JP5330187B2 - 起立援助椅子 - Google Patents

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この発明は、起立援助椅子に関し、特に、椅子の座部に着座する座り姿勢の要介護者を立ち姿勢に移行させるのに向く起立援助椅子の改良に関する。
椅子の座部に着座する座り姿勢の要介護者を立ち姿勢に移行させるのに向く起立援助椅子としては、これまでに種々の提案があるが、その中で、たとえば、特許文献1には、要介護者が着座する椅子における座部の上昇に追随して椅子における背凭れが前進する提案が開示されている。
そして、この特許文献1に開示の提案にあっては、背凭れが座部の上昇に追随して前進するとき、座部の前後方向の幅を小さくし、それゆえ、座部に着座する座り姿勢の要介護者を立ち姿勢に移行させるとき、要介護者の腰が背凭れで前方に押し出されて要介護者においていわゆる脚が地に着く状況が現出され、要介護者が言わば無理なく座り姿勢から立ち姿勢に移れる。
特開2005‐319248公報(要約,図1,図2参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案にあっては、要介護者が言わば無理なく座り姿勢から立ち姿勢に移れる点で、基本的に問題がある訳ではないが、その実施にあって、些かの不都合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記した提案にあっては、椅子における座部を昇降させる手段の他に、椅子における背凭れを前後させる手段が必要になり、また、背凭れが前後されることに応じて座部の前後方向に巾を広狭させる手段も必要になる。
のみならず、上記した提案にあっては、上記の各手段の作動を概ね同期させることが必須であり、そのための装置や機構の装備が必須になり、これを全体としてみるとき、その構造を複雑にし、したがって、部品点数を多くすることによる重量の増大化や製造コストの高騰化を避け得なくする。
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、要介護者が無理なく座り姿勢から立ち姿勢に移れるのはもちろんのこと、いたずらな重量の増大化と製造コストの高騰化を回避し得て、その汎用性の向上を期待するのに最適となる起立援助椅子を提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明の一つの手段は、要介護者を着座させる座部と、上記座部に連続して設けられ要介護者の背を支える背凭れを有する椅子と、上記座部の背凭れ側である後側に連結する第一水平部と、軸方向に穿設される上方の長孔と下方のピンとを有して上記第一水平部から起立する第一起立部とを有する後側支持ブラケットと、上記座部の背凭れ側とは反対側である前側に連結する第二水平部と、上記ピンを挿入する軸方向の長孔を有して上記第二水平部から起立する第二起立部とを有する前側支持ブラケットと、上記第一起立部に連結して上記椅子を昇降する昇降機構とを備え、上記昇降機構により上記椅子を上昇させるときに、上記後側支持ブラケットが上昇して上記長孔の上側に上記ピンが当接し、上記後側支持ブラケットが上記ピンを介して上記前側支持ブラケットを吊り上げることを特徴とする。
同じく、他の手段は、要介護者を着座させる座部と、上記座部に連続して設けられ要介護者の背を支える背凭れとを有する椅子と、この椅子に連結されて駆動手段の駆動でこの椅子を昇降させる昇降機構と、上記椅子を上記昇降機構に連結する連れ運動手段とを備え、上記連れ運動手段は、上記座部の前側部に連結する前側支持ブラケットと、上記座部の後側部に連結すると共に上記前側支持ブラケットにスライド可能に連結する後側支持ブラケットと、上記後側支持ブラケットにスライド可能に連結すると共に上記後側支持ブラケットを上記昇降機構に連結する吊り部材とを有し、上記昇降機構による上記吊り部材の上昇により上記後側支持ブラケットが上昇して上記椅子を前傾し、前傾した状態から上記吊り部材の上昇を継続すると上記前側支持ブラケットが上昇して、前傾した状態の上記椅子を上昇することを特徴とする。
