JP4272435B2 - 電磁波シールド材を用いた閉止部材構造 - Google Patents

電磁波シールド材を用いた閉止部材構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波をシールドするために電磁波シールド材を用いたドアやロールスクリーン等の閉止部材の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電磁波シールド材として、導電性を有する部材の表面にベース材が配設され、導電性繊維によって形成された導電性突起物がベース材の表面に立設され、更に導電性突起物及び導電性を有する部材がベース材の一部材である接続部材により電気的に接続された電磁波シールド材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この電磁波シールド部材では、上記導電性突起物がベース材の一部材であるシート材を貫通して、導電性を有する両面粘着テープ等の接続部材に接続される。また上記導電性突起物はベース材表面から離れるに従って先端が広がるように形成される。更に上記導電性を有する部材はシールドルームの扉枠であり、導電性突起物の先端はシールド扉に当接可能に構成される。
【0003】
このように構成された電磁波シールド材では、導電性突起物は扉枠の形状に合せて容易に変形するため、締付機構等の特別な機構を用いなくても電気的に接続できる。また導電性突起物で反射されずにこの導電性突起物に吸収された電磁波は、接続部材を通って扉枠に流れて放電される。この結果、導電性突起物に吸収された電磁波の扉枠及びシールド扉間への侵入を阻止できるので、電磁波がシールドルームに漏洩しないようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−320188号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の特許文献1に示された電磁波シールド材では、導電性突起物がシート材を貫通して接続部材に植え込まれているだけであるため、導電性突起物がシート材及び接続部材から比較的容易に抜け落ちてしまう不具合があった。
また、上記従来の特許文献1に示された電磁波シールド材では、接続部材の導電率が比較的低く、導電性突起物で反射されずに導電性突起物に吸収された電磁波が接続部材を通って扉枠に速やかに流れないため、電磁波のシールド機能を十分に発揮できない問題点もあった。
【0006】
本発明の目的は、導電性突起物が基布から容易に脱落せず、電磁波をシールドする機能を確実に発揮できる、電磁波シールド材を用いた閉止部材構造を提供することにある。
本発明の別の目的は、無突起物表面の存在により導電性突起物の接触密度の局所的な過密を阻止して、導電性突起物の塑性変形を防止でき、更に容易に施工できる、電磁波シールド材を用いた閉止部材構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1、図6、図7及び図9に示すように、シールドルーム61の骨格を構成する導電性枠部材62の通孔62cに、この通孔62cを閉止可能な閉止部材64が設けられた閉止部材構造の改良である。
その特徴ある構成は、閉止部材64の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材62に導電性フランジ部62dが設けられ、閉止部材64の閉止面の周縁に対向する導電性フランジ部62dに電磁波シールド材10が第2導電性接着剤層22を介して接着され、閉止部材64による通孔62cの閉止時に閉止部材64の周縁が電磁波シールド材10の導電性突起物13に当接するように構成され、上記電磁波シールド材10が、導電性枠部材の表面に配設されるシート材12と、シート材12の表面に立設された導電性繊維によって形成される導電性突起物13と、導電性突起物31と導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材14とを備え、シート材12が、たて糸12aとよこ糸を織り上げて作られたて方向を長さ方向とする帯状の基布12であり、導電性突起物13が、基布12のたて方向に複数本の導電性パイル糸16を割り込ませて織り上げてパイル糸16をカットすることにより基布12の表面に突出して形成され、接続部材14が、基布12の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層21と、基布12に第1導電性接着剤層21を介して接着された導電性金属箔23と、この金属箔23の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層22とにより構成されたところにある。
【0008】
この請求項1に記載された電磁波シールド材を用いた閉止部材構造では、閉止部材64により通孔62cを閉止すると、閉止部材64の周縁が導電性突起物13に当接し、この導電性突起物13は導電性枠部材63の形状に合わせて容易に変形するので、締付機構等の特別な機構を用いなくても閉止部材64を導電性枠部材62に電気的に接続できる。また導電性突起物13で反射されずにこの導電性突起物13に吸収された電磁波は、上記導電性突起物13や、この突起物13に電気的に接続された導電性金属箔23、導電性枠部材62及び閉止部材64等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。更に基布12のたて方向に複数本の導電性パイル糸16を割り込ませて織り上げてパイル糸16をカットすることにより、導電性突起物13を基布12の表面に突出して形成したので、導電性突起物13は基布12から容易に脱落しない。
【0009】
請求項2に係る発明は、図1及び図10に示すように、閉止部材64の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材62に導電性フランジ部62dが設けられ、閉止部材64の閉止面の周縁に電磁波シールド材10が第2導電性接着剤層22を介して接着され、閉止部材64による通孔62cの閉止時に電磁波シールド材10の導電性突起物13が導電性フランジ部62dに当接するように構成され、上記電磁波シールド材10が、導電性枠部材の表面に配設されるシート材12と、シート材12の表面に立設された導電性繊維によって形成される導電性突起物13と、導電性突起物31と導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材14とを備え、シート材12が、たて糸12aとよこ糸を織り上げて作られたて方向を長さ方向とする帯状の基布12であり、導電性突起物13が、基布12のたて方向に複数本の導電性パイル糸16を割り込ませて織り上げてパイル糸16をカットすることにより基布12の表面に突出して形成され、接続部材14が、基布12の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層21と、基布12に第1導電性接着剤層21を介して接着された導電性金属箔23と、この金属箔23の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層22とにより構成されたことを特徴とする。
この請求項2に記載された電磁波シールド材を用いた閉止部材構造では、閉止部材64により通孔62cを閉止すると、導電性突起物13が導電性フランジ部62dに当接し、導電性フランジ部62dの形状に合わせて容易に変形するので、締付機構等の特別な機構を用いなくても閉止部材64を導電性枠部材62に電気的に接続できる。また導電性突起物13で反射されずにこの導電性突起物13に吸収された電磁波は、上記導電性突起物13や、この突起物13に電気的に接続された導電性金属箔23、導電性枠部材62及び閉止部材64等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。更に基布12のたて方向に複数本の導電性パイル糸16を割り込ませて織り上げてパイル糸16をカットすることにより、導電性突起物13を基布12の表面に突出して形成したので、導電性突起物13は基布12から容易に脱落しない。
【0010】
請求項3に係る発明は、図1及び図11に示すように、閉止部材64の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材62に導電性フランジ部62dが設けられ、閉止部材64の閉止面の周縁に対向する導電性フランジ部62dに電磁波シールド材40が第2導電性接着剤層を介して接着され、閉止部材64の閉止面の周縁に電磁波シールド材40が第2導電性接着剤層を介して接着され、閉止部材64による通孔62cの閉止時に双方の電磁波シールド材40,40の導電性突起物13,13が互いに当接するように構成されたことを特徴とする。
