JP5333365B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、再熱除湿運転が可能な空気調和機に関する。
再熱除湿運転が可能な空気調和機では、室内熱交換器は、再熱除湿運転時に蒸発器として機能する第1室内熱交換部と、再熱器として機能する第2室内熱交換部とから構成されている。図15に再熱除湿運転が可能な従来の空気調和機8の一例を示す。空気調和機8は、圧縮機110、室外熱交換器120、室外膨張弁130、第2室内膨張弁170、室内熱交換器150の第2室内熱交換部150b、第1室内膨張弁140、および室内熱交換器150の第1室内熱交換部150aが、冷媒配管で接続された回路内を冷媒が循環する冷媒回路101を備えている。
圧縮機110から吐出された高圧の冷媒蒸気は、四方切替弁160によって流路が切替えられる。すなわち、冷房運転時や再熱除湿運転時には、実線で示すように室外熱交換器120に導かれ、暖房運転時には、破線で示すように室内熱交換器150の第1室内熱交換部150aに導かれる。
図16は、図15に示す空気調和機8の再熱除湿運転時の冷凍サイクルを示すモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)である。再熱除湿運転時には、室外熱交換器120と第2室内熱交換部150bとが凝縮器として機能し、凝縮能力は、室外熱交換器120で放出する熱量Qcと、第2室内熱交換部150bで放出する熱量Qrとの和となる。すなわち、再熱能力Qrは、凝縮能力全体の一部に限定されることになるから、例えば、冷房負荷が小さく、かつ、除湿が必要な場合等、運転条件によっては再熱能力が不足することになる。
図17は、図15に示す空気調和機8の再熱除湿運転時に、再熱能力が不足している状態を説明するための湿り空気線図である。設定温度Ts、設定相対湿度Hsにおける制御目標を点0で示す。空気調和が行われる前の吸込空気の温度および湿度を点1で示す。吸込空気の温度とTsとの差、すなわち冷房負荷が殆どなく、かつHsよりも吸込空気の湿度が大きい、すなわち除湿が必要な場合を図17は示している。
第1室内熱交換部150aの蒸発能力をQe1に抑えて、前記吸込空気の温度を第2室内熱交換部150bの能力Qr1の範囲内で冷却する場合、該吸込空気は飽和空気線の右側の点2、すなわち露点温度よりも高い温度までしか冷却されないので、該吸込空気を除湿することができない。吹出空気は、第2室内熱交換部150bの能力Qr1だけ加温され、さらに室内温度負荷Qa1によって温度上昇するが、空気調和後の吹出し空気の湿度は点1で変わらないことになる。
一方、除湿を優先して、第1室内熱交換部150aの蒸発能力をQe2まで発揮させて前記吸込空気を飽和空気線上の点2’まで冷却した場合、第2室内熱交換部150bの能力Qr2のみでは再熱能力が不足するので、室内温度負荷Qa2による温度上昇を加算しても目標ポイントである点0まで加温することはできない。この場合は、室温が設定温度Tsよりも低下し続けることになるので、最終的には、圧縮機110を停止させて(サーモオフ)、冷凍サイクルを止める必要がある。
さらに、現地配管が長い場合には、図16に破線で示すように、室外熱交換器120から室内第1室内膨張弁140に到達するまでの間に、圧力損失ΔPが生じる。そのため、再熱器の能力はQrからQr’へと低下する(当該能力低下量をΔQで示す)。したがって、圧力損失ΔPが発生しない場合と比較して、より大きな冷房負荷でも再熱能力が不足することになる。
このような従来の空気調和機の問題点を解決するため、冷媒回路101を循環する冷媒が、室外熱交換器120と室外膨張弁130とをバイパスすることを可能にするバイパス配管202を、室外機38内部に設けた空気調和機9が知られている(特許文献1参照)。図18は、特許文献1に記載の空気調和機9を模式的に示す図である。バイパス配管202の途中には、第2室外膨張弁220が設けられ、第2室外膨張弁220の開度を調節することで、室外熱交換器120へ流入する冷媒と、室外熱交換器120をバイパスして第2室内熱交換部150bに流入する冷媒との割合が調節される。
図19は、図18に示す空気調和機9が再熱除湿運転時の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。再熱除湿運転時に、室外熱交換器120と第2室内熱交換部150bとが、凝縮器として機能し、凝縮能力は、室外熱交換器120で放出する熱量Qcと、第2室内熱交換部150bで放出する熱量Qrとの和となる点では図16に示す空気調和機8と同じである。しかし、室外熱交換器120へ流入する冷媒と、室外熱交換器120をバイパスしてバイパス配管202に流入する冷媒との割合は調節可能なので、QcとQrとの比率は任意の割合で変更することができる。凝縮能力のすべてを再熱能力Qrとすることも可能である。冷凍サイクルにおいて、凝縮能力は蒸発能力よりも大きいので、蒸発能力Qeに応じた再熱能力Qrを得ることができる。
図20は、図18に示す空気調和機9の再熱除湿運転時に、蒸発能力に応じた再熱能力が得られるため、除湿と温度制御とがともに可能となっていることを説明するための湿り空気線図である。設定温度Ts、設定相対湿度Hsにおける制御目標を点0で示す。空気調和が行われる前の吸込空気の温度および湿度を点1で示す。吸込空気の温度とTsとの差、すなわち冷房負荷が殆どなく、かつHsよりも吸込空気の湿度が大きい、すなわち除湿が必要な場合を示していることは、図17と同様である。
除湿のために前記吸込空気を飽和空気線上の点2まで冷却した場合、第2室内熱交換部150bの能力Qr1によって、室内温度負荷Qa相当分を減じた点3まで温度を上昇させることができる。そして、室内温度負荷Qaによって設定温度Tsまで吹出し空気の温度が上昇する。このように、空気調和機9の構成を採用することで、冷房負荷(顕熱負荷)が殆どなくても、除湿が可能となる。
特開平7−294059号公報
顕熱能力を増減させることで温度制御がなされ、潜熱能力を増減させることで湿度制御がなされる。圧縮機110の回転数や第1室内膨張弁140(蒸発器電動弁)の開度、第2室外膨張弁220(室外機電動弁)の開度等が、再熱除湿運転時の温度制御と湿度制御とに係わる制御因子となる。
図21は、圧縮機110の回転数および第1室内膨張弁140(蒸発器電動弁)の開度と、顕熱能力および潜熱能力との関係を示す図である。圧縮機110の回転数が大きくなると、冷媒回路101内の冷媒循環量が増加し、第1室内熱交換部150a(蒸発器)内部の圧力は低下して蒸発温度が下がるので、顕熱能力と潜熱能力とはともに大きくなる。第1室内膨張弁140(蒸発器電動弁)の開度が大きくなると、蒸発器内の冷媒循環量が増加するので顕熱能力は増加するが、第1室内熱交換部150a(蒸発器)内の冷媒の圧力が増加して蒸発温度が上昇するので、潜熱能力は低下する。
図22は、第2室外膨張弁220(室外機電動弁)の開度と顕熱能力および潜熱能力との関係を示す図である。第2室外膨張弁220(室外機電動弁)の開度を大きくすると、室外熱交換器120に流入する冷媒量が減少し、第2室内熱交換部150b(再熱器)に流入する冷媒量が増加するので、顕熱能力が低下し、潜熱能力が増加する。
図20に示すような、吸込温度と設定温度との差が小さく顕熱負荷が小さい場合に、吸込湿度と設定湿度との差が大きく除湿が必要なときの制御の一例を以下に示す。まず、潜熱能力を増加させるために圧縮機110の回転数が増やされる。圧縮機110の回転数の上昇に伴い、顕熱能力も増加するので、顕熱能力を低下させるために第1室内膨張弁140(蒸発器電動弁)の開度が減じられる。さらに、第2室外膨張弁220(室外機電動弁)の開度を大きくして、室外熱交換器120への冷媒流量を減らし、凝縮能力Qcを減少させ、第2室内熱交換部150bへの冷媒流量を増加させて再熱能力Qrを増加させる。
