JP5330515B2 - 音場調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、音場を調整する装置に関する。
複数のスピーカを備えて高品質の音響空間を提供するオーディオシステムでは、臨場感の得られる適切な音響空間を自動的に作り出すことが要求されている。即ち、受聴者自らが適切な音響空間を得ようとしてオーディオシステムを操作しても、複数のスピーカで再生される再生音の音圧特性等を適切に調整することは極めて困難であるため、オーディオシステム側で自動的に音場調整することが要求されている。
例えば、車室内では、リスナから見たスピーカの配置は、図26(A)に示すスピーカSP1〜SP5のようなリスナを中心とした同心円配置ではなく、図26(B)のように非対称となる。よって、図26(B)に示すリスナ位置での音圧バランスが悪化する。
この影響を回避するために、図26(C)に示すように、入力信号について、運転席から遠くのスピーカSP4に比して、運転席から近いスピーカSP1の音量を下げたり、遅延部D1〜D4によりタイムアライメント補正を施したりすることにより、運転席での音圧バランスの調整を図る装置がある(例えば、特許文献1や特許文献2)。
実開平6−13292号公報 特開2001−224092号公報
しかし、特許文献1に記載の音場特性調整装置及び特許文献2に記載の自動音場補正システムは、レベル自体を調整しているため調整した座席以外の座席(例えば、助手席)では、さらに音圧バランスが悪化してしまうという問題点がある。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、調整対象のリスナ位置で音圧バランスを改善すると共に他の位置での音圧バランス悪化を軽減し得る音場調整装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、音響空間に配置され、かつ、聴取位置から、スピーカ対のレベル差が0となる最適遅延量が周波数毎に変化する所定距離内に配置された複数のスピーカから信号を再生する音場調整装置であって、前記複数のスピーカに信号を供給する信号供給手段と、前記複数のスピーカのうち、少なくとも前記聴取位置から最も近いスピーカ対である近接スピーカ対に供給される信号に対して周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与える帯域毎遅延手段と、前記帯域毎遅延手段が遅延を与えたスピーカ対以外のスピーカ対に対して周波数帯域に関わらず一定の遅延量の遅延を与える一定遅延手段と、を備えることを特徴とする。
第1実施例のスピーカレイアウトを模式的に示す図である。 音場調整装置の構成を示すブロック図である。 一定遅延量の決定方法を示す図である。 一定遅延量の決定方法を示す図である。 周波数帯域毎の遅延量の決定方法を示す図である。 第1実施例の音場調整装置の遅延設定値を示す図である。 周波数の高低に関わらず一定に遅延設定した場合の音圧分布である。 第1実施例による遅延設定した場合の音圧分布である。 前後マイク間のレベル差を示す図である。 左右マイク間のレベル差を示す図である。 助手席位置でのスピーカ間の音圧レベルを示す図である。 第2実施例のスピーカレイアウトを模式的に示す図である。 一定遅延量の決定方法を示す図である。 周波数帯域毎の遅延量の決定方法を示す図である。 周波数帯域毎の遅延量の決定方法を示す図である。 第2実施例の音場調整装置の遅延設定値を示す図である。 第2実施例の各スピーカの遅延量を示すグラフである。 前後マイク間のレベル差を示す図である。 左右マイク間のレベル差を示す図である。 助手席位置でのスピーカ間の音圧レベルを示す図である。 近接スピーカ対との距離と最適遅延量との関係を示すグラフである。 近接スピーカ対との距離と最適遅延量との関係を示すグラフである。 近接スピーカ対との距離と最適遅延量との関係を示すグラフである。 近接スピーカ対との距離と最適遅延量との関係を示すグラフである。 他の実施例における遅延量決定方法を説明する図である。 従来手法の音場補正を概念的に示す図である。
本発明の1つの観点は、音響空間に配置され、かつ、聴取位置から所定距離内に配置された複数のスピーカから信号を再生する音場調整装置であって、前記複数のスピーカに信号を供給する信号供給手段と、前記複数のスピーカのうち、少なくとも前記聴取位置から最も近いスピーカ対である近接スピーカ対に供給される信号に対して周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与える帯域毎遅延手段と、前記帯域毎遅延手段が遅延を与えたスピーカ対以外のスピーカ対に対して周波数帯域に関わらず一定の遅延量の遅延を与える一定遅延手段と、を備える。
上記の音場調整装置は、例えば、車内の音場を調整するための装置に適用することができる。上記音場調整装置は、音響空間に配置された複数のスピーカ対から信号を再生する。また、当該音場調整装置は、複数のスピーカに対して信号を供給し、複数のスピーカのうち、少なくとも聴取位置から最も近いスピーカ対である近接スピーカ対に供給される信号に対して周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与え、周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与えたスピーカ対以外のスピーカ対に対して周波数帯域に関わらず一定の遅延量の遅延を与える。この場合、音場調整装置は、レベル調整することなく、遅延量による調整のみで音場調整しているので、聴取位置で音圧バランスを調整した結果、聴取位置以外の位置で音圧バランスが悪化してしまうことを回避することができ、さらに聴取位置での音圧バランスの改善を図ることができる。ここでいう近接スピーカ対とは、音響空間中のスピーカ対の内、聴取位置からの距離が最も近いスピーカ対をいう。また、スピーカ対とは、スピーカのペアをいう。
一般的に、頭部の影響を無視すれば、周波数に関わらず、一定の遅延量を付加し、音圧レベルが高い範囲を聴取位置付近に位置させることで、音圧バランスを整えることが可能となる。しかし、聴取位置に聴取者の頭部が位置すると、当該頭部の影響を受け、聴取位置前後のレベルが乱れてしまう。この頭部による影響は、周波数が高ければ高い程影響を受けやすく、聴取位置との距離が近いほど影響を大きく受けるといわれている。
そこで、本願発明の音場調整装置は、近接スピーカ対に供給される信号については、周波数帯域毎に異なる遅延量を付加している。このように、音場調整装置は、聴取位置の頭部による影響を受けやすいスピーカ対に対して、周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与えているので、聴取位置及び当該聴取位置に近接する位置における前後の音圧バランスの悪化を回避することができる。