それゆえ、この発明にあっては、昇降機構で上昇した椅子が座部の後側部における高さ位置を同じ座部の前側部における高さ位置より高くするから、背凭れが座部に対していわゆる起立した固定状態にある限りにおいて、上昇した椅子の座部に着座する要介護者の背が背凭れで前方に倒されるようになる。
すなわち、健常者であれ、凡そ座部に着座する座り姿勢の者が立ち姿勢に移行する場合には、脚に力を入れて腰を浮かせるようにするが、その際には、上体を前に倒して体重移動をするのが実態である。
このことからすれば、この発明にあっては、背凭れが前方に倒れることで、要介護者の上体を強制的に前傾姿勢にし、このとき、椅子の座部における後側部が高くなるから、要介護者の腰が強制的に浮き上がる状態になり、要介護者の脚先がいわゆる地に着く限りにおいて、要介護者は、容易に立ち姿勢に移行できる。
つまり、要介護者にあっては、完全な座り姿勢から自らの力のみで立ち姿勢に移行する場合に比較して、あらかじめ腰が浮いた状態になるので、脚が真直ぐにならないまでも、僅かな力を使うことで立ち姿勢に移行できる。
そして、この発明にあっては、上記の椅子における一連の動きを昇降機構で実践し得るから、起立援助椅子にあって、昇降機構を作動させる駆動手段を要するが、それ以外のいわゆる動力源の配備を要せず、構成を簡単にして部品点数のいたずらな増大による重量の増大化を回避すると共に、製品コストの高騰化を回避する。
この発明の一実施形態による起立援助椅子に要介護者が着座する状態を示す側面図である。 図1の起立援助椅子にあって、椅子が上昇した状態と要介護者の上体が前傾した状態を図1と同様に示す図である。 基部と共に昇降機構を示す背面図である。 基部に載置された状態の前側支持ブラケットおよび後側支持ブラケットが連れ運動手段に連結された状態を示す側面図である。 図4の各側支持ブラケットおよび連れ運動手段の作動状態を(A),(B),(C)と順を追って示す図である。 この発明の他の実施形態による起立援助椅子に要介護者が着座する状態を図1と同様に示す図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、図示するところでは、この発明が要介護者用の起立援助椅子に具現化されるとし、この起立援助椅子は、要介護者、つまり、椅子に着座した座り姿勢から自らの脚の力のみで立ち姿勢に移行できない要介護者が僅かに脚の力を使うことで、立ち姿勢に移行できるように援助する。
少し説明すると、この起立援助椅子は、図示するところでは、基本的には、図1および図2に示すように、椅子1と、昇降機構たるパンタグラフ2とを有し、パンタグラフ2の伸縮で椅子1を昇降させるが、より具体的には、特に、上昇した椅子1がいわゆる前傾姿勢を採るところに特徴がある(図2参照)。
すなわち、凡そ昇降機構たるパンタグラフを有する椅子としては、前記した特許文献1に開示の提案はもちろんのこと、それ以外に、たとえば、特開2007‐136116公報や特開2002‐209948公報に開示の提案がある。
しかし、これらの提案にあっては、パンタグラフの伸縮で椅子が昇降するが、この発明のように、上昇した椅子が前傾姿勢を採るとする提案は、一切なされていないし、それを推測させる提案もない。
そして、この発明にあっては、椅子1が前傾姿勢になることで、要介護者の上体を前傾させるが、このことは、健常者であっても、凡そ椅子から立ち上がろうとするときには、上体を前傾させるのが実態であり、要介護者にあっても、椅子から立ち上がろうとするときには、必要な体勢になる。
以上の前提の下に、この発明による起立援助椅子を詳細に看ると、図1および図2に示すように、椅子1は、要介護者Mを着座させる座部11と、この座部11に連続して要介護者Mの背を支える背凭れ12を有するのを基本とするが、この椅子1には、後述するように、肘掛あるいは手摺13(図6参照)が装備されても良い。
そして、座部11と背凭れ12とは、図示するところでは固定構造に形成されてなるが、この発明が意図するところからすると、背凭れ12が座部11に対して起伏可能とされても良い。
