JP5330800B2 - ケーブル介在用組成物及びそれを用いたゴムケーブル - Google Patents

ケーブル介在用組成物及びそれを用いたゴムケーブル Download PDF

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Description

本発明はケーブル介在用組成物とそれを用いたゴムケーブルに関する。
低電圧〜高電圧(600V〜33kV)で用いるゴムケーブルには、可とう性、耐屈曲性、耐摩耗性などが要求される。従来このようなゴムケーブルは、導体上に絶縁体を設けたコア(絶縁コア)の外周に、変形防止や防水性などを目的に介在用組成物(充実タイプまたは内層シース)を被覆した構造を有する。この製造は絶縁コアを、ケーブルの種類、使用電圧に応じて複数本集合させ、押出成形によって、この隙間及び外層に介在用ゴム組成物を被覆させ介在層を形成し、さらに保護シースを被覆させて行うことができる。シース材は、要求特性、使用環境などに応じてゴム材を適用する。
上述の、絶縁体上または絶縁層間に設けられる介在層は、端末施工時の要求特性を考慮し、適度な、接着性と剥離性が要求される。また、絶縁体と介在層はケーブルを使用する上で絶縁性能を安定させるため、水の進入を防止する必要がある。そのため絶縁体と介在層には同系統の材料を使用し接着性を付与し、一方絶縁体上に防着剤を塗布または噴霧させることにより適度な剥離性を施している。防着剤の塗布量が多すぎると、接着力が弱くなり、使用時に繰り返し屈曲や捻回、磨耗などを受ける事により、ケーブル内のコアが容易に動き、その結果、絶縁体の亀裂、破断、水の浸入などの電気的トラブルが生じる。また防着剤の塗布量が少なすぎると両者が強固に接着してしまい、コアの端末施工時に介在を剥離することが難しくなるという問題が発生する。
それ以外にも火災時の二次災害対応としてゴムケーブルには難燃性能が要求され、製品の用途によってはUL規格1581−1080による垂直VW−1燃焼試験適合が必要な場合もある。一方、従来の介在用材料にはハロゲン系難燃剤と難燃助剤にアンチモンを使用した組成物もあるが、これは環境安全性の面で問題がある。
したがって、本発明は、絶縁体の亀裂、破断、水の浸入などの電気的トラブルがなく、かつ、端末施工時に適度に介在層を剥離しやすく、また、難燃性を施すにあたって環境安全性の問題のある難燃剤の使用を回避できる、ケーブル介在用組成物及びそれを用いたゴムケーブルを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の発明により解決された。
(1)ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる、極性を持ったゴムを有するゴムケーブル介在用組成物であって、
前記ゴムケーブル介在用組成物における成分組成比率が、質量比で、(ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる、極性を持ったゴム)/(エチレン系コポリマー)が100/0〜30/70、かつ、((ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる、極性を持ったゴム)+(エチレン系コポリマー))/(エチレンプロピレンゴム)が100/0〜30/70であり、
前記ゴムケーブル介在用組成物が、前記ベースポリマー100質量部に対して金属水和物を50〜250質量部含有し
導体を被覆するエチレンプロピレンゴムからなる絶縁層上に被覆して用いられることを特徴とするゴムケーブル介在用組成物。
(2)前記成分組成比率において、(ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる、極性を持ったゴム)/(エチレン系コポリマー)が質量比で70/30〜30/70であることを特徴とする(1)に記載のゴムケーブル介在用組成物。
前記ゴムケーブル介在用組成物中の前記エチレンプロピレンゴムがエチレン・プロピレン共重合体及び/又はエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体である(1)又は(2)に記載のゴムケーブル介在用組成物。
)前記エチレン系コポリマーがエチレン酢酸ビニル共重合体又はエチレンエチルアクルレート共重合体である(1)〜(3)のいずれか1項に記載のゴムケーブル介在用組成物。
)金属導体周囲にエチレンプロピレンゴムからなる絶縁体を被覆した電線に、(1)〜()のいずれか1項に記載されたゴムケーブル介在用組成物を押し出し成形して該絶縁体を被覆する介在層を形成したものであって、最外層に押し出し成形してシースを被覆したことを特徴とするゴムケーブル。
