JP5330414B2 - エチレン/α−オレフィンブロックインターポリマーを含む配向フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、エチレン/α−オレフィンブロックインターポリマーを有するポリマー組成物を含む配向フィルムに関する。本発明の配向フィルムは、改善された収縮力、収縮温度、引裂き強度、シール強度及び/又は気泡安定性を有する。
様々な低収縮力フィルムが、例えば、二軸配向ポリエチレン(BOPE)フィルムなどが、それらの良好な包装外見のために、壊れやすいか、又は低剛性の製造物(例えば、雑誌及び繊維材料など)を梱包するために市場において広く使用される。低い収縮力に加えて、包装用フィルムが他の望ましい特性(例えば、低い収縮温度、大きい引裂き強度及び/又は大きいシール強度など)を有することが望ましい。
低い収縮温度を有する低収縮力フィルムが望ましい。これは、そのような特性は、熱の影響を受けやすい製造物(例えば、チョコレート、キャンディーなど)が、腐敗又は損傷を伴うことなく包装プロセスを通過するために十分に低い温度において包装されることを可能にし得るからである。低収縮力フィルムの別の望ましい特性が、大きい引裂き強度である。これは、フィルムのトリミングプロセス及び孔あけプロセスの期間中におけるフィルムの破損が包装ラインの望ましくない運転停止を生じさせ得るからである。低収縮力フィルムが大きいシール強度を有することもまた望ましい。これは、大きいシール強度は包装の一体性を改善し、かつ、輸送期間中の包装破損率を軽減するからである。
さらに、大きい気泡安定性もまた、低収縮力フィルム、例えば、BOPEフィルムなどを製造するために望ましく、具体的には、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むBOPEフィルム、特に、比較的多量のLLDPEを含むBOPEフィルムを製造するために望ましい。フィルム押出しプロセス(例えば、ダブルバブル(double bubble)フィルム押出しプロセス)の期間中に形成される第2の気泡の安定性を改善するために、BOPEフィルムは一般に、架橋剤により架橋されるか、又は、ポリエチレン(例えば、LLDPEなど)よりも大きい配向安定性を一般に有するポリプロピレンと一緒に共押出しされる。BOPEフィルムを架橋することは費用がかかり得るので、架橋工程の必要性を除くことが望ましい。さらに、ポリプロピレンの使用はフィルム特性(例えば、引裂き強度及び収縮温度など)に対する望ましくない影響を有するので、ポリプロピレン樹脂を第2の気泡安定剤として使用することの必要性を除くこともまた望ましい。
従って、低い収縮温度、大きい引裂き強度、大きいシール強度及び/又は大きい気泡安定性を有する低収縮力フィルムが市場では求められている。さらに、架橋工程、又は、第2の気泡安定剤としてのポリプロピレン樹脂の使用を必要とすることなく、低収縮力フィルムを製造することが求められている。
本明細書中には、エチレン/α−オレフィンブロックインターポリマー及びポリエチレンを含む二軸配向フィルムが提供される。特定の実施形態において、エチレン/α−オレフィンブロックインターポリマーが共押出し及びブレンド配合によって二軸配向フィルムにおいて使用された。他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンブロックインターポリマーは半溶融状態において低い溶融張力(melt tension)を示す。特定の実施形態において、本明細書中に開示される二軸配向フィルムの収縮張力(shrinkage tension)を、純粋なLLDPE系フィルムと比較して、約10%から約40%低下させることができる。他の実施形態において、本明細書中に開示される二軸配向フィルムの引裂き強度を、純粋なLLDPE系フィルムに対して、約10%から約30%増大させることができる。さらなる実施形態において、本明細書中に開示される二軸配向フィルムは、純粋なLLDPE系フィルムよりも大きいシール強度、低い収縮及び良好な包装外観を有することができる。本明細書中に開示される二軸配向フィルムはまた、純粋なLLDPE系フィルムよりも幅広い配向範囲域を有し得る。
本明細書中にはまた、少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含むポリマー組成物を含む配向フィルムが提供され、この場合、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、
(a)約1.7〜約3.5のM/M、少なくとも1つの融点(T、摂氏度)、及び、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、Tm及びdの数値は下記の関係に対応する:
>−6553.3+13735(d)−7051.7(d);又は
(b)約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、かつ、所定の融解熱(ΔH、J/g)、及び、最も高いDSCピークと、最も高いCRYSTAFピークとの間における温度差として定義されるデルタ量(ΔT、摂氏度)によって特徴づけられ、但し、ΔT及びΔHの数値は下記の関係を有する:
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81(ΔHが0よりも大きく、130J/gに至るまでである場合)、
ΔT≧48℃(ΔHが130J/gを超える場合)、
この場合、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して求められ、また、ポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピークを有するならば、CRYSTAF温度は30℃である;又は
(c)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムを用いて測定される所定の弾性回復率(Re、300パーセントのひずみ及び1サイクルでのパーセント)を有し、かつ、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に含まないとき、Re及びdの数値は下記の関係を満たす:
Re>1481−1629(d);又は
(d)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、同じ温度の間で溶出する比較可能なランダムエチレンインターポリマー分画物のモルコモノマー含有量よりも少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量を有することを特徴とする分子分画物を有し、但し、前記比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを有し、かつ、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)の10パーセント以内であるメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)を有する;又は
(e)25℃での貯蔵弾性率(G’(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G’(100℃))を有し、但し、G’(25℃)対G’(100℃)の比率が約1:1〜約10:1である;又は
(f)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する少なくとも1つの分子分画物であって、少なくとも0.5であり、かつ、約1に至るまでのブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有することを特徴とする分子分画物を有する;又は
(g)ゼロよりも大きく、かつ、約1.0に至るまでの平均ブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有し、
110℃で延伸される配向フィルムの収縮張力(shrink tension)が3MPa未満である。
いくつかの実施形態において、110℃で延伸される配向フィルムの収縮張力が2.5MPa未満又は2.0MPa未満である。他の実施形態において、115℃で延伸される配向フィルムの収縮張力が1.2MPa未満又は1.0MPa未満である。
特定の実施形態において、ポリマー組成物はさらに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ(エチレン−co−ビニルアセタート)、ポリビニルクロリド、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン及びビニルアセタートの混合ポリマー、スチレン−ブタジエン混合ポリマー、並びに、それらの組合せからなる群より選択される第2のポリマーを含む。他の実施形態において、第2のポリマーはポリエチレンである。さらなる実施形態において、ポリエチレンは線状低密度ポリエチレンである。
いくつかの実施形態において、配向フィルムの収縮%が、ASTM D−2732に従って95℃の収縮温度において少なくとも約7.5%又は少なくとも約8.5%である。特定の実施形態において、横方向における配向フィルムのエルメンドルフ引裂き抵抗が、延伸比が4.5×4.5であり、かつ、100℃で延伸されるとき、ASTM D−1922に従って少なくとも0.05Nである。他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの密度が約0.85g/cc〜約0.92g/ccである。
特定の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのメルトインデックス(I)が約0.2g/10分〜約15g/10分である。他の実施形態において、メルトインデックス(I)が約0.5g/10分〜約3g/10分である。
いくつかの実施形態において、配向フィルムは一軸配向フィルムである。他の実施形態において、配向フィルムは二軸配向フィルムである。
いくつかの実施形態において、配向フィルムは1つ又はそれ以上の層を含む。他の実施形態において、配向フィルムは3つの層を含み、但し、2つの外側層がポリエチレンを含み、内側層が本発明のポリマー組成物を含む。さらなる実施形態において、2つの外側層におけるポリエチレンは線状低密度ポリエチレンである。いくつかの実施形態において、これら3つの層の厚さ比率が約1:8:1〜約1:2:1であり、但し、2つの外側層はほぼ同じ厚さを有する。
いくつかの実施形態において、配向フィルムはさらに、シーラント層、支持体(backing)層、タイ(tie)層、又は、それらの組合せを含む。他の実施形態において、配向フィルムの全体的厚さが約8ミクロン〜約60ミクロンである。
特定の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーはエチレン−オクテンコポリマーである。他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーはエチレン−ブテンコポリマーである。さらなる実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーはエチレン−ヘキセンコポリマーである。
本明細書中にはまた、下記の工程:
(a)少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含むポリマー組成物を提供する工程、
(b)ポリマー組成物を、第1のフィルム形成工程を使用して一次テープに変換する工程、
(c)一次テープを約15℃〜約25℃の温度で急冷する工程、
(d)一次テープを再加熱する工程、及び
(e)一次テープを、第2のフィルム形成工程を使用して配向フィルムに変換する工程
を含む、配向フィルムを作製するプロセスが提供され、
但し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、
(i)約1.7〜約3.5のM/M、少なくとも1つの融点(T、摂氏度)、及び、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、Tm及びdの数値は下記の関係に対応する:
>−6553.3+13735(d)−7051.7(d);又は
(ii)約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、かつ、所定の融解熱(ΔH、J/g)、及び、最も高いDSCピークと、最も高いCRYSTAFピークとの間における温度差として定義されるデルタ量(ΔT、摂氏度)によって特徴づけられ、但し、ΔT及びΔHの数値は下記の関係を有する:
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81(ΔHが0よりも大きく、130J/gに至るまでである場合)、
ΔT≧48℃(ΔHが130J/gを超える場合)、
この場合、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して求められ、また、ポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピークを有するならば、CRYSTAF温度は30℃である;又は
(iii)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムを用いて測定される所定の弾性回復率(Re、300パーセントのひずみ及び1サイクルでのパーセント)を有し、かつ、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に含まないとき、Re及びdの数値は下記の関係を満たす:
Re>1481−1629(d);又は
(iv)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、同じ温度の間で溶出する比較可能なランダムエチレンインターポリマー分画物のモルコモノマー含有量よりも少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量を有することを特徴とする分子分画物を有し、但し、前記比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを有し、かつ、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)の10パーセント以内であるメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)を有する;又は
(v)25℃での貯蔵弾性率(G’(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G’(100℃))を有し、但し、G’(25℃)対G’(100℃)の比率が約1:1〜約10:1である;又は
(vi)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する少なくとも1つの分子分画物であって、少なくとも0.5であり、かつ、約1に至るまでのブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有することを特徴とする分子分画物を有する;又は
(vii)ゼロよりも大きく、かつ、約1.0に至るまでの平均ブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有する。
いくつかの実施形態において、第1のフィルム形成工程及び前記第2のフィルム形成工程は独立して、ダブルバブル(double-bubble)プロセス又はフラットテンター延伸(flat tenter stretching)プロセスである。
いくつかの実施形態において、急冷する工程が約15℃〜約25℃の温度での水浴により行われる。
いくつかの実施形態において、一次テープが再加熱工程においてその軟化温度よりも高い温度に加熱される。
いくつかの実施形態において、配向フィルムの表面の少なくとも1つが火炎又はコロナによって処理される。
いくつかの実施形態において、第1のフィルム形成工程が約100℃〜約117℃の温度で行われる。他の実施形態において、第1のフィルム形成工程が約105℃〜約115℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、第2のフィルム形成工程が約100℃〜約117℃の温度で行われる。他の実施形態において、第2のフィルム形成工程が約105℃〜約115℃の温度で行われる。
本明細書中にはまた、本明細書中に開示されるプロセスによって調製される配向フィルムが提供される。
本明細書中にはまた、本明細書中に開示される配向フィルムを含むパウチが提供される。
本明細書中にはまた、本明細書中に開示される配向フィルムを含むバッグが提供される。
融点/密度の関係を、従来のランダムコポリマー(丸によって表される)及びチーグラー・ナッタコポリマー(三角によって表される)と比較して、本発明のポリマー(菱形によって表される)について示す。
Δ(DSC−CRYSTAF)を様々なポリマーについてDSC溶融エンタルピーの関数としてプロットした図を示す。菱形はランダムエチレン/オクテンコポリマーを表し、四角はポリマー実施例1〜4を表し、三角はポリマー実施例5〜9を表し、丸はポリマー実施例10〜19を表す。「X」の記号はポリマー実施例A〜Fを表す。
弾性回復率に対する密度の影響を、本発明のインターポリマー(四角及び丸によって表される)及び従来のコポリマー(三角によって表される;様々なDow社AFFINITY(登録商標)ポリマーである)から作製される未配向フィルムについて示す。四角は本発明のエチレン/ブテンコポリマーを表し、丸は本発明のエチレン/オクテンコポリマーを表す。
TREFにより分画化されたエチレン/1−オクテンコポリマー分画物のオクテン含有量を、実施例5のポリマー(丸によって表される)並びに比較用ポリマーE及び比較用ポリマーF(「X」の記号によって表される)について分画物のTREF溶出温度に対してプロットした図である。菱形は従来のランダムエチレン/オクテンコポリマーを表す。
TREFにより分画化されたエチレン/1−オクテンコポリマー分画物のオクテン含有量を、実施例5のポリマー(曲線1)及び比較例F(曲線2)について分画物のTREF溶出温度に対してプロットした図である。四角は実施例Fを表し、三角は実施例5を表す。
貯蔵弾性率の対数を、比較可能なエチレン/1−オクテンコポリマー(曲線2)及びプロピレン/エチレンコポリマー(曲線3)について、また、異なる量の鎖シャトル剤(chain shuttling agent)を用いて作製された本明細書中に開示される2つのエチレン/1−オクテンブロックコポリマー(曲線1)について温度の関数としてプロットした図である。
TMA(1mm)対曲げ弾性率を、いくつかの公知であるポリマーと比較して、いくつかの本発明のポリマー(菱形によって表される)についてプロットした図である。三角は様々なDow社VERSIFY(登録商標)ポリマーを表し、丸は様々なランダムエチレン/スチレンコポリマーを表し、四角は様々なDow社AFFINITY(登録商標)ポリマーを表す。
収縮張力(MPa)を比較用実施例M及び実施例23〜実施例28について示す。
110℃で延伸されるとき、比較用実施例M及び実施例23〜実施例28の収縮(%)を示す。
縦方向(MD)及び横方向(TD)で試験される比較用実施例M及び実施例23〜実施例28のエルメンドルフ引裂き抵抗を示す。
縦方向(MD)及び横方向(TD)で試験される比較用実施例M及び実施例23〜実施例28の極限引張り強さ(MPa)を示す。
縦方向(MD)及び横方向(TD)で試験される比較用実施例M及び実施例23〜実施例28の極限伸び(%)を示す。
異なるシール温度で測定される比較用実施例M及び実施例23〜実施例28のピーク負荷(N)を示す。
一般的定義
「ポリマー」は、同じタイプのモノマー又は異なるタイプのモノマーであろうとも、モノマーを重合することによって調製される高分子化合物を示す。総称用語の「ポリマー」は、「ホモポリマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」、同様にまた、「インターポリマー」の各用語を包含する。
「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合によって調製されるポリマーを示す。総称用語の「インターポリマー」は、用語「コポリマー」(これは通常、2つの異なるモノマーから調製されるポリマーを示すために用いられる)、同様にまた、用語「ターポリマー」(これは通常、3つの異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを示すために用いられる)を包含する。総称用語の「インターポリマー」はまた、4つ以上のタイプのモノマーを重合することによって作製されるポリマーを包含する。
用語「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」は一般には、エチレンと、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンとを含むポリマーを示す。好ましくは、エチレンがポリマー全体の過半数のモル分率を構成する。すなわち、エチレンがポリマー全体の少なくとも約50モルパーセントを構成する。より好ましくは、エチレンが、少なくとも約60モルパーセント、少なくとも約70モルパーセント、又は、少なくとも約80モルパーセントを構成し、ポリマー全体の実質的な残りが、好ましくは3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンである少なくとも1つの他のコモノマーから構成される。多くのエチレン/オクテンコポリマーについては、好ましい組成が、ポリマー全体の約80モルパーセントを超えるエチレン含有量と、ポリマー全体の約10モルパーセント〜約15モルパーセントのオクテン含有量、好ましくは、ポリマー全体の約15モルパーセント〜約20モルパーセントのオクテン含有量とから構成される。いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーには、低収率で生じるか、又は、微量で生じるか、又は、化学プロセスの副産物として生じるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは含まれない。エチレン/α−オレフィンインターポリマーは1つ又はそれ以上のポリマーとブレンド配合することができる一方で、製造された際のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは実質的に純粋であり、多くの場合、重合プロセスの反応生成物の主要な成分を構成する。
用語「延伸(される、された)」及び用語「配向(される、された)」は当分野及び本明細書中では同義的に使用される。だが、配向は実際には、フィルムが、例えば、チューブを広げる内部の空気圧力によって、又は、フィルムの端を引張る幅出し機(tenter frame)によって延伸される結果である。
本明細書中で使用される場合、また、別途示されない限り、ある化合物を「実質的に含まない」組成物は、その組成物が、組成物の総重量に基づいて、20重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満、又は、0.01重量%未満のその化合物を含有することを意味する。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、エチレンと、1つ又はそれ以上の共重合可能なα−オレフィンコモノマーとを、化学的特性又は物理的特性において異なる2つ以上の重合したモノマーユニットの多数のブロック又はセグメントによって特徴づけられる重合した形態で含む。すなわち、エチレン/α−オレフィンインターポリマーはブロックインターポリマーであり、好ましくはマルチブロックインターポリマー又はマルチブロックコポリマーである。用語「インターポリマー」及び用語「コポリマー」は本明細書中では同義的に使用される。いくつかの実施形態において、マルチブロックコポリマーは下記の式によって表すことができる:
(AB)
式中、nは少なくとも1であり、好ましくは、1を超える整数であり、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100又はそれ以上であり、「A」はハードブロック又はハードセグメントを表し、「B」はソフトブロック又はソフトセグメントを表す。好ましくは、A及びBは、実質的に分岐した様式又は実質的に星形形状の様式とは対照的に、実質的に線状の様式で連結される。他の実施形態において、Aブロック及びBブロックはポリマー鎖に沿ってランダムに分布する。言い換えれば、ブロックコポリマーは通常、下記のような構造を有しない:
AAA−AA-BBB−BB
なおさらに他の実施形態において、ブロックコポリマーは通常、異なるコモノマーを含む第3のタイプのブロックを有しない。さらに他の実施形態において、ブロックA及びブロックBのそれぞれが、ブロック内に実質的にランダムに分布するモノマー又はコモノマーを有する。言い換えれば、ブロックA又はブロックBのどちらも、異なった組成の2つ以上のサブセグメント(又はサブブロック)を含まず、例えば、ブロックの残部とは実質的に異なる組成を有する先端セグメントなどを含まない。
マルチブロックポリマーは典型的には、様々な量の「ハード」セグメント及び「ソフト」セグメントを含む。「ハード」セグメントは、エチレンがポリマーの重量に基づいて約95重量パーセントを超える量で存在する重合したユニットのブロックを示し、好ましくは、エチレンがポリマーの重量に基づいて約98重量パーセントを超える量で存在する重合したユニットのブロックを示す。言い換えれば、ハードセグメントにおけるコモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)が、ポリマーの重量に基づいて約5重量パーセント未満であり、好ましくは約2重量パーセント未満である。いくつかの実施形態において、ハードセグメントは全体又は実質的に全体がエチレンから構成される。他方で、「ソフト」セグメントは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)がポリマーの重量に基づいて約5重量パーセントを超える重合したユニットのブロックを示し、好ましくは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)がポリマーの重量に基づいて約8重量パーセントを超えるか、又は、約10重量パーセントを超えるか、又は、約15重量パーセントを超える重合したユニットのブロックを示す。いくつかの実施形態において、ソフトセグメントにおけるコモノマー含有量は約20重量パーセントを超えることができ、又は、約25重量パーセントを超えることができ、又は、約30重量パーセントを超えることができ、又は、約35重量パーセントを超えることができ、又は、約40重量パーセントを超えることができ、又は、約45重量パーセントを超えることができ、又は、約50重量パーセントを超えることができ、又は、約60重量パーセントを超えることができる。
ソフトセグメントは多くの場合、ブロックインターポリマーにおいて、ブロックインターポリマーの総重量の約1重量パーセントから約99重量パーセントまで存在することができ、好ましくは、ブロックインターポリマーの総重量の約5重量パーセントから約95重量パーセントまで、又は、約10重量パーセントから約90重量パーセントまで、又は、約15重量パーセントから約85重量パーセントまで、又は、約20重量パーセントから約80重量パーセントまで、又は、約25重量パーセントから約75重量パーセントまで、又は、約30重量パーセントから約70重量パーセントまで、又は、約35重量パーセントから約65重量パーセントまで、又は、約40重量パーセントから約60重量パーセントまで、又は、約45重量パーセントから約55重量パーセントまで存在することができる。逆に、ハードセグメントは、同様な範囲において存在することができる。ソフトセグメント重量百分率及びハードセグメント重量百分率は、DSC又はNMRから得られるデータに基づいて計算することができる。そのような方法及び計算が、同時係属している米国特許出願第11/376,835号(2006年3月15日出願)及びPCT公開番号WO2005/090427(2005年3月17日出願、これは同様に、米国仮特許出願第60/553,906号(2004年3月17日出願)に対する優先権を主張する)に開示される。米国特許実務の目的のために、上記特許出願の内容はそれらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
用語「結晶性(の)」は、用いられるならば、示差走査熱量測定法(DSC)又は同等な技術によって求められるような一次転移又は結晶性融点(Tm)を有するポリマーを示す。この用語は、用語「半結晶性(の)」と同義的に使用される場合がある。用語「非晶質性(の)」は、示差走査熱量測定法(DSC)又は同等な技術によって求められるような結晶性融点を有しないポリマーを示す。
用語「マルチブロックコポリマー」又は用語「セグメント化コポリマー」は、好ましくは線状様式でつながれる2つ以上の化学的に異なった領域又はセグメント(これらは「ブロック」と呼ばれる)を含むポリマー、すなわち、ペンダント様式又はグラフト化様式ではなく、むしろ、重合したエチレン性官能基に関して末端同士(end-to-end)でつながれる化学的に区別されるユニットを含むポリマーを示す。好ましい実施形態において、ブロックは、ブロックに取り込まれたコモノマーの量又はタイプ、そのような組成のポリマーに起因し得る密度、結晶化度の量、クリスタリットサイズ、タクチシティのタイプ又は程度(アイソタクチック又はシンジオタクチック)、レジオ規則性又はレジオ不規則性、分岐(長鎖分岐又は超分岐を含む)の量、均一性、或いは、何らかの他の化学的特性又は物理的特性において異なる。マルチブロックコポリマーは、コポリマーを作製する特有のプロセスのために、両方の多分散性指数(PDI又はMw/Mn)、ブロック長分布及び/又はブロック数分布の特有の分布によって特徴づけられる。より具体的には、連続プロセスで製造されるとき、ポリマーは望ましくは、1.7〜2.9のPDIを有し、好ましくは1.8〜2.5のPDIを有し、より好ましくは1.8〜2.2のPDIを有し、最も好ましくは1.8〜2.1のPDIを有する。回分式又は半回分式のプロセスで製造されるとき、ポリマーは1.0〜2.9のPDIを有し、好ましくは1.3〜2.5のPDIを有し、より好ましくは1.4〜2.0のPDIを有し、最も好ましくは1.4〜1.8のPDIを有する。
「シール強度」は、シールが形成され、かつ、その最大強度に達した後での周囲温度におけるヒートシールの強度である。
