JP5335449B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
この種の空気調和装置では、ドレンパンに貯留されたドレン水に半固形状のヌメリ(以下、スライムという)が発生することがあり、このスライムがドレンポンプや排水ホースを詰まらせるおそれがあった。これを解消するために、ドレンパンに設けられるドレンキャップ(水抜き栓)の上方位置に抗菌剤ユニットを配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。
この発明によれば、抗菌剤ユニットには、ドレンポンプが排水可能な最低水位より上方に抗菌剤を収容する収容部が設けられ、ドレンポンプの停止によりドレンポンプからの戻り水で水位が上昇したドレン水を収容部に導入可能なドレン水導入経路が形成されているので、抗菌剤をドレン水に常時浸ける場合に比して、抗菌剤の寿命を長くすることができる。
また、上記構成によれば、立設部の剛性を十分に確保しつつドレン水導入経路を広く確保することができる。
また、上記構成によれば、窪み部及び溝部を介してドレン水の抗菌剤ユニットへの流通を円滑にすることができる。
また、上記構成において、前記ドレンパンには、水抜き用の貫通孔が設けられると共に、この貫通孔を閉じるドレンキャップが設けられ、このドレンキャップに前記抗菌剤ユニットを一体的に形成してもよい。この構成によれば、抗菌剤ユニットの配置スペースを別途確保する必要がない分、抗菌剤ユニットの配置が容易になる。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る天井埋込型空気調和装置(室内機)の設置状態を示す図である。なお、以下の説明において、上下左右等の方向は設置状態に対応する方向である。
この室内機10は、装置本体20が天井裏に設置され、化粧パネル100が天井から露出したいわゆる天井カセット形に構成され、より正確には、4つの吹出口120を有する4方向天井カセット形に構成されている。
装置本体20は、その外ケースを構成して送風機33や熱交換器(室内熱交換器)35等の空調部品を収容する金属製の筐体21を備えている。この筐体21は、金属板の板金加工で形成されており、天板部(天板)21bと、天板部21bの外縁に沿って下方へ延出する側板部(側板)21cとを備えて下側全面が開口する箱型形状に形成されている。
化粧パネル100は、装置本体20の下部、つまり、筐体21の下部に取り付けられる。この化粧パネル100は、樹脂製パネルで形成され、筐体21の下側開口よりも大型の矩形状とされ、その中央部に室内空気を取り込むための1つの吸込口110を有し、この吸込口110の周囲に化粧パネル100の4辺に沿って延在し、熱交換後の空気を吹き出すための複数(本例では4つ)の吹出口120を有している。
化粧パネル100の4つの角部には、コーナーパネル102が取り付けられている。コーナーパネル102は、化粧パネル100の下側に向けて取り外し可能に構成され、このコーナーパネル102を外したときに、上述した吊り金具28と吊りボルト29との係合位置まで取付作業者の手が入るような大きさを有している。
熱交換器35(図3参照)は、フィン・チューブ型の熱交換器が適用され、熱交換面積を多く確保すべく、送風機33の周囲を囲うように多角形状に曲げられて配置され、この熱交換器35の一端35aと他端35bとが管板36で連結されるようになっている。
また、この側板部21c1の反対側端部には、その内側スペース(熱交換器35と筐体21との間のスペース)S2内の後述するドレンポンプ71がドレン水を排出するドレン配管38が外に露出し、筐体21外からドレン配管38の接続作業が可能に構成されている。このように冷媒配管37やドレン配管38が筐体21の一つの側板部21c1から接続可能に構成されるので、配管作業者は作業をほぼ同じ位置から行うことができる。
また、このドレンパン40は、化粧パネル100の吸込口110に対応する部分に吸込用開口部40aを有し、この吸込用開口部40aにはベルマウス42が取り付けられると共に、この吸込用開口部40aの外周部が下方に突出して化粧パネル100に当接する当接部40b(図2参照)が形成されている。
このため、送風機33の運転によって、室内空気が化粧パネル100の吸込口110から吸い込まれ、ドレンパン40の吸込用開口部40aを通じて筐体21内へと吸い込まれた後に熱交換器35を通過し、この熱交換器35によって室内空気と冷媒とが熱交換される。そして、この熱交換された調和空気が、ドレンパン40の吹出用開口部40cを通じて化粧パネル100の吹出口120から被調和室へ吹き出され、これによって被調和室が空調される。
空調運転時(例えば、冷房運転時)には、熱交換器35でドレン水が生成され、このドレン水はドレンパン40の上面側であって、熱交換器35に沿って形成された凹状溝であるドレン溜まり部40gに流れ落ちる。
