JP5332342B2 - 基地局装置 - Google Patents
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このため、移動端末の基地局間移動をスムーズに行うには、隣接する基地局間で、送信タイミング及び搬送波周波数が揃っている基地局間同期が確保されている必要がある。
ここで、基地局間同期のための技術としては、例えば、下記特許文献1記載のものがある。
しかし、GPS信号を利用して同期をとる場合、各基地局装置が、GPS受信機を備える必要があり、大型化・コストアップを招く。また、室内等のGPS信号を受信できない環境に設置される基地局装置の場合、基地局間同期をとることが不可能になる。
この場合、移動端末との通信を行う周波数と同じ周波数を用いた無線通信で同期をとれるので、GPS信号を受信する場合のGPS受信機のように同期用の特別な受信系が必要ない。このため、基地局の小型化・コストダウンを図ることができ、室内等に設置される小型の基地局として適したものとなる。
そこで、例えば、アダプティブアレイアンテナシステム等を用いて適切な指向性を有する受信ビームを形成し、当該基地局のアンテナの指向性を隣接する他の基地局に向けることで、干渉波等の影響を小さくし、受信波の受信品質を高めることが考えられる。
これに対して、上記のように移動端末との間で通信するために他の基地局が発している同期信号を受信しようとする場合には、他の基地局との間で同期がとれていない可能性もあり、他の基地局との間の伝搬特性等が把握できない。このため、他の基地局からの受信波の到来方向が推定できず、適正な受信ビームを形成することが困難である。その結果、従来は、同期信号を精度良く検出することが困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、基地局間同期の際に、他の基地局装置から送信された同期信号波を精度良く検出することができる基地局装置を提供することを目的とする。
また、前記検出部は、前記複数のビームパターンによって得られた複数の受信波それぞれについて、前記同期信号波に対応する信号波形との相関値を演算して、前記同期信号波を検出し、前記選択部は、前記相関値に基づいて、前記一の受信波を選択するので、一の受信波を選択するにあたって、複数の受信ビームパターンそれぞれで受信される受信波ごとの相関値を互いに比較することができるので、一の受信波を容易に特定することができる。
この場合、選択部は、同期信号波がより精度よく検出された受信波を選択することができる。
各基地局装置BS1,BS2は、それぞれがカバーするエリア(セル)E1,E2内にある移動端末MSとの間で通信が可能である。
プリアンブルは、基地局装置が移動端末に向けて送信する既知信号である。ダウンリンクサブフレームは、基地局装置が移動端末に向けて送信する下りユーザデータ信号が格納される範囲である。また、アップリンクサブフレームは、移動端末が基地局装置に向けて送信する上りユーザデータ信号が格納される範囲である。
すなわち、基地局装置が送信する送信信号は、上記プリアンブルを含んで構成されており、さらに、前記送信信号に含まれるプリアンブルは、基本フレームFの時間幅により定まる一定の送信周期(5msec)で移動端末に向けて送信される。
例えば、図1に示すように、移動端末MSがエリアE2からエリアE1に移動する基地局間移動を行う場合、移動端末MSは、現在通信を行っている基地局装置BS2、及び次に通信を行う基地局装置BS1の両方に対して通信を行うことになるが、図2に示すように、隣接している基地局装置BS1,BS2で同期(基地局間同期)がとれていると、移動端末MSからみて、各基地局装置BS1,BS2からの送信タイミング(ダウンリンクサブフレームのタイミング)と、各基地局装置BS1,BS2の受信タイミング(アップリンクサブフレームのタイミング)とが、それぞれ一致する。この結果、移動端末MSは、二つの基地局装置からの信号を受信することができ、スムーズに基地局間移動が行える。
以下の説明では、基地局装置BS2が、基準となるタイミングで通信を行っており、基地局装置BS1が、他の基地局装置としての基地局装置BS2との間で基地局間同期をとる場合の手順に沿って、その機能を説明する。
図3は、基地局装置BS1の前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行することによって実現される機能を示すブロック図である。図3において、基地局装置BS1は、複数のアンテナ10と、基地局装置BS2からの送信信号の受信波を受信する受信部11と、受信部11からの出力に基づいて基地局間同期ための制御を行う受信制御部20とを有している。
さらに、基地局装置BS1は、移動端末MSからの受信波について信号処理を行う信号処理部30とを有している。この信号処理部30は、図示しないFFTや、復調器等を有しており、基地局装置BS2との間で基地局間同期をとり、移動端末MSとの間で通信を確立した後の高速フーリエ変換、復調処理といった信号処理を行いデータ信号を取得するための機能を有している。
なお以下では、理解を容易とするため、図3に示すように、アンテナ10、及びウエイト乗算部12は、二つのアンテナ10a,10b、及び、これらに対応する第一及び第二のウエイト乗算部12a,12bのみ有する構成として説明する。
ウエイト供給部14は、ウエイト乗算部12に供給するための複数のウエイトを記憶している記憶部15と、記憶部15に記憶されている複数のウエイトの内、ウエイト乗算部12に供給するためのウエイトを選択し設定するウエイト設定部16とを有している。
ここで、受信部11によって形成される受信ビームのパターンは、ウエイトW1及びウエイトW2の組み合わせによって定まる。すなわち、受信部11による受信ビームのパターン数は、記憶部15に記憶されている各ウエイトW1,W2の組み合わせの数によって定まる。ウエイトW1は、上述のように27種類用意されている。一方、ウエイトW2においては、振幅が互いの比率で設定されていることから、ウエイトW1の振幅比が定まればウエイトW2の振幅比も定まるため、ウエイトW1に対して組み合わされる数は9種類となる。よって、各ウエイトW1,W2の組み合わせの数は243種類であり、互いに指向性の異なる受信ビームのパターン数は243種類となる。