)前記介在層及び/又は前記シースが架橋処理されている()記載のゴムケーブル
お、本発明における「極性を持ったゴム」とは、溶解度パラメータ(SP値)を用い、炭素と水素の原子だけで組み立てられている分子構造のエチレンプロピレンゴムより大きなSP値のゴムを指す。溶解度パラメータとは、分子の凝集エネルギー密度の平方根であり、分子間の凝集力の大きさを表している。
本発明のケーブル介在用組成物は、絶縁コアの絶縁体ゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム)との間に適度な剥離性が得られるため、電気性能を損なうことなく、良好な端末施工性を持ったノンハロゲン難燃ゴムケーブルとすることができる。また、本発明の組成物及びケーブルは、燃焼時にも難燃剤による有毒なガスの発生による人体への悪影響が少ない。
図1に本発明に係るケーブルの構成の一例を示す。図1は絶縁ケーブルとして用いる好ましい電線の一実施例を示す断面図であり、導体1上にエチレンプロピレンゴムなどの絶縁体からなる絶縁層2を設けている。アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)及び/又はスチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)とエチレン系コポリマー(EVA及び/又はEEA)を含有させた介在層、もしくは、さらにこの混合組成物にエチレンプロピレンゴム(EPDM及び/又はEPM)を含有させた介在層3を数層、順次または複数同時に押出成形し、常法により被覆・加硫工程を繰返し、最終的に外層にシース4を押出成形する。シース材はクロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、フッ素ゴム(FKM)など、製品への要求に応じ適宜のゴム材を用いることができる。
本発明で用いる材料について以下詳細に説明する。
ケーブル介在用組成物に用いるアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴムは、アクリルニトリル(AN)、ブタジエンゴム(BR)の共重合ゴムであり、アクリルニトリル含有量により低ニトリルから極高ニトリルまで分類される(低ニトリル:25質量%未満、中ニトリル:25〜30質量%、高ニトリル:30〜42質量%、極高ニトリル:42質量%を超える)。
スチレン・ブタジエンゴムは、スチレンとブタジエンのランダム共重合体であり、これは、例えば、乳化重合(E−SBR)、溶液重合(S−SBR)のいずれにより製造されたものも使用できる。また、α−メチルスチレンとブタジエンのランダム共重合体(MSBR)、ビニルピリジンスチレンブタジエンゴム(PSBR)、カルボキシル化スチレン・ブタジエン共重合ゴム(XSBR)、水素化スチレン・ブタジエン共重合ゴム(HSBR)などが使用できる。
ポリマーの極性を表す指標として、溶解度パラメータ(SP値)がよく使用されるが、エチレンプロピレンゴムのSP値7.9に対して、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴムは9.6、スチレン・ブタジエン共重合ゴムは8.6と高く、エチレンプロピレンゴムとの相溶性が低いことが分かる。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムとスチレン・ブタジエン共重合ゴムはともにブタジエンゴム(BR)が主鎖に二重結合を含むため、エチレンプロピレンゴムと比べ耐熱性が劣る性質がある。この対策として第一にオレフィン樹脂であるエチレンビニルアセテートまたはエチレンエチルアクリレート樹脂もしくはエチレン・プロピレン共重合体等と組合せる。その他の対策としては、酸化防止剤の種類、添加量の調整、さらには水素添加により、二重結合を存在しないようにした、水素添加タイプの水素化アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴムまたは水素化スチレン・ブタジエン共重合ゴムの使用が挙げられる。アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴムまたはスチレン・ブタジエン共重合ゴムはエチレン系コポリマーとの組合せもしくは、更にエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、エチレン・プロピレン共重合体を含有させて使用しても良い。
