JPH11313434A - 電力ケーブルの接続部用ゴム組成物および接続用スリーブ - Google Patents

電力ケーブルの接続部用ゴム組成物および接続用スリーブ

Info

Publication number
JPH11313434A
JPH11313434A JP10120244A JP12024498A JPH11313434A JP H11313434 A JPH11313434 A JP H11313434A JP 10120244 A JP10120244 A JP 10120244A JP 12024498 A JP12024498 A JP 12024498A JP H11313434 A JPH11313434 A JP H11313434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
rubber composition
power cable
pts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10120244A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Takii
斉 瀧井
Tetsuji Ito
哲二 伊藤
Takeshi Kanno
毅 寒野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP10120244A priority Critical patent/JPH11313434A/ja
Publication of JPH11313434A publication Critical patent/JPH11313434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Terminals (AREA)
  • Cable Accessories (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力ケーブルの中間接続部あるいは終端接続
部に使用する接続用スリーブにおいて、施工する前に予
め拡径率を大きく取れるように低硬度で引張り伸び率が
大きく、かつ拡径およびその保持状態において裂けにく
く、施工後は界面密着力を保持できるよう永久伸びが小
さい組成物を提供する。 【解決手段】 EPDM(a)100重量部に対して、焼
成クレー(b)50〜120重量部、プロセスオイル(c)2
0〜50重量部、ジクミルパーオキサイド(d)2〜4重
量部、硫黄(e)0.1〜1.0重量部、および、N−N'
−m−フェニレンビスマレイミド(f)0.5〜3.0重
量部を含むゴム組成物、および焼成クレーの代わりにカ
ーボン(g)60〜100重量部を含むゴム組成物によ
り、前記の接続用スリーブを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送配電用CVケー
ブル等のゴム・プラスチック電力ケーブルの中間接続部
あるいは終端接続部の差込式接続に使用する絶縁体用並
びに導電体用ゴム組成物およびこれらのゴム組成物から
形成される接続用スリーブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、送配電用CVケーブル等のゴム・
プラスチック電力ケーブルの中間接続部あるいは終端接
続部には、電気的及び機械的な補強を目的として、複数
層の弾性ゴム材料からなるスリーブを使用した接続装置
あるいは終端装置が用いられている。このような装置に
おいて、もっとも重要な機能は、ケーブル絶縁被覆層の
外周面とスリーブ内周面との界面に放電等の原因となり
うるボイドが生じないように界面密着力を発生させる機
能である。このような機能をえるために、(イ)前記ス
リーブを軸方向にスプリングで圧縮しつづける、(ロ)
スリーブ内径を拡張した状態でケーブルコア外周上に装
着してスリーブの自己収縮力を利用してケーブルコア外
周上に密着せしめる等の手段が採用されている。
【0003】後者の場合、単にスリーブの自己収縮力の
みで数10年という長期にわたる使用期間中に界面密着
力が維持されることが要求される。また、この方式にお
いては、ケーブルコアに装着前にスリーブ内径を拡径
し、短くともケーブル導体の接続作業が終了するまでの
間、場合によっては1年前後拡径状態を維持しておく必
要がある。従って、簡便に拡径を行い、その状態を安価
で軽量な要素によって維持せしめるには、スリーブを主