本構成のドレンパン40では、ドレンパン40の一端側(上記スペースS2に相当する部分)にドレン溜まり部40gの最深部(以下、ドレン最深部40hという)が形成されており、全ドレン水がドレン最深部40hに回収されるようになっている。このドレン最深部40hの上側には、ドレン最深部40hに溜まったドレン水を汲み上げて外部に排水するドレンポンプ71が配設されている。
この貫通孔40jは、ドレンポンプ71の吸込口71aの直下ではなく、吸込口71aの側方(本例では、ドレンポンプ71の吸込口71aと熱交換器35との間)で上下に延びる貫通孔に形成されている。また、この貫通孔40jは、通常時はドレンキャップ(水抜き栓)200で閉じられ、各種メンテナンス時にドレンキャップ200を取り外すことによってドレンパン40に貯留されたドレン水を排出したり、ドレンパン40の清掃作業を行ったりすることができる。
図5及び図6に示すように、ドレンキャップ200は、ドレンパン40の貫通孔40jに挿入されるドレンキャップ本体(本体部)210と、ドレンキャップ本体210に着脱自在に設けられた蓋部220とを有している。このドレンキャップ本体210は、ゴム等の弾性材で形成されており、ドレンパン40の貫通孔40jに挿入される軸部211と、軸部211の下端部に設けられた大径つば部213と、軸部211から上方へ立設する立設部215とを一体に備えている。
また、この小径つば部212は、ドレンキャップ200の一周毎に連続する複数のつば部に形成されており、これによれば、仮にねじ山のような螺旋状に連続するつば部に形成したとすると、つば部の間に入った水が漏れてしまうが、本構成では、小径つば部212の間に水が存在したとしても確実に水が漏れないようになっている。
この立設部215は、図4に示すように、ドレンキャップ200をドレンパン40に取り付けた場合に、ドレンパン40のドレン最深部40hよりも上方に突出して、その上面215aが、ドレンポンプ71の吸込口71aの高さH0よりも上方に位置する高さH1に形成されている。
ここで、ドレンポンプ71の吸込口71aの高さH0は、ドレンポンプ71が排水可能な最低水位に相当しており、つまり、立設部215の上面215aは、ドレンポンプ71が排水可能な最低水位より上方に位置するようになっている。
このようにドレン水を水平方向に流通させれば、ドレンキャップ本体210がドレンポンプ71の吸込口71aに向けて流れるドレン水の流れを妨げず、言い換えれば、ドレン水をドレンポンプ71の吸込口71aに流し易いドレンキャップ200にすることができる。
この筒部225の内周側には、立設部215に設けられた引掛部218に引っ掛かる係止部221(図4参照)が設けられており、この係止部221が引掛部218の最奥部218aまで入ることによって蓋部220がドレンキャップ本体210に位置決めされる。この位置決め状態では、図4に示すように、蓋部220の上方覆い部221が、立設部215の上面215a(ドレンキャップ本体210の上面に相当)よりも高い位置にあり、この間の空間によって抗菌剤230を収容する収容部240が形成される。
上記したように、立設部215の上面215aは、ドレンポンプ71の吸込口71aの高さH0よりも上方に位置するので、抗菌剤230は、ドレンポンプ71の吸込口71aの上下に渡って配置され、しかも、上側収容部240aが下側収容部240bに比して拡径した空間に形成されるので、上側収容部240aに多くの抗菌剤230を収容でき、収容部240全体としても抗菌剤230の収容スペースを広く確保することができる。
このため、ドレンポンプ71が作動してドレン水を汲み上げている状態からその作動が停止した場合に、ドレンポンプ71内及びドレンポンプ71につながるドレン配管38内に残留するドレン水が自重により落下して吸込口71aからドレンパン40内へと戻ると、図7に示すように、この戻り水でドレンパン40に貯留されるドレン水の水位が吸込口71aよりも高い水位(図7では水位H2、ここでH2>H1>H0)に上昇するため、ドレン水が溝部217や窪み部216を通って上側収容部240a内へと入り、上側収容部240a内の抗菌剤230に接触してスライムの発生を抑えることができる。
すなわち、上側収容部240aは、ドレンポンプ71の吸込口71aの高さH0よりも上方に位置する高さH1以上であって、ドレンポンプ71の戻り水で上昇した水位H2より低い位置に設けられる。なお、図7に示す水位H2は、ドレン配管長が最大長時の戻り水水位を示している。
ここで、スライムが発生し易いのは、ドレンパン40にドレン水が貯留されたままの状態が継続した場合であり、実際には、ドレン水が溜まる運転(冷房運転)をした後に空調運転を停止し、その状態が継続した場合である。本構成では、空調空転が停止し、ドレンポンプ71も停止して戻り水でドレンパン40の水位が上昇すると、このドレン水が上側収容部240aに入って抗菌剤230に接触するので、スライムが発生し易いドレンポンプ71停止時にドレン水を抗菌剤230に接触させることができ、スライムの発生を効果的に抑えることができる。
