JP5334975B2 - ジグリセロールまたはポリグリセロールおよび少なくとも1つのカルボン酸のエステルに基づく離型剤を含有する熱可塑性組成物 - Google Patents

ジグリセロールまたはポリグリセロールおよび少なくとも1つのカルボン酸のエステルに基づく離型剤を含有する熱可塑性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性組成物、熱可塑性組成物を製造するための方法、この方法により得られる熱可塑性組成物、熱可塑性組成物に基づく成形品を製造するための方法、この方法により得られる成形品およびまたジグリセロールまたはポリグリセロールおよび少なくとも1つのカルボン酸のエステルを含有する離型剤の使用に関する。
熱可塑性ポリマーに基づく熱可塑性組成物は、その熱可塑性のため、成形品を製造するために頻繁に使用される。これには、その熱可塑性ポリマーのガラス転移温度を超える温度まで熱可塑性組成物を加熱すること、およびその後例えば射出成形によって、その組成物にその所望の形状を与える射出成形金型へとそれらを射出することが関与する。
しかしながら、効果的な離型挙動は、例えば射出成形によって成形品を成形するための効率的かつ経済的な加工をもたらすために、熱可塑性組成物にとって重要な特性である。この加工挙動をもたらすために、通常は、成形品を製造するために使用される熱可塑性組成物に離型剤(MRA)が加えられる必要がある。離型剤としての機能を効果的に果たさせるために、この種の薬剤またはこの種の化合物は、それがその有効性を失わずかつ/または変退色を引き起こさないように、加工条件下で安定でなければならない。さらに、可能であるなら、その離型剤は、その組成物のポリマーおよび他の構成成分と化学的に相互作用するかも知れないし、またはその熱可塑性組成物の特性が悪影響を及ぼされないかもしくは、かかる効果が不可避である場合には、ごくわずかにしか影響を及ぼされない程度までだけはその組成物に悪影響を及ぼすかも知れない。透明または半透明のポリマーでは、この離型剤は透明性を損なってはいけない。射出成形の間、この離型剤は、型の表面上に堆積物を一切形成してはならず、成形後に、その堆積物がその表面で目に見えるようになる程度までその堆積物がその部品の表面へと移行してもいけない。成形品の表面上の離型剤のかかる堆積物は「曇り(Beschlag)」と呼ばれる。
特許文献1は、芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルの混合物に基づき、かつ2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとC10〜C36カルボン酸との脂肪酸エステルおよび飽和α−オレフィンオリゴマーの混合物を含有する熱可塑性組成物を、離型剤として記載する。しかしながら、この熱可塑性組成物の欠点は、とりわけ、その中に含有されかつ2つの化学的に異なる構成成分(脂肪酸エステルおよびα−オレフィンオリゴマー)からなる離型剤が化学組成において非常に複雑であるということにある。加えて、特許文献1に記載される熱可塑性組成物の透明性はさらに改善する余地がある。
さらに、先行技術で使用される離型剤、特に特許文献1で使用される離型剤は高い揮発性を示し、これが、成形品の製造の間の高温のために離型剤の一部が逃散するということを引き起こす。これは毒物学的な理由から憂慮すべきであるだけでなく、それは射出成形金型の表面からのその熱可塑性組成物の取り外し挙動の機能障害にもつながる。
米国特許出願公開第2005/0234171(A1)号明細書
本発明は、熱可塑性成形材料に関連する技術から生じる欠点の少なくともいくつかを克服するという目的に基づいていた。
本発明に係る目的は、費用効率よく製造することができることおよび良好な離型特性を呈することとは別に、良好な環境適合性によって際立ち、かつ特にその良好な生分解性の結果として、生分解性熱可塑性組成物からの繊維、箔、フィルムおよび成形品の製造における離型剤としての使用に適した離型剤を提供することであった。
特に、本発明は、例えば射出成形によって成形品を製造するために使用される場合に、射出成形金型の表面から容易に取り外すことができ、かつその熱可塑性組成物はできるだけ少ない数の化学的に異なる構成要素を含有し、それゆえできるだけ少ない工程で費用効率よく製造することもできる熱可塑性組成物、特に主にまたはもっぱら熱可塑性ポリエステルに基づく熱可塑性組成物を開示するという目的に基づいていた。
加えて、本発明は、当該技術分野で公知の熱可塑性組成物と比べて改善された透明性およびまた当該技術分野で公知の熱可塑性組成物と比べて改善された射出成形金型の表面からの取り外し挙動を呈する熱可塑性組成物を開示するという目的に基づいていた。特に、当該熱可塑性組成物の加工、特にこの熱可塑性組成物からの成形品の製造において逃散するこの組成物の構成成分はできるだけ少なくかるべきであり、可能であるならその構成成分はまったく逃散しないでいるべきであり、こうなると、成形品を製造することに関与する人の毒物学的な曝露を最小限度にまで減少させることが可能になる。
本発明はまた、本願明細書中でこれまでに記載された有利な熱可塑性組成物を製造するために使用することができる方法を開示するという目的にも基づいていた。
さらに、本発明は、熱可塑性組成物のガラス転移温度の範囲またはガラス転移温度より上の温度まで加熱した後に、熱可塑性組成物が成形品と移され、その成形品は、いったん冷却されると、その成形品を製造するために使用された型の表面から、当該技術分野で公知の成形品、特に先行技術の熱可塑性ポリエステルに基づく成形品よりもはるかに効率的に取り外すことができるという、成形品を製造するための方法を開示するという目的に基づいていた。
本発明はまた、当該技術分野で公知の熱可塑性ポリエステルベースの成形品と比べて費用効率よく製造することができ、可能であるなら改善された透明性をも呈する成形品、特に熱可塑性ポリエステルに基づく成形品を開示するという目的にも基づいていた。
冒頭で述べた目的のうちの少なくとも1つを成し遂げることへの寄与は、
a)熱可塑性ポリマーと
b)離型剤と、
c)任意にさらなる添加剤と
を含み、この離型剤が
2以上のグリセロール単位に基づく少なくとも1つのアルコール構成成分と、
少なくとも1つのカルボン酸もしくはカルボン酸の誘導体またはその両方と
のエステルを含有する熱可塑性組成物によってなされる。
このアルコール構成成分は、各々2以上の、好ましくは2〜20、特に好ましくは2〜10個のグリセロール単位に基づく分枝状、非分枝状または環状アルコール化合物の形態にあることが好ましい。このアルコール構成成分は、2または3以上の上述のアルコール化合物の混合物の形態にあってもよい。この場合、5以下のグリセロール単位からなるアルコール化合物の割合が、各々アルコール構成成分基準で少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に好ましくは少なくとも80重量%であることが好ましい。さらに、本発明に係る別の構成では、6以上のグリセロール単位を有するアルコール化合物の割合が、各々アルコール構成成分基準で50重量%未満、好ましくは30重量%未満、特に好ましくは20重量%未満であることが好ましい。
本発明に係る熱可塑性組成物のさらなる構成では、このアルコール構成成分は構造Iまたは構造IIまたはこれら2つのものの混合物
Figure 0005334975
(式中、
nは、2〜100、特に好ましくは2〜50、さらに好ましくは2〜25、さらにより好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5、なおさらにより好ましくは2〜4の範囲の整数であり、
oは、0〜70、特に好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜25、さらにより好ましくは2〜10、さらに好ましくは1〜5、なおさらにより好ましくは1〜4の範囲の整数であり、