に構成するゴム材料の硬度が低く、高い伸び率を保つと
ともに、拡径状態での引裂き強度が高く、かつ永久伸び
が小さいことが必要である。
【0004】通常、このようなスリーブは複数層からな
っており、そのうちの少なくとも1層が絶縁性の弾性ゴ
ム材料からなり、他の層の内少なくとも1層は半導電性
の弾性ゴム材料からなることが一般的である。このよう
な弾性ゴム材料としては、電気特性的、耐候性等の点か
ら、エチレン・プロピレン・ジエン3元共重合体(以下
EPDMと略称する)をベースとしたゴム組成物が使用
されている。しかし、この分野において、粘弾性特性を
高めたEPDMゴム組成物に関連するこれまでの技術
は、主に圧縮に対するクリープの低減を狙ったもので、
圧縮永久歪は優れているが、硬度や伸びの点で、前記
(ロ)の手段として採用するには、不十分であった。例
えば、特開平5−262912には、EPDMベースの
ゴム組成物に特定のp−キノンジオキシム又はその誘導
体からなる添加剤を配合することにより、低硬度でゴム
弾性特性に優れた電気絶縁ゴム組成物が開示されている
が、硬度は55〜60前後の値であり、端末部品に使用
した場合の挿入性には問題がないとしても、(ロ)の用
途には必ずしも適してはいないと考えられる。
【0005】スリーブの硬度を下げ、伸び率を高くする
ためには、ゴム組成物の配合剤でプロセスオイルの増
量、充填剤の減量あるいは架橋剤の減量等が考えられる
が、これらの方法は、拡径状態での引裂き強度や永久伸
び率を悪化させるため、前述の用途に利用するのは適切
でない。逆に、プロセスオイルの減量、充填剤の増量あ
るいは架橋剤の増量により、永久伸低減と引裂き強度向
上を図ることはできるが、ゴム組成物の硬度が上がり伸
び率が低下するため、拡径自体が困難になり、やはり前
述の用途には適切でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電力
ケーブルの接続部に使用する弾性ゴム材料からなるスリ
ーブ(以下接続用スリーブと略称する)を形成するゴム
組成物において、接続用スリーブを施工する前に予め拡
径率を大きく取れるように低硬度で引張り伸び率が大き
く、かつ拡径およびその保持状態において裂けにくく、
施工後は界面密着力を保持できるよう永久伸が小さい組
成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、EPDM
(a)100重量部に対して、焼成クレー(b)50〜120
重量部、プロセスオイル(c)20〜50重量部、ジクミ
ルパーオキサイド(以下DCPと略称する)(d)2〜4
重量部、硫黄(e)0.1〜1.0重量部、および、N−
N'−m−フェニレンビスマレイミド(以下BMと略称
する)(f)0.5〜3.0重量部を含むことを特徴とす
る電力ケーブル接続部絶縁体用ゴム組成物により、前記
の課題を解決することができることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】また、本発明者らは、前記ゴム組成物にお
いて焼成クレー(b)の代わりに、カーボン(g)60〜10
0重量部を含むことを特徴とする電力ケーブル接続部導
電体用ゴム組成物を提供する。
【0009】さらに、本発明は、半導電性の内部導電
層、絶縁層および外部導電層から形成される電力ケーブ
ル接続用スリーブにおいて、当該内部導電層および当該
外部導電層が前記の電力ケーブル接続部導電体用ゴム組
成物から成り、当該絶縁層が前記の電力ケーブル接続部
絶縁体用ゴム組成物から成ることを特徴とする。
【0010】本発明により前記の課題を解決できた理由
は、本発明のゴム組成物に含まれる架橋剤であるDCP
に架橋助剤である硫黄およびBMを加えることにより、
低硬度、高い伸び率、拡径時の高い引裂き強度および低
い永久伸という特性の間のバランスを取ることができた
ためと考えられる。従来技術においても、硫黄とDCP
あるいは硫黄とBMの組合せでゴム組成物の特性改善を
図る例はあったが、前記の特性間のバランスを取り、電
力ケーブルの中間接続部あるいは終端接続部に使用する
接続用スリーブに適した組成物は得られていなかった。
【0011】接続用スリーブとしての総合的な特性を満
足するためには、絶縁性の弾性ゴム材料の場合、前記4
つの特性はそれぞれ、硬度35〜55、引張り伸び率8
00%以上、引裂き強度15kg/cm2以上、永久伸
15%以下であることが望ましい。また、接続用スリー
ブとしての総合的な特性を満足するためには、半導電性
の弾性ゴム材料の場合は、前記特性がそれぞれ、硬度3