図21および図22に基づいて説明したように、各制御因子の変更は、潜熱能力の変動と顕熱能力の変動との両方に作用する。特許文献1に示すような従来の空気調和機においては、圧縮機の回転数や膨張弁の開度等の制御因子を変更することで、潜熱能力と顕熱能力とを連動させて制御している。そのため、潜熱能力と顕熱能力との制御が干渉して、温度および湿度の制御目標値に実際の数値が近づかないことがあった。本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、潜熱能力の制御と顕熱能力の制御との干渉を抑制して、温度および湿度の制御が精度良く行われる空気調和機を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る空気調和機は、再熱除湿運転時に蒸発器として機能する第1室内熱交換部と、再熱器として機能する第2室内熱交換部とを備える室内熱交換器と、圧縮機、室外熱交換器、開度調節可能な室外膨張弁、開度調節可能な第1室内膨張弁、および前記室内熱交換器の第1室内熱交換部が、冷媒配管で接続された回路内を冷媒が循環する冷媒回路と、前記冷媒回路の前記室外熱交換器と前記室外膨張弁とをバイパスし、前記室内熱交換器の第2室内熱交換部と、開度調節可能な第2室内膨張弁とを途中に備える冷媒配管であるバイパス配管と、空気調和が行われる空調室の室温を検出する室温検出部と、 前記空調室の湿度を検出する湿度検出部と、空気調和における目標温度および目標湿度の少なくとも一方を操作者が入力する設定入力部と、前記第1室内熱交換部を通過する冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出部と、前記圧縮機、前記室外膨張弁、前記第1室内膨張弁、および前記第2室内膨張弁を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記湿度検出部が検出した空調室内の湿度と前記目標湿度との差ΔXを算出し、該ΔXに基づいて前記蒸発温度の目標値である目標蒸発温度を設定し、該目標蒸発温度に基づいて圧縮機の回転数を制御する除湿制御を行い、前記室温検出部が検出した空調室内の温度と前記目標温度との差ΔTrを算出し、該ΔTrに基づいて前記第2室内膨張弁の開度を制御する温度制御を行う。
請求項1に係る発明によれば、除湿制御に係る潜熱能力の増減は、前記目標蒸発温度に基づいて前記制御部が圧縮機の回転数を制御することでなされ、温度制御に係る顕熱能力の増減は、前記ΔTrに基づいて前記制御部が前記第2室内膨張弁の開度を制御することでなされる。すなわち、潜熱能力の制御と顕熱能力の制御とを独立して行うことが可能となる。したがって、潜熱能力の制御と顕熱能力の制御との干渉が抑制されて、温度および湿度の制御が精度良く行うことができる。
本発明の請求項1に係る空気調和機において、前記制御部は、前記室温検出部が検出した前記空調室の室温と、前記湿度検出部が検出した前記空調室の湿度から、該空調室内の空気の露点温度を算出し、該空調室内の湿度が前記目標湿度以上であり、かつ、前記蒸発温度検出部が検出した蒸発温度が前記露点温度以上である場合は、前記温度制御よりも前記湿度制御を優先して行う。
この請求項に係る発明によれば、前記制御部は、除湿が必要な場合に、前記蒸発温度検出部が検出した蒸発温度が前記露点温度以上であるときには、前記温度制御よりも前記湿度制御を優先するので、確実に除湿を行うことができる。
本発明の請求項に係る空気調和機では、前記制御部は、前記湿度検出部が検出した空調室内の湿度と前記目標湿度とを絶対湿度に換算し、前記ΔXを絶対湿度で算出する。
この請求項に係る発明によれば、絶対湿度に基づいて除湿制御を行うので、吸込空気の相対湿度に基づいた除湿制御で発生する不具合を解消できる。相対湿度に基づいた除湿制御では、例えば、設定温度が吸込温度よりも高い場合に、相対湿度で設定されている設定湿度よりも吸込空気の相対湿度が高いが、絶対湿度は、設定温度における絶対湿度よりも低いとき、すなわち本来、加湿が必要なときに除湿運転が行われる。逆に、吸込温度が設定温度よりも高い場合に、設定湿度よりも吸込空気の相対湿度が低いが、絶対湿度は、目標温度における絶対湿度よりも高いとき、すなわち本来、除湿が必要なときであっても、吸込温度が低下して相対湿度が設定湿度を超えるまでは除湿運転が行われない。絶対湿度に基づいて除湿制御を行うことで、不必要な除湿や除湿制御の遅れといった前記の不具合が解消される。
本発明の請求項に係る空気調和機では、前記制御部は、前記温度制御において、前記第2室内膨張弁の開度が最大である場合は、前記室外膨張弁の開度をも制御対象とし、前記第2室内膨張弁が全閉である場合は、前記圧縮機の回転数をも制御対象とする。
この請求項に係る発明によれば、前記第2室内膨張弁の開度が調節不可能な場合にも、前記室外膨張弁の開度または前記圧縮機の回転数の制御を行うことで、前記温度制御において顕熱能力の制御を行うことができる。
本発明の請求項に係る空気調和機では、前記温度制御における前記第2室内膨張弁の開度変更量に基づいて、前記空調室内の空気が前記室内熱交換器で当該室内熱交換器内部の冷媒と熱交換されて吹き出される調和空気の吹出温度変化量ΔT1を算出し、予め定められた第1の定数を該ΔT1に乗じた値を、前記湿度制御において算出した前記目標蒸発温度から減ずることで前記目標蒸発温度を補正し、
かつ、前記湿度制御における圧縮機回転数の変更量に基づいて、前記調和空気の吹出温度変化量ΔT2を算出し、予め定められた第2の定数を該ΔT2に乗じた値を、前記温度制御において算出した前記第2室内膨張弁の開度変更量から減ずることで該開度変更量を補正する。
この請求項に係る発明によれば、圧縮機の回転数制御と第2室内膨張弁の開度制御との制御の干渉がさらに抑制されて、温度および湿度の制御がより精度良く行うことができる。なぜならば、圧縮機の回転数制御による湿度制御と、前記室外膨張弁および前記第2室内膨張弁の開度制御による温度制御とを完全に独立させることは困難であるところ、互いの制御の干渉をフィードフォワード制御によって補正することができるからである。
本発明の請求項6に係る空気調和機は、請求項1〜5のいずれか1項に係る空気調和機において、前記調和空気の吹出温度を検出する吹出温度検出部をさらに備え、前記制御部は、前記室温検出部が検出した前記空調室内の温度と前記吹出温度との差ΔTfを算出し、該ΔTfと前記ΔTrとに基づいて前記第2室内膨張弁の開度を制御する温度制御を行う。
この請求項6に係る発明によれば、前記温度制御において前記制御部は、前記ΔTrに加えて前記ΔTfにも基づいて前記第2室内膨張弁の開度を制御するので、前記吹出温度を管理することが可能となり、当該温度制御をより精度良く行うことができる。
本発明の請求項に係る空気調和機では、前記圧縮機の吸入部に流入する冷媒が含む液冷媒の割合である湿り度を検出する湿り度検出部をさらに備え、前記制御部は、前記湿り度が予め定められた上限値を超えた場合に、前記第2室内膨張弁の開度を減ずる制御を行う。
この請求項に係る発明によれば、前記制御部は、前記湿り度が予め定められた上限値を超えた場合に、前記第2室内膨張弁の開度を減ずる制御を行うので、前記温度制御における前記第2室内膨張弁の開度変更に伴い、前記第1室内熱交換部から前記圧縮機の前記吸入部へと向かう冷媒が、液冷媒を含む湿り状態となった場合であっても、当該吸入部における液圧縮を防止することができる。
本発明の請求項に係る空気調和機は、請求項1〜のいずれか1項に係る空気調和機において、前記室外熱交換器と、前記室外膨張弁は、前記空調室の外部に設置される室外機に収容され、前記圧縮機と、前記第1室内膨張弁と、前記第1室内熱交換部と、前記第2室内熱交換部と、第2室内膨張弁は、前記空調室の内部に設置される室内機に収容され、前記バイパス配管は、前記室内機内で前記冷媒回路から分岐され、前記室内機内で前記冷媒回路に接続される。
請求項に係る発明によれば、前記圧縮機を室内機に収容することで、前記圧縮機を室外機に収容した場合に室内機と室外機との間に設けることになるバイパス配管を、前記室内機内で前記冷媒回路に接続することができる。したがって、外部配管の本数を少なくすることができるので、空気調和機の据え付け作業性が向上する。さらに、配管長を短くすることができるので、圧力損失および熱損失を抑えることができる。