下記の記載において、本明細書中に開示されるすべての数字は、「約」又は「およそ」の語句が数字に関連して使用されるかどうかにかかわらず、近似値である。本明細書中に開示される数字は、1パーセント、2パーセント、5パーセント、又は、時には10パーセント〜20パーセントの差で異なる場合がある。下限(R)及び上限(R)を伴う数値範囲が開示されるときは常に、その範囲に含まれる数字はどれも、具体的に開示される。特に、範囲に含まれる下記の数字が具体的に開示される:R=R+k(R−R)、式中、kは、1パーセントの刻みで1パーセントから100パーセントにまで及ぶ変数であり、すなわち、kは、1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、・・・、50パーセント、51パーセント、52パーセント、・・・、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント又は100パーセントである。その上、上記で定義されるように2つのRの数字によって定義される数値範囲はどれもまた、具体的に開示される。
本明細書中には、少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含むポリマー組成物を含む配向フィルムが提供され、この場合、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、
(a)約1.7〜約3.5のM/M、少なくとも1つの融点(T、摂氏度)、及び、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、Tm及びdの数値は下記の関係に対応する:
>−6553.3+13735(d)−7051.7(d);又は
(b)約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、かつ、所定の融解熱(ΔH、J/g)、及び、最も高いDSCピークと、最も高いCRYSTAFピークとの間における温度差として定義されるデルタ量(ΔT、摂氏度)によって特徴づけられ、但し、ΔT及びΔHの数値は下記の関係を有する:
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81(ΔHが0よりも大きく、130J/gに至るまでである場合)、
ΔT≧48℃(ΔHが130J/gを超える場合)、
この場合、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して求められ、また、ポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピークを有するならば、CRYSTAF温度は30℃である;又は
(c)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムを用いて測定される所定の弾性回復率(Re、300パーセントのひずみ及び1サイクルでのパーセント)を有し、かつ、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に含まないとき、Re及びdの数値は下記の関係を満たす:
Re>1481−1629(d);又は
(d)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、同じ温度の間で溶出する比較可能なランダムエチレンインターポリマー分画物のモルコモノマー含有量よりも少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量を有することを特徴とする分子分画物を有し、但し、前記比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを有し、かつ、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)の10パーセント以内であるメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)を有する;又は
(e)25℃での貯蔵弾性率(G’(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G’(100℃))を有し、但し、G’(25℃)対G’(100℃)の比率が約1:1〜約10:1である;又は
(f)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する少なくとも1つの分子分画物であって、少なくとも0.5であり、かつ、約1に至るまでのブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有することを特徴とする分子分画物を有する;又は
(g)ゼロよりも大きく、かつ、約1.0に至るまでの平均ブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有する。
いくつかの実施形態において、110℃で延伸される配向フィルムの収縮張力が3MPa未満又は2.5MPa未満又は2.0MPa未満である。他の実施形態において、115℃で延伸される配向フィルムの収縮張力が1.2MPa未満又は1.0MPa未満である。
特定の実施形態において、配向フィルムの収縮%が、ASTM D−2732に従って95℃の収縮温度において少なくとも約7.5%又は少なくとも約8.5%である。他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの密度が約0.85g/cc〜約0.92g/ccである。
特定の実施形態において、配向フィルムのエルメンドルフ引裂き抵抗が、ASTM D−1922に従って、少なくとも0.05N、少なくとも0.1N、少なくとも0.15N、少なくとも0.2N、少なくとも0.25N、少なくとも0.3N、少なくとも0.35N又は少なくとも0.4Nである。他の実施形態において、縦方向又は横方向のどちらかにおける配向フィルムのエルメンドルフ引裂き抵抗が、ASTM D−1922に従って、少なくとも0.05N、少なくとも0.1N、少なくとも0.15N、少なくとも0.2N、少なくとも0.25N、少なくとも0.3N、少なくとも0.35N又は少なくとも0.4Nである。さらなる実施形態において、横方向における配向フィルムのエルメンドルフ引裂き抵抗が、ASTM D−1922に従って少なくとも0.3Nである。なおさらにさらなる実施形態において、横方向における配向フィルムのエルメンドルフ引裂き抵抗が、ASTM D−1922に従って少なくとも0.4Nである。
いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのメルトインデックス(I)が約0.2g/10分〜約15g/10分である。他の実施形態において、メルトインデックス(I)が約0.5g/10分〜約3g/10分である。
特定の実施形態において、配向フィルムは一軸配向フィルムである。他の実施形態において、配向フィルムは二軸配向フィルムである。
エチレン/α−オレフィンインターポリマー
本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンインターポリマー(これはまた、「本発明のインターポリマー」又は「本発明のポリマー」として示される)は、エチレンと、1つ又はそれ以上の共重合可能なα−オレフィンコモノマーとを、化学的特性又は物理的特性において異なる2つ以上の重合したモノマーユニットの多数のブロック又はセグメントによって特徴づけられる重合した形態で含み(ブロックインターポリマー)、好ましくはマルチブロックコポリマーである。エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、下記のように記載される態様の1つ又はそれ以上によって特徴づけられる:
1つの態様において、本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、約1.7〜約3.5のM/Mと、少なくとも1つの融点(T、摂氏度)と、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)とを有し、但し、これらの変数の数値は下記の関係に対応する:
>−6553.3+13735(d)−7051.7(d)、又は、
>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)、又は、
≧−6288.1+13141(d)−6720.3(d)、又は、
≧858.91−1825.3(d)−1112.8(d)
そのような融点/密度の関係が図1に例示される。その融点が密度の低下とともに低下するエチレン/α−オレフィンの従来のランダムコポリマーとは異なり、本発明のインターポリマー(菱形によって表される)は、特に密度が約0.87g/cc〜約0.95g/ccの間にあるとき、密度に実質的に依存しない融点を示す。例えば、そのようなポリマーの融点は、密度が0.875g/ccから約0.945g/ccにまで及ぶとき、約110℃〜約130℃の範囲にある。いくつかの実施形態において、そのようなポリマーの融点は、密度が0.875g/ccから約0.945g/ccにまで及ぶとき、約115℃〜約125℃の範囲にある。
別の態様において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、重合した形態で、エチレン及び1つ又はそれ以上のα−オレフィンを含み、かつ、最も高い示差走査熱量測定法(「DSC」)ピークについての温度から最も高い結晶化分析分画化(「CRYSTAF」)ピークについての温度を引いた温度として定義されるΔT(摂氏度)と、所定の融解熱(ΔH、J/g)とによって特徴づけられ、ΔT及びΔHは下記の関係を満たす:
ΔHが130J/gに至るまでである場合、
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、又は、
ΔT≧−0.1299(ΔH)+64.38、又は、
ΔT≧−0.1299(ΔH)+65.95。
その上、ΔTは、ΔHが130J/gを超える場合には48℃以上である。CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して求められ(すなわち、ピークは累積ポリマーの少なくとも5パーセントを表さなければならない)、また、ポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピークを有するならば、CRYSTAF温度は30℃であり、ΔHはJ/g単位での融解熱の数値である。より好ましくは、最大CRYSTAFピークは累積ポリマーの少なくとも10パーセントを含有する。図2は、本発明のポリマー、同様にまた、比較可能な例についてのプロットされたデータを示す。積分ピーク面積及びピーク温度が、装置製造者によって供給されるコンピューター描画プログラムによって計算される。ランダムなエチレン・オクテンの比較用ポリマーについて示される対角線が、ΔT=−0.1299(ΔH)+62.81の式に対応する。
さらに別の態様において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、昇温溶出分画化(「TREF」)を使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、同じ温度の間で溶出する比較可能なランダムエチレンインターポリマー分画物のモルコモノマー含有量よりも大きいモルコモノマー含有量(好ましくは少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量、より好ましくは少なくとも10パーセント大きいモルコモノマー含有量)を有することを特徴とする分子分画物を有し、但し、比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを含有し、かつ、ブロックインターポリマーのメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)の10パーセント以内であるメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)を有する。好ましくは、比較可能なインターポリマーのMw/Mnもまた、ブロックインターポリマーのMw/Mnの10パーセント以内であり、及び/又は、比較可能なインターポリマーはブロックインターポリマーの総コモノマー含有量の10重量パーセント以内の総コモノマー含有量を有する。
なおさらに別の態様において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムに対して測定される所定の弾性回復率(Re、300パーセントのひずみ及び1サイクルでのパーセント)によって特徴づけられ、かつ、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に含まないとき、Re及びdの数値は下記の関係を満たす:
Re>1481−1629(d)、又は、
Re≧1491−1629(d)、又は、
Re≧1501−1629(d)、又は、
Re≧1511−1629(d)。
図3は、弾性回復率に対する密度の影響を、特定の本発明のインターポリマー及び従来のランダムコポリマーから作製される未配向フィルムについて示す。同じ密度について、本発明のインターポリマーは、実質的により大きい弾性回復率を有する。
いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、10MPaを超える引張り強さ、好ましくは11MPa以上の引張り強さ、より好ましくは13MPa以上の引張り強さ、及び/又は、11cm/分のクロスヘッド分離速度における少なくとも600パーセントの破断点伸び、より好ましくは少なくとも700パーセントの破断点伸び、非常に好ましくは少なくとも800パーセントの破断点伸び、最も非常に好ましくは少なくとも900パーセントの破断点伸びを有する。
他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、(1)1〜50(好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10)の貯蔵弾性比率(G’(25℃)/G’(100℃))、及び/又は、(2)0パーセントの圧縮永久ひずみに至るまでの、80パーセント未満の70℃圧縮永久ひずみ、好ましくは70パーセント未満の70℃圧縮永久ひずみ、とりわけ、60パーセント未満の70℃圧縮永久ひずみ、50パーセント未満の70℃圧縮永久ひずみ、又は、40パーセント未満の70℃圧縮永久ひずみを有する。
なおさらに他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、80パーセント未満、70パーセント未満、60パーセント未満又は50パーセント未満の70℃圧縮永久ひずみを有する。好ましくは、インターポリマーの70℃圧縮永久ひずみは40パーセント未満であり、30パーセント未満であり、20パーセント未満であり、また、約0パーセントにまで低下する場合がある。
いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、85J/g未満の融解熱、及び/又は、100ポンド/フィート(4800Pa)以下のペレットブロッキング強度、好ましくは、50lbs/ft(2400Pa)以下のペレットブロッキング強度、とりわけ、5lbs/ft(240Pa)以下のペレットブロッキング強度、さらには、0lbs/ft(0Pa)もの低いペレットブロッキング強度を有する。
他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、重合した形態で、少なくとも50モルパーセントのエチレンを含み、かつ、80パーセント未満であり、好ましくは70パーセント未満又は60パーセント未満であり、最も好ましくは40パーセント〜50パーセントを超えず、0パーセントの近くに至るまでの70℃圧縮永久ひずみを有する。
いくつかの実施形態において、マルチブロックコポリマーは、ポアソン分布ではなく、むしろ、シュルツ・フローリー分布に合うPDIを有する。コポリマーはさらに、多分散のブロック分布及びブロックサイズの多分散分布の両方を有するとして、また、ブロック長さの最も確からしい分布を有するとして特徴づけられる。好ましいマルチブロックコポリマーは、末端のブロックを含めて4つ以上のブロック又はセグメントを含有するマルチブロックコポリマーである。より好ましくは、コポリマーは、末端のブロックを含めて、少なくとも5個、10個又は20個のブロック又はセグメントを含む。
コモノマー含有量は、いずれかの好適な技術を使用して測定することができ、核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術が好ましい。その上、比較的幅広いTREF曲線を有するポリマー又はポリマーのブレンド配合物については、そのようなポリマーは望ましくは、最初に、10℃以下の溶出される温度範囲をそれぞれが有する分画物に、TREFを使用して分画化される。すなわち、それぞれの溶出された分画物が10℃以下の回収温度域を有する。この技術を使用する場合、前記ブロックインターポリマーは、比較可能なインターポリマーの対応する分画物よりも大きいモルコモノマー含有量を有する少なくとも1つのそのような分画物を有する。
別の態様において、本発明のポリマーは、オレフィンインターポリマー、好ましくは、エチレン及び1つ又はそれ以上の共重合可能なコモノマーを、化学的特性又は物理的特性において異なる2つ以上の重合したモノマーユニットの多数のブロック(すなわち、少なくとも2つのブロック)又はセグメントによって特徴づけられる重合した形態において含むオレフィンインターポリマー(ブロック化インターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーであり、この場合、前記ブロックインターポリマーは、(個々の分画物を回収及び/又は単離することを伴わないが)40℃〜130℃の間で溶出するピーク(しかし、単に分子分画物だけではない)を有し、但し、前記ピークは、半値全幅(FWHM)面積計算を使用して拡張されるとき、赤外分光法によって推定されるコモノマー含有量を有し、かつ、同じ溶出温度において、また、半値全幅(FWHM)面積計算を使用して拡張されるとき、比較可能なランダムエチレンインターポリマーピークのモルコモノマー含有量よりも大きい平均モルコモノマー含有量(好ましくは少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量、より好ましくは少なくとも10パーセント大きいモルコモノマー含有量)を有することにおいて特徴づけられ、この場合、前記比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを含み、かつ、ブロック化インターポリマーのメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)の10パーセント以内であるメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)を有する。好ましくは、比較可能なインターポリマーのMw/Mnもまた、ブロック化インターポリマーのMw/Mnの10パーセント以内であり、及び/又は、比較可能なインターポリマーはブロック化インターポリマーの総コモノマー含有量の10重量パーセント以内の総コモノマー含有量を有する。半値全幅(FWHM)計算は、ATREF赤外検出器からのメチル応答面積対メチレン応答面積の比率[CH/CH]に基づいており、この場合、最も高い(最大)ピークがベースラインから特定され、その後、FWHM面積が求められる。ATREFピークを使用して測定される分布については、FWHM面積が、Tと、Tとの間における曲線の下側の面積として定義され、この場合、T及びTは、ピーク高さを2で割り、その後、ATREF曲線の左側部分及び右側部分と交わる、ベースラインに対して水平な直線を引くことによってATREFピークの左側及び右側に対して決定される点である。コモノマー含有量についての校正曲線が、ランダムエチレン/α−オレフィンコポリマーを使用し、NMRからのコモノマー含有量をTREFピークのFWHM面積比に対してプロットして作成される。この赤外法のために、校正曲線が、目的とする同じコモノマータイプについて作成される。本発明のポリマーのTREFピークのコモノマー含有量は、TREFピークのFWHMでのそのメチル面積:メチレン面積の比率[CH/CH]を使用してこの校正曲線を参照することによって求めることができる。
コモノマー含有量は、いずれかの好適な技術を使用して測定することができ、核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術が好ましい。この技術を使用する場合、前記ブロック化インターポリマーは、対応する比較可能なインターポリマーよりも大きいモルコモノマー含有量を有する。
好ましくは、エチレン及び1−オクテンのインターポリマーについて、ブロックインターポリマーは、40℃〜130℃の間で溶出するTREF分画物のコモノマー含有量が、(−0.2013)T+20.07の量に等しいか、又は、それよりも大きく、より好ましくは、(−0.2013)T+21.07の量に等しいか、又は、それよりも大きく、式中、Tは、℃の単位で測定される、比較されているTREF分画物のピーク溶出温度の数値である。
図4は、いくつかの比較可能なエチレン/1−オクテンインターポリマー(ランダムコポリマー)についてのコモノマー含有量対TREF溶出温度のプロットが、(−0.2013)T+20.07を表す直線(実線)に一致する、エチレン及び1−オクテンのブロックインターポリマーの実施形態を図示する。(−0.2013)T+21.07の式についての直線が点線によって示される。本明細書中に開示されるいくつかのブロックエチレン/1−オクテンインターポリマー(マルチブロックコポリマー)の分画物についてのコモノマー含有量もまた示される。ブロックインターポリマーの分画物のすべてが、等しい溶出温度において、どちらかの直線よりも著しく大きい1−オクテン含有量を有する。この結果は本発明のインターポリマーに特徴的であり、結晶性及び非晶質性の両方を有する区別されるブロックがポリマー鎖内に存在するためであると考えられる。
図5は、下記で議論されることになる実施例5及び比較例FについてのTREF曲線及びポリマー分画物のコモノマー含有量を図示する。両方のポリマーについての、40℃から130℃まで溶出するピーク、好ましくは、60℃から95℃まで溶出するピークが、それぞれの部分が10℃未満の温度範囲にわたって溶出する3つの部分に分画化される。実施例5についての実際のデータが三角によって表される。当業者は、適切な校正曲線が、異なるコモノマーを含有するインターポリマーについて構築され得ること、及び、比較として使用される直線が、同じモノマーの比較可能なインターポリマー(好ましくは、メタロセン触媒組成物又は他の均一触媒組成物を使用して作製されるランダムコポリマー)から得られるTREF値に対して一致させられ得ることを理解することができる。本発明のインターポリマーは、同じTREF溶出温度において校正曲線から求められる値よりも大きいモルコモノマー含有量によって、好ましくは少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量によって、より好ましくは少なくとも10パーセント大きいモルコモノマー含有量によって特徴づけられる。
本明細書中に記載される上記の態様及び性質に加えて、本発明のポリマーは1つ又はそれ以上のさらなる特徴によって特徴づけることができる。1つの態様において、本発明のポリマーは、オレフィンインターポリマー、好ましくは、エチレン及び1つ又はそれ以上の共重合可能なコモノマーを、化学的特性又は物理的特性において異なる2つ以上の重合したモノマーユニットの多数のブロック又はセグメントによって特徴づけられる重合した形態において含むオレフィンインターポリマー(ブロック化インターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーであり、この場合、前記ブロックインターポリマーは、TREF増分を使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、同じ温度の間で溶出する比較可能なランダムエチレンインターポリマー分画物のモルコモノマー含有量よりも大きいモルコモノマー含有量(好ましくは少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量、より好ましくは少なくとも10パーセント、15パーセント、20パーセント又は25パーセント大きいモルコモノマー含有量)を有することを特徴とする分子分画物を有し、但し、前記比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを含み、好ましくは、前記比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを有し、かつ、ブロック化インターポリマーのメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)の10パーセント以内であるメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)を有する。好ましくは、比較可能なインターポリマーのMw/Mnもまた、ブロック化インターポリマーのMw/Mnの10パーセント以内であり、及び/又は、比較可能なインターポリマーはブロック化インターポリマーの総コモノマー含有量の10重量パーセント以内の総コモノマー含有量を有する。
好ましくは、上記インターポリマーは、エチレン及び少なくとも1つのα−オレフィンのインターポリマーであり、特に、約0.855g/cm〜約0.935g/cmの全体的なポリマー密度を有するそのようなインターポリマーであり、より際立っては、約1モルパーセントを超えるコモノマーを有するポリマーについて、ブロック化インターポリマーは、40℃〜130℃の間で溶出するTREF分画物のコモノマー含有量が、(−0.1356)T+13.89の量に等しいか、又は、それよりも大きく、より好ましくは、(−0.1356)T+14.93の量に等しいか、又は、それよりも大きく、最も好ましくは、(−0.2013)T+21.07の量に等しいか、又は、それよりも大きく、式中、Tは、℃の単位で測定される、比較されているTREF分画物のピークATREF溶出温度の数値である。
好ましくは、エチレン及び少なくとも1つのα−オレフィンの上記インターポリマー、特に、約0.855g/cm〜約0.935g/cmの全体的なポリマー密度を有するそのようなインターポリマーについては、より際立っては、約1モルパーセントを超えるコモノマーを有するポリマーについては、ブロック化インターポリマーは、40℃〜130℃の間で溶出するTREF分画物のコモノマー含有量が、(−0.2013)T+20.07の量に等しいか、又は、それよりも大きく、より好ましくは、(−0.2013)T+21.07の量に等しいか、又は、それよりも大きく、式中、Tは、℃の単位で測定される、比較されているTREF分画物のピーク溶出温度の数値である。
なおさらに別の態様において、本発明のポリマーは、オレフィンインターポリマー、好ましくは、エチレン及び1つ又はそれ以上の共重合可能なコモノマーを、化学的特性又は物理的特性において異なる2つ以上の重合したモノマーユニットの多数のブロック又はセグメントによって特徴づけられる重合した形態において含むオレフィンインターポリマー(ブロック化インターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーであり、この場合、前記ブロックインターポリマーは、TREF増分を使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、少なくとも約6モルパーセントのコモノマー含有量を有する分画物のどれもが、約100℃を超える融点を有することを特徴とする分子分画物を有する。約3モルパーセント〜約6モルパーセントのコモノマー含有量を有するそのような分画物については、どの分画物も、約110℃以上のDSC融点を有する。より好ましくは、前記ポリマー分画物は、少なくとも約1モルパーセントのコモノマー含有量を有する場合、下記の式に対応するDSC融点を有する:
Tm≧(−5.5926)(分画物におけるコモノマーのモル百分率)+135.90。
さらに別の態様において、本発明のポリマーは、オレフィンインターポリマー、好ましくは、エチレン及び1つ又はそれ以上の共重合可能なコモノマーを、化学的特性又は物理的特性において異なる2つ以上の重合したモノマーユニットの多数のブロック又はセグメントによって特徴づけられる重合した形態において含むオレフィンインターポリマー(ブロック化インターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーであり、この場合、前記ブロックインターポリマーは、TREF増分を使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、約76℃以上のATREF溶出温度を有する分画物のどれもが、下記の式に対応する、DSCによって測定されるような溶融エンタルピー(融解熱)を有することを特徴とする分子分画物を有する:
融解熱(J/gm)≦(3.1718)(ATREF溶出温度、℃)−136.58。
本発明のブロックインターポリマーは、TREF増分を使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、ATREF溶出温度を40℃〜約76℃未満の間に有する分画物のどれもが、下記の式に対応する、DSCによって測定されるような溶融エンタルピー(融解熱)を有することを特徴とする分子分画物を有する:
融解熱(J/gm)≦(1.1312)(ATREF溶出温度、℃)+22.97。
赤外検出器によるATREFピークのコモノマー組成測定
TREFピークのコモノマー組成を、Polymer Char(Valencia、スペイン)(http://www.polymerchar.com/)から入手可能なIR4赤外検出器を使用して測定することができる。
検出器の「組成モード」は、2800cm−1〜3000cm−1の領域における固定された狭帯域赤外フィルターである測定センサー(CH)及び組成センサー(CH)を備える。測定センサーにより、ポリマーにおけるメチレン(CH)炭素(これは溶液中のポリマー濃度に直接に関係づけられる)が検出され、一方、組成センサーにより、ポリマーのメチル(CH)基が検出される。測定シグナル(CH)によって除された組成シグナル(CH)の数学的比率は、溶液中の測定ポリマーのコモノマー含有量に対して敏感であり、その応答が、公知のエチレン/アルファ−オレフィンコポリマー標準物に関して校正される。
