ところで、近年の電子機器の高性能化により、外来電波を確実に遮蔽することができる電波の遮蔽性に優れた電子機器用試験袋の必要性が高まっている。
しかしながら、前記の特許文献1の電磁遮蔽袋は、単に電子機器を収容するものであって、電波の遮蔽性は高いものの、内部を視認することができず、前記したような電子機器用試験袋としては使用できない。
また、特許文献2の収容ケースは、携帯電話から発せられる電磁波が頭部に到達するのを防止するものであって、携帯電話の操作部および表示部が位置する部分を透明樹脂フィルムで覆っているので内部の携帯電話を視認することができるが、収容ケース内にシールド布が一層設けられてはいるが、電波の遮蔽性は低く、前記したような電子機器用試験袋としては使用できない。
さらに、特許文献3の電波試験箱は、透視性と柔軟性を備えてはいるものの電波を遮蔽する金属布は一層しか設けられていないので、近年の電子機器の高性能化によりさらなる電波の遮蔽性が要求されている。
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく、高い電波の遮蔽性を備えるとともに、内部の電子機器を良好に視認することができる電子機器用試験袋を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、携帯電話等の電子機器が内部に収容されるとともに、外部からの電波の遮蔽性を有する電子機器用試験袋であって、導電布からなる導電性袋を複数層重ねて構成された試験袋本体を備え、当該試験袋本体の複数層の前記導電布のうちの少なくとも一つに窓用開口部を形成し、この窓用開口部に導電性と光透過性とを有する窓部材を配置し、前記導電布と前記窓部材との間にこれらの電気的接触を保持するための導電手段を介在させたことを特徴とする電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、試験袋本体の視認窓以外の部分は、導電性袋が複数層重ねられているので、高い電波の遮蔽性を得られる。また、窓用開口部では、窓部材が、導電手段によって導電布と窓部材との電気的接触を保持しているので、高い電波の遮蔽性を得られる。さらに、窓部材は光透過性を有するので、内部の電子機器を良好に視認することができる。このように本発明によれば、電波の遮蔽性を高めるために単に金属布を複数層設けただけのものと比較して、光透過性が大幅に高くなり、内部の視認性を良好にすることができるとともに、高い電波の遮蔽性を得られる。
請求項2に係る発明は、携帯電話等の電子機器が内部に収容されるとともに、外部からの電波の遮蔽性を有する電子機器用試験袋であって、繊維を貼り付けたアルミニウム箔からなる導電性袋と、繊維布からなる繊維袋と、を重ねて構成された試験袋本体を備え、当該試験袋本体の前記導電性袋に窓用開口部を形成し、この窓用開口部に導電性と光透過性とを有する窓部材を配置し、前記導電性袋と前記窓部材との間にこれらの電気的接触を保持するための導電手段を介在させたことを特徴とする電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、試験袋本体の視認窓以外の部分は、繊維を貼り付けたアルミニウム箔からなる導電性袋にて覆われているので、高い電波の遮蔽性を得られる。また、窓用開口部では、窓部材が、導電手段によって導電性袋と窓部材との電気的接触を保持しているので、高い電波の遮蔽性を得られる。さらに、窓部材は光透過性を有するので、内部の電子機器を良好に視認することができる。このように本発明によれば、電波の遮蔽性を高めるために単に金属布を複数層設けただけのものと比較して、光透過性が大幅に高くなり、内部の視認性を良好にすることができる。
請求項3に係る発明は、携帯電話等の電子機器が内部に収容されるとともに、外部からの電波の遮蔽性を有する電子機器用試験袋であって、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シートからなる導電性袋と、繊維布からなる繊維袋と、を重ねて構成された試験袋本体を備え、当該試験袋本体の前記導電性袋に窓用開口部を形成し、この窓用開口部に導電性と光透過性とを有する窓部材を配置し、前記導電性袋と前記窓部材との間にこれらの電気的接触を保持するための導電手段を介在させたことを特徴とする電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、試験袋本体の視認窓以外の部分は、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シートからなる導電性袋にて覆われているので、高い電波の遮蔽性を得られる。また、窓用開口部では、窓部材が、導電手段によって導電性袋と窓部材との電気的接触を保持しているので、高い電波の遮蔽性を得られる。さらに、窓部材は光透過性を有するので、内部の電子機器を良好に視認することができる。このように本発明によれば、電波の遮蔽性を高めるために単に金属布を複数層設けただけのものと比較して、光透過性が大幅に高くなり、内部の視認性を良好にすることができる。
