JP5332682B2 - 外管付きランプ - Google Patents
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Description
また、ピンチシール部66には、発光管62に給電する内部リード67と、内管63から導出されて口金端子68に接続される外部リード69の間に介装されて、これらに溶接されたモリブデン箔70が気密封止されて成る。
次いで、支柱72の外周面71に耐熱性接着剤Aを十分に盛り付けた後、図9(b)に示すように、外管64をその開口端64aで接着剤Aの周面を削ぎ落とすようにしながら外装していき、図10に示すように、外管64の開口端64aを支柱72の外周面71に形成されたフランジ74に当接させて外管を固定している。
この耐熱性接着剤Aは一般に熱伝導率が低いため、発光管62を発光させたときに発光管62からピンチシール部66に伝わった熱が放熱され難く、その熱によりピンチシール部66が加熱されるので、モリブデン箔70が高温に晒されて酸化されやすくなり、その結果、モリブデン箔70における断線が促進され、ランプ寿命を短くするという問題があった。
この外管付きランプは、外管64の開口端64a近傍に、接着剤を見えないように隠す不透明膜を形成している。
したがって、不透明膜は、耐熱性材料を用いて温度変化に晒されても外管表面から剥れない程度の接着強度(高投錨性)で形成しなければならず、例えば、アルミナ−シリカ系の耐熱塗料に外管を浸漬してその内周面又は外周面に塗布し、これを高温で焼き付けなければならない。すなわち、耐熱塗料を塗布する工程だけでなく、さらに、焼付工程が必要となる。
そして、ランプや外管の製造ライン中に製膜用の焼成炉を新たに設置する場合は、設備費が嵩むだけでなく、既存の設備を移動させたりして設置スペースを確保しなければならないという面倒がある。既存の焼成炉を利用できる場合であっても、ラインの搬送路を見直すなどの作業が必要になる。
また、いずれの場合も、焼付工程が増設されることから省エネの社会的要請に反し、製造コストが嵩み、生産効率が低下するという問題があった。
このとき、内管の先端側はサポートにより外管と同心的に配され、基端側のピンチシール部は接着剤により取付ベースに固定される。
内管を固定する接着剤は、取付ベースの底面側から挿通孔内に充填できるので、所定量の接着剤を注入することにより、挿通孔の底面開口部からモリブデン箔の外部リード溶接側端部と対向する位置に至るまでの間に接着剤が充填されて内管が取付ベースに固定されるので、使用量が少なくて足り、外部からは内管を固定する接着剤が見えないので、意匠的にも見栄えがよく、商品価値が高い。
内管はピンチシール部の基端部が接着剤で支持されるので、その接着剤の使用量を従来に比して極端に少なくすることができ、また、内管先端側がサポートにより外管の軸心に位置するように支持されるため接着剤の使用量が少なくなることに起因して内管が傾くというような不具合を生ずることもない。
すなわち、当該隙間が、発光時にピンチシール部に伝わる熱を逃がしてモリブデン箔の発熱を抑制するラジエターギャップとなる。
これにより、ランプに通電することにより内管を発光させたときに、その発光により生じた熱がピンチシール部に伝わってラジエターギャップで生ずる対流により放熱されるのでピンチシール部が空冷され、モリブデン箔16の温度上昇が抑制される。
その結果、モリブデン箔の酸化が抑制されることとなり、ひいては、モリブデン箔16での断線を防止することができ、ランプの長寿命化を図ることができる。
なお、取付ベースは、口金本体に対して接着剤で固定されると共に内管のリード線が口金本体の接続端子に電気接続されており、外管は取付ベースに対してジョイント部を介して取付ベースと相互に係合されているので、口金側を上に向けて取り付けても外管やこれを取り付けている取付ベースが口金本体から脱落することがない。
図1〜図3に示す外管付きランプ1は、ガラス製の気密管11にセラミックメタルハライドランプなどの発光管12を収納する内管10と、その内管10を収納する外管20が、口金30に同心状に取り付けられている。
