JP5328362B2 - 細孔を使用する方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、貫通膜細孔を使用しての個々のヌクレオチドおよび他のホスフェート含有部分の同定に関する。特に、本発明は、貫通膜細孔を使用しての標的核酸の配列決定に関する。
発明の背景
DNAを配列決定するための現在の方法は、蛍光ddXTP、dXTP、プライマーおよびポリメラーゼ等の多数の高価な試薬を必要とする。この方法は、資格のある技術者によって操作される必要がある、高性能の装置を必要とする。また、この方法は、長さが1千ヌクレオチド未満の配列に限定される。
費用を削減し、方法を簡略化し、かつ配列決定が実験室の外で行われることを可能にするために、他の配列決定法が検討されてきた。サイクルエクステンション(cycle extension)、ポリメラーゼリーディング(polymerase reading)、エキソヌクレアーゼ配列決定(exonuclease sequencing)、およびDNAマイクロアレイが、これまで検討されてきた方法である(Braslavsky, I., B. Herbert, et al. (2003), PNAS 100(7): 3960-3964)(非特許文献1)。これらの方法は、包括的に再検討されている(Marziali, A. and M. Akeson (2001), Ann. Rev. Biomed. Eng. 3: 195-223)(非特許文献2)。
DNAを配列決定する1つの可能性のある方法は、ナノ細孔にDNAの一本鎖を通し、そして該鎖が通される際に該細孔を流れるイオン電流の変動からその配列を同定することに基づく(Kasianowicz, J. J., E. Brandin, et al. (1996), Proc. Natl. Acad. Sci. 93: 13770-13773)(非特許文献3)。第2の可能性のあるアプローチは、エキソヌクレアーゼ配列決定である(Chan, E. Y. (2005), Mutat. Res. 573: 13-40)(非特許文献4)。この方法は、一度にDNA 1ヌクレオチドを消化すること(Dapprich, J. (1999), Cytomet. 36: 163-168;およびMatsuura, S.-I., J. Komatsu, et al. (2001), Nuc. Ac. Res. 29(16): e79))(非特許文献5および非特許文献6)、次いで放出されたヌクレオチドの各々を同定することを含む。しかし、これらの方法は、消化前のDNAの修飾、またはエキソヌクレアーゼによってDNAから放出された時点でのヌクレオチドの修飾を必要とする。エキソヌクレアーゼ配列決定の開発は、該酵素によって放出されるときに単一分子レベルでヌクレオチドを同定することが困難であるために、現在、中止されている。研究者らは、蛍光標識を使用してヌクレオチドを同定しようとしたが、限られた成功しか得られなかった。
確率的検知(stochastic sensing)は、絶縁脂質二重層膜中にナノメートルサイズの細孔を配置し、そして該細孔を通過するイオン輸送を測定することを含む。被検体が細孔内の結合部位と相互作用する場合、イオン電流の変化が検出される(Braha, O., B. Walker, et al. (1997), Chem. & Biol. 4: 497-505;およびBayley, H. and P. S. Cremer (2001), Nature 413: 226-230)(非特許文献7および非特許文献8)。各結合事象から生じる電流遮断(current block)の程度および期間は、被検体の実体を明らかにし得る。結合事象の頻度は、被検体濃度を明らかにし得る。種々の結合部位が、タンパク質突然変異、化学的修飾によって、ならびに分子アダプター(molecular adaptors)およびキャリアの使用によって、細孔内に作製され得る(Gu, L. -Q., O. Braha, et al. (1999), Nature 398: 686-690;およびBraha, O., J. Webb, et al. (2005), Chem. Phys. Chem. 6: 889-892))(非特許文献9および非特許文献10)。
Braslavsky, I., B. Herbert, et al. (2003), PNAS 100(7): 3960-3964 Marziali, A. and M. Akeson (2001), Ann. Rev. Biomed. Eng. 3: 195-223 Kasianowicz, J. J., E. Brandin, et al. (1996), Proc. Natl. Acad. Sci. 93: 13770-13773 Chan, E. Y. (2005), Mutat. Res. 573: 13-40 Dapprich, J. (1999), Cytomet. 36: 163-168 Matsuura, S.-I., J. Komatsu, et al. (2001), Nuc. Ac. Res. 29(16): e79) Braha, O., B. Walker, et al. (1997), Chem. & Biol. 4: 497-505 Bayley, H. and P. S. Cremer (2001), Nature 413: 226-230 Gu, L. -Q., O. Braha, et al. (1999), Nature 398: 686-690 Braha, O., J. Webb, et al. (2005), Chem. Phys. Chem. 6: 889-892)
発明の概要
驚くべきことに、個々のヌクレオチドが、それらが貫通膜細孔と相互作用する際に、それらの電流振幅(current amplitude)から単一分子レベルで同定され得ることが実証された。したがって、個々のヌクレオチドを同定するため、およびエキソヌクレアーゼ配列決定によって核酸配列を決定するために、確率的検知が使用され得る。
したがって、本発明は、個々のヌクレオチドを同定する方法であって、以下:
(a)該ヌクレオチドを膜貫通タンパク質細孔と接触させ、その結果、該ヌクレオチドが該細孔と相互作用する工程、および
(b)該相互作用の間に該細孔を通過する電流を測定し、それによって該ヌクレオチドの実体を決定する工程
を含む、方法を提供する。
本発明は、さらに以下を提供する:
− 標的核酸配列を配列決定する方法であって、以下:
(a)プロセッシブエキソヌクレアーゼ(processive exonuclease)を使用して該標的配列の一方の末端から個々のヌクレオチドを消化する工程;
(b)該ヌクレオチドを膜貫通タンパク質細孔と接触させ、その結果、該ヌクレオチドが該細孔と相互作用する工程;
(c)該相互作用の間に該細孔を通過する電流を測定し、それによって該ヌクレオチドの実体を決定する工程;および
(d)該核酸配列の同一の末端で工程(a)〜(c)を繰り返し、それによって該核酸の配列を決定する工程
を含む、方法;ならびに
− 核酸を配列決定するためのキットであって、以下:
− シクロデキストリン;および
− プロセッシブエキソヌクレアーゼ
を含む、キット。
