JP5333909B2 - 現像装置、画像形成装置及びプロセスユニット - Google Patents
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Description
例えば、現像剤担持体上の現像剤を感光体等の潜像担持体に直接接触させないで、現像剤を潜像担持体上の潜像に供給して現像を行う現像装置がある。そして、この現像装置の一例としては、現像剤担持体上の一成分現像剤(トナー)をクラウド化させることによってトナーを潜像担持体上に供給する方式を採用するものがある。この方式に使用される現像剤担持体は、外周面に沿って複数種類の電極が所定のピッチで配置され、その複数種類の電極の外周面側を保護層で覆ったものである。この複数種類の電極に対し、時間的に変化する互いに異なる電圧をそれぞれ印加して、時間的に変化する電界を互いに近接する複数種類の電極間に形成すると、この電界により現像剤担持体上のトナーを互いに近接する複数種類の電極間で飛翔させることができる(このようにトナーが飛翔する現象を、以下「フレア」と呼ぶ。)。これにより、現像剤担持体の外周面近傍の空間でトナーがクラウド化した状況となる。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記内周側電極部材を上記ローラ軸部の端面まで引き出した部分を該内周側電極部材に印加される電圧の被給電部として構成するとともに、上記最外周電極部材を該ローラ軸部の周面まで引き出した部分を該最外周電極部材に印加される電圧の被給電部として構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の現像装置において、上記現像剤として、所定極性に帯電したトナーからなる一成分現像剤を用い、上記最外周電極部材は、上記現像剤担持体の外周面に沿って複数に分割された複数の電極部を備え、かつ、該複数の電極部間の電極間領域に対向する位置に、上記内周側電極部材が配置されるように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、上記最外周電極部材に対して電圧を供給するための給電部は、上記現像剤担持体の外周面の表面移動に伴って移動する該最外周電極部材の被給電部に接触しながら連れ回り回転する回転体を有し、該回転体を介して該最外周電極部材に電圧を給電することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、上記最外周電極部材に対して電圧を供給するための給電部は、上記現像剤担持体の外周面の表面移動に伴って移動する該最外周電極部材の被給電部に接触するブラシ部材を有し、該ブラシ部材を介して該最外周電極部材に電圧を給電することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、上記最外周電極部材に対して電圧を供給するための給電部は、該最外周電極部材の被給電部に対して複数箇所から電圧を給電することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、潜像担持体上に形成された潜像に対して現像装置により現像剤中のトナーを供給することにより該潜像を現像して得られる画像を、最終的に記録材上に転移させて、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体上に形成される潜像を現像剤中のトナーで現像する現像装置とを、1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスユニットにおいて、上記現像装置として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。
潜像担持体としてのドラム状の感光体49は、図中時計回り方向に回転駆動される。操作者がコンタクトガラス90に図示しない原稿を装置し、図示しないプリントスタートスイッチを押すと、原稿照明光源91及びミラー92を具備する第1走査光学系93と、ミラー94,95を具備する第2走査光学系96とが移動して、原稿画像の読み取りが行われる。走査された原稿画像がレンズ97の後方に配設された画像読み取り素子98で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化された後に画像処理される。そして、画像処理後の信号でレーザーダイオード(LD)が駆動され、このレーザーダイオードからのレーザー光がポリゴンミラー99で反射した後、ミラー80を介して感光体49を走査する。この走査に先立って、感光体49は帯電装置50によって一様に帯電され、レーザー光による走査により感光体49の表面に静電潜像が形成される。
