JP5332863B2 - ガス拡散電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスから電気化学反応によって直流電気を発生させる燃料電池に関し、特に燃料電池用のガス拡散電極の製造方法に関する。
近年、燃料ガス及び酸化剤ガスから電気化学反応によって発電する燃料電池が注目を集めている。燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスを供給する燃料極と、酸素などの酸化剤ガスを供給する酸化剤極と、燃料極と酸化剤極との間に充填される電解質層と、を備えて構成される。このような燃料電池の一例として、燃料極及び酸化剤極にガス拡散経路を備えたガス拡散電極を用いた燃料電池が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図4にリン酸型燃料電池の電極の積層構造を示す。リン酸型燃料電池は、単位セル41が複数積層された構造をとっている。各単位セル41は、2枚のセパレート板42によってそれぞれ遮蔽されている。2枚のセパレート板42の間には、リン酸溶液などの電解液を保持する電解質層43が配置される。この電解質層43の一方の面側には燃料極44が配置され、他方の面側には酸化剤極45が配置される。燃料極44及び酸化剤極45は、多孔質の電極基材と、この電極基材の電解質層43側の表面に形成される電極触媒層と、からなる。
燃料極44と一方のセパレート板42との間には、燃料極44に燃料ガスを供給するガス流路(溝)を設けた基材46が配置される。また、酸化剤極45と他方のセパレート板42との間には、酸化剤極45に酸化剤ガスを供給するガス流路(溝)を設けた基材47が配置される。燃料ガス及び酸化剤ガスは、燃料極44内及び酸化剤極45内のそれぞれの細孔を透過し、細孔内で拡散されて電解質層43側に供給される。
このようにして、燃料ガス及び酸化剤ガスは、燃料極44及び酸化剤極45を介してそれぞれの電極触媒層に供給される。電極触媒層では、燃料ガス及び酸化剤ガス(気相)、電解液(液相)、触媒(固相)の3相の電気化学反応が進行し、直流電流が発電される。また、各単位セル41の間には、発電に伴う単位セル41毎の発熱の熱交換のため、冷却水を流す冷却板48が一定の間隔で設けられている。
特開2007−273145号公報
ところで、燃料電池は発電性能を安定に保つため、一定して電気化学反応が進行することが望ましい。このため、燃料ガス及び酸化剤ガスを均一に供給する観点から、電極基材は、細孔が均一に形成されていることが必要とされる。また、燃料極及び酸化剤極の電極触媒層は、触媒粒子が均一に分散され、表面が平滑であることが必要とされる。仮に、電極面内で電極触媒層の厚さが不均一な場合、燃料電池の単セルを積層して燃料電池構造体とした際、電極間の接触圧(燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力)に差が生じる。電極触媒層の厚い部分では、接触圧の上昇により電極触媒層中の気孔や電極基材の気孔が閉塞し、ガスの拡散性を低下させ発電量が低下する。このため、電極触媒層は、面積あたりの質量や厚さ、気孔率などが均一に形成されていることが発電性能の安定のために必要となる。
一方、電極触媒層は、界面活性剤を含む水に超音波などを用いて触媒微粒子、フッ素樹脂粒子、凝集剤などを分散・混合・凝集(以下、分散・混合・凝集体を含めてスラリーという)させた後、電極基材の表面にスラリーを展開し、吸引濾過して電極基材上に形成されている。
しかしながら、従来のガス拡散電極の製造方法では、スラリーを電極基材の表面に展開する際、電極基材の細孔による毛細管力や重力の作用により、吸引濾過を開始する前にスラリー中の分散媒の一部が電極基材を透過する現象が発生する。このため、スラリーを電極基材の表面に展開した後、吸引濾過の開始までの間にスラリーの堆積量が電極面内で差が生じ、ガス拡散電極面内で電極触媒層の面積あたりの質量及び厚さに差が生じる問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、均一性の高い電極触媒層を有するガス拡散電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のガス拡散電極の製造方法は、触媒を含有するスラリーを一対の表面を有する電極基材の一方の表面上に展開してから、前記電極基材の他方の表面側から吸引濾過して触媒層を形成する濾過工程を具備するガス拡散電極の製造方法であって、前記濾過工程は、少なくとも前記スラリーの展開から吸引濾過までの間、前記電極基材の他方の表面に撥水膜層を設置することを特徴とする。