この請求項3に記載された電磁波シールド材を用いた閉止部材構造では、閉止部材64により通孔62cを閉止すると、閉止部材64周縁の電磁波シールド材40の導電性突起物13が導電性枠部材62の電磁波シールド材40の導電性突起物13に当接するので、締付機構等の特別な機構を用いなくても閉止部材64を導電性枠部材62に電気的に接続できる。また上記導電性突起物13で反射されずにこれらの導電性突起物13に吸収された電磁波は、両方の導電性突起物13や、これらの突起物13に電気的に接続された一対の導電性金属箔、導電性枠部材63及び閉止部材64等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。更に基布12のたて方向に複数本の導電性パイル糸16を割り込ませて織り上げてパイル糸16をカットすることにより、導電性突起物13 を基布12の表面に突出して形成したので、導電性突起物13は基布12から容易に脱落しない。
【0011】
請求項4に係る発明は、図1、図18及び図21に示すように、シールドルーム61の骨格を構成する導電性枠部材122の通孔122aに、この通孔122aを閉止可能な閉止部材124が設けられた閉止部材構造の改良である。
その特徴ある構成は、閉止部材124が導電性枠部材122の上縁に繰出し可能に巻取られる導電性ロールスクリーンであって、ロールスクリーン124の繰出し時にロールスクリーン124の周縁を両面から挟むように一対の導電性フランジ部122b,122bが導電性枠部材122に設けられ、一対の導電性フランジ部122b,122bの互いに対向する面に電磁波シールド材10,10が第2導電性接着剤層を介してそれぞれ接着され、ロールスクリーン124の繰出し時にロールスクリーン124の周縁の両面が電磁波シールド材10,10の導電性突起物13,13にそれぞれ当接するように構成され、上記電磁波シールド材10,10が、導電性枠部材の表面に配設されるシート材12と、シート材12の表面に立設された導電性繊維によって形成される導電性突起物13と、導電性突起物31と導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材14とを備え、シート材12が、たて糸12aとよこ糸を織り上げて作られたて方向を長さ方向とする帯状の基布12であり、導電性突起物13が、基布12のたて方向に複数本の導電性パイル糸16を割り込ませて織り上げてパイル糸16をカットすることにより基布12の表面に突出して形成され、接続部材14が、基布12の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層21と、基布12に第1導電性接着剤層21を介して接着された導電性金属箔23と、この金属箔23の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層22とにより構成されたところにある。
【0012】
この請求項4に記載された電磁波シールド材を用いた閉止部材構造では、ロールスクリーン124を繰出して通孔122aを閉止すると、ロールスクリーン124の周縁の両面が一対の導電性突起物13,13にそれぞれ当接し、これらの 導電性突起物13,13はロールスクリーン124の周縁の形状に合わせて容易に変形するので、締付機構等の特別な機構を用いなくてもロールスクリーン124を導電性枠部材122に電気的に接続できる。また導電性突起物13で反射されずにこの導電性突起物13に吸収された電磁波は、一対の導電性突起物13や、これらの突起物13に電気的に接続された一対の導電性金属箔、導電性枠部材122及びロールスクリーン124等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。更に基布12のたて方向に複数本の導電性パイル糸16を割り込ませて織り上げてパイル糸16をカットすることにより、導電性突起物13を基布12の表面に突出して形成したので、導電性突起物13は基布12から容易に脱落しない。
【0013】
請求項に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に係る発明であって、更に図1に示すように、基布12のたて糸12a及びよこ糸間に浸透するように導電性塗料を基布12に塗布し乾燥することによりバックコーティング層17が形成されたことを特徴とする。
この請求項に記載された電磁波シールド材を用いた閉止部材構造では、導電性突起物13の基部がバックコーティング層17により基布12に固定されるので、導電性突起物13が基布12から更に脱落し難くなる。
【0014】
請求項に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に係る発明であって、更に図4及び図5に示すように、帯状の基布12の幅方向中央部、右側部及び左側部の少なくとも一部に導電性パイル糸を割り込ますことのない無突起物表面41,42又は43が基布12の長さ方向に形成されたことを特徴とする。
この請求項に記載された電磁波シールド材を用いた閉止部材構造では、導電性突起物13の先端にドアなどが当接しても、導電性突起物13の接触密度が局所的に過密になるのを無突起物表面41,42又は43が阻止するので、導電性突起物13の倒れなどの塑性変形を防止できる。
【0015】
図1又は図3に示すように、帯状の基布12の全幅をw(mm)とし、突起物13の基布12表面からの高さをh(mm)とするとき、次の式(1)を満たすことが好ましい。
3/25≦h/w≦25/25 … (1)
また図3に示すように、帯状の基布12の全幅をw(mm)とし、幅方向中央部の無突起物表面41の幅をp1(mm)とし、右側部の無突起物表面42の幅をp2(mm)とし、左側部の無突起物表面43の幅をp3(mm)するとき、次の式(2)を満たすことが好ましい。
5/25≦(p1+p2+p3)/w≦16/25 … (2)
但し、式(2)においてp1>0、p2>0、p3>0である。
更に図3に示すように、幅方向中央部の無突起物表面41の幅p1(mm)と右側部の無突起物表面42の幅をp2(mm)と左側部の無突起物表面43の幅p3(mm)とが次の式(3)を満たすこともできる。
4/10≦(p2+p3)/p1≦30/10 … (3)
但し、式(3)においてp2=p3>0、p1>0である。
【0016】
また、図6に示すように、閉止部材64が導電性枠部材62の側縁にピン66を介して枢着された導電性ドアであって、このドア64がピン66を中心に回動して通孔を開放可能に閉止するように構成してもよい。
更に、図13及び図14に示すように、閉止部材84が導電性枠部材82に嵌め込まれた導電性網戸、金属板、導電性シート又は導電性スクリーンであって、この導電性網戸84、金属板、導電性シート又は導電性スクリーンの嵌め込み時に通孔82aを閉止するように構成してもよい。
なお、本明細書において、「ドア」は、窓を開閉する窓用扉のみならず、出入口を開閉する出入口用扉も含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、電磁波シールド材10は、導電性枠部材の表面に配設されるシート材12と、シート材12の表面に立設された導電性繊維によって形成される導電性突起物13と、導電性突起物13と導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材14とを備える。シート材12は、たて糸12aとよこ糸を織り上げて作られ、たて方向を長さ方向とする帯状の基布である。この基布12は合成繊維織布(例えば、ポリエステル,アクリル,ガラス繊維等)や綿織布などで形成され、基布12に導電性を付与する必要は特にはない。
【0018】
また導電性突起物13は、図3に示すように、基布12のたて方向に複数本の導電性パイル糸16を割り込ませて織り上げて、パイル糸16をカットすることにより基布12の表面に突出して形成される。この基布12と突起物13は織物組織上、ベルベット又はビロードと呼ばれる。これにより導電性突起物13は、基布12の表面から離れるに従って側方に広がる。上記導電性突起物13を形成する導電性繊維としては、合成繊維(例えば、ポリアミド,アクリル,アラミド,ポリエチレンテレフタレート,ポリウレタン,ポリプロピレン等)の表面に、銀,ニッケル,銅等の導電性めっきを施したものや、上記合成繊維に炭素繊維等の導電性材料を混入したものを用いることができる。
【0019】