外管20は、ガラス管で形成され、基端側が開口されて開口端21が形成されると共に、他端側が半球面状に閉塞され、発光管12の発光部に対応する部分が膨出して大径部22に形成されている。
取付ベース33は、図4及び図5に示すように、外管20の開口端21に挿通される支柱33aの外周面33bに、その開口端21に当接される環状フランジ33cが形成されると共に、内管10のピンチシール部13を挿通保持する挿通孔34が貫通形成されている。
挿通孔34は、ピンチシール部13の断面形状に対応して、左右のフランジ13aを挿し入れる比較的幅広の一対のフランジ挿通部34aの間に、平板部13bを挿し入れる幅狭なスリット部34bが互いに連通して形成されている。
また、ピンチシール部13が取付ベース33の挿通孔34に挿入された状態で、底面開口部34cからモリブデン箔16の外部リード溶接側端部16aと対向する位置に至るまでの間に、内壁面34dとピンチシール部との間隔を底面開口部34cにおける間隔より狭くする狭小部により底面開口部34cから注入された接着剤Aをせき止める堰34eが形成されている。
実施例では、挿通孔34の内壁面34dに形成された凹部34fが底面開口部34cまで延設され、その段差が堰34eとして形成されると共に、底面開口部34cに内管用接着剤注入口35が形成されている。
そして、挿通孔34にピンチシール部13が挿入された内管10に対し、取付ベース33の底面側に開口された接着剤注入口34gから接着剤Aが注入されて凹部34fに充填され、これにより、底面開口部34cからモリブデン箔16の外部リード溶接側端部16aと対向する位置に至るまでの間に形成されている凹部34fに接着剤Aが充填されて、内管10が取付ベース33に固定されている。
このとき、ピンチシール部13のモリブデン箔16が封止された部分と、これに対向する挿通孔34の内壁面34dとの間には、接着剤Aが充填されていないので、その隙間が、発光管12を発光させたときに当該発光管12からピンチシール部13に伝わる熱を逃がしてモリブデン箔16の温度上昇を抑制するラジエターギャップ18となる。
ジョイント部40は、外管20及び取付ベース33の周方向に沿ってその径方向に対向する2箇所に設けられており、取付ベース33の外周面33bと対峙する外管20の内周面23との間に形成されるギャップ41に面して、取付ベース33の外周面33b及び外管20の内周面23に夫々形成された凹部又は凸部と、前記ギャップ41に充填した耐熱性接着剤Aによってインモールド成形されたジョイント42からなる。
本例では、取付ベース33の外周面33bに軸方向に伸びる係合凹部43が形成されると共に、後述する外管20の開口端21に前記係合凹部43に対応して形成された係合突起(凸部)44が形成されており、その間にジョイント42がインモールド成形される。
係合凹部43は、取付ベース33の底面側が深く、上面側が浅く形成され、深い部分がジョイント42を形成する接着剤溜まり45として機能し、浅い部分が底面側から接着剤溜まり45に注入した接着剤を上面側に溢れ出さないように狭小部を形成する堰46として機能する。
そして、取付ベース33の係合凹部43は環状フランジ33cを切り欠いて底面37まで延長され、外管20の開口端21をフランジ36に当接させた状態でジョイント部40に接着剤Aを流し込むことができるように、取付ベース33の底面36側に外管用接着剤注入口37が開口形成されている。
すなわち、接着剤Aにより、ピンチシール部13のモリブデン箔16が覆われたり、挿通孔34が塞がれたりすることがなく、これにより、モリブデン箔16とこれに対向する挿通孔内壁面31dとの間に形成されたラジエターギャップ18が外管20内に開口され、外管20内の空気によりラジエターギャップ18内に対流を生じ、ピンチシール部13が空冷される。
したがって、ランプ1に通電することにより発光管12を発光させたときに、発光管12からピンチシール部13に伝わる熱がラジエターギャップ18で生ずる対流によりピンチシール部13から放熱されるので、ピンチシール部13が空冷され、その結果、モリブデン箔16の温度上昇が抑制される。