この方法によれば、濾過工程で電極基材の凝集物の展開面の反対面に撥水膜層を設置することにより、スラリー分散媒の電極基材の透過を抑制することができるので、電極触媒層を均一に形成することができる。このため、電気化学反応を一定して行うことができ、燃料電池の発電効率及び電池寿命を向上させることができる。
本発明は、前記電極基材の他方の表面に設置する撥水膜層は、前記分散媒に対する接触角が100度より大きいことを特徴とする。
この方法によれば、分散媒に対する撥水膜層の接触角を100度より大きくすることにより、分散媒の透過を制限することができるので、ガス拡散電極に電極触媒層の物性を均一にすることができる。
また、本発明は、上記ガス拡散電極の製造方法において、前記撥水膜層は、フッ素樹脂を含有することができる。この構成によれば、撥水性に優れるフッ素樹脂により、撥水膜層の撥水性を向上させることができる。
また、本発明は、上記ガス拡散電極の製造方法において、前記撥水膜層は、ポリテトラフルオロエチレンを含有することができる。この構成によれば、耐久性に優れるポリテトラフルオロエチレンにより、撥水膜層の耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、かかる点に鑑みてなされたものであり、均一性の高い電極触媒層が生成されるガス拡散電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態に係るガス拡散電極を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るガス拡散電極の製造工程を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係るガス拡散電極の製造装置を示す模式図である。 燃料電池の電極の積層構造を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の製造方法で作られるガス拡散電極を示す模式図である。同図に示すように、本実施の形態で作られるガス拡散電極は、一対の主面を有する電極基材11と、この電極基材11の一方の表面上に形成される電極触媒層12とを備えて構成される。電極触媒層12は、電解質層13と電極基材11との間の界面に形成されている。
電極基材11は、カーボンペーパーより複数の細孔を有する多孔質の基材として形成されている。また、電極基材11は、電極基材11の面が一様の厚みになるように形成されている。電極触媒層12は、触媒粒子14及び撥水剤としてのフッ素樹脂粒子15を含んで形成される。触媒粒子14は、白金微粒子16及びこの白金微粒子16を担持する触媒担体17により構成される。また、触媒粒子14は、フッ素樹脂粒子15により触媒粒子14同士が結着されている。電解質層13は、リン酸溶液などからなる電解液18とこの電解液18を含浸して電解質層13に保持するシリコンカーバイド微粒子19とを含んで形成されている。
発電する際には、電極基材11の他方の表面側(電極触媒層12と反対面側)から電解質層13側に向けて燃料ガス及び酸化剤ガスが供給される。この燃料ガス及び酸化剤ガスは、電極基材11の細孔を介して、電極基材11の細孔内で拡散されて電極触媒層12に供給される。電極触媒層12では、燃料ガス及び酸化剤ガス(気相)、電解液18(液相)及び触媒粒子14(固相)の3相の電気化学反応が進行する。このように、燃料電池は、互いに相が異なる電気化学反応によって発電する。このため、発電性能を向上させるためには、電極触媒層12での3相の接触面積を増やし、かつ電極触媒層12が均一に形成されていることが必要となる。
また、本実施の形態においては、電極触媒層12に触媒粒子14と共にフッ素樹脂粒子15を用いる。電極触媒層12は、電解液18と親和性の高い触媒粒子14の作用により、電解液18により浸潤した状態となっている。この電解液18に対して撥水性のあるフッ素樹脂粒子15を用いることにより、3相の界面を増やすことができる。これにより、燃料ガス及び酸化剤ガスと電解液18及び触媒粒子14との接触面積が増大し、発電効率を向上させることができる。なお、電極触媒層12に用いる触媒粒子14及びフッ素樹脂粒子15は、3相の接触界面を増やす観点から、微粒子を用いることが望ましい。
さらに、燃料電池では、電気化学反応により燃料ガス及び酸化剤ガスが消費される。このため、燃料極及び酸化剤極の電極面内で反応が円滑に進行する部位と、反応が進行しにくい部位とが混在した場合、燃料ガス及び酸化剤ガスの消費にバラつきが生じる。この場合、反応が円滑に進行する部位では、燃料ガス及び酸化剤ガスが円滑に消費され、反応が進行しにくい部分では、燃料ガス及び酸化剤ガスが相対的に消費されにくい状態となる。このように、電極面内で反応にバラつきが生じると、例えば、電気化学反応で生成する水などの影響により、ガス拡散電極付近の電解液18の組成がバラついて発電効率が低下する。