5〜70、引張り伸び率300%以上、引裂き強度15
kg/cm2以上、永久伸15%以下、体積低抗率1×
104ohm−cm以下であることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明につき詳述する。本発
明のゴム組成物のベースとして使用するEPDMは、通
常電力ケーブルの絶縁体として使用されるものが適して
いるが、エチレン比が60%以下のものが好ましい。こ
の理由は、エチレン比が60%以下であると、結晶性が
低くなって硬度とモジュラスが低下し、拡径が一層し易
くなるためである。
【0013】本発明に用いる焼成クレーとしては、通常
電力ケーブル用の絶縁樹脂組成物に添加されるものであ
れば、問題なく使用できる。焼成クレーを配合すること
により、引張り伸び増大させながら引裂力を向上させる
ことができる。また、多量に添加しない限り、永久伸も
低く抑えることができる。配合量は範囲これらの特性バ
ランスを保つため、EPDM100重量部に対して、5
0〜120重量部が好ましい。50重量部未満では、引
張り伸びが十分ではなく、120重量部を超えると永久
伸が悪化する。
【0014】プロセスオイルは、硬度を低下させ引張り
伸び率を向上させる作用をするが、高粘度のパラフィン
系、ナフテン系、アロマ系いずれも使用できる。配合量
は、EPDM100重量部に対して20〜50重量部が
好ましい。配合量が50重量部を越えると、オイルが成
形体表面にブリードしたり、他の構成材料へ移行したり
する問題が生じるとともに、引裂き強度が低下し永久伸
が大きくなるため、拡径後および施工後の特性が不十分
となる。配合量が20重量部を下回ると、硬度が硬く引
張り伸び率が低いため、拡径が容易でなくなりかつ拡径
放置時割れが生じやすくなる。
【0015】DCPの増量は、引裂き強度および永久伸
の向上に効果的であるが、過剰に添加すると引張り伸び
および強度面で悪影響が出る。配合量は、EPDM10
0重量部に対して2〜4重量部が好ましい。4重量部を
超えると引張り伸びが低くなり100%モジュラスが上
昇し、拡径に悪影響を及ぼすとともに拡径放置時割れが
生じやすくなる。2重量部未満では、引裂き強度と永久
伸が急激に悪化し、拡径時割れやすくまた成形品装着時
にクリープし易くなる。
【0016】硫黄の添加により、引裂き強度を保持しな
がら、引張り伸びを向上させかつ永久伸を向上させるこ
とができる。配合量は、EPDM100重量部に対して
0.1〜1重量部が好ましい。0.1重量部未満では、
永久伸が大きくなり、1重量部を超えると、4つの特性
が頭打ちに成りブリードが生じるようになる。
【0017】BMの添加により、硬度および引張り伸び
を良好な範囲に保ちながら引裂き強度を向上させること
ができる。また、接続用スリーブに成形した後の拡径時
の耐割れ性を向上させることができる。配合量は、EP
DM100重量部に対して0.5〜3重量部が好まし
い。3重量部を超えると引張り伸びが低下し100%モ
ジュラスが上昇し、拡径に悪影響を及ぼす。0.5重量
部未満では、引裂き強度の改善度が小さく、接続用スリ
ーブに成形した後の拡径時の耐割れ性の改善が不十分と
なる。
【0018】接続用スリーブを構成する半導電性の弾性
ゴム材料からなる層に添加するカーボンは、通常電力ケ
ーブルの内導あるいは外導に使用されるカーボンブラッ
クが使用できる。カーボンの配合量は、EPDM100
重量部に対し、60〜100重量部が好ましい。カーボ
ン配合量が60重量部を下回ると、電気抵抗が大きくな
りすぎ内導あるいは外導としての要求特性を満足できな
くなる。一方、カーボン配合量が100重量部を超える
と、硬く伸びが小さくなるため、拡径が困難となる。
【0019】本発明のゴム組成物には、通常使用される
配合剤として、ワックス、無機充填剤、老化防止剤、金
属酸化物、可塑剤等を添加することができる。
【0020】本発明のゴム組成物は、通常使用される混
練ロール、バンバリーミキサー、混練ニーダー等のコン
パウンディング設備で混合し、プレス成形機、射出成形
機等により所定の設計に従って接続用スリーブとして成
形することができる。
【0021】図1は、電力ケーブルの接続部に本発明の
接続用スリーブを装着した状態の断面を模式的に例示し
たものである。本発明になる接続用スリーブ1は、絶縁
層2とこれを挟んで一体化した内部導電層3および外部
導電層4から構成されており、防護管10により全体が
覆われている。図2は、前記接続用スリーブ1aの拡径
