JP5333085B2 - イコライザ装置及び電気音響変換装置 - Google Patents

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本発明は、スピーカを多面体状に配設した多面体型スピーカの音声出力を等化するイコライザ装置、同イコライザ装置を備えた電気音響変換装置に関するものである。
電気信号を音声として出力するスピーカの一つとして、スピーカを外側に向けて多面体状に配設した多面体型スピーカが存在する。この多面体型スピーカとは[特許文献1]に示すように例えば正5角形の振動板を正12面体となるように設置し(ただし、1面は台座とする。)、それぞれの振動板にスピーカユニットを設置したものである。このように、多面体型スピーカは全方向にスピーカが配設されているためその音声出力は点音源、無指向性となり、理想的には全ての方向に同じ音圧の音声を出力することができる。ただし、多面体型スピーカは一般的に周波数特性が平坦ではないため、例えば[特許文献2]では、音源と多面体型スピーカとの間にイコライザ回路を設けて、多面体型スピーカからの音声出力を平坦化(等化)している。
特開2006−311349号公報 特開2005−051694号公報
[特許文献2]の発明に記載されているイコライザ回路は、音声信号を比較的狭い周波数帯域に分割し、その周波数帯域毎に所定量ブースト又はカットして所望の値に近似させそれを積み重ねることで、全体として多面体型スピーカの周波数特性を補完して音声出力の等化を行う。しかしながら、多面体型スピーカの伝達関数の構成と一般的なイコライザ回路の伝達関数の構成とは大きく異なっており、その異なったイコライザ回路の伝達関数により多面体型スピーカの音声出力の等化を十分に行うためには、より狭い周波数帯で多くの周波数帯域に分割する必要がある。このため、アナログ回路の場合には回路規模が大きくなるという問題点がある。また、デジタル処理の場合には演算量が多くなるという問題点がある。さらに、等化後の位相特性の誤差が大きいという問題点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、比較的容易な回路構成もしくは演算で多面体型スピーカの音声出力の等化を良好に行うことが可能なイコライザ装置及び電気音響変換装置を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)音源10からの音声信号Vinが入力される入力端20aと、前記入力端20aに入力された音声信号Vinを所定の伝達関数に基づいてイコライジングするイコライザ部30と、前記イコライザ部30でイコライジングした音声信号Voutを多面体型スピーカ12に出力する出力端20bと、を有し、
前記伝達関数が第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数と第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数との積を含み、
前記第1の伝達関数は、遮断周波数が前記多面体型スピーカ12の最低共振周波数f0と略同等であり、遮断周波数でのQ値が前記多面体型スピーカ12の最低共振周波数f0でのQ値(Q0)と略同等である2次のハイパスフィルタの伝達関数であり、
前記第2の伝達関数は、遮断周波数fcが前記多面体型スピーカ12の仮想円周と同等の波長を有する音波の周波数と略同等である1次のローパスフィルタの伝達係数であることを特徴とするイコライザ装置50を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)前記多面体型スピーカ12の前記仮想円周は、前記多面体型スピーカ12の外側に接する球の円周と内側に接する球の円周、もしくは前記多面体型スピーカ12の体積と等しい体積を有する球の円周に基づいて取得することを特徴とする上記(1)記載のイコライザ装置50を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)前記伝達関数が、前記第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数と前記第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数との積に、高次のハイパスフィルタの伝達関数と1次又は高次のローパスフィルタの伝達関数の双方もしくはいずれか一方を乗じたものであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のイコライザ装置50を提供することにより、上記課題を解決する。