JP2014192390A - 電磁波シールドルームの窓構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】窓側から外周側への電気的接合度が安定して高く、優れた電磁波シールド性能が確保できる電磁波シールドルームの窓構造。
【解決手段】中央の透明板2と両外側透明板3A,3Bとの間に導電性メッシュ5A,5Bが挟み込まれた光透過性電磁波シールド板1と、その外周に嵌合して電気的に接合される導電性金属製の窓枠とを備えた電磁波シールドルームの窓構造において、窓枠の嵌合部10は、透明板保持部11にて三枚の透明機材の外周端部を各導電性メッシュ構造の縁部6A,6Bがその延長方向に通過可能に保持し、該保持部を通過して延在する各導電性メッシュ構造の外周端領域を各々受け入れる凹部14A,14Bの内部にて該外周端領域が当接する当接壁面15A,15Bに対して表面に導電性を備えた弾性部材17により押圧挟持して窓枠に電気的に接続させる。
【選択図】図1
【解決手段】中央の透明板2と両外側透明板3A,3Bとの間に導電性メッシュ5A,5Bが挟み込まれた光透過性電磁波シールド板1と、その外周に嵌合して電気的に接合される導電性金属製の窓枠とを備えた電磁波シールドルームの窓構造において、窓枠の嵌合部10は、透明板保持部11にて三枚の透明機材の外周端部を各導電性メッシュ構造の縁部6A,6Bがその延長方向に通過可能に保持し、該保持部を通過して延在する各導電性メッシュ構造の外周端領域を各々受け入れる凹部14A,14Bの内部にて該外周端領域が当接する当接壁面15A,15Bに対して表面に導電性を備えた弾性部材17により押圧挟持して窓枠に電気的に接続させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばMRI検査室等に採用される電磁波シールドルームに設けられる透光性の窓構造に関するものである。
現在、各種電気・電子機器において、その電磁環境が他からの電磁干渉によって汚染されることなく、同時に他の電磁環境に干渉、妨害を生じるような不要な電磁波を放出することがないという電磁環境両立性、所謂EMC(Electromagnetic Compatibility)の対策は、その機器が正しく機能し、充分な性能を発揮するためには欠かせないものとなっている。
このようなEMC対策は、大型の医療機器においても同様に必要であることはいうまでもない。特に核磁気共鳴画像振動装置、所謂MRI装置は、磁場内に置かれた人体の水素原子核にある特定の高周波磁場で共鳴現象を生じせしめてエネルギーの吸収と放出を起こさせ、該水素原子核から放出されたエコー信号を捉えて画像化するものであり、非常に強力な磁界の発生源であると共に、正確な診断のための信号受信において電磁環境の汚染を防止しなければならないものである。
従って、MRI装置は、通常電磁波シールドルームで構築された検査室内に載置されている。この電磁波シールドルームの基本構成は、簡便なものとして、磁性板からなる電磁波シールドパネルを連結して室の側壁面、天井面、床面を形成するものが挙げられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
このような電磁波シールドパネルで囲まれることによって、MRI装置が周りを磁性体で囲まれ、その磁性体によって磁力線の通り道が確保されることによって、磁力線の外部からの侵入及び内部からの漏洩が遮断される。従って、各パネル同士は、磁力線の通り道が分断されることのないように連結されている。
なお、開閉ドアは、周囲の壁側磁性板とドアの磁性板との間に導電性部材を介在させることにより、ドア閉状態にて両磁性板間に電気的接続が実現され、磁力線の通り道が確保されている。電磁波シールドパネル材としては、鋼板性パネルを用いたものや、アルミニウム製又はアルミニウム合金製のパネルを用いて軽量化を図ったものもある。
このような電磁波シールドルームは、MRI検査時には密閉状態となるため、特に閉所恐怖症や小児の被験者には心的負担が大きく、検査が行えない場合もあった。また、被験者の状況を外部から観察することもできなかった。そこで、電磁波シールドルームに窓を設置することが望まれ、電磁波シールド機能を有する窓が開発されている。