ドラム状の感光体49は、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。そして、この感光体49の図中右側方には、現像剤担持体であるトナー担持ローラ2を有する現像装置1が配設されている。現像装置1は、図中時計回り方向に回転駆動される第1搬送スクリュー12を収容する第1収容部13と、図中反時計回りに回転駆動される第2搬送スクリュー14を収容する第2収容部15とを有しており、両収容部は仕切壁16によって仕切られている。そして、これら収容部はそれぞれ、図示しない磁性キャリアとマイナス帯電性のトナーとが混合された混合剤を収容している。
図3は、本実施形態におけるトナー担持ローラ2の電極配置を説明するためにトナー担持ローラ2を回転軸に対して直交する方向から見たときの模式図である。なお、説明の都合上、表層6や絶縁層5は図示していない。
図4は、本実施形態におけるトナー担持ローラ2を、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図である。
本実施形態のトナー担持ローラ2は、中空状のローラ部材で構成されており、その最内周に位置する最内周電極部材又は内周側電極部材としての内側電極3aと、最外周側に位置していて内側電極3aへ印加される電圧(内側電圧)とは異なる電圧(外側電圧)が印加される最外周電極部材としての櫛歯状の外側電極4aとを備えている。また、内側電極3aと外側電極4aとの間にはこれらの間を絶縁するための絶縁層5が設けられている。また、外側電極4aの外周面側を覆う保護層としての表層6も設けられている。すなわち、本実施形態のトナー担持ローラ2は、内周側から順に、内側電極3a、絶縁層5、外側電極4a、表層6の4層構造となっている。
本実施形態では、電極幅及び電極ピッチをいずれも80[μm]に設定している。
トナー担持ローラ2上の内側電極3a及び外側電極4aには、それぞれパルス電源25A,25Bから第1電圧である内側電圧及び第2電圧である外側電圧が印加される。パルス電源25A,25Bが印加する内側電圧及び外側電圧は、矩形波が最も適している。ただし、これに限らず、例えばサイン波で三角波でもよい。また、本実施形態では、フレア用電極を形成するための電極が内側電極3a及び外側電極4aの2相構成であり、各電極3a,4aには互いに位相差πをもった電圧がそれぞれ印加される。
本実施形態において、各電圧は矩形波であり、内側電極3aと外側電極4aにそれぞれ印加される内側電圧と外側電圧は、互いに位相がπだけズレた同じ大きさ(ピークトゥピーク電圧Vpp)の電圧である。よって、内側電極3aと外側電極4aとの間には、常にVppだけの電位差が生じる。この電位差によって電極間に電界が発生し、この電界のうち表層6の外側に形成されるフレア用電界によって表層6上をトナーがホッピングする。本実施形態において、Vppは100[V]以上2000[V]以下の範囲内であるのが好ましい。Vppが100[V]より小さいと、十分なフレア用電界を表層6上に形成できず、トナーを安定してホッピングさせるのが困難となる。一方、Vppが2000[V]より大きいと、経時使用により電極間でリークが発生する可能性が高くなる。本実施形態では、Vppを500[V]に設定している。
また、本実施形態において、内側電圧と外側電圧の中心値V0は、画像部電位(静電潜像部分の電位)と非画像部電位(地肌部分の電位)との間に設定され、現像条件によって適宜変動する。
この例では、内側電極3aについては、図5に示したものと同様の内側電圧が印加されるが、外側電極4aについては、直流電圧が印加される。この場合、電極間の電位差はVpp/2となる。よって、この例におけるVppの好適な範囲は、200[V]以上4000[V]以下である。この例によれば、内側電極3aと外側電極4aとの位相差を考慮する必要がなく、電源コストが安くなる。
この例では、外側電極4aについては、図5に示したものと同様の内側電圧が印加されるが、内側電極3aについては、直流電圧が印加される。この場合も、電極間の電位差はVpp/2となる。よって、この例におけるVppの好適な範囲は、200[V]以上4000[V]以下である。この例も、内側電極3aと外側電極4aとの位相差を考慮する必要がなく、電源コストが安くなる。