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のイコライザ装置50と、前記イコライザ装置50から出力される音声信号Voutを再生する多面体型スピーカ12と、を備えることを特徴とする電気音響変換装置100を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明のイコライザ装置及び電気音響変換装置は、実際の多面体型スピーカの伝達関数をモデル化し、そのモデル化した伝達関数の逆フィルタの伝達関数に基づいてイコライジングするため、比較的容易な回路構成もしくは演算で多面体型スピーカの音声出力の等化を振幅、位相とも、より正確に行うことができる。
本発明に係るイコライザ装置及び電気音響変換装置を示すブロック図である。 多面体型スピーカの伝達関数を説明する周波数特性図である。 多面体型スピーカの実測した周波数特性と算出した伝達関数による周波数特性とを比較する図である。 本発明に係るイコライザ装置の伝達関数を説明する周波数特性図である。 本発明に係るイコライザ装置の伝達関数を示す周波数特性図である。 本発明に係るイコライザ部のアナログ回路の例を示す図である。 本発明に係るイコライザ部のデジタル処理の構成例を示す図である。 本発明により等化された音声出力を示す周波数特性図である。
本発明に係るイコライザ装置及び電気音響変換装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1に示す本実施の形態に係るイコライザ装置50は、音源10側からの音声信号Vinが入力する入力端20aと、入力端20aから入力した音声信号Vinを所定の伝達関数でイコライジングするイコライザ部30と、イコライザ部30でイコライジングした音声信号Voutを多面体型スピーカ12側に例えばアンプ14を介して出力する出力端20bと、を有している。また、本実施形態に係わる電気音響変換装置100は、イコライザ装置50と多面体型スピーカ12を有している。
ここでの多面体型スピーカ12は、スピーカが多面体状に配設されていれば正12面体に限らず如何なる多面体でも構わない。また、スピーカが多面体状に配設されていれば、外形に特に制限はない。さらに、理想的な多面体型スピーカ12は球形であるため、ここでは球形スピーカも多面体型スピーカ12に含むものとする。
次に、イコライザ部30の伝達関数の基となる多面体型スピーカ12の伝達関数に関して説明を行う。先ず、多面体型スピーカ12には、一般的なスピーカと同様、振動系支持機構のばね定数、内部空気のばね定数、振動系質量などで決定する最低共振周波数f0が存在する。そして、多面体型スピーカ12におけるスピーカ駆動電圧(音声信号)から振動系加速度(音声出力)への伝達関数は、一般的なスピーカと同様、遮断周波数と当該遮断周波数におけるQ値が、多面体型スピーカ12の最低共振周波数f0と当該最低共振周波数f0におけるQ値(Q0)とそれぞれ同等の2次のハイパスフィルタの伝達関数(第1の伝達関数)とほぼ等しくなる。尚、2次のハイパスフィルタの遮断周波数と遮断周波数f0におけるQ値(Q0)とが決定すればこの2次のハイパスフィルタのQ値の周波数曲線(ピークの値、ピークの周波数、ピークの鋭さ等)も概ね決定する。
一方、多面体型スピーカ12の理想型は呼吸球であり、呼吸球ではその表面を入力信号(音声信号)に比例した加速度で駆動したときの音圧(音声出力)の伝達関数が、呼吸球の円周に応じた遮断周波数fcの1次のローパスフィルタの伝達関数とほぼ等しくなる。ここで、この1次のローパスフィルタの遮断周波数fcは、呼吸球の半径をrとした時に呼吸球の円周(2πr)と波長が一致する音波の周波数とほぼ同等となる。従って、遮断周波数fcは、cを音速とした時に
fc=c/(2πr) となる。
尚、多面体型スピーカ12は多面体であり理想的な呼吸球ではないから、正確な円周を求めることはできない。従って、実際の多面体型スピーカ12では、上記の遮断周波数fcを導くための円周の値(これを仮想円周(2πr’)とする)を以下のようにして取得することが好ましい。先ず、仮想円周の第一の取得方法は、多面体型スピーカ12の外側に接する球の円周と内側に接する球の円周を求めその中間値を仮想円周とする方法である。また、仮想円周の第二の取得方法は、多面体型スピーカ12の体積と等しい体積を有する球を求めその球の円周を仮想円周とする方法である。これら仮想円周の取得方法を比較した場合、第二の取得方法の方が呼吸球の円周により近い仮想円周を得ることができる。
