる溝状のリブ81を備えている。しかし、カソードセパレータ80cは、カソード電極部材50cの第2の接触部112が接触する側の面82を平面に形成してある。つまり、カソード電極部材50cによって十分なガス供給機能を得ることができるので、カソードセパレータ80cにリブを形成する必要がない。このため、カソードセパレータ80cを簡単かつ安価に製造することができる。具体的には、カーボン製セパレータの場合にはリブを切削加工によって形成する必要があり、金属製セパレータの場合にはリブをプレス加工によって形成する必要がある。しかし、本参考形態のカソードセパレータ80cの場合には、リブを形成する必要がないため、コスト低減を図ることができる。さらに、リブを形成する必要がないため、カソードセパレータ80cの厚さ方向のサイズ、延いてはPEFC10の厚さ方向のサイズを小さくすることができる。
(高分子電解質膜)
高分子電解質膜20は、PEFC10の運転時にアノード触媒成分層30aで生成したプロトンを膜厚方向に沿ってカソード触媒成分層30cへと選択的に透過させる機能を有する。また、高分子電解質膜20は、アノード60a側に供給される燃料ガスとカソード60c側に供給される酸化剤ガスとを混合させないための隔壁としての機能をも有する。
高分子電解質膜20の具体的な構成は特に制限されず、燃料電池の技術分野において従来公知の高分子電解質からなる膜が適宜採用できる。高分子電解質膜20として、例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン株式会社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマから構成されるフッ素系高分子電解質膜を用いることができる。
(触媒成分層)
触媒成分層(アノード触媒成分層30a、カソード触媒成分層30c)は、実際に電池反応が進行する層である。具体的には、アノード触媒成分層30aでは水素の酸化反応が進行し、カソード触媒成分層30cでは酸素の還元反応が進行する。触媒成分層は、触媒成分、触媒成分を担持する導電性の触媒担体及び高分子電解質を含有する。
アノード触媒成分層30aに用いられる触媒成分は、水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく、公知の触媒が使用できる。また、カソード触媒成分層30cに用いられる触媒成分もまた、酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく、公知の触媒が使用できる。具体的には、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属及びこれらの合金などが使用できる。これらのうち、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性及び耐熱性などを向上させるために、少なくとも白金を含むものが好ましく用いられる。
触媒担体は、上述した触媒成分を担持するための担体や、触媒成分と他の部材との間での電子の授受に関与する電子伝導パスとして機能する。触媒担体としては、触媒成分を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、かつ、充分な電子伝導性を有しているものであれば良い。触媒担体としては、主成分がカーボンであることが好ましく、具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛及び人造黒鉛などからなるカーボン粒子が挙げられる。
高分子電解質は、特に限定されないが、例えば、上述した電解質層を構成するイオン交換樹脂を使用することができる。
(ガス拡散層)
アノードガス拡散層40aは、アノードセパレータ80aのリブ81を介して供給された燃料ガスのアノード触媒成分層30aへの拡散を促進する機能及び電子伝導パスとしての機能を有する。
アノードガス拡散層40aの基材を構成する材料は特に限定されず、従来公知の知見が適宜参照される。例えば、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性及び多孔質性を有するシート状材料が挙げられる。基材の厚さは、得られるアノードガス拡散層40aの特性を考慮して適宜決定すれば良いが、30〜500μm程度とすれば良い。基材の厚さがこのような範囲内の値であれば、機械的強度と、ガス及び水などの拡散性とのバランスが適切に制御される。
アノードガス拡散層40aは、撥水性をより高めてフラッディング現象などを防止することを目的として、撥水剤を含むことが好ましい。撥水剤としては、特に限定されないが、上述したようにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを挙げることができる。