上記の音場調整装置の一態様では、前記スピーカ対は、前記聴取位置の前後方向又は左右方向のいずれかの方向に配置されたスピーカ対であり、前記帯域毎遅延手段は、前記近接スピーカ対のレベル差が所定値以下となるように前記遅延量を決定する。このように、音場調整装置は、聴取位置の頭部による影響を受けやすいスピーカ対である近接スピーカ対のレベル差を小さくすることにより、聴取位置前後で音圧レベル差が生じてしまうことを回避することができる。
上記の音場調整装置の他の一態様では、前記スピーカ対は、前記聴取位置の前後方向又は左右方向のいずれかの方向に配置されたスピーカ対であり、前記帯域毎遅延手段は、前記近接スピーカ対のレベル差が0となるように前記遅延量を決定し、前記一定遅延手段は、前記近接スピーカ対以外のスピーカ対のレベル差が0となるように前記遅延量を決定する。この場合、音場調整装置は、聴取位置や当該聴取位置の付近における、前後のレベル差及び左右のレベル差をほぼ0とすることができる。
上記の音場調整装置の他の一態様では、前記帯域毎遅延手段は、低域信号に与える遅延量よりも高域信号に与える遅延量を大きくする。一般的に、聴取位置に位置する頭部の影響を受けて音圧レベルバランスが悪化するのは、所定の周波数から高い場合に特に顕著となる。そこで、音場調整装置は、低域信号に与える遅延量よりも高域信号に与える遅延量を大きくすることにより、聴取位置に位置する人の頭部等の影響を受け、音響空間の音圧レベル差が生じてしまうことを回避することができる。
上記の音場調整装置の他の一態様では、前記帯域毎遅延手段は、基準周波数以上の所定周波数範囲に属する信号について、周波数が増加するにつれて遅延量を段階的に大きくすることを特徴とする。この場合、音場調整装置は、聴取位置に位置する頭部等の影響に即して遅延量を決定することができる。
上記の音場調整装置の他の一態様では、前記聴取位置から最も遠いスピーカ対を、前記遅延量を決定する処理の対象となるスピーカ対から除外する。複数のスピーカが聴取位置を囲む形で配置される場合、構成上各スピーカ対のうち1つは所望の遅延量を与えることができない。そこで、そのスピーカ対を、音圧バランスに対する影響が最も少ないスピーカ対、即ち、聴取位置から最も遠いスピーカ対とする。
上記の音場調整装置の他の一態様では、前記近接スピーカ対は、前記複数のスピーカ対のうち、前記聴取位置からの垂直距離が近いスピーカ対であり、前記垂直距離は、スピーカ対を構成する2つのスピーカを結ぶ直線から前記聴取位置までの最短距離を指す。このように、音場調整装置は、聴取位置に位置する頭部等の影響が最もある、近接スピーカ対を特定し、当該近接スピーカ対について、周波数毎に適切な遅延量を設定することにより、適切な音圧バランス改善を実現することができる。
好適には、前記所定距離は、前記スピーカ対のレベル差が0となる最適遅延量が、周波数毎に変化する距離である。スピーカ対の位置を聴取位置から離していくと、スピーカ対のレベル差が0となる遅延量である最適遅延量は、ある距離までは周波数毎に変化する特性を示すが、それより離れると周波数を問わず一定となる。本発明は、聴取位置と少なくとも1つのスピーカ対との距離が上記の所定距離以内にあるスピーカ配置のときに有効となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
<第1実施例>
[スピーカレイアウトについて]
図1(A)に、第1実施例の音場調整装置に係るスピーカレイアウトを示す。図1(A)は、車内におけるスピーカ及び聴取位置(リスナ)を模式的に示す。車内の前方には、右側にスピーカFR、左側にスピーカFLが配置され、車内の後方には、右側にスピーカSR、左側にスピーカSLが配置される。また、運転席は右スピーカ寄りにあり、助手席は左スピーカ寄りにある。4つのスピーカ、運転席及び助手席の位置関係は図1(A)に示す数値の通りである。
図1(B)を用いて、音場調整装置の概要を説明する。音場調整装置は、上記の各スピーカから出力される信号に遅延量を付加する遅延部(図示しない)を備えている。また、スピーカSLとスピーカFLとのペアをスピーカ対10A、スピーカFLとスピーカFRとのペアをスピーカ対10B、スピーカFRとスピーカSRとのペアをスピーカ対10Cとし、スピーカSLとスピーカSRとのペアをスピーカ対10Dとする。なお、ここでは運転席を基準に音場調整を行なうものとする。
また、上記の複数のスピーカ対のうち、リスナ位置と各スピーカ対を構成するスピーカ間を結ぶ直線である直線L1〜L4との垂直距離が最も近いスピーカ対を近接スピーカ対とする。なお、「垂直距離」とは、スピーカ対を構成する2つのスピーカを結ぶ直線(スピーカ対の外側に延長した直線を含む。)からリスナ位置までの最短距離を言う。本実施例の場合、スピーカ対10Cが近接スピーカ対となる。
本実施例における音場調整装置は、近接スピーカ対となるスピーカ対10Cに供給される信号に対して周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与え、近接スピーカ対ではないスピーカ対に供給される信号に対しては、周波数帯域に関わらず一定の遅延量の遅延を与える。本実施例における音場調整装置は、スピーカ対10A及びスピーカ対10Bに供給される信号に対して、一定の遅延量を与える。
なお、本実施例のように、複数のスピーカが聴取位置を囲む形で配置される場合、構成上各スピーカ対のうち1つは所望の遅延量を与えることができない。本実施例では、車内後方のスピーカ対に該当するスピーカ対10Dについては、音圧バランスに影響が少ないので、各スピーカの遅延量を決定する際に、レベル差を計測し遅延量を決定する処理の対象とするスピーカ対から除外する。即ち、上記のように所望の遅延量を与えることができない1つのスピーカ対を、聴取位置から最も遠いスピーカ対とする。このように、音場調整装置は、音圧バランスの調整に影響が少ない後方スピーカ対を遅延量の決定における処理の対象から除外することにより、より適切に音圧バランスの調整を行う。
[音場調整装置について]
図2は、音場調整装置の構成を概略的に示す。図示しない音響ソースからの入力信号は、信号処理部5SL、5FL、5FR、及び5SRへ入力される。なお、以下の説明において、信号処理部5SL〜5SR全体をいう場合、単に信号処理部5とも呼び、個々の信号処理部をいう場合には信号処理部5SLなどと添え字を付す。他の構成要素についても同様である。
信号処理部5は、入力信号に対して遅延制御処理を行い、遅延処理を施した信号をスピーカに供給する。図示の通り、信号処理部5は、ミキサ6と、帯域分割部8と、遅延部9とを備える。信号処理部5において、入力信号が帯域分割部8に供給される。帯域分割部8は、複数の帯域分割フィルタなどを備え、入力信号を所定の複数帯域の信号に分割する。具体的に、帯域分割部8は、各帯域幅を1/3オクターブとし、各帯域の中心周波数f(1)〜f(N)を250Hz〜1kHzとする。