本発明に係る空気調和機によれば、圧縮機の回転数制御による除湿制御と、第2室内膨張弁の開度制御による温度制御と、を独立して行うことできる。そのため、両制御の干渉を抑制することが可能となり、温度および湿度の制御を精度良く行うことができる。
本発明の実施形態1に係る空気調和機を示す模式図である。 本発明の実施形態1に係る空気調和機の機能的な構成を示すブロック図である。 実施形態1の変形例に係る空気調和機を示す模式図である。 本発明の実施形態1に係る空気調和機における除湿制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る空気調和機における温度制御を示すフローチャートである。 第2室内膨張弁が全開または全閉の場合の温度制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る空気調和機における再熱除湿運転を説明するための湿り空気線図である。 相対湿度に基づいて湿度制御を行う空気調和機による再熱除湿運転を説明するための湿り空気線図である。 湿度制御におけるフィードフォワード制御による補正を示すフローチャートである。 温度制御におけるフィードフォワード制御による補正を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る空気調和機の機能的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態2に係る空気調和機における温度制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る空気調和機の機能的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態3に係る空気調和機において、湿り度が予め定められた上限値を超えた場合に、前記第2室内膨張弁の開度を減ずる制御を示すフローチャートである。 再熱除湿運転が可能な従来の空気調和機の一例を示す模式図である。 従来の空気調和機の再熱除湿運転時における冷凍サイクルを示すモリエル線図である。 従来の空気調和機の再熱除湿運転時において、再熱能力が不足している状態を説明するための湿り空気線図である。 再熱除湿運転が可能な従来の空気調和機の他の例を示す模式図である。 図18に示す従来の空気調和機の再熱除湿運転時における冷凍サイクルを示すモリエル線図である。 図18に示す従来の空気調和機の再熱除湿運転時において、蒸発能力に応じた再熱能力が得られるため、除湿と温度制御とがともに可能となっていることを説明するための湿り空気線図である。 圧縮機の回転数および第1室内膨張弁(蒸発器電動弁)の開度と、顕熱能力および潜熱能力との関係を示す図である。 第2室外膨張弁(室外機電動弁)の開度と顕熱能力および潜熱能力との関係を示す図である。
<実施形態1>
以下、図面に基づいて本発明の実施形態1に係る空気調和機につき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和機1を示す模式図である。空気調和機1は、室内機20と、室外機30と、コントローラ300とを備える。室内機20は、空気調和が行われる空調室内に設置され、第1室内膨張弁140、室内熱交換器150、および第2室内膨張弁210を内部に収容する。室外機30は、空調室の外部に設置され、圧縮機110、室外熱交換器120、室外膨張弁130、および四方切替弁160を内部に収容する。
室内熱交換器150は、例えば冷媒が流れる冷却管の外側にフィンを取付けたクロスフィン型の空冷式熱交換器であり、再熱除湿運転時に蒸発器として機能する第1室内熱交換部150aと、再熱器として機能する第2室内熱交換部150bとを備える。
圧縮機110、室外熱交換器120、室外膨張弁130、第1室内膨張弁140、および第1室内熱交換部150aは、冷媒配管で接続されて冷媒回路100を構成する。圧縮機から吐出された冷媒は、冷媒回路100を循環する。
冷媒回路100を循環する冷媒は、バイパス配管200によって室外熱交換器120および室外膨張弁130をバイパス可能とされている。バイパス配管200の途中には、第2室内熱交換部150bと、第2室内膨張弁210とが備えられる。
圧縮機110は、例えばスクロール型の圧縮機構を備えるスクロール圧縮機である。圧縮機110は、蒸発器(冷房運転時および再熱除湿運転時は第1室内熱交換部150a、暖房運転時は室外熱交換器120)から送られてきた低温・低圧の冷媒蒸気を圧縮して、高温・高圧の冷媒蒸気とする。
室外熱交換器120は、例えば、冷媒が流れる冷却管の外側にフィンを取付けたクロスフィン型の空冷式熱交換器であり、室外空気と冷媒とを熱交換させる。室外熱交換器120は、冷房運転時および再熱除湿運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する。
室外膨張弁130は、例えばパルスモータ駆動方式の電子膨張弁であり、自在に開度を調整できる。室外膨張弁130は、冷房運転時および再熱除湿運転時には、凝縮器として機能する室外熱交換器120への冷媒流量を調節し、暖房運転時には蒸発器として機能する室外熱交換器120へ流入する冷媒を絞り膨張させる。
第1室内膨張弁140は、例えばパルスモータ駆動方式の電子膨張弁であり、自在に開度を調整できる。第1室内膨張弁140は、冷房運転時および再熱除湿運転時には、蒸発器として機能する第1室内熱交換部150aへ流入する冷媒を絞り膨張させ、暖房運転時には、凝縮器として機能する第1室内熱交換部150aへの冷媒流量を調節する。
四方切替弁160は、圧縮機110から吐出された高圧冷媒蒸気の流路を切替える。すなわち、冷房運転時や再熱除湿運転時には、実線で示すように高圧冷媒蒸気を室外熱交換器120に導き、暖房運転時には、破線で示すように前記高圧冷媒蒸気を室内熱交換器150の第1室内熱交換部150aに導く。
第2室内膨張弁210は、例えばパルスモータ駆動方式の電子膨張弁であり、自在に開度を調整できる。第2室内膨張弁210は、再熱除湿運転時に、再熱器として機能する第2室内熱交換部150bへの冷媒流量を調節する。図1の例では、第2室内熱交換部150bの下流に第2室内膨張弁210を設けているが、第2室内熱交換部150bの上流に第2室内膨張弁210を設けてもよい。下流に設ける場合は、第2室内熱交換部150b内で凝縮して体積が減少した液冷媒が通過するので膨張弁を小型化することができる。上流に設ける場合は、圧縮機110から吐出されたガス冷媒が通過するので膨張弁を大型化する必要が生じるものの、冷媒流量の制御性を向上させることができる。
図2は、空気調和機1の機能的な構成を示すブロック図である。空気調和機1は、図1で示した構成の他に、室温検出部400、湿度検出部500、および蒸発温度検出部600を備える。
コントローラ300は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)等からなり、制御部310、設定入力部320、および計時部330を具備するように機能する。制御部310は、圧縮機110の回転数や各膨張弁の開度等を制御することで、空気調和機1の運転を制御する。設定入力部320は、空気調和における目標温度および目標湿度の少なくとも一方をユーザが入力するための入力インタフェイスを備え、当該入力値を制御目標値として設定する。計時部330は、一定周期でクロック信号を発生させるクロック 発信器を備え、このクロック信号を、制御部310に出力する。
室温検出部400は、例えば、室内機20の図略の吸込口近傍に設置される温度センサであり、吸込空気の温度である吸込温度Tr、すなわち、空調室内の室温を検出する。湿度検出部500は、例えば、室内機20内部に設置される湿度センサであり、吸込空気の相対湿度、すなわち、空調室内の相対湿度を検出する。
