JP5328705B2 - シリコーン樹脂用組成物 - Google Patents

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本発明は、シリコーン樹脂用組成物に関する。さらに詳しくは、光半導体素子の封止加工が可能な熱可塑性及び熱硬化性を呈するシリコーン樹脂を提供できるシリコーン樹脂用組成物、該組成物を反応させて得られる樹脂組成物、該組成物を含む光半導体素子封止材料、ならびに該封止材料により封止されている光半導体装置に関する。
近年、発光ダイオード(LED)が大幅な省エネを実現する新しい照明光源として注目されている。照明用LEDは表示用LEDとは異なり、チップ1個あたりの輝度が非常に高いことから、それを封止する封止樹脂には優れた耐光性、耐熱性が求められる。このような点から、照明用LEDの封止材としては、表示用LEDで汎用されているエポキシ樹脂よりも高耐久性のシリコーン樹脂が一般に利用されている。
シリコーン樹脂でLEDを封止する方法としては、液状シリコーン樹脂の硬化反応を利用する方法が多く用いられている。しかし、樹脂の保存性及び取り扱い性の観点から、室温において固体状態での取り扱いが可能なシート状の封止材が注目されており、なかでも、封止時にLEDやワイヤー等を破損しない観点から、封止時の加熱によってシート状から液状へと熱可塑挙動を示す封止材が好ましい。
例えば、特許文献1及び2では、オルガノポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタンのブロックコポリマーからなる熱可塑性樹脂が開示されている。また、特許文献3では、オルガノポリシロキサン−ポリ尿素−ブロックコポリマーからなる放射線架橋性樹脂が開示されている。
特開2003−247173号公報 特開2005−002340号公報 特表2008−510865号公報
熱可塑性を有する樹脂を封止材として用いる場合、封止時の加熱により、一旦可塑化するもののその後硬化して成型できる特性、即ち、熱可塑性と熱硬化性のいずれも有する樹脂であることが好ましい。しかしながら、特許文献1及び2に記載の樹脂は、熱可塑性を示すが熱硬化性を示さない。特許文献3に記載の樹脂は、光硬化性であり、硬化様式が異なる。
本発明の課題は、熱可塑性と熱硬化性を呈し、かつ、耐光性及び耐熱性に優れるシリコーン樹脂を提供できるシリコーン樹脂用組成物、該組成物を反応させて得られる樹脂組成物、該組成物を含む光半導体素子封止材料、ならびに該封止材料により封止されている光半導体装置を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 両末端アミノ型シリコーン樹脂、ジイソシアネート、及びラジカル発生剤を含有してなるシリコーン樹脂用組成物、を含んでなる光半導体素子封止材料、ならびに
〕 前記〔〕記載の光半導体素子封止材料を用いて光半導体素子を封止してなる、光半導体装置
に関する。
本発明のシリコーン樹脂用組成物は、熱可塑性と熱硬化性を呈し、かつ、耐光性及び耐熱性に優れるシリコーン樹脂を提供することができるという優れた効果を奏する。本発明のシリコーン樹脂用組成物を用いることで、光半導体素子を損傷なく封止することが可能となる。
本発明のシリコーン樹脂用組成物は、(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂、(2)ジイソシアネート、及び(3)ラジカル発生剤を含有する。このうち、(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂のアミノ基と(2)ジイソシアネートのイソシアネート基とが反応(イソシアネート基の反応ともいう)して尿素基を形成することにより樹脂化が行われる。この尿素基は40℃未満では水素結合による分子間結合を形成するため、該結合によって樹脂全体が架橋されて固体状態を示す。しかし、前記結合は弱い結合であるため、40℃以上に加熱することによって解離して樹脂はゲル又は液状となり、熱可塑性挙動を示すことになる。さらに、一旦解離した結合は冷却により再結合するため、樹脂は再び固体状態を示すようになる。従って、前記熱可塑性挙動は可逆的であると言える。
また、ラジカル発生剤は遊離ラジカルを発生して活性を示す化合物であるが、例えば、(3)ラジカル発生剤が有機過酸化物である場合、100℃以上になるとラジカルを発生する。この発生したラジカルは、例えば、(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂が炭化水素基やアルケニル基を含有する場合、該炭化水素基やアルケニル基から水素基を引き抜いて、C-C結合を形成させる。その結果、(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂同士の架橋反応が促進されて、完全硬化した樹脂を得ることができる。このように、本発明のシリコーン樹脂用組成物は、熱可塑性と熱硬化性を呈するシリコーン樹脂を提供することができる。よって、本明細書において、本発明のシリコーン樹脂用組成物は、その特性から、熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂用組成物と表わされることもある。また、本発明のシリコーン樹脂組成物を熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂組成物と記載することもある。
(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂
本発明における両末端アミノ型シリコーン樹脂としては、透明性や高耐熱性の観点から、式(I):