電磁波シールド用の窓部材としては、ガラスや透明合成樹脂製の透明板を2枚重ねとしてこれらの間に電磁波シールド機能を付与するための金属線製メッシュが導電体シートとして挟み込まれた電磁遮蔽ガラス(特許文献3参照)が採用できる。この導電体シートは、2枚の透明板の外周端から縁部を突出させ、該縁部を一方の透明板の表面まで折り曲げた状態でこれを覆って導電性テープを両透明板を跨がって両表面に接着させると共に、該電磁遮蔽ガラスの外周に嵌合する窓枠に導電性部材を被覆し、該導電性部材被覆部と導電性テープとの間にチューブ状の導電性弾性部材を配置することにより、これら導電性テープと導電性弾性部材とを介して導電体シートを窓部周辺の壁面を構成する電磁シールドパネルが導通されている。
一方、MRI装置の電磁波シールドルーム用窓においては、窓を通して向こう側の状況が視認できるようにある程度の透明性が必要であるため、導電体シートにも、少なくとも50%の可視光透過率が求められる。しかも、同時に高い電磁波シールド性能、例えば30MHz〜150MHzの電磁波を100dB以上遮蔽する性能が要求されることもある。これを実現するためには、導電体シートを構成しているメッシュの繊維の径を細くすると共に、メッシュ密度を高めることが最も有効である。
しかし、金属線製メッシュでは、金属線を5μm以下の細径にまですると縒れが生じて直線性が得られ難く、メッシュの織り密度を100本/1インチ以上と高密度にすると製織性が悪くなってしまうため、織られたメッシュの光透過性は期待されたものより大幅に低くなってしまう。
一方、合成繊維又は天然繊維の外周に金属酸化膜を表面に有する導電性金属層を付与したものを製織した導電性メッシュ織物(特許文献4参照)、或いは、導電性金属層を付与した繊維を製織してなるメッシュ織物の表面に黒色導電性金属皮膜を形成した導電性メッシュ織物(特許文献5参照)が開発されている。
これらの導電性繊維メッシュは、既に20〜50μmもの繊維径および1インチ当たり最大300本の織り密度が実現されており、しかも表面に黒色層によるツヤ消しで光の反射、散乱が抑えられるものである。従って、このような導電性繊維メッシュを透明板間に挟み込む導電体シートとして用いることで、優れた電磁波シールド効果と良好な光透過性との双方を備えた電磁波シールド窓が実現できた。
しかしながら、上記の様な導電性繊維メッシュを用いて電磁波シールド窓を構成する場合でも、図4及び図5に示すように、導電性の窓枠Sとの嵌合部において、2枚のガラス(G1,G2)の間に挟み込まれた導電性繊維メッシュMは、導電性テープTとチューブ状導電性弾性部材Eを介して、窓外周の電磁波シールドパネルPと導通している窓枠Sに電気的に接続されていた。
しかし、このように、導電性繊維メッシュMと窓枠Sとの間の電気的接続を得るのに複数の導電性部材を介在させる構成では、その電気的接合度が不安定で、導電性の低下を招き、所望の電磁波シールド性能が得られなくなるおそれがある。
これは、特にチューブ状導電性弾性部材Eと窓枠Sとの接触部において、窓枠表面の微小な凹凸に対して電気的密着度にバラツキがあることが原因と考えられる。しかも、チューブ状導電性弾性部材Eとして、芯材が非導電性のシリコンチューブでその表面導電性SUS鋼ワイヤーを巻いた、所謂ワイヤーメッシュガスケットを使用すると、これにより余計なRLC回路が形成されて電気的な抵抗となってしまうことも考えられる。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、シンプルな構成でありながら、窓側から外周側への電気的接合度が従来よりも安定して高く、優れた電磁波シールド性能が良好に確保できる電磁波シールドルームの窓構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る電磁波シールドルームの窓構造は、一つの光透過性電磁波シールド板と、この光透過性電磁波シールド板の外周に嵌合すると共に、電磁波シールドルームの壁面を構成する電磁波シールドパネルに形成された開口部に嵌め込まれて該電磁波シールドパネルと電気的に接合される導電性金属製の窓枠と、を備えた電磁波シールドルームの窓構造において、
前記光透過性電磁波シールド板は、互いに重ね合わされた三枚の透明機材と、これらのうち中央の透明機材とその両表面にそれぞれ重ね合わされる外側透明機材との間に透明接着剤層を介して挟み込まれた第1と第2の導電性メッシュ構造とを備え、該第1と第2の導電性メッシュ構造は、三枚の透明機材より面積が大きく、これら三枚の透明機材の外周端から突出して外側に延びる縁部を全周に亘って各々有しており、