ちなみに、背凭れ12が座部11に対して起伏可能とされても、後述するように、要介護者Mの座り姿勢から立ち姿勢への移行を援助する際には、背凭れ12が固定状態に維持されるのはもちろんである。
そして、座部11および背凭れ12の内部構造や材質などについては、凡そこれまでに周知されているところに形成されていれば足り、この発明の具現化の上で、特段の限定などは不要である。
また、図示するところでは、座部11と背凭れ12とがフレーム14の利用で一体化されるが、座部11に対して背凭れ12を固定状態に連結する限りには、図示しないが、フレーム14を利用しない他の構造下に一体化されても良い。
以上のように形成された椅子1にあっては、背凭れ12が座部11に対して固定状態に設けられるから、座部11が前傾するとき、背凭れ12が強制的に要介護者Mの背を押して要介護者Mの上体を前傾させる。
そして、以上のように形成された椅子1にあって、図2に示すように、これが前傾姿勢を採るについては、この発明では、上昇された椅子1の座部11における図中での右側部、つまり、背凭れ12に近隣する後側部における上昇位置の方が椅子1の座部11における図中での左側部、つまり、背凭れ12から離れる前側部における上昇位置より高くする。
なお、椅子1における座部11の前側部は、その下方に配設の前側支持ブラケット16に高さ調整機構(符示せず)の配設下に支持され、椅子1における座部11の後側部は、その下方に配設の後側支持ブラケット15に同じく調整機構(符示せず)の配設下に支持される。
そして、後述するが、この各側の支持ブラケット15,16が連れ運動手段3を介して昇降機構たるパンタグラフ2に連結され、パンタグラフ2の伸長時に後側支持ブラケット15の上昇に連れて前側支持ブラケット16が上昇され、椅子1が前傾状態になる。
そして、この椅子1の動きを具現化するのが昇降機構たるパンタグラフ2と、このパンタグラフ2に連結の後述する連れ運動手段3(図1,図2および図4参照)とについてであるが、先ず、パンタグラフ2は、所定の動作、すなわち、椅子1の昇降を可能にする限りには任意の構造に形成されて良く、図3に示すところでは、たとえば、起伏アーム部材21と、リンク部材22とを有してなる。
そして、このパンタグラフ2は、図1中および図2中で右側となる椅子1の後方に配設されて後述する駆動手段4(図3参照)の駆動時に垂直方向に伸縮すると共に連れ運動手段3を介して椅子1に連結される。
一方、このパンタグラフ2は、その構成上から、図3中で左右方向となるいわゆる左右に揺動し易く、そして、この揺動が発現される場合には、後述する梁部材23の水平状態での昇降が実現されなくなる可能性がある。
そこで、図示するところでは、パンタグラフ2における左右への揺れを阻止すべく、パンタグラフ2を昇降可能に連結させるガイド支柱24が図1および図2中での右側となるこのパンタグラフ2の後方に立設される。
なお、このガイド支柱24は、所定の機能たるパンタグラフ2における左右への揺れの阻止を実現し得る限りには任意に構成されて良いが、伸長するパンタグラフ2の長さに見合う長さを有するように形成するのは現実的でない。
そこで、図示するところでは、伸縮可能な構造に形成されて、パンタグラフ2が収縮するときには、それに見合う長さになり、また、いわゆる邪魔にならないように配慮している。
そして、パンタグラフ2の左右の揺動を阻止すべくこのパンタグラフ2をガイド支柱24に連結させる場合には、このパンタグラフ2における前後方向の揺れを阻止し得る点で有利となるが、パンタグラフ2自体をいわゆる強度アップすることも有効になる。
そこで、このパンタグラフ2にあっては、構成部材たる起伏アーム部材21およびリンク部材22が、たとえば、二枚の板材からなるなどとされて、いわゆるダブル仕様とされても良い。
ところで、起伏アーム部材21は、所定の機械的強度を有するいわゆる軸部材からなり、このパンタグラフ2における下段部を形成すべくほぼX字状を呈するように形成され、図中で下端部となる基端部が基部たる基台Bに枢着されて基台Bに対して起伏可能とされる。