Figure 0005328705
(式中、A、B及びCは構成単位であり、Aが末端単位、B及びCが繰り返し単位を示し、Rは一価の炭化水素基、Rはアルケニル基、Rはアルキレン基、Zはアミノ基を、aは0又は1以上の整数、bは0又は1以上の整数を示し、a+bは少なくとも1以上の整数となる関係を満たし、但し、全てのRは同一でも異なっていてもよく、b個のRは同一でも異なっていてもよい)
で表わされる化合物であることが好ましい。
式(I)で表わされる化合物は、構成単位A、B及びCによって構成され、Aが末端単位、B及びCが繰り返し単位であり、アミノ基が末端単位に含まれている化合物である。
式(I)におけるRは一価の炭化水素基を示し、飽和又は不飽和、直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、入手性の観点から、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が例示される。なかでも、得られる樹脂組成物の透明性及び耐光性の観点から、メチル基が好ましい。なお、式(I)において、全てのRは同一でも異なっていてもよく、構成単位に関係なく、それぞれ独立して前記炭化水素基を示す。
式(I)におけるRはアルケニル基を示し、置換又は非置換のアルケニル基が例示される。具体的には、アルケニル基を骨格に含む有機基であればよく、ビニル基、アリル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が例示される。なかでも、得られる樹脂組成物の透明性及び耐熱性の観点から、ビニル基が好ましい。なお、式(I)において、全てのR、即ち、b個のRは同一でも異なっていてもよい。
式(I)におけるRはアルキレン基を示し、置換又は非置換のアルキレン基が例示される。例えば、アルキレン基を骨格に含む有機基であればよく、該有機基の炭素数は、得られる樹脂組成物の透明性及び耐熱性の観点から、1〜10が好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基等が例示される。なかでも、得られる樹脂組成物の透明性及び耐熱性の観点から、プロピレン基が好ましい。なお、式(I)において、全てのR、即ち、2個のRは同一でも異なっていてもよい。
式(I)におけるZはアミノ基を示し、置換又は非置換のアミノ基が例示される。本発明においては、反応性や入手しやすさの観点から、非置換のアミノ基が好ましい。
構成単位Aは末端単位であり、式(I)中に2個含まれる。
構成単位Bの繰り返し単位数、即ち、式(I)中のaは、0又は1以上の整数を示すが、得られる樹脂組成物の透明性の観点から、好ましくは1〜10,000、より好ましくは10〜10,000の整数である。
構成単位Cの繰り返し単位数、即ち、式(I)中のbは、0又は1以上の整数を示すが、得られる樹脂組成物の透明性の観点から、好ましくは0〜10,000、より好ましくは0〜1,000の整数である。
aとbの和は、少なくとも1以上の整数であり、1〜10,000が好ましく、10〜10,000がより好ましい。なお、aとbの和が少なくとも1以上の整数であることから、a又はbのいずれか一方が0であってもよい。aが0の場合は構成単位A、CのRで表される炭化水素基やRで表されるアルケニル基において、bが0の場合は構成単位A、BのRで表される炭化水素基において、ラジカル発生剤から遊離したラジカルによってC-C結合が形成されて架橋反応が進行する。また、炭化水素基とアルケニル基の反応性が異なることから、これらの官能基量を調整することで、架橋反応を調整することができる。例えば、アルケニル基の方が低温でも反応しやすいため、アルケニル基を含有する樹脂組成物は、低温での硬化が可能となる。
式(I)で表される化合物は市販品であっても、公知の方法に従って合成したものでもよい。
式(I)で表される化合物は、安定性や取り扱い性の観点から、分子量は好ましくは100〜1,000,000、より好ましくは1000〜100,000である。なお、本明細書において、シリコーン誘導体の平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
両末端アミノ型シリコーン樹脂の含有量は、組成物中、1〜99.9重量%が好ましく、80〜99.9重量%がより好ましい。
(2)ジイソシアネート
本発明におけるジイソシアネートとしては、特に限定はないが、各成分との相溶性の観点から、式(II):
Figure 0005328705
(式中、Yは二価の炭化水素基を示す)
で表わされる化合物であることが好ましい。
式(II)におけるYは、二価の炭化水素基を示し、飽和又は不飽和、直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、入手性及び得られる樹脂組成物の耐熱性の観点から、1〜50が好ましく、1〜30がより好ましい。
かかる式(II)で表される化合物としては、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらの変性体等が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-メチレンジシクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’-メチレンジフェニレンジイソシアネート、1,3-ジアゼチジン-2,4-ジオン−ビス(4,4’-メチレンジシクロヘキシル)ジイソシアネート、1,3-ジアゼチジン-2,4-ジオン−ビス(4,4’-メチレンジフェニル)ジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレン2,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチレンジイソシアネート等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、透明性、耐熱性及び入手性の観点から、トリレン2,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