pは、0〜70、特に好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜25、さらにより好ましくは2〜10、さらに好ましくは1〜5、なおさらにより好ましくは1〜4の範囲の整数であり、
*はラジカルAの結合であり、
Xは水素またはラジカルAであり、
Yは水素またはラジカルAであり、
Zは水素またはラジカルAである)
に対応する。
本発明に係る1つの構成では、50重量%を超える、好ましくは75重量%を超える、特に好ましくは85重量%を超える1以上の構造Iの化合物がアルコール構成成分の中に含有される。本発明に係る別の構成では、50重量%を超える、好ましくは75重量%を超える、特に好ましくは85重量%を超える1以上の構造IIの化合物がアルコール構成成分の中に含有される。上記の重量%は、各々アルコール構成成分基準である。
本願明細書で使用する場合の用語「熱可塑性ポリマー」は、特定の温度範囲において容易に(熱可塑的に)変形できるプラスチック材料を指す。このプロセスは可逆的であり、加熱のし過ぎが熱によるその材料の分解を引き起こさない限り、冷却しおよび溶融状態へと再加熱することにより所望のかぎり多くの回数を繰り返すことができる。
本発明に係る組成物の中に含有されてもよい熱可塑性ポリマーは、特に、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性ポリビニルエステル、熱可塑性ポリエーテル、熱可塑性ポリスチレン、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性硫黄ポリマー、熱可塑性ポリアセタール、熱可塑性フッ素樹脂、熱可塑性スチレン−オレフィンコポリマー、熱可塑性ポリアクリレート、熱可塑性エチレン−酢酸ビニルコポリマーまたは上述の熱可塑性ポリマーのうちの2以上の混合物である。
しかしながら、本発明によれば、各々当該熱可塑性ポリマーの総重量基準で、この熱可塑性ポリマーの90重量%超、特に好ましくは95重量%超、なおさらにより好ましくは少なくとも99重量%および最も好ましくは100重量%が熱可塑性ポリエステルに基づくことが好ましい。本願明細書で使用する場合の用語「ポリエステル」は、特に、ポリカルボン酸とポリオールとの重縮合反応によって得られたポリマー(「AA//BB−ポリエステル」として知られている)またはヒドロキシカルボン酸の重縮合反応または環状エステルの開環重合によって得られたポリマー(「AB−ポリエステル」として知られている)を包含する。本発明に係る1つの構成では、ホスゲンをジオールと反応させることにより得ることができるポリカーボネートは、本発明に従って使用される用語「ポリエステル」から除かれることがある。
原理上、すべての現在公知の熱可塑性ポリエステルおよびコポリエステルは、本発明に係る熱可塑性組成物における構成成分a)として使用することができる。この種のポリエステルの例としては、少なくとも1つのポリカルボン酸、好ましくはジカルボン酸(二塩基酸)またはエステルを形成するその誘導体と、少なくとも1つのポリオール、好ましくは二価アルコール(ジオール)との縮合反応によって生成された実質的に直鎖状のポリエステルが挙げられる。この好ましくは二塩基酸および好ましくは二価ジオールは、両方またはいずれかは脂肪族または芳香族であってもよいが、軟化点および加水分解安定性の点から芳香族および部分芳香族のポリエステルが熱可塑性成形材料として特に好ましい。芳香族ポリエステルでは、実質的にすべてのエステル結合が芳香族環に結合している。それらは、半結晶性でかつ液晶挙動を呈していてさえよく、または非晶性であってもよい。本発明によれば、少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸またはエステルを形成するその誘導体と、少なくとも1つの脂肪族ジオールとから得られた部分芳香族ポリエステルは、特に好ましくは熱可塑性ポリエステルである。適切な芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸または4,4’−ビフェニルジカルボン酸が挙げられる。適切な脂肪族ジオールの例としては、アルキレンジオール、とりわけ2〜6個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を含むアルキレンジオールが挙げられ、特定の例はエチレングリコール、プロピレンジオールおよびブチレンジオールである。好ましくは、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオールまたは1,4−ブチレンジオールは、本発明に係る組成物の中に構成成分a)として含有される熱可塑性ポリエステルを生成するためのポリオールまたはジオール構成成分として使用される。本発明によれば特に好ましくかつジカルボン酸をジオールと反応させることによって得られる熱可塑性ポリエステルとしては、特にポリアルキレンテレフタレート、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアルキレンナフタレート、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアルキレンジベンゾエート、例えばポリエチレンジベンゾエート、およびまたこれらの熱可塑性ポリエステルのうちの少なくとも2つの混合物が挙げられる。
本願明細書中で上に記載されるこれらの部分芳香族ポリエステルは、他のジカルボン酸(例えばイソフタル酸)、または他のジオール(シクロヘキサンジメタノールなど)に由来する少量の単位を任意に含むことができる。これは、一般にポリエステルの融点を下げる。特別の群の部分芳香族ポリエステルは、本願明細書中で上に記載されるポリエステルセグメント(「ハードセグメント」としても知られる)に加えて「ソフトセグメント」として知られるセグメントを含むセグメント化またはブロックコポリエステルとして公知のものである。これらのソフトセグメントは、柔軟性のあるポリマー、つまり反応性末端基、好ましくは2つのヒドロキシル基を有して低ガラス転移温度(T)および低剛性を有する実質的に非晶性ポリマーに由来する。好ましくは、これらの「ソフトセグメント」のガラス転移温度は0℃未満、特に好ましくは−20℃未満、最も好ましくは−40℃未満である。原理上、複数の異なるポリマーをソフトセグメントとして使用することができる。「ソフトセグメント」の適切な例は、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステルまたは脂肪族ポリカーボネートである。このソフトセグメントのモル質量は、広い範囲にわたってよいが、好ましくは400〜6,000g/molである。
少なくとも1つのポリカルボン酸またはエステルを形成するその誘導体と、少なくとも1つのポリオールとの重縮合反応から得られる本願明細書中で上に記載される直鎖状ポリエステルに加えて、本発明に係る熱可塑性組成物はまた、短鎖ヒドロキシカルボン酸の重縮合反応または環状エステルの開環反応によって得られる熱可塑性ポリエステルも含有することができる。
熱可塑性ポリマーを生成するために使用することができる適切な、短鎖ヒドロキシカルボン酸の例としては、特にL−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸およびまたこれらのヒドロキシカルボン酸の混合物が挙げられる。適切な環状エステルの例としては、特にグリコリド(グリコール酸の二量体)およびε−カプロラクトン(6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステル)が挙げられる。