極性をもったエチレン系コポリマー樹脂であるエチレンビニルアセテート、エチレンエチルアクリレートは、エチレンプロピレンゴムであるエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、エチレン・プロピレン共重合体などの非極性ゴムと比べて、難燃性の点で優位であり、かつ、金属水和物添加による相乗効果で高い難燃特性を付与できる利点もある。
本発明者らは、このような、絶縁体(例えばエチレンプロピレンゴムからなるもの)に対して適度な剥離性を有する介在層を形成する組成物の材料を種々検討した結果、極性を持ったアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴムでも剥離性を発現させることは可能であり、また、さらに極性を持ったアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴムとエチレン系コポリマーまたはこれとエチレンプロピレンゴムのブレンド物を用いることにより一層優れた効果を奏することを見出した。
この場合、例えば絶縁体として用いたエチレンプロピレンゴム(例えばEPDM)に脂肪酸やその金属塩、低分子量ポリエチレンワックスまたはフッ素系離型剤やシリコーンゴムなどをブレンドした場合には、絶縁コアの絶縁層との密着性は、強固になりすぎ、剥離試験時に凝集破壊を起こしてしまう。エチレンプロピレンゴムにエチレンビニルアセテートまたはエチレンエチルアクリレートを含有させた場合については、ビニルアセテート量またはエチルアクリレート量が少なすぎると、剥離試験時に凝集破壊となり、ビニルアセテート量またはエチルアクリレート量が多すぎると材料自体が軟化傾向となり、強度が不足し、材料破断となって剥離できない。
本発明者らは、そこに所定比率でアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴムを加えることにより、絶縁体(例えばエチレンプロピレンゴム絶縁体)とは界面剥離を起こしやすく、「適度な剥離性」を示す介在層が得られることを見出した。
また、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴムに対して、エチレンビニルアセテートまたはエチレンエチルアクリレートのエチレン系コポリマーを所定量含有させると、剥離強度、遮水性がさらに向上する。
ケーブル介在用組成物において、遮水性のほかに、難燃性または耐熱性を考慮した場合に、エチレン系コポリマーを含有させること、もしくは、それにさらにエチレンプロピレンゴムであるエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、及び/又はエチレン・プロピレン共重合体を含有させることが好ましい。つまり、絶縁コアのエチレンプロピレンゴム絶縁体を被覆するので上記のゴム介在は、水などの浸入を防ぐ水密効果と端末施工時の口剥き性を保持することができ、なおかつ環境を配慮した難燃性の高い介在層を得ることができる。
本発明のケーブル介在用組成物中のエチレンビニルアセテート、エチレンエチルアクリレートはビニルアセテート量含有量、エチルアクリレート含有量が増えると、難燃性は高くなるが、機械特性が低下する傾向を示し、メルト・フロー・レイト(MFR)はあまり大きくなると押出成形の際に材料が流れすぎて押出加工性の低下や口剥ぎの際に強度不足が生じる。この観点からビニルアセテートまたはエチルアクリレート含有量が15〜50質量%、MFR2〜30(g/10分)の範囲が望ましい。
本発明のケーブル介在用組成物の成分として用いることのできるエチレンプロピレンゴムとしては、エチレン・プロピレン共重合体(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)のいずれも使用可能である。エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体に含まれる第三成分の種類としては、ジシクロペンタジエン(DCPD)、エチリデンノルボルネン(ENB)、1,4ヘキサジエン(1,4HD)などがあげられるが、これに限定されるものではない。またエチレンプロピレンゴムはエチレン含有量や分子量により種々の市販品があるが、これらからも適宜選択して使用できる。
また、本発明のゴムケーブルにおける絶縁コアの絶縁体として用いることのできるエチレンプロピレンゴムも、上記と同様である。
以下に本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する。