式(II)で表される化合物としては、市販品を用いても、公知の方法に従って合成したものを用いてもよい。
ジイソシアネートにおける、式(II)で表される化合物の含有量は、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、実質的に100重量%がさらに好ましい。
ジイソシアネートの含有量は、組成物中、1.0×10-5〜20重量%が好ましく、1.0×10-5〜10重量%がより好ましい。
また、両末端アミノ型シリコーン樹脂とジイソシアネートの重量比は、両末端アミノ型シリコーン樹脂のアミノ基とジイソシアネートのイソシアネート基を過不足なく反応させる観点から、前記官能基のモル比(アミノ基/イソシアネート基)が、0.1/1〜1/0.1が好ましく、実質的に当量(1/1)であることがより好ましい。
(3)ラジカル発生剤
本発明におけるラジカル発生剤としては、ラジカルを発生して、両末端アミノ型シリコーン樹脂同士の架橋反応を促進する化合物であれば特に限定はなく、光ラジカル発生剤や有機過酸化物等が挙げられるが、本発明の組成物は温度によって熱可塑性/熱硬化性を示すことから、温度によってラジカルを発生する有機過酸化物が好ましい。
具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ジ(4,4-ジ-(ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、p-メタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ヘキシルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ-n-オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイオド、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシジイソブチレート、t-ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゼン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、透明性、耐熱性及び入手性の観点から、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシベンゼンが好ましい。
これらのラジカル発生剤は、ラジカルを発生する温度は一概には決定されないが、好ましくは100℃以上である。
ラジカル発生剤は、市販品を用いても、公知の方法に従って合成したものを用いてもよい。
ラジカル発生剤の含有量は、組成物中、1.0×10-6〜20重量%が好ましく、1.0×10-6〜10重量%がより好ましい。
また、ラジカル発生剤の含有量は、式(I)で表される両末端アミノ型シリコーン樹脂のR基量を100mol%とした場合、得られる樹脂組成物の柔軟性を維持する観点から、0.001〜50mol%が好ましく、0.01〜10mol%がより好ましい。
本発明の熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂用組成物は、上記以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、無機又は有機粒子、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂用組成物は、(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂、(2)ジイソシアネート、及び(3)ラジカル発生剤の各成分を含有するものであれば、特に限定なく調製することができるが、本発明の組成物は、イソシアネート基の反応とラジカル発生剤による架橋反応の各反応機構に応じて反応温度及び時間を適当に選択し、反応を進行、完結させる観点から、イソシアネート基の反応に関する成分、即ち、(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂及び(2)ジイソシアネートを予め混合してから、(3)ラジカル発生剤を混合してもよい。
イソシアネート基の反応に関する成分の混合は、(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂及び(2)ジイソシアネート、必要に応じて、有機溶媒などの添加剤を、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜60℃で0.1〜40時間攪拌することにより行うことができる。
有機溶媒としては、特に限定はないが、各成分の相溶性を高める観点から、メチルエチルケトンが好ましい。
なお、上記混合によって、両末端アミノ型シリコーン樹脂のアミノ基とジイソシアネートのイソシアネート基の反応の一部が開始されてもよく、反応の進行度は、H−NMR測定によって、アミノ基に由来するピークの消失程度によって確認することができる。