図9は、同給電構成を模式的に示す斜視図である。
本実施形態における内側電極3a及び外側電極4aへの給電構成において、内側電極3aは、トナー担持ローラ2のローラ軸と一体化されており、そのローラ軸端面が被給電部3bとなる。ローラ軸端面で構成される被給電部3bには、パルス電源25Aに接続された第1給電部材としての給電ブラシ7が当接している。一方、トナー担持ローラ2の外周面両端部分には表層6が設けられておらず、トナー担持ローラ2の外周面における外側電極4aの両端部分は露出しており、この露出面が被給電部4bとなる。その露出面で構成される被給電部4bには、パルス電源25Bに接続された第2給電部材としての給電コロ8が当接している。この給電コロ8は、回転自在に支持されており、トナー担持ローラ2の回転に伴い、被給電部4bに当接したまま連れ回り回転する。
また、本実施形態では、内側電極3aの被給電部がローラ軸端面である場合について説明したが、これに限らず、例えばローラ軸の周面やローラ本体部の端面を被給電部としてもよい。
次に、内側電極3a及び外側電極4aへの給電構成の変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図10は、本変形例1における内側電極3a及び外側電極4aへの給電構成を、ローラ軸に沿って切断したときの模式図である。
図11は、同給電構成をもつトナー担持ローラを、軸方向に対して直交する方向から見たときの模式図である。
図12は、同給電構成を模式的に示す斜視図である。
次に、トナー担持ローラ2にトナーを供給する構成の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図13は、本変形例2における現像装置を示す模式図である。
本変形例2では、磁性キャリアを用いないでトナー担持ローラ2にトナーを供給する。具体的には、本変形例2に係る現像装置1は、図中時計回り方向に回転駆動される第1搬送スクリュー12を収容する第1収容部13と、図中反時計回りに回転駆動される第2搬送スクリュー14を収容する第2収容部15とを有しており、両収容部は仕切壁16によって仕切られている。そして、これら収容部には、それぞれ、図示しないマイナス帯電性のトナーが収容されている。第1搬送スクリュー12及び第2搬送スクリュー14の回転駆動により、トナーは第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。この搬送時に、トナーは第1搬送スクリュー12及び第2搬送スクリュー14から摺擦を受けることで摩擦帯電する。このようにして摩擦帯電した第2収容部15内のトナーは、供給バイアス電源24により供給バイアスが印加されたトナー供給ロール18’上に、静電的に吸着する。なお、この供給バイアスは、直流電圧でも交流電圧でもよいし、また、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスでもよい。トナー供給ロール18’上に吸着したトナーは、規制部材22により担持量が規制された後、供給位置へと搬送される。そして、供給位置へ搬送されたトナーは、トナー供給ロール18’とトナー担持ローラ2との電位差の作用を受けて、トナー担持ローラ2の表面上に供給される。その後は、上記実施形態1と同様なので説明を省略する。
次に、トナー担持ローラ2にトナーを供給する構成の他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図14は、本変形例3における現像装置を示す模式図である。
本変形例3では、上記変形例2と同様に磁性キャリアを用いないでトナー担持ローラ2にトナーを供給するが、トナー供給ロール18’を用いずにトナーを直接的にトナー担持ローラ2へ供給する。
具体的には、本変形例3では、トナー収容部15’内にスポンジローラ18’を設け、スポンジローラ18’の表面をトナー担持ローラ2の表面に当接させている。これにより、トナー収容部15’内でスポンジローラ18’の表面に付着したトナーは、トナー担持ローラ2の表面との当接部で摺擦を受けて摩擦帯電し、これにより静電的にトナー担持ローラ2上へ供給される。本変形例3では、スポンジローラ18’をトナー担持ローラ2に対してトレーリング方向に回転駆動しているが、カウンター方向でもよい。本変形例3の場合、スポンジローラ18’に接続された供給バイアス電源24’により印加される供給バイアスによって、トナー担持ローラ2へ供給するトナーの量を制御することができる。この供給バイアスは、直流電圧でも交流電圧でもよいし、また直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスでもよい。