本発明の配列決定する方法は、単一分子レベルでの迅速かつ簡単なDNA配列決定方法である。それはまた、フルオロフォア等の高価な試薬の使用を必要としないので、DNAを配列決定する安価な方法である。
配列表の説明
配列番号1は、α溶血素の1サブユニットをコードするポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号2は、α溶血素の1サブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号3は、α溶血素M113Hの1サブユニットをコードするポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号4は、α溶血素M113Hの1サブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号5は、α溶血素M113Kの1サブユニットをコードするポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号6は、α溶血素M113Kの1サブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号7は、α溶血素M113Rの1サブユニットをコードするポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号8は、α溶血素M113Rの1サブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号9は、λエキソヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。該配列は、3量体へ集合する3つの同一のサブユニットの1つである。
発明の詳細な説明
個々のヌクレオチドを同定する方法
第1の態様において、本発明は、個々のヌクレオチドを同定する方法であって、該ヌクレオチドを膜貫通タンパク質細孔と接触させ、その結果、該ヌクレオチドが該細孔と相互作用する工程、および該相互作用の間に該細孔を通過する電流を測定し、それによって該ヌクレオチドの実体を決定する工程を含む方法に関する。したがって、本発明は、個々のヌクレオチドの確率的検知を含む。本発明は、貫通膜タンパク質細孔を通過する電流に対してそれらが有する異なる効果に基づいて、類似の構造のヌクレオチドを識別するために使用され得る。本発明はまた、特定のヌクレオチドがサンプル中に存在するかどうかを決定するために使用され得る。本発明はまた、サンプル中の特定のヌクレオチドの濃度を測定するために使用され得る。
本発明に従う個々のヌクレオチドは、単一のヌクレオチドである。個々のヌクレオチドは、ヌクレオチド結合によって別のポリヌクレオチドへ結合されていないものである。ヌクレオチド結合は、ヌクレオチドのリン酸基の1つが別のヌクレオチドの糖基へ結合されていることを伴う。個々のヌクレオチドは、典型的に、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1000または少なくとも5000のヌクレオチドの別のポリヌクレオチド配列へヌクレオチド結合によって結合されていないものである。例えば、個々のヌクレオチドは、DNAまたはRNA鎖等の、標的ポリヌクレオチド配列から消化されている。しかし、個々のヌクレオチドは、蛍光分子または放射性同位体(例えば125I、35S)を含有する化学基等の、他の化学基へ結合または連結されてもよい。本発明に従う同定のためのヌクレオチドのタイプは、下記により詳細に議論される。
本方法は、貫通膜タンパク質細孔が膜中へ挿入されている、任意の好適な膜/細孔システムを使用して行われ得る。本発明は、典型的に、(i)天然もしくは組換え貫通膜タンパク質細孔を含む人工膜、(ii)組換え貫通膜タンパク質細孔を含む単離された天然膜、(iii)貫通膜タンパク質細孔を含む単離された天然膜、または(iv)天然もしくは組換え貫通膜タンパク質細孔を発現する細胞を使用して行われる。本方法は、好ましくは、人工膜を使用して行われる。膜は、貫通膜タンパク質細孔に加えて、他の貫通膜および/または膜内タンパク質ならびに他の分子を含み得る。
本発明の方法は、典型的にインビトロで行われる。

膜は、イオンおよびヌクレオチドの流れに対してバリアを形成する。膜は、好ましくは、脂質二重層である。本発明に従う使用に好適な脂質二重層は、当該技術分野において公知の方法を使用して作製され得る。例えば、脂質二重層膜は、MontalおよびMueller(1972)の方法を使用して形成され得る。本発明の方法は、リン脂質、糖脂質、コレステロールおよびそれらの混合物を含むがこれらに限定されない任意の膜脂質から形成された脂質二重層を使用して行われ得る。脂質二重層は、好ましくは、1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンから形成される。
脂質二重層等の膜中へ細孔を挿入するための方法は、当該技術分野において公知である。例えば、細孔は、脂質二重層を含有する溶液中に精製形態で懸濁され得、その結果、それは、脂質二重層へ拡散し、そして、脂質二重層へ結合しかつ機能的状態へ集合することによって、挿入される。または、細孔は、M. A. Holden, H. Bayley. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 6502-6503に記載の方法を使用して、膜中へ直接挿入され得る。
貫通膜タンパク質細孔
本発明の方法は、貫通膜タンパク質細孔を使用して行われる。貫通膜タンパク質細孔は、イオンが電気化学的勾配に沿って膜の一方の面から他方へ流れることを許容するポリペプチドである。細孔は、好ましくは、ヌクレオチドが電気化学的勾配に沿って膜の一方の面から他方へ流れることを許容する。
細孔は、典型的に、オリゴマーである。細孔は、好ましくは、数個の繰り返しサブユニットから作製されている。細孔は、好ましくは、5量体または7量体である。細孔は、典型的に、イオンが流れ得るバレル(barrel)またはチャネルを含む。
細孔のバレルまたはチャネルは、典型的に、ヌクレオチドとの相互作用を促進するアミノ酸を含む。本発明に従う使用のための細孔は、典型的に、1以上の正に帯電したアミノ酸、例えば、アルギニン、リジンまたはヒスチジンを含む。これらの正に帯電したアミノ酸は、好ましくは、バレルまたはチャネルの収縮部(constriction)の近くに配置されている。これらのアミノ酸は、典型的に、ヌクレオチド中のリン酸基と相互作用することによって、またはヌクレオチド中の塩基とのp−カチオン相互作用(p-cation interaction)によって、細孔とヌクレオチドとの相互作用を促進する。細孔は、好ましくは、バレルまたはチャネルの収縮部の近くに配置された、正に帯電したアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンまたはヒスチジン)の環を有する。各々の正に帯電したアミノ酸は、典型的に、各々の細孔サブユニットによって提供される。