本願明細書中で上に記載される熱可塑性ポリエステルの製造は、とりわけ「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」、第12巻、1〜75頁および217〜256頁;John Wiley & Sons(1988)およびまた「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry」、第A21巻、227〜251頁、VCH Publishers Inc.(1992)に記載されている。本発明によれば好ましい熱可塑性ポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリ乳酸(PLA)であり、本発明の熱可塑性組成物の好ましい構成では、これらのポリマーの各々が、各々熱可塑性組成物基準で、50重量%を超えて、好ましくは75重量%を超えて、特に好ましくは90重量%を超えてそれ自体含有されてもよい。
構成成分a)としての熱可塑性ポリマーに加えて、本発明に係る組成物はまた、構成成分b)として、好ましくは構造Iもしくは構造IIまたは構造Iおよび構造IIの化合物の混合物のアルコール構成成分とカルボン酸とのエステルを含む、離型剤をも含む。それゆえ、本願明細書で使用する場合の表現「構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分とカルボン酸とのエステル」は、このエステルはその化学組成の点では構造IまたはIIのアルコール構成成分とカルボン酸とのエステルとして記載されてもよいということを単に表すだけである。しかしながら、原理上、このエステルは、そのカルボン酸を構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分と反応させることによるだけではなく、そのカルボン酸をグリシドールと反応させることによっても生成することができそして得ることができる。
本願明細書で使用する場合の用語「カルボン酸」は、プロトン化された形態のカルボン酸、脱プロトン化された形態のカルボン酸(すなわち特にカルボン酸の塩)およびプロトン化された形態のカルボン酸および脱プロトン化された形態のカルボン酸の混合物を包含する。さらに、原理上、用語「カルボン酸」は少なくとも1つのカルボン酸基を有するすべての化合物を包含する。それゆえ、それは特に、少なくとも1つのカルボン酸基に加えて、例えばヒドロキシル基、ケト基またはエーテル基などの他の官能基も含む化合物も包含する。ジカルボン酸、トリカルボン酸または4以上のカルボキシル基を有するカルボン酸も用語「カルボン酸」に包含されるが、モノカルボン酸が特に好ましい。
用語「カルボン酸の誘導体」は、アルコールとの反応においてそのカルボン酸の対応するエステルを導く、すべてのカルボン酸の誘導体を包含する。特に、用語「カルボン酸の誘導体」は、当該カルボン酸の酸塩化物および当該カルボン酸の酸無水物を包含する。これらの誘導体は、好ましくは当該カルボン酸と比較して増加したカルボン酸基の反応性を示し、そのためエステルの形成はアルコールとの反応において促進される。
構造Iのアルコール構成成分とカルボン酸またはカルボン酸の誘導体とのエステルを含有する離型剤は、従って、本発明に係る熱可塑性組成物の中に構成成分b)として含有される離型剤として使用される。この場合、各々当該離型剤の総重量基準で、この離型剤の少なくとも50重量%、特に好ましくは少なくとも60重量%および最も好ましくは少なくとも75重量%が、本願明細書中で上に記載されるエステルに基づくことが特に好ましい。
離型剤b)のエステル構成成分として使用されるカルボン酸は、特に、6〜26の範囲、特に好ましくは8〜24の範囲、さらにより好ましくは10〜22の範囲、さらに好ましくは12〜20の範囲、最も好ましくは14〜18の範囲の数の炭素原子を有する飽和または不飽和カルボン酸の形態にある。それゆえ本発明によれば、特に好ましいカルボン酸は脂肪酸である。
適切なカルボン酸の例としては、特に、カプロン酸、エナント酸(Oenanthsauere)、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、魚油、パルミチン酸、ペラゴン酸(Pelagonsaeure)、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、エイコセン酸、菜種油、セトレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、チムノドン酸、クルパノドン酸またはセルボン酸が挙げられる。
さらに、ヒドロキシカルボン酸も適切なカルボン酸として含まれる。これらのうちで、例えばリシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸(少量のステアリン酸およびパルミチン酸、ならびに12−ヒドロキシステアリン酸を含む脂肪酸)、サビン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロリン酸(Ipurolinsaeure)(3,11−ジヒドロキシテトラデカン酸)、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ジャラピノール酸、ジュニペル酸、アンブレットール酸、アロイリチン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、カムロレニン酸、フェロニン酸(Ferronsaeure)、セレブロン酸、9−ヒドロキシステアリン酸および10−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸が特に好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸およびリシノール酸が最も好ましい。
本願明細書中で上に記載されるカルボン酸は、上記エステルを生成するために個々にまたはカルボン酸混合物として使用することができ、とりわけ天然の脂肪酸混合物の使用が特に好ましい。
原理上、当該アルコール構成成分は、2以上の当業者に公知のグリセロール単位に基づくすべての化合物の形態であってもよい。1以上の構造Iもしくは構造IIの化合物またはこれらの混合物はアルコール構成成分として特に適切である。これらの構造に関連しては、上記の考察を参照のこと。
従って、当該エステルのアルコール構成成分は、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロールもしくはポリグリセロールまたはこれらの混合物を含む。これらは、5以上のグリセロール分子の縮合によって得ることができる。この種のジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロールまたはポリグリセロールは、当業者に公知の方法、特に塩基触媒または酸触媒によるグリセロールの縮合によって得ることができる。
離型剤としてまたは離型剤の構成要素として使用される、カルボン酸と構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分とのエステルは、この種のエステルを生成するための当業者に公知のいずれかの方法によって、特にそのカルボン酸を構造Iもしくは構造IIのアルコール構成成分と反応させること、またはそのカルボン酸をグリシドールと反応させることによって生成することができる。