次に、現像に寄与しなかったトナーをトナー担持ローラ2から回収する回収手段としての回収機構30を設けた現像装置の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図15は、本変形例4における現像装置を感光体49とともに図示した概略構成図である。
本変形例4における現像装置の基本構成は、上記実施形態と同様であるが、回収機構30が設けられている点と、トナー担持ローラ2及びトナー供給ロール18の下方に位置するケーシング11の内壁が第2搬送スクリュー14を収容する第2収容部15に向けて下傾斜している点とが、主に相違する構成である。以下、この相違する構成についてのみ説明する。
図16に示すように、回収機構30として、回収ローラ34を利用した構成も採用できる。具体的には、この回収機構30は、トナー担持ローラ2の外周面に対向するように配置される回収ローラ34と、回収ローラ34に接触するように配置されたクリーニングブレード35と、回収ローラ34に所定の電圧を印加するための回収電源33とから構成されている。トナー担持ローラ2と回収ローラ34との間には、マイナス極性に帯電したトナーをトナー担持ローラ2から回収ローラ34に向けて静電的に移動させる向きの電界が形成される。これにより、現像領域で現像に寄与しなかったトナーは、回収ローラ34とトナー担持ローラ2とが対向しあう回収領域において、トナー担持ローラ2上から回収ローラ34側へ移動する。回収ローラ34に付着したトナーは、クリーニングブレード35によって掻き落とされる。掻き落とされたトナーは、ケーシング11の内壁面上を移動して第2収容部15内に戻され、再び第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。
図17に示すように、回収機構30として、ブラシローラ36を利用した構成も採用できる。具体的には、この回収機構30は、トナー担持ローラ2の外周面に接触して対向するように配置されるブラシローラ36と、ブラシローラ36に接触するように配置されたフリッカー37と、ブラシローラ36に所定の電圧を印加するための回収電源33とから構成されている。トナー担持ローラ2とブラシローラ36との間には、マイナス極性に帯電したトナーをトナー担持ローラ2からブラシローラ36に向けて静電的に移動させる向きの電界が形成される。これにより、現像領域で現像に寄与しなかったトナーは、ブラシローラ36とトナー担持ローラ2とが対向しあう回収領域において、トナー担持ローラ2上からブラシローラ36側へ移動する。ブラシローラ36に付着したトナーは、フリッカー37によって払い落とされる。払い落とされたトナーは、ケーシング11の内壁面上を移動して第2収容部15内に戻され、再び第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。
図18に示すように、回収機構30として、吸引ポンプ40を利用した構成も採用できる。具体的には、この回収機構30は、トナー担持ローラ2の外周面に対向するように配置される吸引ノズル38と、入口端が吸引ノズル38に接続され、出口端41aが第1搬送スクリュー12を収容する第1収容部13の上部に連通したダクト41と、吸引ノズル38からのトナーをダクト41の出口端41aまで吸引搬送するための吸引ポンプ40とから構成されている。また、吸引ノズル38に対してトナー担持ローラ2の表面移動方向下流側には、シール39が設けられている。このシール39は、トナー担持ローラ2の表面と接触している。現像領域で現像に寄与しなかったトナーは、トナー担持ローラ2と吸引ノズル38とが対向しあう回収領域において、吸引ポンプ40により生じる空気の流れに乗って吸引ノズル38内に吸引され、ダクト41を通って出口端41aから第1収容部13内へ戻され、再び第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。なお、空気の流れに乗らずに回収領域を通過したトナーは、シールによって堰き止められるので、そのまま下流に搬送されていくことはない。
次に、現像領域において感光体49上の非画像部(地肌部)に付着するトナーを現像領域上流で回収するための現像前トナー回収手段を設けた現像装置の変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