蒸発温度検出部600は、再熱除湿運転時に蒸発器として機能する第1室内熱交換部150a内部の冷媒の蒸発温度Teを検出する。例えば、圧縮機110の吸入側に圧力センサを設け、コントローラ300内部のCPUが当該圧力センサによって検出された冷媒ガスの圧力に対応する飽和温度を算出して蒸発温度Teとすることで、当該圧力センサは、前記CPUとともに蒸発温度検出部600として機能することになる。また、例えば、圧縮機110の吸入側、もしくは第1室内熱交換部150aに温度センサを設け、当該温度センサが検出した温度を蒸発温度Teとすることで、当該温度センサを、蒸発温度検出部600として機能させるようにしてもよい。なぜならば、前記温度センサが検出した温度を蒸発温度Teと見なしても実用上は問題ないからである。すなわち、第1室内熱交換部150aから圧縮機111の吸入側へと向かう冷媒が過熱状態にあるときは、前記温度センサが検出した温度は、蒸発温度Teよりも高くなるものの、当該冷媒の過熱度は大きくないので、前記温度センサが検出した温度と蒸発温度Teとは近い値となるからである。
バイパス配管200によって、冷媒回路100を循環する冷媒が、室外熱交換器120および室外膨張弁130をバイパス可能である点では、図1に示す空気調和機1は、図18に示す特許文献1に記載の従来の空気調和機9と同様であるが、バイパス配管の接続位置およびバイパス配管に設けられる構成要素が異なる。
空気調和機9では、バイパス配管202は、四方切替弁160と室外熱交換器120との間の冷媒配管から室外機38内部で分岐され、第1室外膨張弁130と第2室内膨張弁170との間の冷媒配管に室外機38内部で接続されている。バイパス配管202の途中には、第2室外膨張弁220が設けられているが、第2室内熱交換部150bは設けられていない。
空気調和機9では、現地配管が長い場合には、再熱除湿運転時に室外熱交換器120で凝縮された冷媒が、第2室内熱交換部150bまでの配管内で再びガス化して圧力損失が発生し、凝縮能力が低下するので再熱能力も低下する。
一方、空気調和機1では、バイパス配管200は、四方切替弁160と室外熱交換器120との間の冷媒配管から室外機30内部で分岐され、第1室外膨張弁130と第1室内膨張弁140との間の冷媒配管に室内機20内部で接続されている。バイパス配管200の途中には、第2室外膨張弁220と第2室内熱交換部150bとが設けられている。
空気調和機1では、圧縮機110から吐出されたガス冷媒が、直接第2室内熱交換部150bに流入するので、空気調和機9とは異なり、第2室内熱交換部150bまでの配管内で冷媒が再びガス化することによる再熱能力の低下は発生しない。
図3は、実施形態1の変形例に係る空気調和機2を示す模式図である。空気調和機2は、圧縮機110を室内機21に収容することで、バイパス配管201を室内機21内で冷媒回路100から分岐させ、室内機21内で冷媒回路100に接続している。すなわち、空気調和機2では、図1に示す空気調和機1において、室内機20と室外機30との間に外部配管として設けられていたバイパス配管200を、室内機21の内部に配管されるバイパス配管201とすることができる。したがって、バイパス配管は外部配管とならないので、空気調和機1と比較して空気調和機2は据付作業性が向上する。
また、外部配管となる空気調和機1のバイパス配管200は、室内機20と室外機30との距離が離れている設置条件では、配管長が長くなるが、空気調和機2のバイパス配管201は、室内機21の内部に配管されるので、室内機21と室外機31との距離にかかわらず配管長は一定である。したがって、バイパス配管201が室内機21内部に配管される空気調和機2は、バイパス配管の配管長が長い場合に発生する再熱能力の低下、すなわち、圧縮機110から吐出された高圧・高温のガス冷媒の圧力損失および熱損失による再熱能力の低下を回避することができる。
本発明の実施形態1に係る空気調和機1および2において、除湿制御に係る潜熱能力の増減は、制御部310が圧縮機110の回転数をPI制御することでなされ、温度制御に係る顕熱能力の増減は、制御部310が室外膨張弁130および第2室内膨張弁210の開度をPI制御することでなされる。すなわち、潜熱能力の制御(除湿制御)と顕熱能力の制御(温度制御)とは、同時に行われるものの互いに独立して行われる。
また、制御部310は、空調室内の湿度が前記目標湿度以上、すなわち除湿が必要な場合に、室温検出部400が検出した空調室内の室温と、湿度検出部500が検出した空調室内の湿度と、を用いて空調室内の空気の露点温度Dを算出し、蒸発温度検出部600が検出した蒸発温度Teが露点温度D以上であるときには、温度制御よりも湿度制御を優先して行う。なぜならば、蒸発温度Teを露点温度Dよりも低くしなければ除湿ができないからである。空気調和機1および2における除湿制御について以下に説明する。
図4は、空気調和機1および2における除湿制御を示すフローチャートである。制御部310は、吸込温度と吸込湿度のサンプリング間隔を設定時間とするタイマをスタートする(ステップS1)。このタイマのカウントは計時部330が発生するクロック信号に基づいて行われる。次に制御部310は、設定入力部320によって設定された設定温度Tsおよび設定湿度Hsを検出し(ステップS2)、TsおよびHsに基づいて、目標絶対湿度Xsを算出する。室温検出部400は吸込温度、湿度検出部500は吸込湿度をそれぞれ検出する(ステップS4)。制御部310は、検出された吸込温度および吸込湿度に基づいて、吸込絶対湿度Xおよび露点温度Dを算出し(ステップS5およびステップS6)、XsとXとの差ΔX(=Xs−X)を算出する(ステップS7)。吸込絶対湿度Xが目標絶対湿度Xs以下の場合は(ステップS8でNO)、除湿は不要であるのでステップS1に戻る。吸込絶対湿度Xが目標絶対湿度Xsを上回る場合は(ステップS8でYES)、ΔXに基づいて、制御部310は目標蒸発温度TeSを算出する(ステップS9)。続いて蒸発温度検出部600は、蒸発温度Teを検出する(ステップS10)。制御部310は、TeとDとを比較し(ステップS11)、蒸発温度Teが露点温度D以上の場合は(ステップS11でYES)、温度制御よりも除湿制御を優先させる(ステップS12)。温度制御については、後に詳しく説明する。蒸発温度Teが露点温度D未満の場合は(ステップS11でNO)、ステップS13に進む。
制御部310は、TeSとTeとを比較し、圧縮機110の回転数制御の不感帯である例えば0.5℃をTeSに加えた値よりもTeが大きい場合には(ステップS13でYES)、蒸発温度を下げるために、圧縮機110の回転数を増加させる(ステップS14)。TeがTeS+0.5以下の場合に(ステップS13でNO)、TeがTeS±0.5の範囲にある場合には(ステップS15でYES)、Teは目標の範囲内なので、制御部310は、圧縮機110の回転数を維持させる(ステップS16)。TeがTeS−0.5未満の場合には(ステップS15でNO)、蒸発温度Teを上げるために、制御部310は、圧縮機110の回転数を減少させる(ステップS17)。制御部310は、タイマのカウントが終了するまでは(ステップS18でNO)、この状態を維持し、タイマのカウントが終了すると(ステップS18でYES)、ステップS1に戻ってタイマを新たにスタートする。
図5は、空気調和機1および2における温度制御を示すフローチャートである。制御部310は、図4に示す湿度制御と同じ設定時間でタイマをスタートする(ステップS101)。温度制御と湿度制御とは同時にスタートしている。次に制御部310は、設定入力部320によって設定された設定温度Tsを検出する(ステップS102)。室温検出部400は吸込温度Trを検出する(ステップS103)。制御部310は、TsとTrとの差ΔTr(=Ts−Tr)を算出する(ステップS104)。