請求項4に係る発明は、携帯電話等の電子機器が内部に収容されるとともに、外部からの電波の遮蔽性を有する電子機器用試験袋であって、導電布からなる導電性袋を複数層重ねて構成された試験袋本体を備え、当該試験袋本体の複数層の前記導電布のうちの一つに窓用開口部を形成し、この窓用開口部に導電性と光透過性とを有する窓部材を配置し、前記導電布と前記窓部材との間にこれらの電気的接触を保持するための導電手段を介在させて、一層の前記導電布と前記窓部材とを重ねてなる視認窓を形成したことを特徴とする電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、試験袋本体の視認窓以外の部分は、導電性袋が複数層重ねられているので、高い電波の遮蔽性を得られる。また、窓用開口部では、一層の導電布と窓部材を重ねて設けるとともに、導電手段によって導電布と窓部材との電気的接触を保持しているので、高い電波の遮蔽性を得られる。さらに、窓部材は光透過性を有し、視認窓は、一層の導電布と窓部材とを重ねて構成されているので、光透過性が高く、内部の電子機器を良好に視認することができる。このように本発明によれば、電波の遮蔽性を高めるために単に金属布を複数層設けただけのものと比較して、光透過性が大幅に高くなり、内部の視認性を良好にすることができる。
請求項5に係る発明は、携帯電話等の電子機器が内部に収容されるとともに、外部からの電波の遮蔽性を有する電子機器用試験袋であって、繊維を貼り付けたアルミニウム箔からなる第一導電性袋と、導電布からなる第二導電性袋と、を重ねて構成された試験袋本体を備え、当該試験袋本体の前記第一導電性袋に窓用開口部を形成し、この窓用開口部に導電性と光透過性とを有する窓部材を配置し、前記第一導電性袋と前記窓部材との間、および前記第二導電性袋と前記窓部材との間にこれらの電気的接触を保持するための導電手段を介在させて、前記第二導電性袋を構成する前記導電布と前記窓部材とを重ねてなる視認窓を形成したことを特徴とする電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、試験袋本体の視認窓以外の部分は、第一導電性袋と第二導電性袋とが重ねられているので、高い電波の遮蔽性を得られる。また、窓用開口部では、第二導電性袋を構成する導電布と窓部材を重ねて設けるとともに、導電手段によって第一導電性袋および第二導電性袋と窓部材との電気的接触を保持しているので、高い電波の遮蔽性を得られる。さらに、窓部材は光透過性を有し、視認窓は、一層の第二導電性袋と窓部材とを重ねて構成されているので、光透過性が高く、内部の電子機器を良好に視認することができる。このように本発明によれば、電波の遮蔽性を高めるために単に金属布を複数層設けただけのものと比較して、光透過性が大幅に高くなり、内部の視認性を良好にすることができる。
請求項6に係る発明は、携帯電話等の電子機器が内部に収容されるとともに、外部からの電波の遮蔽性を有する電子機器用試験袋であって、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シートからなる第一導電性袋と、導電布からなる第二導電性袋と、を重ねて構成された試験袋本体を備え、当該試験袋本体の前記第一導電性袋に窓用開口部を形成し、この窓用開口部に導電性と光透過性とを有する窓部材を配置し、前記第一導電性袋と前記窓部材との間、および前記第二導電性袋と前記窓部材との間にこれらの電気的接触を保持するための導電手段を介在させて、前記第二導電性袋を構成する前記導電布と前記窓部材とを重ねてなる視認窓を形成したことを特徴とする電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、試験袋本体の視認窓以外の部分は、第一導電性袋と第二導電性袋とが重ねられているので、高い電波の遮蔽性を得られる。また、窓用開口部では、第二導電性袋を構成する導電布と窓部材を重ねて設けるとともに、導電手段によって第一導電性袋および第二導電性袋と窓部材との電気的接触を保持しているので、高い電波の遮蔽性を得られる。さらに、窓部材は光透過性を有し、視認窓は、一層の第二導電性袋と窓部材とを重ねて構成されているので、光透過性が高く、内部の電子機器を良好に視認することができる。このように本発明によれば、電波の遮蔽性を高めるために単に金属布を複数層設けただけのものと比較して、光透過性が大幅に高くなり、内部の視認性を良好にすることができる。
請求項7に係る発明は、前記窓部材は、面積が異なる一対の透明樹脂板にて導電性物質からなる遮蔽部材を挟み込むことで構成され、前記遮蔽部材は、面積が小さい方の前記透明樹脂板よりも面積が大きく、その外周縁が面積の小さい方の前記透明樹脂板の外周縁よりも外側に位置するように配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、面積の小さい方の透明樹脂板が窓用開口部に挿通して突出するように窓部材を固定することで、窓部材の位置決めが容易に行われる。また、窓部材の遮蔽部材が面積の大きい方の透明樹脂板の表面に露出されるので、遮蔽部材が導電性袋に接触しやすく、導電布と遮蔽部材との電気的接触を保持しやすくなり、高い電波の遮蔽性を得ることができる。