前記窓枠は、光透過性電磁波シールド板の外周部を保持する嵌合部を備え、該嵌合部は、前記三枚の透明機材の外周端部を前記第1と第2の導電性メッシュ構造の縁部をそれぞれその延長方向に通過可能に保持する透明機材保持部と、該透明機材保持部を通過して延在する前記第1と第2の導電性メッシュ構造の縁部の各外周端領域を受け入れる二つの凹部とを一体的に有し、
該二つの凹部は、それぞれ内部に受け入れた対応する導電性メッシュ構造の外周端領域に当接する当接壁面と、該当接壁面に対して前記導電性メッシュ構造の外周端領域を押圧挟持して該導電性メッシュ構造を窓枠に電気的に接続させる少なくとも表面に導電性を備えた弾性部材と、を有することを特徴とするものである。
前記光透過性電磁波シールド板は、互いに重ね合わされた三枚の透明機材と、これらのうち中央の透明機材とその両表面にそれぞれ重ね合わされる外側透明機材との間に透明接着剤層を介して挟み込まれた第1と第2の導電性メッシュ構造とを備え、該第1と第2の導電性メッシュ構造は、三枚の透明機材より面積が大きく、これら三枚の透明機材の外周端から突出して外側に延びる縁部を全周に亘って各々有しており、
前記窓枠は、光透過性電磁波シールド板の外周部を保持する嵌合部を備え、該嵌合部は、前記三枚の透明機材の外周端部を前記第1と第2の導電性メッシュ構造の縁部をそれぞれその延長方向に通過可能に保持する透明機材保持部と、該透明機材保持部を通過して延在する前記第1と第2の導電性メッシュ構造の縁部の各外周端領域を受け入れる二つの凹部とを一体的に有し、
該二つの凹部は、それぞれ内部に受け入れた対応する導電性メッシュ構造の外周端領域に当接する当接壁面と、該当接壁面に対して前記導電性メッシュ構造の外周端領域を押圧挟持して該導電性メッシュ構造を窓枠に電気的に接続させる少なくとも表面に導電性を備えた弾性部材と、を有することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明に係る電磁波シールドルームの窓構造は、請求項1に記載の電磁波シールドルームの窓構造において、前記弾性部材は、銅又は銅合金からなるフィンガーストリップであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係る電磁波シールドルームの窓構造は、請求項1又は2に記載の電磁波シールドルームの窓構造において、前記接着剤層は、ポリビニルブチラール樹脂からなることを特徴とするものである。
本発明の電磁波シールドルームの窓構造によれば、光透過性電磁波シールド板と窓枠との嵌合部で余計なRLC回路が形成されることなくシンプルな回路で光透過性電磁波シールド板から延在する導電性メッシュ構造が直接的に窓枠に電気的に接合されるため、高い電気的接合度が安定して実現され、窓側から外周側への導電性の低下もなく、優れた電磁波シールド性能が良好に確保できるという効果がある。しかも、一つの光透過性電磁波シールド板による薄型軽量タイプとして一対の光透過性電磁波シールド板からなる二重窓構造の場合と同等の電磁波シールド性能を実現可能としたものである。
本発明の電磁波シールドルームの窓構造においては、一つの光透過性電磁波シールド板と、この光透過性電磁波シールド板の外周に嵌合すると共に、電磁波シールドルームの壁面を構成する電磁波シールドパネルに形成された開口部に嵌め込まれて該電磁波シールドパネルと電気的に接合される導電性金属製の窓枠と、を備えた電磁波シールドルームの窓構造であり、光透過性電磁波シールド板が、三枚の透明機材が重ね合わされ、中央の透明機材とその両表面の外側透明機材との間に透明接着剤層を介してそれぞれ第1と第2導電性メッシュ構造を挟み込んで構成されるものであり、該第1と第2の導電性メッシュ構造の面積を三枚の透明機材より大きくしこれら透明機材に挟まれた状態での各縁部が全周に亘って三枚の透明機材の外周端から突出して外側に延びるものである。そして、窓枠に備えられた嵌合部によって、光透過性電磁波シールド板の外周部が保持されるものである。
さらに該嵌合部は、第1と第2の導電性メッシュ構造の各縁部をその延長方向に通過させた状態で三枚の透明機材の外周端部を保持する透明機材保持部と、該透明機材保持部を通過して延在する第1と第2の導電性メッシュ構造の各縁部の外周端領域を受け入れる二つの凹部とを一体的に有し、各凹部に設けられた当接壁面に凹部内に受け入れた対応する導電性メッシュ構造の外周端領域が当接され、該当接壁面に対して、少なくとも表面に導電性を備えた弾性部材でその導電性メッシュ構造の外周端領域を押圧挟持することによって該導電性メッシュ構造を窓枠に電気的に接続させるものである。