第2室内膨張弁210の開度制御の不感帯が、例えば0.1℃である場合、ΔTrが0±0.1の範囲にあるときは(ステップS105でYES)、室温は目標の範囲内なので、制御部310は、第2室内膨張弁210の開度を維持する(ステップS106)。ΔTrが0.1よりも大きい場合、すなわち、吸込温度Trが設定温度Tsよりも低い場合には(ステップS107でYES)、再熱器として機能している第2室内熱交換部150bへの冷媒流量を増加させ、第2室内熱交換部150bの再熱能力を増加させて室温を上げるために、制御部310は、第2室内膨張弁210の開度を増加させる(ステップS108)。ΔTrが−0.1よりも小さい場合、すなわち、吸込温度Trが設定温度Tsよりも高い場合には(ステップS107でNO)、第2室内熱交換部150bへの冷媒流量を減少させ、第2室内熱交換部150bの再熱能力を減少させて室温を下げるために、制御部310は、第2室内膨張弁210の開度を減少させる(ステップS109)。制御部310は、タイマのカウントが終了するまでは(ステップS110でNO)、この状態を維持し、タイマのカウントが終了すると(ステップS110でYES)、ステップS101に戻ってタイマを新たにスタートする。
上記の温度制御において、ΔTrが−0.1よりも小さい場合であっても、第2室内膨張弁210が全閉のときは、第2室内熱交換部150bへの冷媒流量を減少させることができないために第2室内熱交換部150bの再熱能力を減少させることができず、逆に、ΔTrが0.1を超える場合であっても、第2室内膨張弁210が全開のときは、第2室内熱交換部150bへの冷媒流量を増加させることができないために第2室内熱交換部150bの再熱能力を増加させることができない。このような場合の温度制御を図6に示す。
図6は、第2室内膨張弁210が全開または全閉の場合の温度制御を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートとステップ105までは同じであるので、図5のステップ105以降についてのみ図6には示す。
ΔTrが0±0.1の範囲にある場合は(ステップS105でYES)、図5の丸付数字1に進む。ΔTrが0.1よりも大きい場合に(ステップS107でYES)、第2室内膨張弁210が全開のときは(ステップS201でYES)、室外熱交換器120への冷媒流量を減少させることで第2室内熱交換部150bへの冷媒流量を増加させ、第2室内熱交換部150bの再熱能力を増加させて室温を上げるために、室外膨張弁130の開度を減じる(ステップS202)。第2室内膨張弁210が全開でないときは(ステップS201でNO)、図5の丸付数字2に進む。
ΔTrが−0.1よりも小さい場合に(ステップS107でNO)、第2室内膨張弁210が全閉のときは(ステップS203でYES)、顕熱能力を増加させることで室温を下げるために圧縮機110の回転数を増加させる(ステップS204)。第2室内膨張弁210が全閉でないときは(ステップS203でNO)、図5の丸付数字3に進む。制御部310は、タイマのカウントが終了するまでは(ステップS205でNO)、この状態を維持し、タイマのカウントが終了すると(ステップS205でYES)、図5の丸付数字4に戻ってタイマを新たにスタートする。
図7は、上記実施形態の制御がなされる再熱除湿運転を説明するための湿り空気線図である。設定室温をTs、設定相対湿度をHsとしたときの制御目標となるポイント(設定温度Ts、目標絶対湿度Xs)を点0で示す。温度Trおよび絶対湿度Xである空気調和が行われる前の吸込空気の状態を点1で示す。この例では、TrおよびXともに、TsおよびXsよりも高い値となっている。
除湿制御が開始されて、XとXsとの差ΔXに基づいて、目標蒸発温度TeSが設定され、実際の蒸発温度TeとTeSとの差に応じて、圧縮機110の回転数が増減されると(図4参照)、吸込空気の状態は、温度が低下して点0から飽和空気線上の点aに変化し、飽和空気線上を下降して絶対湿度が低下し、点aから点bへとさらに変化する。
TrとTsとの差ΔTrに基づいて、第2室内膨張弁210の開度が増減され温度制御が行われることで(図5参照)、点bから温度が上昇して点c(点0)へとさらに状態が変化し、吸込空気は調和空気として吹き出され、空調室内の空気は、制御目標値の温度Ts、絶対湿度Xsとされる。
ここで、室内負荷によって温度および絶対湿度が上昇し、点cから点1に状態が変化した場合を想定する。このとき、PI制御されている圧縮機110および第2室内膨張弁210の制御量が変化して、潜熱能力および顕熱能力がともに増加しているから、以下に説明するように吸込空気の状態変化も異なることになる。
除湿制御によって、点1の状態の吸込空気は、飽和空気線上の点aの状態に変化したのち、飽和空気線上を下降して絶対湿度が低下し、点bよりもさらに温度および絶対湿度が低いb2の状態へと変化する。そして、温度制御によって、点b2の状態から温度が上昇して点c2の状態へと変化する。点c2から室内負荷によって温度および絶対湿度が上昇し、点1よりも絶対湿度が点0に近い点d2へと変化する。
点d2の状態となった空調室内の空気は、除湿制御によって温度が低下して飽和空気線上の点a2(aよりも絶対湿度が低い)に状態が変化したのち、飽和空気線上を下降して絶対湿度が低下し、点b2の状態よりもさらに温度および絶対湿度が低いb3の状態へと変化する。そして、温度制御によって、点b3の状態から温度が上昇して点c3の状態へと変化する。点c3の状態から室内負荷によって温度および絶対湿度が上昇し、点0と絶対湿度が等しく温度が低い点d3へと変化して除湿制御が完了する。さらに、室内負荷によりd3の状態から点0まで加温されて温度制御が終了する。
本実施形態では、上記に説明した通り、除湿制御に係る潜熱能力の増減は、目標蒸発温度TeSに基づいて制御部310が圧縮機110の回転数を制御することでなされ、温度制御に係る顕熱能力の増減は、ΔTrに基づいて制御部310が室外膨張弁130および第2室内膨張弁210の開度を制御することでなされる。すなわち、潜熱能力の制御と顕熱能力の制御とは独立してなされることになる。したがって、潜熱能力の制御と顕熱能力の制御との干渉が抑制されて、温度および湿度の制御が精度良く行われる。
また、本実施形態では、上記に説明した通り、制御部310は、蒸発温度検出部600が検出した蒸発温度Teが露点温度D以上である場合は、温度制御よりも湿度制御を優先するので、確実に除湿が行われる。
さらに、本実施形態では、上記に説明した通り、制御部310は、温度制御において、第2室内膨張弁210の開度が最大である場合は、室外膨張弁130の開度を制御対象とし、第2室内膨張弁210が全閉である場合は、圧縮機110の回転数を制御対象として
いる。したがって、第2室内膨張弁210の開度が調節不可能な場合にも、温度制御を行うことができる。
ところで、上記実施形態に係る空気調和機1および2は、図4および図7に基づいて上記に説明した通り、相対湿度ではなく絶対湿度に基づいて湿度制御を行っている。相対湿度に基づいて湿度制御を行う場合の問題点、および絶対湿度に基づいて湿度制御を行う場合の利点を、以下に説明する。
図8は、相対湿度に基づいて湿度制御を行う空気調和機による再熱除湿運転を説明するための湿り空気線図である。設定室温をTs、設定相対湿度をHsとしたときの制御目標となるポイントを点0で示す。吸込空気の状態が、設定温度Tsよりも温度が低く絶対湿度が点0と等しい状態、すなわち、温度が設定温度Tsよりも低く相対湿度が設定相対湿度Hsよりも高い状態を点1(温度Tr1、絶対湿度X1=Xs)に示す。吸込空気の状態が、設定温度Tsよりも温度が高く絶対湿度も点0よりも高いが、相対湿度は設定相対湿度Hsよりも低い状態を点2(温度Tr2、絶対湿度X2)に示す。
吸込空気の状態が点1にある場合は、相対湿度に基づいて湿度制御を行う空気調和機では、相対湿度がHsよりも高いために除湿が必要と判断する。その結果、吸込空気を露点未満に冷却して除湿をし(点1から点a)、再熱器で過熱することになる(点aから点b)。再熱のみが必要であるにもかかわらず不要な除湿がされる結果、相対湿度は設定相対湿度Hsよりも低くなってしまう。