図19は、本変形例5における現像装置のトナー担持ローラ2とその周囲構成とを示す拡大構成図である。
図19において、符号Ar0が付された領域は、トナー担持ローラ2と、トナー供給ロール18のトナー供給スリーブ19の表面に形成された図示しない磁気ブラシとが摺擦するトナー供給領域を示している。また、符号Ar2が付された領域は、現像領域を示している。また、符号Ar1が付された領域は、トナー担持ローラ2の表面移動方向における全領域のうち、トナー供給領域Ar0を通過した後、現像領域Ar2に進入する前の領域としての現像前搬送領域を示している。また、符号Ar3が付された領域は、現像領域Ar2を通過した後、トナー供給領域Ar0に進入する前の領域としての現像後搬送領域を示している。
現像前回収バイアス電源43は、感光体49の地肌部(一様帯電電位)と同じ極性且つ同じ値の直流電圧からなる現像前対向バイアスを出力する。つまり、現像前対向バイアスの印加により、現像前対向電極42の電位は感光体49上の地肌部電位と同じ極性且つ同じ値になる。
次に、外側電極4aの変形例(以下、本変形例を「変形例6」という。)について説明する。
従来は、各外側電極4a上の大部分のトナーが、フレア用電界により、各外側電極4aにそれぞれ隣接する2つの外側電極間部分(外側電極4aとは対向していない内側電極3aが対向する部分。以下「内側電極対向部」という。)のいずれかへ移動でき、かつ、各内側電極対向部上の大部分のトナーが、フレア用電界により、各内側電極対向部にそれぞれ隣接する2つの外側電極4a上のいずれかへ移動できるように、フレア用電界の強さに応じて、外側電極4aの幅(トナー担持ローラ表面移動方向長さ)や内側電極対向部の幅を設定する。
しかし、内側電極3a及び外側電極4aそれぞれが均等な電位にならず、それぞれの電極3a,4a内で例えばトナー担持ローラ2の表面移動方向に製造誤差による電位勾配が生じるなどにより、トナー担持ローラ2の表面移動方向において偏ったフレア用電界が形成される場合が生じ得る。この場合、トナー担持ローラ2上でホッピングするトナーは、その電位勾配に応じて外側電極4a及び内側電極対向部をホッピングしながら渡り歩くように、トナー担持ローラ2の表面移動方向に偏るように移動する。その結果、トナー担持ローラ2上でトナーが大きく偏在し、トナー担持ローラ2上にトナー量の大きなムラ(低周波のムラ)が生じてしまう。
また、トナー担持ローラ2の表面近傍に生じる気流などがトナーに作用して、トナーをトナー担持ローラ2の表面移動方向方向上流側又は下流側へ移動させる外力が発生する場合もある。例えばトナー担持ローラ2の表面移動方向方向下流側への外力が発生した場合、フレア用電界と外力の作用を受けて、トナー担持ローラ2上でホッピングするトナーの多くがホッピング時にトナー担持ローラ表面移動方向方向下流側へ移動する。そのため、多くのトナーが外側電極4a及び内側電極対向部をホッピングしながらトナー担持ローラ表面移動方向方向下流側へ渡り歩くように、トナー担持ローラ2の表面移動方向に偏るように移動する。その結果、トナー担持ローラ2上でトナーが大きく偏在し、トナー担持ローラ2上にトナー量の大きなムラ(低周波のムラ)が生じてしまう。
上記のようなムラは、画像濃度ムラを引き起こす原因となる。
図21は、電気力線の概略を図示した説明図である。
本変形例6において、外側電極4aの幅Xは均等となるように製造されるが、内側電極対向部の幅は、トナー担持ローラ2の表面移動方向において短い幅Y1と長い幅Y2とが交互に存在するように製造されている。内側電極対向部の幅において、短い幅Y1と長い幅Y2との差(Y2−Y1)は、内側電極対向部の幅を均等に製造しようとするときの製造誤差の範囲を超える差である。このような構成においては、電位勾配や気流などが原因でトナーをトナー担持ローラ表面移動方向方向上流側又は下流側へ移動させる力が発生した場合でも、以下に説明するように、トナー担持ローラ2上でトナーが大きく偏在することを抑制できる。
なお、本変形例6においては、短い幅Y1の内側電極対向部とこれに隣接する外側電極4aとの間付近に存在するトナーの量よりも、長い幅Y2の内側電極対向部とこれに隣接する外側電極4aとの間付近に存在するトナーの量の方が多くなるので、微視的にみればトナー担持ローラ2上でトナー量のムラが生じる。しかし、このようなムラはその周期が非常に短い高周波のムラであるため、画像濃度に影響が出にくく、画像濃度に影響が出たとしても人間が感知できるようなムラにはならないので、実質的に画質に影響しない。