本発明に従う使用のために好適な細孔としては、α溶血素、ポーリンおよびロイコチジンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明における使用のために好ましい細孔は、α溶血素またはその変異体である。α溶血素細孔は、7つの同一のサブユニットから形成されている(7量体)。α溶血素の1つのサブユニットの配列は、配列番号2に示される。変異体は、7つのサブユニットの1つ以上が、配列番号2のものとは異なりかつ細孔活性を保持するアミノ酸配列を有する7量体細孔である。変異体α溶血素中のサブユニットの1、2、3、4、5、6または7つが、配列番号2のものとは異なるアミノ酸配列を有し得る。変異体細孔内の7つのサブユニットは、典型的に同一であるが、異なっていてもよい。
α溶血素の好ましい変異体は、バレルまたはチャネルの収縮部の近くに配置された、1以上の正に帯電したアミノ酸、例えば、アルギニン、リジンまたはヒスチジンを有する。細孔は、好ましくは、バレルまたはチャネルの収縮部の近くに配置された、4、5、6または好ましくは7つの正に帯電したアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンまたはヒスチジン)の環を有する。環中の各アミノ酸は、典型的に、各々の変異体サブユニットによって提供される。変異体は、典型的に、各サブユニットの113位に正に帯電されたアミノ酸を含む。本発明における使用のための細孔は、好ましくは、配列番号4に示されるサブユニットを7つ含むα溶血素(M113K)7、または好ましくは、配列番号6に示されるサブユニットを7つ含むα溶血素(M113H)7、または最も好ましくは、配列番号8に示されるサブユニットを7つの含むα溶血素(M113R)7である。
変異体は、生物によって、例えばブドウ球菌(Staphylococcus bacterium)によって発現される天然の変異体であり得る。変異体はまた、組換え技術によって作製される非天然の変異体を含む。配列番号2のアミノ酸配列の全長と比べて、変異体のサブユニットは、好ましくは、アミノ酸同一性に基づいてその配列に対して少なくとも50%相同である。より好ましくは、前記サブユニットポリペプチドは、前記全配列と比べて、配列番号2のアミノ酸配列に対するアミノ酸同一性に基づいて、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、そしてより好ましくは少なくとも95%、97%または99%相同であり得る。200個以上、例えば230、250、270または280個以上の連続するアミノ酸にわたって、少なくとも80%の、例えば、少なくとも85%、90%または95%の、アミノ酸同一性が存在し得る(「厳しい相同性」)。
アミノ酸置換、例えば、1、2、3、4、5、10、20または30個までの置換が、配列番号2のアミノ酸配列に対して成され得る。例えば下記の表に従って、同類置換が成され得る。第2列中の同一ブロック中そして好ましくは第3列中の同一行中のアミノ酸が、互いの代わりに用いられ得る。
Figure 0005328362
配列番号2のアミノ酸配列の1以上のアミノ酸残基が、代替的にまたは追加的に削除され得る。最大で1、2、3、4、5、10、20または30個までの残基が削除され得、またはそれ以上が削除され得る。
変異体は、配列番号2のフラグメントから作製されたサブユニットを含み得る。このようなフラグメントは、細孔形成活性を保持する。フラグメントは、少なくとも50、100、200または250アミノ酸長であり得る。このようなフラグメントは、キメラ細孔を作製するために使用され得る。フラグメントは、好ましくは、配列番号2の細孔形成ドメインを含む。
変異体は、配列番号2のフラグメントまたは部分を含むキメラタンパク質細孔を含む。キメラタンパク質細孔は、各々が配列番号2のフラグメントまたは部分を含むサブユニットから形成される。キメラタンパク質細孔の細孔またはチャネル部分は、典型的に、配列番号2のフラグメントまたは部分から形成される。
1以上のアミノ酸が、上述のポリペプチドへ代替的にまたは追加的に付加され得る。伸長は、配列番号2のアミノ酸配列またはそのポリペプチド変異体もしくはフラグメントのN末端またはC末端で提供され得る。伸長は、非常に短くてもよく、例えば、1〜10個のアミノ酸長であってもよい。または、伸長は、より長くてもよく、例えば、50または100個までのアミノ酸であってもよい。担体タンパク質が、本発明に従うアミノ酸配列へ融合されてもよい。
当該技術分野における標準的な方法が、相同性を決定するために使用され得る。例えば、UWGCG Packageは、相同性を計算するために使用され得る、例えばそのデフォルト設定で使用される、BESTFITプログラムを提供する(Devereux et al (1984) Nucleic Acids Research 12, p387-395)。例えばAltschul S. F. (1993) J Mol Evol 36:290-300;Altschul, S.F et al (1990) J Mol Biol 215:403-10に記載されるような、PILEUPおよびBLASTアルゴリズムが、相同性を計算するかまたは配列を並べる(例えば、等価の残基または対応の配列を同定すること(典型的にそれらのデフォルト設定で))ために使用され得る。
BLAST分析を実行するためのソフトウエアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)から公に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同一の長さのワードとアライメントされた場合にある正の値の閾値スコア(positive-valued threshold score)Tと一致するかまたはこれを満足する問合せ配列中の長さWの短いワードを同定することによって、ハイ・スコアリング・シーケンス・ペア(high scoring sequence pair)(HSP)を先ず同定することを含む。Tは、ネイバーフッド・ワード・スコア・スレショルド(neighbourhood word score threshold)と呼ばれる(Altschulら、前出)。これらの最初のネイバーフッド・ワード・ヒット(initial neighbourhood word hits)は、それらを含有するHSP'sを見出すためのサーチを開始するためのシードとして機能する。前記ワードヒットは、累積的アライメントスコア(cumulative alignment score)が増加され得る限り、各配列に沿って両方向に延長される。各方向における前記ワードヒットについての延長は、以下の場合に停止される:累積的アライメントスコアが、その最大達成値から量X低下する場合;1以上のネガティブスコアの残基アライメント(negative-scoring residue alignments)の蓄積に起因して、累積的スコアがゼロ以下になる場合;またはいずれかの配列の末端に到達する場合。