また基布12の基部には、この基布12のたて糸12a及びよこ糸間にに浸透するように導電性塗料を塗布して乾燥することにより、バックコーティング層17が形成される。上記導電性塗料としては、銀、銅、導電性カーボンブラック、ニッケル、銅、銀等の導電性粉末を混合したアクリル、ビニル、エポキシ、アルキド等の塗料を用いることが好ましい。導電性粉末の平均粒径は0.5〜10μmであることが好ましい。
更に帯状の基布12の全幅をw(mm)とし、突起物13の基布12表面からの高さをh(mm)とするとき、次の式(1)を満たすことが好ましい。
3/25≦h/w≦25/25 … (1)
上記のようにh/wを3/25≦h/w≦25/25の範囲に限定したのは、この範囲外では電磁波の遮蔽効果に劣るためである。なお、h/wを6/25≦h/w≦12/25の範囲に設定すると更に好ましい。
【0020】
一方、接続部材14は、基布12の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層21と、基布12に第1導電性接着剤層21を介して接着された導電性金属箔23と、この金属箔23の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層22とにより構成される。上記導電性接着剤としては、ニッケル、導電性カーボンブラック、ニッケル、銅、銀等の導電性粉末を混合したアクリル樹脂、合成ゴム系等の接着剤を用いることが好ましい。導電性粉末の平均粒径は0.5〜10μmであることが好ましい。また導電性金属箔23としては、銅箔、アルミ箔、導電性プラスチックシートなどを用いることができ、その表面抵抗は1×10-1Ω以下であることが望ましい。
【0021】
なお、図1及び図2の符号24は第2導電性接着剤層22の裏面に剥離可能に接着された離型紙である。また導電性金属箔23の厚さは50〜300μm、好ましくは70〜200μmの範囲に設定される。導電性金属箔23の厚さを50〜300μmの範囲に限定したのは、50μm未満では箔強度が弱くなり過ぎ、300μmを越えると、コスト増となるためである。
【0022】
このように構成された電磁波シールド材10では、図1に示すように、基布12に浸透するようにバックコーティング層17を形成し、かつ基布12の裏面に第1導電性接着剤層21を形成したので、基布に織り上げられた導電性突起物の基部がバックコーティング層により固定され、基布12の裏面に突出した導電性突起物13の基部が第1導電性接着剤層21により固定される。この結果、導電性突起物13が基布12から脱落することはない。
また第1及び第2導電性接着剤層21,22の間に導電率の高い導電性金属箔23を介装したので、第1及び第2導電性接着剤層21,22の導電率が比較的低くても、導電性突起物13で反射されずに導電性突起物13に吸収された電磁波は、上記導電性突起物13や、この突起物13に電気的に接続された導電性金属箔23及び導電性枠部材63等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、電磁波をシールドする機能を確実に発揮できる。
【0023】
なお、図4及び図5に示すように、帯状の基布12の幅方向中央部、右側部及び左側部に導電性パイル糸を割り込ますことのない第1〜第3無突起物表面41〜43基布12の長さ方向にそれぞれ形成してもよい
【0024】
この場合、上記帯状の基布12の全幅をw(mm)とし、幅方向中央部の第1無突起物表面41の幅をp1(mm)とし、右側部の第2無突起物表面42の幅をp2(mm)とし、左側部の第3無突起物表面43の幅をp3(mm)するとき、次の式(2)を満たすように設定されることが好ましい。
5/25≦(p1+p2+p3)/w≦16/25 … (2)
但し、式(2)においてp1>0、p2>0、p3>0である。
上記のように(p1+p2+p3)/wを5/25≦(p1+p2+p3)/w≦16/25の範囲に限定したのは、5/25未満では電磁波の遮蔽効果に劣るからであり、16/25を越えると繰返しの使用により導電性突起物13がへたるからである。なお、(p1+p2+p3)/wを5/25≦(p1+p2+p3)/w≦12/25の範囲に設定すると更に好ましい。
【0025】
また第1無突起物表面41の幅p1(mm)と第2無突起物表面42の幅をp2(mm)と第3無突起物表面43の幅p3(mm)とが次の式(3)を満たすように設定指されることが好ましい。
4/10≦(p2+p3)/p1≦30/10 … (3)
但し、式(3)においてp2=p3>0、p1>0である。
上記のように(p2+p3)/p1を4/10≦(p2+p3)/p1≦30/10の範囲に限定したのは、4/10未満では電磁波の遮蔽効果に劣るからであり、30/10を越えると繰返しの使用により導電性突起物13がへたるからである。また(p2+p3)/p1を6/10≦(p2+p3)/p1≦20/10の範囲に設定すると更に好ましい。更に帯状の基布の幅方向中央部、右側部及び左側部のいずれか一部に無突起物表面を基布の長さ方向に形成してもよい。
【0026】
このように構成された電磁波シールド材40では、導電性突起物13の先端にドアなどが当接しても、導電性突起物13の接触密度が局所的に過密になるのを第1〜第3無突起物表面41〜43が阻止するので、導電性突起物13の倒れなどの塑性変形を防止できる。この結果、電磁波シールド機能を更に確実に発揮できる。
また電磁波シールド材の基布にバックコーティング層を形成せずに第1導電性接着剤層のみを形成してもよい。この場合、第1導電性接着剤層は基布の裏面に突出した導電性突起物の基部のみならず、基布の裏面にも接触する。
【0027】
次に上記電磁波シールド材10をシールドルーム61の窓用扉構造に適用した例を図6〜図9に示す。実験室や病室内等の測定機器や検査機器等に悪影響を与える電磁波が実験室や病室等に侵入するのを阻止するため、或いは実験室や病室内等の測定機器や検査機器等が発生する電磁波が上記室外に漏洩するのを阻止するために、これらの部屋の骨格は導電性枠部材62(例えば、ステンレス鋼製又はアルミニウム合金製)により構成され、壁63、天井及び床の内部には、銅箔や亜鉛鋼板等により形成された導電性シート(図示せず)を隙間なく貼付することによりシールド層(図示せず)が設けられる。このように構成された部屋をシールドルーム61と呼ぶ。なお、本明細書では、上記導電性枠部材62には、シールドルーム61の形状を決定する導電性枠部材(図示せず)に加えて、窓枠となる導電性枠部材62も含まれ、本実施の形態における導電性枠部材62は窓枠となる導電性枠部材である。
【0028】
この導電性枠部材62は上記シールド層に電気的に接続された第1枠部62aと、第1枠部62aの外周面にシールドルーム61外に突出した状態で固着された第2枠部62bとを有する。第2枠部62bの側縁には、導電性を有する窓用扉64がピン66を介して枢着され、この窓用扉64はピン66を中心に回動して通孔62aを開放可能に閉止するように構成される。
【0029】
窓用扉64は、合せガラス板67と、この合せガラス板67の周縁を保持する導電性ガラス枠68(例えば、ステンレス鋼製又はアルミニウム合金製)とを有する。この合せガラス板67は、銅線や亜鉛鋼線等により網状に形成された金網部材67aと、この金網部材67aを挟持する一対のガラス板67b,67bとにより構成される。合せガラス板67周縁と導電性ガラス枠68との間には導電性ガスケット材又は導電性コーキング材により形成されたパッキン69が介装され、このパッキン69は金網部材67aと導電性ガラス枠68とを電気的に接続するように構成される。また導電性枠部材62には窓用扉64の閉止面の周縁に対向するように導電性フランジ部62dが設けられ、窓用扉64の閉止面の周縁に対向する導電性フランジ部62dに第1の実施の形態の電磁波シールド材10が第2導電性接着剤層22を介して接着される。
【0030】
また図6及び図8の符号70は、導電性ガラス枠68の全外周縁に取付けられたウエザストリップであり、このウエザストリップ70は窓用扉64の閉止時に第2枠部62bの全内周面に当接するように構成される。窓用扉64と導電性枠部材62との隙間は電磁波シールド材10及びウエザストリップ70により2重にシールされるので、優れた防音効果、防水効果及び防風効果が得られるとともに、ウエザストリップ70に導電性粉末を添加して導電性を付与すれば、電磁波のシールド機能が更に向上する。
【0031】
このように構成された窓用扉構造の動作を説明する。
窓用扉64により通孔62cを閉止すると、窓用扉64の周縁が導電性突起物13の先端部に当接する。これにより導電性突起物13は導電性枠部材62の形状に合わせて容易に変形するので、窓用扉64を導電性枠部材62に電気的に接続できる。ここで、導電性枠部材62や導電性ガラス枠68を例えば、アルミニウム合金により形成すると、その表面には絶縁性の酸化アルミニウム膜が形成されるけれども、この膜の厚さは極めて薄くしかも不均一であるため、導電性突起物13との電気的接続を阻害することはない。