請求項8に係る発明は、前記透明樹脂板が、硬質の平板状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、電子機器の表示部と窓部材とを平行に配置することができ、表示部を一様な状態で視認することができる。
請求項9に係る発明は、前記窓部材は、面積が異なる一対の透明樹脂板にて導電性物質からなる遮蔽部材を挟み込むことで構成され、前記遮蔽部材は、面積が小さい方の前記透明樹脂板よりも面積が大きく、その外周縁が面積の小さい方の前記透明樹脂板の外周縁よりも外側に位置するように配置され、前記導電手段は、銅テープからなり、一方の面が前記遮蔽部材に接触し他方の面が前記導電布に接触することを特徴とする請求項1,4,5,6のいずれか1項に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、銅テープを介して遮蔽部材と導電布とが電気的に確実に接触するので、視認窓の電波の遮蔽性を高めることができる。
請求項10に係る発明は、前記銅テープの少なくとも一面には、導電性接着剤が塗布されたことを特徴とする請求項9に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、銅テープと遮蔽部材または導電布とを確実に接着することができるので、視認窓の電波の遮蔽性を高めることができる。
請求項11に係る発明は、前記遮蔽部材が、金属製のメッシュ網からなることを特徴とする請求項7に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、窓部材が高い導電性を備えつつ高い光透過性を得ることができる。
請求項12に係る発明は、前記メッシュ網が、ステンレスにて構成されていることを特徴とする請求項11に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、窓部材が高い導電性を備えつつ、より一層高い光透過性を得ることができる。
請求項13に係る発明は、前記窓部材が、軟質のフィルム状に形成された導電性薄膜からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、高い電波の遮蔽性を備えるとともに、内部の電子機器を良好に視認することができる上に、電子機器用試験袋の取扱いが容易になるとともに、小さく畳むことができるので収納性が向上する。
請求項14に係る発明は、前記窓部材が軟質のフィルム状に形成された導電性薄膜からなり、前記導電手段が導電性糸からなり、前記窓部材と前記窓用開口部の縁部の前記導電布とを縫合することで前記導電布と前記窓部材との電気的接触を保持することを特徴とする請求項1に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、導電布と導電性物質との電気的接触の保持性を高めることができる。
請求項15に係る発明は、前記窓部材が軟質のフィルム状に形成された導電性薄膜からなり、前記導電手段が導電性糸からなり、前記窓部材と前記窓用開口部の縁部の前記導電布とを縫合することで前記導電布と前記窓部材との電気的接触を保持することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、導電布と導電性物質との電気的接触の保持性を高めることができる。
請求項16に係る発明は、前記試験袋本体の表面に、内部に収容される前記電子機器の操作ボタンの位置を表示する表示手段を貼り付けたことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、内部が見えない部分に位置する操作ボタンの位置が分るので、操作性が大幅に向上し、試験を短い時間で行なうことができる。
請求項17に係る発明は、前記表示手段が、前記電子機器の操作ボタンが図示された紙またはシリコーン樹脂にて構成されていることを特徴とする請求項16に記載の電子機器用試験袋である。
このような構成によれば、表示手段を押した際に、表示手段が変形するので、操作ボタンを確実に押さえることができる。
請求項18に係る発明は、前記表示手段が、前記試験袋本体の表面に着脱自在に貼り付けられていることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の電子機器用試験袋である。
内部に収容される電子機器に応じて、表示手段を交換できるので、種々の電子機器において操作性を向上することができる。
本発明によれば、高い電波の遮蔽性を備えるとともに、内部の電子機器を良好に視認することができるといった優れた効果を発揮する。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態に係る電子機器用試験袋1の構成を説明する。