検出器は、ATREF装置とともに使用されるとき、TREFプロセスの期間中における溶出ポリマーの濃度(CH)シグナル応答及び組成(CH)シグナル応答の両方を提供する。ポリマー特異的な校正を、(好ましくはNMRによって測定される)既知のコモノマー含有量を有するポリマーについてCH対CHの面積比を測定することによって行うことができる。ポリマーのATREFピークのコモノマー含有量を、個々のCH応答及びCH応答についての面積の比率の参照用校正(すなわち、面積比(CH/CH)対コモノマー含有量)を適用することによって推定することができる。
ピークの面積は、適切なベースラインを、TREFクロマトグラムからの個々のシグナル応答を積分するために適用した後、半値全幅(FWHM)計算を使用して計算することができる。半値全幅計算は、ATREF赤外検出器からのメチル応答面積対メチレン応答面積の比率[CH/CH]に基づいており、この場合、最も高い(最大)ピークがベースラインから特定され、その後、FWHM面積が求められる。ATREFピークを使用して測定される分布については、FWHM面積が、T1と、T2との間における曲線の下側の面積として定義され、この場合、T1及びT2は、ピーク高さを2で割り、その後、ATREF曲線の左側部分及び右側部分と交わる、ベースラインに対して水平な直線を引くことによってATREFピークの左側及び右側に対して決定される点である。
ポリマーのコモノマー含有量をこのATREF−赤外法で測定するための赤外分光法の適用は原理的には、下記の参考文献に記載されるようなGPC/FTIRシステムの適用と類似している:Markovich, Ronald P.、Hazlitt, Lonnie G.、Smith, Linley、「Development of gel-permeation chromatography-Fourier transform infrared spectroscopy for characterization of ethylene-based polyolefin copolymers」、Polymeric Materials Science and Engineering (1991)、65、98-100、及び、Deslauriers, P.J.、Rohlfing, D.C.、Shieh, E.T.、「Quantifying short chain branching microstructures in ethylene-1-olefin copolymers using size exclusion chromatography and Fourier trasnform infrared spectroscopy (SEC-FTIR)」、Polymer (2002)、43、59-170(これらはともに、それらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。
他の実施形態において、本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、ゼロよりも大きく、かつ、約1.0に至るまでの平均ブロックインデックス(ABI)、及び、約1.3を超える分子量分布(M/M)によって特徴づけられる。平均ブロックインデックス(ABI)は、5℃の刻みにより20℃から110℃までの調製用TREFにおいて得られるポリマー分画物のそれぞれについてのブロックインデックス(「BI」)の重量平均である:
ABI=Σ(wBI
式中、BIは、調製用TREFにおいて得られる本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーのi番目の分画物についてのブロックインデックスであり、wはi番目の分画物の重量百分率である。
それぞれのポリマー分画物について、BIが、(両方が同じBI値を与える)2つの下記の式の1つによって定義される:
BI=(1/T−1/TXO)/(1/T−1/TAB
又は
BI=−(LnP−LnPXO)/(LnP−LnPAB
式中、Tはi番目の分画物についての調製用ATREF溶出温度(好ましくはケルビン単位で表される)であり、Pはi番目の分画物についてのエチレンモル分率であり、これは、上記で記載されたようにNMR又はIRによって測定することができる。PABは(分画化前の)エチレン/α−オレフィンインターポリマー全体のエチレンモル分率であり、これもまた、NMR又はIRによって測定することができる。T及びPは、純粋な「ハードセグメント」(これはインターポリマーの結晶性セグメントを示す)についてのATREF溶出温度及びエチレンモル分率である。一次の近似として、「ハードセグメント」についての実際の値が得られないならば、T及びPの値が、高密度ポリエチレンホモポリマーについてのT及びPの値に設定される。本明細書中で行われる計算のために、Tが372°Kであり、Pが1である。
ABは、同じ組成で、PABのエチレンモル分率を有するランダムコポリマーについてのATREF温度である。TABを下記の式から計算することができる:
LnPAB=α/TAB+β
式中、α及びβは、いくつかの公知のランダムエチレンコポリマーを使用する校正によって求めることができる2つの定数である。α及びβは装置毎に変化し得ることに留意しなければならない。その上、それら自体の校正曲線を、目的とするポリマー組成に関して、同様にまた、分画物と類似する分子量範囲において作製する必要がある。わずかな分子量効果が認められる。校正曲線が、類似する分子量範囲から得られるならば、そのような影響は本質的には無視することができる。いくつかの実施形態において、ランダムエチレンコポリマーは下記の関係を満たす:
LnP=−237.83/TATREF+0.639。
XOは、同じ組成で、Pのエチレンモル分率を有するランダムコポリマーについてのATREF温度である。TXOを、
LnP=α/TXO+β
から計算することができる。逆に、PXOは、同じ組成で、TのATREF温度を有するランダムコポリマーについてのエチレンモル分率であり、これは、
LnPXO=α/T+β
から計算することができる。
それぞれの調製用TREF分画物についてのブロックインデックス(BI)が得られると、ポリマー全体についての重量平均ブロックインデックス(ABI)を計算することができる。いくつかの実施形態において、ABIはゼロよりも大きく、しかし、約0.3未満であり、又は、約0.1〜約0.3である。他の実施形態において、ABIは約0.3よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでである。好ましくは、ABIは、約0.4〜約0.7の範囲、又は、約0.5〜約0.7の範囲、又は、約0.6〜約0.9の範囲でなければならない。いくつかの実施形態において、ABIは、約0.3〜約0.9の範囲、又は、約0.3〜約0.8の範囲、又は、約0.3〜約0.7の範囲、又は、約0.3〜約0.6の範囲、又は、約0.3〜約0.5の範囲、又は、約0.3〜約0.4の範囲にある。他の実施形態において、ABIは、約0.4〜約1.0の範囲、又は、約0.5〜約1.0の範囲、又は、約0.6〜約1.0の範囲、又は、約0.7〜約1.0の範囲、又は、約0.8〜約1.0の範囲、又は、約0.9〜約1.0の範囲にある。
本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーの別の特徴が、本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、調製用TREFによって得ることができる少なくとも1つのポリマー分画物を含むことであり、この場合、この分画物は、約0.1よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックスと、約1.3よりも大きい分子量分布(M/M)とを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー分画物は、約0.6よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.7よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.8よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.9よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックスを有する。他の実施形態において、ポリマー分画物は、約0.1よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.2よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.3よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.4よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.4よりも大きく、かつ、約1.0に至るまでのブロックインデックスを有する。なおさらに他の実施形態において、ポリマー分画物は、約0.1よりも大きく、かつ、約0.5に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.2よりも大きく、かつ、約0.5に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.3よりも大きく、かつ、約0.5に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.4よりも大きく、かつ、約0.5に至るまでのブロックインデックスを有する。さらに他の実施形態において、ポリマー分画物は、約0.2よりも大きく、かつ、約0.9に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.3よりも大きく、かつ、約0.8に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.4よりも大きく、かつ、約0.7に至るまでのブロックインデックス、又は、約0.5よりも大きく、かつ、約0.6に至るまでのブロックインデックスを有する。
エチレン及びα−オレフィンのコポリマーについて、本発明のポリマーは好ましくは、(1)少なくとも1.3(より好ましくは、少なくとも1.5、少なくとも1.7又は少なくとも2.0、最も好ましくは少なくとも2.6)であり、5.0の最大値に至るまでのPDI(より好ましくは3.5の最大値に至るまでのPDI、とりわけ、2.7の最大値に至るまでのPDI);(2)80J/g以下の融解熱;(3)少なくとも50重量パーセントのエチレン含有量;(4)−25℃未満(より好ましくは−30℃未満)のガラス転移温度(T);及び/又は(5)ただ1つのTを有する。
さらに、本発明のポリマーは、単独又は本明細書中に開示されるいずれかの他の特性との組合せであっても、貯蔵弾性率(G’)を、log(G’)が100℃の温度において400kPa以上(好ましくは1.0MPa以上)であるように有することができる。その上、本発明のポリマーは、ブロックコポリマーに特徴的であり、かつ、オレフィンコポリマー(とりわけ、エチレン及び1つ又はそれ以上のC3〜8脂肪族α−オレフィンのコポリマー)についてはこれまで知られていない、0℃〜100℃の範囲における温度の関数としての比較的平坦な貯蔵弾性率を有する(図6に例示される)。(この関連での用語「比較的平坦な」によって、logG’(パスカル単位)が、50℃〜100℃の間において、好ましくは0℃〜100℃の間において1桁以上低下しないことが意味される)。
本発明のインターポリマーはさらに、少なくとも90℃の温度における1mmの熱機械的分析侵入深さ、並びに、3kpsi(20MPa)〜13kpsi(90MPa)の曲げ弾性率によって特徴づけることができる。代替では、本発明のインターポリマーは、少なくとも104℃の温度における1mmの熱機械的分析侵入深さ、並びに、少なくとも3kpsi(20MPa)の曲げ弾性率を有することができる。本発明のインターポリマーは、90mm未満の耐摩耗性(又は体積減少)を有するとして特徴づけられる場合がある。図7は、TMA(1mm)対曲げ弾性率を、他の公知のポリマーと比較されるように本発明のポリマーについて示す。本発明のポリマーは、そのような他のポリマーよりも著しく良好な柔軟性−耐熱性バランスを有する。
加えて、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.01g/10分〜2000g/10分のメルトインデックス(I)、好ましくは0.01g/10分〜1000g/10分のメルトインデックス(I)、より好ましくは0.01g/10分〜500g/10分のメルトインデックス(I)、とりわけ、0.01g/10分〜100g/10分のメルトインデックス(I)を有することができる。特定の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.01g/10分〜10g/10分のメルトインデックス(I)、0.5g/10分〜50g/10分のメルトインデックス(I)、1g/10分〜30g/10分のメルトインデックス(I)、1g/10分〜6g/10分のメルトインデックス(I)、又は、0.3g/10分〜10g/10分のメルトインデックス(I)を有する。特定の実施形態において、エチレン/α−オレフィンポリマーについてのメルトインデックスは、1g/10分、3g/10分、又は、5g/10分である。
ポリマーは、1,000g/モル〜5,000,000g/モルの分子量(M)、好ましくは1000g/モル〜1,000,000g/モルの分子量(M)、より好ましくは10,000g/モル〜500,000g/モルの分子量(M)、とりわけ、10,000g/モル〜300,000g/モルの分子量(M)を有することができる。本発明のポリマーの密度は0.80g/cm〜0.99g/cmが可能であり、好ましくは、エチレン含有ポリマーについては0.85g/cm〜0.97g/cmが可能である。特定の実施形態において、エチレン/α−オレフィンポリマーの密度は0.860g/cmから0.925g/cmにまで及ぶか、又は、0.867g/cmから0.910g/cmにまで及ぶ。
そのようなポリマーを作製するプロセスが下記の特許出願に開示されている:米国仮特許出願第60/553,906号(2004年3月17日出願)、米国仮特許出願第60/662,937号(2005年3月17日出願)、米国仮特許出願第60/662,939号(2005年3月17日出願)、米国仮特許出願第60/5662938号(2005年3月17日出願)、PCT出願番号PCT/US2005/008916(2005年3月17日出願)、PCT出願番号PCT/US2005/008915(2005年3月17日出願)及びPCT出願番号PCT/US2005/008917(2005年3月17日出願)(これらのすべてがそれらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。例えば、1つのそのような方法は、エチレンと、必要に応じて、エチレン以外の1つ又はそれ以上の付加重合可能なモノマーとを、
下記の(A)、(B)及び(C)を組み合わせることから生じる混合物又は反応生成物
を含む触媒組成物とともに付加重合条件のもとで接触させることを含む:
(A)高いコモノマー取り込み指数を有する第1のオレフィン重合触媒、
(B)触媒(A)のコモノマー取り込み指数の90パーセント未満(好ましくは50パーセント未満、最も好ましくは5パーセント未満)のコモノマー取り込み指数を有する第2のオレフィン重合触媒、及び
(C)鎖シャトル剤(chain shuttling agent)。
代表的な触媒及び鎖シャトル剤は下記の通りである。
触媒(A1)が[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルであり、これは、国際公開WO03/40195、2003US0204017、米国特許出願第10/429,024号(2003年5月2日出願)及び国際公開WO04/24740の教示に従って調製される:
Figure 0005330414
触媒(A2)が[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−メチルフェニル)(1,2−フェニレン−(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルであり、これは、国際公開WO03/40195、2003US0204017、米国特許出願第10/429,024号(2003年5月2日出願)及び国際公開WO04/24740の教示に従って調製される:
Figure 0005330414
触媒(A3)がビス[N,N’’’−(2,4,6−トリ(メチルフェニル)アミド)エチレンジアミン]ハフニウムジベンジルである:
Figure 0005330414
触媒(A4)がビス((2−オキソイル−3−(ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル)−5−(メチル)フェニル)−2−フェノキシメチル)シクロヘキサン−1,2−ジイルジルコニウム(IV)ジベンジルであり、これは、実質的には米国特許出願公開第2004/0010103号の教示に従って調製される:
Figure 0005330414
触媒(B1)が1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(1−メチルエチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルである:
Figure 0005330414
触媒(B2)が1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(2−メチルシクロヘキシル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルである:
Figure 0005330414
触媒(C1)が(t−ブチルアミド)ジメチル(3−N−ピロリル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタンジメチルであり、これは、実質的には米国特許第6,268,444号の技術に従って調製される:
Figure 0005330414
触媒(C2)が(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタンジメチルであり、これは、実質的には米国特許出願公開第2003/004286号の教示に従って調製される:
Figure 0005330414
触媒(C3)が(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,8a−η−s−インダセン−1−イル)シランチタンジメチルであり、これは、実質的には米国特許出願公開第2003/004286号の教示に従って調製される:
Figure 0005330414
触媒(D1)がビス(ジメチルジシロキサン)(インデン−1−イル)ジルコニウムジクロリドであり、これはSigma−Aldrichから入手可能である:
Figure 0005330414
シャトル剤
用いられるシャトル剤には、ジエチル亜鉛、ジ(i−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリエチルガリウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)、n−オクチルアルミニウムジ(ピリジン−2−メトキシド)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド)、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキシド)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド)、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)及びエチル亜鉛(t−ブトキシド)が含まれる。
好ましくは、前記プロセスは、2つ以上のモノマー(より際立ってはエチレン及びC3〜20のオレフィン又はシクロオレフィン、最も際立ってはエチレン及びC4〜20α−オレフィン)のブロックコポリマー(特にマルチブロックコポリマー、好ましくは線状マルチブロックコポリマー)を、相互変換ができない多数の触媒を使用して形成するための連続溶液プロセスの形態を取る。すなわち、これらの触媒は化学的に異なる。連続溶液重合条件のもとで、このプロセスは、モノマーの混合物を高いモノマー転化率で重合するために理想的に適している。これらの重合条件のもとでは、鎖シャトル剤から触媒への移動(shuttling)が、鎖成長と比較して促進され、マルチブロックコポリマー、とりわけ、線状マルチブロックコポリマーが高い効率で形成される。
本発明のインターポリマーは、従来のランダムコポリマー、ポリマーの物理的なブレンド配合物、及び、逐次モノマー添加、流動性触媒、アニオンリビング重合技術又はカチオンリビング重合技術によって調製されるブロックコポリマーから区別することができる。具体的には、同等な結晶化度又は弾性率における、同じモノマー及びモノマー含有量のランダムコポリマーと比較して、本発明のインターポリマーは、融点によって測定されるようなより良好な耐熱性(より大きい耐熱性)、より大きいTMA侵入温度、より大きい高温での引張り強さ、及び/又は、動的機械的分析によって求められるようなより大きい高温でのねじれ貯蔵弾性率を有する。同じモノマー及びモノマー含有量を含有するランダムコポリマーと比較して、本発明のインターポリマーは、より低い圧縮永久ひずみ(特に、高い温度でのより低い圧縮永久ひずみ)、より低い応力緩和、より大きい耐クリープ性、より大きい引裂き強度、より大きい耐ブロッキング性、より高い結晶化温度(固化温度)に起因するより速い硬化、より大きい回復率(特に、高い温度でのより大きい回復率)、より良好な耐摩耗性、より大きい収縮力、並びに、オイル及びフィラーのより良好な受け入れを有する。
本発明のインターポリマーはまた、結晶化及び分岐分布のたぐいまれな関係を示す。すなわち、本発明のインターポリマーは、同等の全体的密度において、とりわけ、同じモノマー及びモノマーレベルを含有するランダムコポリマー、又は、ポリマーの物理的なブレンド配合物(例えば、高密度ポリマーと、より低い密度のコポリマーとのブレンド配合物など)と比較された場合、CRYSTAF及びDSCを使用して測定される最も高いピークの温度の間における比較的大きい差を融解熱の関数として有する。本発明のインターポリマーのこのたぐいまれな特徴は、ポリマー骨格内のブロックにおけるコモノマーのたぐいまれな分布に起因すると考えられる。具体的には、本発明のインターポリマーは、(ホモポリマーのブロックを含めて)異なるコモノマー含有量の交互ブロックを含むことができる。本発明のインターポリマーはまた、異なる密度又はコモノマー含有量のポリマーブロックの数及び/又はブロックサイズにおける分布(これはシュルツ・フローリー型の分布である)を含むことができる。加えて、本発明のインターポリマーはまた、ポリマーの密度、弾性率及びモルホロジーに実質的に依存しない、ピーク融点及び結晶化温度のたぐいまれなプロフィルを有する。好ましい実施形態において、ポリマーの微結晶性秩序により、ランダムコポリマー又はブロックコポリマーから区別可能である特徴的な球晶及びラメラが、1.7未満から、又は、1.5未満までもから、1.3未満に至るまでであるPDI値においてさえ明らかにされる。
その上、本発明のインターポリマーは、ブロッキネス(blockiness)の程度又はレベルに影響を及ぼすための技術を使用して調製することができる。すなわち、コモノマーの量、及び、それぞれのポリマーブロック又はポリマーセグメントの長さを、触媒及びシャトル剤の比率及びタイプ、同様にまた、重合の温度、並びに、他の重合変数を制御することによって変えることができる。この現象の驚くべき利点が、ブロッキネスの程度が増大させられるにつれて、得られるポリマーの光学特性、引裂き強度及び高温での回復特性が改善されるという発見である。具体的には、ポリマーにおけるブロックの平均数が増大するにつれて、曇りが低下し、一方、透明性、引裂き強度及び高温での回復特性が増大する。所望される連鎖移動能(低いレベルの連鎖停止を伴う大きい移動速度)を有する、シャトル剤及び触媒の組合せを選択することによって、他の形態のポリマー停止が効果的に抑制される。そのため、β−ヒドリド脱離が、たとえ認められるとしても、本明細書中に開示される実施形態によるエチレン/α−オレフィンコモノマー混合物の重合ではほとんど認められず、また、得られる結晶性ブロックは非常に線状であるか、又は、実質的に完全に線状であり、これにより、長鎖分岐をほとんど有しないか、又は、全く有しない。
非常に結晶性の鎖末端を有するポリマーを、本明細書中に開示される実施形態に従って選択的に調製することができる。エラストマー用途において、非晶質性ブロックで終わるポリマーの相対的な量を減らすことは、結晶性領域に対する分子間の希釈作用を低下させる。この結果を、水素又は他の連鎖停止剤に対する適切な応答を有する鎖シャトル剤及び触媒を選ぶことによって得ることができる。具体的には、非常に結晶性のポリマーをもたらす触媒が、結晶性がより低いポリマーセグメントを(例えば、より大きいコモノマー取り込み、位置(regio)エラー又はアタクチックポリマー形成などにより)もたらすことに関与する触媒よりも、(例えば、水素の使用などによる)連鎖停止の影響を受けやすいならば、非常に結晶性のポリマーセグメントがポリマーの末端部分に優先的に存在することになる。得られる末端形成基が結晶性であるだけでなく、停止したとき、非常に結晶性のポリマーを形成する触媒部位が今一度、ポリマー形成の再開始のために利用可能になる。従って、最初に形成されたポリマーが別の非常に結晶性のポリマーセグメントとなる。そのため、得られたマルチブロックコポリマーの両末端が優先的に非常に結晶性である。
本明細書中に開示される実施形態において使用されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、好ましくは、エチレンと、少なくとも1つのC〜C20α−オレフィンとのインターポリマーである。エチレン及びC〜C20α−オレフィンのコポリマーがとりわけ好ましい。インターポリマーはさらに、C〜C18ジオレフィン及び/又はアルケニルベンゼンを含むことができる。エチレンと重合するために有用である好適な不飽和コモノマーには、例えば、エチレン性不飽和モノマー、共役型又は非共役型のジエン、ポリエン、アルケニルベンゼンなどが含まれる。そのようなコモノマーの例には、C〜C20α−オレフィン、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン及び1−デセンなどが含まれる。1−ブテン及び1−オクテンがとりわけ好ましい。他の好適なモノマーには、スチレン、ハロ置換又はアルキル置換されたスチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン及びナフテン系(naphthenics)(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロオクテン)が含まれる。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーが好ましいポリマーである一方で、他のエチレン/オレフィンポリマーもまた使用することができる。本明細書中で使用されるようなオレフィンは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和な炭化水素系化合物の一群を示す。触媒の選択に依存して、いずれかのオレフィンを、本明細書中に開示される実施形態において使用することができる。好ましくは、好適なオレフィンは、ビニル性不飽和を含有するC〜C20の脂肪族化合物及び芳香族化合物であり、同様にまた、環状化合物、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン及びノルボルネン(C〜C20のヒドロカルビル基又はシクロヒドロカルビル基により5位及び6位において置換されるノルボルネン(これらに限定されない)を含む)などである。そのようなオレフィンの混合物、同様にまた、そのようなオレフィンと、C〜C40ジオレフィン化合物との混合物もまた含まれる。
オレフィンモノマーの例には、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン及び1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン,1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、4−ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、C〜C40ジエン(これには、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが含まれるが、これらに限定されない)、他のC〜C40α−オレフィンなどが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、又は、これらの組合せである。ビニル基を含有する炭化水素はどれも潜在的には、本明細書中に開示される実施形態において使用することができるが、実用上の様々な問題、例えば、モノマーの入手性、費用、及び、未反応モノマーを得られたポリマーから都合良く除くことができることなどが、モノマーの分子量が大きくなりすぎると、より問題となる場合がある。
本明細書中に記載される重合プロセスは、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びt−ブチルスチレンなどをはじめとするモノビニリデン芳香族モノマーを含むオレフィンポリマーの製造のために十分に適する。具体的には、エチレン及びスチレンを含むインターポリマーを本明細書中の教示に従うことによって調製することができる。場合により、エチレン、スチレン及びC〜C20アルファ−オレフィンを含み、必要に応じてC〜C20ジエンを含み、改善された特性を有するコポリマーを調製することができる。