BLASTアルゴリズムパラメータW、TおよびXは、アライメントの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)11、BLOSUM62スコアリングマトリクス(Henikoff and Henikoff (1992) Proc. Natl. Acad. Sci USA 89: 10915-10919を参照のこと)アライメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=4、および両方の鎖(strands)の比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計分析を実行する;例えば、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5787を参照のこと。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1指標は、最小合計確率(smallest sum probability)(P(N))であり、これは、2つのアミノ酸配列間のマッチが偶然生じる確率の表示を提供する。例えば、第2配列に対する第1配列の比較における最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、そして最も好ましくは約0.001未満である場合は、配列は別の配列に類似していると考えられる。
本発明に従って使用される細孔は、例えば、それらの同定または精製を助けるためにヒスチジン残基を付加することによって、または、前記ポリペプチドがこのような配列を天然に含有しない場合に細胞からのそれらの分泌を促進するためにシグナル配列を付加することによって、修飾され得る。固相への結合に好適な形態で前記ポリペプチドを提供することが望ましいかもしれない。例えば、細孔は、膜中へ細孔を挿入するために、固相へ結合され得る。
細孔は、リビーリングラベル(revealing label)で標識され得る。リビーリングラベルは、細孔が検出されるのを可能にする任意の好適なラベルであり得る。好適なラベルとしては、蛍光分子、放射性同位体(例えば125I、35S)、酵素、抗体、ポリヌクレオチド、およびビオチン等のリンカーが挙げられるが、これらに限定されない。
細孔は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)等の細孔作製生物から単離され得、または合成的にもしくは組換え手段によって作製され得る。例えば、細孔は、インビトロ翻訳転写によって合成され得る。細孔のアミノ酸配列は、非天然アミノ酸を含むようにまたは前記化合物の安定性を増加させるように修飾され得る。細孔が合成手段によって作製される場合、このようなアミノ酸は作製の間に導入され得る。細孔はまた、合成または組換え作製に続いて修飾され得る。
細孔はまた、D-アミノ酸を使用して作製され得る。このような場合、アミノ酸は、CからN方向に逆の順番で連結される。このようなタンパク質またはペプチドを作製することについて当該技術分野において、これは慣習的である。
多数の側鎖修飾が、当該技術分野において公知であり、そして細孔の側鎖に対して行われ得る。このような修飾としては、例えば、アルデヒドとの反応続いてNaBH4での還元による還元的アルキル化、アセトイミド酸メチルでのアミジン化、または無水酢酸でのアシル化による、アミノ酸の修飾が挙げられる。
組換え貫通膜細孔は、当該技術分野において公知の標準的な方法を使用して、作製され得る。細孔をコードする核酸配列は、当該技術分野において標準的な方法を使用して、単離および複製され得る。細孔をコードする核酸配列は、当該技術分野において標準的な技術を使用して、細菌宿主細胞中において発現され得る。細孔は、組換え発現ベクター由来のポリペプチドのインサイチュー発現によって細胞中へ導入され得る。発現ベクターは、任意で、ポリペプチドの発現を制御するための誘導性プロモーターを保有する。
細孔をコードする核酸配列は、当該技術分野において標準的な方法を使用して、単離および複製され得る。染色体DNAは、黄色ブドウ球菌等の、細孔作製生物から抽出され得る。細孔をコードする遺伝子は、特定のプライマーを必要とするPCRを使用して、増幅され得る。次いで、前記増幅された配列は、クローニングベクター等の組換え複製可能なベクター中へ組み込まれ得る。前記ベクターは、適合性である宿主細胞中において核酸を複製するために使用され得る。したがって、細孔をコードする核酸配列は、細孔をコードするポリペプチドを複製可能なベクター中へ導入し、該ベクターを適合性である宿主細胞中へ導入し、そして該ベクターの複製をもたらす条件下で該宿主細胞を増殖することによって、作製され得る。前記ベクターは、前記宿主細胞から回収され得る。細孔をコードするポリヌクレオチドのクローニングのために好適な宿主細胞は、当該技術分野において公知であり、そして下記においてより詳細に記載される。
細孔をコードする核酸配列は、好適な発現ベクター中へクローニングされ得る。発現ベクター中において、細孔をコードする核酸配列は、典型的に、宿主細胞による該コード配列の発現を提供し得る制御配列へ機能的に連結される。このような発現ベクターは、細孔を発現するために使用され得る。
用語「機能的に連結された」は、記載される成分が、それらの意図される様式でそれらが機能することを可能にする関係にある並置を指す。コード配列へ「機能的に連結された」制御配列は、制御配列と適合性である条件下でコード配列の発現が達成される様式で、連結されている。同一または異なる細孔遺伝子の複数のコピーが、ベクター中へ導入され得る。
次いで、発現ベクターが、好適な宿主細胞中へ導入され得る。したがって、本発明の方法は、細孔をコードする核酸配列を発現ベクター中へ導入し、該ベクターを適合性である細菌宿主細胞中へ導入し、そして該細孔をコードする該核酸配列の発現をもたらす条件下で該宿主細胞を増殖することによって作製された細胞において行われ得る。または、この様式で作製された組換え細孔が、細菌宿主細胞から単離され、そして別の膜中へ挿入され得る。
前記ベクターは、例えば、複製起点、任意で該核酸配列の発現のためのプロモーター、および任意で該プロモーターのレギュレーターを備えた、プラスミド、ウイルスまたはファージベクターであり得る。前記ベクターは、1以上の選択マーカー遺伝子、例えば、テトラサイクリン耐性遺伝子を含有し得る。プロモーターおよび他の発現調節シグナルは、それについて発現ベクターが設計される宿主細胞と適合性であるように選択され得る。T7、trc、lac、araまたはλLプロモーターが、典型的に使用される。
前記宿主細胞は、典型的に、高レベルで細孔を発現する。細孔をコードする核酸配列で形質転換される宿主細胞は、該細胞を形質転換するために使用される発現ベクターと適合性があるように選択される。前記宿主細胞は、典型的に、細菌性であり、そして好ましくは大腸菌(Escherichia coli)である。λ DE3溶原を有する任意の細胞、例えば、C41 (DE3)、BL21 (DE3)、JM109 (DE3)、B834 (DE3)、TUNER、OrigamiおよびOrigami Bが、T7プロモーターを含むベクターを発現し得る。
細孔は、大規模に作製され、続いて、細孔作製生物からまたは上述の組換え発現後に任意のタンパク質液体クロマトグラフィーシステムによって精製される。典型的なタンパク質液体クロマトグラフィーシステムとしては、FPLC、AKTAシステム、Bio-Cadシステム、Bio-Rad BioLogicシステム、およびGilson HPLCシステムが挙げられる。次いで、天然のまたは組換えで作製された細孔は、本発明に従う使用のために天然のまたは人工の膜中へ挿入され得る。