図1、図2および図5に示すように、本実施形態に係る電子機器用試験袋1は、携帯電話等の電子機器2(図2および図5参照)が内部に収容されるとともに、外部からの電波の遮蔽性を有する試験袋であって、導電布11からなる導電性袋12を複数層重ねて構成された試験袋本体10を備え、この試験袋本体10の複数層の導電布11のうちの一つ(一部)に窓用開口部13を形成し、この窓用開口部13に導電性と光透過性とを有する窓部材30を配置し、導電布11と窓部材30との間にこれらの電気的接触を保持するための導電手段40を介在させて、一層の導電布11と窓部材30とを重ねてなる視認窓34を形成したことを特徴とする。
導電布11は、ポリエステルやアクリル等の有機繊維の表面に極めて薄い金属メッキを施して金属皮膜が形成された繊維にて構成されており、高い導電性とフレキシブル性を備えている。金属メッキは、銅、ニッケルあるいは銅とニッケルの合金を用いて形成されている。金属メッキは、例えば、無電解ニッケルメッキが採用されている。無電解ニッケルメッキは、有機繊維をメッキ液に含浸することで、メッキ液に含まれる還元剤の酸化によって放出される電子により被メッキ物(有機繊維)に金属ニッケル皮膜を析出させている。
導電性袋12は、導電布11を導電性糸(図示せず)で適宜縫合して、電子機器2を収容可能な寸法の袋状に形成されており、その一端には、電子機器2を出し入れするための挿入口14(図1参照)が形成されている。試験袋本体10の表面の挿入口14近傍と、その逆側表面には、面ファスナー17,17(図1参照)がそれぞれ設けられており、試験袋本体10の挿入口14側の端部を折り畳んだ状態で、各面ファスナー17,17同士が互いに貼り付くようになっている(図5参照)。
図2に示すように、本実施形態では、導電布11からなる導電性袋12,12が二層重ねられて試験袋本体10が形成されており、窓用開口部13以外の部分は導電布11が二重になった状態となっている。各導電性袋12,12は各部が導電性糸で適宜縫合されて一体的に形成されている。
窓用開口部13は、試験袋本体10に電子機器2である携帯電話を挿入して収容した際の表示部2a(画面)に相当する位置に形成されている(図5参照)。本実施形態では、図2に示すように、内側の導電性袋12を残して、外側の導電性袋12を開口して窓用開口部13が形成されている。この窓用開口部13の周辺の外側の導電性袋12と、内側の導電性袋12との隙間には、窓部材30の周縁部30aが窓用開口部13から挿入されて、周縁部30aの上側面が窓用開口部13の周辺の外側の導電性袋12に接触して係止されるようになっている。
図2乃至図4に示すように、本実施形態の窓部材30は、面積が異なる一対の透明樹脂板32a,32bにて導電性物質からなる遮蔽部材31を挟み込むことで構成されている。透明樹脂板32a,32bは、共に平面視長方形を呈しており、面積が大きい方の透明樹脂板32aは、その外周縁33aが、面積が小さい方の透明樹脂板32bの外周縁33bよりも外側に位置するように配置されている。透明樹脂板32a,32bは、ともに硬質の平板状に形成されており、遮蔽部材31を平面状に挟み込むようになっている。なお、窓部材30は、米国コメリクス社(販売:太陽金網株式会社)製のエミクレアを用いるのが好ましい。
透明樹脂板32a,32bは、透明ポリカーボネート、透明アクリルあるいは透明ポリエステル等の樹脂材量にて構成されている。特に、前記材料の中では、光透過率が高く、厚さを薄くできるとともに耐熱性に優れた透明ポリカーボネートを用いるのが好ましい。なお、透明樹脂板に代えて透明フロートガラスを用いてもよい。面積が小さい方の透明樹脂板32bは、その面積が窓用開口部13の開口面積よりも僅かに小さく形成されており、窓用開口部13から、透明樹脂板32bがその厚さ分外側に突出できるようになっている。
遮蔽部材31は、金属製のメッシュ網から構成されている。遮蔽部材31は、面積が小さい方の透明樹脂板32bよりも面積が大きく、その外周縁31aが透明樹脂板32bの外周縁33bよりも外側に位置するように配置されている。遮蔽部材31は、その外周縁31aが、面積が大きい方の透明樹脂板32aの外周縁33aと略同等の位置になるよう構成されている。メッシュ鋼は、ステンレス製の無着色線材をメッシュ状に組み合わせて形成されている。なお、メッシュ鋼は、黒色ステンレス、無着色銅や黒色銅を用いて形成したものであってもよい。
導電手段40は、銅テープからなり、窓部材30の周縁部30aに貼り付けられている。具体的には、銅テープは、面積が大きい方の透明樹脂板32aの外周縁33aの全周に亘って設けられており、外周縁33aの端面と、上面および下面の端部からの所定長さの一部を上下から挟み込んで覆うように貼り付けられている。銅テープは、透明樹脂板32aの上面において、遮蔽部材31(メッシュ網)の外周縁31aを、透明樹脂板32aと一体的に挟み込んでおり、一方の面が遮蔽部材31に接触するようになっている。
銅テープは、銅箔あるいはアルミ箔にて構成されており、一方の面(遮蔽部材31に接触する面)に、導電性接着剤41である高導電性感圧接着剤が塗布されている。この感圧接着剤は、導電粒子が均一に分散されており、銅テープを通じて極めて低い抵抗値を示す。銅テープは、導電性接着剤41が遮蔽部材31および透明樹脂板32a側となるように貼り付けられており、遮蔽部材31と導電性接着剤41を介して電気的接触を保持するようになっている。銅テープの他方の面は、内側の導電性袋12の外表面と、外側の導電性袋12の内表面とにそれぞれ挟まれて接触することとなり、導電性袋12,12との電気的接触を保持している。