従って、以上の構成を備えた窓構造においては、各導電性メッシュ構造は、三枚の透明機材から外側に突出する縁部の外周部が、直接窓枠に電気的に接続されるものであり、従来のようにガラス表面に沿って折り曲げられた状態で導電性テープ及びチューブ状の導電性弾性体を介して窓枠に電気的接合がなされる際のチューブ状導電性弾性部材の電気的密着度のバラツキや、電気的抵抗となり得る余分なRLC回路を形成することもないため、従来よりも、導電性メッシュ構造と窓枠との安定した高い電気的接合度が得られる。
このようなシンプルな電気的接合部の回路により、窓側から外周壁側の電磁波シールドパネルへの導電性の低下もなく、窓付きの電磁波シールドルームとして、優れた電磁波シールド性能が良好に確保できる。しかも、本発明の窓構造においては、一つの光透過性電磁波シールド板からなる薄型軽量タイプの一重窓構造でありながらも二枚の導電性メッシュ構造を備えたものであるため、一対の光透過性電磁波シールド板からなる二重窓構造の場合と同等の電磁波シールド性能を実現可能とした。
なお、本発明において、各導電性メッシュ構造の外周端領域を窓枠嵌合部の凹部の当接壁面に対して押圧挟持するための弾性部材としては、少なくとも表面に導電性を有するものであればよいが、導電性部材から形成されたものであっても良い。例えば、前者としては、ポリウレタンフォームのスポンジ材、合成樹脂、合成ゴム等のゴム質弾性体など、非導電性で弾性を有する基材の外表面にワイヤーメッシュを被覆したものが挙げられる。
後者としては、従来から各種電気・電子機器のEMC対策で、シールドフィンガーとして機器筐体の隙間等に配置される銅又は銅合金製のフィンガーストリップが挙げられる。フィンガーストリップは、その板バネとしての弾性に優れると共に高い強度を備えたものが各種市販されており、そのなかで特にクリップオンタイプのものが装着が簡便で望ましい。
また、三枚の透明機材には、ガラス板や透明合成樹脂製の板、フィルム、シート等が採用可能である。さらに三枚の透明機材の間で導電性メッシュ構造を固定するための接着層を成す接着剤としては、透明性と共に高い強度のものが望まれる。各種合成樹脂系接着剤が対応可能であるが、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂の接着剤は、高い透明性と耐光性および耐衝撃性から安全ガラスの中間膜にも使用されていることから、本発明においても最も好ましい接着剤の一つである。
また、導電性メッシュ構造としては、導電性繊維をメッシュ状に製織した導電性繊維メッシュや、導電性シート、フィルムをメッシュ状に打ち抜いたものなどが採用できるが、窓の向こう側が目視できる窓機能を確保するため、可視光の透過率が50%以上のものが望ましい。本発明の場合、二枚重ねでこの光透過率を得られるものがさらに望ましい。加えて、MRI装置に対応した電磁波シールド機能を確保すべく、繊維が5μm以下の細径で織り密度が100本/1インチ以上の高密度のメッシュが望ましい。これは、例えば前述の特許文献4及び5に開示されているものが対応する。
本発明の第1の実施例として、導電性メッシュ構造に導電性繊維メッシュを、透明機材にガラスまたは合成樹脂製の透明板を用いた電磁波シールドルームの窓構造を以下に示す。図1は、本実施例による窓構造の部分縦断面図である。本実施例では、一つの光透過性電磁波シールド板1が、アルミニウム合金等の導電性金属性の窓枠S1に嵌合され、該窓枠S1がアルミ合金製等の導電性板からなる電磁シールドパネルPに形成された開口部に嵌め込まれるものである。この嵌め込まれ部としては、窓枠S1の外周部と電磁シールドパネルPの開口部内周部とが導電性連結金具30で連結されている。
光透過性電磁波シールド板1は、同一面積の三枚の透明板が重ね合わされるものであり、中央の透明板2の両表面にそれぞれ外側透明板(3A,3B)が重ねられるが、中央の透明板2と各外側透明板(3A,3B)との間に、PVB接着剤から成る透明接着剤層(4A,4B)を介してそれぞれ第1の導電性繊維メッシュ5Aと第2の導電性繊維メッシュ5Bとが挟み込まれている。この第1と第2の導電性繊維メッシュ(5A,5B)は、三枚の透明板(2,3A,3B)より面積が大きく、これら透明板の外周端から突出する縁部(6A,6B)がそれぞれ全周に亘って外側に延在している。