分割された各帯域の信号は、遅延部9へ送られる。遅延部9は、各帯域の信号に対して異なる遅延量又は同一の遅延量で遅延を与え、ミキサ6へ出力する。ミキサ6は、遅延部9により与えられた信号を合成し、各スピーカへ出力する。
なお、複数の遅延部9のうち、入力信号の全周波数帯域について同一の遅延量の遅延を与える遅延部9が一定遅延手段に相当し、入力信号の周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与える遅延部9が帯域毎遅延手段に相当する。
[遅延量の決定方法について]
次に、図3〜図5を用いて、各スピーカ対における遅延量の決定方法について説明する。音場調整装置は、各スピーカ対における遅延量を決定する際、レベル差を計測し、遅延量を決定する。リスナの左右方向と平行なスピーカ対であるスピーカ対10Bにおける遅延量を決定する際には、リスナの左右に配置されたマイクにおけるレベル差に基づいて遅延量を決定する。そして、リスナの前後方向と平行なスピーカ対であるスピーカ対10A及び10Cにおける遅延量を決定する際には、リスナの前後方向に配置されたマイクにおけるレベル差に基づいて遅延量を決定する。
まず、図3(A)及び図3(B)を用いて、スピーカ対10Aに供給される信号に与える時間差を決定する方法について説明する。図3(A)に示すように、音場調整装置のスピーカFLやスピーカSLから出力するピンクノイズなどを計測することにより、ダミーヘッド30に付されているマイクM1とマイクM2とのレベル差を計測し、計測した結果に基づいてスピーカ対10Aに供給される信号に与える時間差を決定する。なお、マイクM1〜M4は、音場調整装置と接続されている。
音場調整装置は、測定用信号であるピンクノイズを発生させ、スピーカFL及びスピーカSLから同時にピンクノイズを出力する。そして、音場調整装置は、上記のピンクノイズをマイクM1及びマイクM2から収音し、レベル差を検出する。
レベル差が所定の閾値(例えば、0)に達していない場合、音場調整装置の遅延部9FLは、遅延量を変更する。そして、音場調整装置は、レベル差を再度検出する。音場調整装置は、レベル差が上記閾値に達するまで、遅延量の変更とレベル差の検出とを繰り返す。各帯域の遅延量を変えた時のレベル差の分布図を図3(B)に示す。図3(B)において、マイクM1とM2のレベル差が0となるときの遅延量をグラフ11Aで示す。
図3(B)に示すグラフ11Aによれば、マイクM1とM2のレベル差が0となるときの遅延量は、周波数帯域に関わらず0.7msecとなっているので、音場調整装置は、遅延部9FLにおける遅延量を全ての周波数帯域について0.7msecとする。これにより、音場調整装置は、スピーカ対10Aに供給される信号に与える時間差を設けることができる。
次に、図4(A)及び図4(B)を用いて、スピーカ対10Bに供給される信号に与える時間差を決定する方法について説明する。図4(A)に示すように、音場調整装置のスピーカFLやスピーカFRから出力するピンクノイズ等を計測することにより、ダミーヘッド30に付されているマイクM3とマイクM4とのレベル差を計測し、スピーカ対10Bに供給される信号に与える時間差を決定する。
音場調整装置は、測定用信号であるピンクノイズを発生させ、スピーカFL及びスピーカFRから同時にピンクノイズを出力する。そして、音場調整装置は、上記のピンクノイズをマイクM3及びマイクM4から収音し、レベル差を検出する。音場調整装置の遅延部9FRは、所定の閾値に達していない場合、遅延量を変更する。そして、音場調整装置は、レベル差を再度検出する。このように、音場調整装置は、レベル差が閾値に達するまで、遅延量の変更とレベル差の検出を繰り返す。各帯域の遅延量を変えた時のレベル差の分布図を図4(B)に示す。図4(B)において、マイクM3とM4のレベル差が0となるときの遅延量をグラフ11Bで示す。
図4(B)に示すグラフ11Bによれば、マイクM3とM4のレベル差が0となるときの遅延量は、周波数帯域に関わらず1.3msecとなっているので、音場調整装置は、遅延部9FRにおける遅延量を全ての周波数帯域について1.3msecとする。これにより、音場調整装置は、スピーカ対10Bに供給される信号に与える時間差を設けることができる。
次に、図5(A)〜(C)を用いて、スピーカ対10Cに供給される信号に与える時間差を決定する方法について説明する。図5(A)に示すように、音場調整装置のスピーカFRやスピーカSRから出力するピンクノイズ等を計測することにより、ダミーヘッド30に付されたマイクM1とマイクM2とのレベル差を測定し、スピーカ対10Cに供給される信号に与える時間差を決定する。
音場調整装置は、測定用信号であるピンクノイズを発生させ、スピーカFR及びスピーカSRから同時にピンクノイズを出力する。そして、音場調整装置は、上記のピンクノイズをマイクM1及びマイクM2から収音し、レベル差を検出する。レベル差が所定の閾値に達していない場合、音場調整装置の遅延部9SRは、遅延量を変更する。そして、音場調整装置は、レベル差を再度検出する。このように、音場調整装置は、レベル差が所定の閾値に達するまで、遅延量の変更とレベル差の検出とを繰り返す。各帯域の遅延量を変えた時のレベル差の分布図を図5(B)に示す。図5(B)において、マイクM1とM2のレベル差が0となるときの遅延量をグラフ11Cで示す。
図5(B)に示すグラフ11Cによれば、周波数帯域によってレベル差が0になる遅延量が異なる。ここで、各周波数帯域におけるレベル差が0となる遅延量の表を図5(C)に示す。図5(B)及び図5(C)に示すように、周波数が500Hzになるまでは、レベル差が0となる遅延量である最適遅延量は0.85msec前後となるが、周波数が500Hzを超えると、徐々に最適遅延量が増加していく。即ち、周波数が500Hz以上の周波数帯域(例えば、630Hz等)の最適遅延量は、周波数500Hz以下の最適遅延量に比して大きくなる。
音場調整装置は、遅延部9FRにおける遅延量をグラフ11Cに基づいて、周波数帯域毎で異なる遅延量とすることにより、スピーカ対10Cに供給される信号について時間差を設ける。
次に、音場調整装置で与える遅延量を決定する手順について説明する。まず、音場調整装置は、近接スピーカ対を決定する。本実施例では、音場調整装置は、スピーカ対10Cを近接スピーカ対とする。そして、音場調整装置は、リスナ位置から最も遠いスピーカを特定する。本実施例では、音場調整装置は、スピーカSLを最も遠いスピーカであると特定する。そして、音場調整装置は、最も遠いスピーカであるスピーカSLに接続されている遅延部9SLについては、遅延させず、0.7msecの遅延量を遅延部9FLに付加する。これにより、音場調整装置は、図3(A)及び(B)についての説明で決定した時間差をスピーカ対10Aに対して設けることができる。