本発明の方法は、上述の細孔のいずれか1つを使用し得る。
細孔とヌクレオチドとの相互作用
ヌクレオチドは、膜のいずれかの面上の細孔と接触され得る。ヌクレオチドは、膜のいずれかの面上の細孔へ導入され得る。ヌクレオチドは、好ましくは、イオンが細孔へ入りそして電気化学的勾配に沿って膜を横切って流れることを可能にする膜の面上の細孔と接触される。ヌクレオチドは、好ましくは、ヌクレオチドが細孔を通って膜の他方の面へ通過することを可能にする膜の面と接触させられる。例えば、ヌクレオチドは、その天然環境においてイオンまたは小分子(例えば、ヌクレオチド)が細孔のバレルまたはチャネル中へ入ることを可能にする細孔の末端と接触させられ、その結果、イオンまたは小分子は細孔を通過し得る。
ヌクレオチドは、任意の様式でそして任意の部位で、細孔と相互作用し得る。ヌクレオチドは、好ましくは、細孔へ可逆的に結合する。ヌクレオチドは、より好ましくは、細孔のバレルまたはチャネルへ可逆的に結合する。ヌクレオチドは、最も好ましくは、それが膜を横切って細孔を通過する際に、細孔のチャネルまたはバレルへ可逆的に結合する。
ヌクレオチドと細孔との相互作用の間、ヌクレオチドは、そのヌクレオチドについて特異的な様式で、細孔を流れる電流に影響を与える。例えば、特定のヌクレオチドは、特定の時間の間そして特定の程度、細孔を流れる電流を減少させる。コントロール実験が、細孔を流れる電流に対して特定のヌクレオチドが有する効果を測定するために行われ得る。次いで、サンプル中の特定のヌクレオチドを同定するために、またはサンプル中に特定のヌクレオチドが存在するかどうかを測定するために、本発明の方法を試験サンプルに対して行ったことの結果が、このようなコントロール実験由来のものと比較され得る。特定のヌクレオチドを示す様式で、細孔を流れる電流が影響される周波数は、サンプル中のそのヌクレオチドの濃度を測定するために使用され得る。
装置
本方法は、貫通膜タンパク質細孔が膜中へ挿入されている膜/細孔システムを研究するために好適である任意の装置を使用して行われ得る。本方法は、確率的検知のために好適である任意の装置を使用して行われ得る。例えば、装置は、水溶液を含むチャンバおよびチャンバを2つの区域に分離するバリアを備える。バリアは、細孔を含む膜が形成されている開口部を有する。ヌクレオチドは、ヌクレオチドをチャンバ中へ導入することによって、細孔と接触され得る。ヌクレオチドは、チャンバの2つの区域のいずれかの中へ導入され得る。
本発明の方法は、ヌクレオチドとの相互作用の間、細孔を通過する電流を測定することを含む。したがって、装置はまた、膜および細孔を横切る電気信号を適用しそして測定し得る電気回路を備える。本方法は、パッチクランプまたは電圧クランプ(voltage clamp)を使用して行われ得る。本方法は、好ましくは、パッチクランプの使用を含む。実施例は、パッチクランプ法を行う1つの様式を開示する。
分子アダプター
貫通膜細孔は、好ましくは、細孔とヌクレオチドとの相互作用を促進する分子アダプターを含む。該アダプターは、典型的に、ヌクレオチドとのその相互作用を改善する細孔の物理的または化学的性質に対する効果を有する。アダプターは、典型的に、細孔のバレルまたはチャネルの電荷を変化させるか、または特異的にヌクレオチドと相互作用するかもしくはこれへ結合しそれによって細孔とのその相互作用を促進する。アダプターは、好ましくは、ヌクレオチド上の1以上のリン酸基と相互作用するか、またはp−カチオン相互作用によってヌクレオチド中の塩基と相互作用する。アダプターは、ヌクレオチドと細孔との相互作用を媒介し得る。例えば、ヌクレオチドは、アダプターを介して細孔へ可逆的に結合し得る。または、アダプターは、細孔と共にヌクレオチドと相互作用し得る。例えば、ヌクレオチドは、細孔およびアダプターの両方へ可逆的に結合し得る。アダプターは、好ましくは、バレルまたはチャネルを収縮させ、その結果、それはヌクレオチドと相互作用し得る。
アダプター自体が、細孔と可逆的に相互作用し得、そしてしたがって、細孔のバレルまたはチャネルの中または外で移動し得る。または、アダプターは、離れることが出来ないように、細孔のバレルまたはチャネルへ共有結合され得る。
アダプターは、典型的に、アミノ基の環を有する。アダプターは、好ましくは、7個のアミノ基の環を有する。このアミノ基の環は、細孔のバレルまたはチャネルの収縮部中における正に帯電したアミノ酸の環と組み合わせて、ヌクレオチドと相互作用し得る。
1つの好適なアダプターはシクロデキストリンである。該アダプターは、好ましくは、ヘプタキス-6-アミノ-β-シクロデキストリン(am7-β-CD)である。
ヌクレオチド
本発明の方法は、任意のヌクレオチドを同定するために使用され得る。ヌクレオチドは、天然のものまたは人工のものであり得る。ヌクレオチドは、典型的に、核酸塩基、糖、および少なくとも1つのリン酸基を含有する。核酸塩基は、典型的に、複素環式のものである。好適な核酸塩基としては、プリンおよびピリミジン、ならびにより具体的には、アデニン、グアニン、チミン、ウラシルおよびシトシンが挙げられる。糖は、典型的に、五炭糖である。好適な糖としては、リボースおよびデオキシリボースが挙げられるが、これらに限定されない。ヌクレオチドは、典型的に、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドである。ヌクレオチドは、典型的に、モノホスフェート、ジホスフェート、またはトリホスフェートを含有する。
好適なヌクレオチドとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、ウリジン一リン酸(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)、サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシアデノシン二リン酸(dADP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン一リン酸(dGMP)、デオキシグアノシン二リン酸(dGDP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシチミジン二リン酸(dTDP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)、デオキシウリジン二リン酸(dUDP)、デオキシウリジン三リン酸(dUTP)、デオキシシチジン一リン酸(dCMP)、デオキシシチジン二リン酸(dCDP)およびデオキシシチジン三リン酸(dCTP)。ヌクレオチドは、好ましくは、AMP、TMP、GMP、UMP、dAMP、dTMP、dGMPまたはdCMPである。
ヌクレオチドは、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸等の核酸配列の消化から誘導され得る。単一の核酸由来の個々のヌクレオチドが、該核酸の全部または一部を配列決定するために、連続して、細孔と接触され得る。本発明の第2の態様に従って核酸を配列決定することは、下記により詳細に議論される。