本発明においては、上記のように介在層の材料として、エチレンプロピレンゴム(EPM及び/又はEPDM)を含有させることが可能で、過酸化物架橋で良好な物性が得られるものである。また酢酸ビニル、エチルアクリレートの極性分子が導入されているので適度な極性を持ち、フィラー受容性に優れ、かつ、柔軟性を兼ね備えた、エチレンビニルアセテートまたはエチレンエチルアクリレートのエチレン系共重合体を用いるという特徴を有する。ここでエチレンプロピレンゴムとエチレンビニルアセテート(またはエチレンエチルアクリレート)の組合せでは、エチレンプロピレンゴム絶縁体との密着が強く、剥ぎ取りが困難になるため、極性を持ったアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴムをエチレンプロピレンゴムとエチレンビニルアセテート及び/又はエチレンエチルアクリレートとともに含有させるか、またはエチレンビニルアセテート(エチレンエチルアクリレート)のみとブレンドすることで絶縁層(例えばエチレンプロピレンゴム絶縁体よりなる)との剥離性(適度な剥離強度)を発現させている。
本実施の形態に係わる低電圧〜高電圧(600V〜33kV)に用いるゴムケーブルは、絶縁体と介在層とが適度な剥離強度で接着(密着)しているため、ケーブル使用時に繰り返し屈曲や捻回などを受けても、ケーブル内のコア、介在層が動くことはなく、その結果、一定の水圧をケーブルにかけても水の浸入がない。この点からその絶縁体からなる絶縁層と介在層との接着力は、基本的には10〜50N程であるのが好ましい。
また、製品の用途によっては、難燃性を必要とするゴムケーブルもある。このような用途に対して前述のゴムまたはオレフィン樹脂は、難燃性を付与するための金属水和物を多量に添加しても、フィラー受容性が良好である。よってフィラー多量添加による強度不足も比較的少なく、絶縁コアの端末施工時に介在層及びシースを容易に剥離させることができる。
本発明のケーブル介在用ゴム組成物においては、ケーブル介在用ゴム組成物における成分組成比率が、質量比で、ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムの極性を持ったゴム/エチレン系コポリマーを100/0〜30/70、かつ、((ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる極性を持ったゴム)+(エチレン系コポリマー))/(エチレンプロピレンゴム)を100/0〜30/70とすることが好ましい。さらに好ましくは質量比で(ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴム)/(エチレン系コポリマー)は70/30〜30/70である。
またそれら混合組成物にエチレンプロピレンゴム(EPDM及び/又はEPM)を含有させた場合、ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムの極性を持ったゴムの含有は、ゴム成分中50質量%以上が好ましく、エチレンプロピレンゴム(EPDM及び/又はEPM)は50質量%以下が好ましい。
また、ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムの極性を持ったゴムはエチレンプロピレンゴム(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体及び/又はエチレン・プロピレン共重合体)のみとの混合物とすることも可能である。
また、本発明のケーブル介在用組成物においては上記ベースポリマー100質量部に対し、難燃剤である金属水和物を50〜250質量部添加するのが好ましい。添加量が少なすぎると十分な難燃性が得られないことがあり、また、多すぎると機械的強度が低下することがある。ここに用いる金属水和物は表面無処理のものを用いても良く、また、表面を脂肪酸、シランカップリング剤等で処理したものを用いても良い。また、難燃助剤としてリン酸化合物、赤リン等のリン系化合物、シリコーン系化合物、窒素化合物、亜鉛化合物などの難燃助剤を適宜加えることができる。
さらに、本発明における被覆層(介在層、シース)は通常、被覆時又は被覆後、架橋処理される。介在層の架橋方法は常法により行うことができるが、硫黄加硫の場合、導体の変色反応など支障をきたすため、共架橋可能な有機過酸化物架橋が適している。