これにより、モリブデン箔の酸化が抑制され、モリブデン箔16での断線を防止することができ、ランプの長寿命化を図ることができる。
このとき、凹部43に流し込まれた接着剤Aが外管20の係合突起44を越えて外管20の直管部24内に流入する。
これにより、その接着剤Aで形成されたジョイント42の厚さを含んだ取付ベース33の外径は開口端21に形成された係合突起44先端間の内径より大きくなるので、口金30側を上向にしてランプ1を吊り下げた状態でジョイント42の接着力が失われても、外管20の開口端21が引っ掛かる形状にジョイント42が形成される。
したがって、口金30側を上向にしてランプ1を吊り下げた状態でジョイント42の接着力が失われても、そのジョイント42が堰46に引っ掛かる形状に形成される。
このとき同時に、各リード線13が口金端子31内に案内されていき、外部から半田付けなど任意の方法でリード線13と口金端子31を電気接続し、リード線13が口金端子31の先端から外部に延びていればその部分を切断して、組立を完了する。
これにより、モリブデン箔の酸化が抑制され、モリブデン箔16での断線を防止することができ、ランプの長寿命化を図ることができる。
10 内管
13 ピンチシール部
14 内部リード
15 外部リード
16 モリブデン箔
16a 外部リード溶接側端部
17 サポート
18 ラジエターギャップ
20 外管
30 口金
32 口金本体
33 取付ベース
34 挿通孔
34c 底面開口部
34d 内壁面
34e 堰
A 耐熱性接着剤
Claims (4)
- 内管を収容する外管と、これらを基端側で同心状に取り付ける口金とを備え、前記内管は、口金に取り付けられる基端側が熱間圧着されてピンチシール部に形成されると共に、当該ピンチシール部には、内部リードと外部リードとの間に介装されてこれらに溶接されたモリブデン箔が気密封止されて成る外管付きランプにおいて、
前記口金は、ソケットに電気接続される口金端子を備えた口金本体と、内管及び外管を保持した状態で口金本体の内側に装着される取付ベースを備え、
当該取付ベースは、外管の開口端に挿通されて当該外管を外装する略円柱状の外周面が形成された支柱に、内管のピンチシール部を挿通保持する挿通孔が貫通形成され、
前記内管は、その先端部に当該内管を外管に対して同心状に支持する金属薄板製のサポートが取り付けられると共に、ピンチシール部が取付ベースの挿通孔に挿入され、
当該挿通孔には、底面開口部から前記ピンチシール部に気密封止されたモリブデン箔が覆われないように接着剤が充填されて内管が取付ベースに固定されると共に、
ピンチシール部のモリブデン箔が封止された部分とこれに対向する挿通孔内壁面との間に、発光時にピンチシール部に伝わる熱を逃がしてモリブデン箔の温度上昇を抑制するラジエターギャップが形成されたことを特徴とする外管付きランプ。 - 前記挿通孔の内壁面には、底面開口部からモリブデン箔の外部リード溶接側端部と対向する位置に至るまでの間に、当該内壁面とピンチシール部との間隔を底面開口部における間隔より狭くする狭小部により底面開口部から注入された接着剤をせき止める堰を形成した請求項1記載の外管付きランプ。
- 前記取付ベースの外周面には、外管基端側の開口端を当接させるフランジが形成されると共に、取付ベースの外周面と外管の内周面を相互に係合するジョイント部が形成され、
口金本体に対向する取付ベースの底面側には、外管を装着した状態で前記ジョイント部に接着剤を充填する接着剤注入口が開口形成されて成る請求項1記載の外管付きランプ。
- 前記ジョイント部は、取付ベースの外周面とこれに対峙する前記外管の内周面との間にギャップが形成され、取付ベースの外周面及び前記外管の内周面に、夫々前記ギャップに面する凹部及び凸部、あるいは、凸部及び凹部が形成され、
前記ギャップに接着剤を充填することにより、取付ベース及び外管に係合されるジョイントがインモールド成形された請求項3記載の外管付きランプ。
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