これによって、導電布11と遮蔽部材31(メッシュ網)とが、導電手段40(銅テープ)を介して、電気的接触を保持されていることとなる。そして、窓部材30は、導電手段40(銅テープ)を介して、内側の導電性袋12の外表面と、外側の導電性袋12の内表面にそれぞれ挟まれて固定されている。なお、銅テープは、米国コメリクス社(販売:太陽金網株式会社)製のコ・フォイル(登録商標)を用いるのが好ましい。
また、銅テープの他方の面(導電性袋12,12と接触する面)にも、導電性接着剤を塗布するようにしてもよい。これによれば、銅テープが内側の導電性袋12の外側表面と、外側の導電性袋12の内側表面にそれぞれ接着されることとなるので、窓部材30が導電性袋12,12に確実に固定されるとともに、遮蔽部材31と導電布11との導電性を高めることができる。
以上のように、窓用開口部13に窓部材30を配置し、導電布11と窓部材30との間に導電手段40を介在させることで、一層の導電布11と窓部材30とを重ねてなる視認窓34が形成されることとなる。
図1および図5に示すように、試験袋本体10の外側の導電性袋12を構成する導電布11の表面には、内部に収容される電子機器2である携帯電話の操作ボタンの位置および配置を表示する表示手段50が貼り付けられている。表示手段50は、試験袋本体10に電子機器2を挿入して収容した際の操作ボタン部分2bに相当する位置に貼り付けられており、電子機器2の操作ボタン部分2bが同一のスケールで図示された紙またはシリコーン樹脂にて構成されている。表示手段50は、両面テープあるいは面ファスナー(図示せず)を用いて導電布11(試験袋本体10)の表面に着脱自在に貼り付けられており、収容される電子機器2に合わせて表示手段50を取替えられるように構成されている。
次に、前記構成の電子機器用試験袋1の作用を説明する。
以上のような構成の電子機器用試験袋1によれば、試験袋本体10の窓用開口部13(視認窓34)以外の部分は、導電性袋12が複数層(本実施形態では二層)重ねられているので、高い電波の遮蔽性を得ることができる。また、窓用開口部13においては、一層の導電性袋12と窓部材30とが重ねて視認窓34が設けられているので、導電性を有する導電布11と遮蔽部材31とが重なって配置されることになり、必要かつ十分な高い電波の遮蔽性を得ることができる。また、導電手段40によって導電性袋12の導電布11と、窓部材30の遮蔽部材31との電気的接触が保持されているので、窓用開口部13の周縁部でも導電性が確保され、試験袋本体10の全体において導電性が途切れる部分がない。したがって、電子機器用試験袋1全体で高い電波の遮蔽性を得られるので、電子機器2の正確な試験を行うことができる。
特に、本実施形態では、導電手段40が銅テープで構成されており、この銅テープは、導電性接着剤41を介して窓部材30の遮蔽部材31に接着されているので、遮蔽部材31との導電性が高い。また、銅テープは、透明樹脂板32aの端面から上面および下面を覆うように貼り付けられているので、遮蔽部材31であるメッシュ鋼を、透明樹脂板32aに確実に固定できるとともに、導電布11との接触面積を大きくすることができ、導電性を高められる。
また、窓部材30は、面積が異なる一対の透明樹脂板32a,32bにて遮蔽部材31を挟み込むことで構成され、遮蔽部材31は、面積が小さい方の透明樹脂板32bよりも面積が大きく、その外周縁が面積の小さい方の透明樹脂板32bの外周縁よりも外側に位置するように配置されているので、遮蔽部材31を確実に銅テープで挟み込むことができる。さらに、面積の小さい方の透明樹脂板32bが窓用開口部13に挿通して外側に突出するように、窓部材30を窓用開口部13の縁部に固定することで、窓部材30の平面方向の位置決めが容易に行われる。
窓部材30は光透過性を有し、視認窓34における導電布11(導電性袋12)は一層としているので、視認窓34は光透過性が高く、内部の電子機器2を良好に視認することができる。また、窓部材30の遮蔽部材31と、一層の導電布11とで、窓用開口部13部分に設けられる視認窓34の高い電波の遮蔽性を得ることができる。したがって、視認窓34では、高い電波の遮蔽性と、良好な視認性を併せ持つことができ、精度の高い電子機器2の試験を、良好な視界状態で容易に行うことができる。
特に、透明樹脂板32a,32bが、硬質の平板状に形成されているので、電子機器2の表示部2aと窓部材30とを平行に配置することができ、窓部材30が湾曲することがないので、表示部2aを平坦で一様な視界状態で視認することができる。
さらに、窓部材30の遮蔽部材31が、ステンレス製のメッシュ網から構成されているので、窓部材30は、高い導電性を備えつつ高い光透過性を得ることができる。
一方、導電布11の表面に、表示手段50を貼り付けているので、導電布11が二層配置され、内部が見えない部分に位置する電子機器2の操作ボタンの位置および配置が分るので、操作性が大幅に向上し、試験を短い時間で正確に行なうことができる。また、表示手段50が、紙またはシリコーン樹脂にて構成されているので、表示手段50を押した際に、表示手段50が変形することによって操作ボタンを確実に押さえることができ、操作性が高い。
