JP5459582B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、現像装置、及びこれを用いて画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
従来、いわゆるホッピング現像方式を採用した画像形成装置が知られている。ホッピング現像方式では、ローラや磁性キャリアに付着させたトナーを現像に用いるのではなく、トナー担持体の表面上でホッピングさせたトナーを現像に用いる。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、複数の第1電極や第2電極を具備する筒状のトナー担持体を有している。トナー担持体の周方向において、第1電極と第2電極とは所定のピッチで交互に並ぶように配設されており、第1電極同士や第2電極同士は互いに導通している。そして、互いに導通している複数の第1電極と、互いに導通している複数の第2電極とのうち、少なくとも何れか一方には、所定周期で繰り返されるパルス電圧が印加される。すると、トナー担持体の表面上において、互いに隣り合っている第1電極と第2電極との間で、トナーが往復移動するように繰り返しホッピングする。このホッピングによってトナー担持体の表面との付着力をなくしているトナーは、例えば、周囲の非画像部との電位差が僅か数十[V]である静電潜像に対して選択的に付着するような低電位現像を実現することができる。
このようなホッピング現像方式において、装置停止時のホッピングしていない状態のトナーは、ファンデルワールス力や鏡像力などによってトナー担持体の表面に付着している。ホッピング不良による現像不良の発生を回避するためには、装置停止時にトナー担持体の表面に付着しているトナーを、その帯電量(Q/M)や流動性にかかわらず、付着力に抗してトナー担持体の表面から浮上させる必要がある。そして、そのためには、第1電極及び第2電極のうち、少なくとも何れか一方に対して、十分に振幅の大きなパルス電圧を印加する必要がある。
一方、ホッピング現像方式で濃度ムラのない現像を実現するためには、トナー担持体における電極の配設ピッチを数十[μm]といった微小なものにする必要がある。ところが、微小ピッチで配設された電極に対して、トナーの良好なホッピングのために振幅の大きなパルス電圧を印加すると、電極間で電流のリークを発生させ易くなってしまう。このリークは、具体的には次のようにして発生する。即ち、トナー担持体において、絶縁性基体の表面に沿って所定の間隙を介して並んでいる第1電極と第2電極との間には、絶縁材料を介在させている。第1電極と第2電極との対向領域に絶縁材料を介在させることで、両電極間での放電の発生を抑えている。ところが、第1電極と第2電極と絶縁材料とは、何れも絶縁性基体の表面という同一平面上に形成されており、第1電極と絶縁性基体との界面、絶縁材料と絶縁性基体との界面、第2電極と絶縁性基体との界面が連続して繋がった状態にある。第1電極と第2電極とのうち、少なくとも何れか一方に振幅の大きなパルス電圧が印加されると、その連続した界面で電極間の放電が発生して電流のリークを引き起こしてしまうことがある。
そこで、本発明者らは、第1電極と第2電極とを、両者間に少なくとも1つの絶縁層を介在させる互いに異なった階層に形成した多層構造のトナー担持体を開発中である。このトナー担持体においては、円筒状基体の表面の全域に金属層を被覆して、この金属層を第1電極として機能させている。第1電極の表面上には、樹脂からなる絶縁層を積層している。更に、この絶縁層の表面上において、周方向に所定ピッチで並ぶ複数の第2電極を形成している。第1電極は、筒状の1つの大きな電極であるが、トナー担持体の周方向においては、所定ピッチで並ぶ複数の第2電極の間にそれぞれ第1電極が存在することになる。このため、トナー担持体の表面上において、複数の第2電極と、第1電極における第2電極間に相当する箇所との間で、トナーをホッピングさせることが可能である。また、筒状の大きな第1電極と、複数の第2電極とを、互いの間に絶縁層を介在させる別々の階層に形成したことで、第1電極と第2電極とを連続した界面で繋げない構造になっている。よって、第1電極と第2電極との間での放電の発生を抑えて、振幅の比較的大きなパルス電圧を印加することが可能になった。
しかしながら、この開発中のトナー担持体においては、ライン太りやベタ画像濃度不足を発生させない範囲にパルス電圧の周波数を設定すると、トナー飛散によるトナー汚れを引き起こしてしまうことが本発明者らの実験によって明らかになった。具体的には、ホッピング現像方式においては、パルス電圧の周波数を適切に設定しないと、ライン太りやベタ濃度不足を引き起こしてしまう。ライン太りは、ライン画像が本来よりも太くなってしまう現象であり、次のようにして発生する。即ち、潜像担持体の潜像のエッジと、潜像周囲の非画像部との間には、多数の電気力線が形成される。トナー担持体の表面上において、潜像担持体の非画像部に対向する領域と、潜像に対向する領域との境界付近でホッピングしたトナーは、その電気力線に引かれて潜像のエッジに付着する。このため、潜像に対するトナー付着量は、中央部よりもエッジ部の方が多くなる。ホッピング現像方式では、単位時間あたりにおけるホッピング回数が多くなるほど、即ち、パルス電圧の周波数が高くなるほど、上述の境界付近でホッピングしたトナーを潜像のエッジに引き込む回数が増えるため、エッジに対するトナー付着量が多くなる。そして、エッジに多量に付着したトナーが定着処理時につぶれて周囲の非画像部に広がることで、ライン太りを発生させる。かかるライン太りの発生を抑えるためには、パルス電圧の周波数を低くしてホッピング回数を少なくすることが有効であるが、周波数を低くし過ぎると、面積の広いベタ画像の中央部で十分なトナー付着量が得られずに画像濃度不足を引き起こしてしまう。このため、従来は、ライン太りを発生させてしまうほどホッピング回数を多くせず、且つベタ画像濃度不足を発生させてしまうほどホッピング回数を少なくしない範囲に、パルス電圧の周波数を設定していた。ところが、開発中のトナー担持体において、現像濃度不足の発生を抑える目的で、従来よりも振幅の比較的大きなパルス電圧を印加した場合、前述の周波数の範囲では、トナー飛散によるトナー汚れを顕著に発生させてしまったのである。トナー汚れとは、トナー担持体の表面上で勢い良くホッピングしたトナーの一部が、トナー担持体の表面上の電界による制御可能範囲を超えて現像装置外に飛び散って、機内やプリント紙を汚してしまう現象である。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のようなホッピング現像方式の現像装置や画像形成装置を提供することである。即ち、トナー担持体の電極に対して振幅の比較的大きなパルス電圧を印加してトナーのホッピング不良による現像不良の発生を抑えつつ、ライン太りやベタ濃度不足の発生と、トナー飛散の発生とを何れも抑えることができる現像装置等である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナーを担持する表面と、該表面に沿って延在しつつ互いに絶縁状態にある第1電極及び第2電極とを具備するトナー担持体と、該第1電極及び第2電極のうち、少なくとも一方に対して所定の周期Tで繰り返すパルス電圧を出力するパルス電圧出力手段とを有し、該トナー担持体の表面上にて、表面方向における該第1電極と該第2電極との間でトナーをホッピングさせながら、画像形成装置の潜像担持体上の潜像に付着させて該潜像を現像する現像装置において、表面に凹凸のない金属製の基体を上記第1電極として用い、該基体の表面に絶縁層を積層し、該絶縁層の凹凸のない表面の上に複数の上記第2電極をそれぞれ該表面から突出させて設け、且つ、前記絶縁層の表面における該第2電極を形成していない領域、及び、複数の該第2電極の表面上、に表層を積層して、該トナー担持体を、複数の層順次積層された多層構造のものとし、該第1電極及び第2電極のうち、少なくとも一方に対して上記パルス電圧を所定の出力時間tだけ出力する処理と、パルス電圧の出力を所定の停止時間tだけ停止する処理とを交互に実施するように、上記パルス電圧出力手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、潜像担持体の移動する表面が上記トナー担持体に対向する現像領域を通過するのに要する時間である現像時間内にて、該トナー担持体の表面上のトナーを2回以上ホッピングさせるように、該潜像担持体の表面移動速度、該トナー担持体の表面移動速度、出力時間t、停止時間t、及び周期Tの組合せを設定したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の現像装置において、出力時間tを、出力時間tと停止時間tとの加算値の半分未満に設定したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電手段と、一様帯電後の該表面に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像を現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を該潜像担持体から転写体に転写する転写手段と、該潜像担持体の表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置において、上記現像手段として、請求項1乃至3の何れかの現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記潜像担持体、帯電手段、及びクリーニング手段のうち、少なくとも1つと、上記現像装置とを、共通の保持体に保持させて1つのユニットとして画像形成装置本体に着脱可能にしたプロセスユニットとして構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、互いに異なる色のトナーによって現像を行う複数の上記プロセスユニットを設けたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、トナー担持体の第1電極と第2電極とを、両者間に絶縁層を介在させる互いに異なった階層に形成して、両電極を連続した界面で繋げない構成にしたことで、両電極間の放電を発生させ難くしている。よって、少なくとも何れか一方の電極に対して十分に振幅の大きなパルス電圧を印加して、トナーのホッピング不良による現像濃度不足の発生を抑えることができる。
また、少なくとも何れか一方の電極に対して、繰り返しのパルス電圧を連続して印加するのではなく、パルス電圧の印加と、印加停止とを交互に繰り返すことで、後述する実験で本発明者らが明らかにしたように、ライン太りやベタ濃度不足の発生を抑えつつ、トナー飛散の発生も抑えることができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機における感光体と現像装置とを示す概略構成図。 トナー担持ローラを回転軸に直交する方向から示す模式図。 同トナー担持ローラを、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図。 同トナー担持ローラの第1電極,第2電極に印加される第1パルス電圧,第2パルス電圧の一例を示すグラフ。 第1電極,第2電極に印加される第1パルス電圧,第2パルス電圧の他の例を示すグラフ。 第1電極,第2電極に印加される第1パルス電圧,第2パルス電圧の更に他の例を示すグラフ。 第1電極及び第2電極への給電構成を、ローラ軸に沿って切断したときの模式図。 同給電構成を模式的に示す斜視図。 トナー飛散ランクとパルス電圧の出力・停止デューティとの関係を示すグラフ。 同複写機において第1電極,第2電極に出力されるパルス電圧の波形を示すグラフ。 第1変形例に係る複写機において第1電極,第2電極に出力されるパルス電圧の波形を示すグラフ。 第2変形例における第1電極及び第2電極への給電構成をローラ軸に沿って切断した状態を示す模式図。 同給電構成をもつトナー担持ローラを軸方向に対して直交する方向から示す模式図。 同給電構成を模式的に示す斜視図。 第3変形例における現像装置を示す模式図。 第4変形例における現像装置を示す模式図。 第5変形例における現像装置を感光体とともに示す概略構成図。 同現像装置における回収機構の他の例を示す概略構成図。 同現像装置における回収機構の更に他の例を示す概略構成図。 同現像装置における回収機構の更に他の例を示す概略構成図。 第6変形例に係る複写機のプリンタ部を示す概略構成図。
以下、本発明を、ホッピング現像方式を採用した画像形成装置である複写機に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。
潜像担持体としてのドラム状の感光体49は、図中時計回り方向に回転駆動される。操作者がコンタクトガラス90に図示しない原稿を装置し、図示しないプリントスタートスイッチを押すと、原稿照明光源91及びミラー92を具備する第1走査光学系93と、ミラー94,95を具備する第2走査光学系96とが移動して、原稿画像の読み取りが行われる。走査された原稿画像がレンズ97の後方に配設された画像読み取り素子98で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化された後に画像処理される。そして、画像処理後の信号でレーザーダイオード(LD)が駆動され、このレーザーダイオードからのレーザー光がポリゴンミラー99で反射した後、ミラー80を介して感光体49を走査する。この走査に先立って、感光体49は帯電装置50によって一様に帯電され、レーザー光による走査により感光体49の表面に静電潜像が形成される。
感光体49の表面に形成された静電潜像には現像装置1の現像処理によってトナーが付着し、これによりトナー像が形成される。このトナー像は、感光体49の回転に伴って、転写チャージャー60との対向位置である転写位置に搬送される。この転写位置に対しては、感光体49上のトナー像と同期するように、第1給紙コロ70aを具備する第1給紙部70、又は第2給紙コロ71aを具備する第2給紙部71から記録紙Pが送り込まれる。そして、感光体49上のトナー像は、転写チャージャー60のコロナ放電によって記録紙P上に転写される。
このようにしてトナー像が転写された記録紙Pは、分離チャージャー61のコロナ放電によって感光体49表面から分離され、その後、搬送ベルト75によって定着装置76に向けて搬送される。そして、定着装置76内において、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ76aと、これに向けて押圧される加圧ローラ76bとの当接による定着ニップに挟み込まれる。その後、定着ニップ内での加圧や加熱によってトナー像が表面に定着せしめられた後、機外の排紙トレイ77に向けて排紙される。
上述の転写位置を通過した感光体49表面に付着している転写残トナーは、クリーニング装置45によって感光体49表面から除去される。このようにしてクリーニング処理が施された感光体49表面は、除電ランプ44によって除電されて次の潜像形成に備えられる。
図2は、実施形態に係る複写機における感光体49と現像装置1とを示す概略構成図である。同図において、ドラム状の感光体49は、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。そして、この感光体49の図中右側方には、現像剤担持体であるトナー担持ローラ2を有する現像装置1が配設されている。現像装置1は、図中時計回り方向に回転駆動される第1搬送スクリュー12を収容する第1収容部13と、図中反時計回りに回転駆動される第2搬送スクリュー14を収容する第2収容部15とを有しており、両収容部は仕切壁16によって仕切られている。そして、これら収容部はそれぞれ、図示しない磁性キャリアとマイナス帯電性のトナーとを混合した混合剤を収容している。
第1搬送スクリュー12は、その回転駆動によって第1収容部13内の混合剤を回転撹拌しながら、図中手前側から図中奥側へと搬送する。このとき、搬送途中の混合剤は、第1収容部13の底部に固定されたトナー濃度センサ17によってそのトナー濃度が検知される。そして、図中奥側の端部付近まで搬送された混合剤は、仕切壁16の奥側端部付近に設けられた図示しない第1連通口を経て、第2収容部15内に進入する。第2収容部15は、現像剤供給部材としての後述するトナー供給ロール18を収容する磁気ブラシ形成部21に連通しており、第2搬送スクリュー14とトナー供給ロール18とは所定の間隙を介して互いに軸線方向を平行にする姿勢で対向している。第2収容部15内の第2搬送スクリュー14は、その回転駆動によって第2収容部15内の混合剤を回転撹拌しながら、図中奥側から図中手前側へと搬送する。この過程において、第2搬送スクリュー14によって搬送される混合剤の一部は、トナー供給ロール18のトナー供給スリーブ19上に汲み上げられる。そして、図中反時計回り方向のトナー供給スリーブ19の回転駆動に伴って、後述するトナー供給位置を通過した後、トナー供給スリーブ19の表面から離脱して、再び第2収容部15内に戻される。その後、第2搬送スクリュー14によって図中手前側の端部付近まで搬送された混合剤は、仕切壁16の図中手前側端部付近に設けられた図示しない第2連通口を経て第1収容部13内に戻される。