そして、音場調整装置は、遅延部9FRに対して、図4(A)及び(B)についての説明で決定した遅延量と、遅延部9FLに付加する遅延量とを加算した遅延量を付加する。本実施例では、図4(A)及び(B)についての説明で決定した遅延量である1.3msecと、遅延部9FLに付加されている遅延量である0.7msecとを加算した2.0msecを遅延部9FRに付加する遅延量とする。これにより、音場調整装置は、図4(A)及び(B)についての説明で決定した時間差をスピーカ対10Bに対して設けることができる。
そして、音場調整装置は、スピーカ対10Cに対して、図5(A)〜(C)の説明で決定した時間差を設ける。本実施例では、遅延部9FRに付加されている遅延量と図5(B)のグラフ11Cに基づく遅延量との差分値を遅延部9SRに対する遅延量とする。これにより、音場調整装置は、図5(A)〜(C)についての説明で決定した時間差をスピーカ対10Cに設けることができる。なお、スピーカ対10Cでは、帯域毎で異なる時間差が設けられることとなる。
以上より、音場調整装置は、スピーカ対10A〜スピーカ対10Cについて、図3〜図5の説明で決定した時間差を設けることができる。
[頭部の影響を加味せずに遅延量を設定する手法と本願発明との比較について]
頭部の影響を加味せずに遅延量を設定する音場補正と本願発明との比較について、以下に記載する。まず、図7(A)に示すように、頭部の影響を加味せずに遅延量を設定する手法の一例として、各スピーカから出力される信号に対して全ての周波数帯域で一律に周波数の高低に関わらず一定の遅延量を付加することを想定する。例えば、スピーカFRから出力される信号に対しては、グラフ18FRに基づき、遅延量を2msecとし、スピーカSRから出力される信号に対しては、グラフ18SRに基づき、遅延量を1.1msecとし、スピーカFLから出力される信号に対しては、グラフ18FLに基づき、0.55msecとし、スピーカSLから出力される信号に対しては、遅延量を付加しないこととする。この場合、リスナと各スピーカとの位置関係に基づき、干渉のピークがリスナの位置に来るような遅延量を設定することになる。
図7(B)は、ダミーヘッド30近傍における、周波数315Hzの帯域の信号の音圧分布を示すグラフである。また、図7(B)は、スピーカFRから出力される信号とスピーカSRから出力される信号との時間差が0.9msecである場合の音圧分布である。縦軸及び横軸はダミーヘッド30近傍の位置を示し、グラフ中の等高線が音圧レベルを示す。この場合、音圧レベルが高い範囲(−4dB〜2dB)に属する等高線であるピーク縞25Aがダミーヘッド30の前後に渡って存在する。従って、ダミーヘッド30の前後で音圧が均一となっていることになる。
図7(C)は、ダミーヘッド30近傍における、周波数794Hzの帯域の信号の音圧分布を示すグラフである。図7(C)は、スピーカFRから出力される信号とスピーカSRから出力される信号との時間差が0.9msecである場合のグラフである。図7(C)のグラフによれば、音圧レベルが高い範囲(−4dB〜2dB)に属する等高線であるピーク縞25Bがダミーヘッド30の中心位置に存在する。この場合、ダミーヘッド30の近傍では、信号がダミーヘッド30の影響を強く受けると考えられ、その結果ダミーヘッド30の前後でレベル差が乱れてしまう。また、実際に、運転席に運転手が座った場合、当該運転手の頭部により頭部前後の音圧レベル差が乱れることになる。図7(B)に示すように、低域の信号については、周波数の高低に関わらず一定の遅延量を信号に対して付加した場合でも、ダミーヘッド30前後で音圧レベル差が均一となる。
しかし、図7(C)に示すように、高域の信号については、周波数の高低に関わらず一定の遅延量を信号に対して付加した場合、ピーク縞25Bがダミーヘッド30の中心に位置することとなり、当該ダミーヘッド30の影響を受けるために、ダミーヘッド30前後で音圧レベルが乱れてしまう。
次に、本発明による遅延量の決定方法により決定した遅延量に基づいた場合を想定する。図6を用いて説明した方法により、遅延部9の遅延量を決定すると、各遅延部9の遅延量は、図8(A)に示すグラフのようになる。具体的には、遅延部9FLには、グラフ15FLで示す遅延量が設定され、遅延部9FRには、グラフ15FRで示す遅延量が設定され、遅延部9SRには、グラフ15SRで示す遅延量が設定される。従って、グラフ15SRに示すように、遅延部9SRには、帯域によって異なる遅延量が設定される。なお、遅延部9SLには、グラフ15SLで示すように、遅延量はない。
図8(B)は、ダミーヘッド30近傍における、周波数794Hzの帯域の信号の音圧分布を示すグラフである。また、図8(B)は、スピーカFRから出力される信号とスピーカSRから出力される信号との時間差が0.9msecである場合のグラフである。縦軸及び横軸はダミーヘッド30近傍の位置を示し、グラフ中の等高線が音圧レベルを示す。
この場合、音圧レベルが高い範囲(−4dB〜2dB)に属する等高線であるピーク縞25Cがダミーヘッド30の前方位置に存在する。図6で説明した方法により、遅延部9の遅延量を決定し、ダミーヘッド30に近いスピーカ対10Cについての時間差を帯域毎に設けることにより、ピーク縞25Cがダミーヘッド30の前方に存在する。
従って、本発明による遅延量の決定方法により遅延量を定めた場合、ピーク縞25Cが当該ダミーヘッド30の影響をそれほど受けない箇所に位置することとなるため、ダミーヘッド30の前後でレベル差が乱れることがない。
このように、音場調整装置は、近接スピーカ対から出力される信号に対して、周波数毎に異なる遅延量を付加することにより、リスナ位置のダミーヘッド30の影響を回避することができるので、周波数帯域によって一律の遅延量を信号に付加する場合に比して、適切に音場調整をすることができる。
また、音場調整装置は、近接スピーカ対から出力される信号に対して、所定の帯域以上の周波数の信号については、低域の信号に比して大きい遅延量を与えているので、聴取位置に位置する人の頭部等の影響によって音圧レベル差が生じてしまうことを回避することができる。
次に、リスナ位置で実施例の音場調整をした場合と、従来手法の音場補正をした場合と、補正処理を行っていない場合とにおける、前後マイクレベル差と左右マイクレベル差の測定結果を図9、図10を用いて説明する。ここでいう従来手法の音場補正とは、レベル調整や、周波数の高低に関わらず一定の遅延量を付加する音場補正をいう。即ち、入力信号について、運転席から遠くのスピーカに比して、運転席から近いスピーカの音量を下げたり、図13(C)に示したような遅延部D1〜D4によりタイムアライメント補正を施したりすることにより、運転席での音圧バランスの調整を図ることをいう。