【0032】
この状態でシールドルーム61外方からシールドルーム61に向って電磁波が到来したり、或いはシールドルーム61内の測定機器等が電磁波を発生すると、大部分の電磁波はシールドルーム61の壁63等に貼付されたシールド層や金網部材67aなどにより反射される。また窓用扉64と導電性枠部材62との間の隙間に侵入した電磁波は導電性突起物13で反射されるけれども、この導電性突起物13で反射されずにこの導電性突起物13に吸収された電磁波は、上記導電性突起物13や、この突起物13に電気的に接続された導電性金属箔23、導電性枠部材62及び窓用扉64等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、導電性突起物13に吸収された電磁波が窓用扉64及び導電性枠部材62の隙間を通ってシールドルーム61内に侵入することはなく、或いはシールドルーム61外に漏洩することはない。なお、電磁波シール材10の導電性フランジ部62dへの接着作業は簡単であるので、電磁波シール材10を極めて容易に施工できる。
【0033】
図10は本発明の第の実施の形態を示す。
この実施の形態では、窓用扉64の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材62に導電性フランジ部62dが設けられ、窓用扉64の閉止面の周縁に第1の実施の形態の電磁波シールド材10が第2導電性接着剤層22を介して接着される。上記以外は第の実施の形態の窓用扉構造と同一に構成される。
【0034】
このように構成された窓用扉構造の動作を説明する。
窓用扉64により通孔62cを閉止すると、導電性突起物13の先端部が導電性枠部材62の周縁に当接する。これにより導電性突起物13は導電性枠部材62の形状に合わせて容易に変形するので、窓用扉64を導電性枠部材62に電気的に接続できる。この状態でシールドルーム外方からシールドルームに向って電磁波が到来したり、或いはシールドルーム内の測定機器等が電磁波を発生すると、大部分の電磁波はシールドルームの壁等に貼付されたシールド層や導電性網部材などにより反射される。
【0035】
また窓用扉64と導電性枠部材62との間の隙間に侵入した電磁波は導電性突起物13で反射されるけれども、この導電性突起物13で反射されずにこの導電性突起物13に吸収された電磁波は、上記導電性突起物13や、この突起物13に電気的に接続された導電性金属箔、導電性枠部材62及び窓用扉64等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、導電性突起物13に吸収された電磁波が窓用扉64及び導電性枠部材62の隙間からシールドルーム内に侵入することはなく、或いはシールドルーム外に漏洩することはない。更に窓用扉64を導電性枠部材62に組付ける前に、窓用扉64に電磁波シールド材10を接着できるので、電磁波シールド材10の組付け作業性を向上できる。
【0036】
図11は本発明の第の実施の形態を示す。
この実施の形態では、窓用扉64の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材62に導電性フランジ部62cが設けられ、窓用扉64の閉止面の周縁に対向する導電性フランジ部62dに、図4及び図5に示す第の実施の形態の電磁波シールド材40が第2導電性接着剤層及びチャンネル部材71を介して接着され、窓用扉64の閉止面の周縁に、図4及び図5に示す第の実施の形態の電磁波シールド材40が第2導電性接着剤層及びチャンネル部材72を介して接着される。上記以外は第の実施の形態の窓用扉構造と同一に構成される。
【0037】
このように構成された窓用扉構造の動作を説明する。
窓用扉64により通孔62cを閉止すると、窓用扉64周縁にチャンネル部材72を介して接着された電磁波シールド材40の導電性突起物13が、導電性枠部材62にチャンネル部材71を介して接着された導電性突起物13に当接する。このとき一方のチャンネル部材71の突片71aが他方の導電性突起物13内に侵入し、他方のチャンネル部材72の突片72aが一方の導電性突起物13内に侵入するけれども、第1無突起物表面41(図4及び図5)の存在により導電性突起物13が座屈することなく突片71a,72aの左右に弾性変形するので、導電性突起物13の塑性変形を防止できるとともに、導電性突起物13が窓用扉64を導電性枠部材62に電気的に接続する。
【0038】
この状態でシールドルーム外方からシールドルームに向って電磁波が到来したり、或いはシールドルーム内の測定機器等が電磁波を発生すると、大部分の電磁波はシールドルームの壁等に貼付されたシールド層や導電性網部材などにより反射される。また窓用扉64と導電性枠部材62との間の隙間に侵入した電磁波は導電性突起物13で反射されるけれども、この導電性突起物13で反射されずにこの導電性突起物13に吸収された電磁波は、両方の導電性突起物13や、これらの突起物13に電気的に接続された一対の導電性金属箔、導電性枠部材62及び窓用扉64等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、導電性突起物13に吸収された電磁波が窓用扉64及び導電性枠部材62の隙間からシールドルーム内に侵入することはなく、或いはシールドルーム外に漏洩することはない。なお、電磁波シール材40の導電性フランジ部62d及び窓用扉64への接着作業は比較的簡単であるので、電磁波シール材40を容易に施工できる。
【0039】
図12は本発明の第の実施の形態を示す。
この実施の形態では、窓用扉64の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材62に導電性フランジ部62dが設けられ、窓用扉64の閉止面の周縁に対向する導電性フランジ部62dに、図1及び図2に示す第1の実施の形態の電磁波シールド材10が第2導電性接着剤層を介して接着され、窓用扉64の閉止面の周縁に、図1及び図2に示す第1の実施の形態の電磁波シールド材10が第2導電性接着剤層を介して接着される。上記以外は第の実施の形態の窓用扉構造と同一に構成される。
【0040】
このように構成された窓用扉構造では、窓用扉64により通孔62cを閉止すると、窓用扉64周縁の電磁波シールド材10の導電性突起物13が導電性枠部材62の電磁波シールド材10の導電性突起物13に当接する。このとき導電性突起物13,13同士が噛合するので、導電性突起物13,13が座屈することなく、これらの導電性突起物13,13が窓用扉64を導電性枠部材62に電気的に接続する。上記以外の動作は第の実施の形態の窓用扉構造の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
なお、上記第〜第の実施の形態では、ドア構造としてシールドルームの窓用扉構造を挙げたが、シールドルームの出入口を開閉する出入口用扉構造でもよい。
【0041】
図13及び図14は本発明の第の実施の形態を示す。図14において図9と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、上記第1の実施の形態の電磁波シールド材10をシールドルーム61の導電性網戸構造に適用した例を示す。シールドルーム61の骨組みを構成する導電性枠部材82(例えば、ステンレス鋼製又はアルミニウム合金製)には、シールドルーム61の形状を決定する導電性枠部材(図示せず)に加えて、窓枠となる導電性枠部材82も含まれ、本実施の形態における導電性枠部材82は窓枠となる導電性枠部材である。この導電性枠部材82の通孔82aには、導電性を有する網戸84が嵌め込まれて通孔82aを閉止するように構成される。
【0042】
導電性網戸84は、銅線、ステンレス鋼線、アルミニウム線、亜鉛鋼線等の導電性材料により網状に形成されるか或いは導電性繊維を用いた織布又は不織布により形成された網戸本体84aと、この網戸本体84aの周縁に設けられ網戸本体84aの周縁を保持する四角枠状の導電性ホルダ84b(例えば、ステンレス鋼製又はアルミニウム合金製)とを有する。また導電性枠部材82には網戸84の閉止面の周縁に対向するように、即ち導電性ホルダ84bに対向するように導電性フランジ部82bが設けられ、導電性ホルダ84bに対向する導電性フランジ部82bには第1の実施の形態の電磁波シールド材10が第2導電性接着剤層を介して接着される。
【0043】