さらに、表示手段50は、両面テープや面ファスナーによって、試験袋本体10の導電布11の表面に着脱自在に貼り付けられているので、内部に収容される電子機器2に応じて、表示手段50を交換できる。したがって、種々の電子機器2に対応して操作性を向上させることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
図6および図7に示すように、本実施形態に係る電子機器用試験袋3は、主に、視認窓36、すなわち窓部材35および試験袋本体15の窓用開口部16の構造が、第一の実施形態と異なっている。
窓部材35は、軟質のフィルム状に形成された導電性薄膜から構成されている。かかる導電性薄膜は、ポリエステルフィルムに超極薄膜をスパッタリングして多層膜とすることにより形成されている。導電性薄膜は、例えば、高透明ポリエステルフィルムの一方面に高透明熱反射層とアクリル系樹脂による保護層とが設けられ、他方面に粘着層が設けられた構造となっている。導電性薄膜は、窓用開口部16よりも大きい面積に形成されており、窓用開口部16は、導電性薄膜によって全体が覆われるようになっている。なお、導電性薄膜は、帝人株式会社製のレフテル(登録商標)を用いるのが好ましい。このレフテルの電磁波シールドは、主に反射によるため高周波数(〜80GHz)まで性能を維持することが測定によって確認されている。
窓用開口部16は、試験袋本体15に電子機器2である携帯電話を挿入して収容した際の表示部(図示せず)に相当する位置に形成されている。本実施形態では、外側の導電性袋12を残して内側の導電性袋12を開口して窓用開口部16が形成されている。この窓用開口部16は、携帯電話の表示部(画面)よりも大きく形成されており、画面全体を視認できるように構成されている。
窓部材35は、窓用開口部16から外側の導電性袋12と内側の導電性袋12との間に挿入され、外側の導電性袋12の内側に貼り付けられている。このとき、導電性薄膜は、その粘着層が外側の導電性袋12の内側に密着するように貼り付けられる。
導電性袋12に窓部材35を固定する導電手段45は、導電性糸から構成されており、窓部材35と、外側の導電性袋12、内側の導電性袋12の窓用開口部16の縁部の導電布11とを縫合することで、導電布11と窓部材35との電気的接触を保持する。
以上のように、窓用開口部16に窓部材35を配置し、導電布11と窓部材30との間に導電手段40を介在させる(導電性糸で窓部材35と窓用開口部16の縁部の導電布11とを縫合する)ことで、一層の導電布11と窓部材35とを重ねてなる視認窓36が形成されることとなる。
なお、その他の構成については、第一の実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
以上のような構成の電子機器用試験袋3によれば、第一の実施形態と同様の作用効果の上に、窓部材35が軟質のフィルム状に形成されているので、視認窓36が試験袋本体15に追従可能な柔軟性を有しており、電子機器用試験袋3の取扱いが容易になるとともに、小さく畳むことができるので収納性が向上する。
また、導電手段45が、導電性糸から構成されているので、窓部材35に追従可能な柔軟性を有しており、窓部材35の変形に追従して、窓部材35と導電布11とを固定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であり、例えば、以下のような変更が可能である。
前記した第一および第二の実施形態では、導電性袋12を二層設けて試験袋本体10(15)を形成しているが、二層に限られるものではなく、視認窓34(36)が形成される部分の導電布11(導電性袋12)を一層とすれば、他の部分は三層以上であってもよい。このようにすれば、視認窓34(36)以外の部分の電波の遮蔽性をさらに高めることができる。
また、前記した実施形態では、電子機器2の操作ボタン部分2bに相当する部分の導電布11に表示手段50を貼り付けて操作性を高めるようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、操作ボタン部分2bに相当する部分に開口部を形成して、第二の実施形態のような柔軟性を有する窓部材35を設けるようにしてもよい。このようにすれば、操作ボタン部分2bを視認しながら操作することができ、表示手段50と同様に操作性を高めることができる。
前記した第二の実施形態では、窓用開口部16が、内側の導電性袋12に形成され、窓部材35は、外側の導電性袋12の内側に貼り付けられているが、これに限られるものではない。窓部材を、外側の導電性袋12の外側に貼り付けてもよい。また、窓用開口部を、外側の導電性袋12に形成し、窓部材35を、内側の導電性袋12の外側に貼り付けるようにしてもよい。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