燃料電池の製造方法は、特に制限されることなく、燃料電池の分野において従来公知の知見が適宜参照され得る。また、燃料電池を運転する際に用いられる燃料は特に限定されない。例えば、水素、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、第1級ブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどが用いられる。なかでも、高出力化が可能である点で、水素やメタノールが好ましく用いられる。
さらに、燃料電池が所望する電圧を発揮できるように、セパレータ80a,80cを介して膜電極接合体70を複数積層して直列に繋いだ構造の燃料電池スタックを形成しても良い。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すれば良い。
参考形態のPEFC10やこれを用いた燃料電池スタックは、例えば、車両に駆動用電源として搭載することができる。図4に示すように、燃料電池スタック210を燃料電池車200のような車両に搭載するには、例えば、燃料電池車200の車体中央部の座席下に搭載すれば良い。座席下に搭載すれば、車内空間及びトランクルームを広く取ることができる。場合によっては、燃料電池スタック210を搭載する場所は座席下に限らず、後部トランクルームの下部でも良いし、車両前方のエンジンルームであっても良い。上述したPEFC10や燃料電池スタック210は出力特性及び耐久性に優れるため、長期間にわたって信頼性の高い燃料電池搭載車両が提供される。
(変形例)
これまでは上記電極部材をカソード60cにのみ適用した参考形態について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。図3A〜図3Cに示したように、例えば、アノードガス拡散層40aに代えて、カソード電極部材50cと同様に構成されるアノード電極部材50aを用いることができる。また、図1に示した参考形態とは逆に、アノード60aにのみ電極部材50aを適用し、カソード60cには一般的なガス拡散層を適用することもできる。
また、上述では、多数の開孔131が均一に形成されると共に規則的に折り曲げた板状部材100からカソード電極部材50cを構成した参考形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、開孔131の開孔率を部分的に変えたり、波形形状のピッチを部分的に変えたりした板状部材100から電極部材50a,50cを構成することもできる。開孔131の開孔率や波形形状のピッチが異なる複数種類の板状部材100を並べて配置することによって、1つの電極部材50a,50cを構成しても良い。このような形態の電極部材50a,50cによれば、通気抵抗を部分的に変えたり、触媒成分層30a,30cやセパレータ80a,80cとの接触面積を部分的に変えたりすることができる。また、燃料電池スタックを構成する場合には、セパレータ80a,80cを介して積層した複数のMEA70を均等に押圧するため、波形形状の高さhを部分的に変えた板状部材100から電極部材50a,50cを構成することもできる。
図3A〜図3Cに示したように、アノード60a、カソード60cともに電極部材50a,50cを用いる場合、アノード電極部材50aとカソード電極部材50cとが同一構造である必要はない。波形形状やそのピッチなどが異なる板状部材を適宜用いることができる。
また、カソード電極部材50cの第2の接触部112が接触する側の面を平面に形成したカソードセパレータ80cを図示したが、本発明はリブを備えるセパレータを除外するものではない。リブを備えるセパレータに電極部材50a,50cを接触させる形態としても、何ら支障はない。
さらに、図1(a)に示すPEFC10では、電極触媒層90cは、触媒成分層30c及び保護層150を備えている。そして、カソード電極部材50cの第1の接触部111は、保護層150の第2の面152と直接接触している。しかし、本参考形態のPEFCは、図5に示すように、保護層150を設けなくても良い。つまり、図5のPEFC11において、電極触媒層91cは、触媒成分を含有する触媒成分層30cを備えている。そして、カソード電極部材50cの第1の接触部111は、触媒成分層30cと直接接触している。
上記導電性の保護層150は、触媒成分層30cの破損を防止すると共に触媒成分層30cとカソード電極部材50cとの間の導電性を高める機能を有する。しかし、触媒成分層30c自体が十分な強度を有しつつも高い導電性を確保できるならば、保護層150を設けなくても良い。保護層を設けない場合には、カソード61cを厚さを薄くでき、延いては膜電極接合体71を小型化することができる。