更に導電性枠部材82には導電性網戸84を導電性枠部材82に嵌め込んだ状態で固定するロック機構86が設けられる。ロック機構86は導電性枠部材82に回動可能に取付けられた複数のロックレバー86aを有する。このロックレバー86aの基端は導電性枠部材82のシールドルーム61内側の面に段付ビス86bにより取付けられ、ロックレバー86aの先端は導電性フランジ部82bに臨む位置に突出可能に構成される。上記以外は第の実施の形態の窓用扉構造と同一に構成される。
【0044】
このように構成された網戸構造では、導電性網戸84を導電性枠部材82の通孔82aに嵌め込んだ後に、複数のロックレバー86aを回転してその先端を導電性フランジ部82bに臨む位置に突出させると、網戸84は導電性枠部材82に嵌め込んだ状態で固定される。このとき網戸84の周縁が導電性突起物13の先端部に当接する。これにより導電性突起物13は導電性枠部材82の形状に合わせて容易に変形するので、導電性網戸84を導電性枠部材82に電気的に接続できる。また上記網戸84を導電性枠部材82から外すときには、複数のロックレバー86aを操作することにより、比較的容易に外すことができる。上記以外の動作は第の実施の形態の窓用扉構造の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0045】
図15〜図17は本発明の第の実施の形態を示す。図15において図13と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、上記第1の実施の形態の電磁波シールド材10をシールドルーム101の導電性網戸構造に適用した例を示し、シールドルーム101はコンピュータ室内に設置されたサーバコンピュータ103(情報を記憶・保管するとともに、この情報をインターネットを通じて世界に発信するコンピュータ)のみを包囲する小部屋をいう。このシールドルーム101の骨組みを構成する導電性枠部材102(例えば、ステンレス鋼製又はアルミニウム合金製)にてシールドルーム101の形状が決定される。
【0046】
コンピュータルーム床には略正方形の金属板106が敷かれ、この金属板106の周縁に密着させた状態で略正方形状に組まれた導電性枠部材102の下枠部102aが床に固定される。この下枠部102aの四隅からは4本の柱部102bがそれぞれ立設され、これらの4本の柱部102bの上端には略正方形状に組まれた上枠部102cが取付けられる。このように組まれた導電性枠部材102の上面には1個のアッパ通孔102dが形成され、導電性枠部材102の外周面には4個のサイド通孔102eがそれぞれ形成される。これらの通孔102d,102eには導電性網戸104がそれぞれ嵌め込まれて、各通孔102d,102eが導電性網戸104により閉止されるように構成される。導電性網戸104は、アッパ通孔102dに嵌め込まれた1枚の略正方形状のアッパ網戸104aと、サイド通孔102eにそれぞれ嵌め込まれた4枚の長方形状のサイド網戸104bとを有する。
【0047】
アッパ網戸104aは、第の実施の形態の導電性網戸と同様に、銅線、ステンレス鋼線、アルミニウム線、亜鉛鋼線等の導電性材料により網状に形成されるか或いは導電性繊維を用いた織布又は不織布により形成されたアッパ網戸本体104cと、このアッパ網戸本体104cの周縁に設けられアッパ網戸本体104cの周縁を保持する四角枠状のアッパ導電性ホルダ104d(例えば、ステンレス鋼製又はアルミニウム合金製)とを有する。またサイド網戸104bは、アッパ網戸104cと同様に形成されたサイド網戸本体104eと、このサイド網戸本体104eの周縁に設けられサイド網戸本体104eの周縁を保持する四角枠状のサイド導電性ホルダ104f(例えば、ステンレス鋼製又はアルミニウム合金製)とを有する。
【0048】
なお、左側、右側、前側及び後側のサイド導電性ホルダ104fは全て同一符号で示したが、前側のサイド導電性ホルダ104fは平板状に形成されるのに対し、左側、右側及び後側のサイド導電性ホルダ104fは略L字状に形成される。また導電性枠部材102にはアッパ網戸104a及びサイド網戸104bの閉止面の周縁に対向するように、即ちアッパ導電性ホルダ104d及びサイド導電性ホルダ104fに対向するように導電性フランジ部102fがそれぞれ設けられる。導電性フランジ部102fに対向するアッパ導電性ホルダ104d及びサイド導電性ホルダ104fには第1の実施の形態の電磁波シールド材10が第2導電性接着剤層を介してそれぞれ接着される。
【0049】
更に左側、右側及び後側のサイド網戸104bはビス107により導電性枠部材102に固定され、前側のサイド網戸104bは第7の実施の形態と同様のロック機構86により導電性枠部材102に固定される。ロック機構86は導電性枠部材102に回動可能に取付けられた複数のロックレバー86aを有する。ロックレバー86aの基端は導電性枠部材102のシールドルーム101内側の面に段付ビス86bにより取付けられ、ロックレバー86aの先端は導電性フランジ部102fに臨む位置に突出可能に構成される。
【0050】
このように構成された網戸構造では、アッパ網戸104aをアッパ通孔102dに嵌め込み、左側、右側及び後側のサイド網戸104bを左側、右側及び後側のサイド通孔102eにそれぞれ嵌め込んで、ビス107により導電性枠部材102に固定し、更に前側のサイド網戸104bを前側のサイド通孔104eに嵌め込んだ後に、複数のロックレバー86aを回転してその先端を導電性フランジ部102fに臨む位置に突出させ、前側のサイド網戸104bを導電性枠部材102の前側のサイド通孔102eに嵌め込んだ状態で固定する。
【0051】
このとき導電性網戸104、特に縦長のサイド網戸104bが多少歪んでいても、導電性突起物13が導電性枠部材102の形状に合わせて容易に変形するので、導電性突起物13の先端部が導電性枠部材102に確実に当接して、導電性網戸104を導電性枠部材102に電気的に接続できる。この結果、比較的簡単な工事で小型のシールドルーム101をコンピュータ室内に設置できるとともに、サーバコンピュータ103の発生する電磁波がシールドルーム101外に放射されず、シールドルーム101外からの電磁波がシールドルーム101内に侵入しないので、サーバコンピュータ103が記憶・保管する情報の漏洩や改ざんを防止できる。
【0052】
一方、サーバコンピュータ103の点検・整備を行うときには、複数のロックレバー86aを操作すれば、前側のサイド網戸104bを容易に外せるので、作業者が開放された前側のサイド通孔102eから入ってサーバコンピュータ103を容易に点検・整備できる。また全ての網戸104を取外せば、網戸104とともに電磁シールド材10が除去され、比較的見栄えの良い導電性枠部材102のみがサーバコンピュータ103の周囲に残留するので、サーバコンピュータ103周囲の景観は損なわれない。上記以外の動作は第の実施の形態の窓用扉構造の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0053】
なお、上記第及び第の実施の形態では、電磁波シールド材をシールドルームの導電性網戸構造に適用したが、導電性網戸ではなく金属板、導電性シート又は導電性スクリーンでもよい。
また、上記第の実施の形態では、コンピュータ室内に設置されたサーバコンピュータを挙げたが、会議室又はその他の部屋に設置されたコンピュータや測定器等の機器でもよい。
【0054】
図18〜図21は本発明の第の実施の形態を示す。図21において図9と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、上記第1の実施の形態の電磁波シールド材10をシールドルーム61のロールスクリーン構造に適用した例を示す。シールドルーム61の骨組みを構成する導電性枠部材62(例えば、ステンレス鋼製又はアルミニウム合金製)には、シールドルーム61の形状を決定する導電性枠部材(図示せず)に加えて、窓枠となる導電性枠部材62も含まれ、本実施の形態における導電性枠部材62は窓枠となる導電性枠部材である。この導電性枠部材62の上縁には、導電性を有するロールスクリーン124が繰出し可能に巻取られ、ロールスクリーン124の繰出し時にロールスクリーン124が導電性枠部材62の通孔62aを閉止するように構成される。
【0055】