窓枠S1は、光透過性電磁波シールド板1の外周部を保持する嵌合部10を備えている。この嵌合部は10は、三枚の透明板の外周端部を、その間のゴムブロックやセッティングブロック13等を介して保持する透明板保持部11を備えており、該透明板保持部11は、その保持の際に第1と第2の導電性繊維メッシュの縁部(6A,6B)を延長方向にそれぞれ通過させる二つの通過部(12A,12B)を備えた形態を持つものである。さらに嵌合部10には、透明板保持部11の前記通過部(12A,12B)をそれぞれ通過して延在する第1と第2の導電性繊維メッシュの各縁部(6A,6B)の外周端領域を受け入れる二つの凹部(14A,14B)を対称構造で備えている。
二つの凹部(14A,14B)は、窓枠S1の連結部側から互いに略平行に立設された2組の突壁(15Aと16A,15Bと16B)で形成され、一方の突壁(15A,15B)が、第1と第2の導電性繊維メッシュの各縁部(6A,6B)の外周端領域が当接する当接壁面を構成している。各凹部(14A,14B)の内部には、図2に斜視図で示す形態を備えた銅合金フィンガーストリップ(17A,17B)が配置されており、その板バネを構成する屈曲部19により、各導電性繊維メッシュ縁部(6A,6B)の外周端領域を当接壁面(15A,15B)に対して押圧し、挟持状態を形成している。
ここで配置されている銅合金フィンガーストリップ(17A,17B)は、クリップオンタイプであり、端部のクリップ18が他方の突壁(16A,16B)の上端部を挟持することで掛止されている。以上のように、第1と第2の導電性繊維メッシュ(5A,5B)は、その縁部(6A,6B)の外周端領域が当接壁面(15A,15B)に対して銅合金フィンガーストリップ(17A,17B)で押し付けられることで窓枠S1に電気的に接続されている。
このような第1と第2の導電性繊維メッシュ(5A,5B)と窓枠S1との電気的接続は、従来のような導電性テープ及びチューブ状導電性弾性部材を介することなく直接的に実現されているため、電気的抵抗となり得る余計なRLC回路が形成されることも、チューブ状導電性弾性部材による密着度のバラツキもなく、電気的接合度が高く安定であるため、窓側から電磁波シールドパネルPへの導電性の低下を招く虞もなく、電磁波シールドルームにおける所望のシールド機能を損なう原因となることはない。
以上の第1の実施例では、各導電性繊維メッシュ縁部の外周端領域を窓枠嵌合部の突壁に対して当接状態で押圧挟持させる弾性部材として、銅合金フィンガーストリップを用いた場合を示したが、本発明ではこれに限定されるものではなく、他の弾性部材であっても、少なくともその表面に導電性を有するものであれば採用可能である。
図3には、別の弾性部材として、ウレタンフォームからなる非導電性のスポンジ材の外周面にワイヤーメッシュを被覆してなる表面導電性弾性部材25が配置されてなる窓枠構造の部分概略縦断面図を本発明の第2の実施例として示した。
本実施例における光透過性電磁シールド板1は第1の実施例と共通の構成を有するものである。即ち、同一面積の三枚の透明板が重ね合わされるものであり、中央の透明板2とその両表面にそれぞれ重ねられる外側透明板(3A,3B)との間に、PVB接着剤から成る透明接着剤層(4A,4B)を介して第1と第2の導電性繊維メッシュ(5A,5B)が挟み込まれており、これら第1と第2の導電性繊維メッシュ(5A,5B)は三枚の透明板より面積が大きく、三枚の透明板の外周端から突出する縁部(6A,6B)が全周に亘ってそれぞれ外側に延在している。
窓枠S2の嵌合部20も、第1の実施例と同様に、三枚の透明板の外周端部を、その間のゴムブロックやセッティングブロック等13を介して保持する透明板保持部21を備えており、該透明板保持部21は、その保持の際に第1と第2の導電性繊維メッシュの各縁部(6A,6B)を延長方向に通過させる通過部(12A,12B)を備えた形態を持っている。
さらに嵌合部20は、透明板保持部21の前記通過部(12A,12B)を通過して延在する導電性繊維メッシュの各縁部(6A,6B)の外周端領域を受け入れる二つの凹部(22A,22B)を対称構造で有している。この二つの凹部(22A,22B)は、窓枠S2の導電性連結金具30側の底面から一体的に互いに略平行に所定間隔で突設された凸部同士の壁面、即ち、中央寄りの壁面(23A,23B)とこれらに対向する外寄りの壁面(24A,24B)とで形成されており、中央寄りの壁面(23A,23B)に対して、各導電性繊維メッシュ縁部(6A,6B)の外周端領域が当接した状態で表面導電性弾性部材25によって押圧挟持される。