ここで、第1の流路122が伸長する方向から観察した場合、カソード電極部材50cがカソード触媒成分層30cと接する部分の中心間隔、つまり図5においてカソード電極部材50cの波形形状のピッチをPとし、カソード触媒成分層30cの厚さをtとする。この場合、中心間隔Pと厚さtが、P<50tの関係を満たすことが好ましい。例えば、カソード触媒成分層30cの厚さtが10μmのときには、ピッチPはP<500μmであることが好ましい。発泡金属多孔体を用いた場合には、細孔径が比較的大きいので集電性を向上させるべくカーボンペーパを必要とする。しかし、上記中心間隔Pと厚さtの関係がP<50tを満たすことによって、カーボンペーパ(ガス拡散層)を使わずとも効率的に集電することが可能となる。
なお、カソード電極部材50cの波形形状のピッチPを小さくした場合、カソード触媒成分層30cとの接触面積が大きくなるため、集電性は向上するが第1の流路122の断面積が小さくなることから、反応ガスが拡散しにくくなる場合がある。その場合には、カソード電極部材50cのピッチPをやや大きくすることによって反応ガスが拡散しやすくなるが、カソード触媒成分層30cとの接触面積が減少してしまう。このような場合には、P<50tを満たすようにカソード触媒成分層30cの厚さtを大きくすれば良い。カソード触媒成分層30cの厚さtが大きくなるため、カソード触媒成分層30cの水平方向の電気抵抗が減少することからピッチPが大きくなっても効率的な集電が可能になる。また上記電極部材を用いた場合、比較的高価で作製も煩雑なカーボンペーパ(ガス拡散層)を用いなくて良いことから、カソード60cの作製コストを低減することができる。さらにカーボンペーパを必要としないため、厚さ方向のサイズを低減することができる。
実施形態
次に、本発明の実施形態に係る固体高分子形燃料電池について、図面に基づき詳細に説明する。なお、参考形態と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の固体高分子形燃料電池は、参考形態と同様に、高分子電解質膜20の一方の面には、カソード触媒成分層30cと、カソード触媒成分層30cの表面上に形成された保護層150と、導電性を備え、ガスを遮断するためのカソードセパレータ80cとが設けられている。さらに、カソード電極触媒層92cとカソードセパレータ80cとの間には、カソード電極触媒層92cと共にカソード62cを形成する電極部材50cが配置されている。
そして、本実施形態の固体高分子形燃料電池では、上記保護層150と電極部材50cとの間に導電体170が設けられている。つまり、本実施形態におけるカソード電極触媒層92cは、カソード触媒成分層30c及び保護層150に加え、前記保護層150の表面上に設けられ、前記保護層150と電極部材50cとの間を電気的に接続する導電体170を備える。
上述の参考形態では、前記電極部材の第1の接触部が、電極触媒層の保護層又は触媒成分層に対して直接接触する構成となっている。このような構成でも電極部材と電極触媒層と間の電気抵抗が十分に低減し、セル電圧を高めることができる。しかし本実施形態では、電極部材と電極触媒層と間の電気抵抗をさらに低減させるために、導電体を設けたことを特徴とする。このような構成により、アノード電極触媒層90aで発生した電子が、アノードセパレータ80a、外部負荷、カソードセパレータ80c、電極部材50c及び導電体170を介して、容易に保護層150及びカソード触媒成分層30cに伝達される。さらに、このような導電体170を保護層150の表面に設けることにより、保護層150の面方向(水平方向)の伝導度が向上する。そのため、簡易な構成で保護層150と電極部材50cとの間の界面抵抗を減少させ、セル電圧の向上を図ることができる。
ここで、上記導電体170は、保護層150よりも電気伝導度が高いことが好ましい。これにより、電極部材50cと保護層150との間の界面抵抗をより減少させ、電極部材50cから保護層150に対して、電子を円滑に伝達することができる。
上記導電体170は、図6及び図7に示すように、複数の線状導電部材からなることが好ましい。導電体170が線状の導電部材からなることによって、導電パスを形成しつつも、第1の流路122から保護層150及びカソード触媒成分層30cへの酸化剤ガスの供給を効率的に行うことが可能となる。つまり、後述するように、本実施形態の導電体170は、遷移金属や導電性炭素により形成されるため、ガス透過性が乏しい。そのため、保護層150の全面に導電体170を形成した場合、カソード触媒成分層30cに対する酸化剤ガスの供給が不十分となり、セル電圧が低下する虞がある。しかし、導電体170を線状導電部材とすることによって、十分なガス透過性を確保することが可能となる。なお、導電体170の形状は、線状に限らず、保護層150及びカソード触媒成分層30cへ酸化剤ガスを供給することが可能ならば如何なる形状であっても構わない。例えば、導電体170は、網目状であっても良い。
上記導電体170が線状導電部材からなる場合、図7に示すように、導電部材を保護層150の長辺方向に沿って配置しても良い。また、線状導電部材を保護層150の短辺方向に沿って配置しても良い。ここで、隣接する線状導電部材の間隔dは、良好な導電性を確保しつつも酸化剤ガスの供給が阻害されない範囲で設定すれば良いが、例えば100μmとすることができる。また、図6に示すように、線状導電部材の厚さTや幅Wも良好な導電性を確保できる範囲で設定すれば良いが、例えば厚さTを1μmとし、幅Wを10μmとすることができる。