する前の状態(1)と拡径した後の状態(2)を示す。
前記のようにして成形した接続用スリーブ1aに、拡径
パイプ5aを挿入する。拡径は、予め工場で行なう場合
と、施工現場で行なう場合がある。図3は、前記接続用
スリーブ1bを、ケーブルの接続部に装着する方法の概
略を例示したものである。状態(1)において、予め工
場で拡径した接続用スリーブ1bを、ケーブル接続部に
挿入しておき、接続作業を完了させる。あるいは、接続
用スリーブ1bを施工現場で拡管する場合もある。状態
(2)において、当該接続用スリーブを接続部中央に移
動させ、拡径パイプ5bを矢印の方向に両側へ引き抜
き、接続部に密着させ装着する。
【0022】
【実施例】以下に例をあげて本発明につき更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。なお、以下の例における特性の評価方法
は、次の通りである。まず、評価用試料は、6インチロ
ールにて120℃で10分混練後、160℃で30分上
記プレスにて加硫し、2mm厚のシートを作製した。こ
のシートに関しては、次に示す試験を行って評価した。 (1)硬度試験:JISK6301に基づき、A型デュ
ロメーターを用いて、加圧5秒後の値を測定した。 (2)引張り試験:JISK6251に基づき、3号形
ダンベルを500mm/分の速度で引張り、破断時の伸
び率、抗張力および100%モジュラスを評価した。 (3)引裂き試験:JISK6252に基づき、B型切
込みありアングル型試験片にて、500mm/分の速度
で引張り、引裂き強度を求めた。 (4)永久伸試験:JISK6301に準じ、3号形ダ
ンベルを用いて300%伸長し、開放10分後の標線間
距離の変化を測定し、伸長前の距離に対する伸び率で評
価した。 (5)導電性試験:日本ゴム協会標準規格「導電性ゴム
およびプラスチックの体積抵抗率試験方法」SRIS
2301の3.2ホイトストンブリッジ法に基づき、厚
さ0.5〜1.0mm、長さ80mm、幅20mmの試
験片の両端から5mmまでに導電性塗料を塗布して電極
とし、それにホイトストンブリッジをつなぎ、体積抵抗
率を測定・評価した。
【0023】また、本発明の接続用スリーブについて、
拡径試験を行なった。接続用スリーブは、図2(1)に
縦断面を示す構造で、絶縁層2a、内部導電層3aおよ
び外部導電層4aからなり、図2(2)に示すように拡
径パイプ5aを用いて拡径し、拡径したままの状態で7
0℃の恒温槽に保持し、割れが発生するまでの日数で評
価した。
【0024】実施例1〜54および比較例1〜53は、
表1〜表6に示す材料配合にて、前記の方法で2mm厚
のプレスシートを作製し、評価試験を行なった例を示
す。評価結果を表1〜表6に示す。 (実施例1〜5、比較例1〜3)実施例1〜5および比
較例1〜3(表1)は、EPDM100重量部に対し焼
成クレーを10〜130重量部の範囲で変量させた例で
あるが、焼成クレー増量により引張り伸びが増大し、引
裂力を向上させることができるが、永久伸は大きくなる
傾向がある。
【0025】(実施例11〜16、比較例11〜13)
実施例11〜16および比較例11〜13(表2)は、
EPDM100重量部に対しプロセスオイルを5〜60
重量部の範囲で変量させた例であるが、プロセスオイル
増量により硬度を低下させ引張り伸びを増大させること
ができるが、引裂力が低下し永久伸は大きくなる傾向が
ある。
【0026】(実施例21〜24、比較例21〜24)
実施例21〜24および比較例21〜24(表3)は、
EPDM100重量部に対しDCPを0.5〜6重量部
の範囲で変量させた例である。DCPを増量すると、永
久伸は低下するが、引張り伸びが低下し100%モジュ
ラスが上昇する。引裂き強度も向上するが3〜4重量部
で頭打ちとなる。
【0027】(実施例31〜35、比較例31〜32)
実施例31〜35および比較例31〜32(表4)は、
EPDM100重量部に対し硫黄を0〜2重量部の範囲
で変量させた例である。硫黄増量により、永久伸を低下
させることができる。
【0028】(実施例41〜45、比較例41〜42)
実施例41〜45および比較例41〜42(表5)は、
EPDM100重量部に対しBMを0〜5重量部の範囲
で変量させた例である。BM添加により、引裂力を向上
させることができる。BM添加量が0の場合、硬度・引
張り伸び・引裂き強度・永久伸の4特性は望ましい範囲
を示すが、後述する拡径試験結果では8日で割れが発生
する。接続用スリーブとして成形・拡径時の耐割れ性に
BMが何らかの好影響を与えていると考えられる。