好適な非共役ジエンモノマーは、6個〜15個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素ジエンが可能である。好適な非共役ジエンの例には、直鎖の非環式ジエン(例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなど)、分岐鎖の非環式ジエン(例えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、並びに、ジヒドロミリセン及びジヒドロシネンの混合異性体など)、単環の脂環式ジエン(例えば、1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン及び1,5−シクロドデカジエンなど)、並びに、多環の脂環式の縮合環ジエン及び架橋環ジエン(例えば、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン;アルケニルノルボルネン、アルキリデンノルボルネン、シクロアルケニルノルボルネン及びシクロアルキリデンノルボルネン(例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなど)、並びに、ノルボルナジエンなど)が含まれるが、これらに限定されない。EPDMを調製するために典型的に使用されるジエンの中で、特に好ましいジエンが、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)及びジシクロペンタジエン(DCPD)である。とりわけ好ましいジエンが5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)及び1,4−ヘキサジエン(HD)である。
本明細書中に開示される実施形態に従って作製することができる望ましいポリマーの1つのクラスが、エチレンと、C〜C20α−オレフィン(とりわけ、プロピレン)と、必要に応じて、1つ又はそれ以上のジエンモノマーとのエラストマーインターポリマーである。本発明のこの実施形態において使用される好ましいα−オレフィンが、式CH=CHR(式中、Rは、1個〜12個の炭素原子の直鎖アルキル基又は分枝アルキル基である)によって示される。好適なα−オレフィンの例には、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいα−オレフィンがプロピレンである。プロピレンに基づくポリマーは一般に、当分野ではEPポリマー又はEPDMポリマーとして示される。そのようなポリマー(とりわけ、マルチブロックEPDM型ポリマー)を調製する際に使用される好適なジエンには、4個〜20個の炭素を含む共役型又は非共役型の、直鎖又は分岐鎖の環式ジエン又は多環式ジエンが含まれる。好ましいジエンには、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン及び5−ブチリデン−2−ノルボルネンが含まれる。特に好ましいジエンが5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
ジエン含有ポリマーは、より多くの量又はより少ない量のジエン(非存在を含む)及びα−オレフィン(非存在を含む)を含有する交互セグメント又は交互ブロックを含むので、ジエン及びα−オレフィンの総量を、その後のポリマー特性の喪失を伴うことなく減らすことができる。すなわち、ジエンモノマー及びα−オレフィンモノマーが、ポリマー全体にわたって均一又はランダムにではなく、むしろ、ポリマーの1つのタイプのブロックに優先的に取り込まれるので、ジエンモノマー及びα−オレフィンモノマーがより効率的に利用され、その後、ポリマーの架橋密度をより良好に制御することができる。そのような架橋可能なエラストマー及びその硬化製造物は、より大きい引張り強さ及びより良好な弾性回復率を含めて、様々な優れている特性を有する。
いくつかの実施形態において、異なる量のコモノマーを取り込む2つの触媒を用いて作製される本発明のインターポリマーは、95:5から5:95までの、それにより形成されるブロックの重量比を有する。エラストマーポリマーは望ましくは、ポリマーの総重量に基づいて、エチレン含有量が20パーセント〜90パーセントであり、ジエン含有量が0.1パーセント〜10パーセントであり、α−オレフィン含有量が10パーセント〜80パーセントである。さらに好ましくは、マルチブロックエラストマーポリマーは、ポリマーの総重量に基づいて、エチレン含有量が60パーセント〜90パーセントであり、ジエン含有量が0.1パーセント〜10パーセントであり、α−オレフィン含有量が10パーセント〜40パーセントである。好ましいポリマーは、重量平均分子量(Mw)が10,000〜約2,500,000であり、好ましくは20,000〜500,000であり、より好ましくは20,000〜350,000であり、かつ、多分散度が3.5未満であり、より好ましくは3.0未満であり、かつ、ムーニー粘度(ML(1+4)、125℃)が1〜250である高分子量のポリマーである。より好ましくは、そのようなポリマーは、エチレン含有量が65パーセント〜75パーセントであり、ジエン含有量が0パーセント〜6パーセントであり、α−オレフィン含有量が20パーセント〜35パーセントである。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、少なくとも1つの官能基をそのポリマー構造に取り込むことによって機能化することができる。例示的な官能基には、例えば、エチレン性不飽和のモノ官能性カルボン酸及び二官能性カルボン酸、エチレン性不飽和のモノ官能性カルボン酸無水物及び二官能性カルボン酸無水物、それらの塩、並びに、それらのエステルが含まれ得る。そのような官能基はエチレン/α−オレフィンインターポリマーにグラフト化することができ、又は、そのような官能基は、エチレン、官能性コモノマー及び場合により使用される他のコモノマー(1つ又はそれ以上)のインターポリマーを形成するために、エチレン及び場合により使用されるさらなるコモノマーと共重合される場合がある。官能基をポリエチレンにグラフト化するための手段が、例えば、米国特許第4,762,890号、同第4,927,888号及び同第4,950,541号に記載される(これらの特許の開示はそれらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。1つの特に有用な官能基が無水マレイン酸である。
機能性インターポリマーに存在する官能基の量は変化し得る。官能基は典型的には、コポリマー型の機能化インターポリマーにおいて、少なくとも約1.0重量パーセントの量で存在させることができ、好ましくは少なくとも約5重量パーセントの量で存在させることができ、より好ましくは少なくとも約7重量パーセントの量で存在させることができる。官能基は典型的には、コポリマー型の機能化インターポリマーにおいて、約40重量パーセント未満の量で存在し、好ましくは約30重量パーセント未満の量で存在し、より好ましくは約25重量パーセント未満の量で存在する。
試験方法
下記の実施例において、下記の分析技術が用いられる:
サンプル1〜4及びサンプルA〜CについてのGPC方法
160℃に設定される加熱されたニードルを備える自動液体取り扱いロボットが、300ppmのIonolにより安定化される十分な1,2,4−トリクロロベンゼンをそれぞれの乾燥ポリマーサンプルに加えて、30mg/mlの最終的な濃度を与えるために使用される。小さいガラス製撹拌棒がそれぞれのチューブに入れられ、サンプルが、250rpmで回転する加熱された回旋式振とう機において160℃に2時間加熱される。その後、濃縮されたポリマー溶液が、自動液体取り扱いロボット及び160℃に設定される加熱されたニードルを使用して1mg/mlに希釈される。
Symyx Rapid GPCシステムが、分子量データをそれぞれのサンプルについて求めるために使用される。2.0ml/分の流速で設定されるGilson350ポンプが、300ppmのIonolにより安定化されるヘリウムパージされた1,2−ジクロロベンゼンを、直列で設置され、160℃に加熱される3本のPlgel 10マイクロメートル(μm)Mixed B(300mm×7.5mm)カラムを通る移動相として送液するために使用される。Polymer Labs ELS1000検出器が、250℃に設定されるエバポレーター、165℃に設定されるネブライザー、及び、60psi〜80psi(400kPa〜600kPa)のN圧力で1.8SLMに設定される窒素流速とともに使用される。ポリマーサンプルが160℃に加熱され、それぞれのサンプルが、液体取り扱いロボット及び加熱されたニードルを使用して250μlのループに注入される。2つの切り換えられるループ及び重なる注入を使用するポリマーサンプルの連続分析が使用される。サンプルデータが、Symyx Epoch(商標)ソフトウエアを使用して収集及び分析される。ピークが手作業により積分され、分子量情報が、ポリスチレン標準物の校正曲線に対して未補正のまま報告される。
標準的なCRYSTAF方法
分岐分布が、PolymerChar(Valencia、スペイン)から入手可能なCRYSTAF200装置を使用する結晶化分析分画化(CRYSTAF)によって求められる。サンプルが、160℃で1時間、1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解され(0.66mg/mL)、95℃で45分間安定化される。サンプル採取温度が0.2℃/分の冷却速度で95℃から30℃にまで及ぶ。赤外検出器が、ポリマー溶液の濃度を測定するために使用される。累積可溶物濃度が、温度が低下させられる間に、ポリマーが結晶化するにつれて測定される。累積プロフィルの解析的導関数がポリマーの短鎖分岐分布を反映する。
CRYSTAFピーク温度及びピーク面積が、CRYSTAFソフトウエア(バージョン2001.b、PolymerChar(Valencia、スペイン))に含まれるピーク分析モジュールによって特定される。CRYSTAFピーク発見ルーチンにより、ピーク温度がdW/dT曲線における極大値として特定され、面積が、導関数曲線における特定されたピークのどちらかの側での最大の正の変曲点との間において特定される。CRYSTAF曲線を計算するために、好ましい処理パラメーターが、70℃の温度限界、及び、0.1の温度限界を超え、かつ、0.3の温度限界を下回る平滑化パラメーターに関してである。
DSCの標準的方法(サンプル1〜4及びサンプルA〜Cを除く)
示差走査熱量測定法の結果が、RCS冷却アクセサリー及びオートサンプラーを備えるTAIモデルQ1000DSCを使用して求められる。50ml/分の窒素パージガス流量が使用される。サンプルが薄いフィルムに圧縮され、約175℃でプレス機において融解され、その後、室温(25℃)に空冷される。その後、3mg〜10mgの材料が直径6mmのディスクに切断され、正確に重量測定され、軽いアルミニウム皿(約50mg)に置かれ、その後、圧着より閉じられる。サンプルの熱挙動が下記の温度プロフィルにより調べられる。サンプルは、何らかの以前の熱履歴を除くために、180℃に急速加熱され、3分間にわたって等温保持される。その後、サンプルは10℃/分の冷却速度で−40℃に冷却され、−40℃で3分間保持される。その後、サンプルは10℃/分の加熱速度で150℃に加熱される。冷却曲線及び2回目の加熱曲線が記録される。
DSC融解ピークが、−30℃と、融解の終了との間で引かれる直線ベースラインに関して熱流量(W/g)における極大値として測定される。融解熱が、直線ベースラインを使用して、−30℃と、融解の終了との間における融解曲線の下側の面積として測定される。
GPC方法(サンプル1〜4及びサンプルA〜Cを除く)
ゲル浸透クロマトグラフィーシステムは、Polymer Laboratories Model PL−210装置、又は、Polymer Laboratories Model PL−220装置のどちらかからなる。カラム区画及び回転ラック区画が140℃で操作される。Polymer Laboratoriesの3本の10ミクロンMixed−Bカラムが使用される。溶媒は1,2,4−トリクロロベンゼンである。サンプルが、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する50ミリリットルの溶媒における0.1グラムのポリマーの濃度で調製される。サンプルが、160℃で2時間軽く撹拌することによって調製される。使用される注入体積が100マイクロリットルであり、流速が1.0ml/分である。
GPCカラムセットの校正が、580から8,400,000にまで及ぶ分子量が、個々の分子量の間における分離が少なくとも10進法である6個の「カクテル」混合物で配置される21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物により行われる。これらの標準物が、Polymer Laboratories(Shropshire、英国)から購入される。ポリスチレン標準物は、1,000,000以上の分子量については50ミリリットルの溶媒において0.025グラムで調製され、1,000,000未満の分子量については50ミリリットルの溶媒において0.05グラムで調製される。ポリスチレン標準物は30分間の穏やかな撹拌とともに80℃で溶解される。狭い標準物混合物が最初に、そして、分解を最小限に抑えるために最大分子量成分が小さくなる順で流される。ポリスチレン標準物のピーク分子量が、(Williams及びWard、J. Polym. Sci. Polym. Let.、6、621 (1968)に記載されるような)下記の式を使用してポリエチレン分子量に変換される:Mポリエチレン=0.431(Mポリスチレン)。
ポリエチレン等価分子量の計算が、Viscotek TriSECソフトウエア(バージョン3.0)を使用して行われる。
圧縮永久ひずみ
圧縮永久ひずみが、ASTM D395に従って測定される。サンプルが、12.7mmの全体的厚さが達成されるまで、3.2mmの厚さ、2.0mmの厚さ及び0.25mmの厚さの直径25.4mmの円形ディスクを積み重ねることによって調製される。ディスクは、下記の条件のもとでホットプレス機により成形される12.7cm×12.7cmの圧縮成形された飾り板様プレート(plaque)から切断される:190℃での3分間のゼロ圧力、その後、190℃での2分間の86MPa、その後、86MPaでの、冷たい流水によるプレス機内部での冷却。
密度
密度測定のためのサンプルが、ASTM D1928に従って調製される。測定が、ASTM D792の方法Bを使用して、サンプル圧縮の1時間以内に行われる。
曲げ弾性率/割線モジュラス/貯蔵弾性率
サンプルが、ASTM D1928を使用して圧縮成形される。曲げ弾性率及び2パーセント割線モジュラスが、ASTM D−790に従って測定される。貯蔵弾性率が、ASTM D5026−01又は同等な技術に従って測定される。
光学特性
厚さ0.4mmのフィルムが、ホットプレス機(Carver Model#4095−4PR1001R)を使用して圧縮成形される。ペレットがポリテトラフルオロエチレンシートの間に置かれ、55psi(380kPa)で3分間、その後、1.3MPaで3分間、次いで、2.6MPaで3分間、190℃で加熱される。その後、フィルムは、1.3MPaで1分間、流れる冷水によりプレス機内で冷却される。このような圧縮成形フィルムが、光学測定、引張り挙動、回復率及び応力緩和のために使用される。
透明度が、BYK Gardner Haze−gardをASTM D1746において指定されるように使用して測定される。
45°光沢が、BYK Gardner Glossmeter Microgloss45°をASTM D−2457において指定されるように使用して測定される。
内部曇りが、BYK Gardner Haze−gardをASTM D1003の手順Aに基づいて使用して測定される。鉱油が、表面のひっかき傷を除くためにフィルム表面に塗布される。
機械的特性−引張り、ヒステリシス及び引裂き
一軸引張りでの応力−ひずみ挙動が、ASTM D1708の微小引張り試験片を使用して測定される。サンプルが21℃において500%min−1でInstronにより伸ばされる。引張り強さ及び破断点伸びが5個の試験片の平均から報告される。
100%及び300%のヒステリシスが、Instron(商標)装置により、ASTM D1708の微小引張り試験片を使用して100%及び300%のひずみに対するサイクル負荷から求められる。サンプルは、267%min−1での負荷の付与及び解放が21℃で3サイクル行われる。300%及び80℃でのサイクル実験が、環境チャンバーを使用して行われる。80℃での実験では、サンプルが、試験前に、試験温度で45分間にわたって平衡化させられる。21℃での300%ひずみのサイクル実験では、最初の負荷解放サイクルからの150%ひずみでの収縮応力が記録される。すべての実験についてのパーセント回復率が、負荷がベースラインに戻ったひずみを使用して最初の負荷解放サイクルから計算される。パーセント回復率が下記のように定義される:
%回復率=[(ε−ε)/ε]×100
式中、εは、サイクル負荷付与のために用いられるひずみであり、εは、負荷が1回目の負荷解放サイクルの期間中にベースラインに戻るひずみである。
応力緩和が、環境チャンバーを備えるInstron(商標)装置を使用して50パーセントひずみ及び37℃において12時間測定される。ゲージ形状が76mm×25mm×0.4mmであった。環境チャンバーにおける37℃での45分間の平衡化の後、サンプルが333%min−1で50%のひずみに伸ばされた。応力が時間の関数として12時間記録された。12時間後のパーセント応力緩和が、下記の式を使用して計算された:
%応力緩和=[(L−L12)/L]×100
式中、Lは時間0における50%のひずみでの負荷であり、L12は12時間後における50%のひずみでの負荷である。
引張り切り込み付き引裂き実験が、Instron(商標)装置を使用して、0.88g/cc以下の密度を有するサンプルに対して行われる。形状は、2mmの切り込みが試験片の長さの半分のところでサンプルに切られた、76mm×13mm×0.4mmのゲージ部分からなる。サンプルは、サンプルが破断するまで21℃において508mm min−1で伸ばされる。引裂きエネルギーが、最大負荷でのひずみに至るまでの応力−伸び曲線の下側の面積として計算される。少なくとも3つの試験片の平均が報告される。
TMA
熱機械分析(侵入温度)が、180℃及び10MPaの成形圧力で5分間形成され、その後、空気で急冷される、直径が30mmで、厚さが3.3mmの圧縮成形されたディスクに対して行われる。使用される装置はTMA7(Perkin−Elmerから入手可能な商標品)である。試験では、半径1.5mmの先端を有するプローブ(P/N N519−0416)が1Nの力によりサンプルディスクの表面に当てられる。温度が25℃から5℃/分で上げられる。プローブ侵入距離が温度の関数として測定される。実験は、プローブがサンプル内に1mm侵入したときに終了する。
DMA
動的機械分析(DMA)が、ホットプレス機で10MPaの圧力において180℃で5分間形成され、その後、90℃/分でプレス機内で水冷される圧縮成形されたディスクに対して測定される。試験が、ねじり試験のための二重のカンチレバー取り付け具を備えるARES制御のひずみレオメーター(TA instruments)を使用して行われる。
1.5mmの飾り板様プレートがプレス成形され、32×12mmの大きさの棒材に切断される。サンプルは、10mm(掴み具分離、ΔL)だけ離された取り付け具の間に両端でクランプ固定され、−100℃から200℃までの連続温度ステップ(5℃/ステップ)に供される。それぞれの温度において、ねじり剛性率(G’)が10rad/秒の角振動数で測定され、但し、ひずみ振幅が、トルクが十分であること、及び、測定が線形様式であり続けることを保証するために、0.1パーセント〜4パーセントの間で維持される。
10gの最初の静的力が、熱膨張が生じるときのサンプルにおける緩みを防止するために維持される(自動張力モード)。結果として、掴み具の分離(ΔL)が、特にポリマーサンプルの融点又は軟化点よりも高い温度では、温度とともに増大する。試験は最大温度で終了するか、又は、取り付け具の間のすき間が65mmに達するときに終了する。
メルトインデックス
メルトインデックス、すなわち、Iが、ASTM D1238(190℃/2.16kgの条件)に従って測定される。メルトインデックス、すなわち、I10もまた、ASTM D1238(190℃/10kgの条件)に従って測定される。
ATREF
分析的昇温溶出分画化(ATREF)分析が、米国特許第4,798,081号、及び、Wilde, L.、Ryle, T.R.、Knobeloch, D.C.、Peat, I.R.、Determination of Branching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymers、J. Polym. Sci.、20、441-455 (1982)(これらはそれらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる)に記載される方法に従って行われる。分析される組成物はトリクロロベンゼンに溶解され、温度を0.1℃/分の冷却速度で20℃にゆっくり下げることによって、不活性な担体(ステンレススチールショット)を含有するカラムにおいて結晶化させられる。カラムは赤外検出器を備える。その後、ATREFクロマトグラム曲線が、結晶化したポリマーサンプルを、溶出溶媒(トリクロロベンゼン)の温度を1.5℃/分の速度で20℃から120℃にゆっくり上げることによりカラムから溶出することによって作製される。
13 C−NMR分析
サンプルが、テトラクロロエタン−d/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物のおよそ3gを10mmのNMRチューブにおいて0.4gのサンプルに加えることによって調製される。サンプルは、チューブ及びその内容物を150℃に加熱することによって溶解され、均質化される。データが、JEOL Eclipse(商標)400MHz分光計又はVarian Unity Plus(商標)400MHz分光計を使用して集められる(これらは100.5MHzの13C共鳴周波数に対応する)。データが、6秒のパルス反復遅延によりデータファイルあたり4000個の過渡シグナルを使用して取得される。最小のシグナル対ノイズを定量的分析のために達成するために、多数のデータファイルが1つにまとめられる。スペクトル幅が25,000Hzであり、最小のファイルサイズが32Kのデータポイントからなる。サンプルは10mmの広帯域プローブにおいて130℃で分析される。コモノマーの取り込みが、ランダールのトリアッド法(Randall, J.C.、JMS-Rev. Macromol. Chem. Phys.、C29、201-317 (1989);これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)を使用して求められる。
TREFによるポリマー分画化
大規模なTREF分画化が、15g〜20gのポリマーを160℃での4時間の撹拌により2リットルの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)に溶解することによって行われる。ポリマー溶液が、30メッシュ〜40メッシュ(600μm〜425μm)の球状の工業用品質のガラスビーズ(Potters Industries(HC 30 Box 20、Brownwood、TX、76801)から入手可能)と、ステンレススチールの、直径が0.028”(0.7mm)の切断されたワイヤショット(Pellets,Inc.(63 Industrial Drive、North Tonawanda、NY、14120)から入手可能)との60:40(v:v)ミックスが充填された3インチ×4フィート(7.6cm×12cm)のスチールカラムに、15psig(100kPa)の窒素によって押し込まれる。カラムは、最初は160℃に設定される熱制御されたオイルジャケットに沈められる。カラムは、最初、125℃に衝撃的(ballistically)に冷却され、その後、0.04℃/分で20℃にゆっくり冷却され、1時間保たれる。新鮮なTCBが、温度が0.167℃/分で上げられながら約65ml/分で導入される。
調製用TREFカラムからのおよそ2000mlずつの溶出液が16ステーションの加熱されたフラクションコレクターで集められる。ポリマーが、約50ml〜100mlのポリマー溶液が残るまで、ロータリーエバポレーターを使用してそれぞれの分画物において濃縮される。濃縮された溶液は一晩放置され、その後、過剰なメタノールが加えられ、ろ過され、すすぎ洗浄される(最後のすすぎ洗浄を含めて、およそ300ml〜500mlのメタノール)。ろ過工程が、5.0μmのポリテトラフルオロエチレン被覆ろ紙(Osmonics Inc.から入手可能、Cat#Z50WP04750)を使用して3位置の真空支援ろ過ステーションで行われる。ろ過された分画物が60℃で真空オーブンにおいて一晩乾燥され、さらなる試験の前に分析天秤で重量測定される。
溶融強度
溶融強度(MS)が、およそ45度の入口角度を有する直径2.1mmの20:1のダイが取り付けられたキャピラリーレオメーターを使用することによって測定される。サンプルを190℃で10分間にわたって平衡化させた後、ピストンが1インチ/分(2.54cm/分)の速度で操作される。標準試験温度が190℃である。サンプルが、2.4mm/secの加速度により、ダイの下方100mmに位置する1組の加速用ニップの方に一軸方向に引張られる。要求される引張り力がニップロールの巻取り速度の関数として記録される。試験期間中に達成される最大引張り力が溶融強度として定義される。ポリマー溶融物がドローレゾナンス(draw resonance)を示す場合、ドローレゾナンス開始前の引張り力が溶融強度として採用された。溶融強度はセンチニュートン(「cN」)の単位で記録される。
触媒
用語「一晩」は、使用されるならば、およそ16時間〜18時間の時間を示し、用語「室温」は20℃〜25℃の温度を示し、用語「混合アルカン」は、ExxonMobil Chemical CompanyからISOPAR E(登録商標)の取引名称で入手可能な、C6〜9脂肪族炭化水素の商業的に得られる混合物を示す。本明細書中の化合物の名称がその構造的表示に一致しない場合には、構造的表示の方が優先するものとする。すべての金属錯体の合成及びすべてのスクリーニング実験の準備が、ドライボックス技術を使用して乾燥窒素雰囲気で行われた。使用されたすべての溶媒がHPLC規格であり、それらの使用の前に乾燥された。
MMAOは、修飾メチルアルモキサン、すなわち、Akzo−Nobel Corporationから市販されているトリイソブチルアルミニウム修飾されたメチルアルモキサンを示す。
触媒(B1)の調製が下記のように行われる。
a)(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)メチルイミンの調製
3,5−ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド(3.00g)を10mLのイソプロピルアミンに加える。溶液がすぐに明黄色になる。周囲温度で3時間撹拌した後、揮発物を真空下で除いて、明黄色の結晶性固体を得る(97パーセントの収率)。
b)1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(1−メチルエチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルの調製
(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン(605mg、2.2mmol)を5mLのトルエンに溶解した溶液を、Zr(CHPh)(500mg、1.1mmol)を50mLのトルエンに溶解した溶液にゆっくり加える。得られた暗黄色の溶液を30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除いて、所望される生成物を赤褐色の固体として得る。
触媒(B2)の調製が下記のように行われる。
a)(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミンの調製
2−メチルシクロヘキシルアミン(8.44mL、64.0mmol)をメタノール(90mL)に溶解し、ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド(10.00g、42.67mmol)を加える。反応混合物を3時間撹拌し、その後、−25℃に12時間冷却する。得られた黄色固体の析出物をろ過によって集め、冷メタノールにより洗浄し(15mLで2回)、その後、減圧下で乾燥する。収量が黄色固体の11.17gである。H−NMRは、異性体の混合物として、所望される生成物と一致している。
b)ビス−(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミノ)ジルコニウムジベンジルの調製
(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン(7.63g、23.2mmol)を200mLのトルエンに溶解した溶液を、Zr(CHPh)(5.28g、11.6mmol)を600mLのトルエンに溶解した溶液にゆっくり加える。得られた暗黄色の溶液を25℃で1時間撹拌する。溶液を680mLのトルエンによりさらに希釈して、0.00783Mの濃度を有する溶液を得る。
共触媒1
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートのメチルジ(C14〜18アルキル)アンモニウム塩の混合物(本明細書中以降、アルメエニウムボラート)、これは、実質的には米国特許第5,919,9883号(実施例2)に開示されるように、長鎖トリアルキルアミン(Armeen(商標)M2HT、これはAkzo−Nobel,Inc.から入手可能である)、HCl及びLi[B(C]の反応によって調製される。
共触媒2
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリドの混合C14〜18アルキルジメチルアンモニウム塩、これは米国特許第6,395,671号(実施例16)に従って調製される。
シャトル剤
用いられるシャトル剤には、ジエチル亜鉛(DEZ、SA1)、ジ(i−ブチル)亜鉛(SA2)、ジ(n−ヘキシル)亜鉛(SA3)、トリエチルアルミニウム(TEA、SA4)、トリオクチルアルミニウム(SA5)、トリエチルガリウム(SA6)、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)(SA7)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)(SA8)、n−オクチルアルミニウムジ(ピリジン−2−メトキシド)(SA9)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム(SA10)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)(SA11)、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド)(SA12)、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)(SA13)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキシド)(SA14)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)(SA15)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)(SA16)、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)(SA17)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド)(SA18)、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)(SA19)及びエチル亜鉛(t−ブトキシド)(SA20)が含まれる。