そして、この起伏アーム部材21は、図中で上端部とされる先端部に後述する駆動手段4におけるアクチュエータ41を架設させると共にリンク部材22の図中で下端部となる基端部を連結させる。
ちなみに、この発明に言う基部は、図示するところでは、箱形に形成の基台Bからなるが、基本的には、前記した椅子1の載置およびパンタグラフ2の配設を可能にするように単一に構成されるものであれば足りる。
したがって、いわゆる平面からなる基部を構成する限りには、この基部が、たとえば、屋内の床面F(図1および図2参照)であっても良く、また、図示するように、基台Bからなるとしても良いが、特に、基台Bからなる場合には、図示しないが、この基台Bの内方にパンタグラフ2を伸縮させる駆動手段4における駆動源を収容し得る点で有利となる。
なお、基部たる基台Bは、これが図示するように据付型に形成されて、屋内の床面Fに設置されても良く、あるいは、図示しないが、ストッパ付きのキャスタを有するなどして可搬型に形成されて、屋内の床面F上に移動可能に設置されるとしても良い。
ところで、リンク部材22は、上記した起伏アーム部材21と同様に所定の機械的強度を有するいわゆる軸部材でX字状に形成され、図中での下端部たる基端部が起伏アーム部材21の上端部たる先端部に枢着される。
そして、このリンク部材22は、図中での上端部たる先端部がいわゆる水平方向に延在される梁部材23を有し、この梁部材23が後述する連れ運動手段3に連結される(図4参照)。
ちなみに、梁部材23は、リンク部材22の先端部を移動可能に連結させて、リンク部材22の伸縮作動を妨げないが、このリンク部材22の先端部の梁部材23に対する移動を可能にする連結構造としては、図示するところでは、長孔(符示せず)利用とするが、リンク部材22の伸縮作動を妨げない限りにおいて、図示しないが、その他の任意の構造が選択されて良い。
以上のように形成されたパンタグラフ2にあっては、駆動手段4におけるアクチュエータ41の作動で、図3中に仮想線図で示すように、起伏アーム部材21の先端部が上昇するようになり、したがって、この起伏アーム部材21の先端部とリンク部材22の基端部との連結部の高さ位置H1が図中に仮想線図で示す高さ位置H2に変更される。
そして、起伏アーム部材21の起立作動で、同じく図3中に仮想線図で示すように、リンク部材22が起立するように伸長することになり、このリンク部材22の先端部に連結の梁部材23の高さ位置H3が図中に仮想線図で示す高さ位置H4に変更される。
それゆえ、このパンタグラフ2にあっては、その伸縮作動で連れ運動手段3を介してであるが、前記した椅子1の昇降を実現し得るが、このパンタグラフ2を構成する起伏アーム部材21およびリンク部材22の寸法を変更することで、上記の高さ位置H1,H2,H3,H4を任意に設定できる。
ちなみに、パンタグラフ2を伸縮作動させる駆動手段4についてであるが、図示するところでは、図3に示すように、筒型に形成されて駆動時に伸縮するアクチュエータ41を有すると共に、このアクチュエータ41が上記したように起伏アーム部材21における上端部たる先他部とリンク部材22における下端部たる基端部との連結部に架設され、このアクチュエータ41が、図示しないが、たとえば、前記した基台Bの内方に配設の駆動源の駆動で伸縮作動する。
そして、アクチュエータ41としては、所定の伸縮作動を具現化する限りには任意に構成されて良いが、図示するところでは、たとえば、モータ42(図1,図2および図3参照)の駆動で伸縮するネジジャッキからなる。
なお、アクチュエータ41は、所定の伸縮作動を具現化する限りには上記したネジジャッキに代えて、図示しないが、流体圧シリンダからなるとしても良く、また、電磁シリンダからなるとしても良い。
ただ、この起立援助椅子が利用される場面を勘案すると、アクチュエータ41が流体圧シリンダからなるとするのは、いわゆる液漏れによる周辺汚れが危惧される不利があり、また、アクチュエータ41が電磁シリンダからなるとする場合には、アクチュエータを高価にして起立援助椅子における製品コストの低廉化に寄与し得ない不利がある。