架橋処理する場合、用いる有機過酸化物の種類は特に問わないが、コンパウンド混練時や押出製造時の加工条件等に応じて適宜選択される。シース材の架橋方法は、製品の用途によって分類されたゴム材の適した架橋方法を適用する。架橋剤に用いる有機過酸化物には、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシド)ヘキシン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1,−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等が挙げられる。その配合量は、ベース樹脂100質量部に対して、1〜5質量部が好ましい。
本発明のゴムケーブルは、被覆層の組成物の架橋処理により、耐熱性の点でより優れたものとなる。被覆層の架橋方法としては、まず導体の外側にエチレンプロピレンゴム組成物を押出し、被覆して必要に応じ加硫工程を行い、次にゴム介在体組成物を1層または複数層、順次または複数同時に押出成形して被覆し、必要に応じ加硫工程を繰返し、最外層にシースを押出成形した後、160〜200℃で加熱して架橋するのが一般的である。
また、この他にケーブル介在用ゴム組成物には、電線被覆層において使用されている各種の添加剤、例えば、充填剤、カーボン、シリカ等の補強剤、着色剤、ワックス等の滑剤、老化防止剤、架橋助剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中、組成を示す混合比は質量比による質量%で示した。
SBR及び/又はNBRとエチレン系コポリマーであるEVAをブレンドし、配合例A〜Gの第1ポリマーを作製した。これらの混合比率を表1に示す。配合例B〜Eの第1ポリマーは、SBR及び/又はNBRとEVAの混合物である。一方、配合例A、F、Gの第1ポリマーはSBRまたはNBRもしくはEVA単独のものである。
Figure 0005330800
次にこれら配合剤A〜Gの第1ポリマーとEPゴム(EPMまたはEPDM)をブレンドし、実施例1〜17及び比較例1〜6の第2ポリマーを作製した。これらの混合比率を表2に示す。
Figure 0005330800
実施例5〜7、9〜11、13〜14、16及び比較例1の第2ポリマーは、SBRまたはNBRとEVAとEPゴムの混合物である。
実施例1の第2ポリマーはSBR単独、実施例17の第2ポリマーはNBR単独、実施例2、3の第2ポリマーはSBRとEPゴムのみの混合物である。
一方、比較例1の第2ポリマーは、SBRとEVAとEPゴムの混合物であるが、スチレン・ブタジエン共重合ゴムの配合は10質量%以下であり、比較例2の第2ポリマーは、EVAとEPゴムのみの混合物となり、比較例3の第2ポリマーはEVA単独となる。また比較例4、5は防着剤として脂肪酸アミド、フッ素系離型剤をEPゴムに混合させたものである。比較例6に限っては、EPゴムの表面に多量のタルクを塗布したものである。
次に実施例1〜17及び比較例1〜6の各第2ポリマー100質量部に対して、表3に示す各種添加剤を添加して、実施例1〜17及び比較例1〜6の介在用組成物をそれぞれ作製した。
なお、難燃剤は環境安全性の面を考慮し、金属水和物のみとし、ノンハロゲン難燃材料とした。
Figure 0005330800
表2、3に示した各成分をバンバリーミキサーで混練後、オープンロール機にて架橋剤を添加、混練して調製したゴム介在用組成物をシート状に成形した。
1)VW−1燃焼試験
UL規格1581−1080に準拠して燃焼試験を行った。
混練して調製したゴム介在用組成物を90℃で押出、導体被覆後、溶融塩(温度:200℃)により加圧架橋(加硫)させ、1×3.5SQのケーブルを用いて行った。接炎5回で各燃焼時間が60秒以内であり、脱脂綿の着火、最上部への延焼がないものが好適な範囲となる。
2)剥離強度
事前にEPゴム絶縁材料の2mmt加硫シートを作製しておき、調製した2mmtゴム介在用未加硫組成物と重ねて160℃×30分の加圧プレスにて試験サンプルを作製した。(加圧力は280cmの成形加硫シートに対し100ton)
その加硫シートを全長200mm×幅25mm(接着箇所100mm)に切出し、ショッパー型引張試験機により、50mm/分の引張速度で各試験片に対して180°方向に剥離し、EPゴム絶縁材料とゴム介在用組成物との剥離強度を求め、剥離状態の観察を行った。
界面剥離で接着の程度も良好(A)、薄い凝集層のある凝集破壊であるが接着の程度が良好(B)、凝集破壊で接着の程度が大きい(C)、材料破壊で強固に接着し剥離しない(D)、界面剥離であるが接着の程度が弱い(E)と判定した。
剥離強度が10N〜20Nの範囲内で剥離状態がAのものは(◎印)、剥離強度が20Nを越え50N以下の範囲内で剥離状態がBのものは(○印)、剥離強度が5を越え10N未満の範囲内で剥離状態がAのものは(△印)、剥離強度が100N付近またはそれ以上で剥離状態がCまたはDのものは(×印)、界面剥離であるが、剥離強度が5N以下で剥離状態がEのものも(×印)と判定した。