このような観点から、燃料極及び酸化剤極は、電極面内の全面に亘って均一に電気化学反応が進行するように形成されることが望ましい。このため、本実施の形態においては、触媒微粒子14を均一かつ微細に形成することに加え、電極触媒層12を電極面内で均一に形成することにより、発電効率を改善する。
次に、図2及び図3を参照して、ガス拡散電極製造工程の概略について説明する。尚、図2は、本実施の形態に係るガス拡散電極製造工程を示すフロー図であり、図3は、本実施の形態に係るガス拡散電極製造装置を示す模式図である。
図2に示すように、本実施の形態に係るガス拡散電極の製造工程は、純水にアニオン系界面活性剤を添加した分散媒に、触媒及びフッ素樹脂を分散・凝集させるスラリー化工程と、分散したスラリーを電極基材11に展開し、触媒粒子14及びフッ素樹脂粒子15を吸引濾過する濾過工程と、濾過後の電極を乾燥、焼成する工程などからなる。
本実施の形態においては、図3に示すガス拡散電極製造装置を用いて触媒粒子14及びフッ素樹脂粒子15を凝集・沈降させたスラリーを吸引濾過する。このガス拡散電極製造装置は、スラリーを流し込む枠体31と、枠体31内のスラリーを吸引濾過する吸引チャンバー32と、吸引チャンバー32内を減圧する吸引機33とを備える。吸引機33は、例えば、アスピレータ、真空ポンプなど、通常の減圧装置を用いることができる。吸引チャンバー32は、電極基材11の電極面に対して均一な吸引圧で吸引濾過できるように、吸引チャンバー32の一箇所または、複数箇所から減圧できるように構成されることが好ましい。
スラリーを濾過する際には、まず、吸引チャンバー32上に分散媒の透過を抑制する撥水膜層34を配置し、この撥水膜層34の上面に電極基材11となるカーボンペーパー35を配置する。次いで、カーボンペーパー35上に枠体31を配置して、スラリーを枠体13内に展開する。このように、電極基材11の下面に撥水膜層34を配置することにより、スラリーの分散媒の吸引チャンバー32内への透過を抑制し、分散媒が電極基材11の細孔内に浸潤した状態に制限することができる。このため、スラリー展開時のスラリーの濃度分布を均一にすることができ、スラリーを面内均一に展開することができる。次に、撥水膜層34を配置したまま、吸引機33により吸引チャンバー内32を減圧し、吸引濾過する。
本実施の形態において、撥水膜層34は、接触角100度以上の撥水膜を用いる。接触角が100度以上であれば、分散媒の吸引チャンバー32内への透過を抑制することができる。より好ましくは、接触角が120度〜170度であり、さらに好ましくは、接触角が150度〜170度である。なお、撥水膜層34の接触角度は、スラリーに用いる分散媒及び調製するスラリーの質量に応じて適時変更することにより、種々の分散媒の透過を抑制することができる。
なお、本実施の形態において、接触角とは、撥水膜層34の表面に水滴が付着した場合において、その水滴の撥水膜層34との接触面と撥水膜層34の面とがなす角度をいう。この場合、撥水膜層34の撥水性が高いときに接触角は大きくなり、撥水膜層34の撥水性が低いときに、接触角は小さくなる。すなわち、接触角が180度であれば、水滴は撥水膜層34上で水玉となり、接触角が0度であれば、水滴は撥水膜層34上に延在する態様となる。
接触角測定のための接触角測定器は、Moritex社製Scopeman MS−803を使用した。接触角測定方法は、接触角測定器ステージ上に撥水膜層34を設置し、接触角測定器の液滴滴下部から2μl液滴を滴下させ、液滴滴下場所をScopeman MS−803にて拡大し写真を撮影し、PC(パーソナルコンピュータ)にて写真を表示し画像処理ソフトなどにて液滴と撥水膜層34との接触角を測定する。本実施の形態においては、液滴材は純水を用いた。
また、本実施の形態においては、撥水膜層34の表層部に通常10μm以上の撥水層を形成することで分散媒の透過を抑制することが出来る。望ましくは撥水層を20μm以上とすることで、撥水性・撥水持続時間を向上することが出来る。
また、撥水膜層34の表層部に形成する撥水層は、各種フッ素樹脂粒子を溶媒に分散した撥水層形成用ペーストを用いて形成することができる。撥水層形成用ペーストは、例えば、フッ素樹脂粒子を水や有機溶媒など任意の溶媒に分散し、次いで、撥水性を有するフッ素樹脂粒子を溶媒中に分散させて調製する。尚、必要に応じて電気伝導性物質粒子としてのカーボン粒子を添加してもよい。また、フッ素樹脂粒子の代わりにポリプロピレン、ポリエチレンなどを用いてもよい。撥水膜層34は、撥水層形成用ペーストにカーボンペーパーを含浸し、室温で乾燥後、フッ素樹脂粒子の融点付近で熱処理することにより、形成することができる。
フッ素樹脂としては、特に限定されないが、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリヘキサフルオロプロピレン、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などのフッ素系の高分子材料を用いることができる。より好ましくは、撥水性の観点から、PTFE、PFA、FEPのフッ素系の高分子材料である。さらに好ましくは、耐久性の観点から、PTFEである。