ヌクレオチドは、ヌクレオチドが核酸配列の消化から誘導される場合のように、典型的に未修飾である。または、ヌクレオチドは、修飾または損傷され得る。ヌクレオチドは、典型的に、メチル化される。ヌクレオチドは、リビーリングラベルで標識され得る。リビーリングラベルは、ヌクレオチドが検出されることを可能にする任意の好適なラベルであり得る。好適なラベルとしては、蛍光分子、放射性同位体(例えば125I、35S)、およびビオチン等のリンカーが挙げられる。
ヌクレオチドは、典型的に、任意の好適な生物学的サンプル中に存在する。本発明は、典型的に、1以上のヌクレオチドを含有することが既知であるかまたは含有すると思われるサンプルに対して行われる。本発明は、その実体が未知である1以上のヌクレオチドを含有するサンプルに対して行われ得る。または、本発明は、サンプル中におけるその存在が既知であるかまたは予期される1以上のヌクレオチドの実体を確認するために、サンプルに対して行われ得る。本発明は、任意の生物または微生物から得られるかまたは抽出されたサンプルに対してインビトロで行われ得る。生物または微生物は、典型的に、原核生物または真核生物であり、そして典型的に、5つの界の1つに属する:植物界、動物界、菌界、モネラ界および原生生物界。本発明は、任意のウイルスから得られるかまたは抽出されたサンプルに対してインビトロで行われ得る。サンプルは、好ましくは、流体サンプルである。サンプルは、典型的に、患者の体液を含む。サンプルは、尿、リンパ、唾液、粘液、または羊水であり得るが、好ましくは、血液、血漿または血清である。典型的に、サンプルは、起源がヒトであるが、またはそれは、ウマ、ウシ、ヒツジもしくはブタ等の商業的に飼育された動物由来等の別の哺乳動物由来であり得、またはネコもしくはイヌ等のペットであり得る。
サンプルは、典型的に、例えば遠心分離によってまたは望ましくない分子もしくは細胞(例えば、赤血球)を濾別する膜を通過させることによって、アッセイされる前に処理される。サンプルは、採取され次第、測定され得る。サンプルはまた、典型的に、アッセイ前に、好ましくは-70℃未満で、保存され得る。
条件
本発明の方法は、ヌクレオチドとの相互作用の間に細孔を通過する電流の測定を含む。貫通膜タンパク質細孔を通るイオン電流を測定するための好適な条件は、当該技術分野において公知であり、そして実施例に開示される。本方法は、膜および細孔にわたって適用される電圧を用いて行われる。使用される電圧は、典型的に、+50 mV〜+200 mVである。使用される電圧は、好ましくは、+70 mV〜+150 mV、+85 mV〜+145 mV、または+100 mV〜+140 mVである。使用される電圧は、dAMP、dTMP、dGMPおよびdCMP等のデオキシリボヌクレオチド5’モノホスフェートについて約+130 mVであり、そしてAMP、TMP、GMPおよびUMP等のリボヌクレオチド5’モノホスフェートについて+110 mVである。
本方法は、任意のアルカリ金属塩化物塩の存在下において行われる。上記で議論した例示的な装置において、前記塩は、チャンバ中の水溶液中に存在する。塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、または塩化セシウム(CsCl)が、典型的に使用される。KClが好ましい。塩濃度は、典型的に、0.1〜2M、0.3〜1.9M、0.5〜1.8M、0.7〜1.7M、0.9〜1.6M、または1M〜1.4Mである。塩濃度は、好ましくは約1Mである。
本方法は、典型的に、緩衝液の存在下において行われる。上記で議論した例示的な装置において、緩衝液は、チャンバ中の水溶液中に存在する。任意の緩衝液が、本発明の方法において使用され得る。1つの好適な緩衝液は、トリス-HCl緩衝液である。本方法は、典型的に、7.5〜12.0、7.6〜11.0、7.7〜10.0、7.8〜9.5、8.0〜9.0、または8.0〜8.5のpHで行われる。使用されるpHは、好ましくは約8.0である。
本方法は、典型的に、14℃〜100℃、15℃〜90℃、16℃〜80℃、17℃〜70℃、18℃〜60℃、19℃〜50℃、または20℃〜40℃で行われる。本方法は、好ましくは、室温で行われる。
本方法は、好ましくは、dAMP、dTMP、dGMPおよびdCMP等のデオキシリボヌクレオチド5’モノホスフェートについて+130mV、pH 8.0、1M KClで、そしてAMP、TMP、GMPおよびUMP等のリボヌクレオチド5’モノホスフェートについて+110m V、pH 8.0、1M KClで行われる。
核酸を配列決定する方法
第2の態様において、本発明は、標的核酸配列を配列決定する方法であって、(a)プロセッシブエキソヌクレアーゼを使用して該標的配列の一方の末端のから個々のヌクレオチドを消化する工程;(b)該ヌクレオチドを膜貫通タンパク質細孔と接触させ、その結果、該ヌクレオチドが該細孔と相互作用する工程;(c)該相互作用の間に該細孔を通過する電流を測定し、それによって該ヌクレオチドの実体を決定する工程;および(d)該核酸配列の同一の末端で工程(a)〜(c)を繰り返し、それによって該核酸の配列を決定する工程を含む、方法に関する。したがって、第2の態様は、核酸を配列決定するための、核酸配列の各々の単一のヌクレオチドの連続した確率的検知を含む。核酸の全部または一部のみが、第2の態様の方法を使用して配列決定され得る。核酸は、天然のものまたは人工のものであり得る。例えば、第2の態様の方法は、製造されたオリゴヌクレオチドの配列を確認するために使用され得る。第2の態様の方法は、典型的にインビトロで行われる。
第2の態様の方法の工程(b)および(c)は、上記で議論した第1の態様の方法において行われる工程と一般的に同一である。第1の態様に関する、ならびに特に、第1の態様において使用され得る膜、装置、細孔、分子アダプター、ヌクレオチドおよび条件に関する上記議論の全てが、第2の態様に等しく適用される。第2の態様における核酸は、典型的に、第1の態様について上記で議論されたように任意の生物学的サンプル中に存在する。第2の態様の方法は、その配列が未知である1以上の核酸を含有するサンプルに対して行われ得る。または、第2の態様の方法は、サンプル中におけるその存在が既知であるかまたは予期される核酸の実体を確認するために、サンプルに対して行われ得る。核酸配列は、典型的に、第2の態様の方法を使用して配列決定される前に増幅される。
プロセッシブエキソヌクレアーゼ
第2の態様の方法は、核酸配列をプロセッシブエキソヌクレアーゼと接触させ核酸の一方の末端から個々のヌクレオチドを放出する工程を含む。プロセッシブエキソヌクレアーゼは、典型的に核酸配列の一方の末端へ付着しそしてその末端から一度に1つのヌクレオチドで該配列を消化する酵素である。プロセッシブエキソヌクレアーゼは、5’から3’方向でまたは3’から5’方向へ核酸を消化し得る。プロセッシブエキソヌクレアーゼが結合する核酸の末端は、使用される酵素の選択によっておよび/または当該技術分野において公知の方法を使用して、典型的に決定される。核酸配列のいずれかの末端でのヒドロキシル基またはキャップ構造体(cap structures)は、核酸配列の特定の末端へのプロセッシブエキソヌクレアーゼの結合を防止または促進するために典型的に使用され得る。