【0029】(実施例51〜54、比較例51〜53)
実施例51〜54および比較例51〜53(表6)は、
焼成クレーの代わりにカーボンを添加した内部導電層お
よび外部導電層に使用する導電性のゴム組成物の例であ
る。カーボン増量により、硬度が上昇し引張り伸びが低
下する。引裂力は向上するが60〜70重量部で頭打ち
になり、更に増量すると低下する傾向がある。カーボン
増量により、組成物が脆くなるためと考えられる。60
重量部未満では、体積抵抗率が104ohm−cmを超
え導電性が不十分となる。
【0030】(実施例61、比較例61、参考例61〜
63)実施例61、比較例61および参考例61〜63
は、表7の配合を用いて接続用スリーブを成形し拡径試
験を行なった結果である。成形した接続用スリーブの寸
法は、外径60mmφ、内径24mmφ、中央部の内部
導電層の厚さ7mm、絶縁層の厚さ8mm、外部導電層
の厚さ3mm、長さ370mmのものを使用した。拡径
は48mmφの拡径パイプを用いて、図2に示した方法
で行い、拡径したままの状態で70℃の恒温槽に保持
し、割れが発生するまでの日数で評価した。評価結果を
表7に示す。実施例61では、30日間後も割れは発生
しないのに対し、絶縁層にBMを添加していない比較例
61では8日で割れが発生している。参考例61は絶縁
層として実施例61と同じ材料を用いた例であるが、内
部導電層および外部導電層が硫黄およびBMを欠いてい
る。また、参考例62および63は内部導電層および外
部導電層として実施例61と同じ材料を用いた例である
が、絶縁層が硫黄とBMを欠くか、硫黄のみを欠いてい
る。これらの参考例はいずれも30日に達する前に割れ
が発生している。これらの結果から、DCP、硫黄およ
びBMの併用が接続用スリーブ拡径時の耐割れ性改善に
大きく寄与することがわかる。
【0031】以下の表で、注記した材料を次に示す。 注1)EPDM(A):住友化学工業社製、エチレンプロ
ピレンゴムES501A、エチレン比:50 注2)EPDM(B):住友化学工業社製、エチレンプロ
ピレンゴムES505A、エチレン比:52.5 注3)焼成クレー、Engelhard Minerals Corp.社製、ト
ランスリンク37クレー、珪酸アルミニウム、平均粒径
1.4μm、比重2.63、水分0.5%以下 注4)カーボンブラック(C)、東海カーボン社製、シー
スト300、平均粒径25〜29mμ、比重1.8 注5)カーボンブラック(D)、旭カーボン社製、旭#1
5、平均粒径122mμ、比重1.8 注6)プロセスオイル(E)、出光興産社製、PW38
0、パラフィン系、比重0.8769、40℃粘度38
1.6CSt 注7)プロセスオイル(F)出光興産社製、NW280、
ナフテン系、比重0.9222、40℃粘度237.7
CSt 注8)住友化学工業社製、スミファインBM 注9)川口化学社製、アンテージMB、2−メルカプト
ベンズイミダゾール、比重約1.42 注10)精工化学社製、ノンフレックスRD、2,2,4
−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重化合物、
比重約1.1 注11)吉富化学社製、トミノックスTT、テトラキス−
[メチレン−3−(3’、5’−ジ第三ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン 注12)理研ビタミン社製、エマスター510P 注13)光明丹、Pb3O4、粒径1.5〜4μm、比重
約3 注14)亜鉛華3号、ZnO
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【発明の効果】本発明によれば、送配電用CVケーブル
等のゴム・プラスチック電力ケーブルの中間接続部ある
いは終端接続部に使用する接続用スリーブに適した、ゴ
ム組成物を得ることができる。この組成物を使用して成
形した接続用スリーブは、施工する前に予め拡径率を大
きく取れるように低硬度で引張り伸び率が大きく、かつ
拡径およびその保持状態において裂けにくく、施工後は
界面密着力を保持できるので、これにより、施工現場に
おける作業が容易で、長期的な信頼性の高い差込接続を
可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム組成物から成形した接続用スリー
ブを装着した電力ケーブル接続部を模式的に表した縦断
面図である。
【図2】本発明のゴム組成物から成形した接続用スリー
ブを拡径する方法を模式的に表した縦断面図である。