上述したトナー濃度センサ17は、透磁率センサからなる。このトナー濃度センサ17による混合剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。混合剤の透磁率は、混合剤のKトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ17はトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。
本複写機の図示しない制御部はRAM(Random Access Memory)を備えており、この中にトナー濃度センサ17からの出力電圧の目標値であるVtrefを格納している。そして、トナー濃度センサ17からの出力電圧値と、RAM内のVtrefとを比較して、比較結果に応じた時間だけ図示しないトナー補給装置を駆動させる。この駆動により、現像に伴うトナーの消費によってトナー濃度を低下させた混合剤に対し、トナー補給口13aから第1収容部13内に適量のトナーが補給される。このため、第2収容部15内の混合剤のトナー濃度が所定の範囲内に維持される。
トナー供給ロール18は、図中反時計回り方向に回転駆動される非磁性材料からなる筒状のトナー供給スリーブ19と、これに内包される固定配置されたマグネットローラ20とを有している。筒状のトナー供給スリーブ19は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に成型したものである。また、マグネットローラ20は、図示のように、回転方向に並ぶ複数の磁極(図中真上の位置から反時計回り方向に順にN極、S極、N極、S極、N極、S極)を有している。これら磁極により、トナー供給スリーブ19の周面上に混合剤が吸着し、磁力線に沿って穂立ちした磁気ブラシが形成される。
トナー供給スリーブ19の表面によって汲み上げられた混合剤は、トナー供給スリーブ19の回転に伴って図中反時計回り方向に回転する。そして、トナー供給スリーブ19の表面に対して所定の間隙を介して対向配置されている規制部材22との対向位置である担持量規制位置に進入する。このとき、規制部材22とスリーブ表面との間隙を通過することで、スリーブ表面上における混合剤の担持量が規制される。
トナー供給スリーブ19の図中左側方では、トナー担持ローラ2がトナー供給スリーブ19表面と所定の間隙を介して対向しながら、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されている。トナー供給スリーブ19の回転に伴って上述の担持量規制位置を通過した混合剤は、トナー担持ローラ2との接触位置であるトナー供給位置に進入する。これにより、混合剤からなる磁気ブラシ先端がトナー担持ローラ2の表面を摺擦する。この摺擦やトナー供給スリーブ19とトナー担持ローラ2との電位差などの作用を受けて、磁気ブラシ中のトナーがトナー担持ローラ2の表面上に供給される。なお、トナー供給スリーブ19には、供給バイアス電源24により、供給バイアスが印加されている。この供給バイアスは、トナー担持ローラ2側にトナーを移動させる電界が形成できるようなものであれば、直流電圧でもよいし、かかる直流電圧に交流電圧を重畳したものでもよい。
トナー供給位置を通過したトナー供給スリーブ19上の混合剤は、スリーブの回転に伴って第2収容部15との対向位置まで搬送される。この対向位置の付近には、マグネットローラ20に磁極が設けられておらず、混合剤をスリーブ表面に引き付ける磁力が作用していないため、混合剤はスリーブ表面から離脱して第2収容部15内に戻る。
トナーが供給されたトナー担持ローラ2は、現像装置1のケーシング11に設けられた開口から外周面の一部を露出させている。この露出箇所は、感光体49に対して数十〜数百[μm]の間隙を介して対向している。このようにトナー担持ローラ2と感光体49とが対向している位置が、本複写機における現像位置となっている。
トナー担持ローラ2の表面上に供給されたトナーは、後述する理由により、トナー担持ローラ2の表面上でホッピングしながら、トナー担持ローラ2の回転に伴って、トナー供給位置から現像位置に向けて搬送される。現像領域まで搬送されたトナーは、トナー担持ローラ2と感光体49上の静電潜像との間の現像電界によって、感光体表面上の静電潜像部分に付着し、これにより現像が行われる。現像に寄与しなかったトナーは、ホッピングしながらトナー担持ローラ2の回転によってさらに搬送され、繰り返し利用される。
次に、実施形態に係る複写機におけるトナー担持ローラ2の具体的構成について説明する。
図3は、実施形態に係る複写機のトナー担持ローラ2の電極配置を説明するためにトナー担持ローラ2を回転軸に対して直交する方向から見たときの模式図である。なお、説明の都合上、表層6や絶縁層5は図示していない。また、図4は、実施形態に係る複写機のトナー担持ローラ2を、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図である。それらの図において、トナー担持ローラ2は、筒状の絶縁性基体2aの表面上に、第1電極3aと、絶縁層5と、第2電極4aと、絶縁性の表層6とを順次積層した多層構造になっている。第1電極3aは、絶縁性基体2aの表面の全域に被覆された筒状の大きな電極である。この第1電極3aの表面上には、絶縁性材料からなる絶縁層5が全域に渡って積層されている。また、筒状の絶縁層5の表面上には、ローラ軸線方向に延在する矩形状の複数の第2電極4aが周方向に所定ピッチで並ぶように形成されている。更に、絶縁層5における第2電極間の箇所や、複数の第2電極4aの上には、絶縁性材料からなる表層6が形成されている。
第1電極3aは、トナー担持ローラ2の基体としても機能しており、SUSやアルミニウム等の導電性材料を円筒状に成型した金属ローラである。このほか、第1電極3aの構成としては、ポリアセタール(POM)やポリカーボネート(PC)等からなる樹脂ローラの表面にアルミニウムや銅などの金属層等からなる導電層を形成したものが挙げられる。この導電層の形成方法としては、金属メッキ、蒸着等により形成する方法や、ローラ表面に金属膜を接着する方法などが考えられる。
第1電極3aの外周面側は絶縁層5に覆われている。本実施形態において、この絶縁層5は、ポリカーボネートやアルキッドメラミン等で形成されている。また、本実施形態において、絶縁層5の厚みは、3[μm]以上50[μm]以下の範囲内が好ましい。3[μm]よりも小さくなると、第1電極3aと第2電極4aとの間の絶縁性が十分に保てなくなり、第1電極3aと第2電極4aとの間でリークが発生してしまう可能性が高くなる。一方、50[μm]よりも大きくなると、第1電極3aと第2電極4aとの間で作られる電界が表層6よりも外側に形成されにくくなり、表層6の外側に強いフレア用電界(外部電界)を形成することが困難となる。本実施形態では、メラミン樹脂からなる絶縁層5の厚みを20[μm]としている。絶縁層5はスプレー法やディップ法等によって第1電極3a上に均一な膜厚で形成することができる。
絶縁層5の上には第2電極4aが形成される。本実施形態において、この第2電極4aは、アルミニウム、銅、銀などの金属で形成されている。櫛歯状の第2電極4aの形成方法としては、種々の方法が考えられる。例えば、絶縁層5の上にメッキや蒸着によって金属膜を形成し、フォトレジスト・エッチングによって櫛歯状の電極を形成するという方法が挙げられる。また、インクジェット方式やスクリーン印刷によって導電ペーストを絶縁層5の上に付着させて櫛歯状の電極を形成するという方法も考えられる。
第2電極4a及び絶縁層5の外周面側は、表層6により覆われている。トナーは、表層6上でホッピングを繰り返す際、この表層6との接触摩擦によって帯電する。トナーに正規帯電極性(本実施形態ではマイナス極性)を与えるため、本実施形態では、表層6の材料として、シリコーン、ナイロン(登録商標)、ウレタン、アルキッドメラミン、ポリカーボネート等が使用される。本実施形態ではポリカーボネートを採用している。また、表層6は、第2電極4aを保護する役割も持ち合わせているので、表層6の膜厚としては、3[μm]以上40[μm]以下の範囲内が好ましい。3[μm]よりも小さいと、経時使用による膜削れ等で第2電極4aが露出し、トナー担持ローラ2上に担持されたトナーやトナー担持ローラ2に接触するその他の部材を通じてリークしてしまうおそれがある。一方、40[μm]よりも大きいと、第1電極3aと第2電極4aとの間で作られる電界が表層6よりも外側に形成されにくくなり、表層6の外側に強いフレア用電界を形成することが困難となる。本実施形態では、表層の膜厚は20[μm]としている。表層6は、絶縁層5と同様にスプレー法やディッピング法等によって形成することができる。