吸込空気の状態が点2にある場合は、相対湿度に基づいて湿度制御を行う空気調和機では、温度制御によって空調室の室温がTr2からTr2’に低下するまでは、相対湿度がHsよりも低いために除湿が不要と判断する。したがって、除湿運転の開始が遅れてしまうので、湿度がHsに到達するまでに時間がかかることになる。
一方、絶対湿度に基づいて湿度制御を行う空気調和機1および2では、吸込空気の状態が点1にある場合は、除湿は行われず、吸込空気の状態が点2にある場合は、温度制御と同時に湿度制御もなされるので、従来の空気調和機よりも湿度がHsに到達するまでの時間が短縮される。すなわち、不必要な除湿や除湿制御の遅れといった、相対湿度に基づいて湿度制御を行う空気調和機の不具合が解消される。
実施形態1に係る空気調和機1および2において、圧縮機110の回転数の増減による潜熱能力の制御(除湿制御)と、室外膨張弁130および第2室内膨張弁210の開度の増減による顕熱能力の制御(温度制御)とは、互いに独立して行われる。しかしながら、圧縮機110の回転数の増減は、顕熱能力にも影響を及ぼし、室外膨張弁130および第2室内膨張弁210の開度の増減は、潜熱能力にも影響を及ぼす。したがって、潜熱能力の制御(除湿制御)と顕熱能力の制御(温度制御)とを、完全に独立させるのは困難である。そのため、互いの制御の干渉は、空気調和機1および2において、フィードフォワード制御によって補正されている。
湿度制御および温度制御におけるフィードフォワード制御による補正について、図9および図10に基づいて説明する。
図9は、湿度制御におけるフィードフォワード制御による補正を示すフローチャートである。第2室内膨張弁210の開度が変更されると(ステップS301でYES)、制御部310は、変更前後の第2室内膨張弁210の開度に基づいて再熱量の変化量ΔQrを算出する(ステップS302)。ΔQrに基づいて、制御部310は、吹出温度Tfの変化量ΔT1を算出する(ステップS303)。制御部310は、目標絶対湿度Xsと吸込絶対湿度Xとの差ΔXに基づいて算出されていた目標蒸発温度TeSから(図4ステップS8参照)、予め定められた定数C1をΔT1に乗じた値を減じてTeSを補正する(ステップS304)。この補正値を、目標蒸発温度TeSとして再設定して、制御部310が図4のフローチャートに示す除湿制御を行うことで、温度制御における第2室内膨張弁210の開度変更によって生じる除湿制御のずれを防止することができる。
図10は、温度制御におけるフィードフォワード制御による補正を示すフローチャートである。圧縮機110の回転数が変更されると(ステップS401でYES)、制御部310は、圧縮機110の回転数変更前後に蒸発温度検出部600が検出した蒸発温度Teに基づいて蒸発温度の変化量ΔTeを算出する(ステップS402)。ΔTeに基づいて、制御部310は、吹出温度Tfの変化量ΔT2を算出する(ステップS403)。制御部310は、設定温度Tsと吸込温度Trとの差ΔTrに基づいて算出されていた第2室内膨張弁210の開度から(図5ステップS104〜ステップ109参照)、予め定められた定数C1をΔT2に乗じた値を減じて第2室内膨張弁210の開度を補正する(ステップS404)。この補正値を、第2室内膨張弁210の開度として再設定して、制御部310が図5のフローチャートに示す温度制御を行うことで、湿度制御における圧縮機110の回転数変更によって生じる温度制御のずれを防止することができる。
<実施形態2>
図11は、本発明の実施形態2に係る空気調和機3の機能的な構成を示すブロック図である。空気調和機3は、実施形態1に係る空気調和機1または2の構成に加えて、吹出温度検出部700をさらに備える。吹出温度検出部700は、例えば、室内機20の図略の吹出口近傍に設置される温度センサであり、室内熱交換器150で室内熱交換器150内の冷媒と熱交換されて吹き出された前記空調室内の空気である調和空気の吹出温度Tfを検出する。空気調和機3は、前記温度制御において、制御部310が、吹出温度Tfと吸込温度Trとの差ΔTfを算出し、設定温度Tsと吸込温度Trとの差ΔTrのみならず、ΔTfにも基づいて第2室内膨張弁210の開度を制御する点で、空気調和機1および2とは異なる。
空調室内の室温(吸込温度Tr)が設定温度Tsを下回る場合、当該室温を上昇させて設定温度Tsとするためには、制御部310は、設定温度Tsよりも高い吹出温度Tfで調和空気を吹き出させる必要がある。すなわち、吹出温度Tf、設定温度Ts、および吸込温度Trの三者の関係は、Tf>Ts>Trとなる。逆に、空調室内の室温が設定温度Tsを上回る場合、当該室温を低下させて設定温度Tsとするためには、制御部310は、設定温度Tsよりも低い吹出温度Tfで調和空気を吹き出させる必要がある。すなわち、吹出温度Tf、設定温度Ts、および吸込温度Trの三者の関係は、Tf<Ts<Trとなる。
しかしながら、前記温度制御において、空調室内の室温が設定温度Tsを下回る場合(ΔTr>0.1)に、ΔTfがΔTrよりも極端に大きくなったり、空調室内の室温が設定温度Tsを上回る場合(ΔTr<−0.1)に、ΔTfがΔTrよりも極端に小さくなったりすることは好ましくない。なぜならば、前記温度制御においてオーバーシュートが発生するおそれがあるからである。
このようなオーバーシュートを防ぐために、制御部310は、空調室内の室温が設定温度Tsを下回る場合に、ΔTfとΔTrとの差が予め定められた閾値Th1を上回るときには、ΔTrに基づいて算出した第2膨張弁210の開度増加量を少なくする補正を行い、空調室内の室温が設定温度Tsを上回る場合に、ΔTfとΔTrとの差が予め定められた閾値Th2を下回るときには、ΔTrに基づいて算出した第2膨張弁210の開度減少量を少なくする補正を行う。
図12は、空気調和機3における前記温度制御を示すフローチャートである。なお、図5に示す実施形態1に係る空気調和機1または2における前記温度制御と同一のステップについては同一の符号を付し、必要がない限り説明を省略する。
空気調和機3における前記温度制御においては、ステップS101からステップS104までの間に、吹出温度検出部700が吹出温度Tfを検出するステップS501が追加され。ステップS104とステップS105との間に、吹出温度Tfと吸込温度Trとの差ΔTfを制御部310が算出するステップS502が追加されている。
ステップS104で制御部310が算出したΔTrが0.1よりも大きい場合、すなわち、吸込温度Trが設定温度Tsよりも低い場合には(ステップS107でYES)、制御部310は、ΔTrに基づいて第2室内膨張弁210の開度増加量を算出する(ステップS503)。ΔTfとΔTrとの差が予め定められた閾値Th1を上回るときには(ステップS504でYES)、制御部310は、ステップS503で算出した第2膨張弁210の開度増加量を少なくする補正を行い(ステップS505)、補正後の開度増加量で第2室内膨張弁210の開度を増加させる(ステップS108)。一方ΔTfとΔTrとの差が予め定められた閾値Th1以下のときには(ステップS504でNO)、制御部310は、ステップS503で算出した第2膨張弁210の開度増加量で第2室内膨張弁210の開度を増加させる(ステップS108)。
ΔTrが−0.1よりも小さい場合、すなわち、吸込温度Trが設定温度Tsよりも高い場合には(ステップS107でNO)、制御部310は、ΔTrに基づいて第2室内膨張弁210の開度減少量を算出する(ステップS506)。ΔTfとΔTrとの差が予め定められた閾値Th2を下回るときには(ステップS507でYES)、制御部310は、ステップS503で算出した第2膨張弁210の開度減少量を少なくする補正を行い(ステップS507)、補正後の開度減少量で第2室内膨張弁210の開度を減少させる(ステップS109)。一方ΔTfとΔTrとの差が予め定められた閾値Th2以上のときには(ステップS507でNO)、制御部310は、ステップS506で算出した第2膨張弁210の開度減少量で第2室内膨張弁210の開度を減少させる(ステップS108)。