当該エステルがカルボン酸を構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分と反応させることにより生成される場合、両方の構成成分が提供され、そのあと適切なエステル化触媒の存在下で触媒される。使用されるエステル化触媒は、例えば硫酸もしくはp−トルエンスルホン酸などの酸、または金属およびその化合物であってもよい。適切な例は、微粉化された金属としてまたはその塩、酸化物または可溶性有機化合物の形態で好都合に使用されるスズ、チタン、ジルコニウムである。これらの金属触媒は、プロトン酸とは対照的に、一般に180℃を超える温度でのみその完全な活性を達成する高温触媒である。しかしながら、それらは本発明によれば好ましい。なぜなら、それらはプロトン触媒反応と比べて、より少ない副生成物(例えばオレフィンなど)しか生成しないからである。本発明によれば特に好ましいエステル化触媒は、1以上の二価のスズ化合物、または二価のスズ化合物を形成するための出発物質と反応することができるスズ化合物もしくは元素状のスズである。例えば、使用される触媒は、スズ、塩化スズ(II)、硫酸スズ(II)、スズ(II)アルコラートまたは有機酸のスズ(II)塩、特にモノカルボン酸およびジカルボン酸のスズ(II)塩であってもよい。特に好ましいスズ触媒は、シュウ酸スズ(II)および安息香酸スズ(II)である。
当該カルボン酸と構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分との間のエステル化反応は、当業者に公知の方法を使用して行うことができる。これに関して、反応の間に形成された水を反応混合物から取り除くことが特に有利である場合がある。この水の除去は、好ましくは蒸留によって、任意に、過剰のアルコールを用いた蒸留によって実施される。エステル化反応が行われた後、反応しなかったアルコールをその反応混合物から除去することも可能であり、このアルコールの除去も好ましくは蒸留によって実施される。さらに、エステル化反応の完了の後に、特に反応しなかったアルコールを分離した後に反応混合物中に残存する触媒は、任意に塩基を用いた処理の後に、濾過によってまたは遠心分離によって分離することができる。
さらに、カルボン酸と構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分との間のエステル化反応を、50〜300℃の範囲、特に好ましくは100〜280℃の範囲、最も好ましくは150〜270℃の範囲、さらにより好ましくは200〜250℃の範囲の温度で実施することが好ましい。最適温度は、原料アルコール、反応の進行、触媒の種類および触媒の濃度に依存する。それらは、各々個々の場合について、試行錯誤によって容易に決定することができる。高められた温度は、反応速度を上昇させ、例えばアルコールからの水の脱離または着色した副生成物の形成などの二次反応を促進させる。所望の温度または所望の温度範囲は、反応容器中の圧力(わずかに過剰の圧力、常圧または任意に減圧)によって設定することができる。
カルボン酸をグリシドールと反応させることにより当該エステルが生成される場合、適切な触媒の存在下でこのエステル化を実施することもまた好ましく、この場合はリン酸系酸性触媒が特に、好ましい。この種の触媒は、特にリン酸またはそのエステルを含む。適切な触媒の例としては、特にリン酸、リン酸無水物、ポリリン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸および四リン酸、ならびに酸性リン酸エステル(例えばメチルアシッドホスフェート(Methylsaeurephosphat)、エチルアシッドホスフェート(Ethylsaeurephosphat)、イソプロピルアシッドホスフェート(Isopropylsaeurephosphat)、ブチルアシッドホスフェート(Butylsaeurephosphat)、および2−エチルヘキシルアシッドホスフェート(2−Ethylhexylsaeurephosphat)など)が挙げられる。モノエステル化合物、ジエステル化合物および混合物も使用することができる。
脂肪酸をグリシドールと反応させることによるエステルの生成に関するさらなる詳細は、とりわけ欧州特許出願公開第0 758 641号明細書にも示唆されている。
さらに、各々がカルボン酸とアルコールまたはグリシドールとのエステル化によって得ることができる種々のエステルの混合物、またはカルボン酸とアルコールとのエステル化によって得ることができる少なくとも1つのエステルおよびカルボン酸とグリシドールとのエステル化により得ることができる少なくとも1つのさらなるエステルの混合物もまた、離型剤または離型剤の構成要素として使用することができる。カルボン酸構成成分が異なる種々のエステルの混合物もまた、離型剤または離型剤の構成要素として使用することができる。
本発明に係る熱可塑性組成物の特に好ましい実施形態によれば、構成成分b)として含有される離型剤は、カルボン酸、好ましくは脂肪酸と、ジグリセロール、トリグリセロールまたはテトラグリセロールとのエステルを含む。
さらに、離型剤または離型剤の構成要素(構成成分b)として使用される、カルボン酸と構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分とのエステルに関しては、そのアルコールのヒドロキシル基のすべてがエステル化されているのではなく、そのヒドロキシル基の一部がエステル化されないまま残存していることが好ましい。これに関しては、当該アルコールのヒドロキシル基の少なくとも5mol%、特に好ましくは少なくとも10mol%、さらにより好ましくは少なくとも20mol%、さらに好ましくは少なくとも30mol%、さらに好ましくは少なくとも40mol%、最も好ましくは少なくとも50mol%が、カルボン酸のカルボン酸基でエステル化されていないことが特に好ましい。表現「少なくとも5mol%がカルボン酸のカルボン酸基でエステル化されていない」は、この場合、本発明に係る組成物の中に含有される離型剤において、カルボン酸と構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分とから離型剤を製造するための構造Iまたは構造IIのアルコール構成成分の中にもともと存在したヒドロキシル基の少なくとも5mol%がエステル化されておらず、それゆえ完成した離型剤においてさえもいまだヒドロキシル基の形態にあるということを表現することを意図している。
さらに、本発明に係る熱可塑性組成物は、熱可塑性ポリマー(構成成分a)および離型剤(構成成分b)に加えて、さらなる添加剤も任意に含有することができる。このさらなる添加剤は、特に衝撃改質剤、充填剤、補強材、難燃剤化合物、熱安定剤およびUV安定剤、酸化防止剤、他の加工助剤、核形成剤、染料およびたれ防止剤(Antitropfmittel)が挙げられる。適切な衝撃改質剤、充填剤、補強材および難燃剤化合物の例は、とりわけ米国特許出願公開第2005/0234171(A1)号明細書から示唆されるであろう。
さらに、本発明に係る熱可塑性組成物に関連して、当該熱可塑性組成物が、各々当該熱可塑性組成物の総重量基準で、
a1)60〜99.99重量%、特に好ましくは80〜99.8重量%および最も好ましくは90〜99.6重量%の当該熱可塑性ポリマー、
b1)0.01〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および最も好ましくは0.2〜5重量%の当該離型剤、および
c1)0〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および最も好ましくは0.2〜5重量%のさらなる添加剤、
(構成成分a1)〜c1)の合計は100重量%である)
を含有することが好ましい。
本発明に係る別の構成では、熱可塑性組成物が、各々当該熱可塑性組成物の総重量基準で
a2)1〜69.99重量%、特に好ましくは1.5〜49.8重量%および最も好ましくは2〜19.6重量%の当該熱可塑性ポリマー、
b2)0.01〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および最も好ましくは0.2〜5重量%の当該離型剤、
c2)少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、特に好ましくは少なくとも30重量%の生分解性の充填用構成成分、および