まず、図9(A)〜(C)を用いて、前後マイクレベル差の測定結果について説明する。図9(A)に示すように、リスナ位置のダミーヘッド30前後に置いたマイクM1及びマイクM2の音圧レベル差を測定する。そして、測定結果のグラフを図9(B)に示す。グラフ21Aは、音場補正をしていない場合のグラフであり、グラフ22Aは、本実施例の音場調整をした場合のグラフであり、グラフ23Aは、従来手法の音場補正をした場合のグラフである。
また、実施例の音場調整をした場合と、従来手法の音場補正をした場合と、補正処理を行っていない場合のそれぞれにおける前後レベル差の平均値を図9(C)に示す。
本実施例の音場調整をした場合のグラフ22Aを、グラフ21Aやグラフ23Aと比較すると、前後マイク間のレベル差がほとんど無い。従って、本実施例の音場調整装置は、従来技術等に比してリスナ位置の前後のレベル差をほとんど無い状態にすることができ、適切に音場調整することができる。
次に、図10(A)〜(C)を用いて、左右マイクレベル差の測定結果について説明する。図10(A)に示すように、リスナ位置のダミーヘッド30の左右に置いたマイクM3及びマイクM4の音圧レベル差を測定する。そして、測定結果のグラフを図10(B)に示す。
グラフ21Bは、音場補正をしていない場合のグラフであり、グラフ22Bは、本実施例の音場調整をした場合のグラフであり、グラフ23Bは、従来手法の音場補正をした場合のグラフである。
実施例の音場調整をした場合、従来手法の音場補正をした場合、及び補正処理を行っていない場合のそれぞれにおける左右レベル差の平均値を図10(C)に示す。
従来手法の音場補正をした場合と、本実施例による音場調整をした場合とを比較すると、従来手法の音場補正をした場合の方が、左右レベル差の平均値は少ない。しかし、本実施例による音場調整をした場合の左右レベル差の絶対値の平均は、3dB以下となっていることから聴取者にとって実質的に問題ない範囲であると考えられる。よって、実質的な差異はないと考えられる。
次に、図11(A)に示す、助手席におけるスピーカFRとスピーカFLとの出力の音圧レベルの比較について、図11(B)及び図11(C)を用いて説明する。
図11(B)は、従来手法の音場補正を行なった場合の、助手席におけるスピーカFRとスピーカFLとの音圧レベルのグラフである。グラフ16FRがスピーカFRの各周波数における音圧レベルを示すグラフであり、グラフ16FLがスピーカFLの各周波数における音圧レベルを示すグラフである。平均するとスピーカFRとスピーカFLとの音圧レベル差は、13.6dBある。
図11(C)は、助手席における、本願発明の音場調整装置のスピーカFRとスピーカFLとの音圧レベルのグラフである。グラフ17FRがスピーカFRの各周波数における音圧レベルを示すグラフであり、グラフ17FLがスピーカFLの各周波数における音圧レベルを示すグラフである。平均するとスピーカFRとスピーカFLとの音圧レベル差は、4.4dBある。よって、本実施例による音場調整装置は、従来手法の音場補正を行った場合に比して助手席における音圧レベル差を少なく抑えることができる。
このように、本願発明の音場調整装置は、レベル調整することなく、信号の干渉によって音圧バランスの調整を行なっているので、運転席に対応する聴取位置で、従来手法の音場補正と同様の音場補正効果を保ちつつ、さらに他の聴取位置(例えば、助手席等)においては、従来手法の音場補正に比して悪影響を改善させることができる。
<第2実施例>
次に、本願発明の第2実施例について説明する。
[スピーカレイアウトについて]
図12(A)に、第2実施例の音場調整装置のスピーカレイアウトを示す。図12(A)は、車内におけるスピーカ及び聴取位置(リスナ位置)を模式的に示す。スピーカの構成は、図1に示す第1実施例と同様である。但し、第2実施例は、第1実施例より小型の車両を想定しており、各スピーカ位置及び聴取位置の距離が短くなっている。特に、第1実施例と比較して、後方のスピーカ対10Dと聴取位置との距離が近くなっている。4つのスピーカ及び運転席の位置関係は図12(A)に示す数値の通りである。
図12(B)を用いて、第2実施例の音場調整装置の概要を説明する。第2実施例における音場調整装置は、近接スピーカ対となるスピーカ対10Dに供給される信号に対して周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与える。これに加えて、第2実施例では、リスナ位置からの垂直距離が近接スピーカ対10Dの次に近いスピーカ対である、スピーカ対10Cに供給される信号に対しても周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与える。一方、スピーカ対10Bに供給される信号に対しては周波数帯域に関わらず一定の遅延量の遅延を与える。なお、スピーカ対10Aについては、各スピーカに対する遅延量を決定する際の検討対象となるスピーカ対から除外する。音場調整装置は、リスナ位置から離れており、かつ、音圧バランスの調整に影響が少ないスピーカ対を、検討対象となるスピーカ対から除外することにより、より適切に音圧バランスの調整を行う。
[遅延量の決定方法について]
次に、図13〜図15を用いて、各スピーカ対における遅延量の決定方法について説明する。音場調整装置は、各スピーカ対における遅延量を決定する際、レベル差を計測し、遅延量を決定する。リスナの左右方向と平行なスピーカ対であるスピーカ対10B及び10Dにおける遅延量を決定する際には、リスナの左右に配置されたマイクにおけるレベル差に基づいて遅延量を決定する。そして、リスナの前後方向と平行なスピーカ対であるスピーカ対10Cにおける遅延量を決定する際には、リスナの前後方向に配置されたマイクにおけるレベル差に基づいて遅延量を決定する。
まず、図13(A)及び図13(B)を用いて、スピーカ対10Bに供給される信号に与える時間差を決定する方法について説明する。図13(A)に示すように、音場調整装置のスピーカFL及びFRから出力するピンクノイズなどを計測することにより、ダミーヘッド30に付されているマイクM3とマイクM4とのレベル差を計測し、計測した結果に基づいてスピーカ対10Bに供給される信号に与える時間差を決定する。なお、マイクM1〜M4は、音場調整装置と接続されている。
音場調整装置は、測定用信号であるピンクノイズを発生させ、スピーカFL及びスピーカFRから同時にピンクノイズを出力する。そして、音場調整装置は、上記のピンクノイズをマイクM3及びマイクM4から収音し、レベル差を検出する。
レベル差が所定の閾値(例えば、0)に達していない場合、音場調整装置の遅延部9FRは、遅延量を変更する。そして、音場調整装置は、レベル差を再度検出する。音場調整装置は、レベル差が上記閾値に達するまで、遅延量の変更とレベル差の検出とを繰り返す。各帯域の遅延量を変えた時のレベル差の分布図を図13(B)に示す。図13(B)において、マイクM3とM4のレベル差が0となるときの遅延量をグラフ12Aで示す。