実施例1〜4、比較例A〜C
一般的なハイスループット並列重合条件
重合が、Symyx technologies,Inc.から入手可能であり、実質的には米国特許第6,248,540号、同第6,030,917号、同第6,362,309号、同第6,306,658号及び同第6,316,663号に従って操作されるハイスループット並列重合リアクター(PPR)を使用して行われる。エチレンの共重合が、要求に応じたエチレンを用いて、使用される総触媒に基づいて1.2当量の共触媒1(MMAOが存在するときには1.1当量)を使用して130℃及び200psi(1.4MPa)で行われる。一連の重合が、事前に重量測定されたガラスチューブが取り付けられる6×8のアレイでの48個の個々のリアクターセルから構成される並列圧力リアクター(PPR)において行われる。それぞれのリアクターセルにおける作業体積が6000μLである。それぞれのセルは温度及び圧力が制御され、撹拌が個々の撹拌パドルによって提供される。モノマーガス及びクエンチガスがポンプによりPPR装置に直接に送られ、自動バルブによって制御される。液体試薬がロボットによりシリンジによってそれぞれのリアクターセルに加えられ、リザーバー溶媒が混合アルカンである。添加順序は、混合アルカン溶媒(4ml)、エチレン、1−オクテンコモノマー(1ml)、共触媒1又は共触媒1/MMAO混合物、シャトル剤、及び、触媒又は触媒混合物である。共触媒1及びMMAOの混合物、又は、2つの触媒の混合物が使用されるとき、これらの試薬はリアクターへの添加の直前で小さいバイアルにおいて事前に混合される。試薬が実験において省略されるとき、上記の添加順序はそれ以外の点では維持される。重合が、所定のエチレン消費に到達するまで、およそ1分間〜2分間行われる。COによる反応停止の後、リアクターが冷却され、ガラスチューブが取り出される。チューブは遠心分離器/真空乾燥装置に移され、60℃で12時間乾燥される。乾燥ポリマーを含有するチューブは重量測定され、この重量と、風袋重量との差により、ポリマーの正味収量が得られる。結果が表1に含まれる。本出願における表1及びどこか他のところにおいて、比較用化合物が星印()によって示される。
実施例1〜実施例4は、DEZが存在するときには、非常に狭いMWDの、本質的には単峰性のコポリマーの形成によって、また、DEZの非存在下では二峰性の幅広い分子量分布の生成物(別個に生じたポリマーの混合物)の形成によって立証されるように、本発明による線状ブロックコポリマーの合成を明らかにする。触媒(A1)は、触媒(B1)よりも多くのオクテンを取り込むことが公知であるという事実のために、本明細書中に開示される得られたコポリマーの異なるブロック又はセグメントは分岐又は密度に基づいて識別可能である。
Figure 0005330414
本発明に従って作製されるポリマーは、比較的狭い多分散度(Mw/Mn)と、シャトル剤の非存在下で調製されるポリマーよりも大きいブロックコポリマー含有量(トリマー、テトラマー又はより大きいもの)とを有することが理解され得る。
表1のポリマーについてのさらなる特徴づけデータが、図を参照することによって明らかにされる。より具体的には、DSC及びATREFの結果は下記のことを示す:
実施例1のポリマーについてのDSC曲線は115.7℃の融点(Tm)を示し、融解熱が158.1J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを34.5℃で示し、ピーク面積が52.9パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの差が81.2℃である。
実施例2のポリマーについてのDSC曲線は、109.7℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が214.0J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを46.2℃で示し、ピーク面積が57.0パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの差が63.5℃である。
実施例3のポリマーについてのDSC曲線は、120.7℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が160.1J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを66.1℃で示し、ピーク面積が71.8パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの差が54.6℃である。
実施例4のポリマーについてのDSC曲線は、104.5℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が170.7J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを30℃で示し、ピーク面積が18.2パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの差が74.5℃である。
比較例AについてのDSC曲線は90.0℃の融点(Tm)を示し、融解熱が86.7J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを48.5℃で示し、ピーク面積が29.4パーセントである。これらの値はともに、密度が低い樹脂と一致している。DSCのTmと、Tcrystafとの差が41.8℃である。
比較例BについてのDSC曲線は129.8℃の融点(Tm)を示し、融解熱が237.0J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを82.4℃で示し、ピーク面積が83.7パーセントである。これらの値はともに、密度が大きい樹脂と一致している。DSCのTmと、Tcrystafとの差が47.4℃である。
比較例CについてのDSC曲線は125.3℃の融点(Tm)を示し、融解熱が143.0J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを81.8℃で示し、ピーク面積が34.7パーセントであり、同様にまた、より低い結晶性ピークを52.4℃で示す。これら2つのピークの間における分離は、高結晶性ポリマー及び低結晶性ポリマーの存在と一致している。DSCのTmと、Tcrystafとの差が43.5℃である。
実施例5〜19、比較例D〜F、連続溶液重合、触媒A1/B2+DEZ
連続溶液重合が、内部撹拌装置を備えるコンピューター制御のオートクレーブリアクターにおいて行われる。精製された混合アルカン溶媒(ISOPAR(商標)E、ExxonMobil Chemical Companyから入手可能)、2.70lbs/時間(1.22kg/時間)でのエチレン、1−オクテン、及び、水素(使用される場合)が、温度制御用ジャケット及び内部熱電対を備える3.8Lのリアクターに供給される。リアクターへの溶媒供給がマスフローコントローラーによって測定される。可変速度ダイアフラムポンプにより、リアクターへの溶媒の流速及び圧力が制御される。ポンプが吐出するとき、副流が、触媒及び共触媒1の注入ライン並びにリアクター撹拌機のためのフラッシュ洗浄流を提供するために取られる。これらの流量がMicro−Motionマスフローメーターによって測定され、制御バルブによって、又は、ニードルバルブの手動調節によって制御される。残留する溶媒が、1−オクテン、エチレン及び水素(使用される場合)と一緒にされ、リアクターに供給される。マスフローコントローラーが、水素を必要に応じてリアクターに送達するために使用される。溶媒/モノマー溶液の温度が、リアクターに入る前に熱交換器の使用によって制御される。この流れはリアクターの底部に入る。触媒成分溶液が、ポンプ及びマスフローメーターを使用して計量され、触媒フラッシュ洗浄溶媒と一緒にされ、リアクターの底部に導入される。リアクターは、激しい撹拌とともに500psig(3.45MPa)で、液体で満たされて操作される。生成物が、リアクターの頭部にある排出ラインから取り出される。リアクターからのすべての排出ラインがスチームトレースされ(steam traced)、遮断される。重合が、少量の水を何らかの安定剤又は他の添加剤と一緒に排出ラインの中に加え、混合物を静的ミキサーに通すことによって停止される。その後、生成物の流れが、揮発物除去の前に熱交換器を通過することによって加熱される。ポリマー生成物が、揮発物除去押出し機及び水冷ペレタイザーを使用する押し出しによって回収される。プロセスの詳細及び結果が表2に含まれる。選択されたポリマー特性が表3に示される。
Figure 0005330414
Figure 0005330414
得られたポリマーが、前記実施例の場合と同様にDSC及びATREFによって試験される。結果は下記の通りである:
実施例5のポリマーについてのDSC曲線は、119.6℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が60.0J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを47.6℃で示し、ピーク面積が59.5パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが72.0℃である。
実施例6のポリマーについてのDSC曲線は、115.2℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が60.4J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを44.2℃で示し、ピーク面積が62.7パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが71.0℃である。
実施例7のポリマーについてのDSC曲線は、121.3℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が69.1J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを49.2℃で示し、ピーク面積が29.4パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが72.1℃である。
実施例8のポリマーについてのDSC曲線は、123.5℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が67.9J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを80.1℃で示し、ピーク面積が12.7パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが43.4℃である。
実施例9のポリマーについてのDSC曲線は、124.6℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が73.5J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを80.8℃で示し、ピーク面積が16.0パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが43.8℃である。
実施例10のポリマーについてのDSC曲線は、115.6℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が60.7J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを40.9℃で示し、ピーク面積が52.4パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが74.7℃である。
実施例11のポリマーについてのDSC曲線は、113.6℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が70.4J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを39.6℃で示し、ピーク面積が25.2パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが74.1℃である。
実施例12のポリマーについてのDSC曲線は、113.2℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が48.9J/gである。対応するCRYSTAF曲線は30℃以上のピークを示さない(従って、さらなる計算のためのTcrystafが30℃で設定される)。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが83.2℃である。
実施例13のポリマーについてのDSC曲線は、114.4℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が49.4J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを33.8℃で示し、ピーク面積が7.7パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが84.4℃である。
実施例14のポリマーについてのDSC曲線は、120.8℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が127.9J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを72.9℃で示し、ピーク面積が92.2パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが47.9℃である。
実施例15のポリマーについてのDSC曲線は、114.3℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が36.2J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを32.3℃で示し、ピーク面積が9.8パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが82.0℃である。
実施例16のポリマーについてのDSC曲線は、116.6℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が44.9J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを48.0℃で示し、ピーク面積が65.0パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが68.6℃である。
実施例17のポリマーについてのDSC曲線は、116.0℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が47.0J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを43.1℃で示し、ピーク面積が56.8パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが72.9℃である。
実施例18のポリマーについてのDSC曲線は、120.5℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が141.8J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを70.0℃で示し、ピーク面積が94.0パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが50.5℃である。
実施例19のポリマーについてのDSC曲線は、124.8℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が174.8J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを79.9℃で示し、ピーク面積が87.9パーセントである。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが45.0℃である。
比較例DのポリマーについてのDSC曲線は、37.3℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が31.6J/gである。対応するCRYSTAF曲線は30℃以上のピークを示さない。これらの値はともに、密度が低い樹脂と一致している。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが7.3℃である。
比較例EのポリマーについてのDSC曲線は、124.0℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が179.3J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを79.3℃で示し、ピーク面積が94.6パーセントである。これらの値はともに、密度が大きい樹脂と一致している。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが44.6℃である。
比較例FのポリマーについてのDSC曲線は、124.8℃の融点(Tm)を有するピークを示し、融解熱が90.4J/gである。対応するCRYSTAF曲線は最も高いピークを77.6℃で示し、ピーク面積が19.5パーセントである。2つのピークの分離は、高結晶性ポリマー及び低結晶性ポリマーの両方の存在と一致している。DSCのTmと、Tcrystafとの間におけるデルタが47.2℃である。
物理的特性試験
ポリマーサンプルが、物理的特性について、例えば、TMA温度試験によって立証されるような高温抵抗性特性、ペレットブロッキング強度、高温での回復率、高温圧縮永久ひずみ及び貯蔵弾性率比(G’(25℃)/G’(100℃))などについて評価される。いくつかの市販されているポリマーが試験に含まれる:比較例Gは、実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマー(AFFINITY(登録商標)、The Dow Chemical Companyから入手可能)である;比較例Hは、エラストマー性の、実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマー(AFFINITY(登録商標)EG8100、The Dow Chemical Companyから入手可能)である;比較例Iは、実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマー(AFFINITY(登録商標)PL1840、The Dow Chemical Companyから入手可能)である;比較例Jは、水素化されたスチレン/ブタジエン/スチレントリブロックコポリマー(KRATON(商標)G1652、KRATON Polymersから入手可能)である;比較例Kは熱可塑性加硫物(TPV、架橋されたエラストマーを分散されて含有するポリオレフィンブレンド配合物)である。結果が表4に示される。
Figure 0005330414
表4において、比較例F(これは、触媒A1及び触媒B1を使用する同時重合から得られる2つのポリマーの物理的なブレンド配合物である)は約70℃の1mm侵入温度を有し、一方、実施例5〜実施例9は100℃以上の1mm侵入温度を有する。さらに、実施例10〜実施例19はすべてが、85℃を超える1mm侵入温度を有しており、ほとんどが、90℃を超えるか、又は、100℃さえも超える1mm−TMA温度を有する。このことは、これらの新規なポリマーが、物理的なブレンド配合物と比較して、より良好な寸法安定性をより高い温度において有することを示す。比較例J(市販のSEBS)は約107℃の良好な1mm−TMA温度を有しており、しかし、比較例Jは約100パーセントの非常に不良な(高温、70℃)圧縮永久ひずみを有しており、比較例Jはまた、高温(80℃)での300パーセントひずみの回復の期間中に回復しなかった(サンプルが破損した)。従って、これらの例示されたポリマーは、いくつかの市販されている高性能な熱可塑性エラストマーにおいてさえ得ることができない特性のたぐいまれな組合せを有する。
同様に、表4は、本発明のポリマーについては6以下の低い(良好な)貯蔵弾性率比(G’(25℃)/G’(100℃))を示し、これに対して、物理的なブレンド配合物(比較例F)は貯蔵弾性率比が9であり、類似する密度のランダムエチレン/オクテンコポリマー(比較例G)は1桁大きい貯蔵弾性率比(89)を有する。ポリマーの貯蔵弾性率比はできる限り1に近いことが望ましい。そのようなポリマーは温度によって比較的影響されず、また、そのようなポリマーから作製される二次加工品は広い温度範囲にわたって有用に用いることができる。低い貯蔵弾性率比及び温度非依存性のこの特徴は、エラストマー用途において、例えば、感圧接着剤配合物などにおいて特に有用である。
表4におけるデータはまた、本明細書中に開示されるポリマーが、改善されたペレットブロッキング強度を有することを明らかにする。具体的には、実施例5はペレットブロッキング強度が0MPaであり、このことは、実施例5が、相当のブロッキングを示す比較例F及び比較例Gと比較して、試験された条件のもとでは易流動性であることを意味する。大きいブロッキング強度を有するポリマーのばら積み輸送は、製造物が貯蔵時又は輸送時に凝集又は付着して固まり、これにより、取り扱い性を悪くすることを生じさせ得るので、ブロッキング強度は重要である。
本発明のポリマーについての高温(70℃)圧縮永久ひずみは一般に良好であり、このことは、一般には約80パーセント未満を意味し、好ましくは約70パーセント未満を意味し、とりわけ約60パーセント未満を意味する。対照的に、比較例F、比較例G、比較例H及び比較例Jはすべて、70℃圧縮永久ひずみが100パーセント(最大可能な値)である(このことは、回復が全くないことを示している)。良好な高温圧縮永久ひずみ(低い数値)が、ガスケット、窓用形材及びo−リングなどの用途のためには特に必要とされる。
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表5は、機械的特性についての結果を、周囲温度において、新規なポリマーについて、同様にまた、様々な比較ポリマーについて示す。本発明のポリマーは、ISO4649に従って試験されたとき、非常に良好な耐摩耗性を有しており、一般に約90mm未満の体積減少を示し、好ましくは約80mm未満の体積減少を示し、とりわけ約50mm未満の体積減少を示すことが理解され得る。この試験では、より大きい数字は、体積減少がより大きいこと、その結果として、耐摩耗性がより低いことを示している。
本発明のポリマーの引張り切り込み付き引裂き強度によって測定されるような引裂き強度は、表5に示されるように、一般に1000mJ以上である。本発明のポリマーについての引裂き強度は3000mJもの大きさであり得るか、又は、5000mJもの大きさでさえあり得る。比較例ポリマーは一般に、引裂き強度が最大でも750mJである。
表5はまた、本明細書中に開示されるポリマーは、比較例サンプルのいくつかよりも良好な、150パーセントひずみでの収縮応力(これは、比較例サンプルのいくつかよりも大きい収縮応力値によって明らかにされる)を有することを示す。比較例F、比較例G及び比較例Hは、150パーセントひずみでの収縮応力の値が400kPa以下であり、一方、本発明のポリマーは、150パーセントひずみでの収縮応力の値が500kPa(実施例11)から約1100kPaもの大きさ(実施例17)までである。150パーセントを超える収縮応力値を有するポリマーは、様々な弾性用途のために、例えば、弾性繊維及び弾性布地などのために、とりわけ、不織布のために極めて有用である。他の用途には、おむつ、衛生用品及び医療用衣服ウエストバンドでの用途(例えば、タブ及び弾力性バンドなど)が含まれる。
表5はまた、応力緩和(50パーセントのひずみにおいて)もまた、例えば、比較例Gと比較された場合、本発明のポリマーについては改善されていること(より小さいこと)を示す。応力緩和がより低いことは、そのポリマーが、体温での長期間にわたる弾性特性の保持が所望される用途(例えば、おむつ及び他の衣服など)においてその力をより良く保持することを意味する。
光学試験
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表6に報告される光学特性は、配向性が実質的にない圧縮成形フィルムに基づく。ポリマーの光学特性が、重合で用いられる鎖シャトル剤の量における変化から生じるクリスタリットサイズにおける変動のために広範囲にわたって変化し得る。
マルチブロックコポリマーの抽出
実施例5、実施例7及び比較例Eのポリマーの抽出研究が行われる。実験において、ポリマーサンプルがガラスフリットの抽出用円筒ろ紙の中に計り取られ、Kumagawa型抽出器に取り付けられる。サンプルを伴う抽出器は窒素によりパージされ、500mLの丸底フラスコに、350mLのジエチルエーテルが投入される。その後、フラスコが抽出器に取り付けられる。エーテルが、撹拌されながら加熱される。エーテルが円筒ろ紙の中に凝縮し始める時刻が書き留められ、抽出が窒素下で24時間続けられる。この時間で、加熱が停止され、溶液が冷却される。抽出器に残留するすべてのエーテルがフラスコに戻される。フラスコ内のエーテルが周囲温度において減圧下でエバポレーションされ、得られた固形物が、乾くまで窒素によりパージされる。すべての残渣が、重量測定されたビンに、ヘキサンの連続洗浄を使用して移される。その後、一緒にされたヘキサン洗浄液はさらなる窒素パージとともにエバポレーションされ、残渣が真空下で40℃において一晩乾燥される。抽出器内のすべての残留エーテルが、乾くまで窒素によりパージされる。
その後、350mLのヘキサンが投入される第2の清浄な丸底フラスコが抽出器につながれる。ヘキサンが撹拌とともに加熱還流され、ヘキサンが円筒ろ紙の中に凝縮することが最初に認められた後24時間にわたって還流状態で維持される。その後、加熱が停止され、フラスコが冷却される。抽出器に残留するすべてのヘキサンがフラスコに戻される。ヘキサンが周囲温度における真空下でのエバポレーションによって除かれ、フラスコに残留するすべての残渣が、重量測定されたビンに、連続するヘキサン洗浄を使用して移される。フラスコ内のヘキサンが窒素パージによってエバポレーションされ、残渣が40℃で一晩真空乾燥される。
抽出後の円筒ろ紙に残留するポリマーサンプルが、円筒ろ紙から、重量測定されたビンに移され、40℃で一晩真空乾燥される。結果が表7に含まれる。
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さらなるポリマー実施例19A〜19J、連続溶液重合、触媒A1/B2+DEZ
実施例19A〜19Iについて
連続溶液重合がコンピューター制御の十分に混合されるリアクターにおいて行われる。精製された混合アルカン溶媒(ISOPAR(商標)E、Exxon Mobil,Inc.から入手可能)、エチレン、1−オクテン、及び、水素(使用される場合)が一緒にされ、27ガロンのリアクターに供給される。リアクターへの供給がマスフローコントローラーによって測定される。供給物の流れの温度が、リアクターに入る前にグリコール冷却の熱交換器の使用によって制御される。触媒成分溶液が、ポンプ及びマスフローメーターを使用して計量される。リアクターは、およそ550psigの圧力で、液体で満たされて操作される。リアクターから出るとき、水及び添加物がポリマー溶液に注入される。水により、触媒が加水分解され、重合反応が停止させられる。その後、リアクター後の溶液は2段階の揮発物除去に備えて加熱される。溶媒及び未反応モノマーが揮発物除去プロセスの期間中に除かれる。ポリマー溶融物が、水中でのペレット切断のためにダイにポンプ送出される。
実施例19Jについて
連続溶液重合が、内部撹拌装置を備えるコンピューター制御のオートクレーブリアクターにおいて行われる。精製された混合アルカン溶媒(ISOPAR(商標)E、ExxonMobil Chemical Companyから入手可能)、2.70lbs/時間(1.22kg/時間)でのエチレン、1−オクテン、及び、水素(使用される場合)が、温度制御用ジャケット及び内部熱電対を備える3.8Lのリアクターに供給される。リアクターへの溶媒供給がマスフローコントローラーによって測定される。可変速度ダイアフラムポンプにより、リアクターへの溶媒の流速及び圧力が制御される。ポンプが吐出するとき、側流が、触媒注入ライン及び共触媒注入ライン並びにリアクター攪拌機のためのフラッシュ洗浄流を提供するために取られる。これらの流量がMicro−Motionマスフローメーターによって測定され、制御バルブによって、又は、ニードルバルブの手動調節によって制御される。残留する溶媒が、1−オクテン、エチレン及び水素(使用される場合)と一緒にされ、リアクターに供給される。マスフローコントローラーが、水素を必要に応じてリアクターに送達するために使用される。溶媒/モノマー溶液の温度が、リアクターに入る前に熱交換器の使用によって制御される。この流れはリアクターの底部に入る。触媒成分溶液が、ポンプ及びマスフローメーターを使用して計量され、触媒フラッシュ洗浄溶媒と一緒にされ、リアクターの底部に導入される。リアクターは、激しい撹拌とともに500psig(3.45MPa)で、液体で満たされて操作される。生成物が、リアクターの頭部にある排出ラインから取り出される。リアクターからのすべての排出ラインがスチームトレースされ、遮断される。重合が、少量の水を何らかの安定剤又は他の添加剤と一緒に排出ラインの中に加え、混合物を静的ミキサーに通すことによって停止される。その後、生成物の流れが、揮発物除去の前に熱交換器を通過することによって加熱される。ポリマー生成物が、揮発物除去押出し機及び水冷ペレタイザーを使用する押し出しによって回収される。