具体的には、導電性枠部材124の上枠には角筒体126が設けられ、この角筒体126内にはロールスクリーン124を巻取った状態で収容する円筒体127が枢着される(図18)。ロールスクリーン124は、銅線、ステンレス鋼線、アルミニウム線、亜鉛鋼線等の導電性材料により網状に形成されるか或いは導電性繊維を用いた織布又は不織布により形成された導電性網部材124aと、この導電性網部材124aの下縁に水平方向に延びて設けられた水平フレーム124bと、この水平フレーム124bの固着された取っ手124c(図20及び図21)とを有する。また導電性枠部材122には、上記ロールスクリーン124の繰出し時にロールスクリーン124の周縁を両面から挟むように一対の導電性フランジ部122b,122bがそれぞれ設けられる。これらの導電性フランジ部122b,122bの互いに対向する面には、上記第1の実施の形態の電磁波シールド材10,10が第2導電性接着剤層を介してそれぞれ接着される。なお、図示しないが下側の導電性フランジ部122bに接着された電磁波シールド材は、ロールスクリーン124により通孔62aを閉止したときに上記水平フレーム124bの両面に当接する。上記以外は第の実施の形態の窓用扉構造と同一に構成される。
【0056】
このように構成されたロールスクリーン構造の動作を説明する。
ロールスクリーン124を繰出して通孔62aを閉止すると、ロールスクリーン124の周縁が一対の電磁波シールド材10,10の導電性突起物13、13の先端部に当接する。これにより導電性突起物13,13は導電性枠部材122,122の形状に合わせて容易に変形するので、ロールスクリーン124を一対の導電性枠部材122,122に電気的に接続できる。
【0057】
この状態でシールドルーム61外方からシールドルーム61に向って電磁波が到来したり、或いはシールドルーム61内の測定機器等が電磁波を発生すると、大部分の電磁波はシールドルーム61の壁63等に貼付されたシールド層や導電性網部材124aなどにより反射される。またロールスクリーン124と導電性枠部材122との間の隙間に侵入した電磁波は導電性突起物13で反射されるけれども、この導電性突起物13で反射されずにこの導電性突起物13に吸収された電磁波は、両方の導電性突起物13や、これらの突起物13に電気的に接続された導電性金属箔、導電性枠部材122及びロールスクリーン124等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、導電性突起物13に吸収された電磁波がロールスクリーン124及び導電性枠部材122の隙間からシールドルーム61内に侵入することはなく、或いはシールドルーム61外に漏洩することはない。
【0058】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1及び図2に示すように、基布12と、ポリエステル繊維からなる基布12の表面に立設された導電性繊維(ポリエステル繊維にニッケルをコートした繊維)によって形成される導電性突起物13と、導電性突起物31と導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材14とを備えた電磁波シールド材10を作製した。基布には導電性塗料を塗布し乾燥してバックコーティング層17を形成した。導電性塗料としては、平均粒径が3μmであるニッケル粉末を混合した導電性エマルジョン型塗料を用いた。
【0059】
また上記接続部材14は、基布12の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層21と、基布12に第1導電性接着剤層21を介して接着された導電性金属箔23と、この金属箔23の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層22とにより構成した。導電性接着剤としては、平均粒径が2μmである銅粉末を混合した導電性溶剤型接着剤を用いた。導電性金属箔23としては、厚さ100μmの銅箔を用いた。この電磁波シールド材10を実施例1とした。
<比較例1>
導電性金属箔を用いなかったことを除いて、実施例1と同様にして電磁波シールド材を作製した。この電磁波シールド材を比較例1とした。
【0060】
<比較試験1及び評価>
縦×横×高さがそれぞれ4.5m×6.5m×2.4mであるシールドルームに、縦×横が900mm×600mmの窓枠となる導電性枠部材を設け、この導電性枠部材の側縁に導電性を有する窓用扉をピンを介して枢着した。また窓用扉の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材に導電性フランジ部を設けた。更に窓用扉の閉止面の周縁に対向する導電性フランジ部に、実施例1及び比較例1の電磁波シールド材を順に第2導電性接着剤層を介して接着して次の測定を行った。
【0061】
具体的には、先ずシールドルーム内で発信器から所定の周波数の電磁波を放射し、窓用扉を開いて通孔を開放した状態で、シールドルーム外で110dBμVとなるように上記発信器の出力を調整した。次に窓用扉により通孔を閉止して、発信器から上記所定の電磁波を放射し、シールドルーム外に漏洩する電界強度を測定した。そして上記電界強度の差をシールド性能としてdBで表した。上記所定の周波数を200MHz、500MHz、800MHz及び1GHzと順次変えて測定した結果を表1に示す。
【0062】
<比較試験2及び評価>
上記と同一のシールドルームの導電性枠部材の上縁に導電性ロールスクリーンを繰出し可能に巻取った。またロールスクリーンの繰出し時にこのロールスクリーンの周縁を両面から挟むように一対の導電性フランジ部を導電性枠部材に設け、これらの導電性フランジ部の互いに対向する面に実施例1の電磁波シールド材を順に第2導電性接着剤層を介してそれぞれ接着して次の測定を行った。
【0063】
先ずシールドルーム内で発信器から所定の周波数の電磁波を放射し、ロールスクリーンを巻取って通孔を開放した状態で、シールドルーム外で110dBμVとなるように上記発信器の出力を調整した。次にロールスクリーンを繰出して通孔を閉止し、発信器から上記所定の周波数の電磁波を放射し、シールドルーム外に漏洩する電界強度を測定した。そして上記電界強度の差をシールド性能としてdBで表した。上記所定の周波数を200MHz、500MHz、800MHz及び1GHzと順次変えて測定した結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0004272435
表1から明らかなように、比較例1の窓用扉では、シールド性能が23〜38dBと低かったのに対し、実施例1の窓用扉では、シールド性能が50〜55dBと高くなった。また実施例1のロールスクリーンでは、シールド性能が62〜72dBと実施例1の窓用扉より更に高くなった。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、閉止部材の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材に導電性フランジ部を設け、閉止部材の閉止面の周縁に対向する導電性フランジ部に上記電磁波シールド材を第2導電性接着剤層を介して接着したので、閉止部材による通孔の閉止時に閉止部材の周縁が電磁波シールド材の導電性突起物に当接し、この導電性突起物は導電性枠部材の形状に合わせて容易に変形する。この結果、締付機構等の特別な機構を用いなくても閉止部材を導電性枠部材に電気的に接続できるとともに、電磁波シールド材の施工性を向上できる。また導電性突起物で反射されずにこの導電性突起物に吸収された電磁波は、上記導電性突起物や、この突起物に電気的に接続された導電性金属箔、導電性枠部材及び窓用扉等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、導電性突起物に吸収された電磁波の閉止部材及び導電性枠部材間への侵入を阻止できる。
【0066】
またシート材である基布のたて方向に複数本の導電性パイル糸を割り込ませて織り上げてパイル糸をカットすることにより、導電性突起物を基布の表面に突出して形成すれば、導電性突起物は基布から容易に脱落しない。この結果、電磁波シールド材の耐久性を向上できる。
また基布のたて糸及びよこ糸間に浸透するように導電性塗料を基布に塗布し乾燥することによりバックコーティング層を形成すれば、導電性突起物の基部がバックコーティング層により基布に固定されるので、導電性突起物が基布から更に脱落し難くなる。
また帯状の基布の幅方向中央部、右側部及び左側部の少なくとも一部に導電性パイル糸を割り込ますことのない無突起物表面を基布の長さ方向に形成すれば、導電性突起物の先端にドアなどが当接しても、導電性突起物の接触密度が局所的に過密になるのを無突起物表面が阻止するので、導電性突起物の倒れなどの塑性変形を防止できる。
【0067】