d2)0〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および最も好ましくは0.2〜5重量%のさらなる添加剤、
(構成成分a2)〜d2)の合計は100重量%である)
を含有することが好ましい。上記生分解性の充填用構成成分は、原理上、当業者にとって公知でありかつ適切と思われるすべての構成成分の形態にあってもよい。これらとしては、特に単一および複数の糖類(デンプンおよびデンプン誘導体、セルロースおよびセルロース誘導体、麻、黄麻、靱皮、トウ、葦、特に葦粉、および植物から得られる他の物質、またはこれらのうちの少なくとも2つの組み合わせなど)が挙げられる。この構成の範囲内で、各々熱可塑性ポリマー基準で、当該熱可塑性ポリマーの少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも50重量%、特に好ましくは少なくとも75重量%が、乳酸などの再生可能な原料から生成することができるモノマーに基づくことも好ましい。この熱可塑性組成物は、生分解性の1回のみ使用の使い捨ての物品(食事用食器(Geschirr)または食卓用刃物類(Besteck)など)に特に適している。
本発明に係る熱可塑性組成物の特定の実施形態によれば、当該組成物が0.001重量%未満、特に好ましくは0.0005重量%未満、最も好ましくは0.0001重量%未満の、少なくとも1つのC〜C18 α−オレフィンの飽和のα−オレフィンオリゴマーを含有することが好ましい。
冒頭で述べた目的の少なくとも一部を成し遂げることに対する寄与は、
a)熱可塑性ポリマーと、
b)離型剤と、
c)任意に、さらなる添加剤と
を含有する熱可塑性組成物を製造するための方法であって、
i)熱可塑性ポリマーまたは当該熱可塑性ポリマーの前駆体を準備する工程と、
ii)2以上のグリセロール単位に基づくアルコール構成成分、および
少なくとも1つのカルボン酸もしくはカルボン酸の誘導体またはその両方、
に少なくとも基づくエステルを含有する離型剤を準備する工程と、
iii)任意に、さらなる添加剤を準備する工程と、
iv)構成成分i)、ii)および任意にiii)を混合する工程と、
を含む方法によってなされる。
この熱可塑性ポリマー、離型剤およびさらなる添加剤としては、本発明に係る熱可塑性組成物に関連して冒頭で好ましい熱可塑性ポリマー、離型剤およびさらなる添加剤として述べた熱可塑性ポリマー、離型剤およびさらなる添加剤が好ましい。
これらの構成成分は、最初に工程i)、ii)および任意にiii)で準備される。次いで構成成分i)、ii)および任意にiii)は、本発明に係る方法の工程iv)で混合される。
構成成分i)、ii)および任意にiii)は、この場合、公知の技術を使用して混合することができる。従って、この混合は、例えば、種々の構成成分が当該熱可塑性ポリマーの溶融加工温度より下で混合される乾式混合プロセス、または当該構成成分が任意に予め混合されて当該熱可塑性ポリマーの溶融加工温度で混合される溶融混合法であってもよい。この溶融混合法は、本発明によれば好ましくかつ、例えば、一軸混練機、同方向回転噛合型、異方向回転噛合型、同方向回転非噛合型、異方向回転非噛合型または他の型の二軸混練機を使用する連続溶融混練によって、またはローラー混練機、バンバリー(Banbury)混練機などを使用するバッチ溶融混練によって実行することができる溶融混練法が特に挙げられる。乾式混合法および溶融混合法の組み合わせも想定できる。
さらに、混合装置の中への個々の構成成分i)、ii)および任意にiii)の添加の順序および特質は、原理上は、重要ではない。従って、例えば、当該熱可塑性ポリマーおよび任意に添加剤を、最初に混合装置に入れ、当該離型剤をその後にだけ加えることもできる。当該離型剤またはその離型剤の一部を本発明に係る熱可塑性組成物の1以上の他の構成成分と、例えば1以上の添加剤と最初に混合し、次いでこの混合物をすでに混合装置の中に入れられている熱可塑性ポリマーに加えるか、または最初にこの混合物を混合装置の中に置きその後にのみ当該熱可塑性ポリマーを加えるかのいずれかが想定できる。
本発明に係る熱可塑性組成物を製造するための方法のさらなる構成では、混合は、以下の手段の少なくとも1つに従って実施される:
M1)当該熱可塑性ポリマーのガラス転移温度で、または当該熱可塑性ポリマーのガラス転移温度を超える温度で;
M2)当該離型剤が当該熱可塑性ポリマーよりも多くの液体であるか;または
M3)当該離型剤の少なくとも一部が当該熱可塑性ポリマーの前駆体に加えられる。
さらに、上記の手段のうちの2以上が組み合された場合は、本発明に係る構成と調和する。具体的に、構成として、これは、数字の組み合わせに基づいて示される手段の以下の組み合わせ:M1M2、M1M3、M2M3およびM1M2M3をもたらす。
本発明に係る方法の好ましい実施形態M1によれば、構成成分i)、ii)および任意にiii)は、溶融混合法により、本発明に係る方法の工程iv)で混合される。これに関して、工程iv)における混合が、当該熱可塑性ポリマーのガラス転移温度で、または当該熱可塑性ポリマーのガラス転移温度を超える温度で行われることが特に好ましい。これに関して、この混合が、ガラス転移温度(T)の5℃下〜使用される熱可塑性ポリマーのガラス転移温度の200℃上の範囲の温度、特に好ましくはガラス転移温度(T)の1℃下〜使用される熱可塑性ポリマーのガラス転移温度の180℃上の範囲の温度、最も好ましくはガラス転移温度(T)の1℃上〜使用される熱可塑性ポリマーのガラス転移温度の150℃上の範囲の温度で実施されることが特に好ましいが、温度範囲の上限は、使用される熱可塑性ポリマーの分解温度によって実質的に定められる。さらに、この混合が、使用される熱可塑性ポリマーのガラス転移温度の上10〜180℃、好ましくは50〜150℃の範囲の温度で実施される場合は、本発明に係る構成と調和する。
当該離型剤が当該熱可塑性ポリマーよりも多くの液体である本発明に係る構成M2において、当該離型剤が液体でありかつ当該熱可塑性ポリマーがまだ液体ではない温度で当該離型剤を使用することが好ましい。好ましくは、熱可塑性ポリマーの温度は、この場合は、このポリマーのガラス転移温度より下である。従って、この離型剤の溶融温度およびこの熱可塑性ポリマーのガラス転移温度が少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃、特に好ましくは少なくとも30℃異なる場合が好ましい。さらに、この構成では、この熱可塑性ポリマーを顆粒として使用することが好ましくかつ一般的でもある。一般的に言えば、球状または円筒状の三次元形状を有する当業者に公知のすべての顆粒形態が、この場合も可能である。ふるい分析によって測定される顆粒のサイズは、その顆粒粒子の少なくとも70重量%が、0.01〜5cmの範囲、好ましくは0.1〜4cmの範囲にある。この構成に係る手順によって、顆粒状の粒子の表面が本発明に係る離型剤で少なくとも部分的にコーティングされるということが可能になり、その結果、少なくとも部分的にコーティングされた熱可塑性ポリマーの顆粒が得られる。これによって、特に当該組成物が引き続く押出のために配合物として調製される場合には、本発明に係る離型剤が当該熱可塑性組成物の中でできるだけ均一に分布するということが可能になる。