次に、架橋反応に関する成分として、(3)ラジカル発生剤を、上記のイソシアネート基の反応に関する成分の混合物に混合する。本発明の組成物は、イソシアネート基の反応とラジカル発生剤による架橋反応の2種類の反応を行って硬化物を得る際に、架橋反応が生じることによって硬化物(成形物)を得ることができるので、(3)ラジカル発生剤は、上記のイソシアネート基の反応に関する成分の混合物に、均一に混合されるのであれば、混合方法に特に限定はない。
本発明の熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、本発明の熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂用組成物を反応させることにより得られる。
具体的には、(1)両末端アミノ型シリコーン樹脂及び(2)ジイソシアネートを、必要に応じて有機溶媒を配合して、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜60℃で攪拌混合後、(3)ラジカル発生剤を配合して攪拌混合すればよい。混合時間は、反応温度や反応に供する成分の種類、量に応じて一概には決定できないが、0.1〜40時間が好ましい。混合方法としては、各成分が均一に混合されるのであれば特に限定はない。なお、得られた混合物は、公知の方法に従って溶媒等を除去することができる。
かくして得られた本発明の熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、常温で固体、40℃以上で熱可塑性挙動を示し、さらに、50℃以上で熱硬化性を示す。なお、本明細書において、「常温」とは、0℃以上、40℃未満を意味し、本発明の熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、好ましくは40〜200℃、より好ましくは80〜150℃において熱可塑性を示す。また、好ましくは100〜200℃、より好ましくは130〜200℃で架橋反応が進行して、熱硬化性を示す。
本発明の熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、温度によって可塑性と硬化性の両方を示すことから、例えば、液晶画面のバックライト、信号機、屋外の大型ディスプレイや広告看板等の半導体素子を製造する際に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
〔シリコーン誘導体の平均分子量〕
シリコーン誘導体の分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算にて求めることができる。
〔シリコーン誘導体の官能基当量〕
内部標準物質を用いた1H−NMRにより測定する。
実施例1
両末端アミノ型シリコーン樹脂5g(0.43mmol、式(I)中のRが全てメチル基、Rがプロピレン基、Zがアミノ基、a=150、b=0で表わされる化合物、平均分子量11400、信越化学工業社製)、トリレン2,4-ジイソシアネート0.074g(0.43mmol)、及びメチルエチルケトン10mLを窒素下、室温(25℃)で1時間攪拌混合した。その後、ジ-t-ブチルパーオキシド(0.1mol/Lベンゼン溶液、日本油脂社製)1315μL(両末端アミノ型シリコーン樹脂のR基100mol%に対してラジカル発生剤が0.1mol%)を加えて、室温(25℃)で1時間攪拌混合した。その後、減圧下、室温(25℃)で溶媒を除去することにより、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例2
実施例1において、トリレン2,4-ジイソシアネート0.074g(0.43mmol)を用いる代わりに、イソホロンジイソシアネート0.096g(0.43mmol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例3
実施例1において、トリレン2,4-ジイソシアネート0.074g(0.43mmol)を用いる代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネート0.072g(0.43mmol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例4
実施例1において、両末端アミノ型シリコーン樹脂5g(0.43mmol、式(I)中のRが全てメチル基、Rがプロピレン基、Zがアミノ基、a=150、b=0で表わされる化合物、平均分子量11400、信越化学工業社製)を用いる代わりに、両末端アミノ型シリコーン樹脂5g(0.16mmol、式(I)中のRが全てメチル基、Rがプロピレン基、Zがアミノ基、a=400、b=0で表わされる化合物、平均分子量30000、Gelest社製)を用い、トリレン2,4-ジイソシアネートの使用量を0.074g(0.43mmol)から0.029g(0.16mmol)に変更する以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例5
実施例1において、ジ-t-ブチルパーオキシドの使用量を1315μL(両末端アミノ型シリコーン樹脂のR基100mol%に対してラジカル発生剤が0.1mol%)から、131μL(両末端アミノ型シリコーン樹脂のR基100mol%に対してラジカル発生剤が0.01mol%)に変更する以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例6