しかも、抗菌剤ユニット250は、ドレンパン40から立設して上面215aがドレンポンプ71の吸込口71aよりも上方に位置する立設部215と、この立設部215の上面215aとの間に上側収容部240aを空けて装着される蓋部220とを備えるので、ドレンポンプ71の吸込口71aよりも上方に抗菌剤230を収容する上側収容部240aを簡易に設けることができ、また、抗菌剤230と蓋部220で抗菌剤230を囲って抗菌剤230を該位置に容易かつ確実に保持することができる。また、蓋部220を外せば、抗菌剤230を容易に交換でき、本実施形態のように蓋部220を透明材料で形成することによって抗菌剤230の状態を外部から容易に視認することも可能になる。
また、立設部215は、下方に凹んで溝部217と水平方向に連通する窪み部216の周囲に沿って立設し、溝部217が、窪み部216の周囲に沿って間隔を空けて形成されるので、この窪み部216及び溝部217を介してドレン水の抗菌剤ユニット250への流通を円滑にすることができる。
また、蓋部220と窪み部216との間に、上側収容部240aよりも低い位置に抗菌剤230を収容可能な下側収容部240bを設けたので、ドレンポンプ71からの戻り水でドレン水の水位が上昇していない場合でも、ドレン水を抗菌剤230に接触させてスライムの発生を抑えることができる。
さらに、本構成では、ドレンキャップ200に抗菌剤ユニット250を一体的に形成しているため、この種の抗菌剤ユニットを別体で形成した場合に比して、その配置スペースを別途確保する必要がない分、抗菌剤ユニット250の配置が容易になる。
図8乃至図10は第2実施形態を示している。第2実施形態では、抗菌剤ユニット250の蓋部220の中央に窪み部220xが形成されており(図8参照)、この窪み部220xの底が、ドレンキャップ本体(本体部)210の中央に設けられた窪み部216に当接するようになっている(図9参照)。
このため、抗菌剤ユニット250の蓋部220とドレンキャップ本体210との間に形成される収容部240は、図9及び図10に示すように、立設部215の上面215aよりも高い位置にある上側収容部240aだけとなり、第1実施形態で説明した下側収容部240bは形成されないようになっている。
これにより、ドレンポンプ71停止時にドレン水を抗菌剤230に接触させることができ、スライムの発生を効果的に抑えることができる。
すなわち、本実施形態では、ドレンポンプ71からの戻り水で水位が上昇した場合にドレン水が抗菌剤230に接触し、ドレン水の水位が低い場合、つまり、ドレンポンプ71作動時はドレン水は抗菌剤230に殆ど接触しない。上述したように、スライムが発生し易いのは、ドレン水が貯留された状態でドレンポンプ71停止した場合であり、本実施形態では、かかる場合にドレン水を抗菌剤230に接触させるので、スライムの発生を効果的に抑えつつ抗菌剤230の寿命を延ばすことができる等の上記第1実施形態の各種効果に加え、抗菌剤230全体の消耗度合いを均等にすることが可能になる。
このため、これら開口部229の下部及び溝部217を介して、ドレン水を水平方向に流通させることができ、かつ、これら開口部229の上部が、蓋部220の内外で空気を流通させる空気流通孔として機能し、ドレン水を蓋部220内(上側収容部240a)に導入し易くすることができる。
20 装置本体
35 熱交換器
38 ドレン配管
40 ドレンパン
40g ドレン溜まり部
40h ドレン最深部
40j 貫通孔
71 ドレンポンプ
71a 吸込口
200 ドレンキャップ
210 ドレンキャップ本体(本体部)
215 立設部
216 窪み部
217 溝部
220 蓋部
230 抗菌剤
240 収容部
240a 上側収容部
240b 下側収容部
Claims (2)
- 熱交換器と、この熱交換器で生成されたドレン水を受けるドレンパンと、このドレンパンに溜まったドレン水を汲み上げて排水するドレンポンプとを備えた空気調和装置において、
前記ドレンパンには抗菌剤ユニットが設けられ、
この抗菌剤ユニットには、前記ドレンポンプが排水可能な最低水位より上方に抗菌剤を収容する収容部が設けられ、前記ドレンポンプの停止によりドレンポンプからの戻り水で水位が上昇したドレン水を前記収容部に導入可能なドレン水導入経路が形成され、
前記抗菌剤ユニットは、前記ドレンパンから立設して上面が前記ドレンポンプの吸込口よりも上方に位置する立設部と、この立設部の上面との間に前記収容部を空けて装着される蓋部とを備え、
前記立設部は、前記ドレン水導入経路として、上面から下方に凹む溝部を有するとともに、下方に凹んで前記溝部と水平方向で連通する窪み部の周囲に沿って立設し、前記溝部が、前記窪み部の周囲に沿って間隔を空けて形成され、
前記蓋部と前記窪み部との間に、前記収容部より低い位置に抗菌剤を収容可能な下側収容部を設けたことを特徴とする空気調和装置。 - 前記ドレンパンには、水抜き用の貫通孔が設けられると共に、この貫通孔を閉じるドレンキャップが設けられ、このドレンキャップに前記抗菌剤ユニットを一体的に形成したことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
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