本変形例6においては、外側電極4aの電極幅を40[μm]、内側電極対向部の短い幅Y1を40[μm]、内側電極対向部の長い幅Y2を120[μm]に設定している。
また、本変形例6においては、内側電極対向部の幅を、トナー担持ローラ2の表面移動方向において短い幅Y1と長い幅Y2とが交互に存在するように不均等としているが、不均等の方法は限られない。例えば、短い幅Y1が2つ以上続いた後に1つの長い幅Y2が存在するというように不均等としてもよい。また、幅の種類が3種類以上となるようにしてもよい。
次に、外側電極4aの他の変形例(以下、本変形例を「変形例7」という。)について説明する。
図22は、本変形例7におけるトナー担持ローラ2を、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図である。
図23は、電気力線の概略を図示した説明図である。
本変形例7においては、内側電極3aの外周面側に絶縁層5を設けた後、その絶縁層5の全体に、アルミニウム、銅、銀などを主成分とした外側電極層を設ける。この外側電極層は、アルミニウム、銅、銀などに絶縁性粒子4cを分散させたもので、その金属部分が外側電極4aとなる。絶縁性粒子4cの平均粒径は、外側電極層の層厚よりも大きい。これにより、図23に示すように、内側電極3aからの電気力線が絶縁性粒子4cを通じて表層6の外側へ出るようになり、表層6の外側にフレア用電界を効率よく形成できる。絶縁性粒子4cとしては、ポリエステル、エポキシ等の樹脂やガラスビーズなどの電気的絶縁物が挙げられる。また、絶縁層5上に外側電極層を形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、絶縁性粒子4cを分散させた導電ペーストをスクリーン印刷によって絶縁層5の上に直接形成する方法が挙げられる。外側電極層の層厚は、数[μm]〜数十[μm]が望ましい。本変形例7では5[μm]に設定している。
本変形例7においては、外側電極層全体に対する絶縁性粒子4cの体積比率を変化させることで、形成される外側電極4aの表面積を制御することができ、フレア用電界の強さが制御可能である。本変形例7においては、外側電極層全体に対する絶縁性粒子4cの体積比率が0.2以上0.8以下の範囲内であれば、トナーを十分にクラウド化させることができる。外側電極層全体に対する絶縁性粒子4cの体積比率が0.8よりも大きい場合には、外側電極層の大半を絶縁性粒子4cが占めることによって、フロート電極が多数存在してしまう。すなわち、外側電極層へ印加された電圧は、絶縁性粒子4cによって分断されていない外側電極4aを通じて外側電極層全体に行き渡ることになるが、外側電極層の大半を絶縁性粒子4cが占めると、外側電極4aの多くの部分が絶縁性粒子4cにより分断されて電気的にフロート状態になる。なお、外側電極層全体に対する絶縁性粒子4cの体積比率が0.8以下であってもフロート電極は存在する可能性はあるが、少数ならばフレア用電界の形成に大きな影響はない。一方、外側電極層全体に対する絶縁性粒子4cの体積比率が0.2よりも小さい場合には、内側電極3aからの電気力線の多くが表層6の外側に出る前に外側電極4aへ収束してしまい、表層6の外側に形成されるフレア用電界が弱くなってしまう。本変形例7では、外側電極層全体に対する絶縁性粒子4cの体積比率を0.4に設定している。
次に、外側電極4aの更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例8」という。)について説明する。
図25は、本変形例8におけるトナー担持ローラ2を、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図である。
図26は、外側電極層をトナー担持ローラ2の外周面側から見たときの模式図である。