プロセスの詳細及び結果が表8に含まれる。選択されたポリマー特性が表9A〜表9Cに示される。
表9Bにおいて、本発明の実施例19F及び実施例19Gは、およそ65%〜70%の低い直後残留ひずみを500%の伸びの後で示す。
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第2のポリマー
本明細書中に開示されるポリマー組成物はさらに、本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーとは異なる第2のポリマーを含むことができる。第2のポリマーは、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びエチレン−プロピレンコポリマー)、ポリ(エチレン−co−ビニルアセタート)、ポリビニルクロリド、エチレン及びビニルアセタートの混合ポリマー、スチレン−ブタジエン混合ポリマー、並びに、それらの組合せが可能である。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物における第2のポリマーの量が、ポリマー組成物の総重量に基づいて約0.5重量%〜約99重量%、約10重量%〜約90重量%、約20重量%〜約80重量%、又は、約25重量%〜約75wt%.である。他の実施形態において、ポリマー組成物における第2のポリマーの量が、ポリマー組成物の総重量に基づいて約50重量%〜約75重量%、約40重量%〜約85重量%、約30重量%〜約90重量%、又は、約50重量%〜約95重量%である。さらなる実施形態において、ポリマー組成物における第2のポリマーの量が、ポリマー組成物の総重量に基づいて約5重量%〜約50重量%、約5重量%〜約40重量%、約5重量%〜約30重量%、約10重量%〜約50重量%、又は、約20重量%〜約50重量%である。
本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーとは異なるポリオレフィンで、本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーの物理的特性を調節するために使用され得るポリオレフィンはどれも、本明細書中に開示されるポリマー組成物に取り込まれるための第2のポリマーとして使用することができる。そのようなポリオレフィンは、オレフィンホモポリマー、オレフィンコポリマー、オレフィンターポリマー、オレフィンクアテルポリマーなど、及び、それらの組合せが可能である。
いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、1つ又はそれ以上のオレフィン(すなわち、アルケン)に由来するポリオレフィンである。オレフィン(すなわち、アルケン)は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する炭化水素である。そのようなオレフィンは、モノエン(すなわち、1つだけの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン)、ジエン(すなわち、2つの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン)、トリエン(すなわち、3つの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン)、テトラエン(すなわち、4つの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン)、及び、他のポリエンであり得る。オレフィン又はアルケン、例えば、モノエン、ジエン、トリエン、テトラエン及び他のポリエンなどは、3個以上の炭素原子、4個以上の炭素原子、6個以上の炭素原子、8個以上の炭素原子を有することができる。いくつかの実施形態において、オレフィンは、3個〜約100個の炭素原子、4個〜約100個の炭素原子、6個〜約100個の炭素原子、8個〜約100個の炭素原子、3個〜約50個の炭素原子、3個〜約25個の炭素原子、4個〜約25個の炭素原子、6個〜約25個の炭素原子、8個〜約25個の炭素原子、又は、3個〜約10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、オレフィンは、2個〜約20個の炭素原子を有する線状又は分岐の環式モノエン又は非環式モノエンである。他の実施形態において、アルケンはジエンであり、例えば、ブタジエン及び1,5−ヘキサジエンなどである。さらなる実施形態において、アルケンの水素原子の少なくとも1つがアルキル又はアリールにより置換される。具体的な実施形態において、アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、スチレン又はそれらの組合せである。
特定の実施形態において、第2のポリマーは、1つのオレフィンに由来するオレフィンホモポリマーである。当業者には公知であるオレフィンホモポリマーはどれも使用することができる。オレフィンホモポリマーの限定されない例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリデセン−1、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ−1,5−ヘキサジエンが含まれる
他の実施形態において、オレフィンホモポリマーはポリエチレンである。当業者には公知であるポリエチレンはどれも、本明細書中に開示されるポリマー組成物を調製するために使用することができる。ポリエチレンの限定されない例には、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状高密度低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及び超高密度ポリエチレン(UHDPE)など、並びに、それらの組合せが含まれる。
他の実施形態において、オレフィンホモポリマーはポリプロピレンである。当業者には公知であるポリプロピレンはどれも、本明細書中に開示されるポリマー組成物を調製するために使用することができる。ポリプロピレンの限定されない例には、低密度ポリプロピレン(LDPP)、高密度ポリプロピレン(HDPP)、高溶融強度ポリプロピレン(HMS−PP)、耐衝撃性ポリプロピレン(HIPP)、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)及びシンジオタクチックポリプロピレン(sPP)など、並びに、それらの組合せが含まれる。
他の実施形態において、第2のポリマーはオレフィンコポリマーである。オレフィンコポリマーは、2つの異なるオレフィンに由来することができる。当業者には公知であるオレフィンコポリマーはどれも、本明細書中に開示されるポリマー組成物において使用することができる。オレフィンコポリマーの限定されない例には、エチレンと、3個以上の炭素原子を有するモノエンとに由来するコポリマーが含まれる。3個以上の炭素原子を有するモノエンの限定されない例には、プロペン、ブテン(例えば、1−ブテン、2−ブテン及びイソブテン)及びアルキル置換ブテン、ペンテン(例えば、1−ペンテン及び2−ペンテン)及びアルキル置換ペンテン(例えば、4−メチル−1−ペンテン)、ヘキセン(例えば、1−ヘキセン、2−ヘキセン及び3−ヘキセン)及びアルキル置換ヘキセン、ヘプテン(例えば、1−ヘプテン、2−ヘプテン及び3−ヘプテン)及びアルキル置換ヘプテン、オクテン(例えば、1−オクテン、2−オクテン、3−オクテン及び4−オクテン)及びアルキル置換オクテン、ノネン(例えば、1−ノネン、2−ノネン、3−ノネン及び4−ノネン)及びアルキル置換ノネン、デセン(例えば、1−デセン、2−デセン、3−デセン、4−デセン及び5−デセン)及びアルキル置換デセン、ドデセン及びアルキル置換ドデセン、並びに、ブタジエンが含まれる。いくつかの実施形態において、オレフィンコポリマーはエチレン/α−オレフィン(EAO)コポリマー又はエチレン/プロピレンコポリマー(EPM)である。
他の実施形態において、オレフィンコポリマーは、(i)アルキル基又はアリール基により置換されるC3〜20オレフィン(例えば、4−メチル−1−ペンテン及びスチレン)、及び、(ii)ジエン(例えば、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン及び1,9−デカジエン)に由来する。そのようなオレフィンコポリマーの限定されない例には、スチレン−ブタジエン混合ポリマー及びスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマーが含まれる。
他の実施形態において、第2のポリマーはオレフィンターポリマーである。オレフィンターポリマーは、3つの異なるオレフィンに由来することができる。当業者には公知であるオレフィンターポリマーはどれも、本明細書中に開示されるポリマー組成物において使用することができる。オレフィンターポリマーの限定されない例には、(i)エチレン、(ii)3個以上の炭素原子を有するモノエン、及び、(iii)ジエンに由来するターポリマーが含まれる。いくつかの実施形態において、オレフィンターポリマーはエチレン/α−オレフィン/ジエンターポリマー(EAODM)及びエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)である。
いくつかの実施形態において、オレフィンターポリマーは、(i)2つの異なるモノエン、及び、(ii)アルキル基又はアリール基により置換されるC3〜20オレフィンに由来する。そのようなオレフィンターポリマーの限定されない例には、スチレン−エチレン−co−(ブテン)−スチレン(SEBS)ブロックコポリマーが含まれる。
他の実施形態において、第2のポリマーは、オレフィン及びビニルポリマーのコポリマー、又は、オレフィン及びビニルポリマーの混合ポリマーである。ビニルポリマーは、ポリビニルアセタートポリマー、ポリビニルクロリドポリマー、ポリアクリル酸(polyacrylic)ポリマー、ポリビニルアクリラートポリマー、ポリビニルマレアートポリマー及びポリビニルフタラートポリマーからなる群より選択される。そのようなコポリマーの限定されない例には、ポリ(エチレン−co−ビニルアセタート)(EVA)が含まれる。そのような混合ポリマーの限定されない例には、エチレン及びビニルアセタートの混合ポリマーが含まれる。
有用な添加物
必要な場合には、配向フィルム又はポリマー組成物は少なくとも1つの添加物を独立して含む場合があり、又は、少なくとも1つの添加物を実質的に含まない場合がある。好適な添加物のある限定されない例には、スリップ剤、粘着防止(anti-blocking)剤、可塑剤、オイル、ワックス、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤又は顔料、フィラー、流動補助剤(flow aid)、カップリング剤、架橋剤、界面活性剤、溶媒、滑剤、防曇剤、核形成剤、難燃剤、静電防止剤及びそれらの組合せが含まれる。添加物の総量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約50重量%にまで、又は、約0.001重量%から約40重量%にまで、又は、約0.01重量%から約30重量%にまで、又は、約0.1重量%から約20重量%にまで、又は、約0.5重量%から約10重量%にまで、又は、約1重量%から約5重量%にまで及ぶことができる。いくつかのポリマー添加物が、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati, Ohio、第5版(2001))に記載されている(これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される配向フィルムは添加物(例えば、本明細書中に開示される添加物など)を含まない。
いくつかの実施形態において、配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は必要な場合にはスリップ剤を含む。スリップは、フィルム表面が互いの面で、又は、いくつかの他の基体の面で滑ることである。フィルムのスリップ性能を、ASTM D1894(プラスチックフィルム及びプラスチックシート材料の静的摩擦係数及び動的摩擦係数)によって測定することができる(これは参照により本明細書中に組み込まれる)。一般に、スリップ剤は、フィルムの表面性状を改変することによって、また、フィルムの層の間における摩擦、及び、フィルムと、フィルムが接触する他の基体との間における摩擦を減らすことによってスリップ特性を伝えることができる。
当業者には公知であるスリップ剤はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムの少なくとも外側層に加えることができる。スリップ剤の限定されない例には、約12個〜約40個の炭素原子を有する第一級アミド(例えば、エルクアミド、オレアミド、ステアルアミド及びベヘンアミド)、約18個〜約80個の炭素原子を有する第二級アミド(例えば、ステアリルエルクアミド、ベヘニルエルクアミド、メチルエルクアミド及びエチルエルクアミド)、約18個〜約80個の炭素原子を有する第二級−ビス−アミド(例えば、エチレン−ビス−ステアルアミド及びエチレン−ビス−オレアミド)、及び、それらの組合せが含まれる。
必要な場合には、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は粘着防止剤を含むことができる。粘着防止剤は、配向フィルムの触れている層の間における望ましくない接着を、特に、貯蔵期間中、製造期間中又は使用期間中での穏やかな圧力及び熱のもとにおいて防止するために使用することができる。当業者には公知である粘着防止剤はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。粘着防止剤の限定されない例には、鉱物(例えば、粘土、チョーク及び炭酸カルシウム)、合成シリカゲル(例えば、Grace Davison(Columbia、MD)から得られるSYLOBLOC(登録商標))、天然シリカ(例えば、Celite Corporation(Santa Barbara、CA)から得られるSPER FLOSS(登録商標))、タルク(例えば、Luzenac(Centennial、CO)から得られるOPTIBLOC(登録商標))、ゼオライト(例えば、Degussa(Parsippany、NJ)から得られるSIPERNAT(登録商標))、アルミノケイ酸塩(例えば、Mizusawa Industrial Chemicals(東京、日本)から得られるSILOTON(登録商標))、石灰石(例えば、Omya(Atlanta、GA)から得られるCARBOREX(登録商標))、球状ポリマー粒子(例えば、Nippon Shokubai(東京、日本)から得られるEPOSTAR(登録商標)(ポリ(メチルメタクリラート)粒子)、及び、GE Silicones(Wilton、CT)から得られるTOSPEARL(登録商標)(シリコーン粒子))、ワックス、アミド(例えば、エルクアミド、オレアミド、ステアルアミド、ベヘンアミド、エチレン−ビス−ステアルアミド、エチレン−ビス−オレアミド、ステアリルエルクアミド及び他のスリップ剤)、モレキュラーシーブ及びそれらの組合せが含まれる。鉱物粒子は、物理的なすき間を物品間にもたらすことによってブロッキングを低下させることができ、一方、有機の粘着防止剤は表面に移動して、表面の接着を制限することができる。使用される場合、配向フィルムにおける粘着防止剤の量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約3重量%まで、又は、約0.0001重量%から約2重量%まで、又は、約0.001重量%から約1重量%まで、又は、約0.001重量%から約0.5重量%までとすることができる。いくつかの粘着防止剤が、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati、Ohio、第5版、第7章、585頁〜600頁(2001))に記載されている(これは参照により本明細書中に組み込まれる)。
必要な場合には、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は可塑剤を含むことができる。一般に、可塑剤は、ポリマーの柔軟性を増大させ、かつ、ポリマーのガラス転移温度を低下させることができる化学物質である。当業者には公知である可塑剤はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。可塑剤の限定されない例には、鉱油、アビエタート、アジパート、アルキルスルホナート、アゼラート、ベンゾアート、塩素化パラフィン、シトラート、エポキシド、グリコールエーテル及びそのエステル、グルタラート、炭化水素油、イソブチラート、オレアート、ペンタエリトリトール誘導体、ホスファート、フタラート、エステル、ポリブテン、リシノレアート、セバカート、スルホンアミド、トリメリタート、ピロメリタート、ビフェニル誘導体、ステアラート、ジフランジエステル、フッ素含有可塑剤、ヒドロキシ安息香酸エステル、イソシアナート付加物、多環芳香族化合物、天然産物誘導体、ニトリル、シロキサン系可塑剤、タール系製造物、チオエーテル(thioeter)及びそれらの組合せが含まれる。使用される場合、配向フィルムにおける可塑剤の量は、配向フィルムの総重量の0重量%超から約15重量%まで、又は、約0.5重量%から約10重量%まで、又は、約1重量%から約5重量%までとすることができる。いくつかの可塑剤が、George Wypych、「Handbook of Plasticizers」(ChemTec Publishing、Toronto-Scarborough、Ontario (2004))に記載されている(これは参照により本明細書中に組み込まれる)。
いくつかの実施形態において、配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は必要な場合には、配向フィルムにおけるポリマー成分及び有機添加物の酸化を防止することができる酸化防止剤を含む。当業者には公知である酸化防止剤はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。好適な酸化防止剤の限定されない例には、芳香族アミン又はヒンダードアミン、例えば、アルキルジフェニルアミン類、フェニル−α−ナフチルアミン類、アルキル置換又はアラルキル置換されたフェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化p−フェニレンジアミン、テトラメチル−ジアミノジフェニルアミンなど;フェノール類、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート))メタン(例えば、Ciba Geigy(New York)から得られるIRGANOX(商標)1010)、アクリロイル修飾フェノール類、オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナマート)(例えば、Ciba Geigyから市販されているIRGANOX(商標)1076)など;ホスフィト及びホスホニト;ヒドロキシルアミン系化合物;ベンゾフラノン誘導体;並びにこれらの組合せが含まれる。使用される場合、配向フィルムにおける酸化防止剤の量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約5重量%まで、又は、約0.0001重量%から約2.5重量%まで、又は、約0.001重量%から約1重量%まで、又は、約0.001重量%から約0.5重量%までとすることができる。いくつかの酸化防止剤が、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati、Ohio、第5版、第1章、1頁〜140頁(2001))に記載されている(これは参照により本明細書中に組み込まれる)。
他の実施形態において、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は必要な場合には、UV線による配向フィルムの分解を防止又は低下させることができるUV安定剤を含む。当業者には公知であるUV安定剤はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。好適なUV安定剤の限定されない例には、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、アリールエステル、オキサニリド系化合物、アクリル酸エステル、ホルムアミジン系化合物、カーボンブラック、ヒンダードアミン、ニッケルクエンチャー(quencher)、ヒンダードアミン、フェノール系酸化防止剤、金属塩、亜鉛化合物及びこれらの組合せが含まれる。使用される場合、配向フィルムにおけるUV安定剤の量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約5重量%まで、又は、約0.01重量%から約3重量%まで、又は、約0.1重量%から約2重量%まで、又は、約0.1重量%から約1重量%までとすることができる。いくつかのUV安定剤が、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati、Ohio、第5版、第2章、141頁〜426頁(2001))に記載されている(これは参照により本明細書中に組み込まれる)。
さらなる実施形態において、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は必要な場合には、人の目に対する配向フィルムの外観を変化させることができる着色剤又は顔料を含む。当業者には公知である着色剤又は顔料はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。好適な着色剤又は顔料の限定されない例には、無機顔料、例えば、金属酸化物(例えば、酸化鉄、酸化亜鉛及び二酸化チタンなど)、混合金属酸化物、カーボンブラックなど、有機顔料、例えば、アントラキノン系化合物、アンタントロン系化合物(anthanthrones)、アゾ化合物及びモノアゾ化合物、アリールアミド系化合物、ベンゾイミダゾロン系化合物、BONAレーキ、ジケトピロロ−ピロール系化合物、ジオキサジン系化合物、ジスアゾ化合物、ジアリーリド化合物、フラバントロン系化合物(flavanthrones)、インダントロン系化合物、イソインドリノン系化合物、イソインドリン系化合物、金属錯体、モノアゾ塩、ナフトール系化合物、b−ナフトール系化合物、ナフトールAS、ナフロールレーキ、ペリレン系化合物、ペリノン系化合物、フタロシアニン系化合物、ピラントロン系化合物、キナクリドン系化合物及びキノフタロン系化合物など、並びに、これらの組合せが含まれる。使用される場合、配向フィルムにおける着色剤又は顔料の量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約10重量%まで、又は、約0.1重量%から約5重量%まで、又は、約0.25重量%から約2重量%までとすることができる。いくつかの着色剤が、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati、Ohio、第5版、第15章、813頁〜882頁(2001))に記載されている(これは参照により本明細書中に組み込まれる)。
必要な場合には、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は、とりわけ、体積、重量、費用及び/又は技術的性能を調節するために使用することができるフィラーを含むことができる。当業者には公知であるフィラーはどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。好適なフィラーの限定されない例には、タルク、炭酸カルシウム、チョーク、硫酸カルシウム、粘土、カオリン、シリカ、ガラス、フュームドシリカ、雲母、珪灰石、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ(例えば、アルミナ三水和物など)、ガラス微小球体、セラミック微小球体、熱可塑性微小球体、重晶石、木粉、ガラス繊維、炭素繊維、大理石ダスト、セメントダスト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン、チタン酸塩及びこれらの組合せが含まれる。いくつかの実施形態において、フィラーは、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス、ガラス繊維、アルミナ、二酸化チタン、又は、これらの混合物である。他の実施形態において、フィラーは、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、又は、これらの混合物である。使用される場合、配向フィルムにおけるフィラーの量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約50重量%まで、又は、約0.01重量%から約40重量%まで、又は、約0.1重量%から約30重量%まで、又は、約0.5重量%から約20重量%まで、又は、約1重量%から約10重量%までとすることができる。いくつかのフィラーが、米国特許第6,103,803号、及び、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati、Ohio、第5版、第17章、901頁〜948頁(2001))に開示されている(これらはともに参照により本明細書中に組み込まれる)。
必要な場合には、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は滑剤を含むことができる。一般に、滑剤は、とりわけ、溶融された配向フィルムのレオロジーを改変するために、及び/又は、成形品の表面仕上げを改善するために、及び/又は、フィラー若しくは顔料の分散を容易にするために使用することができる。当業者には公知である滑剤はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。好適な滑剤の限定されない例には、脂肪アルコール及びそのジカルボン酸エステル、短鎖アルコールの脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石けん、オリゴマー状脂肪酸エステル、長鎖アルコールの脂肪酸エステル、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、天然パラフィンワックス及び合成パラフィンワックス、フルオロポリマー、並びに、これらの組合せが含まれる。使用される場合、配向フィルムにおける滑剤の量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約5重量%まで、又は、約0.1重量%から約4重量%まで、又は、約0.1重量%から約3重量%までとすることができる。いくつかの好適な滑剤が、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati、Ohio、第5版、第5章、511頁〜552頁(2001))に開示されている(これらはともに参照により本明細書中に組み込まれる)。
必要な場合には、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は静電防止剤を含むことができる。一般に、静電防止剤は、静電荷の蓄積を防止するために、配向フィルムの電気伝導率を増大させることができる。当業者には公知である静電防止剤はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。好適な静電防止剤の限定されない例には、導電性フィラー(例えば、カーボンブラック、金属粒子及び他の導電性粒子)、脂肪酸エステル(例えば、グリセロールモノステアラート)、エトキシル化アルキルアミン、ジエタノールアミン系化合物、エトキシル化アルコール、アルキルスルホナート、アルキルホスファート、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン及びこれらの組合せが含まれる。使用される場合、配向フィルムにおける静電防止剤の量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約5重量%まで、又は、約0.01重量%から約3重量%まで、又は、約0.1重量%から約2重量%までとすることができる。いくつかの好適な静電防止剤が、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati、Ohio、第5版、第10章、627頁〜646頁(2001))に開示されている(これらはともに参照により本明細書中に組み込まれる)。
さらなる実施形態において、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は必要な場合には、配向フィルムの架橋密度を増大させるために使用することができる架橋剤を含む。当業者には公知である架橋剤はどれも、本明細書中に開示される配向フィルムに加えることができる。好適な架橋剤の限定されない例には、有機過酸化物(例えば、アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシカルボナート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシケタール及び環状ペルオキシド)及びシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、及び3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)が含まれる。使用される場合、配向フィルムにおける架橋剤の量は、配向フィルムの総重量の約0重量%超から約20重量%まで、又は、約0.1重量%から約15重量%まで、又は、約1重量%から約10重量%までとすることができる。いくつかの好適な架橋剤が、Zweifel Hansら、「Plastics Additives Handbook」(Hanser Gardner Publications、Cincinnati、Ohio、第5版、第14章、725頁〜812頁(2001))に開示されている(これらはともに参照により本明細書中に組み込まれる)。