任意のプロセッシブエキソヌクレアーゼ酵素が、本発明の方法において使用され得る。本発明の方法における使用のために好ましい酵素は、λエキソヌクレアーゼである。λエキソヌクレアーゼの1サブユニットの配列は、配列番号9に示される。3つの同一のサブユニットが相互作用し、3量体エキソヌクレアーゼを形成する。λエキソヌクレアーゼの変異体は、配列番号9のそれとは異なるアミノ酸配列を有しかつプロセッシブエキソヌクレアーゼ活性を保持するポリペプチドサブユニットから形成された酵素である。前記変異体は、上記の配列番号2の変異体について議論したのと同一様式でおよび同一程度に、配列番号9とは異なり得る。変異体は、核酸へ結合しそして核酸を消化する責任を担うドメイン(触媒ドメイン)を好ましくは含む。変異体は、好ましくは、野生型酵素と比較して、減少された酵素活性速度および/またはより高い塩耐性を有する。プロセッシブエキソヌクレアーゼは、貫通膜タンパク質細孔の作製について上記で議論された方法のいずれをも使用して作製され得る。
第2の態様の方法は、核酸配列をプロセッシブエキソヌクレアーゼと接触させ、その結果、ヌクレオチドが、本発明の第1の態様に従う各個々のヌクレオチドの同定を可能にする速度で、該核酸の末端から消化される工程を含む。これを行うための方法は、当該技術分野において周知である。例えば、エドマン分解が使用され、ポリペプチドの末端から単一のアミノ酸を連続的に消化し、その結果、それらが高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して同定され得る。類似の方法が、本発明において使用され得る。
プロセッシブエキソヌクレアーゼは、好ましくは、貫通膜タンパク質細孔へ共有結合される。細孔へプロセッシブエキソヌクレアーゼを共有結合するための方法は、当該技術分野において周知である。
プロセッシブエキソヌクレアーゼが第2の態様の方法において機能しなければならない速度は、典型的に、野生型プロセッシブエキソヌクレアーゼの最適速度よりも遅い。第2の態様の方法におけるプロセッシブエキソヌクレアーゼの好適な活性速度は、毎秒0.5〜1000ヌクレオチド、毎秒0.6〜500ヌクレオチド、毎秒0.7〜200ヌクレオチド、毎秒0.8〜100ヌクレオチド、毎秒0.9〜50ヌクレオチド、または毎秒1〜20もしくは10ヌクレオチドの消化を含む。前記速度は、好ましくは、毎秒1、10、100、500または1000ヌクレオチドである。好適なプロセッシブエキソヌクレアーゼ活性速度は、種々の様式で達成され得る。例えば、低下された最適活性速度を有する変異体プロセッシブエキソヌクレアーゼが、本発明に従って使用され得る。
プロセッシブエキソヌクレアーゼの活性は、典型的にpH依存性であり、その結果、pHが低下すると、それらの活性が落ちる。したがって、第2の態様の方法は、典型的に、7.5〜8.0、または7.7〜8.0のpHで行われる。使用されるpHは、好ましくは約8.0である。
プロセッシブエキソヌクレアーゼの活性速度は、典型的に、塩濃度が上昇すると、落ちる。しかし、非常に高い塩濃度は、典型的に、酵素の活性に対して悪影響を有する。酵素の速度を制限する別の様式は、その活性に悪影響を与えることなしに酵素の活性速度を低下させる塩濃度で第2の態様の方法を行うことである。例えば、第2の態様の方法は、0.5〜1Mの塩濃度で行われ得る。塩濃度は、好ましくは約1Mである。
キット
第3の態様において、本発明はまた、本発明の第2の態様を行うために使用され得るキットに関する。したがって、該キットは、核酸を配列決定するために好適である。キットは、シクロデキストリンおよびプロセッシブエキソヌクレアーゼを含む。シクロデキストリンは、好ましくは、ヘプタキス-6-アミノ-β-シクロデキストリンである。プロセッシブエキソヌクレアーゼは、第2の態様を参照して上記で議論されたもののいずれかであり得る。キットは、好ましくは、貫通膜タンパク質細孔をさらに含む。細孔は、第1の態様を参照して上記で議論されたもののいずれかであり得る。
キットは、上述の本発明の態様のいずれかが行われることを可能にする1以上の他の試薬または器具をさらに含み得る。このような試薬または器具としては、以下の1以上が挙げられる:好適な緩衝液(水溶液)、被検体からサンプルを得るための手段(例えば、注射針を含む器具または容器)、核酸配列を増幅するための手段、上述の膜、または電圧もしくはパッチクランプ装置。試薬は、流体サンプルが該試薬を再懸濁するように、乾燥状態でキット中に存在し得る。キットはまた、任意で、該キットが本発明の方法において使用されることを可能にする指示書、または本方法が使用され得る患者に関する詳細を含み得る。キットは、任意で、ヌクレオチドを含み得る。
以下の実施例は、本発明を説明する。
実施例
α溶血素(M113R)7突然変異体(図1A)のイオン伝導路のサイズを、検出されるヌクレオチドのサイズへより近づけるために、ナノ細孔の直径を、該細孔の収縮部の近くにシクロデキストリンをフィットさせることによって縮小した。第1級の位置(the primary positions)に7つのアミノ基を有する、ヘプタキス-6-アミノ-β-シクロデキストリン(am7-βCD)(図1B)を使用した。前記タンパク質変異体上の113位の7つのアルギニンと共に、前記シクロデキストリンが細孔内にある場合(図1C)、一方の面上の7つのアミノ基の1つの環、および7つのアルギニン基の第2の環は、細孔を通る通路の最も狭い領域において、互いに短い距離内に存在する。このアミノ/アルギニン環構造は、リン酸基を可逆的に結合しそれによって5〜30ms間細孔中にXMPおよびdXMPを固定する特性を有する。これらの結合事象は、得られる電流振幅変化によって明確に検出可能である。
1. 材料および方法
α溶血素突然変異体(M113R)7を、以前に記載されるように(Cheley, S., L.-Q. Gu, et al. (2002), Chem. & Biol. 9: 829-838)、発現させ、そして精製した。
化学物質
1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンはAvanti Polar Lipids Incから購入した。ペンタンをJT Bakerから購入し、そしてヘキサデカン99+%をSigma- Aldrichから購入した。ヘプタキス(6-デオキシ-6-アミノ)-β-シクロデキストリン.HCl>99%をCYCLOLAB Ltd Budapest, Hungaryから購入した。2-デオキシ-グアノシン5’一リン酸ナトリウム塩99%をAcrosから購入し、2-デオキシ-シトシン5’一リン酸二ナトリウム塩>95%、2-デオキシ-チミジン5’一リン酸二ナトリウム塩>97%、および2-デオキシ-アデノシン5’一リン酸二ナトリウム塩>95%をFlukaから購入した。ウリジン5’一リン酸二ナトリウム塩99%、およびシトシン5’一リン酸>98%をFlukaから購入した。アデノシン5’一リン酸99%、およびグアノシン5’一リン酸二ナトリウム塩97%をAcrosから購入した。Trizma Base 99.9%をSigma-Aldrichから購入し、そして濃HCl分析試薬等級をFisher Scientificから購入した。塩化カリウム99%、塩化ナトリウム99.9%をSigma-Aldrichから購入した。ヨウ化カリウム99.5%および塩化セシウム99%をFlukaから購入した。