なお、撥水層形成用ペーストのフッ素樹脂粒子の濃度については、特に制限されないが、通常9重量%〜65重量%の範囲で用いることができる。また、溶媒に関しては、水や各種有機溶媒を用いることができる。本実施の形態においては、これらの中でも、取り扱いの容易な水を用いた。
また、吸引濾過は、電極の表面を平滑にするため、スラリーを数回に分けて展開し、分割して濾過することが望ましい。吸引濾過時の圧力は特に制限されず、通常200mmAq(1.96kPa)〜2000mmAq(19.6kPa)の減圧度で行うことができる。
本実施の形態においては、撥水層膜34を電極基材11の下に配置した状態で吸引濾過を行うことができる。この場合、スラリー展開後、吸引チャンバー32内を所定の圧力以上に減圧することで、分散媒が撥水膜層34を透過する。この際に、上記撥水膜層34の接触角度にすることにより、常圧の際には、分散媒がカーボンペーパーを透過せず、スラリーを均一に展開することができる。また、上記吸引チャンバー32内の減圧度の範囲で吸引濾過することにより、撥水膜層34を配置した状態で、撥水膜層34を破損することなく吸引濾過を行うことができる。
このように、本実施の形態においては、濾過工程で電極基材11の下面に分散媒の透過を抑制する撥水層膜34を設置した状態でスラリーを展開することにより、分散媒の電極基材11の透過を抑制することができるので、電極基材11への分散媒の浸潤した状態に制限することができる。このため、電極基材11上にスラリーを均一な濃度と均一な液厚さに展開することができる。そして、スラリーを均一な濃度と均一な液厚した状態で吸引濾過することにより、ガス拡散電極の電極面内での電極触媒層12の物性を均一に形成することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
まず、純水にアニオン系の界面活性剤を添加した分散媒に、カーボン粒子に白金微粒子を担持した白金担持触媒を混合した。アニオン系の界面活性剤としては、スルホン酸系、ポリカルボン酸系、リン酸系、アミノ酸系等があるが、中でもアミノ酸系およびポリカルボン酸系が好適である。また、アニオン系界面活性剤は、通常、純水に対して、0.5重量%〜1.0重量%添加する。また、白金担持触媒は、通常分散媒に対して0.1重量%〜1重量%の濃度で添加する。
次に、超音波発振器を用いて超音波を印加して攪拌・ホモジナイザー分散を行った。このときの白金担持触媒の平均粒子径は、1μm以下であった。次いで、この分散液にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の分散液(米国Du Pont社製30−J等)を添加した。PTFEの添加量は触媒重量に対して40重量%〜100重量%相当が望ましい。次に、超音波を印可して攪拌・ホモジナイザー分散して、触媒とPTFEをさらに分散してスラリーとした。このように、界面活性剤を含む水に超音波などを用いて触媒粒子14を分散させ、界面活性剤を使用したフッ素樹脂粒子15のディスパージョンを加えて触媒粒子14とフッ素樹脂粒子15の均一な混合状態を得る。
次に、得られたスラリーに強酸を滴下し、pHを3以下にして凝集した。このとき用いる酸としてはリン酸、硫酸、硝酸、塩酸等があるが、リン酸および硝酸が好適である。アニオン系の界面活性剤は、低pH領域で界面活性剤としての能力を急速に失い、低pH領域では触媒およびPTFEの電荷が小さくなる。このため触媒粒子14及びフッ素樹脂粒子15がそれぞれに分離することなく、凝集・沈降する。
次に、濾過工程で用いる撥水膜層34を形成した。撥水膜層34は、以下のように形成した。まず、質量比にて水:テフロン(登録商標)溶液(テフロン31JR:商品名、三井デュポンフロロケミカル社製)=1:1〜1:10の比率で混合した溶液に、厚さ200μmのカーボンペーパーを5分間含浸した。次に、室温にて30分間乾燥後、370℃にて1時間熱処理して形成した。得られた撥水膜層34は、スラリーの分散媒に対して接触角100度以上であった。なお、接触角は、接触角測定機(Moritex社製Scopeman、MS−803)を用い、マイクロスコープ5倍〜20倍の条件で測定した。
次に、図3に示す装置を用い、得られた撥水膜層34をカーボンペーパー35の下面に設置し、スラリーを展開した。次いで、カーボンペーパー35表面上に投入されたスラリーがカーボンペーパー35全面に行き渡り、かつ液面が安定した後、撥水膜層34を配置したまま吸引機33で吸引濾過した。次に、純水を枠体31内に注いで濾過後に得られた触媒層を吸引濾過して洗浄し、酸を除去した。次いで、電極を乾燥させて水分を除去した。