本実施形態では、第1電極3aと第2電極4aとの間で作られる電界、より詳しくは、第1電極3aの第2電極4aとは対向していない部分(第2電極4aの櫛歯間に位置する第1電極3aの部分)と第2電極4aの櫛歯部分との間で作られる電界が、表層6の外側に形成されることで、トナー担持ローラ2上のトナーをホッピングさせ、これによりトナーをクラウド化させる。このとき、トナー担持ローラ2上のトナーは、第1電極3aに絶縁層5を介して対向した表層部分と、これに隣接する第2電極4aに対向した表層部分との間を、飛翔しながら往復移動するように、ホッピングすることになる。
トナーを安定してクラウド化させるためには、相応する大きさのフレア用電界を形成することが重要となるが、このような大きなフレア用電界を形成するためには第1電極3aと第2電極4aとの間に大きな電位差を形成する必要がある。しかし、このような大きな電位差を安定して形成するためには、第1電極3aと第2電極4aとの間を安定かつ有効に絶縁し、リークを防止することが重要である。従来のように、フレア用電界を形成するための2種類の電極をそれぞれ櫛歯状に形成して同心円上に配置し、互いの櫛歯部分が相手の櫛歯間に入り込むように構成した場合、その櫛歯状電極の形成品質が悪いと、2種類の電極間の絶縁性が著しく低下し、リークが起きやすい。具体的には、例えば、エッチングで電極形成する場合には除去すべき金属膜の一部が残存していたり、インクジェット法やスクリーン印刷法で電極形成する場合には電極間に導電ペーストが付着してしまったりする事態が起こり得る。このような事態が生じると、2種類の電極間でリークが起きやすいなり、適正なフレア用電界を形成することができなくなる。また、従来構成においては、ローラの樹脂表面上に櫛歯状電極を高い品質で形成したとしても、2種類の櫛歯状電極を形成した後にその外周面側を絶縁材で覆うことにより電極間に絶縁材を充填して電極間の絶縁性を得るため、電極間にはローラの樹脂表面と絶縁材との界面が形成され、この界面を通じたリークが生じやすく、比較的大きな電圧を印加すると電極間の絶縁性が著しく低下する。
本実施形態によれば、第1電極3aの上に絶縁層5を設け、その絶縁層上に櫛歯状の第2電極4aを形成した構成であるため、これらの電極間にリークの原因となり得るような界面は存在しない。また、トナー担持ローラ2の製造段階において、リークの原因となり得る導電材が電極間に介在する可能性も非常に少なくできる。したがって、本実施形態によれば、第1電極3aと第2電極4aとの間を安定かつ有効に絶縁することができ、比較的大きな電圧を印加する場合でもリークを効果的に防止することができる。
また、本実施形態において、第2電極4aの電極幅(各櫛歯部分の幅)は、10[μm]以上120[μm]以下であるのが好ましい。10[μm]よりも小さいと、細すぎて電極が途中で断線してしまうおそれがある。一方、120[μm]より大きいと、第2電極4aの被給電部4bからの距離が遠い箇所の電圧が低くなり、その箇所でトナーを安定かつ有効にホッピングさせることが困難となる。本実施形態の被給電部4bは、図3に示すように、トナー担持ローラ2の外周面上における軸方向両端に設けられている。よって、本実施形態では、第2電極4aの電極幅が120[μm]より大きいと、トナー担持ローラ2の軸方向中央部におけるフレア用電界が軸方向両端部のフレア用電界よりも相対的に低くなり、軸方向中央部に担持されているトナーを安定かつ有効にホッピングさせることが困難となる。
また、本実施形態では、第2電極4aの電極ピッチ(櫛歯部分間の距離)は、電極幅と同じか広いのが好ましい。電極幅よりも小さいと、第1電極3aからの電気力線の多くが表層6の外側に出る前に第2電極4aへ収束してしまい、表層6の外側に形成されるフレア用電界が弱くなってしまうからである。一方、電極ピッチが大きいと、電極間中央のフレア用電界が弱くなってしまう。本実施形態において、電極ピッチは、電極幅以上であって電極幅の5倍以下の範囲内であるのが好ましい。
本実施形態では、電極幅及び電極ピッチをいずれも80[μm]に設定している。
また、本実施形態では、第2電極4aの電極ピッチを、トナー担持ローラ2の周方向にわたって一定となるように設定されている。電極ピッチを一定とすることで、第1電極3aと第2電極4aとの間で作られるフレア用電界がトナー担持ローラ2上の周方向にわたってほぼ均一となる。よって、現像位置で周方向に均一なトナーのホッピングを実現することが可能となり、均一な現像が可能となる。
次に、第1電極3a及び第2電極4aに印加する電圧について説明する。
トナー担持ローラ2上の電極には繰り返しパルス電圧(以下、単にパルス電圧という)が印加される。具体的には、第1電極3a,第2電極4aには、パルス電源25A,25Bから第1電圧である第1パルス電圧,第2電圧である第2パルス電圧が印加される。パルス電源25A,25Bが印加する第1パルス電圧,第2パルス電圧は、矩形波が最も適している。ただし、これに限らず、例えばサイン波で三角波でもよい。また、本実施形態では、フレア用電極を形成するための電極が第1電極3a及び第2電極4aの2相構成であり、各電極3a,4aには互いに位相差πをもった電圧がそれぞれ印加される。
図5は、第1電極3a,第2電極4aに印加される第1パルス電圧,第2パルス電圧の一例を示すグラフである。
本実施形態において、各電圧は矩形波であり、第1電極3a,第2電極4aに印加される第1パルス電圧,第2パルス電圧は、互いに位相がπだけズレた同じ大きさ(ピークトゥピーク電圧Vpp)の電圧である。よって、第1電極3aと第2電極4aとの間には、常にVppだけの電位差が生じる。この電位差によって電極間に電界が発生し、この電界のうち表層6の外側に形成されるフレア用電界によって表層6上をトナーがホッピングする。本実施形態において、Vppは100[V]以上2000[V]以下の範囲内であるのが好ましい。Vppが100[V]より小さいと、十分なフレア用電界を表層6上に形成できず、トナーを安定してホッピングさせるのが困難となる。一方、Vppが2000[V]より大きいと、経時使用により電極間でリークが発生する可能性が高くなる。本実施形態では、Vppを500[V]に設定している。
また、本実施形態において、第1パルス電圧と第2パルス電圧の中心値V0は、画像部電位(静電潜像部分の電位)と非画像部電位(地肌部分の電位)との間に設定され、現像条件によって適宜変動する。
本実施形態において、第1パルス電圧,第2パルス電圧の周波数fは、0.1[kHz]以上10[kHz]以下であるのが好ましい。0.1[kHz]より小さいと、トナーのホッピングが現像速度に追いつかなくなるおそれがある。一方、10[kHz]より大きいと、トナーの移動が電界の切り替わりに追従できなくなり、トナーを安定してホッピングさせるのが困難となる。本実施形態では、周波数fを500[Hz]に設定している。
図6は、第1電極3a,第2電極4aに印加される第1パルス電圧,第2パルス電圧の他の例を示すグラフである。
この例では、第1電極3aについては、図5に示したものと同様の第1パルス電圧が印加されるが、第2電極4aについては、直流電圧が印加される。この場合、電極間の電位差はVpp/2となる。よって、この例におけるVppの好適な範囲は、200[V]以上4000[V]以下である。この例によれば、第1電極3aと第2電極4aとの位相差を考慮する必要がなく、電源コストが安くなる。
図7は、第1電極3a,第2電極4aに印加される第1パルス電圧,第2パルス電圧の更に他の例を示すグラフである。
この例では、第2電極4aについては、図5に示したものと同様の第1パルス電圧が印加されるが、第1電極3aについては、直流電圧が印加される。この場合も、電極間の電位差はVpp/2となる。よって、この例におけるVppの好適な範囲は、200[V]以上4000[V]以下である。この例も、第1電極3aと第2電極4aとの位相差を考慮する必要がなく、電源コストが安くなる。
図8は、本実施形態における第1電極3a及び第2電極4aへの給電構成を、ローラ軸に沿って切断したときの模式図である。
図9は、同給電構成を模式的に示す斜視図である。