ステップS105、ステップS108、ステップS109以降の動作は、図5に示す実施形態1に係る空気調和機1または2における前記温度制御と同様である。
実施形態2に係る空気調和機3によれば、前記温度制御において制御部310は、設定温度Tsと吸込温度Trとの差ΔTrに加えて、吹出温度Tfと吸込温度Trとの差ΔTfにも基づいて第2室内膨張弁210の開度を制御するので、吹出温度Tfを管理することが可能となり、当該温度制御をより精度良く行うことができる。
<実施形態3>
図13は、本発明の実施形態3に係る空気調和機4の機能的な構成を示すブロック図である。空気調和機4は、実施形態1に係る空気調和機1または2の構成に加えて、湿り度検出部800をさらに備える。湿り度検出部800は、圧縮機110の吸入部に流入する冷媒が含む液冷媒の割合である湿り度を検出する。例えば、圧縮機110の吐出側に温度センサを設け、当該温度センサが検出した吐出ガス冷媒の温度(過熱度)に基づいて、コントローラ300内部の前記CPUが前記湿り度を算出することで、当該温度センサは、当該CPUとともに湿り度検出部800として機能することになる。制御部310は、前記湿り度が予め定められた上限値を超えた場合に、第2室内膨張弁210の開度を減ずる制御(以下、湿り制御という)を行う。
図14は、空気調和機4における湿り制御を示すフローチャートである。制御部310は、前記湿度制御および前記温度制御と同じ設定時間でタイマをスタートする(ステップS01)。前記湿り制御は、前記温度制御および前記湿度制御と同時にスタートしている。次に湿り度検出部800は、圧縮機110の吸入部の湿り度を検出する(ステップS02)。当該湿り度が上限値以下であるときは(ステップS03でNO)、当該湿り度は許容範囲内なので、ステップS01に戻る。前記湿り度が上限値を超えるときは(ステップS03でYES)、ステップS04に進んで、制御部310は、第2室内膨張弁210の開度を減じる。制御部310は、タイマのカウントが終了するまでは(ステップS05でNO)、この状態を維持し、タイマのカウントが終了すると(ステップS05でYES)、ステップS01に戻ってタイマを新たにスタートする。
実施形態3に係る空気調和機4によれば、制御部310は、前記湿り度が予め定められた上限値を超えた場合に、前記湿り制御によって第2室内膨張弁210の開度を減ずるので、前記温度制御における第2室内膨張弁210の開度変更に伴い、圧縮機110の前記吸入部が湿り状態となった場合であっても、当該吸入部における液圧縮を防止することができる。
以上、本発明の実施形態1〜3に係る空気調和機1〜4について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能であり、例えば次のような変形実施形態を取ることもできる。
(1)上記実施形態では、第2室内膨張弁210を全開とする場合に、第2室内膨張弁210を全開とした後に室外膨張弁130の制御を行っているが、両膨張弁を同時に制御して、第2室内熱交換部150bに流入する冷媒量を変更してもよい。
(2)上記実施形態では、バイパス配管200は、第1室外膨張弁130と第1室内膨張弁140との間の冷媒配管に接続されているが、バイパス配管200を、第1室内膨張弁140と第1室内熱交換部150aとの間の冷媒配管に接続してもよい。この構成によれば、第2室内熱交換部150bで凝縮された冷媒は、室外熱交換器120で凝縮された高圧液冷媒が流れる冷媒配管ではなく、当該高圧液冷媒が第1室内膨張弁140で絞り膨張されて圧力が低下した状態の冷媒が流れる冷媒配管へ流入する。そのため、第2室内熱交換部150bの入口と出口とにおける冷媒の圧力差を大きくすることができるので、第2室内熱交換部150b内部の冷媒流量を増加させることができる。したがって、第2室内熱交換部150bの再熱能力を増加させることができる。
(3)上記実施形態3に係る空気調和機4は、上記実施形態1に係る空気調和機1または2の構成に湿り度検出部800を加えて構成されているが、上記実施形態2に係る空気調和機3の構成に湿り度検出部800を加えて構成することも可能である。
(4)上記実施形態では、圧縮機110をスクロール圧縮機としているが、圧縮機の圧縮機構はスクロール型に限定されるものではなく、例えばロータリー圧縮機のようなスクロール圧縮機とは異なる圧縮機構を備える圧縮機であってもよい。
1〜4 空気調和機
20、21 室内機
30、31 室外機
100 冷媒回路
110 圧縮機
120 室外熱交換器
130 室外膨張弁
140 第1室内膨張弁
150 室内熱交換器
150a 第1室内熱交換部
150b 第2室内熱交換部
200、201 バイパス配管
210 第2室内膨張弁
300 コントローラ
310 制御部
320 設定入力部
400 温度検出部
500 湿度検出部
600 蒸発温度検出部
700 吹出温度検出部
800 湿り度検出部

Claims (7)

  1. 再熱除湿運転時に蒸発器として機能する第1室内熱交換部(150a)と、再熱器として機能する第2室内熱交換部(150b)とを備える室内熱交換器(150)と、
    圧縮機(110)、室外熱交換器(120)、開度調節可能な室外膨張弁(130)、開度調節可能な第1室内膨張弁(140)、および前記室内熱交換器(150)の第1室内熱交換部(150a)が、冷媒配管で接続された回路内を冷媒が循環する冷媒回路(100)と、
    前記冷媒回路(100)の前記室外熱交換器(120)と前記室外膨張弁(130)とをバイパスし、前記室内熱交換器(150)の第2室内熱交換部(150b)と、開度調節可能な第2室内膨張弁(210)とを途中に備える冷媒配管であるバイパス配管(200、201)と、
    空気調和が行われる空調室の室温を検出する室温検出部(400)と、
    前記空調室の湿度を検出する湿度検出部(500)と、
    空気調和における目標温度および目標湿度の少なくとも一方を操作者が入力する設定入力部(320)と、
    前記第1室内熱交換部(150a)を通過する冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出部(600)と、
    前記圧縮機(110)、前記室外膨張弁(130)、前記第1室内膨張弁(140)、および前記第2室内膨張弁(210)を制御する制御部(310)と、を備え、
    前記制御部(310)は、
    前記湿度検出部(500)が検出した空調室内の湿度と前記目標湿度との差ΔXを算出し、該ΔXに基づいて前記蒸発温度の目標値である目標蒸発温度を設定し、該目標蒸発温度に基づいて圧縮機(110)の回転数を制御する除湿制御を行い、
    前記室温検出部(400)が検出した空調室内の温度と前記目標温度との差ΔTrを算出し、該ΔTrに基づいて前記第2室内膨張弁(210)の開度を制御する温度制御を行い、
    前記制御部(310)は、前記室温検出部(400)が検出した前記空調室の室温と、前記湿度検出部(500)が検出した前記空調室の湿度から、該空調室内の空気の露点温度を算出し、該空調室内の湿度が前記目標湿度以上であり、かつ、前記蒸発温度検出部(600)が検出した蒸発温度が前記露点温度以上である場合は、前記温度制御よりも前記湿度制御を優先して行う空気調和機。
  2. 再熱除湿運転時に蒸発器として機能する第1室内熱交換部(150a)と、再熱器として機能する第2室内熱交換部(150b)とを備える室内熱交換器(150)と、
    圧縮機(110)、室外熱交換器(120)、開度調節可能な室外膨張弁(130)、開度調節可能な第1室内膨張弁(140)、および前記室内熱交換器(150)の第1室内熱交換部(150a)が、冷媒配管で接続された回路内を冷媒が循環する冷媒回路(100)と、
    前記冷媒回路(100)の前記室外熱交換器(120)と前記室外膨張弁(130)とをバイパスし、前記室内熱交換器(150)の第2室内熱交換部(150b)と、開度調節可能な第2室内膨張弁(210)とを途中に備える冷媒配管であるバイパス配管(200、201)と、