第三の実施形態に係る電子機器用試験袋4は、第一の実施形態の電子機器用試験袋1の変形例である。第一の実施形態の電子機器用試験袋1では、内外に二層重ねられた導電性袋12,12のうち、外側の導電性袋12のみに窓用開口部13が形成されているのに対して、第三の実施形態の電子機器用試験袋4では、図8に示すように、内外の導電性袋12,12の両方に窓用開口部13,13’がそれぞれ形成されている点で異なる。
電子機器用試験袋4の内側の導電性袋12に形成された窓用開口部13’は、外側の導電性袋12に形成された窓用開口部13と同等の形状を呈している。すなわち、窓用開口部13’は、試験袋本体10に電子機器2である携帯電話を挿入して収容した際の表示部2a(図5参照)に相当する位置に形成されている。本実施形態では、外側の導電性袋12の窓用開口部13の周辺部分と、内側の導電性袋12の窓用開口部13’の周辺部分との隙間に、窓部材30の周縁部30aが窓用開口部13から挿入される。これによって、窓部材30の周縁部30aの上側面が外側の導電性袋12の窓用開口部13の周辺部分に対向するとともに、窓部材30の周縁部30aの下側面が内側の導電性袋12の窓用開口部13’の周辺部分に対向するようになっている。
なお、その他の構成については、第一の実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
このような構成によれば、第一の実施形態と同様の作用効果の他に、視認窓34における内部の視認性をさらに良好にすることができる。なお、窓部材30の遮蔽部材31を構成する金属製のメッシュ網を細いものにして、配置ピッチを小さくすれば、電波の遮蔽性を高めることができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
第四の実施形態に係る電子機器用試験袋5は、第一の実施形態の電子機器用試験袋1の変形例である。第一の実施形態の電子機器用試験袋1では、内外に二層重ねられた袋体が、両方とも導電性袋11で構成された導電性袋12,12であるのに対して、第四の実施形態の電子機器用試験袋5では、図9に示すように、外側の袋体は、繊維20aを貼り付けたアルミニウム箔20bからなる導電性袋20であって、内側の袋体は、繊維布21からなる繊維袋22である点で異なる。
外側に位置する導電性袋20は、アルミニウム箔20bの一面に繊維20aを貼り付けてなる布状部材で形成されている。繊維20aは、接着剤によってアルミニウム箔20bに貼り付けられている。また、導電性袋20は、内側がアルミニウム箔20bとなり、外側が繊維20aとなるように形成されている。なお、アルミニウム箔20bの一面に繊維20aを貼り付けてなる布状部材としては、光洋産業株式会社製のSSシート(不燃)を用いてもよい。その他の構成については、第一の実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
このような構成によれば、窓部材30の遮蔽部材31とアルミニウム箔20bとが導電手段40を介して電気的に接続されているので、導電手段40によって、導電性袋20と窓部材30との電気的接触が保持されている。したがって、窓用開口部13の周縁部でも導電性が確保され、試験袋本体10の全体において導電性が途切れる部分がない。したがって、本実施形態においても、第一の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、導電性袋20が、アルミニウム箔20bを備えて構成されているので、電波の遮蔽性がさらに高められている。
なお、本実施形態では、外側の導電性袋20のみに窓用開口部13が形成されているが、これに限定されるものではなく、内側の繊維袋22にも窓用開口部(図示せず)を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、外側の袋体である導電性袋20は、繊維20aを貼り付けたアルミニウム箔20bから構成されているが、これに代えて、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シート(図示せず)にて構成するようにしてもよい。ステンレス繊維シートは、ステンレス繊維を湿式抄紙法によりシート化して、焼結することで形成されており、例えば、株式会社巴川製紙所製のステンレス鋼繊維シート(特開平11−220282号公報参照)を用いるのが好ましい。これによって100%ステンレス繊維で形成され、軽量であって柔軟性、耐熱性、耐食性および導電性を備えたステンレス繊維シートが形成される。このような構成によっても、第四の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、ステンレス繊維シートの製造方法は、一例であって、ステンレス繊維の寸法や密度は適宜変更可能であって、ステンレス繊維の表面に異種の金属を被覆することも可能である。
さらに、本実施形態では、外側の袋体を導電性袋20とし、内側の袋体を繊維袋22としているが、これに限定されるものではなく、両方の袋体を繊維を貼り付けたアルミニウム箔からなる導電性袋としてもよいし、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シートからなる導電性袋としてもよいし、繊維を貼り付けたアルミニウム箔からなる導電性袋と、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シートからなる導電性袋とを適宜組み合わせて用いてもよい。