本実施形態における第1電極3a及び第2電極4aへの給電構成において、第1電極3aは、トナー担持ローラ2のローラ軸と一体化されており、そのローラ軸端面が被給電部3bとなる。ローラ軸端面で構成される被給電部3bには、パルス電源25Aに接続された第1給電部材としての給電ブラシ7が当接している。一方、トナー担持ローラ2の外周面両端部分には表層6が設けられておらず、トナー担持ローラ2の外周面における第2電極4aの両端部分は露出しており、この露出面が被給電部4bとなる。その露出面で構成される被給電部4bには、パルス電源25Bに接続された第2給電部材としての給電コロ8が当接している。この給電コロ8は、回転自在に支持されており、トナー担持ローラ2の回転に伴い、被給電部4bに当接したまま連れ回り回転する。
なお、本実施形態では、第2電極4aに第2パルス電圧を印加するための第2給電部材である給電コロ8が2つ設けられているが、1つであっても3つ以上であってもよい。第2電極4aに第2パルス電圧を印加するための第2給電部材が複数あれば、一部の第2給電部材で接触不良による給電不良が生じても、他の第2給電部材により給電を行うことができるので、安定した給電を行うことが可能となる。
また、本実施形態のように、トナー担持ローラ2の外周面に第2電極4aの一部分を露出させ、その露出部分を被給電部4bとして、これに第2給電部材を当接させて給電する方式を採用する場合、その被給電部4bは、トナー担持ローラ2上における現像幅(感光体上において静電潜像が形成され得る領域と対向し得る領域幅)よりも軸方向外側に位置することが望まれる。なぜなら、被給電部4bが現像幅内に位置すると、トナー担持ローラ2と被給電部4bとの間で押しつぶされたトナーが現像に寄与することになり、その部分で現像不良が発生するからである。より好ましくは、被給電部4bは、トナー担持ローラ2上におけるトナー供給幅(トナー供給スリーブ19からトナーが供給される領域幅)よりも軸方向外側に位置することが望まれる。なぜなら、被給電部4bがトナー供給幅内に位置すると、トナー担持ローラ2と被給電部4bとの間に多量のトナーが介在し、給電不良が起きやすくなるからである。本実施形態では、被給電部4bがトナー担持ローラ2上におけるトナー供給幅よりも軸方向外側に位置するように構成している。更に、本実施形態では、トナー供給幅内のトナーが被給電部4bに付着しないように、ローラ両端部に位置する各被給電部4bの軸方向中央側に図示しないトナーシールが設けられている。
なお、本実施形態では、第2給電部材として、被給電部4bに連れ回り回転する給電コロ8を用いているが、これに限らず、例えば、導電性ブラシや導電性板バネなどを用いてもよい。なお、導電性ブラシや、導電性板バネなどのように被給電部4bに対して摺動する第2給電部材を用いる場合、被給電部4bとの接点部分の摩耗を抑制するために導電性グリスなど充填するとよい。
また、本実施形態では、第1電極3aの被給電部がローラ軸端面である場合について説明したが、これに限らず、例えばローラ軸の周面やローラ本体部の端面を被給電部としてもよい。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
本発明者らは、実施形態に係る複写機と同様の構成の複写試験機を用意した。この複写機のトナー担持ローラ2は、第2電極4aの幅が80[μm]に設定されており、複数の第2電極4aが互いの間に80[μm]の間隙を保持するように配設され、第2電極4a間に第1電極3aの一部を80[μm]の幅で位置させている。
以下に説明する実験においては、基本条件を次のように設定した。
・プロセス線速V:180[mm/s]又は360[mm/s]
・現像領域での感光体とトナー担持ローラとの移動方向:互いに順方向
・パルス電圧:図5に示した特性のもの
・パルス電圧の平均電位:−350[V]
・パルス電圧のピークツウピーク電位Vpp:500[V]
・感光体地肌部電位(一様帯電電位):−500[V]
・潜像電位:−100[V]
複写試験機における現像時間を把握するために、複写試験機の現像領域のローラ回転方向長さ(以下、現像領域長さLという)を測定した。現像領域とは、感光体とトナー担持ローラ2との対向部において、トナー担持ローラ2上でホッピングしたトナーが現像可能な領域のことである。測定については次のようにして行った。即ち、感光体49の表面に副走査方向(ローラやドラムの回転方向)に延在するライン潜像を形成した状態で、所定の出力時間tだけトナー担持ローラ2の電極に対してパルス電圧を出力する。すると、出力時間tに対応する長さ分だけ、ライン潜像が現像される。出力時間tを段階的に変化させながら、それぞれにおけるライン現像長さを測定する。そして、測定結果に基づいて、出力時間tとライン現像長さとの関係を示す回帰直線を求め、この回帰直線における出力時間軸との切片値(t=0におけるライン現像長さ)を、現像領域長さL(=10mm)とした。
次に、パルス電圧の周波数fを段階的に変化させながら、それぞれの周波数fの条件下で、ライン部とベタ部とを具備する所定のテスト画像を出力した。そして、出力したテスト画像について、対ベタ部トナー付着量と、対ライン部トナー付着量とをそれぞれ評価した。また、出力中におけるトナー飛散の有無も測定した。トナー飛散については、粘着面をトナー担持ローラ2に向けた姿勢の粘着テープを現像領域の周囲に張り巡らして、粘着テープに対するトナー付着の有無を顕微鏡で観察して評価した。パルス電圧の周波数fについては、0.01[kHz]、0.1[kHz]、1[kHz]、3[kHz]、4[kHz]、5[kHz]の6通りを採用した。また、プロセス線速Vについては、180[mm/s]に設定した。この結果を次の表1に示す。
Figure 0005459582
表1に示すように、周波数fが0.01[kHz]や0.1[kHz]などといった比較的低い条件では、トナー飛散が認められた。周波数fが比較的低い条件では、トナー担持ローラ表面上に形成された電界の向きの切り替わり周期が比較的長くなることから、ホッピングしたトナーに対して電界の反転によるローラ表面への引き戻し作用が働き難くなるためであると考えられる。また、周波数f=0.01[kHz]の条件では、ベタ部、ライン部ともにトナー付着量が不足してしまった。これは現像領域でのトナーのホッピング回数が不足したためであると考えられる。
一方、周波数fが4[kHz]や5[kHz]などといった比較的高い条件では、ライン部に対するトナー付着量が過多になってしまった。周波数が高い場合、現像領域内でのホッピング回数が増加する。現像領域における画像部と非画像部との境界において、画像部と対向するトナー担持ローラ上のトナーは現像電界によって感光体上に現像される。非画像部と対向するトナー担持ローラ上のトナーはホッピングによって画像部と対向する領域に移動する。移動したトナーは現像電界によって感光体上に現像される。周波数が高い場合は、このホッピングによるトナーの移動が多く起こり、画像部のエッジ部にトナーが多く現像されてしまう。これはベタ画像よりもライン画像の方がエッジ部が多いため多く起こり、ライン画像の付着量が多過になってしまう。
トナー付着量に着目した場合、最も望ましい周波数fは0.1[kHz]程度である(1〜3kHzではラインのトナー付着量が少し多くなっている)。ところが、この周波数fでは、トナー飛散が発生している。つまり、トナー付着量を最適にする周波数fでは、トナー飛散を発生させてしまうのである。高画質化という観点からすれば、トナー付着量にとって最適なホッピング回数の条件下で、トナー飛散の発生を抑える必要がある。
一方、本発明者らは、次のような実験も行った。即ち、所定の周波数fのパルス電圧を出力し続けるのではなく、出力と停止とを繰り返す実験である。この実験における各種条件やトナー付着量の結果を次の表2に示す。
Figure 0005459582
表2において、条件1だけは、先の実験で同様に、パルス電圧の出力の停止時間tを設けておらず、パルス電圧を連続して出力し続けている。これに対し、条件2、3、4、5、6は、それぞれ、パルス電圧の出力を出力時間tだけ行った後、出力を停止時間tだけ停止するという処理を繰り返している。条件2、3、4、5では、ベタ部及びライン部でともに適切なトナー付着量を得つつ、トナー飛散の発生を回避することができている。このことから、パルス電圧を適切な出力時間tの間だけ出力した後、出力を停止時間tだけ停止するという処理を繰り返し行うことで、パルス電圧の周波数設定の不適によるライン太りやベタ濃度不足の発生と、トナー飛散の発生とを何れも抑え得ることがわかった。
パルス電圧を適切な出力時間tの間だけ出力した後、出力を停止時間tだけ停止するという処理を繰り返し行う場合、現像時間内におけるトナーのホッピング回数hは、次の式によって求められる。なお、式中におけるmは、出力時間t内におけるパルス出力回数を示している。
Figure 0005459582