    空気調和が行われる空調室の室温を検出する室温検出部(400)と、
    前記空調室の湿度を検出する湿度検出部(500)と、
    空気調和における目標温度および目標湿度の少なくとも一方を操作者が入力する設定入力部(320)と、
    前記第1室内熱交換部(150a)を通過する冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出部(600)と、
    前記圧縮機(110)、前記室外膨張弁(130)、前記第1室内膨張弁(140)、および前記第2室内膨張弁(210)を制御する制御部(310)と、を備え、
    前記制御部(310)は、
    前記湿度検出部(500)が検出した空調室内の湿度と前記目標湿度との差ΔXを算出し、該ΔXに基づいて前記蒸発温度の目標値である目標蒸発温度を設定し、該目標蒸発温度に基づいて圧縮機(110)の回転数を制御する除湿制御を行い、
    前記室温検出部(400)が検出した空調室内の温度と前記目標温度との差ΔTrを算出し、該ΔTrに基づいて前記第2室内膨張弁(210)の開度を制御する温度制御を行い、
    前記制御部(310)は、前記温度制御において、前記第2室内膨張弁(210)の開度が最大である場合は、前記室外膨張弁(130)の開度をも制御対象とし、前記第2室内膨張弁(210)が全閉である場合は、前記圧縮機(110)の回転数をも制御対象とする空気調和機。
  3. 再熱除湿運転時に蒸発器として機能する第1室内熱交換部(150a)と、再熱器として機能する第2室内熱交換部(150b)とを備える室内熱交換器(150)と、
    圧縮機(110)、室外熱交換器(120)、開度調節可能な室外膨張弁(130)、開度調節可能な第1室内膨張弁(140)、および前記室内熱交換器(150)の第1室内熱交換部(150a)が、冷媒配管で接続された回路内を冷媒が循環する冷媒回路(100)と、
    前記冷媒回路(100)の前記室外熱交換器(120)と前記室外膨張弁(130)とをバイパスし、前記室内熱交換器(150)の第2室内熱交換部(150b)と、開度調節可能な第2室内膨張弁(210)とを途中に備える冷媒配管であるバイパス配管(200、201)と、
    空気調和が行われる空調室の室温を検出する室温検出部(400)と、
    前記空調室の湿度を検出する湿度検出部(500)と、
    空気調和における目標温度および目標湿度の少なくとも一方を操作者が入力する設定入力部(320)と、
    前記第1室内熱交換部(150a)を通過する冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出部(600)と、
    前記圧縮機(110)、前記室外膨張弁(130)、前記第1室内膨張弁(140)、および前記第2室内膨張弁(210)を制御する制御部(310)と、を備え、
    前記制御部(310)は、
    前記湿度検出部(500)が検出した空調室内の湿度と前記目標湿度との差ΔXを算出し、該ΔXに基づいて前記蒸発温度の目標値である目標蒸発温度を設定し、該目標蒸発温度に基づいて圧縮機(110)の回転数を制御する除湿制御を行い、
    前記室温検出部(400)が検出した空調室内の温度と前記目標温度との差ΔTrを算出し、該ΔTrに基づいて前記第2室内膨張弁(210)の開度を制御する温度制御を行い、
    前記制御部(310)は、
    前記温度制御における前記第2室内膨張弁(210)の開度変更量に基づいて、前記空調室内の空気が前記室内熱交換器(150)で当該室内熱交換器(150)内部の冷媒と熱交換されて吹き出される調和空気の吹出温度変化量ΔT1を算出し、予め定められた第1の定数を該ΔT1に乗じた値を、前記湿度制御において算出した前記目標蒸発温度から減ずることで前記目標蒸発温度を補正し、
    かつ、前記湿度制御における圧縮機(110)回転数の変更量に基づいて、前記調和空気の吹出温度変化量ΔT2を算出し、予め定められた第2の定数を該ΔT2に乗じた値を、前記温度制御において算出した前記第2室内膨張弁(210)の開度変更量から減ずることで該開度変更量を補正する空気調和機。
  4. 再熱除湿運転時に蒸発器として機能する第1室内熱交換部(150a)と、再熱器として機能する第2室内熱交換部(150b)とを備える室内熱交換器(150)と、
    圧縮機(110)、室外熱交換器(120)、開度調節可能な室外膨張弁(130)、開度調節可能な第1室内膨張弁(140)、および前記室内熱交換器(150)の第1室内熱交換部(150a)が、冷媒配管で接続された回路内を冷媒が循環する冷媒回路(100)と、
    前記冷媒回路(100)の前記室外熱交換器(120)と前記室外膨張弁(130)とをバイパスし、前記室内熱交換器(150)の第2室内熱交換部(150b)と、開度調節可能な第2室内膨張弁(210)とを途中に備える冷媒配管であるバイパス配管(200、201)と、
    空気調和が行われる空調室の室温を検出する室温検出部(400)と、
    前記空調室の湿度を検出する湿度検出部(500)と、
    空気調和における目標温度および目標湿度の少なくとも一方を操作者が入力する設定入力部(320)と、
    前記第1室内熱交換部(150a)を通過する冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出部(600)と、
    前記圧縮機(110)、前記室外膨張弁(130)、前記第1室内膨張弁(140)、および前記第2室内膨張弁(210)を制御する制御部(310)と、
    前記圧縮機(110)の吸入部に流入する冷媒が含む液冷媒の割合である湿り度を検出する湿り度検出部(800)と、を備え、
    前記制御部(310)は、
    前記湿度検出部(500)が検出した空調室内の湿度と前記目標湿度との差ΔXを算出し、該ΔXに基づいて前記蒸発温度の目標値である目標蒸発温度を設定し、該目標蒸発温度に基づいて圧縮機(110)の回転数を制御する除湿制御を行い、
    前記室温検出部(400)が検出した空調室内の温度と前記目標温度との差ΔTrを算出し、該ΔTrに基づいて前記第2室内膨張弁(210)の開度を制御する温度制御を行い、
    前記制御部(310)は、前記湿り度が予め定められた上限値を超えた場合に、前記第2室内膨張弁(210)の開度を減ずる制御を行う空気調和機。
  5. 前記制御部(310)は、前記湿度検出部(500)が検出した空調室内の湿度と前記目標湿度とを絶対湿度に換算し、前記ΔXを絶対湿度で算出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
  6. 前記調和空気の吹出温度を検出する吹出温度検出部(700)をさらに備え、
    前記制御部(310)は、前記室温検出部(400)が検出した前記空調室内の温度と前記吹出温度との差ΔTfを算出し、該ΔTfと前記ΔTrとに基づいて前記第2室内膨張弁(210)の開度を制御する温度制御を行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和機。
  7. 前記室外熱交換器(120)と、前記室外膨張弁(130)は、前記空調室の外部に設置される室外機(31)に収容され、
    前記圧縮機(110)と、前記第1室内膨張弁(140)と、前記第1室内熱交換部(150a)と、前記第1室内熱交換部(150b)と、第2室内膨張弁(210)は、前記空調室の内部に設置される室内機(21)に収容され、
    前記バイパス配管(201)は、前記室内機(21)内で前記冷媒回路(100)から分岐され、前記室内機(21)内で前記冷媒回路(100)に接続される請求項1〜のいずれか1項に記載の空気調和機。
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