本実施例においても、第1と第2の導電性繊維メッシュ(5A,5B)と窓枠S2とは、それぞれ余計のRLC回路等が介在することなく直接的に高い電気的接合度が得られ、窓側から電磁波シールドパネルP側への安定した導電性が確保される。
S,S1,S2:窓枠
1:光透過性電磁波シールド板
2,3A,3B:透明板
4A,4B:透明接着剤層
5A:第1の導電性繊維メッシュ
5B:第2の導電性繊維メッシュ
6A,6B:導電性繊維メッシュの縁部
10,20:嵌合部
11,21:透明板保持部
12A,12B:通過部
13:ゴムブロック、セッティングブロック
14A,14B,22A,22B:凹部
15A,15B:突壁(当接壁面)
16A,16B:突壁
17,17A,17B:銅合金フィンガーストリップ
18:クリップ
19:屈曲部(板バネ)
23A,23B:凹部の中央寄り壁面
24A,24B:凹部の外寄り壁面
25:表面導電性弾性部材
30:導電性連結金具
M:導電性繊維メッシュ
G1,G2:ガラス
T:導電性テープ
E:チューブ状導電性弾性体
P:電磁波シールドパネル
1:光透過性電磁波シールド板
2,3A,3B:透明板
4A,4B:透明接着剤層
5A:第1の導電性繊維メッシュ
5B:第2の導電性繊維メッシュ
6A,6B:導電性繊維メッシュの縁部
10,20:嵌合部
11,21:透明板保持部
12A,12B:通過部
13:ゴムブロック、セッティングブロック
14A,14B,22A,22B:凹部
15A,15B:突壁(当接壁面)
16A,16B:突壁
17,17A,17B:銅合金フィンガーストリップ
18:クリップ
19:屈曲部(板バネ)
23A,23B:凹部の中央寄り壁面
24A,24B:凹部の外寄り壁面
25:表面導電性弾性部材
30:導電性連結金具
M:導電性繊維メッシュ
G1,G2:ガラス
T:導電性テープ
E:チューブ状導電性弾性体
P:電磁波シールドパネル
Claims (3)
- 一つの光透過性電磁波シールド板と、この光透過性電磁波シールド板の外周に嵌合すると共に、電磁波シールドルームの壁面を構成する電磁波シールドパネルに形成された開口部に嵌め込まれて該電磁波シールドパネルと電気的に接合される導電性金属製の窓枠と、を備えた電磁波シールドルームの窓構造において、
前記光透過性電磁波シールド板は、互いに重ね合わされた三枚の透明機材と、これらのうち中央の透明機材とその両表面にそれぞれ重ね合わされる外側透明機材との間に透明接着剤層を介して挟み込まれた第1と第2の導電性メッシュ構造とを備え、該第1と第2の導電性メッシュ構造は、三枚の透明機材より面積が大きく、これら三枚の透明機材の外周端から突出して外側に延びる縁部を全周に亘って各々有しており、
前記窓枠は、前記光透過性電磁波シールド板の外周部を保持する嵌合部を備え、該嵌合部は、前記三枚の透明機材の外周端部を前記第1と第2の導電性メッシュ構造の縁部をそれぞれその延長方向に通過可能に保持する透明機材保持部と、該透明機材保持部を通過して延在する前記第1と第2の導電性メッシュ構造の縁部の各外周端領域を受け入れる二つの凹部とを一体的に有し、
該二つの凹部は、それぞれ内部に受け入れた対応する導電性メッシュ構造の外周端領域に当接する当接壁面と、該当接壁面に対して前記導電性メッシュ構造の外周端領域を押圧挟持して該導電性メッシュ構造を窓枠に電気的に接続させる少なくとも表面に導電性を備えた弾性部材と、を有することを特徴とする電磁波シールドルームの窓構造。 - 前記弾性部材は、銅又は銅合金からなるフィンガーストリップであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールドルームの窓構造。
- 前記接着剤層は、ポリビニルブチラール樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波シールドルームの窓構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013067494A JP2014192390A (ja) | 2013-03-27 | 2013-03-27 | 電磁波シールドルームの窓構造 |
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