この式に基づいて、表2の条件2、3、4、5、6におけるホッピング回数hを求めると、次の表3のようになる。
Figure 0005459582
表2と表3との結果から、ベタ部及びライン部ともに十分なトナー付着量を得るためには、現像時間内においてトナー担持ローラ2の表面上のトナーを2回以上ホッピングさせる必要があることがわかる(条件6では付着量不足)。
図10は、トナー飛散ランクと、パルス電圧の出力・停止デューティとの関係を示すグラフである。この出力・停止デューティは、上述の出力時間tの「出力時間t+停止時間t」に対する割合である。地汚れランクは5が最も良い評価(飛散量がゼロ)であり、1に近づくほど飛散量が多くなる。出力・停止デューティが50[%]に達すると、停止時間tを設けない条件に近づいてしまうため、トナー飛散量が急激に上昇し始めることがわかる。よって、出力・停止デューティについては、50[%]未満に設定することが望ましい。
次に、実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
図11は、実施形態に係る複写機のパルス電源24A,25Bによって出力されるパルス電圧の波形を示すグラフである。パルス電圧出力手段としてのパルス電源24A,25Bは、図示のように、トナー担持ローラ2の第1電極3a,第2電極4aに対してパルス電圧を所定の出力時間tだけ出力する処理と、パルス電圧の出力を所定の停止時間tだけ停止する処理とを交互に実施するように構成されている。
かかる構成では、上述した実験の結果から明らかなように、パルス電圧の周波数設定の不適によるライン太りやベタ濃度不足の発生を抑えつつ、トナー飛散の発生を抑えることができる。
パルス電圧は、図示のように矩形波である。第1電極3aに出力されるパルス電圧と、第2電極4aに出力されるパルス電圧とは、互いに平均電位やピークツウピーク電圧Vppが等しく、且つ互いに逆位相の関係になっている。この位相差により、第1電極3aと第2電極4aとの間には、常にピークツウピーク電位Vppと同じだけの電位差が生じている。この電位差によって電極間に電界が発生して、トナー担持ローラ2の表面上においてトナーが電極間をホッピングする。ピークツウピーク電位Vppは、例えば100[V]〜2000[V]である。ピークツウピーク電位Vppが100[V]より小さくなると、電極間の電界強度が弱すぎて、トナーが良好にホッピングしなくなる。また、ピークツウピーク電位Vppが2000[V]より大きくなると、電極間で電流をリークさせるおそれがでてくる。リークが発生すると、それ以降は電極間に電界が発生しなくなり、トナーがホッピングしなくなってしまう。
実施形態に係る複写機においては、ピークツウピーク電位Vppを具体的には500[V]に設定している。周波数f(=1/T)については、10[kHz]以下に設定することが望ましい。10[kHz]より大きくすると、トナーが電圧の極性の切り替わりに追従できなくなるからである。より詳しくは、実施形態に係る複写機においては、周波数f=1[kHz]、出力時間t内パルス数m=3、出力時間t+停止時間t=10[ms]としている(条件5と同じ)。プロセス線速Vについては、180[mm/s]に設定している。また、パルス電圧の平均電位については、感光体49の地肌部電位と潜像電位との間に設定している。図示のような矩形波のパルス電圧では、電圧の極性の切り替わりが瞬時に起きるので、トナーのホッピングには適している。但し、サイン波や三角波を採用してもよい。
現像時間内におけるホッピング回数hについては、2回以上に設定している。より詳しくは、条件5と同様に、ホッピング回数hを29回にしている。これにより、ベタ部及びライン部の両方において、十分なトナー付着量を得ることができる。
出力時間tについては、出力時間tと停止時間tとの加算値の半分未満に設定している。つまり、出力・停止チューティを50[%]未満に設定している。より詳しくは、出力時間t1=3[ms]、出力時間t1+停止時間t2=10[ms]であるので、出力・停止チューティを30[%]に設定している。出力・停止チューティを50[%]に設定したことで、上述したように、トナー飛散の発生を有効に抑えることができる。
次に、実施形態に係る複写機の各変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係る複写機の構成は実施形態と同様である。
[第1変形例]
図12は、第1変形例に係る複写機の第1電極3a,第2電極4aに出力されるパルス電圧の波形を示すグラフである。第1電極3aに対しては、実施形態と同様に矩形波の繰り返しパルス電圧が印加される。これに対し、第2電極4aに対しては、実施形態とは異なり、前述のパルス電圧の平均電位と同じ値の直流電圧が印加されている。この場合、第1電極3aと第2電極4aとの電位差は、前述のパルス電圧のピークツウピーク電位Vppの半分になる。そこで、実施形態に係る複写機における電位差と同じ値を確保するために、前述のパルス電圧のピークツウピーク電位については、実施形態の倍の200[V]〜4000[V]としている。実施形態とは異なり、2つのパルス電圧の位相を完全な逆位相の関係になるように位相を厳密にコントロールに強うがないため、パルス電源の低コスト化を図ることが可能になる。第1電極3aに対して直流電圧を印加する一方で、第2電極4aにパルス電圧を印加するという同図とは逆の関係にしてもよい。
〔第2変形例〕
図13は、第2変形例における第1電極3a及び第2電極4aへの給電構成を、ローラ軸に沿って切断した状態を示す模式図である。また、図14は、同給電構成をもつトナー担持ローラを、軸方向に対して直交する方向から示す模式図である。また、図15は、同給電構成を模式的に示す斜視図である。
第2変形例において、第1電極3aに対する給電構成は、実施形態と同様に、ローラ軸端面がその被給電部3bとなるように構成されており、その被給電部3bに給電ブラシ7が当接している。一方、第2電極4aに対する給電構成は、第2電極4aをローラ軸周面上まで引き出し、その引き出した部分を被給電部4bとしている。そして、絶縁層5も同様にローラ軸周面上まで引き出すことにより、ローラ軸周面上においても第1電極3aと第2電極4aとの絶縁を確保している。ローラ軸周面上の被給電部4bには、パルス電源25Bに接続された第2給電部材としての給電ブラシ8’が当接する。
第2変形例に例示した給電構成以外にも、例えば、トナー担持ローラ2の各ローラ軸を互いに電気的に分割し、第1電極3a及び第2電極4aをそれぞれいずれかの軸に導通させ、各ローラ軸を通じて第1電極3a及び第2電極4aそれぞれに電圧を印加する構成が考えられる。
〔第3変形例〕
次に、トナー担持ローラ2にトナーを供給する構成の第3変形例について説明する。
図16は、第3変形例における現像装置を示す模式図である。第3変形例では、磁性キャリアを用いないでトナー担持ローラ2にトナーを供給する。具体的には、本変形例2に係る現像装置1は、図中時計回り方向に回転駆動される第1搬送スクリュー12を収容する第1収容部13と、図中反時計回りに回転駆動される第2搬送スクリュー14を収容する第2収容部15とを有しており、両収容部は仕切壁16によって仕切られている。そして、これら収容部には、それぞれ、図示しないマイナス帯電性のトナーが収容されている。第1搬送スクリュー12及び第2搬送スクリュー14の回転駆動により、トナーは第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。この搬送時に、トナーは第1搬送スクリュー12及び第2搬送スクリュー14から摺擦を受けることで摩擦帯電する。このようにして摩擦帯電した第2収容部15内のトナーは、供給バイアス電源24により供給バイアスが印加されたトナー供給ロール18’上に、静電的に吸着する。なお、この供給バイアスは、直流電圧でも交流電圧でもよいし、また、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスでもよい。トナー供給ロール18’上に吸着したトナーは、規制部材22により担持量が規制された後、供給位置へと搬送される。そして、供給位置へ搬送されたトナーは、トナー供給ロール18’とトナー担持ローラ2との電位差の作用を受けて、トナー担持ローラ2の表面上に供給される。その後は、実施形態と同様なので説明を省略する。
〔第4変形例〕
次に、トナー担持ローラ2にトナーを供給する構成の第4変形例について説明する。