(第五実施形態)
次に、本発明の第五の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
第五の実施形態に係る電子機器用試験袋6は、第一の実施形態の電子機器用試験袋1の変形例である。第一の実施形態の電子機器用試験袋1では、内外に二層重ねられた袋体が、両方とも、導電性袋11で構成された導電性袋12,12であるのに対して、第五の実施形態の電子機器用試験袋6では、図10に示すように、外側の袋体は、繊維20aを貼り付けたアルミニウム箔20bからなる第一導電性袋23であって、内側の袋体は、導電布11からなる第二導電性袋24である点で異なる。
外側に位置する第一導電性袋23は、第四の実施形態の導電性袋20と同様に、アルミニウム箔20bの一面に繊維20aを貼り付けてなる布状部材で形成されている。また、導電性袋20は、内側がアルミニウム箔20bとなり、外側が繊維20aとなるように形成されている。なお、その他の構成については、第一の実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
このような構成によれば、窓部材30の遮蔽部材31とアルミニウム箔20bとが導電手段40を介して電気的に接続されているので、導電手段40によって、第一導電性袋23と窓部材30との電気的接触が保持されている。そのため、窓用開口部13の周縁部でも導電性が確保され、試験袋本体10の全体において導電性が途切れる部分がない。したがって、本実施形態においても、第一の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、第一導電性袋23が、アルミニウム箔20bを備えて構成されているので、電波の遮蔽性がさらに高められている。
なお、本実施形態では、外側の第一導電性袋23のみに窓用開口部13が形成されているが、これに限定されるものではなく、内側の第二導電性袋24にも窓用開口部(図示せず)を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、外側の第一導電性袋23は、繊維20aを貼り付けたアルミニウム箔20bから構成されているが、これに代えて、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シート(第四の実施形態参照)にて構成するようにしてもよい。このような構成によっても、第五の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、外側の第一導電性袋23は、繊維20aを貼り付けたアルミニウム箔20bから構成され、第二導電性袋24は、導電布11から構成されているが、これに限定されるものではなく、第一導電性袋23および第二導電性袋24の両方を繊維を貼り付けたアルミニウム箔から構成してもよいし、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シートから構成してもよいし、繊維を貼り付けたアルミニウム箔と、ステンレス繊維から形成されるステンレス繊維シートと、導電布とを適宜組み合わせて用いてもよい。
(第六実施形態)
次に、本発明の第六の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
第六の実施形態に係る電子機器用試験袋7は、第二の実施形態の電子機器用試験袋3の変形例である。第二の実施形態の電子機器用試験袋3では、内外に二層重ねられた導電性袋12,12のうち、内側の導電性袋12のみに窓用開口部16が形成されているのに対して、第六の実施形態の電子機器用試験袋7では、図11に示すように、内外の導電性袋12,12の両方に窓用開口部16,16’がそれぞれ形成されている点で異なる。
電子機器用試験袋7の外側の導電性袋12に形成された窓用開口部16’は、内側の導電性袋12に形成された窓用開口部16と同等の形状を呈している。すなわち、窓用開口部16’は、試験袋本体10に電子機器2である携帯電話を挿入して収容した際の表示部(図示せず)に相当する位置に形成されている。なお、その他の構成については、第二の実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
このような構成によれば、第二の実施形態と同様の作用効果の他に、視認窓36における内部の視認性をさらに良好にすることができる。
なお、本実施形態では、内外に二層重ねられた袋体が、両方とも導電性袋11で構成された導電性袋12,12であるが、これに限定されるものではなく、外側の袋体を繊維を貼り付けたアルミニウム箔からなる導電性袋で構成し、内側の袋体を繊維布からなる繊維袋で構成するようにしてもよい。また、外側の袋体を繊維を貼り付けたアルミニウム箔からなる第一導電性袋で構成し、内側の袋体を導電布からなる第二導電性袋で構成するようにしてもよい。