特定の実施形態において、配向フィルムの1つ又はそれ以上の層は必要な場合には、ワックス、例えば、石油ろう、低分子量のポリエチレン若しくはポリプロピレン、合成ワックス、ポリオレフィンワックス、蜜ろう、植物ろう、ダイズワックス、ヤシろう、ロウソクろう、又は、25℃を超える融点を有するエチレン/α−オレフィンインターポリマーなどを含む。特定の実施形態において、ワックスは、約400g/モル〜約6,000g/モルの数平均分子量を有する低分子量のポリエチレン又はポリプロピレンである。ワックスは配向フィルムの総重量の約0重量%超から約50重量%までの範囲で存在させることができ、又は、約1重量%から約40重量%までの範囲で存在させることができる。
配向フィルム
エチレン/α−オレフィンインターポリマー又はポリマー組成物は、本明細書中に開示される配向フィルムを作製するために使用することができる。多数の層を、様々な性能属性を提供するために配向フィルムにおいて用いることができる。そのような層には、バリア層、タイ層及び構造層が含まれるが、これらに限定されない。様々な材料をこれらの層のために使用することができ、それらのいくつかが、同じフィルム構造において2つ以上の層として使用される。これらの材料のいくつかには、ホイル、ナイロン、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)コポリマー、ポリ(エチレンテレフタラート)(PET)、ポリビニリデンクロリド(PVDC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、配向ポリプロピレン(OPP)、エチレン/ビニルアセタート(EVA)コポリマー、エチレン/アクリル酸(EAA)コポリマー、エチレン/メタクリル酸(EMAA)コポリマー、ポリオレフィン(例えば、LLDPE、HDPE、LDPE)、ナイロン、グラフト接着性ポリマー(例えば、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレン)、スチレン−ブタジエンポリマー(例えば、Phillips Petroleumから入手可能なK樹脂など)及び紙が含まれる。
いくつかの実施形態において、配向フィルムは1つ又はそれ以上の層から構成される。いくつかの実施形態において、配向フィルムは、フィルムの2層、3層、4層、5層、6層、7層、8層、9層、10層、11層、12層、13層、14層、15層又はそれ以上の層を含む。他の実施形態において、配向フィルムは2層〜7層を含む。さらなる実施形態において、多層化された配向フィルムの全体的厚さが約0.5ミル〜約4ミルである。特定の実施形態において、多層化された配向フィルムの全体的厚さが、約0.1ミクロン〜150ミクロン、約1ミクロン〜約100ミクロン、約5ミクロン〜約80ミクロン、約8ミクロン〜約60ミクロン、又は、約20ミクロン〜約40ミクロンである。特定の実施形態において、配向フィルムが1つの層から構成される場合、厚さは約0.4ミル〜約4ミルであるか、又は、約0.8ミル〜約2.5ミルである。
いくつかの実施形態において、配向フィルムは、2つの外側層と、1つの内側層とを含む。他の実施形態において、内側層は、本明細書中に開示されるポリマー組成物を含む。特定の実施形態において、ポリマー組成物は、本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含む。他の実施形態において、ポリマー組成物は、本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーと、少なくとも1つの第2のポリマーとのブレンド配合物を含む。さらなる実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマー対第2のポリマーの比率は、約1:10〜約10:1、約1:8〜約8:1、約1:6〜約6:1、約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、又は、約1:3〜約3:1である。
いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、エチレンに由来する反復ユニット(例えば、線状低密度ポリエチレン)であるか、又は、エチレンに由来する反復ユニット(例えば、線状低密度ポリエチレン)を含む。他の実施形態において、第2のポリマーは、エチレン/α−オレフィンコポリマー、エチレン/ビニルアセタートコポリマー、エチレン/アルキルアクリラートコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、同様にまた、イオノマー(例えば、エチレン/アクリル酸の金属塩など)であるか、又は、エチレン/α−オレフィンコポリマー、エチレン/ビニルアセタートコポリマー、エチレン/アルキルアクリラートコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、同様にまた、イオノマー(例えば、エチレン/アクリル酸の金属塩など)を含む。
いくつかの実施形態において、内側層の厚さが、配向フィルムの全体的厚さの約1%〜約90%、約3%〜約80%、約5%〜約70%、約10%〜約60%、約15%〜約50%、又は、約20%〜約40%であり得る。他の実施形態において、内側層の厚さが、配向フィルムの全体的厚さの約10%〜約40%、約15%〜約35%、約20%〜約30%、又は、約22.5%〜約27.5%である。さらなる実施形態において、内側層の全体的厚さが、本明細書中に開示される配向フィルムの全体的厚さの約25%である。
いくつかの実施形態において、外側層のそれぞれの厚さが、配向フィルムの全体的厚さの約1%〜約90%、約3%〜約80%、約5%〜約70%、約10%〜約60%、約15%〜約50%、又は、約20%〜約40%である。他の実施形態において、外側層のそれぞれの厚さが、配向フィルムの全体的厚さの約10%〜約40%、約15%〜約35%、約20%〜約30%、又は、約22.5%〜約27.5%である。さらなる実施形態において、外側層のそれぞれの厚さが、本明細書中に開示される配向フィルムの全体的厚さの約25%である。
いくつかの実施形態において、タイ層が、2つの隣接する層の間における接着を促進させるために配向フィルムにおいて提供される。いくつかの実施形態において、タイ層が、内側層と、外側層との間に存在するか、又は、内側層及び外側層に隣接する。タイ層のための好適なポリマーのいくつかの限定されない例には、エチレン/ビニルアセタートコポリマー、エチレン/メチルアクリラートコポリマー、エチレン/ブチルアクリラートコポリマー、超低密度(very low density)ポリエチレン(VLDPE)、超低密度(ultralow density)ポリエチレン(ULDPE)、TAFMER(商標)樹脂、同様にまた、メタロセン触媒による低密度のエチレン/α−オレフィンコポリマーが含まれる。一般に、外側層における使用のために好適ないくつかの樹脂はタイ層樹脂として役立ち得る。いくつかの実施形態において、タイ層の厚さが、配向フィルムの全体的厚さの約1%〜約99%、約10%〜約90%、約20%〜約80%、約30%〜約70%、又は、約40%〜約60%である。他の実施形態において、タイ層の厚さが配向フィルムの全体的厚さの約45%〜約55%である。さらなる実施形態において、タイ層の全体的厚さが、本明細書中に開示される配向フィルムの全体的厚さの約50%である。
いくつかの実施形態において、シーラント層が配向フィルムにおいて提供される。シーラント層はポリオレフィンを含むことができ、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン/α−オレフィンコポリマー、エチレン/ビニルアセタートコポリマー、エチレン/アルキルアクリラートコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/アクリル酸の金属塩、又は、それらの組合せなどを含むことができる。特定の実施形態において、シーラント層の厚さが、配向フィルムの全体的厚さの約1%〜約90%、約3%〜約80%、約5%〜約70%、約10%〜約60%、約15%〜約50%、又は、約20%〜約40%である。他の実施形態において、シーラント層の厚さが、配向フィルムの全体的厚さの約10%〜約40%、約15%〜約35%、約20%〜約30%、又は、約22.5%〜約27.5%である。さらなる実施形態において、シーラント層の厚さが、本明細書中に開示される配向フィルムの全体的厚さの約25%である。
本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、配向フィルムにおけるどの層においても使用することができる。いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが配向フィルムの内側層において使用される。他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが配向フィルムの外側層の少なくとも1つにおいて使用される。
本明細書中に開示される配向フィルムはまた、従来の二次加工技術によって、例えば、単純バブル押出し(simple bubble extrusion)、二軸配向プロセス(例えば、テンターフレーム(tenter frame)プロセス又はダブルバブルプロセスなど)、単純キャスト(simple cast)/シート押出し、共押出し、積層化、インフレートフィルム押出しなどによって作製することができる。従来の単純バブル押出しプロセス(これはまた、熱間インフレートフィルムプロセスとして公知である)が、例えば、The Encyclopedia of Chemical Technology(Kirk-Othmer、第3版、John Wiley & Sons、New York、1981、第16巻、416頁〜417頁、及び、第18巻、191頁〜192頁)に記載される(それらの開示は参照により本明細書中に組み込まれる)。
インフレートフィルム押出しプロセス
一般に、押出しは、ポリマーが、ポリマーが融解され、圧縮され、最後には押出しダイに通される高温高圧の領域を通ってスクリューに沿って連続的に進められるプロセスである。押出し機は、単軸スクリュー押出し機、多軸スクリュー押出し機、ディスク押出し機又はラム押出し機が可能である。数タイプのスクリューを使用することができる。例えば、一条ねじスクリュー、二条ねじスクリュー、三条ねじスクリュー又は他の多条ねじスクリューを使用することができる。押出しダイは、フィルム押出しダイ、インフレートフィルム押出しダイ、シート押出しダイ、パイプ押出しダイ、チューブ押出しダイ又は異形押出しダイが可能である。インフレートフィルム押出しプロセスでは、単層フィルム又は配向フィルムのためのインフレートフィルム押出しダイを使用することができる。ポリマーの押出しが、C. Rauwendaal、「Polymer Extrusion」(Hanser Publishers、New York、NY (1986))、及び、M.J. Stevens、「Extruder Principals and Operation」(Ellsevier Applied Science Publishers、New York、NY (1985))に記載されている(これらはともにそれらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。
インフレートフィルム押出しプロセスでは、1つ又はそれ以上のポリマーが、最初に、回転するスクリューを含有する加熱されたバレルにホッパーを介して供給され、回転するスクリューによって前方に搬送され、スクリューの回転によって生じる摩擦及び熱の両方によって融解され得る。ポリマー溶融物は、バレルを通って、ホッパー側端部から、インフレートフィルム押出しダイとつながれるバレルの反対側端部にまで進むことができる。一般には、アダプターを、ポリマー溶融物がインフレートフィルム押出しダイのスリットを通って押出しされる前に、インフレートフィルム押出しダイと、バレルとの間における移行をもたらすためにバレルの端部に取り付けることができる。配向フィルムを製造するために、共通するインフレートフィルム押出しダイとにつながれる1つ又はそれ以上の押出し機を伴う設備を使用することができる。それぞれの押出し機が、1つの成分層を製造することを担い、それぞれの押出し機において、それぞれの層のポリマーをそれぞれのバレルにおいて融解し、インフレートフィルム押出しダイのスリットに通して押出しすることができる。インフレートフィルム押出しダイに通された後、押出し物は、バルーンチューブのように、インフレートフィルム押出しダイの中心からの空気によって膨らませることができる。押出しダイの頭部に載せられると、高速度のエアーリングは、空気を、高温のフィルムを冷却するために高温のフィルムに吹き付けることができる。冷却されたフィルムチューブはその後、ニップロールを通過することができ、ニップロールは、フィルムチューブを、平坦なフィルムを形成するために平たくすることができる。その後、平坦なフィルムはそのようなものとして保たれ得るか、或いは、レイフラットチューブ(lay-flat)の端が、2つの平坦なフィルムシートを製造するために切り取られ、さらなる使用のためにリールに巻き取られ得る。チューブの内側の空気の量、ニップロールの速度及び押出し機の押出し量が一般に、フィルムの厚さ及びサイズを決定することにおいて役割を果たす。
いくつかの実施形態において、バレルは直径が約1インチ〜約10インチであり、又は、直径が約2インチ〜約8インチであり、又は、直径が約3インチ〜約7インチであり、又は、直径が約4インチ〜約6インチであり、又は、直径が約5インチである。他の実施形態において、バレルは直径が約1インチ〜約4インチであり、又は、直径が約2インチ〜約3インチであり、又は、直径が約2.5インチである。特定の実施形態において、バレルは長さ対直径(L/D)比が約10:1〜約30:1であり、又は、長さ対直径(L/D)比が約15:1〜約25:1であり、又は、長さ対直径(L/D)比が約20:1〜約25:1である。さらなる実施形態において、L/D比が約22:1〜約26:1であり、又は、約24:1〜約25:1である。
バレルはいくつかの温度帯域に分けることができる。バレルのホッパー側端部に最も近い帯域が通常、帯域1として示される。帯域番号はバレルの反対側端部に向かって連続して増大する。いくつかの実施形態において、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個の温度帯域がバレルに存在する。他の実施形態において、10を超える温度帯域、15を超える温度帯域、20を超える温度帯域がバレルに存在する。バレルにおけるそれぞれの温度帯域の温度は、約50°Fから約1000°Fにまで、又は、約80°Fから約800°Fにまで、又は、約100°Fから約700°Fにまで、又は、約150°Fから約600°Fにまで、又は、約200°Fから約500°Fにまで、又は、約250°Fから約450°Fにまで及ぶことができる。いくつかの実施形態において、バレル温度は第1の帯域から最後の帯域まで連続して増大する。他の実施形態において、バレル温度はバレル全体を通して実質的に同じに保たれる。他の実施形態において、バレル温度は第1の帯域から最後の帯域まで低下する。さらなる実施形態において、バレル温度は帯域毎にランダムに変化する。
いくつかの実施形態において、押出しダイもまた、約250°Fから約700°Fにまで及ぶ特定の温度に、約300°Fから約600°Fにまで及ぶ特定の温度に、約350°Fから約550°Fにまで及ぶ特定の温度に、約400°Fから約500°Fにまで及ぶ特定の温度に加熱することができる。他の実施形態において、ダイの温度は約425°Fから約475°Fにまで及ぶか、又は、約430°Fから約450°Fにまで及ぶ。
アダプターの温度は、ダイの温度と、最後の帯域の温度との間であり得る。いくつかの実施形態において、アダプターの温度は、約200°F〜約650°F、約250°F〜約600°F、約300°F〜約550°F、約350°F〜約500°F、及び、約400°F〜約450°Fである。
キャストフィルムプロセス
キャストフィルムプロセスは、融解されたポリマーを、薄い溶融シート又は溶融フィルムを形成するためにスロットダイ又はフラットダイに通して押出しすることを伴う。このフィルムは、その後、エアーナイフ又は真空ボックスからの空気の突風によってチルロールの表面に「張りつける(pinned)」ことができる。チルロールは水冷及びクロムメッキされ得る。フィルムは一般に、チルロール上で直ちに急冷し、続いて、その端を巻取り前に切り取ることができる。
高速急冷能力のために、キャストフィルムは一般に、インフレートフィルムよりもガラス状であり、従って、インフレートフィルムよりも大きい光透過率を有する。さらに、キャストフィルムは一般に、インフレートフィルムよりも大きいライン速度で製造することができる。さらに、キャストフィルムプロセスでは、より著しいスクラップが端のトリミングのために生じる場合があり、また、横方向におけるフィルム配向をほとんど有しないフィルムがもたらされる場合がある。
インフレートフィルムの場合と同様に、共押出しを、本明細書中に開示される配向フィルムを提供するために使用することができる。いくつかの実施形態において、配向フィルムは、単層フィルムとは異なるさらなる機能的特性、保護特性及び装飾特性を有することができる。キャストフィルムは、ストレッチフィルム(stretch film)/食品包装用フィルム(cling film)、介護用フィルム、ベーカリーフィルム(bakery film)及び高透明度フィルムを含めて、様々な市場及び用途において使用することができる。
いくつかの実施形態において、キャストフィルムのラインは、押出しシステム、キャスター(casting machine)及び巻取り機を含むことができる。必要な場合には、キャストフィルムのラインはさらに、ゲージングシステム、表面処理システム及び/又は振動スタンドを含むことができる。キャストフィルムダイは一般に、主キャスチングロールの垂直方向上方に配置することができ、また、溶融物はエアーナイフ及び/又は真空ボックスの使用によりキャスチングロールに押しつけることができる。
キャスターは一般に、フィルムを冷却し、かつ、フィルム表面での所望される表面仕上げを提供するように設計される。いくつかの実施形態において、キャスターは2つのキャスチングロールを含む。主キャスチングロールが、最初の冷却及びフィルム表面での表面仕上げを提供するために使用される場合がある。二次キャスチングロールは、フィルムにおける均一性を提供するために、フィルムの反対側を冷却することができる。エンボス加工フィルムでの用途のために、キャスチングロールは彫刻パターンを有する場合があり、また、ゴムロールによりはさむことができる。必要な場合には、水浴及びスキージーロールを、ゴムロールの表面を冷却するために使用することができる。
キャスチングロールは、らせんバッフルを有する二重殻形式が可能であり、ウエブの幅全体にわたる優れた温度均一性を維持するための内部流れ設計を有する場合がある。必要な場合には、熱移動システムからの冷水を、ロールを冷却するために循環させることができる。
キャストされると、フィルムは必要な場合には、厚さを測定及び制御するためのゲージングシステムを通過することができる。必要な場合には、フィルムは、コロナ処理装置又は火炎処理装置のどちらかによって表面処理することができ、かつ、振動ステーションを通過させて、最終的な巻き取られた製造物における何らかのゲージバンド(gaude band)をランダム化することができる。キャストフィルムが巻取り機に入る前に、端がリサイクル又は廃棄のためにトリミングされ得る。いくつかの実施形態において、ロール及びシャフトの自動取り扱い設備が時には、サイクル時間が短い巻取り機のために提供される。
積層フィルムプロセス
配向フィルムを作製するための積層フィルムプロセスにおいて、層のそれぞれのためのポリマーは独立して、ポリマー溶融物に押出し機によって加工される。続いて、ポリマー溶融物はダイにおいて層状に一緒にされ、注型物にされ、固体状態に急冷される。この注型物は、約50℃〜約200℃に再加熱し、異なる速度で回転するロールの間において約3倍〜約10倍に伸ばすことによって縦方向において一軸延伸することができる。得られた一軸配向フィルムは、その後、空気加熱オーブンにおいて約75℃〜約175℃に加熱し、幅出し機(tenter frame)における末広クリップ(diverging clip)の間において約3倍〜約10倍に伸ばすことによって横方向において配向させることができる。
代替では、二方向の伸張を同時に行うことができ、そのような場合、伸張がそれぞれの方向において約3倍〜約10倍であり得る。配向フィルムは周囲温度近くに冷却することができる。その後、それに続くフィルム操作(例えば、コロナ処理及び金属化など)を適用することができる。代替では、配向フィルムの層は、同じダイに通してではなく、むしろ、複数の段階で1つにすることができる。いくつかの実施形態において、内側層が最初に注型され、その後、外側層を内側層注型物に押出し被覆することができる。他の実施形態において、外側層が最初に注型され、その後、内側層を外側層注型物に押出し被覆することができる。さらなる実施形態において、外側層が最初に注型され、その後、タイ層及び内側層を連続的又は同時に外側層注型物に押出し被覆することができる。さらなる実施形態において、内側層が最初に注型され、その後、タイ層及び外側層を連続的又は同時に内側層注型物に押出し被覆することができる。この押出し被覆工程はMD配向前又はMD配向後において行うことができる。
本明細書中に開示される配向フィルムは包装用構造物にすることができ、例えば、フォーム・フィル・シール(form-fill-seal)又はバッグ・イン・ボックス(bag-in-box)の構造物などにすることができる。例えば、1つのそのようなフォーム・フィル・シール操作が、Packaging Foods With Plastics(同上、pp. 78-83)に記載される。パッケージはまた、「Packaging Machinery Operations: No. 8, Form-Fill-Sealing, A Self-Instructional Course」(C.G. Davis、Packaging Machinery Manufacturers Institute(1982年4月));The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology(M. Bakker(編者)、John Wiley & Sons (1986)、pp. 334, 364-369);及び、Packaging: An Introduction(S. Sacharow及びA.L. Brody、Harcourt Brace Javanovich Publications, Inc. (1987)、pp. 322-326)に記載されるように、垂直又は水平のフォーム・フィル・シール包装及びサーモフォーム・フィル・シール(thermoform-fill-seal)包装によって多層包装ロールストックから形成することができる。前記刊行物のすべての開示が参照により本明細書中に組み込まれる。フォーム・フィル・シール操作のための特に有用なデバイスが、Hayssen Ultima Super CMB Vertical Form−Fill−Seal Machineである。パウチ熱形成・排出設備の他の製造者には、Cryovac及びKochが含まれる。パウチを、垂直フォーム・フィル・シール装置を用いて作製するためのプロセスが、米国特許第4,503,102号及び同第4,521,437号において一般的に記載される(これらはともに参照により本明細書中に組み込まれる)。本明細書中に開示される、1層又はそれ以上の層を含有する配向フィルムは、熱の影響を受けやすい製造物(例えば、チョコレート、キャンディー、チーズ及び類似する食品製造物など)をそのようなフォーム・フィル・シール構造物で包装するために十分に適する。
本明細書中に開示される配向フィルムは二軸配向フィルムが可能である。二軸配向フィルム製造プロセス(例えば、米国特許第3,456,044号(Pahlke)の「ダブルバブル」プロセスにおいて記載される二軸配向フィルム製造プロセスなど)、また、米国特許第4,352,849号(Mueller)、米国特許第4,820,557号及び同第4,837,084号(ともに、Warren)、米国特許第4,865,902号(Golikeら)、米国特許第4,927,708号(Herranら)、米国特許第4,952,451号(Mueller)、並びに、米国特許第4,963,419号及び同第5,059,481号(ともに、Lustigら)に記載されるプロセス(これらの開示は参照により本明細書中に組み込まれる)もまた、本明細書中に開示される新規な配向フィルムを作製するために使用することができる。二軸配向フィルムの構造物はまた、幅出し技術によって、例えば、配向ポリプロピレンのために使用される技術などによって作製することができる。
Pahlkeによって米国特許第3,456,044号に開示されるように、また、単純バブル法との比較において、「ダブルバブル」フィルム加工又は「トラップドバブル(trapped bubble)」フィルム加工は縦方向及び横方向の両方におけるフィルムの配向を著しく増大させることができる。増大した配向は、フィルムが続いて加熱されるとき、より大きい自由収縮(free shrink)値をもたらす。同様にまた、Pahlkeは米国特許第3,456,044号において、また、Lustigらは米国特許第5,059,481号において(これらは参照により本明細書中に組み込まれる)、低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレンの材料はそれぞれ、単純バブル法によって二次加工されるとき、縦方向及び横方向の不良な収縮特性(例えば、両方の方向における約3%の自由収縮)を示すことを開示する。しかしながら、公知のフィルム材料とは対照的に、具体的には、Lustigらによって、米国特許第5,059,481号、同第4,976,898号及び同第4,863,769号に開示されるフィルム材料とは対照的に、同様にまた、Smithによって米国特許第5,032,463号に開示されるフィルム材料とは対照的に(それらの開示は参照により本明細書中に組み込まれる)、本発明のたぐいまれなインターポリマー組成物は、著しく改善された単純バブル収縮特性を縦方向及び横方向の両方において示すことができる。加えて、本発明のたぐいまれなインターポリマーが、例えば、2.5:1又はそれ以上での大きいブローアップ(blow-up)比で、単純バブル法によって二次加工され得るとき、或いは、より好ましくは、Pahlkeによって米国特許第3,456,044号において、また、Lustigらによって米国特許第4,976,898号において開示される「ダブルバブル」法によって二次加工され得るとき、得られるフィルムを収縮包装による包装目的のために好適にする縦方向及び横方向の良好な収縮特性を達成することが可能である。ブローアップ比は、本明細書中では「BUR」と略記され、下記の式によって計算される:
BUR=バブル直径 対 ダイ直径
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される配向フィルムは包装用フィルム又はラップ用フィルムであり得る。包装用フィルム及びラップ用フィルムは単層フィルム又は多層フィルムであり得る。ポリマー組成物から作製されるフィルムはまた、他の層(1つ又はそれ以上)とともに共押出しすることができ、又は、フィルムは二次操作において、例えば、Packaging Foods With Plastics(Wilmer A. Jenkins及びJames P. Harrington (1991))に記載される操作、或いは、「Coextrusion For Barrier Packaging」(W.J. Schrenk及びC.R. Finch、Society of Plastics Engineers RETEC Procedings、Jun. 15-17 (1981)、pp. 211-229)に記載される操作、又は、「Coextrusion Basics」(Thomas I. Butler、Film Extrusion Manual: Process, Materials, Properties、pp. 31-80)(これはTAPPI Pressによって発行される(1992))に記載される操作において別の層(1つ又はそれ以上)に積層化することができる(それらの開示は参照により本明細書中に組み込まれる)。単層フィルムが、K.R. Osborn及びW.A. Jenkinsによって「Plastic Films, Technology and Packaging Applications」(Technomics Publishing Co., Inc. (1992))(その開示は参照により本明細書中に組み込まれる)において記載されるように、チューブ状フィルム(すなわち、インフレートフィルム技術)又はフラットダイ(すなわち、キャストフィルム)を介して製造されるならば、フィルムは、多層構造物を形成するために、他の包装材料層への接着又は押出し積層化のさらなる押出し後の工程を経なければならない。フィルムが(同様にまた、K.R. Osborn及びW.A. Jenkinsによって記載されるように)2つ以上の層の共押出し物であるならば、フィルムはそれでもなお、最終的フィルムの他の物理的要求に依存して、包装材料のさらなる層に積層化することができる。D. Dumbletonによる「積層化対共押出し」(Converting Magazine(1992年9月)、その開示は参照により本明細書中に組み込まれる)もまた、積層化対共押出しを議論する。単層フィルム及び共押出しフィルムはまた、他の押出し後の技術(例えば、二軸配向プロセスなど)を受けることができる。
押出し被覆は、包装用フィルムを製造するためのさらに別の技術である。キャストフィルムと同様に、押出し被覆はフラットダイ技術である。本明細書中に開示される組成物から構成される配向フィルムは、単層物の形態、又は、例えば、米国特許第4,339,507号(これは参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されるプロセスに従う共押出しされた押出し物の形態のどちらかで基体に押出し被覆することができる。多数の押出し機を利用することにより、又は、様々な基体を押出し被覆システムに数回通すことにより、多数のポリマー層を生じさせることができる。そのような多層/多基体システムのための好適な用途のいくつかの限定されない例が、チーズ、湿り気のあるペット食品、スナック食品、チップス、冷凍食品、肉及びホットドッグなどを包装するためのものである。
所望されるならば、配向フィルムには、従来の金属化技術を使用して、金属(例えば、アルミニウム、銅、銀又は金など)を被覆することができる。金属被覆を、内側層又は外側層の表面を最初にコロナ処理し、その後、金属被覆を、いずれかの公知な方法によって、例えば、スパッターリング、真空蒸着又は電解メッキなどによって適用することによって内側層又は外側層に適用することができる。