【図3】本発明のゴム組成物から成形した接続用スリー
ブを接続部に装着する方法を模式的に表した平面図であ
る。
【符号の説明】
1、1a、1b:本発明になる接続用スリーブ 2、2a:接続用スリーブの、絶縁性ゴムよりなる絶縁
層 3、3a:接続用スリーブの、半導電性ゴムよりなる内
部導電層 4、4a:接続用スリーブの、半導電性ゴムよりなる外
部導電層 5a、5b:拡径パイプ 6、6b:ケーブル導体接続部 7、7b:ケーブル絶縁層 8、8b:ケ−ブル外部導電層 9b:ケーブルシース 10:防護管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・プロピレン・ジエン3元共重
    合体(a)100重量部に対して、焼成クレー(b)50〜1
    20重量部、プロセスオイル(c)20〜50重量部、ジ
    クミルパーオキサイド(d)2〜4重量部、硫黄(e)0.1
    〜1.0重量部、および、N−N'−mフェニレンビス
    マレイミド(f)0.5〜3.0重量部を含むことを特徴
    とする電力ケーブル接続部絶縁体用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記焼成クレー(b)の代わりに、導電性
    カーボンブラック(g)60〜100重量部を含むことを
    特徴とする電力ケーブル接続部導電体用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 半導電性の内部導電層、外部導電層およ
    び絶縁層からなる電力ケーブル接続用スリーブにおい
    て、当該内部導電層および外部導電層が請求項2記載の
    電力ケーブル接続部導電体用ゴム組成物から成り、当該
    絶縁層が請求項1記載の電力ケーブル接続部絶縁体用ゴ
    ム組成物から成ることを特徴とする電力ケーブル接続用
    スリーブ。
JP10120244A 1998-04-30 1998-04-30 電力ケーブルの接続部用ゴム組成物および接続用スリーブ Pending JPH11313434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10120244A JPH11313434A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 電力ケーブルの接続部用ゴム組成物および接続用スリーブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10120244A JPH11313434A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 電力ケーブルの接続部用ゴム組成物および接続用スリーブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11313434A true JPH11313434A (ja) 1999-11-09

Family

ID=14781409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10120244A Pending JPH11313434A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 電力ケーブルの接続部用ゴム組成物および接続用スリーブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11313434A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100442777B1 (ko) * 2001-03-14 2004-08-04 금호산업주식회사 타이어용 천연고무 배합물
JP2010136608A (ja) * 2008-10-28 2010-06-17 Nexans 2本の高電圧ケーブル間の接続点用装置
JP2012080720A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd 絶縁成形体とこれを用いたケーブル接続部
JP2014184608A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Fujikura Ltd ゴム製品およびゴム製品の製造方法