図13(B)に示すグラフ12Aによれば、マイクM3とM4のレベル差が0となるときの遅延量は、周波数帯域に関わらず1.2msecとなっているので、音場調整装置は、遅延部9FRにおける遅延量を全ての周波数帯域について1.2msecとする。これにより、音場調整装置は、スピーカ対10Bに供給される信号に与える時間差を設けることができる。
次に、図14(A)及び図14(B)を用いて、スピーカ対10Cに供給される信号に与える時間差を決定する方法について説明する。図14(A)に示すように、音場調整装置のスピーカFRやスピーカSRから出力するピンクノイズ等を計測することにより、ダミーヘッド30に付されているマイクM1とマイクM2とのレベル差を計測し、スピーカ対10Cに供給される信号に与える時間差を決定する。
音場調整装置は、測定用信号であるピンクノイズを発生させ、スピーカFR及びスピーカSRから同時にピンクノイズを出力する。そして、音場調整装置は、上記のピンクノイズをマイクM1及びマイクM2から収音し、レベル差を検出する。音場調整装置の遅延部9SRは、所定の閾値に達していない場合、遅延量を変更する。そして、音場調整装置は、レベル差を再度検出する。このように、音場調整装置は、レベル差が閾値に達するまで、遅延量の変更とレベル差の検出を繰り返す。各帯域の遅延量を変えた時のレベル差の分布図を図14(B)に示す。図14(B)において、マイクM1とM2のレベル差が0となるときの遅延量をグラフ12Bで示す。
図14(B)に示すグラフ12Bによれば、周波数帯域によってレベル差が0になる遅延量が異なる。ここで、各周波数帯域におけるレベル差が0となる遅延量の表を図14(C)に示す。図14(B)及び図14(C)に示すように、周波数が500Hzになるまでは、レベル差が0となる遅延量である最適遅延量は0.5〜0.6msec前後となるが、周波数が500Hzを超えると、徐々に最適遅延量が減少していく。即ち、周波数が500Hz以上の周波数帯域(例えば、630Hz等)の最適遅延量は、周波数500Hz以下の最適遅延量に比して小さくなる。
音場調整装置は、遅延部9SRにおける遅延量をグラフ12Bに基づいて、周波数帯域毎で異なる遅延量とすることにより、スピーカ対10Cに供給される信号について時間差を設ける。
次に、図15(A)〜(C)を用いて、スピーカ対10Dに供給される信号に与える時間差を決定する方法について説明する。図15(A)に示すように、音場調整装置のスピーカSL及びSRから出力するピンクノイズ等を計測することにより、ダミーヘッド30に付されたマイクM3とマイクM4とのレベル差を測定し、スピーカ対10Dに供給される信号に与える時間差を決定する。
音場調整装置は、測定用信号であるピンクノイズを発生させ、スピーカSL及びスピーカSRから同時にピンクノイズを出力する。そして、音場調整装置は、上記のピンクノイズをマイクM3及びマイクM4から収音し、レベル差を検出する。レベル差が所定の閾値に達していない場合、音場調整装置の遅延部9SRは、遅延量を変更する。そして、音場調整装置は、レベル差を再度検出する。このように、音場調整装置は、レベル差が所定の閾値に達するまで、遅延量の変更とレベル差の検出とを繰り返す。各帯域の遅延量を変えた時のレベル差の分布図を図15(B)に示す。図15(B)において、マイクM3とM4のレベル差が0となるときの遅延量をグラフ12Cで示す。
図15(B)に示すグラフ12Cによれば、周波数帯域によってレベル差が0になる遅延量が異なる。ここで、各周波数帯域におけるレベル差が0となる遅延量の表を図15(C)に示す。図15(B)及び図15(C)に示すように、周波数が500Hzになるまでは、レベル差が0となる遅延量である最適遅延量は1.3msec前後となるが、周波数が500Hzを超えると、徐々に最適遅延量が増加していく。即ち、周波数が500Hz以上の周波数帯域(例えば、630Hz等)の最適遅延量は1.5msecとなり、周波数500Hz以下の最適遅延量に比して大きくなる。しかし、その後周波数が1kHzに近づくと、最適遅延量は徐々に減少していく。例えば、1kHzでの最適遅延量は1msec程度となる。
音場調整装置は、遅延部9SRにおける遅延量をグラフ12Cに基づいて、周波数帯域毎で異なる遅延量とすることにより、スピーカ対10Dに供給される信号について時間差を設ける。
次に、音場調整装置で与える遅延量を決定する手順について説明する。まず、音場調整装置は、近接スピーカ対を決定する。本実施例では、音場調整装置は、スピーカ対10Dを近接スピーカ対とする。そして、音場調整装置は、リスナ位置から最も遠いスピーカを特定する。本実施例では、音場調整装置は、スピーカFLを最も遠いスピーカであると特定する。そして、音場調整装置は、最も遠いスピーカであるスピーカSLに接続されている遅延部9FLについては、遅延させず、1.2msecの遅延量を遅延部9FRに付加する。これにより、音場調整装置は、図13(A)及び(B)についての説明で決定した時間差をスピーカ対10Bに対して設けることができる。
そして、音場調整装置は、遅延部9SRに対して、図14(A)〜(C)についての説明で決定した遅延量と、遅延部9FRに付加する遅延量とを加算した遅延量を付加する。本実施例では、図14(A)〜(C)についての説明で決定した、周波数毎に異なる遅延量と、遅延部9FRに付加されている遅延量である1.2msecとを加算した遅延量を遅延部9SRに付加する。これにより、音場調整装置は、図14(A)〜(C)についての説明で決定した時間差をスピーカ対10Cに対して設けることができる。なお、スピーカ対10Cでは、帯域毎で異なる時間差が設けられることとなる。
そして、音場調整装置は、スピーカ対10Cに対して、図15(A)〜(C)の説明で決定した遅延量を設定する。本実施例では、遅延部9SRに付加されている遅延量と図15(B)のグラフ12Cに基づく遅延量との差分値を遅延部9SLに対する遅延量とする。これにより、音場調整装置は、図15(A)〜(C)についての説明で決定した時間差をスピーカ対10Dに設けることができる。なお、スピーカ対10Dでは、帯域毎で異なる時間差が設けられることとなる。
以上のように決定した各遅延部9の遅延量は、図17に示すグラフのようになる。具体的には、遅延部9FRには、グラフ35FRで示す遅延量が設定され、遅延部9SRには、グラフ35SRで示す遅延量が設定され、遅延部9SLには、グラフ35SLで示す遅延量が設定される。従って、グラフ35SL及び35SRに示すように、遅延部9SL及び9SRには、それぞれ帯域によって異なる遅延量が設定される。なお、遅延部9FLには、グラフ15FLで示すように、遅延量はない。