ウエイト設定部16は、選択するウエイトW1,W2の組み合わせによって、複数の受信ビームパターンの中から一の受信ビームパターンを選択設定し、ウエイト乗算部12に供給することができる。
これによって、受信部11は、指向性の異なる複数の受信ビームパターンを用いて基地局装置BS2からの受信波を受信することができる。また、受信部11は、指向性の異なる複数の受信ビームパターンによって得られる複数の受信波を受信制御部20に出力する。
検出部21は、受信部11からの受信波に含まれるプリアンブル波を検出するために、受信波とプリアンブル波との間の相関値を演算する。
選択部22は、複数の受信ビームパターンによって得られる受信波から前記一の受信波を選択するとともに、その結果をウエイト設定部16に出力する。これら検出部21、及び選択部22の具体的な機能については、後に詳述する。
基地局装置BS1は、基地局間同期を行うことを決定すると、基地局装置BS2が自己のエリアに位置する移動端末MSに向けて送信している信号波を受信波として受信する(ステップS101)。
次に、基地局装置BS1は、ウエイト供給部14に、予め定められた初期値としてのウエイトW1,W2を選択させて、この選択したウエイトW1,W2の初期値をウエイト乗算部12に供給させる(ステップS102)。
受信波を受信した基地局装置BS1の受信部11は、供給されているウエイトW1,W2に基づいて得られた合成波を受信波として受信制御部20に出力する。
検出部21は、プリアンブル波の既知波形と、受信波における所定部分の信号波との相関値の演算を、時間軸方向に送引しつつ行うことで、相関値の時間軸方向の変化を把握する。
具体的には、プリアンブル波の既知波形の離散時間領域での信号波をP(n)(n=1,・・・N、Nはプリアンブル波の長さ)、被検出波における所定部分の信号波をX(n)とすると、検出部21は、図7(a)に示す被検出波に対して、下記式に基づいて、時間方向にスライディング相関を取り、相関値の時間軸方向の変化を把握する。
そして、検出部21は、図7(b)に示すように、信号波X(n)と、既知波形P(n)との相関値のピーク値を取得するとともに、相関値がピーク値をとった位置を、受信波においてプリアンブル波が含まれている時間方向の位置kとして検出することができる。
そこで、図6に戻って、検出部21は、上記演算によって得られる、受信波とプリアンブル波との間の相関値のピーク値、及びプリアンブル波の送信タイミングを取得する。ついで、検出部21は、取得した相関値のピーク値を選択部22に出力する。相関値のピーク値を受け取った選択部22は、このピーク値、及びプリアンブル波の送信タイミングを記憶する(ステップS103)。
その後、ステップS203に戻り、前回と異なる組み合わせのウエイトW1,W2によって、相関値の演算、及びそのピーク値を取得する(ステップS203)。
ついで、ステップS204に進み、現状のピーク値が閾値以上と判定されるまで、ステップS203〜S205が繰り返され、最終的にピーク値が閾値以上となったときにステップS206に進み、現状の受信波が基地局間同期に用いるための受信波(一の受信波)として選択部22によって選択される。
また、本実施形態において、選択部22は、閾値に基づいた判定により、基地局間同期に用いるための受信波の特定を行うので、閾値を適宜調整することで、基地局装置BS2との間の伝搬環境等に応じて柔軟に対応することができる。すなわち、閾値を下げれば、その判定基準が下がることでタイミング検出の精度が低下する一方、受信波を特定するに至るまでの速度を上げることができる。また、閾値を上げれば、前記速度は下がるがタイミング検出の精度を高めることができる。このように、当該基地局装置BS1の目的や状況に応じて調整が可能となる。
また、記憶部15に記憶されるウエイトについて、その位相及び振幅の種類の数は適宜変更することができるし、例えば、比較的受信波を受信する際に比較的影響の大きい位相のみを複数種類用意し、振幅は固定値とする構成を採ることもできる。
14 ウエイト供給部 15 記憶部 16 ウエイト設定部
20 受信制御部 21 検出部 22 選択部
23 同期処理部 30 信号処理部 BS1,BS2 基地局装置
MS 移動端末 E1,E2 エリア
Claims (3)
- 他の基地局装置から送信された信号の受信波を用いて基地局間同期を行う基地局装置であって、
前記他の基地局装置から送信された信号を、指向性の異なる複数の受信ビームパターンを用いて受信する受信部と、
前記複数の受信ビームパターンによって得られた複数の受信波から基地局間同期を行うための同期信号波を検出する検出部と、
前記複数の受信ビームパターンによって得られた複数の受信波から、一の受信波を選択する選択部と、を備え、
前記検出部は、前記複数の受信ビームパターンによって得られた複数の受信波それぞれについて、前記同期信号波に対応する信号波形との相関値を演算して、前記同期信号波を検出し、
前記選択部は、前記相関値に基づいて、前記一の受信波を選択し、
前記選択部により選択された前記一の受信波から検出された前記同期信号波に基づいて、前記他の基地局装置との間での基地局間同期を行うことを特徴とする基地局装置。
- 前記選択部は、前記同期信号波の検出精度に基づいて、前記一の受信波を選択する請求項1記載の基地局装置。
- 前記検出部は、前記相関値を時間軸方向の変化として求め、前記相関値がピーク値をとった時間軸方向の位置を、前記基地局間同期を行うための同期信号波の時間軸方向の位置として検出する請求項1又は2に記載の基地局装置。
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