実施例1において、ジ-t-ブチルパーオキシドを1315μL用いる代わりに、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(0.1mol/Lベンゼン溶液、日本油脂社製)1315μL(両末端アミノ型シリコーン樹脂のR基100mol%に対してラジカル発生剤が0.1mol%)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例7
実施例1において、ジ-t-ブチルパーオキシドを1315μL用いる代わりに、t-ブチルパーオキシベンゼン(0.1mol/Lベンゼン溶液、日本油脂社製)1315μL(両末端アミノ型シリコーン樹脂のR基100mol%に対してラジカル発生剤が0.1mol%)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例8
実施例1において、両末端アミノ型シリコーン樹脂5g(0.43mmol、式(I)中のRが全てメチル基、Rがプロピレン基、Zがアミノ基、a=150、b=0で表わされる化合物、平均分子量11400、信越化学工業社製)を用いる代わりに、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いて得られた、両末端アミノ型シリコーン樹脂5g(0.43mmol、式(I)中のRが全てメチル基、Rがビニル基、Rがプロピレン基、Zがアミノ基、a=140、b=10で表わされる化合物、平均分子量11400、ビニル基当量1mmol/g)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
比較例1
実施例1において、ジ-t-ブチルパーオキシドを用いない以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明液体のシリコーン樹脂組成物を得た。
比較例2
実施例1において、トリレン2,4-ジイソシアネートを用いない以外は、実施例1と同様にして反応を行い、透明固体のシリコーン樹脂組成物を得た。
得られた組成物について、以下の試験例1〜4に従って、特性を評価した。結果を表1〜2に示す。
試験例1(熱可塑性/熱硬化性)
試料の加熱時の挙動を評価した。具体的には、各試料をホットプレートを用いて、30〜200℃まで加熱し、熱可塑挙動が生じる温度(熱可塑温度、固体状態のものが加熱によって軟化して完全にゲル状又は液状になる温度)、及び熱硬化挙動が生じる温度(熱硬化温度、硬化が起こる温度)を目視により観察した。なお、挙動が確認できなかったものは「×」とした。
試験例2(光透過性)
試料を200℃の温風型乾燥機内に静置し、72時間経過後の400nmにおける光透過率(%)を分光光度計(日立ハイテク社製)を用いて測定した。また、保存前の試料についても光透過率を同様にして測定した。なお、試料の厚みは300μmとした。光透過率の変化が小さいほど光透過性に優れることを示す。
試験例3(耐熱性)
試料を200℃の温風型乾燥機内に静置し、400時間経過後の重量を測定した。また、保存前の試料についても重量を測定し、保存前の値を100%とした場合の重量減少率(%)を算出した。重量減少率が小さいほど耐熱性に優れることを示す。
試験例4(弾性率)
試料を150℃の温風型乾燥機内で5時間加熱し、引っ張り弾性率をオートグラフ(島津製作所社製)を用いて測定した。引っ張り弾性率が0.01〜100MPaである試料が好ましい。
Figure 0005328705
Figure 0005328705
表1〜2より、実施例の組成物は、熱可塑性/熱硬化性挙動を示した。一方、比較例1はラジカル発生剤による架橋反応が進行しないため硬化物が得られず、比較例2はイソシアネートを含有していないため室温で液状であった。また、実施例1〜3の比較より、ジイソシアネートの種類によって、熱可塑温度等が大きく異なることが分かった。また、実施例1、4〜7より、両末端アミノ型シリコーン樹脂の分子量、ラジカル発生剤の種類や添加量が異なることでも、特性が大きくことなることが明らかになった。また、実施例8より、両末端アミノ型シリコーン樹脂がビニル基を含有する場合には、硬化温度が低いことが分かる。
本発明の熱可塑性/熱硬化性シリコーン樹脂用組成物は、例えば、液晶画面のバックライト、信号機、屋外の大型ディスプレイや広告看板等の半導体素子を製造する際に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 両末端アミノ型シリコーン樹脂、ジイソシアネート、及びラジカル発生剤を含有してなるシリコーン樹脂用組成物、を含んでなる光半導体素子封止材料
  2. 両末端アミノ型シリコーン樹脂が式(I):
    Figure 0005328705
    (式中、A、B及びCは構成単位であり、Aが末端単位、B及びCが繰り返し単位を示し、Rは一価の炭化水素基、Rはアルケニル基、Rはアルキレン基、Zはアミノ基を、aは0又は1以上の整数、bは0又は1以上の整数、a+bは少なくとも1以上の整数を示し、但し、全てのRは同一でも異なっていてもよく、b個のRは同一でも異なっていてもよい)
    で表わされる化合物である、請求項1記載の光半導体素子封止材料
  3. ジイソシアネートが式(II):
    Figure 0005328705
    (式中、Yは二価の炭化水素基を示す)
    で表わされる化合物である、請求項1又は2記載の光半導体素子封止材料
  4. ラジカル発生剤が有機過酸化物である、請求項1〜3いずれか記載の光半導体素子封止材料
  5. 請求項1〜4いずれか記載の光半導体素子封止材料を用いて光半導体素子を封止してなる、光半導体装置。
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