また、上記導電体170が線状導電部材からなる場合、前記線状導電部材は、電極部材50cの第1の流路122と平行又は直交していることが好ましい。電極部材50cの第1の流路122は、図6(a)及び(b)においては紙面に直交する方向が流路方向であるが、導電体170はこの流路方向に平行に配置されていることが好ましい。または、図6(b)に示すように、導電体170は、第1の流路122の流路方向に直交に配置されていることが好ましい。これにより、保護層150上に必要最小限の導電性パスのみが形成される。そのため、第1の流路122から保護層150及びカソード触媒成分層30cへ酸化剤ガスの供給が阻害されなくなり、セル電圧の低下を抑制することができる。さらに、図6(b)のように導電体170を直交に配置した場合、隣接する第1の接触部111の間の導電性も確保できるため、保護層150への電子の移動がさらに容易になる。なお、導電体170の配置は、図6(a)及び(b)に示す配置に限られない。つまり、電極部材50cの第1の流路122が曲線形状である場合、この曲線に沿うようにして導電体170を配置しても良い。
前記導電体170は、遷移金属及び導電性炭素の少なくともいずれか一方を含有していることが好ましい。遷移金属及び導電性炭素は、導電性が高いため、多くの電流が流れると共に、燃料電池内部の環境下においても腐食しにくい。そのため、電極部材50cと保護層150との間の界面抵抗を減少させることができる。さらに導電性炭素は安価であるため、燃料電池のコスト削減を図ることもできる。なお、導電体170は、遷移金属又は導電性炭素のみからなっていても良いし、遷移金属又は導電性炭素の粒子同士を結びつける結合剤が含有されていても良い。また、導電体170は、遷移金属又は導電性炭素のほかに、他の導電材料が含有されていても良い。
上記導電体170に使用される遷移金属としては、金、銀及び銅を挙げることができる。これらは導電性が高く、さらに燃料電池内部でも腐食しにくい。さらに後述するように、これらの材料を使用した場合、めっきやエッジングにより導電体を形成することができるため、加工性に優れる。また、これらの遷移金属の中でも銀や銅を主成分とすることにより、コストを削減することができる。
また、上記導電体170に使用される材料としては、上記遷移金属と樹脂とからなる導電性ペーストを用いることができる。具体的には、銀と樹脂を混合した導電性銀ペーストを用いることができる。導電性ペーストは、遷移金属の粒子が樹脂によりコーティングされているため、遷移金属粒子の腐食を防止し、長期にわたる導電性を確保することができる。また、導電性ペーストを用いることにより、印刷技術により導電体170を形成できるため、製造コストを抑えることができる。
さらに、上記導電体170に使用される導電性炭素としては、参考形態における導電性炭素層140で説明した導電性炭素を使用することができる。また、この導電性炭素の結晶構造も導電性炭素層140と同様の結晶構造を有していても良いが、導電性及び耐食性を兼ね備える限り、任意の結晶構造とすることができる。さらに、導電体170に使用される導電性炭素としては、導電性のダイヤモンドライクカーボン(DLC)を用いることもできる。
また、図7に示すように、上記導電体170の表面、つまり電極部材50cの第1の接触部111と接触する面には金メッキ171が施されていても良い。具体的には、導電体170が銅からなる場合、銅の表面に金メッキを設けても良い。これにより導電性が向上するため、電極部材50cと導電体170との間の接触抵抗をさらに低減することができる。また、導電体170の表面を金メッキで覆うようにした場合、導電体の腐食を抑制することもできる。さらに、導電体170全体を貴金属で作成した場合には高価となってしまうが、導電体170を銅とし、表面に金メッキを設ける構成とした場合には貴金属量を低減できるため、コスト低減を図ることができる。
上記導電体170の製造方法について説明する。導電体170が遷移金属からなる場合には、遷移金属の薄膜を保護層150上に貼り付け、その後、エッジングすることにより、上記形状を備えた導電体170を形成することができる。さらに、導電体上への金メッキの形成は、公知の方法により行うことができる。
また、上記導電性ペーストを用いる場合には、印刷により導電体170を形成することができる。具体的には、スクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを保護層150上に塗布することにより、導電体を形成することができる。印刷法を用いた場合には、高速で安定的に導電体を形成できるため、製造コストを抑えることができる。