以上より、音場調整装置は、スピーカ対10B〜スピーカ対10Dについて、図13〜図15の説明で決定した時間差を設けることができる。
次に、リスナ位置で第2実施例の音場調整をした場合と、従来手法の音場補正をした場合と、補正処理を行っていない場合とにおける、前後マイクレベル差と左右マイクレベル差の測定結果を図18、図19を用いて説明する。ここでいう従来手法の音場補正とは、第1実施例の場合と同様に、レベル調整や、周波数の高低に関わらず一定の遅延量を付加する音場補正をいう。
まず、図18(A)〜(C)を用いて、前後マイクレベル差の測定結果について説明する。図18(A)に示すように、リスナ位置のダミーヘッド30の前後に置いたマイクM1及びマイクM2の音圧レベル差を測定する。そして、測定結果のグラフを図18(B)に示す。グラフ31Aは、音場補正をしていない場合のグラフであり、グラフ32Aは、本実施例の音場調整をした場合のグラフであり、グラフ33Aは、従来手法の音場補正をした場合のグラフである。
また、実施例の音場調整をした場合と、従来手法の音場補正をした場合と、補正処理を行っていない場合のそれぞれにおける前後レベル差の平均値を図18(C)に示す。
本実施例の音場調整をした場合のグラフ32Aを、グラフ31Aやグラフ33Aと比較すると、本実施例の音場調整をした場合が前後マイク間のレベル差が最も小さい。従って、本実施例の音場調整装置は、従来技術等に比してリスナ位置の前後のレベル差を小さくすることができ、適切に音場調整することができる。
次に、図19(A)〜(C)を用いて、左右マイクレベル差の測定結果について説明する。図19(A)に示すように、リスナ位置のダミーヘッド30の左右に置いたマイクM3及びマイクM4の音圧レベル差を測定する。そして、測定結果のグラフを図19(B)に示す。
グラフ31Bは、音場補正をしていない場合のグラフであり、グラフ32Bは、本実施例の音場調整をした場合のグラフであり、グラフ33Bは、従来手法の音場補正をした場合のグラフである。
実施例の音場調整をした場合、従来手法の音場補正をした場合、及び補正処理を行っていない場合のそれぞれにおける左右レベル差の平均値を図19(C)に示す。
本実施例の音場調整をした場合のグラフ32Bを、グラフ31Bやグラフ33Bと比較すると、本実施例の音場調整をした場合が左右マイク間のレベル差が最も小さい。従って、本実施例の音場調整装置は、従来技術等に比してリスナ位置の左右のレベル差を小さくすることができ、適切に音場調整することができる。
次に、図20(A)に示す、助手席におけるスピーカFRとスピーカFLとの出力の音圧レベルの比較について、図20(B)及び図20(C)を用いて説明する。
図20(B)は、従来手法の音場補正を行なった場合の、助手席におけるスピーカFRとスピーカFLとの音圧レベルのグラフである。グラフ36FRがスピーカFRの各周波数における音圧レベルを示すグラフであり、グラフ36FLがスピーカFLの各周波数における音圧レベルを示すグラフである。平均するとスピーカFRとスピーカFLとの音圧レベル差は、7.22dBである。
図20(C)は、助手席における、本願発明の音場調整装置のスピーカFRとスピーカFLとの音圧レベルのグラフである。グラフ37FRがスピーカFRの各周波数における音圧レベルを示すグラフであり、グラフ37FLがスピーカFLの各周波数における音圧レベルを示すグラフである。平均するとスピーカFRとスピーカFLとの音圧レベル差は、2.62dBである。このように、本実施例による音場調整装置は、従来手法の音場補正を行った場合に比して助手席における音圧レベル差を少なく抑えることができる。
<スピーカ対の距離と最適遅延量との関係>
次に、スピーカ対の距離と最適遅延量との関係について説明する。いま、図1に示す第1実施例における車両において、スピーカFR及びSRにより構成されるスピーカ対10Cとリスナ位置との垂直距離を変化させた場合に、スピーカ対10Cを構成するスピーカFRとスピーカSRとの間に与える最適遅延量の変化を検討する。なお、以下の例において、スピーカ対10Cとリスナ位置との垂直距離以外の値は全て固定とする。
図21は、スピーカ対10Cとリスナ位置との垂直距離を40cmとした場合に、各帯域の遅延量を変えたレベル差の分布を示す。図21における破線51はマイクM1とマイクM2のレベル差が0となるときのグラフを示す。この場合、周波数が500Hzまではレベル差が0となる遅延量である最適遅延量は0.8msec前後となるが、周波数が500Hzを超えると最適遅延量が増加する。
図22は、スピーカ対10Cとリスナ位置との垂直距離を60cmとした場合に、各帯域の遅延量を変えたレベル差の分布を示す。図22における破線52はマイクM1とマイクM2のレベル差が0となるときのグラフを示す。この場合、周波数が500Hzまではレベル差が0となる遅延量である最適遅延量は0.8msec前後となるが、周波数が500Hzを超えると最適遅延量が徐々に増加していく。但し、その増加量は、垂直距離を60cmとした場合よりも小さい。
図23は、スピーカ対10Cとリスナ位置との垂直距離を80cmとした場合に、各帯域の遅延量を変えたレベル差の分布を示す。図23における破線53はマイクM1とマイクM2のレベル差が0となるときのグラフを示す。この場合、マイクM1とM2のレベル差が0となる遅延量である最適遅延量は周波数帯域に関わらずほぼ0.8msec前後となっている。
図24は、スピーカ対10Cとリスナ位置との垂直距離を100cmとした場合に、各帯域の遅延量を変えたレベル差の分布を示す。図24における破線54はマイクM1とマイクM2のレベル差が0となるときのグラフを示す。この場合、マイクM1とM2のレベル差が0となる遅延量である最適遅延量は周波数帯域に関わらず0.7msec前後となっている。
図21〜24から理解されるように、スピーカ対10Cとリスナ位置との垂直距離が長くなるほど、リスナ位置における運転手の頭部の影響が弱くなり、最適遅延量は各周波数帯域で一定値をとる傾向を示す。即ち、スピーカ対の位置を聴取位置から離していくと、スピーカ対のレベル差が0となる遅延量である最適遅延量は、ある距離までは周波数毎に変化する特性を示すが、それより離れると周波数を問わず一定となる。本発明を適用する車両のサイズによるが、一般的なサイズの車両では、リスナ位置と近接スピーカ対との垂直距離は50cm以下となることが多いため、本発明の音場調整装置のように、少なくとも近接スピーカ対に対しては周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与え、リスナ位置との垂直距離が長いスピーカ対に対しては周波数帯域に関わらず一定の遅延量の遅延を与えることが有効であることが理解される。つまり、スピーカ対のレベル差が0となる最適遅延量が周波数毎に変化する距離を「所定距離」とすると、本発明は聴取位置と少なくとも1つのスピーカ対との距離が上記の所定距離以内にあるスピーカ配置のときに有効となる。