上記のように多面体型スピーカ12は、一般的なスピーカとしての第1の伝達関数と、呼吸球としての仮想円周に応じた遮断周波数fc(fc=c/(2πr’))の1次のローパスフィルタの伝達関数(第2の伝達関数)との2つの伝達関数を備えている。従って、多面体型スピーカ12の伝達関数は、第1の伝達関数と第2の伝達関数との積に近いものとなる。
ここで、一辺が約37mmの正5角形の振動板を有するスピーカユニットで構成された正12面体(1面は台座)の多面体型スピーカ12を用意し、その最低共振周波数f0とそのときのQ値(Q0)を測定した。その結果、最低共振周波数f0=640Hz、Q0=3.6であった。
また、この多面体型スピーカ12の体積と同等な球の直径を算出し、仮想円周を算出したところ297mmとなった。ここで、音速を340m/sとし、1次のローパスフィルタの遮断周波数fcを、
fc=340/(297×10−3)≒1145(Hz)とした。
ここで、遮断周波数がf0が640HzでQ0が3.6の2次のハイパスフィルタの周波数特性図を図2(a)に示す。また、遮断周波数fcが1145Hzの1次のローパスフィルタの周波数特性図を図2(b)に示す。
次に、図2(a)に示した2次のハイパスフィルタの伝達関数(第1の伝達関数)と図2(b)に示した1次のローパスフィルタの伝達関数(第2の伝達関数)とを求めそれらの積を算出した。ここで、算出した伝達関数による周波数特性図と実測した多面体型スピーカ12の周波数特性図とを図3に示す。尚、図3中、実線Aが算出した伝達関数による周波数特性を示し、実線B1、B2が実測(2回測定)した多面体型スピーカ12の周波数特性である。また、実線Aのうち領域aが主に第1の伝達関数(図2(a))が大きく関与する領域であり、領域bが主に第2の伝達関数(図2(b))が大きく関与する領域である。
図3より、実測した多面体型スピーカ12の周波数特性と算出した伝達関数による周波数特性とはほぼ一致していることが分かる。このことから、第1の伝達関数と第2の伝達関数の積は、多面体型スピーカ12の伝達関数とほぼ同等となることが分かる。つまり、多面体型スピーカ12の最低共振周波数f0とそのときのQ値(Q0)、及び多面体型スピーカ12の仮想円周の値が取得できれば、多面体型スピーカ12の伝達関数とほぼ同等の伝達関数(以後、モデル伝達関数と記述)を算出することが可能となる。
尚、実際のモデル伝達関数の設定では、最低共振周波数f0、Q0、仮想円周の値から仮のモデル伝達関数を作成する。そして、この仮のモデル伝達関数による周波数特性と実測した実際の多面体型スピーカ12の周波数特性とを比較しながらf0、Q0、仮想円周の値を約±20%程度の範囲で変化させて、伝達係数の合わせ込みを行い最終的なモデル伝達関数とする。この場合でも基本となる2次のハイパスフィルタと1次のローパスフィルタは固定であり、パラメータはf0、Q0、仮想円周の値の3つであるから、多面体型スピーカ12のモデル伝達関数を容易且つ迅速に求めることができる。
イコライザ部30は、上記のようにして求められたモデル伝達関数の逆フィルタの伝達関数をとるようなアナログ回路もしくはデジタルフィルタを用いことができる。尚、モデル伝達関数の逆フィルタの伝達関数は、第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数と第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数との積と同等である。ここで、図3に示したモデル伝達関数の逆フィルタの周波数特性図を図4(a)に示す。
図4(a)に示すようにモデル伝達関数の逆フィルタの周波数特性は、通常、低周波側と高周波側とが無限に上昇する。従って、イコライザ部30には多面体型スピーカ12側への過大な音声信号の印加防止と音質の調整のため、音声出力の再生周波数帯域以外の低周波成分と高周波成分とを減衰させる高次のハイパスフィルタと1次又は高次のローパスフィルタとを組み入れることが好ましい。この場合、イコライザ部30全体としての伝達関数は、第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数と第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数との積に、高次のハイパスフィルタの伝達関数と1次又は高次のローパスフィルタの伝達関数とを乗じたものとなる。