本変形例8においても、上記変形例7と同様に、内側電極3aの外周面側に絶縁層5を設けた後(図27(a))、その絶縁層5の全体に外側電極層を設ける。ただし、本変形例8における外側電極層は、導電性ウレタン樹脂4aと絶縁性のメラミン樹脂4dとからなる層である。具体的には、導電性ウレタン樹脂発泡原料を調整し、これを成形型に注入して加熱硬化発泡させた後(図27(b))、発泡により形成されたセル(穴)にメラミン樹脂をローラコータを用いて塗工する(図27(c))。これにより、絶縁層5上に導電性ウレタン樹脂4aと絶縁性のメラミン樹脂4dとがランダムに分散した状態の外側電極層が形成される。なお、この導電性ウレタン樹脂部分4aが外側電極となる。また、メラミン樹脂に代えて、ウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ベークライト、ポリカーボネート、PET、POM、PPEなども使用可能である。外側電極層の層厚は、0.01[mm]以上0.3[mm]以下の範囲内が好ましい。0.01[mm]未満では成形型の精度が問題となるし、0.3[mm]よりも大きいと発泡によって生じる空気層が外側電極層内に閉じ込められてしまうためである。本変形例8では外側電極層の層厚を0.1[mm]に設定した。なお、発泡後のセル径に関しては、上記変形例7における絶縁性粒子4cの場合と同様に、外側電極層の層厚以上とする必要がある。
次に、外側電極4aの更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例9」という。)について説明する。
図28は、本変形例9におけるトナー担持ローラ2を、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図である。
図29は、外側電極層をトナー担持ローラ2の外周面側から見たときの模式図である。
本変形例9においても、上記変形例7や上記変形例8と同様に、内側電極3aの外周面側に絶縁層5を設けた後、その絶縁層5の全体に外側電極層を設ける。ただし、本変形例9における外側電極層は、樹脂バインダー4e中に金属フィラー4aを分散させた層である。金属フィラー4aは互いに融着した状態となっている。具体的には、樹脂バインダー中に金属フィラーが分散したペースト材料を絶縁層5上にスプレーにより塗工することで、絶縁層5上に金属フィラー4aが樹脂バインダー4e中にランダムに分散した状態の外側電極層が形成される。なお、この金属フィラー部分が外側電極となる。絶縁層5上に塗工するペースト材料は、有機樹脂溶液に、金、銀、白金、パラジウム、鉛、タングステン、ニッケル等の1種以上からなる金属粒子をフィラーとして分散させたものであれば利用可能である。また、金属フィラー4aとしては、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化けい素、酸化ほう素、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化チタン等の金属酸化物を用いてもよい。バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などがよい。また、溶剤としては、イソプロピルアルコールなどが使用される。増粘剤として、セルロースなどを含有させてもよい。上記ペースト材料中のバインダー樹脂4eの量は、40%〜60%が良い。あまり多いと金属フィラーが融着しないので電気抵抗が大きくなり過ぎてしまうし、少なすぎるとバインダー樹脂4eの占有面積が狭くなりすぎて、表層6の外側に形成されるフレア用電界が弱くなってしまう。本変形例9では、50%に設定した。外側電極層の層厚は、上記変形例8と同様、0.01[mm]以上0.3[mm]以下の範囲内が好ましい。本変形例9では、外側電極層の層厚を0.1[mm]に設定した。
また、本実施形態(変形例1を除いた変形例を含む。)によれば、外側電極4aの被給電部4bは、現像領域に対向し得る現像領域対向領域の外側に設けられているので、給電コロ8と被給電部4bとの間で押しつぶされたトナーが現像に寄与するようなことが無くなり、画質劣化を防ぐことができる。
特に、外側電極4aの被給電部4bは、現像剤の供給を受けることにより現像剤を担持する現像剤担持領域の外側に設けられているので、給電コロ8と被給電部4bとの間にトナーが介在することが少なくなり、給電不良が起きにくい。
2 トナー担持ローラ
3a 内側電極
3b 被給電部
4a 外側電極
4b 被給電部
4c 絶縁性粒子
5 絶縁層
6 表層
7 給電ブラシ
8 給電コロ
8’ 給電ブラシ
11 ケーシング
18 トナー供給ロール
18’ スポンジローラ
19 トナー供給スリーブ
20 マグネットローラ
30 回収機構
31 回収板
32 振動子
34 回収ローラ
35 クリーニングブレード
36 ブラシローラ
37 フリッカー
38 吸引ノズル
39 シール
40 吸引ポンプ
41 ダクト
42 現像前対向電極
43 現像前回収バイアス電源
49 感光体
Claims (8)