図17は、第4変形例における現像装置を示す模式図である。第4変形例では、第3変形例と同様に磁性キャリアを用いないでトナー担持ローラ2にトナーを供給するが、トナー供給ロール18’を用いずにトナーを直接的にトナー担持ローラ2へ供給する。具体的には、第4変形例では、トナー収容部15’内にスポンジローラ18’を設け、スポンジローラ18’の表面をトナー担持ローラ2の表面に当接させている。これにより、トナー収容部15’内でスポンジローラ18’の表面に付着したトナーは、トナー担持ローラ2の表面との当接部で摺擦を受けて摩擦帯電し、これにより静電的にトナー担持ローラ2上へ供給される。第4変形例では、スポンジローラ18’をトナー担持ローラ2に対してトレーリング方向に回転駆動しているが、カウンター方向でもよい。第4変形例の場合、スポンジローラ18’に接続された供給バイアス電源24’により印加される供給バイアスによって、トナー担持ローラ2へ供給するトナーの量を制御することができる。この供給バイアスは、直流電圧でも交流電圧でもよいし、また直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスでもよい。
〔第5変形例〕
次に、現像に寄与しなかったトナーをトナー担持ローラ2から回収する回収手段としての回収機構30を設けた現像装置の第5変形例について説明する。
図18は、第5変形例における現像装置を感光体49とともに図示した概略構成図である。第5変形例における現像装置の基本構成は、実施形態と同様であるが、回収機構30が設けられている点と、トナー担持ローラ2及びトナー供給ロール18の下方に位置するケーシング11の内壁が第2搬送スクリュー14を収容する第2収容部15に向けて下傾斜している点とが、主に相違する構成である。以下、この相違する構成についてのみ説明する。
第5変形例において、回収機構30は、トナー担持ローラ2の外周面に対向するように配置される回収板31と、回収板31に接触するように配置された振動子32と、回収板31に所定の電圧を印加するための回収電源33とから構成されている。トナー担持ローラ2と回収板31との間には、マイナス極性に帯電したトナーをトナー担持ローラ2から回収板31に向けて静電的に移動させる向きの電界が形成される。これにより、現像領域で現像に寄与しなかったトナーは、回収板31とトナー担持ローラ2とが対向しあう回収領域において、トナー担持ローラ2上から回収板31側へ移動する。回収板31に付着したトナーは、振動子32によって回収板31を振動させることにより、回収板31上から振るい落とされる。振るい落とされたトナーは、ケーシング11の内壁面上を移動して第2収容部15内に戻され、再び第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。
図19は、回収機構30の他の例を示すための概略構成図である。同図に示すように、回収機構30として、回収ローラ34を利用した構成も採用できる。具体的には、この回収機構30は、トナー担持ローラ2の外周面に対向するように配置される回収ローラ34と、回収ローラ34に接触するように配置されたクリーニングブレード35と、回収ローラ34に所定の電圧を印加するための回収電源33とから構成されている。トナー担持ローラ2と回収ローラ34との間には、マイナス極性に帯電したトナーをトナー担持ローラ2から回収ローラ34に向けて静電的に移動させる向きの電界が形成される。これにより、現像領域で現像に寄与しなかったトナーは、回収ローラ34とトナー担持ローラ2とが対向しあう回収領域において、トナー担持ローラ2上から回収ローラ34側へ移動する。回収ローラ34に付着したトナーは、クリーニングブレード35によって掻き落とされる。掻き落とされたトナーは、ケーシング11の内壁面上を移動して第2収容部15内に戻され、再び第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。
図20は、回収機構30の更に他の例を示すための概略構成図である。同図に示すように、回収機構30として、ブラシローラ36を利用した構成も採用できる。具体的には、この回収機構30は、トナー担持ローラ2の外周面に接触して対向するように配置されるブラシローラ36と、ブラシローラ36に接触するように配置されたフリッカー37と、ブラシローラ36に所定の電圧を印加するための回収電源33とから構成されている。トナー担持ローラ2とブラシローラ36との間には、マイナス極性に帯電したトナーをトナー担持ローラ2からブラシローラ36に向けて静電的に移動させる向きの電界が形成される。これにより、現像領域で現像に寄与しなかったトナーは、ブラシローラ36とトナー担持ローラ2とが対向しあう回収領域において、トナー担持ローラ2上からブラシローラ36側へ移動する。ブラシローラ36に付着したトナーは、フリッカー37によって払い落とされる。払い落とされたトナーは、ケーシング11の内壁面上を移動して第2収容部15内に戻され、再び第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。
図21は、回収機構30の更に他の例を示すための概略構成図である。同図に示すように、回収機構30として、吸引ポンプ40を利用した構成も採用できる。具体的には、この回収機構30は、トナー担持ローラ2の外周面に対向するように配置される吸引ノズル38と、入口端が吸引ノズル38に接続され、出口端41aが第1搬送スクリュー12を収容する第1収容部13の上部に連通したダクト41と、吸引ノズル38からのトナーをダクト41の出口端41aまで吸引搬送するための吸引ポンプ40とから構成されている。また、吸引ノズル38に対してトナー担持ローラ2の表面移動方向下流側には、シール39が設けられている。このシール39は、トナー担持ローラ2の表面と接触している。現像領域で現像に寄与しなかったトナーは、トナー担持ローラ2と吸引ノズル38とが対向しあう回収領域において、吸引ポンプ40により生じる空気の流れに乗って吸引ノズル38内に吸引され、ダクト41を通って出口端41aから第1収容部13内へ戻され、再び第1収容部13及び第2収容部15を循環搬送される。なお、空気の流れに乗らずに回収領域を通過したトナーは、シールによって堰き止められるので、そのまま下流に搬送されていくことはない。
[第6変形例]
図22は、第6実施例に係る複写機のプリンタ部を示す概略構成図である。この画像形成装置は、マゼンタ,シアン,イエロー,ブラック(以下、M,C,Y,Kという)のトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成することができる。そして、ベルトユニット102、4色にそれぞれ個別に対応する4つのプロセスユニット、4つの光書込ユニット100M,C,Y,K、レジストローラ対108、転写ローラ107、定着装置76、給紙カセット101などを備えている。
ベルトユニット102は、潜像担持体たる無端ベルト状の感光体49を、水平方向よりも鉛直方向にスペースをとる縦長の姿勢で張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる。より詳しくは、無端ベルト状の感光体49を、駆動ローラ104、テンションローラ106、転写バックアップローラ105、及び4つの現像対向ローラ103M,C,Y,Kによって裏面側から支えながら張架している。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる駆動ローラ104の回転によって感光体49を無端移動せしめる。この感光体49における図中左側の張架面(以下、左側張架面という)は、ほぼ鉛直方向に延在する姿勢になっている。
感光体49の左側張架面の図中左側方には、M,C,Y,K用のプロセスユニットが鉛直方向に並ぶように配設されており、それぞれ感光体49の左側張架面に対向している。これら4つのプロセスユニットは、それぞれ、現像装置(1M,C,Y,K)と、感光体49を一様帯電せしめる帯電装置(50M,C,Y,K)とを1つのユニットとして図示しない共通の保持体に保持している。そして、プリンタ筺体に対して現像装置及び帯電装置が一体的に着脱されるようになっている。
4つの現像装置1M,C,Y,Kのうち、鉛直方向の最も下側に位置するK用の現像装置1Kの上方には、K用の帯電装置50Kが感光体49の左側張架面に対向するように配設されている。また、K用の現像装置1Kの真上に配設されたY用の現像装置1Yの上方には、Y用の帯電装置50Yが感光体の左側張架面に対向するように配設されている。また、Y用の現像装置1Yの真上に配設されたC用の現像装置1Cの上方には、C用の帯電装置50Cが感光体49の左側張架面に対向するように配設されている。更に、Y用の現像装置1Yの真上に配設されたM用の現像装置1Mの上方には、M用の帯電装置50Mが感光体49の左側張架面に対向するように配設されている。