ここで例えば、イコライザ部30に、図4(b)に示す周波数特性の1次のローパスフィルタと図4(c)に示す周波数特性の3次のハイパスフィルタを組み入れれば、これらのフィルタが組み入れられたイコライザ部30の周波数特性は図5のようになる。そして、イコライザ部30の伝達関数は、第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数と第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数との積に、3次のハイパスフィルタの伝達関数と1次のローパスフィルタの伝達関数とを乗じたものとなる。尚、図5の領域a’が主に第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数が大きく関与する領域であり、領域b’が主に第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数が大きく関与する領域であり、領域cが主に3次のハイパスフィルタの伝達関数が大きく関与する領域であり、領域dが主に1次のローパスフィルタの伝達関数が大きく関与する領域である。
尚、モデル伝達関数や回路構成により低周波成分もしくは高周波成分の減衰が不要な場合には、高次のハイパスフィルタもしくは1次又は高次のローパスフィルタのいずれか一方を組み入れれば良い。この場合、イコライザ部30全体の伝達関数は、第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数と第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数との積に、組み入れた高次のハイパスフィルタの伝達関数もしくは1次又は高次のローパスフィルタの伝達関数を乗じたものとなる。
また、モデル伝達関数を多面体型スピーカ12の伝達関数により近似させるために、イコライザ部30に双2次型フィルタをさらに組み入れても良い。この場合、イコライザ部30全体の伝達関数は、組み入れた双2次型フィルタの双2次型伝達関数をさらに乗じたものとなる。
ここで、図5の周波数特性を有するイコライザ部30を、アナログ回路で構成した例を図6に示す。尚、イコライザ部30はモデル伝達関数の逆フィルタの伝達関数に基づいてイコライジングすればよいから、第1の伝達関数の逆フィルタ、第2の伝達関数の逆フィルタ、その他のフィルタが明確に区別されたイコライザでなくてもよい。
図6に示すイコライザ部30は、部分的に重複しながら大きく分けて3つの回路で構成されている。回路30bは低周波成分を減衰させる3次のハイパスフィルタの一部である1次のハイパスフィルタを主に構成している。回路30aは双2次のシェルビングイコライザであり、3次のハイパスフィルタの一部である2次のハイパスフィルタと第1の伝達関数の逆フィルタとを主に構成している。回路30cは1次のシェルビングイコライザであり、第2の伝達関数の逆フィルタと高周波成分を減衰させる1次のローパスフィルタとを主に構成している。図6に示すように、本実施の形態に係るイコライザ装置50によれば、イコライザ部30を比較的容易なアナログ回路で構成することができる。
次に、図7にイコライザ部30をデジタルフィルタで構成した例を示す。図7に示すイコライザ部30はバイクワッドフィルタ(Biquad Filter)としてのデジタルフィルタ32a、32bが2段縦続して構成されている。尚、図7中、Z−1は遅延器、a10、a11、a12、a20、a21、a22、b11、b12、b21、b22は乗算器、“+”は加算器を示す。
デジタルフィルタ32a、32bの遅延器、乗算器、加算器は、現在及び過去の入力値と過去の出力値に各乗算器に設定された係数を乗じてそれぞれ加算することを繰り返し、各々が双2次の伝達関数を有するフィルタとしての動作を行う。そして、例えばデジタルフィルタ32aの乗算器の係数を図7に示すようにすれば、デジタルフィルタ32aは図6中の回路30aと同様の伝達関数を備え回路30aと同様に機能する。また、デジタルフィルタ32bの乗算器の係数を図7に示すようにすれば、デジタルフィルタ32bは図6中の回路30b及び回路30cとが合わさった伝達関数を備え回路30b及び回路30cと同様に機能する。これにより、イコライザ部30は図5と同様の周波数特性を示す伝達関数を有する。
図7に示すように、本実施の形態に係るイコライザ装置50によれば、イコライザ部30を比較的容易な演算処理のデジタルフィルタで構成することができる。尚、各乗算器の係数はイコライザ部30に要求される伝達係数に対し、双一次変換を行うことにより容易に求めることができる。また、上記のデジタルフィルタ32a、32bの構成は一例であり、さらにイコライザ部30の伝達関数を2つの双2次の伝達関数に分割する手法及び組み合わせに関しても特に限定はない。