また閉止部材の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材に導電性フランジ部を設け、閉止部材の閉止面の周縁に上記電磁波シールド材を第2導電性接着剤層を介して接着すれば、閉止部材による通孔の閉止時に電磁波シールド材の導電性突起物が導電性フランジ部に当接し、導電性フランジ部の形状に合わせて容易に変形するので、締付機構等の特別な機構を用いなくても閉止部材を導電性枠部材に電気的に接続できるとともに、電磁波シールド材の施工性を向上できる。また導電性突起物で反射されずにこの導電性突起物に吸収された電磁波は、上記導電性突起物や、この突起物に電気的に接続された導電性金属箔、導電性枠部材及び窓用扉等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、導電性突起物に吸収された電磁波の閉止部材及び導電性枠部材間への侵入を阻止できる。
【0068】
また閉止部材の閉止面の周縁に対向するように導電性枠部材に導電性フランジ部を設け、閉止部材の閉止面の周縁に対向する導電性フランジ部に上記電磁波シールド材を第2導電性接着剤層を介して接着し、閉止部材の閉止面の周縁に上記電磁波シールド材を第2導電性接着剤層を介して接着すれば、閉止部材による通孔の閉止時に双方の電磁波シールド材の導電性突起物が互いに当接するので、締付機構等の特別な機構を用いなくても閉止部材を導電性枠部材に電気的に接続できるとともに、電磁波シールド材の施工性を向上できる。また上記導電性突起物で反射されずにこれらの導電性突起物に吸収された電磁波は、両方の導電性突起物や、これらの突起物に電気的に接続された導電性金属箔、導電性枠部材及び窓用扉等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、導電性突起物に吸収された電磁波の閉止部材及び導電性枠部材間への侵入を阻止できる。
【0069】
またロールスクリーンの繰出し時にロールスクリーンの周縁を両面から挟むように一対の導電性フランジ部を導電性枠部材に設け、一対の導電性フランジ部の互いに対向する面に上記電磁波シールド材を第2導電性接着剤層を介してそれぞれ接着すれば、ロールスクリーンの繰出し時にロールスクリーンの周縁の両面が電磁波シールド材の導電性突起物にそれぞれ当接し、これらの導電性突起物はロールスクリーンの周縁の形状に合わせて容易に変形するので、締付機構等の特別な機構を用いなくてもロールスクリーンを導電性枠部材に電気的に接続できる。更に導電性突起物で反射されずにこの導電性突起物に吸収された電磁波は、一対の導電性突起物や、これらの突起物に電気的に接続された一対の導電性金属箔、導電性枠部材及びロールスクリーン等における内部ロスで消滅するか、或いはこれらの表面で反射して戻る。この結果、導電性突起物に吸収された電磁波のロールスクリーン及び導電性枠部材間への侵入を阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の窓用扉構造に用いられる電磁波シールド材を示す図2のA−A線断面図。
【図2】その電磁波シールド材の要部斜視図。
【図3】導電性パイル糸をカットしている状態を示す説明図。
【図4】別の電磁波シールド材を示す図4のB−B線断面図。
【図5】その電磁波シールド材の要部斜視図。
【図6】上記電磁波シールド材を用いた窓用扉構造を示す図9のC−C線断面図。
【図7】図6のD部拡大断面図。
【図8】図6のE部拡大断面図。
【図9】その窓用扉を含む要部斜視図。
【図10】本発明の第実施形態を示す図7に対応する断面図。
【図11】本発明の第実施形態を示す図7に対応する断面図。
【図12】本発明の第実施形態を示す図7に対応する断面図。
【図13】本発明の第実施形態を示す図14のF−F線断面図。
【図14】導電性網戸を導電性枠部材に嵌め込んだ状態をシールドルーム内から見た図。
【図15】本発明の第実施形態の導電性網戸を導電性枠部材に嵌め込んだ状態を示す図17のG−G線断面図。
【図16】その導電性網戸を導電性枠部材から取外した状態を示す図15に対応する断面図。
【図17】その導電性網戸及び導電性枠部材の分解斜視図。
【図18】本発明の第実施形態を示す図21のH−H線断面図。
【図19】図21のI−I線断面図。
【図20】図21のJ−J線断面図。
【図21】ロールスクリーンを途中まで繰出して導電性枠部材の通孔のほぼ半分を閉止した状態をシールドルーム内から見た図。
【符号の説明】
10,40 電磁波シールド材
12 基布(シート材)
12a たて糸
13 導電性突起物
14 接続部材
16 導電性パイル糸
17 バックコーティング層
21 第1導電性接着剤層
22 第2導電性接着剤層
23 導電性金属箔
41 第1無突起物表面
42 第2無突起物表面
43 第3無突起物表面
61,101 シールドルーム
62,82,102,122 導電性枠部材
62c,82a,102d,102e,122a 通孔
62d,82b,102f,122b 導電性フランジ部
64 窓用扉(ドア,閉止部材)
66 ピン
84,104 導電性網戸(閉止部材)
124 ロールスクリーン(閉止部材)

Claims (11)

  1. シールドルーム (61) の骨組を構成する導電性枠部材 (62,82) の通孔 (62c,82a) に、この通孔 (62c,82a) を閉止可能な閉止部材 (64,84) が設けられた閉止部材構造において、
    前記閉止部材 (64,84) の閉止面の周縁に対向するように前記導電性枠部材 (62,82) に導電性フランジ部 (62d,82b) が設けられ、
    前記閉止部材 (64,84) の閉止面の周縁に対向する前記導電性フランジ部 (62d,82b) に電磁波シールド材 (10) が第2導電性接着剤層 (22) を介して接着され、
    前記閉止部材 (64,84) による前記通孔 (62c,82a) の閉止時に前記閉止部材 (64,84) の周縁が前記電磁波シールド材 (10) の導電性突起物 (13) に当接するように構成され、
    前記電磁波シールド材 (10) が、前記導電性枠部材の表面に配設されるシート材(12)と、前記シート材(12)の表面に立設された導電性繊維によって形成される導電性突起物(13)と、前記導電性突起物(13)と前記導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材(14)とを備え、
    前記シート材(12)が、たて糸(12a)とよこ糸を織り上げて作られたて方向を長さ方向とする帯状の基布であり、
    前記導電性突起物(13)が、前記基布(12)のたて方向に複数本の導電性パイル糸(16)を割り込ませて織り上げて前記パイル糸(16)をカットすることにより前記基布(12)の表面に突出して形成され、
    前記接続部材(14)が、前記基布(12)の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層(21)と、前記基布(12)に前記第1導電性接着剤層(21)を介して接着された導電性金属箔(23)と、前記金属箔(23)の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層(22)とにより構成された
    ことを特徴とする電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
  2. シールドルーム (61,101) の骨組を構成する導電性枠部材 (62, 102) の通孔 (62c,102d,102e) に、この通孔 (62c,102d,102e) を閉止可能な係止部材 (64,104) が設けられた閉止部材構造において、
    前記閉止部材 (64,104) の閉止面の周縁に対向するように前記導電性枠部材 (62,102) に導電性フランジ部 (62d,102f) が設けられ、
    前記閉止部材 (64,104) の閉止面の周縁に電磁波シールド材 (10) が第2導電性接着剤層 (22) を介して接着され、
    前記閉止部材 (64,104) による前記通孔 (62c,102d,102e) の閉止時に前記電磁波シールド材 (10) の導電性突起物 (13) が前記導電性フランジ部 (62d,102f) に当接するように構成され、
    前記電磁波シールド材 (10) が、前記導電性枠部材の表面に配設されるシート材 (12) と、前記シート材 (12) の表面に立設された導電性繊維によって形成される導電性突起物 (13) と、前記導電性突起物 (13) と前記導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材 (14) とを備え、
    前記シート材 (12) が、たて糸 (12a) とよこ糸を織り上げて作られたて方向を長さ方向とする帯状の基布であり、