JP2015027157A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 株式会社フジクラ 電力用部品
JP2017046517A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 昭和電線ケーブルシステム株式会社 ケーブル接続部用絶縁性常温収縮チューブおよびケーブル接続部

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100442777B1 (ko) * 2001-03-14 2004-08-04 금호산업주식회사 타이어용 천연고무 배합물
JP2010136608A (ja) * 2008-10-28 2010-06-17 Nexans 2本の高電圧ケーブル間の接続点用装置
JP2012080720A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd 絶縁成形体とこれを用いたケーブル接続部
JP2014184608A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Fujikura Ltd ゴム製品およびゴム製品の製造方法
JP2015027157A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 株式会社フジクラ 電力用部品
JP2017046517A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 昭和電線ケーブルシステム株式会社 ケーブル接続部用絶縁性常温収縮チューブおよびケーブル接続部

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2708295C (en) Electric article comprising at least one element made from a semiconductive polymeric material and semiconductive polymeric composition
JP2008021456A (ja) 高電圧キャブタイヤケーブル
JPH11313434A (ja) 電力ケーブルの接続部用ゴム組成物および接続用スリーブ
JP5325066B2 (ja) ケーブル接続部用常温収縮チューブ及びケーブル接続部
JP5184454B2 (ja) 低温収縮性に優れるゴム組成物
AU2016429499B2 (en) Electrical field grading material and use thereof in electrical cable accessories
JP5330800B2 (ja) ケーブル介在用組成物及びそれを用いたゴムケーブル
JP5588366B2 (ja) ケーブル接続部用常温収縮チューブおよびケーブル接続部
JP6488213B2 (ja) ケーブル接続部用絶縁性常温収縮チューブおよびケーブル接続部
JP5571728B2 (ja) Epゴム組成物、ケーブル、及び接続部品
JP3813319B2 (ja) 絶縁ゴム組成物
JP5503710B2 (ja) 電線接続部用難燃性絶縁防水カバー
US2160204A (en) Insulation of electrical conductors
JP3812064B2 (ja) 含フッ素エラストマー組成物
JP6564258B2 (ja) 半導電性樹脂組成物およびこれを用いた電力ケーブル
JP5528597B2 (ja) Epゴム組成物、epゴム材料、ケーブル及び接続部品
JP4375940B2 (ja) 電界緩和用テープ
JP3321969B2 (ja) ふっ素樹脂被覆電線およびふっ素樹脂被覆シールド電線
JPH09204818A (ja) 電気絶縁部材、電力ケーブルおよび電力ケーブル用接続部材
JPH08127681A (ja) エチレン・プロピレン系ゴム組成物
JP2015008615A (ja) ケーブル接続部用常温収縮チューブおよびケーブル接続部
JPH10212383A (ja) 電力ケーブル補強絶縁体用ゴム組成物
JPH08127680A (ja) エチレン・プロピレン系ゴム組成物
JP2001143541A (ja) 半導電性樹脂混和物及び電力ケーブルの製造方法
JP6164420B2 (ja) 半導電性塗料および電力ケーブル接続用ゴムユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070703