次に、本実施の形態に係るイコライザ装置50の動作を説明する。先ず、音源10側からの音声信号Vinが入力端20aからイコライザ部30に入力する。イコライザ部30は入力した音声信号Vinに対しイコライジングを施す。このときのイコライジングは、前述のようにして求められた多面体型スピーカ12の逆フィルタの伝達関数と略同等の伝達関数を含む伝達関数により行われる。よって、イコライザ部30の出力端20bから出力する音声信号Voutは例えば図5に示すようにイコライジングされる。出力した音声信号Voutはアンプ14で増幅され、多面体型スピーカ12に出力される。そして、多面体型スピーカ12は音声信号Voutを音声として出力する。このとき、多面体型スピーカ12はイコライザ部30の伝達関数とほぼ逆の図3に相当する周波数特性(伝達関数)を有している。従って、多面体型スピーカ12のほぼ逆の伝達関数でイコライジングされた音声信号Vout(図5)が多面体型スピーカ12で出力されると、その音声出力は相互に補完、補償され結果として図8に示すように等化された平坦な音声出力となる。
以上のように、本実施の形態に係るイコライザ装置50は、多面体型スピーカ12の最低共振周波数f0と当該最低共振周波数f0におけるQ値(Q0)及び多面体型スピーカ12の仮想円周とから、簡略化した多面体型スピーカ12のモデル伝達関数の逆フィルタの伝達関数に基づいてイコライジングする。このため周波数帯域を分割してイコライジングを行う従来のイコライザ装置と比較して回路規模もしくは演算量を減らすことができる。
また、本実施の形態に係るイコライザ装置50は、多面体型スピーカ12の伝達関数に基づいてイコライジングするため、多面体型スピーカ12の音声出力の等化をより正確に行うことができる。さらに、音声出力の位相特性に大きな誤差が生じることもない。
尚、上記のイコライザ装置50は一例であるから、アナログ回路の構成、デジタル回路の構成は無論のこと、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
10 音源
12 多面体型スピーカ
20a 入力端
20b 出力端
30 イコライザ部
50 イコライザ装置
100 電気音響変換装置
Vin 音声信号(入力)
Vout 音声信号(出力)

Claims (4)

  1. 音源からの音声信号が入力される入力端と、
    前記入力端に入力された音声信号を所定の伝達関数に基づいてイコライジングするイコライザ部と、
    前記イコライザ部でイコライジングした音声信号を多面体型スピーカに出力する出力端と、
    を有し、
    前記伝達関数が第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数と第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数との積を含み、
    前記第1の伝達関数は、遮断周波数が前記多面体型スピーカの最低共振周波数と略同等であり、遮断周波数でのQ値が前記多面体型スピーカの最低共振周波数でのQ値と略同等である2次のハイパスフィルタの伝達関数であり、
    前記第2の伝達関数は、遮断周波数が前記多面体型スピーカの仮想円周と同等の波長を有する音波の周波数と略同等である1次のローパスフィルタの伝達係数であることを特徴とするイコライザ装置。
  2. 前記多面体型スピーカの前記仮想円周は、前記多面体型スピーカの外側に接する球の円周と内側に接する球の円周、もしくは前記多面体型スピーカの体積と等しい体積を有する球の円周に基づいて取得することを特徴とする請求項1記載のイコライザ装置。
  3. 前記伝達関数が、前記第1の伝達関数の逆フィルタの伝達関数と前記第2の伝達関数の逆フィルタの伝達関数との積に、高次のハイパスフィルタの伝達関数と1次又は高次のローパスフィルタの伝達関数の双方もしくはいずれか一方を乗じたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のイコライザ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイコライザ装置と、
    前記イコライザ装置から出力される音声信号を再生する多面体型スピーカと、
    を備えることを特徴とする電気音響変換装置。
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