    前記導電性突起物 (13) が、前記基布 (12) のたて方向に複数本の導電性パイル糸 (16) を割り込ませて織り上げて前記パイル糸 (16) をカットすることにより前記基布 (12) の表面に突出して形成され、
    前記接続部材 (14) が、前記基布 (12) の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層 (21) と、前記基布 (12) に前記第1導電性接着剤層 (21) を介して接着された導電性金属箔 (23) と、前記金属箔 (23) の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層 (22) とにより構成された
    ことを特徴とする電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
  3. シールドルームの骨組を構成する導電性枠部材 (62) の通孔 (62c) に、この通孔 (62c) を閉止可能な閉止部材 (64) が設けられた閉止部材構造において、
    前記閉止部材 (64) の閉止面の周縁に対向するように前記導電性枠部材 (62) に導電性フランジ部 (62d) が設けられ、
    前記閉止部材 (64) の閉止面の周縁に対向する前記導電性フランジ部 (62d) に電磁波シールド材 (10,10,40,40) が第2導電性接着剤層を介して接着され、
    前記閉止部材 (64) の閉止面の周縁に電磁波シールド材 (10,10,40,40) が第2導電性接着剤層を介して接着され、
    前記閉止部材 (64) による前記通孔 (62c) の閉止時に前記双方の電磁波シールド材 (10,10,40,40) の導電性突起物 (13) が互いに当接するように構成され、
    前記電磁波シールド材 (10,10,40,40) が、前記導電性枠部材の表面に配設されるシート材 (12) と、前記シート材 (12) の表面に立設された導電性繊維によって形成される導電性突起物 (13) と、前記導電性突起物 (13) と前記導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材 (14) とを備え、
    前記シート材 (12) が、たて糸 (12a) とよこ糸を織り上げて作られたて方向を長さ方向とする帯状の基布であり、
    前記導電性突起物 (13) が、前記基布 (12) のたて方向に複数本の導電性パイル糸 (16) を割り込ませて織り上げて前記パイル糸 (16) をカットすることにより前記基布 (12) の表面に突出して形成され、
    前記接続部材 (14) が、前記基布 (12) の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層 (21) と、前記基布 (12) に前記第1導電性接着剤層 (21) を介して接着された導電性金属箔 (23) と、前記金属箔 (23) の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層 (22) とにより構成された
    ことを特徴とする電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
  4. シールドルーム (61) の骨組を構成する導電性枠部材 (122) の通孔 (122a) に、この通孔 (122a) を閉止可能な閉止部材 (124) が設けられた閉止部材構造において、
    前記閉止部材 (124) が前記導電性枠部材 (122) の上縁に繰出し可能に巻取られる導電性ロールスクリーンであって、
    前記ロールスクリーン (124) の繰出し時に前記ロールスクリーン (124) の周縁を両面から挟むように一対の導電性フランジ部 (122b,122b) が前記導電性枠部材 (122) に設けられ、
    前記一対の導電性フランジ部 (122b,122b) の互いに対向する面に電磁波シールド材 (10,10) が第2導電性接着剤層を介してそれぞれ接着され、
    前記ロールスクリーン (124) の繰出し時に前記ロールスクリーン (124) の周縁の両面が前記電磁波シールド材 (10,10) の導電性突起物 (13,13) にそれぞれ当接するように構成され、
    前記電磁波シールド材 (10,10) が、前記導電性枠部材の表面に配設されるシート材 (12) と、前記シート材 (12) の表面に立設された導電性繊維によって形成される導電性突起物 (13) と、前記導電性突起物 (13) と前記導電性枠部材とを電気的に接続する接続部材 (14) とを備え、
    前記シート材 (12) が、たて糸 (12a) とよこ糸を織り上げて作られたて方向を長さ方向とする帯状の基布であり、
    前記導電性突起物 (13) が、前記基布 (12) のたて方向に複数本の導電性パイル糸 (16) を割り込ませて織り上げて前記パイル糸 (16) をカットすることにより前記基布 (12) の表面に突出して形成され、
    前記接続部材 (14) が、前記基布 (12) の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第1導電性接着剤層 (21) と、前記基布 (12) に前記第1導電性接着剤層 (21) を介して接着された導電性金属箔 (23) と、前記金属箔 (23) の裏面に導電性接着剤を塗布することにより形成された第2導電性接着剤層 (22) とにより構成された
    ことを特徴とする電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
  5. 基布(12)のたて糸(12a)及びよこ糸間に浸透するように導電性塗料を前記基布(12)に塗布して乾燥することによりバックコーティング層(17)が形成された請求項1ないし4いずれか1項に記載の電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
  6. 帯状の基布(12)の幅方向中央部、右側部及び左側部の少なくとも一部に導電性パイル糸を割り込ますことのない無突起物表面(41〜43)が前記基布(12)の長さ方向に形成された請求項1ないし4いずれか1項に記載の電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
  7. 帯状の基布(12)の全幅をw(mm)とし、突起物(13)の基布(12)表面からの高さをh(mm)とするとき、次の式(1)を満たす請求項1ないし4又は6いずれか1項に記載の電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
    3/25≦h/w≦25/25 … (1)
  8. 帯状の基布(12)の全幅をw(mm)とし、幅方向中央部の無突起物表面(41)の幅をp1(mm)とし、右側部の無突起物表面(42)の幅をp2(mm)とし、左側部の無突起物表面(43)の幅をp3(mm)するとき、次の式(2)を満たす請求項記載の電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
    5/25≦(p1+p2+p3)/w≦16/25 … (2)
    但し、式(2)においてp1>0、p2>0、p3>0である。
  9. 幅方向中央部の無突起物表面(41)の幅p1(mm)と右側部の無突起物表面(42)の幅をp2(mm)と左側部の無突起物表面(43)の幅p3(mm)とが次の式(3)を満たす請求項記載の電磁波シールド材を用いた閉止部材構造
    4/10≦(p2+p3)/p1≦30/10 … (3)
    但し、式(3)においてp2=p3>0、p1>0である。
  10. 閉止部材(64)が前記導電性枠部材(62)の側縁にピン(66)を介して枢着された導電性ドアであって、前記ドア(64)がピン(66)を中心に回動して通孔(62c)を開放可能に閉止するように構成された請求項1ないし3いずれか1項記載の電磁波シールド材を用いた閉止部材構造。
  11. 閉止部材(84,104)が前記導電性枠部材(82,102)に嵌め込まれた導電性網戸、金属板、導電性シート又は導電性スクリーンであって、前記導電性網戸(84,104)、金属板、導電性シート又は導電性スクリーンの嵌め込み時に前記通孔(84b,102d,102e)を閉止するように構成された請求項1ないし3いずれか1項記載の電磁波シールド材を用いた閉止部材構造。
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