以上からすると、アクチュエータ41がネジジャッキからなるとする場合には、いわゆる液漏れを危惧しなくて済み、また、電磁シリンダに比較して起立援助椅子における製品コストのいたずらの高騰化を招来しない点で有利となる。
次に、連れ運動手段3について、図4および図5に基づいて、少し説明するが、この連れ運動手段3は、前記した椅子1を下方から支持するブラケット、すなわち、後側支持ブラケット15および前側支持ブラケット16を一体に有してなる。
このとき、後側支持ブラケット15および前側支持ブラケット16は、図4、図5に示すように、次の構造を備えている。即ち、後側支持ブラケット15は、座部11の背凭れ側である後側に連結する第一水平部15aと、軸方向に穿設される長孔Aを有して上記第一水平部15aから起立する第一起立部15bとを有する。また、前側支持ブラケット16は、座部11の背凭れ側とは反対側である前側に連結する第二水平部16aと、軸方向に穿設される長孔Cを有して上記第二水平部16aから起立する第二起立部16bとを有する。そして、前側支持ブラケット16における第二水平部16aの方が後側支持ブラケット15の第一水平部15aより長くなり、椅子1の座部11における前側部の支持を容易にしている。尚、上記一方の長孔A内には後述する吊り部材31側のピンP1が挿入され、他方の長孔C内には後側支持ブラケット15における第一起立部15bに設けたピンP2を挿入している。
なお、前述したことであるが、各側の支持ブラケット15,16における第一水平部15a,第二水平部16aと椅子1との間には、図示するように、高さ調整機構(符示せず)が設けられ、特に、椅子1の基台Bに対する傾斜状態をこの起立援助椅子を利用する要介護者Mの好みなどで調整可能にするのが好ましい。
一方、連れ運動手段3であるが、上記の後側支持ブラケット15および前側支持ブラケット16における起立部15b,16bを構成要素にすると共に、先ずは、前記したパンタグラフ2における梁部材23を連結させる吊り部材31を有する。
そして、この連れ運動手段3にあって、吊り部材31が上記した後側支持ブラケット15における第一起立部15bにスライド可能に連結し、この後側支持ブラケット15における第一起立部15bが上記した前側支持ブラケット16における第二起立部16bにスライド可能に連結する。
このとき、図示するところでは、上記したように、第一起立部15bがスリット状に形成されてこの第一起立部15bの軸線方向に穿設される長孔を有し、この長孔に吊り部材31の下端部に植設のピンP1を挿通し、このピンP1の移動が許容される範囲を移動ストロークにする。
そして、第二起立部16bにあっても同様で、上記したように第二起立部16bがスリット状に形成されてこの第二起立部16bの軸線方向に穿設される長孔を有し、この長孔に上記の第一起立部15bの下端部近傍に植設のピンP2を挿通し、このピンP2の移動が許容される範囲を移動ストロークにする。
それゆえ、この連れ運動手段3にあっては、パンタグラフ2の伸長作動で吊り部材31が吊り上げられると、図5に示すように、すなわち、図5(A)に示すように、先ず、吊り部材31が上記したストローク分上昇する。
そして、吊り部材31の上昇が継続されると、図5(B)に示すように、第一起立部15b、つまり、後側支持ブラケット15がピンP1を介して上記したストローク分上昇し、このとき、前側支持ブラケット16は、基台B上にあって、未だ上昇しない。
そしてまた、吊り部材31の上昇がさらに継続されると、図5(C)に示すように、第一起立部15bが第二起立部16bを、すなわち、前側支持ブラケット16を基台Bから離座させるようにピンP2を介して吊り上げる。
それゆえ、この連れ運動手段3にあっては、パンタグラフ2の伸長作動時に、先ず、要介護者Mが着座する椅子1を前傾させ、この態勢から、すなわち、前傾した状態の椅子1を上昇させる。