所望されるならば、他の層を配向フィルムの上に加えることができ、又は押出しすることができ、但し、そのような接着剤又は何らかの他の材料は具体的な最終使用に依存する。例えば、配向フィルムの外側表面、例えば、シーラント層などをセルロース系紙の層に積層化することができる。
両方の本明細書中に記載されるインターポリマーを用いて作製される配向フィルムはまた、包装されるべき製造物の形状及び外形に関して、いずれかの公知な方法によって、例えば、押出し熱成形などによって予備成形することができる。予備成形された配向フィルムを用いることの利点は、包装操作の特定の事項(例えば、増大した引抜き性、特定の延伸要件のための低下したフィルム厚さ、低下した昇温及びサイクル時間など)を補足又は回避することである。
本明細書中に開示される配向フィルムは、比較可能な従来のチーグラー重合された線状エチレン/α−オレフィンポリマーと比較して、驚くほどより効率的な放射線架橋を示すことができる。本発明の1つの態様として、これらのたぐいまれなポリマーへの効率的な放射線照射を利用することによって、示差的又は選択的に架橋されたフィルム層を有する配向フィルムを調製することが可能である。この発見をさらに利用するために、本発明のエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーを含む特定のフィルム層材料を、プロラド(pro-rad)剤、例えば、Warrenによって米国特許第4,957,790号に記載されるようなトリアリルシアヌラートなどとともに、及び/又は、酸化防止性の架橋阻害剤、例えば、Evertらによって米国特許第5,055,328号に記載されるようなブチル化ヒドロキシトルエンなどとともに配合することができる。
放射線架橋はまた、配向フィルムの収縮温度範囲を増大させるために有用である。例えば、米国特許第5,089,321号(これは参照により本明細書中に組み込まれる)は、良好な放射線架橋性能をを有する、少なくとも1つの外側層及び少なくとも1つの内側層を含む多層フィルム構造物を開示する。放射線架橋技術の中で、電子ビーム源によるベータ線照射、及び、放射性元素(例えば、コバルト60など)によるガンマ線照射が、フィルム材料を架橋する最も一般的な方法である。
放射線架橋プロセスにおいて、熱可塑性フィルムがインフレートフィルムプロセスによって二次加工され、その後、ポリマーフィルムを架橋するために20Mradに至るまでの照射線線量で放射線源(ベータ線又はガンマ線)にさらされる。放射線架橋を、配向フィルムが、例えば、収縮包装及びスキン包装などのために所望されるときには常に、最終的なフィルム配向の前又は後で誘導することができ、しかしながら、好ましくは、放射線架橋は最終的な配向の前に誘導される。熱収縮性フィルム及びスキン包装フィルムが、ペレット又はフィルムへの放射線照射が最終的なフィルム配向の前であるプロセスによって調製されるとき、フィルムは、より大きい収縮張力をいつも示し、また、より大きいパッケージ反り及び広範囲のカールを生じさせる傾向がある;逆に、配向が放射線照射の前であるときには、得られたフィルムは、より低い収縮張力を示す。収縮張力とは異なり、本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーの自由収縮特性は、放射線照射が最終的なフィルム配向の前又は後のどちらかであるかによって本質的には影響されないと考えられる。
本明細書中に記載される配向フィルムを処理するために有用な放射線照射技術には、当業者には公知である技術が含まれる。好ましくは、放射線照射が、電子ビーム(ベータ線)照射デバイスを約0.5メガラッド(Mrad)〜約20Mradの線量レベルで使用することによって達成される。本明細書中に記載されるようなエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーから二次加工される配向フィルムはまた、放射線照射処理の結果として生じる鎖切断の程度がより低いために、改善された物理的特性を示すことが予想される。
本明細書中に開示されるエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマー、ポリマー組成物及び配向フィルム、並びに、それらを作製するための方法が下記の実施例においてより詳しく記載される。
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される配向フィルムは、下記の工程を含むプロセスによって作製することができる:
(a)少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含むポリマー組成物を提供する工程、
(b)ポリマー組成物を、第1のフィルム形成工程を使用して一次テープに変換する工程、
(c)一次テープを約15℃〜約25℃の温度で急冷する工程、
(d)一次テープを再加熱する工程、及び
(e)一次テープを、第2のフィルム形成工程を使用して配向フィルムに変換する工程。
いくつかの実施形態において、第1のフィルム形成工程及び第2のフィルム形成工程のそれぞれが独立して、ダブルバブルプロセス又はフラットテンター延伸プロセスである。
特定の実施形態において、急冷する工程が、約15℃〜約25℃、又は、約20℃〜約30℃、又は、約10℃〜約30℃の温度での水浴により行われる。
いくつかの実施形態において、一次テープが再加熱工程においてその軟化温度よりも高い温度に加熱される。さらなる実施形態において、一次テープが再加熱工程においてそのガラス転移温度よりも高い温度に加熱される。
特定の実施形態において、配向フィルムの表面の少なくとも1つが、コロナ、大気圧(空気)プラズマ、火炎プラズマ、化学的プラズマ、又は、それらの組合せによって表面処理される。コロナ放電設備は、高周波電力発生器、高電圧変圧器、定置電極、及び、処理装置に接地されているロールからなる。標準的なユーティリティー電力がより大きい高周波電力に変換され、その後、その高周波電力が処理装置ステーションに供給される。処理装置ステーションは、この電力を、空気ギャップを覆うセラミック電極又は金属電極を介して材料の表面に加える。
いくつかの実施形態において、第1のフィルム形成工程が約100℃〜約117℃の温度で行われ、又は、約100〜約115℃の温度で行われる。他の実施形態において、第1のフィルム形成工程が約105℃〜約115℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、第2のフィルム形成工程が約100℃〜約117℃の温度で行われ、又は、約100〜約115℃の温度で行われる。他の実施形態において、第2のフィルム形成工程が約105℃〜約115℃の温度で行われる。
比較用実施例L及び実施例20〜実施例22
比較用実施例LはDOWLEX(商標)2045Gであり、これは、Dow Chemical Co.(Midland、MI)から得ることができるオクテンコポリマー線状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。実施例20〜実施例22は、上記で記載される実施例19A〜実施例19Iのエチレン/α−オレフィンインターポリマーと実質的に類似する様式で作製されたエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。比較用実施例L及び実施例20〜実施例22の特性が下記の表10に示される。
Figure 0005330414
本明細書中に開示されるポリマー組成物を用いて作製される配向フィルム
本明細書中に開示されるポリマー組成物から調製される配向フィルムは好都合なことには、様々な望ましい特性(例えば、良好な配向挙動、低い収縮張力、良好な引張り特性及び大きいヒートシール強度など)を有する。
比較用実施例M、実施例23〜実施例28
比較用実施例M及び実施例23〜実施例28のそれぞれが、3層フィルム構造、すなわち、第1の外側層、コア層及び第2の外側層を有する対称的フィルムである。これらのフィルムは、Killion Extruders,Inc.(Clear Grove、NJ)から得ることができるKillion Cast Film Lineを使用する従来のキャストフィルムプロセスによって製造された。この設備は3基の押出し機(すなわち、押出し機A、押出し機B及び押出し機C)を含有した。押出し機Aが、コア層を作製するために使用され、押出し機Aは、Maddox混合区画及び7つの温度帯域(すなわち、帯域1、帯域2、帯域3、クランプリング帯域、アダプター1帯域、アダプター2帯域及びダイ温度帯域)を伴う1.5インチ×36インチのスクリューを有した。押出し機Bが、外側層を作製するために使用され、押出し機Bは1インチ×20インチのスクリューを有した。押出し機Cが、第2の外側層を作製するために使用され、押出し機Cは1インチ×20インチのスクリューを有した。押出し機B及び押出し機Cのそれぞれが6つの温度帯域(すなわち、帯域1、帯域2、帯域3、クランプリング帯域、アダプター帯域及びダイ温度帯域)を有した。押出し機Aは、比較用実施例L、及び/又は、実施例20〜実施例22の1つのブレンド配合された材料を含有し、一方、押出し機B及び押出し機Cは比較用実施例Lを含有した。ヒーターがキャストロール(cast roll)のために使用され、100°Fで設定され、一方、ロールの実際の温度は110°Fで設定された。キャストロール及びニップロールは6ft/分で設定された。
比較用実施例M及び実施例23〜実施例28の全体的厚さが約30μmあった。第1の外側層と、コア層と、第2の外側層との間における厚さの比率が約15:70:15であった。比較用実施例M及び実施例23〜実施例28の各層の組成が下記の表11に示される。
Figure 0005330414
配向挙動
比較用実施例M及び実施例23〜実施例28の配向挙動を調べるために、フィルムを、Bruckner Laboratory Film Stretcher Type KARO IV(Bruckner AG(ドイツ)から得ることができるパンタグラフ型の回分式二軸伸張装置)によって同時二軸配向で伸張した。比較用実施例M及び実施例23〜実施例28を85mm×85mmのサンプルに打ち抜いた。正方形サンプルのそれぞれを、それぞれの端が5つのクリップによってはさまれたBruckner Laboratory Film Stretcherに装着した。フィルムを、下記の配向条件を用いて、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃及び120℃での予熱されたオーブンにおいてそれぞれ1分間コンデショニングした:
伸張速度:400%s−1
延伸比(MD及びTD):4.5×4.5。
試験期間中に、比較用実施例Mは90℃〜105℃の間の配向温度において配向装置の掴み具から滑って外れた。比較用実施例Mは良好な配向成績を110℃及び115℃において明らかにし、しかし、120℃の温度では一様でない伸張を示し、125℃において破れた。実施例23〜実施例28は、105℃、110℃及び115℃の温度における良好な配向挙動を示した。異なる温度における比較用実施例M及び実施例23〜実施例28の配向挙動が下記の表12に示される。
Figure 0005330414
収縮張力
比較用実施例L及び実施例23〜実施例28を下記に記載される工程に従ってそれらの収縮張力について試験した。Texas Instruments Inc.(Dallas、TX)から得られるRheometrics Solids Analyzer IIIを使用した。12.7mm×63.5mmの小片を比較用実施例L及び実施例23〜実施例28のそれぞれから採取し、厚さをマイクロメーターによって測定した。それぞれの小片を、Rheometrics Solids Analyzer IIIのオーブンにおいて、上部掴み具と、下部掴み具との間に垂直に置いた。固定具のすき間が20mmであった。温度を20℃/分の上昇速度により25℃から160℃に上げ、その間、収縮力をRheometrics Solids Analyzer IIIによって測定した。110℃及び115℃でそれぞれ配向させられたフィルムを収縮張力について測定した。収縮張力の結果が図8に示される。
本明細書中に開示されるポリマーを用いて作製される配向フィルムは、配向フィルムが約80℃〜約140℃の温度で、又は、約85℃〜約135℃の温度で、又は、約90℃〜約130℃の温度で、又は、約95℃〜約125℃の温度で、又は、約100℃〜約120℃の温度で、又は、約105℃〜約115℃の温度で、又は、約110℃〜約113の温度で伸ばされるとき、低い収縮張力を明らかにする。いくつかの実施形態において、約110℃で伸ばされるときの配向フィルムの収縮張力は、約2.8MPa未満、約2.2MPa未満、約2.0MPa未満、約1.8MPa未満、又は、約1.5MPa未満である。いくつかの実施形態において、約115℃で伸ばされるときの配向フィルムの収縮張力は、約1.2MPa未満、約1.1MPa未満、約1.0MPa未満、約0.9MPa未満、約0.8MPa未満、約0.7MPa未満、又は、約0.6MPa未満である。
代替において、収縮張力は、ASTM D−2838に記載される工程に従って測定することができる(これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。この手順は下記のように行うことができる:2.8インチ×1インチの試験細片(2.8インチがひずみゲージのあご部の間の距離である)が、100°Fに予熱されている油浴(Dow Corning200シリコーン油、20センチストークス)に沈めら、その後、沈められた試験細片をひずみゲージのあご部に固定しながら、およそ300°Fに約10°F/分の速度で加熱される。収縮張力が連続して測定され、10°の刻みで報告され、1インチの試験細片の最初の厚さの使用によってpsiに変換される。
自由収縮
自由収縮は本明細書中では、収縮を阻害するためのゼロ又は無視できる拘束が存在する条件のもとで高い温度に供されるフィルムにおいて生じる指定方向での線寸法における不可逆的かつ迅速な低下を示す。自由収縮は通常、フィルムの最初の大きさの百分率として表される。試験を、ASTM D−2732に記載される工程に従って行うことができる(これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。
本明細書中に開示されるポリマーを用いて作製される配向フィルムは多くの場合、配向フィルムが約80℃〜約140℃の温度で、又は、約85℃〜約135℃の温度で、又は、約90℃〜約130℃の温度で、又は、約95℃〜約125℃の温度で、又は、約100℃〜約120℃の温度で、又は、約105℃〜約115℃の温度で、又は、約110℃〜約113℃の温度で伸ばされるとき、大きい収縮百分率を明らかにする。いくつかの実施形態において、どの方向でも約95℃で伸ばされるときの配向フィルムの収縮%が、配向フィルムの全体的寸法の少なくとも約7.5%、少なくとも約8%、少なくとも約8.5%、少なくとも約9%、少なくとも約9.5%、少なくとも約10%、少なくとも約10.5%、少なくとも約11%、少なくとも約11.5%、又は、少なくとも約12%である。いくつかの実施形態において、縦方向(MD)又は横方向(TD)のどちらかで約95℃で伸ばされるときの配向フィルムの収縮%が、配向フィルムの全体的寸法の少なくとも約7.5%、少なくとも約8%、少なくとも約8.5%、少なくとも約9%、少なくとも約9.5%、少なくとも約10%、少なくとも約10.5%、少なくとも約11%、少なくとも約11.5%、又は、少なくとも約12%である。
比較用実施例M及び実施例23〜実施例28を、(1)サンプルサイズが100mm×100mmの代わりに10.16cm×10.16cmであったこと、(2)サンプルが、10秒間の代わりに25秒間、油に沈められたことを除いて、ASTM D−2732に記載される工程に従って自由収縮について分析した(これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。自由収縮についての試験を、95℃、105℃及び115℃で行い、収縮の値を縦方向(MD)及び横方向(TD)の両方で測定した。試験において、実施例23〜実施例28は、比較用実施例Mと比較して、改善された低温収縮を明らかにした。低温における実施例23〜実施例28の収縮率は、高温における収縮率よりも大きい。結果が図9に示される。
エルメンドルフ引裂き強度
エルメンドルフ引裂き強度は、フィルムに切られる裂け目を広げるために要求される力の尺度である。フィルムにおける舌型の裂け目を続けるために要求される平均力が、一定の距離を経てフィルムを引裂くことにおいてなされる仕事を測定することによって求められる。試験器は、振り子がその持ち上げられた開始位置にあるとき(このとき、最大の位置エネルギーを有する)、固定されているクランプと一直線上にある、クランプを保持する扇形状の振り子からなる。試験細片がクランプで固定され、引裂きが、クランプ間の試験細片に切られた切れ目によって開始される。振り子が放され、試験細片が、動くクランプが固定クランプから離れて行くにつれて引裂かれる。エルメンドルフ引裂き強度を下記の標準的方法に従ってニュートン(N)単位で測定することができる:ASTM D−1922、ASTM D1424及びTAPPI−T−414om−88(これらはそれらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。
本明細書中に開示されるポリマーを用いて作製される配向フィルムは多くの場合、大きいエルメンドルフ引裂き抵抗を明らかにする。いくつかの実施形態において、配向フィルムの横方向(TD)のエルメンドルフ引裂き抵抗は、延伸比が4.5×4.5であり、かつ、100℃で伸張されるとき、約0.34Nよりも大きく、又は、約0.45Nよりも大きく、又は、約0.5Nよりも大きく、又は、約0.55Nよりも大きく、又は、約0.6Nよりも大きい。
比較用実施例M及び実施例23〜実施例28はまた、ASTM D−1922(これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)に記載される工程に従って縦方向(MD)及び横方向(TD)の両方で測定されるそれらのエルメンドルフ引裂き抵抗について分析された。結果が図10に示される。実施例23〜実施例28は、増大した引裂き強度を横方向(TD)において有することを認めることができ、このことは、包装プロセスの期間中において、並びに、その後の取り扱い及び輸送においてフィルムの破損を低下させることに役立つ。
極限引張り強さ及び極限伸び
極限引張り強さは本明細書中では、フィルムを破るために要求される単位面積あたりの力(MPa又はpsi)を示す。試験細片が試験において引き離される速度は、0.2インチ/分から20インチ/分にまで及ぶことが可能であり、結果に影響を及ぼす。極限引張り強さは、ASTM D−882又はISO527に記載される工程に従って測定することができる(これらはともにそれらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。
いくつかの実施形態において、縦方向(MD)における本明細書中に開示される配向フィルムの極限引張り強さは、少なくとも約20MPa、少なくとも約30MPa、少なくとも約35MPa、少なくとも約40MPa、少なくとも約45MPa、少なくとも約50MPa、少なくとも約55MPa、少なくとも約60MPa、又は、少なくとも約65MPaである。いくつかの実施形態において、横方向(TD)における本明細書中に開示される配向フィルムの極限引張り強さは、少なくとも約20MPa、少なくとも約30MPa、少なくとも約35MPa、少なくとも約40MPa、少なくとも約45MPa、少なくとも約50MPa、少なくとも約55MPa、少なくとも約60MPa、少なくとも約65MPa、少なくとも約70MPa、又は、少なくとも約75MPaである。
極限伸びは本明細書中では、フィルムが張力下で破れる前に生じる長さにおける増大百分率を示し、多くの場合、フィルムの最初の大きさの百分率として表される。いくつかの実施形態において、極限伸びは、ASTM D−882に記載される工程に従って測定される(これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。
いくつかの実施形態において、縦方向(MD)における本明細書中に開示される配向フィルムの極限伸びは、配向フィルムの最初の大きさの少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約120%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、少なくとも約170%、少なくとも約180%、又は、少なくとも約190%である。いくつかの実施形態において、横方向(TD)における本明細書中に開示される配向フィルムの極限伸びは、フィルムの最初の大きさの少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約120%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約190%、又は、少なくとも約200%である。
比較用実施例M及び実施例23〜実施例28はまた、ASTM D−882(これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)に記載される工程に従ってそれらの引張り特性について分析された。極限引張り強さ及び極限伸びの結果が図11及び図12にそれぞれ示される。
ヒートシール強度
ヒートシール強度は本明細書中では、ヒートシール物を引き離すために要求される力を示し、通常、指定されたシール温度におけるピーク負荷(N)として表される。ヒートシール強度は、本明細書中に開示される配向フィルムの1つ又はそれ以上の層の組成物によって制御することができる。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される配向フィルムのヒートシール強度は、ASTM F−88に記載される工程に従って測定される(これはその全体において参照により本明細書中に組み込まれる)。いくつかの実施形態において、ヒートシール強度が下記の手順によって測定される:本明細書中に開示される配向フィルムが、180℃の温度及び80psiの圧力で1秒間、Microseal PA201(Packaging Automation Ltd、英国)トレーシーラーを使用して、標準的なAPET/CPETトレーに対して被覆層によってシールされる。シールされたフィルム及びトレーの細片がシールに対して90°で切断され、シールを引き離すために要求される負荷が、0.2m min−1のクロスヘッド速度で操作されるInstron Model4301を使用して測定された。手順が繰り返され、5回の結果の平均値が計算された。
本明細書中に開示されるポリマーを用いて作製される配向フィルムは、より大きいヒートシール強度を明らかにする傾向がある。いくつかの実施形態において、120℃で測定される配向フィルムのヒートシール強度は約4Nよりも大きく、約5Nよりも大きく、約6Nよりも大きく、約7Nよりも大きく、約8Nよりも大きく、約9Nよりも大きく、約12Nよりも大きい。
比較用実施例M及び実施例23〜実施例28はまた、Dow標準試験法に従ってそれらのヒートシール強度について分析された。フィルムサンプルが圧縮空気カッターによって所定のサイズにされ、ダインペンにより処理される。サンプルは一方の端部において上部クランプに取り付けられ、反対側の端部において下部クランプに取り付けられ、サンプルの処理面が操作者に向く。サンプルは、シールを所定のヒートシール温度においてもたらすために、スライダーによって上部シールバー及び下部シールバーの中に押し込まれる。サンプルがシールされた後、サンプルは、ラベルが付けられ、プラスチックバッグに入れられ、シール強度試験を開始する前の24時間、状態調節される。
Zwick引張り試験機が下記の条件によるシール強度試験のために使用される。
サンプル幅:25mm
負荷セルにおける力:0.2kN
滞留時間:0.5秒
シール圧力:0.275MPa
シールのための状態調節時間:>24時間
開始前に、試験機の上部掴み具及び下部掴み具が設定位置にされる。サンプルは一方の端部で上部掴み具に取り付けられ、反対側の端部で下部掴み具に取り付けられる。力が、試験機が始動する前にゼロにされる。試験プロセスが完了すると、ヒートシール強度の結果を含有する報告がプリントアウトされる。ヒートシール強度の結果が図13に示される。
本発明が、限られた数の実施形態を参照して記載されているが、1つの実施形態の具体的な特徴が、本明細書中に開示される他の実施形態の属性であると考えてはならない。ただ1つの実施形態により、本発明のすべての態様が表されない。いくつかの実施形態において、組成物又は方法は、本明細書中に述べられていない数多くの化合物又は工程を含むことができる。他の実施形態において、組成物又は方法は、本明細書中に列挙されていない化合物又は工程を何ら含まないか、或いは、本明細書中に列挙されていない化合物又は工程を何ら実質的に含まない。記載されている実施形態からの様々な変化及び改変が存在する。最後に、本明細書中に開示される数字はどれも、「約」又は「およそ」の語句が、その数字を記載する際に使用されるかどうかに関わらず、近似であることを意味するように解釈しなければならない。添付されている請求項は、本発明の範囲に含まれるようなすべてのそのような改変及び変化を包含することを意図する。

Claims (5)

  1. 内側層と2つの外側層とを含む配向フィルムであって、該内側層が少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含むポリマー組成物を含み、該エチレン/α−オレフィンインターポリマーがマルチブロックインターポリマーであって
    (a)約1.7〜約3.5のM/M、少なくとも1つの融点(T、摂氏度)、及び、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、Tm及びdの数値は下記の関係に対応する:
    >−6553.3+13735(d)−7051.7(d);又は
    (b)約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、かつ、所定の融解熱(ΔH、J/g)、及び、最も高いDSCピークと、最も高いCRYSTAFピークとの間における温度差として定義されるデルタ量(ΔT、摂氏度)によって特徴づけられ、但し、ΔT及びΔHの数値は下記の関係を有する:
    ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81(ΔHが0よりも大きく、130J/gに至るまでである場合)、
    ΔT≧48℃(ΔHが130J/gを超える場合)、
    この場合、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して求められ、また、ポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピークを有するならば、CRYSTAF温度は30℃である;又は
    (c)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムを用いて測定される所定の弾性回復率(Re、300パーセントのひずみ及び1サイクルでのパーセント)を有し、かつ、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に含まないとき、Re及びdの数値は下記の関係を満たす:
    Re>1481−1629(d);又は
    (d)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、同じ温度の間で溶出する比較可能なランダムエチレンインターポリマー分画物のモルコモノマー含有量よりも少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量を有することを特徴とする分子分画物を有し、但し、前記比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを有し、かつ、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)の10パーセント以内であるメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)を有する;又は
    (e)25℃での貯蔵弾性率(G’(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G’(100℃))を有し、但し、G’(25℃)対G’(100℃)の比率が約1:1〜約10:1である;又は
    (f)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する少なくとも1つの分子分画物であって、少なくとも0.5であり、かつ、約1に至るまでのブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有することを特徴とする分子分画物を有する;又は
    (g)ゼロよりも大きく、かつ、約1.0に至るまでの平均ブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有し、
    110℃で延伸される配向フィルムの収縮張力(shrink tension)が3MPa未満である、配向フィルム。
  2. 前記外側層が線状低密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載の配向フィルム。
  3. 前記ポリマー組成物がさらに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ(エチレン−co−ビニルアセタート)、ポリビニルクロリド、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン及びビニルアセタートの混合ポリマー、スチレン−ブタジエン混合ポリマー、並びに、それらの組合せからなる群より選択される第2のポリマーを含む、請求項1に記載の配向フィルム。
  4. 配向フィルムの収縮%が、ASTM D−2732に従って95℃の収縮温度において少なくとも約7.5%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の配向フィルム。
  5. 横方向における配向フィルムのエルメンドルフ引裂抵抗が、延伸比が4.5×4.5であり、かつ、100℃で延伸されるとき、ASTM D−1922に従って少なくとも0.05Nである、請求項1から4のいずれか一項に記載の配向フィルム。
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