当該離型剤が当該熱可塑性ポリマーの前駆体に添加される本発明に係る構成M3では、当該離型剤は、液体形態または固体形態のいずれであってもよい。当該熱可塑性ポリマーの前駆体は、原理上、当該熱可塑性ポリマーが得られる前の当業者に公知のすべての前駆体の形態にあってもよい。これらとしては、特に、最終の熱可塑性ポリマーよりも小さい分子量を有する前駆体が挙げられる。この場合、この前駆体の分子量が、完成した熱可塑性ポリマーの分子量と少なくとも1.1倍、好ましくは少なくとも1.5倍、特に好ましくは少なくとも2倍異なることが好ましい。当該熱可塑性ポリマーを生成するために使用されるモノマーおよび好ましくは2〜100個のモノマーからなるオリゴマーに加えて、(特に重縮合物の)さらなる構成成分は、完成した熱可塑性ポリマーを形成するために通常は熱処理により完全に重合されたプレポリマーである。好ましくは、このプレポリマーは、繰り返し単位としての100個を超えるモノマーに基づいており、この完成した熱可塑性ポリマーの繰り返し単位としてのモノマーの数、従って最終の分子量は達成されていない。従って、本発明に係る離型剤をいずれの場合もモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーまたはこれらのうちの少なくとも2つに添加することが特に好ましい。これによって、本発明に係る離型剤の均一な分布に加えて、通常は重合または完全重合の間に行き渡る状態の結果としての当該離型剤の組み込みも、当該熱可塑性ポリマーとの化学結合の結果として可能になる。
溶融混合法の場合に工程iv)で得られた加熱された組成物が直接成形品の製造へと供給されない限り、当該方法は、さらなる工程v)も含むことができる:
v)当該熱可塑性組成物を、好ましくは10〜30℃の範囲の温度、特に好ましくは15〜25℃の範囲の温度まで冷却する工程。
さらに、工程iv)で得られた熱可塑性組成物は、工程v)を実施する前、実施している間、または実施した後に、しかしまた任意に工程iv)の後でかつ工程v)を実施することなく、さらなる造粒に供給することができる。
さらに、本発明に係る方法に関連して、構成成分a)〜c)を混合することにより得られる熱可塑性組成物が、各々当該熱可塑性組成物の総重量基準で、
a1)60〜99.99重量%、特に好ましくは80〜99.8重量%および最も好ましくは90〜99.6重量%の当該熱可塑性ポリマー、
b1)0.01〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および最も好ましくは0.2〜5重量%の当該離型剤、および
c1)0〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および最も好ましくは0.2〜5重量%のさらなる添加剤、
(構成成分a1)〜c1)の合計は100重量%である)
を含むような相対量で、構成成分a)〜c)が互いに混合されることが好ましい。
本発明に係る方法の別の構成では、構成成分a2)〜d2)を混合することにより得られる熱可塑性組成物が、各々当該熱可塑性組成物の総重量基準で、
a2)1〜69.99重量%、特に好ましくは1.5〜49.8重量%および最も好ましくは2〜19.6重量%の当該熱可塑性ポリマー、
b2)0.01〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および最も好ましくは0.2〜5重量%の当該離型剤、
c2)少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、特に好ましくは少なくとも30重量%の生分解性の充填用構成成分、および
d2)0〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および最も好ましくは0.2〜5重量%のさらなる添加剤、
(構成成分a2)〜d2)の合計は100重量%である)
を含むような相対量で、構成成分a2)〜d2)が互いに混合されることが好ましい。
加えて、本発明によれば、当該熱可塑性組成物を製造するための本発明に係る方法の過程にわたって、少なくとも1つのC〜C18 α−オレフィンの飽和のα−オレフィンオリゴマーが、多くとも、構成成分a1)〜c1)またはa2)〜d2)を混合することにより得られる熱可塑性組成物が0.001重量%未満、特に好ましくは0.0005重量%未満、最も好ましくは0.0001重量%未満の飽和のα−オレフィンオリゴマーを含有するような量で使用されることが好ましい。
冒頭で述べた目的を成し遂げることへの寄与はまた、本願明細書中で上に記載される方法によって得られる熱可塑性組成物によってなされる。この場合および一般に、当該熱可塑性組成物が、6.64未満、好ましくは6未満、特に好ましくは5未満、さらに好ましくは4.9未満、さらに好ましくは4.7未満の黄変指数を呈することが好ましい。この黄変指数は、DIN 5033に従って検討されるべき当該組成物の試料のL、a、b表色系に係るb値として測定される黄値によって決定される。多くの場合、この黄変指数は2または3以上である。
冒頭で述べた目的の少なくとも一部を成し遂げることへの寄与は、熱可塑性組成物に基づく成形品を製造するための方法であって、
I)本発明に係る熱可塑性組成物を準備する工程と、
II)当該熱可塑性組成物を当該熱可塑性ポリマーのガラス転移温度または当該熱可塑性ポリマーのガラス転移温度を超える温度まで加熱する工程と、
III)工程II)で生成された加熱された熱可塑性組成物から成形品を製造する工程と
を含む方法によってもなされる。
成形品を製造するための本発明に係る方法の工程I)では、本発明に係る熱可塑性組成物が最初に準備され、この準備は、好ましくは工程i)、ii)、iv)および任意にiii)および/またはv)を含む方法によって実施される。
次いで、工程II)では、当該熱可塑性組成物は、当該熱可塑性ポリマーのガラス転移温度または当該熱可塑性ポリマーのガラス転移温度を超える温度まで加熱される。これに関して、当該熱可塑性組成物が、ガラス転移温度(T)の5℃下〜使用される熱可塑性ポリマーのガラス転移温度の100℃上までの範囲の温度、特に好ましくはガラス転移温度(T)の1℃下〜使用される熱可塑性ポリマーのガラス転移温度の50℃上までの範囲の温度、最も好ましくはガラス転移温度(T)の1℃上〜使用される熱可塑性ポリマーのガラス転移温度の20℃上までの範囲の温度まで加熱されることがここでも好ましいが、ここでも温度範囲の上限は、使用される熱可塑性ポリマーの分解温度によって実質的に定められる。
原理上、工程I)およびII)は、同時にまたは連続的に実施することができる。工程I)およびII)を同時に実施することは、例えば、当該熱可塑性組成物が溶融混合法によって生成される場合に有益である。この場合、溶融混合法によって生成された組成物を直接成形品に移すことが場合によっては有利である場合がある。工程I)およびII)を連続的に実施することは、例えば、この熱可塑性組成物が乾式混合法によって製造される場合、またはこの熱可塑性組成物が溶融混合法によって製造される場合に有益であるが、製造直後には成形品の形成には供されない。それとは逆に、それはまず工程v)に従って冷却される。
成形品を製造するための本発明に係る方法の工程III)では、成形品は、工程II)で生成された加熱された熱可塑性組成物から製造される。成形品を製造するための方法の特定の例は射出成形、押出成形、圧縮成形、層状成形(Schichtformen)、積層成形、中空成形、真空成形およびトランスファー成形であり、射出成形が特に好ましい。