その結果、椅子1に着座する要介護者Mにあっては、先ず、上体が前方に倒され、したがって、体重移動を容易になし得ると共に、この態勢から腰が持ち上げられるから、要介護者Mの脚先がいわゆる地に着く限りにおいて、要介護者Mは、脚に僅かに力を入れることで、容易に立ち姿勢に移行できる。
つまり、要介護者Mにあっては、完全な座り姿勢から自らの脚の力のみで立ち姿勢に移行する場合に比較して、あらかじめ腰が浮いた状態になるので、脚が真直ぐにならないまでも、僅かな脚の力を使うことで立ち姿勢に移行できる。
以上のように、この発明による起立援助椅子にあっては、昇降機構たるパンタグラフ2で上昇した椅子1が座部11の後側部における高さ位置を同じ座部11の前側部における高さ位置より高くするから、また、背凭れ12が座部11に着座する要介護者Mの背を前方に押すようにして要介護者Mの上体を前傾させるから、要介護者Mの腰を強制的に浮かせる状態になり、要介護者Mの脚先がいわゆる地に着く限りにおいて、要介護者Mは、脚に力を入れて立ち姿勢に容易に移行できる。
そして、この発明による起立援助椅子にあっては、椅子1における一連の動きを昇降機構たるパンタグラフ2および連れ運動手段3で実践し得るから、起立援助椅子にあって、駆動手段4を要するが、それ以外のいわゆる動力源の配備を要せず、構成を簡単にして部品点数のいたずらな増大による重量の増大化を回避すると共に、製品コストの高騰化を回避する。
図6は、この発明の他の実施形態による起立援助椅子を示し、以下には、これについて少し説明するが、基本的には、前記した図1に示す起立援助椅子にあって、椅子1に肘掛あるいは手摺13が装備されてなるとする。
それゆえ、図6に示すところにおいて、その構成が図1から図4に示すところと同様となるところについては、要する場合を除き、図中に同一の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略する。
ちなみに、この実施形態にあっては、肘掛あるいは手摺13があることで、要介護者Mにおいて、座り姿勢のときにいわゆる手のやり場ができて座り姿勢を楽にすると共に、座り姿勢からの立ち姿勢への移行を容易にする。
一方、この実施形態にあっては、この肘掛あるいは手摺13が椅子1の昇降に追随して昇降するとし、そのため、前記した昇降機構たるパンタグラフ2に補助昇降機構たる延長リンク部材25が連結されてなる。
そして、この延長リンク部材25は、詳しくは図示しないが、パンタグラフ2における前記したリンク部材22と同様に構成されてなり、下端部たる基端部がリンク部材22の上端部たる先端部に連結される。
そしてまた、延長リンク部材25の上端部たる先端部には、リンク部材22における先端部と同様に、梁部材(図示せず)が連結され、この梁部材に上記の肘掛あるいは手摺13が連結される。
なお、この肘掛あるいは手摺13は、これが垂直に昇降しても良いが、前記したように、椅子1が前傾姿勢になる、すなわち、要介護者Mの上体が前傾することからすると、要介護者Mの上体が前傾するのに従い、全体があるいは先端部が前方に突き出るとしても良い。
また、この肘掛あるいは手摺13は、これが昇降するとき、要介護者Mが掴まることを許容するだけでなく、たとえば、要介護者Mの脇の下に入り込み、要介護者Mの上体を支え、要介護者Mの起立動作や着座動作を補佐するとしても良い。
そして、この肘掛あるいは手摺13は、座り姿勢にある要介護者Mにあって、いわゆる手のやり場を作って座り姿勢を楽にさせるから、このことからすると、この肘掛あるいは手摺13が椅子1における座部11や背凭れ12に連結されてなるとしても良い。
ちなみに、この図6に示す起立援助椅子にあっても、前記した図1および図2に示す起立援助椅子と同様の作動をする、すなわち、要介護者Mにおける座り姿勢からの立ち姿勢への移行を容易にするのはもちろんである。
前記したところでは、昇降機構たるパンタグラフ2を構成する起伏アーム部材21がほぼV字状を呈しながら基端部を基部たる基台Bに枢着するが、この昇降機構たるパンタグラフ2が機能するところを勘案すると、これに代えて、図示しないが、起伏アーム部材21が八の字状を呈しながら基台Bに枢着されても良い。