次に、電極を240℃〜280℃程度の窒素雰囲気下で焼成して界面活性剤を除去し、次いで、電極面内320℃〜350℃の温度で焼成した。このように、電極を焼成することにより、電極触媒層としての形態が安定となり、フッ素樹脂の融点付近での温度で熱処理を施されることにより、フッ素樹脂による撥水性が有効に再現される。以上のようにしてガス拡散電極を製造した。
上記実施例で得られたガス拡散電極は、面内50点での厚さ測定、及び25か所に分割した際の各面内での触媒質量のバラつきはいずれも3%以内にすることができた。
(比較例)
吸引濾過工程のスラリー展開時に撥水膜層34を用いなかったこと以外は、実施例と同様の手順でガス拡散電極を製造した。このガス拡散電極の面内50点での厚さは260μm〜360μm(電極の種類により膜厚が異なる)であり、面内の膜厚バラつきは約13%であり、25か所に分割した際の各面内での触媒質量は、60g〜120gであり、触媒質量の面内の質量のバラつきは、約15%であった。
以上説明したように、本実施の形態においては、ガス拡散電極製造時の吸引濾過工程で電極基材11の表面に触媒粒子14及びフッ素樹脂粒子15のスラリーを展開する際、電極基材11の下面に撥水性膜層34を配置する。このため、スラリー中の分散媒の吸引チャンバー32内への透過を抑制することができ、分散媒が電極基材11に浸潤した状態に制限することができるので、スラリーを均一な濃度と均一な液厚さに展開することができる。このため、ガス拡散電極の電極面内での電極触媒層12の物性を均一に形成することができる。
従来技術で触媒粒子14とフッ素樹脂粒子15のスラリーを電極基材11の表面に展開し、吸引濾過により電極触媒層12を製造する場合、電極基材11の表面にスラリーを展開する以前にスラリー中の分散媒の一部が電極基材裏側へ透過する。このため、凝集物の堆積量が増え、ガス拡散電極面内で電極触媒層12の面積あたりの質量に分布を生じてしまう。一方、本実施の形態によれば、吸引濾過時に電極基材11表面に展開されたスラリーは、分散媒が電極基材11を透過しないので、均一な濃度と均一な液高さを維持することができる。これにより、電極面内での電極触媒層12を均一に形成することができ、従来技術より燃料電池の発電特性向上及び電池寿命性能の向上を実現することができる。また、本実施の形態においては、撥水膜層34を用いる以外は、装置の改良を行う必要がないので、簡便に実施することができる。さらに、撥水膜層34を電極基材11の下面に設置することにより、電極基材11の下面で確実に分散媒の透過を抑制できるので、例えば、スラリーの粒径などの制御により分散媒の透過を制限する場合より、容易に実施することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず種々変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態で説明した数値、寸法、材質については特に制限はない。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
本発明は、例えば、燃料電池発電装置に適用可能である。
11 電極基材
12 電極触媒層
13 電解質層
14 触媒粒子
15 フッ素樹脂粒子
16 白金微粒子
17 触媒担体
18 電解液
19 シリコンカーバイド微粒子
31 枠体
32 吸引チャンバー
33 吸引機
34 撥水膜層
35 カーボンペーパー
41 単位セル
42 セパレート板
43 電解質層
44 燃料極
45 酸化剤極
46、47 基材
48 冷却板

Claims (4)

  1. 触媒を含有するスラリーを一対の表面を有する電極基材の一方の表面上に展開してから、前記電極基材の他方の表面側から吸引濾過して触媒層を形成する濾過工程を具備するガス拡散電極の製造方法であって、
    前記濾過工程は、少なくとも前記スラリーの展開から吸引濾過までの間、前記電極基材の他方の表面に撥水膜層を設置することを特徴とするガス拡散電極の製造方法。
  2. 前記電極基材の他方の表面に設置する撥水膜層は、前記分散媒に対する接触角が100度より大きいことを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極の製造方法。
  3. 前記撥水膜層は、フッ素樹脂を含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のガス拡散電極の製造方法。
  4. 前記撥水膜層は、ポリテトラフルオロエチレンを含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のガス拡散電極の製造方法。
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