上述では、カソード62cに導電体170を設けた場合について説明したが、アノードに上記電極部材50aを使用し、さらに導電体を形成しても良い。これにより、アノードにおける接触抵抗を低減することができる。また、図8に示すように、触媒成分層30c上に保護層を設けず、導電体170を触媒成分層30cの表面に直接接触するように形成しても良い。これにより、電極の厚さを薄くしつつも、電極部材50cと触媒成分層30cとの間の導電性を高めることができる。
次に、本発明の効果を実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明の技術的範囲は実施例に限定されない。
(実施例)
固体高分子電解質膜として、ナフィオンCS(登録商標、デュポン株式会社製)を用いた。この電解質膜に、白金担持カーボン(田中貴金属工業株式会社製 TEC10E50E、白金含量50質量%)を塗布したテフロン(登録商標)シートをホットプレス法にて両面に転写し、アノード触媒成分層及びカソード触媒成分層を形成した。白金触媒使用量は、アノード触媒成分層及びカソード触媒成分層ともに0.4mg/cmとした。
次に、アノード触媒成分層及びカソード触媒成分層の保護及び集電性向上のため、カーボン粒子層及び保護層をアノード触媒成分層及びカソード触媒成分層上にそれぞれ圧着した。これにより、固体高分子電解質膜、アノード触媒成分層、カソード触媒成分層、カーボン粒子層及び保護層の接合体を作製した。なお、カーボン粒子層及び保護層は、PTFEの多孔体であるポアフロン(登録商標、住友電気工業株式会社製)に、アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)と、PTFEの微粒子であるPolyflon(登録商標、ダイキン工業株式会社製)と、適量の増粘剤とからなる水分散液を含侵し、350℃、30分間焼成処理を行ったものである。
さらに、メッシュ数500のステンレスメッシュ(綾織、線径25μm、目開き26μm)を、エンボスロールによって折り曲げ加工し、溝深さ200μm、ピッチ200μmの波形形状の板状部材に加工した。この板状部材に100μmの厚さの金メッキを施して、電極部材を作製した。
カーボン粒子層及び保護層上にそれぞれ電極部材を配置し、一対のセパレータによって挟持し、評価用単セルとした。なお、セパレータとして、切削カーボン(メカニカルカーボン工業株式会社製)を用いた。また、セパレータの形状はリブのない平面状とした。本実施例のPEFCは、図3Aに示したように、アノード及びカソードをともに、電極触媒層と電極部材とから構成し、カーボンペーパ製、カーボン不織布製あるいはカーボンファイバー製のガス拡散層は用いなかった。
(比較例)
実施例と同様に、固体高分子電解質膜、電極触媒層、カーボン粒子層及び保護層の接合体を作製した。
次に、カーボン粒子層及び保護層上にカーボンファイバ製のガス拡散層(東レ株式会社製)をそれぞれ圧着し、一対のセパレータによって挟持し、比較例の評価用単セルとした。なお、セパレータとして、切削カーボン(メカニカルカーボン工業株式会社製)を用いた。また、セパレータはリブ(ガス拡散路)を有する形状とした。なお、リブの幅は1mm、流路深さ1mmである。
(評価)
実施例及び比較例の各評価用単セルの発電試験を行った。アノードに水素、カソードに空気を供給し、相対湿度をアノード100%RH、カソード100%RHとした。さらに、セル温度70℃にし、水素及び空気の供給圧力を大気圧とした。
評価結果を図9に示す。図9に示すように、フラッディングが生じやすい高加湿条件において、実施例の電極部材を用いたセルは、フラッディング現象が発生せず、セル抵抗が低いため、高電流密度においてもセル電圧が高く、良好な性能を示した。一方、比較例のガス拡散層を用いたセルは、リブ下で発生していると思われるフラッディング現象のために、電圧が大きく低下した。
以上から、電極部材を用いた燃料電池セルは、従来のガス拡散層を用いたセルに比べて、高電流密度においてもフラッディングを生じることなく、高い電圧を維持でき、良好な性能を示すことがわかった。
特願2008−305002号(出願日:2008年11月28日)の全内容は、ここに援用される。
以上、実施の形態及び実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
本発明の電極部材は、多数の開孔が形成されると共に波形形状に折り曲げた導電性の板状部材から構成してあるので、ガス拡散路が均等かつ規則的な流路となり、ガス拡散路の圧力損失が少なくなる。このため、ガスを効率的に拡散して、十分なガス供給機能を確保することができる。そして、電気化学的反応の進行が促進される結果、高出力化を図ることができる。また、電極部材を介して電極触媒層とセパレータとの間の導電性が確保されるので、セル抵抗が低くなる。さらに、電極部材が電極触媒層に接している部位においても、開孔を介して、電極触媒層にガスを直接供給することができる。このため、電極触媒層の全面を均一に利用することができ、セル電圧を高めることが可能となる。