ただ、この場合には、基台Bを嵩張らす危惧があり、また、実際に基台Bが嵩張る場合には、いわゆる設置性を悪くする不利があるが、凡そ基台Bを設けずして基部を床面Fとする場合などには、パンタグラフ2の作動上に問題はないので、これが実現されても良い。
また、前記したところでは、この起立援助椅子がいわゆる屋内で利用される場合を例にして説明したが、この発明が意図するところからすると、図示しないが、この起立援助椅子が自動車や列車などの車内に配設されたり、介護施設における浴槽内に配設されたりしても良い。
そして、前記したところでは、この起立援助椅子が椅子1を有してなるとしたが、この椅子1が機能するところを勘案すると、この椅子1に代えて、図示しないが、様式トイレにおける弁座、特に、背凭れ12を有する便座とされても良い。
要介護者が無理なく座り姿勢から立ち姿勢に移れるようにするのはもちろんのこと、いたずらな重量の増大化と製造コストの高騰化を回避し得るようにするのに向く。
1 椅子
2 パンタグラフ
3 連れ運動手段
4 駆動手段
11 座部
12 背凭れ
13 肘掛あるいは手摺
14 フレーム
15 後側支持ブラケット
15a 第一水平部
16a 第二水平部
15b 第一起立部
16b 第二起立部
21 起伏アーム部材
22 リンク部材
23 梁部材
24 延長リンク部材
31 吊り部材
41 アクチュエータ
B 基部たる基台
F 床面
M 要介護者

Claims (5)

  1. 要介護者を着座させる座部と、上記座部に連続して設けられ要介護者の背を支える背凭れを有する椅子と、
    上記座部の背凭れ側である後側に連結する第一水平部と、ピンを有して上記第一水平部から起立する第一起立部とを有する後側支持ブラケットと、
    上記座部の背凭れ側とは反対側である前側に連結する第二水平部と、上記ピンを挿入する長孔を有して上記第二水平部から起立する第二起立部とを有する前側支持ブラケットと、
    上記第一起立部に連結して上記椅子を昇降する昇降機構とを備え、
    上記昇降機構により上記椅子を上昇させるときに、上記後側支持ブラケットが上昇して上記長孔の上側に上記ピンが当接し、上記後側支持ブラケットが上記ピンを介して上記前側支持ブラケットを吊り上げることを特徴とする起立援助椅子。
  2. 要介護者を着座させる座部と、上記座部に連続して設けられ要介護者の背を支える背凭れとを有する椅子と、
    この椅子に連結されて駆動手段の駆動でこの椅子を昇降させる昇降機構と、
    上記椅子を上記昇降機構に連結する連れ運動手段とを備え、
    上記連れ運動手段は、
    上記座部の前側部に連結する前側支持ブラケットと、
    上記座部の後側部に連結すると共に上記前側支持ブラケットにスライド可能に連結する後側支持ブラケットと、
    上記後側支持ブラケットにスライド可能に連結すると共に上記後側支持ブラケットを上記昇降機構に連結する吊り部材とを有し、
    上記昇降機構による上記吊り部材の上昇により上記後側支持ブラケットが上昇して上記椅子を前傾し、前傾した状態から上記吊り部材の上昇を継続すると上記前側支持ブラケットが上昇して、前傾した状態の上記椅子を上昇することを特徴とする起立援助椅子。
  3. 上記昇降機構は、
    上記椅子が設置される基部に連結して起伏可能な対の起伏アーム部材と、
    上記対の起伏アーム部材にそれぞれ連結して、X字状に設けられるリンク部材と、
    前記起伏アーム部と前記リンク部材とが連結されるそれぞれの部位を連結して設けられる駆動手段とを備える請求項1または請求項2に記載の起立援助椅子。
  4. 上記昇降機構と上記椅子とが単一の基部上に配設され、この単一の基部が据付型、あるいは、可搬型に設定されてなる請求項1、請求項2または請求項3に記載の起立援助椅子。
  5. 上記昇降機構が上端に補助昇降機構を有すると共に、この補助昇降機構に肘掛あるいは手摺が連結されてなる請求項1,請求項2、請求項3または請求項4に記載の起立援助椅子。
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