<本発明の効果>
以上説明したように、音響空間に配置された複数のスピーカ対から信号を再生する音場調整装置は、複数のスピーカに信号を供給する信号供給手段と、複数のスピーカのうち、少なくとも聴取位置から最も近いスピーカ対である近接スピーカ対に供給される信号に対して周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与える帯域毎遅延手段と、帯域毎遅延手段が遅延を与えたスピーカ対以外のスピーカ対に対して周波数帯域に関わらず一定の遅延量の遅延を与える一定遅延手段と、を備える。
この場合、音場調整装置は、レベル調整することなく、遅延量による調整のみで音場調整しているので、聴取位置で音圧バランスを調整した結果、聴取位置以外の位置で音圧バランスが悪化してしまうことを回避することができ、さらに聴取位置での音圧バランスの改善を図ることができる。
一般的に、頭部の影響を無視すれば、周波数に関わらず、一定の遅延量を付加し、音圧レベルが高い範囲(本実施例におけるピーク縞25)を聴取位置付近に位置させることで、音圧バランスを整えることが可能となる。しかし、聴取位置に聴取者の頭部が位置すると、当該頭部の影響を受け、聴取位置前後のレベルが乱れてしまう。この頭部による影響は、周波数が高ければ高い程影響を受けやすく、聴取位置との距離が近いほど影響を大きく受けると言われている。
そこで、本願発明の音場調整装置は、近接スピーカ対に供給される信号については、周波数帯域毎に異なる遅延量を付加している。このように、音場調整装置は、聴取位置の頭部による影響を受けやすいスピーカ対に対して、周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与えているので、聴取位置及び当該聴取位置に近接する位置における前後の音圧バランスの悪化を回避することができる。
また、音場調整装置は、スピーカ対10A〜10Cのレベル差が0となるように、遅延量を決定している。これにより、音場調整装置は、聴取位置の前後方向及び左右方向のレベル差を軽減させることができる。
<変形例>
上述の実施例では、マイクM1〜マイクM4の計測結果に基づいて、近接スピーカ対の遅延量を決定する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、リスナ位置からスピーカまでの距離等に基づいて、基準周波数を算出し、当該基準周波数から所定範囲の周波数まで、周波数の増加する分、段階的に遅延量を設定するようにしても良い。基準周波数を算出し、当該基準周波数に基づいた遅延量のグラフ26を図25に示す。グラフ26の場合、460Hzが基準周波数となり、460Hz〜580Hzが増加対象となる周波数範囲になる。
この場合、上述の実施例と異なり、計測処理の負担を軽減すると共に、音場調整装置は、聴取位置に位置する頭部等の影響に即して遅延量を決定することができる。
上述の実施例では、音場調整装置は、スピーカ対10Dに供給される信号に対して遅延量を与えなかったが、本発明は、これに限られず、スピーカ対10Dに供給される信号に対して一定の遅延量を与えるようにしても良い。
上述の実施例では、音場調整装置は、近接スピーカ対を1つに定める場合について述べたが、本発明は、これに限られず、ほぼ同じ距離にある複数のスピーカ対を近接スピーカ対とするようにしても良い。
上述の実施例では、音場調整装置は、近接スピーカ対であるスピーカ対10Cのレベル差が0となるように、遅延量を決定する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、レベル差を所定値以下(例えば、3dB)とするようにしても良い。この場合でも、音場調整装置は、運転席及び助手席における前後方向及び左右方向のレベル差を軽減させることができる。
本発明は、音場を調整する装置について利用することができる。
5 信号処理部
6 ミキサ
8 帯域分割部
9 遅延部
10 スピーカ対

Claims (8)

  1. 音響空間に配置され、かつ、聴取位置から、スピーカ対のレベル差が0となる最適遅延量が周波数毎に変化する所定距離内に配置された複数のスピーカから信号を再生する音場調整装置であって、
    前記複数のスピーカに信号を供給する信号供給手段と、
    前記複数のスピーカのうち、少なくとも前記聴取位置から最も近いスピーカ対である近接スピーカ対に供給される信号に対して周波数帯域毎に異なる遅延量の遅延を与える帯域毎遅延手段と、
    前記帯域毎遅延手段が遅延を与えたスピーカ対以外のスピーカ対に対して周波数帯域に関わらず一定の遅延量の遅延を与える一定遅延手段と、
    を備えることを特徴とする音場調整装置。
  2. 前記スピーカ対は、前記聴取位置の前後方向又は左右方向のいずれかの方向に配置されたスピーカ対であり、
    前記帯域毎遅延手段は、前記近接スピーカ対のレベル差が所定値以下となるように前記遅延量を決定することを特徴とする請求項1に記載の音場調整装置。
  3. 前記スピーカ対は、前記聴取位置の前後方向又は左右方向のいずれかの方向に配置されたスピーカ対であり、
    前記帯域毎遅延手段は、前記近接スピーカ対のレベル差が0となるように前記遅延量を決定し、
    前記一定遅延手段は、前記近接スピーカ対以外のスピーカ対のレベル差が0となるように前記遅延量を決定することを特徴とする請求項1に記載の音場調整装置。
  4. 前記帯域毎遅延手段は、低域信号に与える遅延量よりも高域信号に与える遅延量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の音場調整装置。
  5. 前記帯域毎遅延手段は、基準周波数以上の所定周波数範囲に属する信号について、周波数が増加するにつれて遅延量を段階的に大きくすることを特徴とする請求項4に記載の音場調整装置。
  6. 前記帯域毎遅延手段及び前記一定遅延手段は、前記聴取位置から最も遠いスピーカ対を、前記遅延量を決定する処理の対象となるスピーカ対から除外することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の音場調整装置。
  7. 前記近接スピーカ対は、前記複数のスピーカ対のうち、前記聴取位置からの垂直距離が近いスピーカ対であり、
    前記垂直距離は、スピーカ対を構成する2つのスピーカを結ぶ直線から前記聴取位置までの最短距離を指すことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の音場調整装置。
  8. 前記周波数帯域は、中心周波数が250Hz〜1kHzであることを特徴とする請求項1に記載の音場調整装置。
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