また、従来は電極触媒層とセパレータとの間のガス拡散性及び導電性を確保すべく、炭素製の織布や不織布からなり、導電性及び多孔質性を有するシート状材料のガス拡散層が必要とされていた。しかし、本発明では、ガス拡散層を設けず、電極触媒層とセパレータの間に電極部材が直接介在している。そのため、電極触媒層とセパレータとの間のガス拡散性及び導電性を確保しつつ、MEA全体の薄層化を図ることが可能となる。
従来のガス拡散層では、黒鉛化処理まで行った導電性の高いカーボンファイバ等を用いたシート状の基材を使用している。しかし、カーボンファイバを黒鉛化処理するためには、2000℃以上の高温処理をするため、コストが大幅に上がる。これに対し、本発明では、高価なガス拡散層の代わりに、安価な電極部材を用いているため、低コスト化を図ることができる。
10 固体高分子形燃料電池
20 高分子電解質膜
50c カソード電極部材
80c カソードセパレータ
90c カソード電極触媒層
100 板状部材
111 第1の接触部
112 第2の接触部
121 ガス拡散路

Claims (12)

  1. 高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜の一方の面に設けられる電極触媒層と、
    導電性を備え、ガスを遮断するためのセパレータと、
    前記電極触媒層と前記セパレータとの間に配置され、前記電極触媒層と共に電極を形成する電極部材と、を備え、
    前記電極部材は、前記電極触媒層に対して直接接触する第1の接触部と、前記セパレータに対して直接接触する第2の接触部と、前記ガスが流れるガス拡散路と、を備え、
    前記電極部材は、多数の開孔が形成されると共に、波形形状に折り曲げた導電性の板状部材から構成され、
    前記電極触媒層は、触媒成分を含有する触媒成分層と、前記触媒成分層と電極部材との間に介在し、前記触媒成分層の破損を防止する導電性の保護層と、前記保護層の表面上に設けられ、前記電極部材の第1の接触部と接触することにより前記保護層と電極部材との間を電気的に接続する導電体と、を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  2. 前記電極部材のガス拡散路は、前記板状部材と前記電極触媒層及び前記セパレータとの間に形成される第1の流路と、前記開孔によって形成される第2の流路と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  3. 前記電極部材は、前記電極触媒層と前記セパレータとの間の空間における前記ガスの流下方向に前記第1の流路を沿わせて配置されていることを特徴とする請求項に記載の固体高分子形燃料電池。
  4. 前記セパレータは、前記電極部材の前記第2の接触部が接触する側の面が平面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池。
  5. 前記電極部材の表面は、導電性防食処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池。
  6. 前記導電性防食処理は、金又は導電性炭素のコーティングであることを特徴とする請求項に記載の固体高分子形燃料電池。
  7. 前記板状部材は、メタルメッシュ、パンチングメタル、エッチングメタル又はエキスパンドメタルから形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池。
  8. 前記導電体は、前記保護層よりも電気伝導度が高いことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  9. 前記電極部材のガス拡散路は、前記板状部材と前記電極触媒層及び前記セパレータとの間に形成される第1の流路と、前記開孔によって形成される第2の流路と、を有しており、
    前記導電体は、複数の線状導電部材からなり、
    前記線状導電部材は、前記第1の流路と平行又は直交していることを特徴とする請求項1又はに記載の固体高分子形燃料電池。
  10. 前記導電体は、遷移金属又導電性炭素を含有することを特徴とする請求項1,及びのいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池。
  11. 前記導電体は、金、銀、銅又は銀と樹脂とからなる導電性ペーストを含有することを特徴とする請求項1及び乃至10のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池。
  12. 前記導電体が遷移金属を含有する場合、前記導電体における電極部材と接触する面には金メッキが施されていることを特徴とする請求項1及び乃至11のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池。
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