さらに、少なくとも1つのさらなる工程IV)において、工程III)で得られる成形品の少なくとも一部の領域が、成形品のブランクとしての役割を果たすこと、およびこれに関連してその塊の断面を減少させることが、熱可塑性成形品を製造するための本発明に係る方法の構成に調和する。この塊の断面は、端から端まで本発明に係る熱可塑性成形材料で作製されている成形品の領域の断面である。例えば入れ物(Behaelter)または容器では、この塊の断面はこれらの入れ物または容器の壁の厚さである。糸または紐の形状に近い形で具現化される成形品では、この塊の断面はこれらの糸または紐の厚さである。プレート、層、ウェブ、フィルムまたは箔などのより平面状の形成物では、この塊の断面は平面状の形成物の厚さである。塊の断面を減少させるために、原理上、この目的のために当業者に公知のすべての適切な方法を使用してよい。これらの例としては、一方向または二方向への延伸(Strecken)、一方向または二方向への延伸(Ziehen)、遠心またはブロー成形が挙げられ、これらは、各々、本発明に係る熱可塑性組成物が延伸(Strecken)、延伸(Ziehen)、遠心またはブロー成形を実施することができるほどに十分に柔らかいかまたは液体でさえある高められた温度で実施されることが好ましい。断面が減少された一部の領域は、工程III)で得られた成形品の少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも80%を構成することが好ましい。一般的に言えば、延伸(Strecken)または延伸(Ziehen)は、工程III)で得られた成形品から繊維を得ようとする場合に実施される。他方、箔の製造では、この延伸(Ziehen)または延伸(Strecken)は、1以上の次元において実施することができる。従って、押出し成形機から出るウェブは、その押出し成形機からの出口速度よりも高速でロールの上へと引っ張ることができる。他方で、入れ物または容器を得ようとする場合は、延伸(Strecken)、延伸(Ziehen)および遠心とは別に、とりわけ、ブロー成形が工程IV)で使用される。この場合、この塊の断面は、気体の圧力を加えることにより減少される。この気体の圧力は、一般に、工程III)で得られた成形品の(通常、少なくともガラス転移温度まで加熱される)熱可塑性組成物が引き伸ばされるように選択される。一般的に言えば、この引き伸ばしは、当該成形品の最終形状を有する型の使用の結果として範囲が定められる。このように、冷凍器の区画などの入れ物に加えて、果物、野菜または食肉などの食品および錠剤、カプセル剤、坐薬または散剤などの医薬組成物用のトレイならびに包装材料、また液体用容器も製造することが可能である。これらの液体容器は、ボトルとして、特に好ましくはPETボトルまたはPLAボトルなどの多数回使用の容器として、化粧品業界または製薬業界の液体用に使用することができるだけでなく、食品業界、好ましくは飲料業界においても使用することができる。工程I)〜IV)のうちの2以上をさらなる工程によって補完し、かつ/または少なくとも時間を重ねて進行することも可能である。これは、特に工程III)およびIV)に当てはまる。
特にPETボトルまたはPLAボトルまたはPET−PLAボトルの製造では、少なくとも80重量%のPET、または通常(混合物基準で)30〜70重量%の範囲、好ましくは40〜60重量%の範囲の割合の複数の糖類(デンプンなど)と、PLAもしくはPETを伴うPLAとの混合物を含有する本発明に係る熱可塑性組成物が工程I)で準備される。この組成物は、工程II)によって加工され、工程III)で、閉じた領域に加えて、通常この閉じた領域に続く安定化作用を有するカラーおよびこれに続くスリーブのようなボトル領域を備える成形品のブランクが形成される。工程IV)では、このボトル領域をボトルの形状による境界範囲まで広げる気体が、この閉じた領域を通して供給される。この場合、このボトル領域の壁の塊の断面は、このボトル領域の容積が増加するに連れて、同時に減少する。この種の製造のために、例えば、とりわけBoehm Fertigungstechnik Suhl GmbH、ドイツによって供給される延伸ブロー成形機を使用してよい。
さらに、本発明はまた、ボトル以外の他の成形品を製造することも可能にする。これらには、1回使用および複数回使用の容器(プレート、トレイ、ポットまたはカップなど)、および食卓用刃物類(ナイフ、フォークまたはスプーンなど)が含まれる。本発明に係る生分解性熱可塑性組成物は、特にこれらの用途に適している。
冒頭で述べた目的のうちの少なくともいくつかを成し遂げることへのさらなる寄与は、成形品を製造するための本願明細書中で上に記載される本発明に係る方法によって得られる成形品、好ましくはボトル、特に好ましくはPETボトルによってもなされる。好ましくは、この成形品は、6.64未満、好ましくは6未満、特に好ましくは5未満、またさらに好ましくは4.9未満、さらに好ましくは4.7未満の黄変指数を呈する。多くの場合、この黄変指数は2または3以上である。
冒頭で述べた目的のうちの少なくともいくつかを成し遂げることへの寄与は、熱可塑性組成物において、特に熱可塑性ポリエステルに基づく熱可塑性組成物における離型剤として、
2以上のグリセロール単位に基づく少なくとも1つのアルコール構成成分と、
少なくとも1つのカルボン酸もしくはカルボン酸の誘導体またはその両方と、
から作製される離型剤の使用によってもなされる。当該離型剤およびその構成要素の好ましい実施形態に関連しては、上記の考察を参照されたい。
離型剤としておよび熱可塑性ポリマーとして、本発明においては、本発明に係る熱可塑性組成物に関連して好ましい離型剤および熱可塑性ポリマーであるとして冒頭で述べた離型剤および熱可塑性ポリマーが好ましい。熱可塑性ポリマーから作製される液体容器、特にPETボトルの製造における、2以上のグリセロール単位に基づく少なくとも1つのアルコール構成成分と少なくとも1つのカルボン酸もしくはカルボン酸の誘導体またはその両方とのエステル、を含有する離型剤の使用も、本発明の好ましい構成である。当該離型剤およびその構成要素の好ましい実施形態に関連しては、上記の考察を参照されたい。
本発明は、限定を意図しない実施例を参照してより詳細に説明されるであろう。
(ジグリセロールステアレートの製造)
343gのジグリセロール(ソルベイ社(Firma Solvay GmbH)、ドイツ)、725gの工業用ステアリン酸(コグニスオレオケミカル社(Firma Cognis Oleochemicals GmbH)、ドイツから入手したEdenor ST1)およびシュウ酸スズ(II)(フルカ社(Firma Fluka))を合わせ、窒素下で加熱した。この反応はおよそ200℃で開始した。3時間以内に、真空を適用することによって反応水をさらに抜き取り、この真空を15mbar(15hPa)まで下げた。引き続いて、この反応をさらに5時間継続した。酸価が<1となると、この反応を終えた。この混合物を90℃まで冷却し、漂白土と混合し、濾過した。いったんこの生成物を固化させ、それをすり砕いた。融点は55℃であった。
(熱可塑性組成物の製造)
6kgのポリエチレンテレフタレート(カタラーナ・デ・ポリマー(Catalana de Polimers)から入手したPET SP04)を15kg Henschel混合機の中に入れた。混合壁温度は40℃であった。さらに、0.5重量%の、上で生成したジグリセロールステアレートを離型剤として加えた。引き続いて、この材料を、押込みスクリューを備える造粒機(ZSK 26Mcc)で造粒した。
(熱可塑性組成物からの成形品の製造)
Battenfeld HM800/210型 油圧クランピングユニットを備える全油圧式射出成形機を、当該熱可塑性組成物から成形品を製造するために使用した。最大クランプ力は800kNであり、スクリュー直径は25mmであった。円錐形のテーパー状の、長方形のコアを有する型を、実験用の型として使用した。2kNの最大測定範囲を有する力変換器を、離型力を測定するためにエジェクタロッドに取り付けた。この成形材料を、およそ225℃で約4時間、予め乾燥した。
離型力(Nで表される)を、10サイクルにおいて測定した。
Figure 0005334975
上記の表は、ジグリセロールおよびステアリン酸のエステルを離型剤として上記熱可塑性組成物に添加すると、離型性の著しい改善および射出成形金型の壁からの著しく改善された取り外し挙動をもたらすことを示す。高い透明性および滑らかかつ均一な表面構造を有する成形品が得られた。さらに、PET SP04につき平均で6.64、PET SP04+ジグリセロールステアレートにつき4.6というDIN 5033による黄変指数(黄値)を、測定することができた。

Claims (21)

  1. 熱可塑性組成物であって、
    a)熱可塑性ポリエステルと
    b)離型剤と、
    c)任意にさらなる添加剤と
    を含み、前記離型剤が