これらの試験結果を表4に示す。
Figure 0005330800
Figure 0005330800
表4に示すように、SBRまたはNBR単独の実施例1、17を除いた実施例2〜16の介在用組成物を用いたEPゴム絶縁材料との剥離試験は、いずれも適度な剥離強度を示している。スチレン・ブタジエン共重合ゴムまたはNBR単独の実施例1、17については、界面剥離となるものの、剥離強度が10Nを下回っており、若干接着力が小さい。
SBRとEPゴムのみの混合物でブレンド比率が質量比で50/50の実施例2とSBRとEVAのブレンド比率が質量比で70/30、50/50、30/70の実施例4、8、12、SBRとEVAとEPゴムの混合物であるが、EPゴムが10質量%と少ない実施例13、NBRとEVAのブレンド比率50/50の実施例15については、界面剥離であり、接着力も良好である。
EPゴム混合比率の高い実施例3、7、11については、やや接着力が高めとなっているが、介在層は薄い凝集層の付着であり、良好な剥離強度と言える。
これに対して、比較例1は、表5に示すようにスチレン・ブタジエン共重合ゴムが6質量%と少なく、またEPゴムが80質量%と多く、凝集破壊でその接着力の程度は大きい。比較例2はEVAとEPゴムのみの混合物で、比較例3はEVA単独であるが、どちらも強固な接着力を示し、材料破断となる。また比較例4、5の防着剤をEPゴムに添加したものも、強固な接着力を示し、材料破断となった。比較例6は、タルクを多量に塗布したものであるが、界面剥離となるものの、接着力がまったく無いか、あっても2N程度と、接着力は弱すぎる。
難燃性については、表3記載の水酸化アルミ、水酸化マグネシウムの金属水和物のみとした組成すべてにおいて、良好な難燃性が得られている。
本発明の組成物を用いた被覆電線の一実施態様を示す概略断面図である。
符号の説明
1 導体
2 絶縁層
3 介在層
4 シース層

Claims (6)

  1. ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる、極性を持ったゴムを有するゴムケーブル介在用組成物であって、
    前記ゴムケーブル介在用組成物における成分組成比率が、質量比で、(ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる、極性を持ったゴム)/(エチレン系コポリマー)が100/0〜30/70、かつ、((ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる、極性を持ったゴム)+(エチレン系コポリマー))/(エチレンプロピレンゴム)が100/0〜30/70であり、
    前記ゴムケーブル介在用組成物が、前記ベースポリマー100質量部に対して金属水和物を50〜250質量部含有し
    導体を被覆するエチレンプロピレンゴムからなる絶縁層上に被覆して用いられることを特徴とするゴムケーブル介在用組成物。
  2. 前記成分組成比率において、(ニトリルゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムからなる、極性を持ったゴム)/(エチレン系コポリマー)が質量比で70/30〜30/70であることを特徴とする請求項1に記載のゴムケーブル介在用組成物。
  3. 前記ゴムケーブル介在用組成物中の前記エチレンプロピレンゴムがエチレン・プロピレン共重合体及び/又はエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体である請求項1又は2に記載のゴムケーブル介在用組成物。
  4. 前記エチレン系コポリマーがエチレン酢酸ビニル共重合体又はエチレンエチルアクルレート共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴムケーブル介在用組成物。
  5. 金属導体周囲にエチレンプロピレンゴムからなる絶縁体を被覆した電線に、請求項1〜のいずれか1項に記載されたゴムケーブル介在用組成物を押出成形して該絶縁体を被覆する介在層を形成したものであって、最外層に押出成形してシースを被覆したことを特徴とするゴムケーブル。
  6. 前記介在層及び/又は前記シースが架橋処理されている請求項記載のゴムケーブル。
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