- 複数種類の電極部材を備えたローラ状の現像剤担持体の外周面に現像剤を担持させ、該現像剤担持体を表面移動させることにより現像領域内における潜像担持体上の潜像に現像剤中のトナーを供給して該潜像を現像する現像装置において、
上記現像剤担持体は、上記複数種類の電極部材を外周面法線方向で互いに異なる位置に配置するとともに、各電極部材間に絶縁層を介在させた構成を有するローラ本体部と、該ローラ本体部の回転軸方向端部に設けられたローラ軸部とを有し、
上記複数種類の電極部材のうち最外周側に位置する最外周電極部材よりも内周側に位置する内周側電極部材を上記ローラ本体部の一端側の端面又は該ローラ本体部の一端側に設けられたローラ軸部上まで引き出して、その引き出した部分を該内周側電極部材に印加される電圧の被給電部として構成するとともに、上記最外周電極部材を上記ローラ本体部の該一端側の端面又は該ローラ本体部の該一端側に設けられたローラ軸部上まで引き出して、その引き出した部分を該最外周電極部材に印加される電圧の被給電部として構成し、
更に、上記内周側電極部材と上記最外周電極部材との間に存在する絶縁層を上記ローラ本体部の該一端側の端面又は該ローラ本体部の該一端側に設けられたローラ軸部上まで引き出して、その引き出した部分により該内周側電極部材における上記引き出した部分と該最外周電極部材における上記引き出した部分との間を絶縁するように構成し、
上記最外周電極部材が対向する上記現像剤担持体の外周面部分と上記内周側電極部材が対向する上記現像剤担持体の外周面部分との間で上記トナーをホッピングさせる電界を上記外周面の外側に形成するための互いに異なる電圧を、上記最外周電極部材の被給電部及び上記内周側電極部材の被給電部に対して給電する給電部を設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記内周側電極部材を上記ローラ軸部の端面まで引き出した部分を該内周側電極部材に印加される電圧の被給電部として構成するとともに、上記最外周電極部材を該ローラ軸部の周面まで引き出した部分を該最外周電極部材に印加される電圧の被給電部として構成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は2の現像装置において、
上記現像剤として、所定極性に帯電したトナーからなる一成分現像剤を用い、
上記最外周電極部材は、上記現像剤担持体の外周面に沿って複数に分割された複数の電極部を備え、かつ、該複数の電極部間の電極間領域に対向する位置に、上記内周側電極部材が配置されるように構成されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記最外周電極部材に対して電圧を供給するための給電部は、上記現像剤担持体の外周面の表面移動に伴って移動する該最外周電極部材の被給電部に接触しながら連れ回り回転する回転体を有し、該回転体を介して該最外周電極部材に電圧を給電することを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記最外周電極部材に対して電圧を供給するための給電部は、上記現像剤担持体の外周面の表面移動に伴って移動する該最外周電極部材の被給電部に接触するブラシ部材を有し、該ブラシ部材を介して該最外周電極部材に電圧を給電することを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記最外周電極部材に対して電圧を供給するための給電部は、該最外周電極部材の被給電部に対して複数箇所から電圧を給電することを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体上に形成された潜像に対して現像装置により現像剤中のトナーを供給することにより該潜像を現像して得られる画像を、最終的に記録材上に転移させて、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
上記現像装置として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体上に形成される潜像を現像剤中のトナーで現像する現像装置とを、1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスユニットにおいて、
上記現像装置として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスユニット。
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