    ジグリセロール、トリグリセロールまたはテトラグリセロールから選択される、2以上のグリセロール単位に基づく少なくとも1つのアルコール構成成分である構造Iまたは構造II、あるいはこれら2つのものの混合物と、
    Figure 0005334975

    (式中、
    nは、2〜100の範囲の整数であり、
    oは、0〜70の範囲の整数であり、
    pは、〜70の範囲の整数であり、
    *はラジカルAの結合であり、
    XはラジカルAであり、
    Yは水素またはラジカルAであり、
    Zは水素またはラジカルAである)
    6〜26の範囲の数の炭素原子を含む少なくとも1つのカルボン酸もしくはカルボン酸の誘導体またはその両方と
    のエステルを含む、熱可塑性組成物。
  2. 前記熱可塑性ポリマーの総重量基準で前記熱可塑性ポリマーの90重量%超がポリエステルに基づく、請求項に記載の熱可塑性組成物。
  3. 前記ポリエステルがポリカルボン酸およびポリオールの高分子エステルまたはヒドロキシカルボン酸に基づく高分子エステルである、請求項に記載の熱可塑性組成物。
  4. 前記アルコール構成成分のヒドロキシル基の少なくとも10mol%が前記カルボン酸のカルボン酸基でエステル化されていない、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱可塑性組成物。
  5. 前記熱可塑性組成物が、各々前記熱可塑性組成物の総重量基準で、
    a1)60〜99.99重量%の前記熱可塑性ポリエステル、
    b1)0.01〜20重量%の前記離型剤、および
    c1)0〜20重量%の前記さらなる添加剤、
    (構成成分a1)〜c1)の合計は100重量%である)
    を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱可塑性組成物。
  6. a)熱可塑性ポリマーとしての熱可塑性ポリエステルと、
    b)離型剤と、
    c)任意に、さらなる添加剤と
    を含む熱可塑性組成物を製造するための方法であって、
    i)熱可塑性ポリマーもしくは熱可塑性ポリマーの前駆体またはその両方を準備する工程と、
    ii)ジグリセロール、トリグリセロールまたはテトラグリセロールから選択される、2以上のグリセロール単位に基づくアルコール構成成分である構造Iまたは構造II、あるいはこれら2つのものの混合物と、
    Figure 0005334975
    (式中、
    nは、2〜100の範囲の整数であり、
    oは、0〜70の範囲の整数であり、
    pは、〜70の範囲の整数であり、
    *はラジカルAの結合であり、
    XはラジカルAであり、
    Yは水素またはラジカルAであり、
    Zは水素またはラジカルAである)
    6〜26の範囲の数の炭素原子を含む少なくとも1つのカルボン酸もしくはカルボン酸の誘導体またはその両方、
    に基づいて、エステルを含む前記離型剤を準備する工程と、
    iii)任意に、さらなる添加剤を準備する工程と、
    iv)構成成分i)、ii)および任意にiii)を混合する工程と、
    を含む方法。
  7. 前記混合する工程が、以下の手段:
    M1)前記熱可塑性ポリマーのガラス転移温度でまたは前記熱可塑性ポリマーのガラス転移温度を超える温度である、
    または
    M3)前記離型剤の少なくとも一部が前記熱可塑性ポリマーの前駆体に加えられる、
    のうちの少なくとも1つに従って実施される、請求項に記載の方法。
  8. 前記熱可塑性ポリマーの90重量%超がポリエステルに基づく、請求項または請求項に記載の方法。
  9. 前記ポリエステルがポリカルボン酸およびポリオールの高分子エステルまたはヒドロキシカルボン酸に基づく高分子エステルである、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記アルコール構成成分のヒドロキシル基のうちの少なくとも10mol%が前記カルボン酸のカルボン酸基でエステル化されていない、請求項6に記載の方法。
  11. 構成成分a)〜c)を混合することにより得られる前記熱可塑性組成物が、各々前記熱可塑性組成物の総重量基準で、
    a)60〜99.99重量%の前記熱可塑性ポリマーと、
    b)0.01〜20重量%の前記離型剤と、
    c)0〜20重量%の前記さらなる添加剤と、
    (構成成分a)〜c)の合計は100重量%である)
    を含むような相対量で、構成成分a)〜c)が互いに混合される、請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の方法によって得られる熱可塑性組成物。
  13. 6.64未満の黄変指数を有する、請求項12に記載の熱可塑性組成物。
  14. 熱可塑性組成物に基づく成形品を製造するための方法であって、
    I)請求項1から請求項6、請求項12または請求項13のいずれか1項に記載の熱可塑性組成物を準備する工程と、
    II)前記熱可塑性組成物を、前記熱可塑性ポリマーのガラス転移温度または前記熱可塑性ポリマーのガラス転移温度を超える温度まで加熱する工程と、
    III)工程II)で製造された加熱された、熱可塑性組成物から成形品を製造する工程と、
    を含む方法。
  15. さらなる工程IV)において、延伸、遠心又はブロー成形を実施して、工程III)で得られる前記成形品の少なくとも一部の領域における樹脂部断面を減ずる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記工程IV)においてブロー成形を実施することにより、前記断面が、気体の圧力を加えることにより減少される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記成形品が液体容器である、請求項14から請求項16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 請求項14から請求項17のいずれか1項に記載の方法によって得られる成形品。
  19. 6.64未満の黄変指数を有する、請求項18に記載の成形品。
  20. 2以上のグリセロール単位に基づく少なくとも1つのアルコール構成成分である構造Iまたは構造II、あるいはこれら2つのものの混合物と、
    Figure 0005334975
    (式中、
    nは、2〜100の範囲の整数であり、
    oは、0〜70の範囲の整数であり、
    pは、〜70の範囲の整数であり、
    *はラジカルAの結合であり、
    XはラジカルAであり、
    Yは水素またはラジカルAであり、
    Zは水素またはラジカルAである)
    少なくとも1つのカルボン酸もしくはカルボン酸の誘導体またはその両方とのエステルを含む離型剤の、熱可塑性組成物における、特に熱可塑性ポリエステルに基づく熱可塑性組成物における離型剤としての使用。
  21. 2以上のグリセロール単位に基づく少なくとも1つのアルコール構成成分である構造Iまたは構造II、あるいはこれら2つのものの混合物と、
    Figure 0005334975
    (式中、
    nは、2〜100の範囲の整数であり、
    oは、0〜70の範囲の整数であり、
    pは、〜70の範囲の整数であり、
    *はラジカルAの結合であり、
    XはラジカルAであり、
    Yは水素またはラジカルAであり、
    Zは水素またはラジカルAである)
    少なくとも1つのカルボン酸もしくはカルボン酸の誘導体またはその両方とのエステルを含む離型剤の、熱可塑性ポリマーからの液体容器の製造における使用。
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