鉛直方向に並ぶ4つの現像装置1M,C,Y,Kの図中左側方には、4つの光書込ユニット100M,C,Y,Kが鉛直方向に並ぶように配設されている。これら光書込ユニット100M,C,Y,Kは、外部の図示しないパーソナルコンピュータやスキャナから送られてくる画像情報に基づいて、図示しない4つの半導体レーザーを駆動してM,C,Y,K用の書込光Lm,Lc,Ly,Lkを出射する。そして、これらを図示しないポリゴンミラーによって偏向せしめながら、図示しない反射ミラーで反射させたり光学レンズに通したりすることで感光体49に対する光走査を行う。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによって光走査を行うものを用いてもよい。なお、光走査は暗中にて行われる。
感光体49は、自らを張架している複数の張架ローラのうち、最も下方に位置する駆動ローラ104と、最も上方に位置するテンションローラ106との間では、鉛直方向上方から下方に向けてほぼ真っ直ぐに移動する。この過程において、まず、M用の帯電装置50Mとの対向位置を通過する際に、例えば負極性に一様帯電せしめられる。そして、M用の書込光Lmによる光走査によってM用の静電潜像を担持した後、M用の現像装置1Mとの対向位置を通過する。この際、感光体49に書き込まれたM用の静電潜像がM用の現像装置1Mによって現像されてMトナー像になる。
Mトナー像が形成された感光体49は、鉛直方向上方から下方に向けての移動に伴って、C用の帯電装置50Cによって再び一様帯電せしめられた後、C用の書込光Lcによる光走査によってC用の静電潜像を担持する。このC用の静電潜像は、C用の現像装置1Cによって現像されてCトナー像となる。このとき、Cトナー像の全領域又は一部領域は、既に感光体49上に形成されているMトナー像に重ね合わせて現像される。そして、その重ね合わせ箇所は、M及びCによる2次色部となる。
Cトナー像が形成された感光体49は、鉛直方向上方から下方に向けての移動に伴って、Y用の帯電装置50Yによって再び一様帯電せしめられた後、Y用の書込光Lyによる光走査によってY用の静電潜像を担持する。このY用の静電潜像は、Y用の現像装置1Yによって現像されてYトナー像となる。このとき、Yトナー像の全領域又は一部領域は、既に感光体49上に形成されているMトナー像、Cトナー像、あるいはMC2次色部の上に重ね合わせた状態で現像される。そして、その重ね合わせ箇所は、MY2次色部、CY2次色部、あるいはMCY3次色部となる。
Yトナー像が形成された感光体49は、鉛直方向上方から下方に向けての移動に伴って、K用の帯電装置50Kによって再び一様帯電せしめられた後、K用の書込光Lkによる光走査によってK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、K用の現像装置1Kによって現像されてKトナー像となる。
以上のようなM,C,Y,Kトナー像の重ね合わせ現像により、感光体49のおもて面(ループ外面)には、4色重ね合わせトナー像が形成される。なお、M,C,Y,K用の帯電装置50M,C,Y,Kとしては、それぞれコロナ放電によって感光体49を一様帯電せしめるものが用いられている。
K用の現像装置1Kとの対向位置であるK用の現像領域を通過した感光体49は、駆動ローラ104に対する掛け回し箇所を通過すると、今度は相対的に鉛直方向下方から上方に向けて移動するようになる。そして、転写バックアップローラ105に対する掛け回し箇所に進入する。この掛け回し箇所の一部に対しては、転写ローラ107がおもて面側から当接して転写ニップを形成している。転写バックアップローラ105は接地されているのに対し、導電性の転写ローラ107には図示しないバイアス印加手段によって転写バイアスが印加されている。これにより、転写ニップを間に挟んでいる転写バックアップローラ105と転写ローラ107との間には、感光体49上のトナー像を転写バックアップローラ105側から転写ローラ107側に静電移動させる転写電界が形成されている。
一方、給紙カセット101は、所定のタイミングで給紙ローラ101aを回転駆動させることで、カセット内に収容している記録紙Pを給紙路に向けて送り出す。送り出された記録紙Pは、転写ニップの図中下方に配設されたレジストローラ対108のローラ間に挟み込まれる。レジストローラ対108は、記録紙Pの先端部を挟み込むとすぐに回転駆動を一時停止する。そして、記録紙Pを感光体49の4色重ね合わせトナー像と同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを転写ニップに送り出す。
転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた4色重ね合わせトナー像は、ニップ圧や転写電界の作用によってベルトから記録紙Pに一括転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された記録紙Pは、転写ニップから定着装置76に送り込まれた後、機外へと排出される。
1:現像装置
2:トナー担持ローラ(トナー担持体)
3a:第1電極
4a:第2電極
5:絶縁層
25A,25B:パルス電源(パルス電圧出力手段)
49:感光体(潜像担持体)
特開2007−133387号公報

Claims (6)

  1. トナーを担持する表面と、該表面に沿って延在しつつ互いに絶縁状態にある第1電極及び第2電極とを具備するトナー担持体と、
    該第1電極及び第2電極のうち、少なくとも一方に対して所定の周期Tで繰り返すパルス電圧を出力するパルス電圧出力手段とを有し、
    該トナー担持体の表面上にて、表面方向における該第1電極と該第2電極との間でトナーをホッピングさせながら、画像形成装置の潜像担持体上の潜像に付着させて該潜像を現像する現像装置において、
    表面に凹凸のない金属製の基体を上記第1電極として用い、該基体の表面に絶縁層を積層し、該絶縁層の凹凸のない表面の上に複数の上記第2電極をそれぞれ該表面から突出させて設け、且つ、前記絶縁層の表面における該第2電極を形成していない領域、及び、複数の該第2電極の表面上、に表層を積層して、該トナー担持体を、複数の層順次積層された多層構造のものとし
    第1電極及び第2電極のうち、少なくとも一方に対して上記パルス電圧を所定の出力時間tだけ出力する処理と、パルス電圧の出力を所定の停止時間tだけ停止する処理とを交互に実施するように、上記パルス電圧出力手段を構成したことを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    潜像担持体の移動する表面が上記トナー担持体に対向する現像領域を通過するのに要する時間である現像時間内にて、該トナー担持体の表面上のトナーを2回以上ホッピングさせるように、該潜像担持体の表面移動速度、該トナー担持体の表面移動速度、出力時間t、停止時間t、及び周期Tの組合せを設定したことを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1又は2の現像装置において、
    出力時間tを、出力時間tと停止時間tとの加算値の半分未満に設定したことを特徴とする現像装置。
  4. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電手段と、一様帯電後の該表面に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像を現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を該潜像担持体から転写体に転写する転写手段と、該潜像担持体の表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置において、
    上記現像手段として、請求項1乃至3の何れかの現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    上記潜像担持体、帯電手段、及びクリーニング手段のうち、少なくとも1つと、上記現像装置とを、共通の保持体に保持させて1つのユニットとして画像形成装置本体に着脱可能にしたプロセスユニットとして構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    互いに異なる色のトナーによって現像を行う複数の上記プロセスユニットを設けたことを特徴とする画像形成装置。
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