機器
Axon instruments製のパッチクランプ増幅器Axopatch 200Bを、Digidata 1200 A/Dコンバータ(Axon instruments)を備えたコンピュータと共に使用した。Teflonチャンバを使用した。データをpClamp 9.2において回収し、そしてClampfit 9.0において分析した。プロットおよびグラフをMicrocal Origin 6.0で得、そして積分(integration)を個人用計算機において実行した。
実験条件
脂質二重層膜を、トランスおよびシスチャンバを隔離する20μmポリカーボネートフィルム(Goodfellow, Malvern PA製の20μm厚)中の100-150μm直径オリフィス(orifice)上に、MontalおよびMueller(1972)の方法によって1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンから形成した。チャンバのシス側は地面にあり、そしてチャンバのトランス側はヘッドステージ(head stage)へ接続された。電位は、トランス側の電極の電位を指す。アダプター分子をトランス側へ添加し、前記α溶血素突然変異体および被検体分子をシス側へ添加した。dXMP実験を+130mVで行い、XMP実験を+110mVで行った。ここで報告される全ての実験は、1M KCl中pH 8.0 トリス-HCl 25 mMで得られた。ヌクレオチド溶液の新鮮なアリコートを毎日使用した。特に述べない限り、実験を室温22.5 +/- 2℃で行った。
2. 結果
2-デオキシ-ヌクレオチド5’モノホスフェートは、(Ml13R) 7 /ヘプタキス6アミノβ-シクロデキストリンによって形成されたホモ7量体(homoheptameric)細孔を部分的に遮断する
シングルチャネルレコーディング(single-channel recordings)を、トランス側から適用されたam7-βCDと共にαHL-M113Rから形成されたホモ7量体細孔において行った(図2Aおよび2B)。am7-βCDの非存在下において、細孔は、pH 8.0 トリス-HCl 25mM緩衝液中の1M KCl中おいて、145±5 pA(+130 mV)の単位電流(unitary current)(L1)で、常時開いたまま(図2Aおよび2B、B)であった。トランスチャンバのみの中における40 μM am7-βCDの添加は、65±5 pAの電流レベルまで可逆的遮断事象へ導く(図2A、Bおよび図2B、C中のL2)。シスチャンバへの5μM dCMPの添加時に、第3の電流レベルが、電流レベルL2に由来する、22±1 pA(図2A、Cおよび図2B、D中のL3)で観察される。L3は、am7-βCDとの(M113R)7の複合体へのdCMPの結合を示す。チャンバのシス側の代わりにトランス側への300 μMまででのdXMPの添加は、前記シクロデキストリン結合伝導状態(binding conductance states)のいかなる変化へも至らなかった(データは示さず)。
上記の実験条件において、シクロデキストリン結合に起因する電流遮断事象は、未修飾のβ-シクロデキストリンがαHL-M113Rシングルナノ細孔(single nanopore)の存在下でトランスチャンバへ添加される(40 μM)場合に、観察された。しかし、dXMP(300 μMまで)がトランスまたはシスチャンバのいずれかへ添加された場合、さらなる電流遮断事象は観察されなかった(データは示さず)。
トランスチャンバ中におけるam7-βCDの非存在下で、最小濃度の300μM dGMPまたはdTMPがシスチャンバへ添加された場合、遮断事象(<1ms)が観察された(データは示さず)。これらの事象は、5μM dXMPまたはXMPで実験のタイムスケールにわたって観察されなかった。
野生型α-HLシングルチャネルを通る電流を測定しながらトランスチャンバ中にam7-βCDを添加は、シクロデキストリン結合事象を導き、しかしシスまたはトランスチャンバのいずれかへdXMPを添加した場合、電流のさらなる変化は観察されなかった。
2-デオキシ-ヌクレオチド5'モノホスフェートは、(M113R) 7 /ヘプタキス6アミノβ-シクロデキストリンによって形成されたホモ7量体細孔の部分的遮断の振幅から同定され得る
一過性複合体(M113R)7/am7-βCDの部分的遮断は、どのdXMPがシスチャンバへ添加されるかに依存して、振幅が異なった(図3)。シス側へのdGMP(5 μM)の添加は、16 pAの電流レベルへの平均遮断を示した(図3A)。図3Aに示されるトレースの全点振幅ヒストグラム(all points amplitude histogram)は、dGMPの構造と共にトレースの右に示される。他のヌクレオチドは全て、dTMPについての図3B、dAMPについての3C、およびdCMPについての3Dに示されるのとは異なる振幅を示す。前記4つのdXMPうち、dGMPが最も多くの電流を遮断する。
独立した実験からの電流振幅は、タンパク質ナノ細孔の特性に由来するいくつかのバリエーションを示した。(M113R)7について、+130 mVで、平均電流は、139 pAであるが、あるチャンネルは、147 pAまでの高い電流を示しそして131 pAまでの低い電流を示す。したがって、電流トレースを比較するために、電流トレースを、0電流と65 pAへ設定された(M113R)7/am7-βCD電流レベルとの間の種々の実験から標準化した。
各dXMPの滞留時間(τoff)を、3つの独立した実験の各々からの500個の事象にわたって計算した(表1)。
(表1)3つの独立した測定値から平均されたdGMP、dTMP、dAMP、およびdCMPの滞留時間(ms)
Figure 0005328362
シクロデキストリン電流レベル
pH 8.0で、突然変異体(M113R)7は、タンパク質チャネルが空いている(unoccupied)場合、2つの電流レベルL1/L1’を示す(図4)。シクロデキストリンアダプターは、前記タンパク質がどの電流レベルL1/L1’にあるかに関わらず、前記タンパク質へ結合し得る。
(M113R)7ナノ細孔の電流レベルを記録する際に、2つの電流レベルが観察される(図4)。L1は、図4の挿入部分に示されるように、主要電流レベルである。ナノ細孔へのam7-βCDの結合は、L2およびL2’によって示される2つの電流レベルへと至る(3つのレベルが、pH 7.5で観察される(示されず))。タンパク質ナノ細孔へのam7-βCDの結合は、電流レベルL1またはL1’に独立して起こる。L2は、am7-βCDが(M113R)7へ結合される場合に観察された主要伝導レベル(conductance level)であり、そしてそれは、明白な相関関係なしに、空のナノ細孔のL1およびL1’伝導レベルの両方に由来する。am7-βCDが(M113R)7へ結合される場合に観察された電流レベルL2’は、該シクロデキストリンアダプターが結合された場合の伝導の15%未満を占める(図4挿入部分を参照のこと)。
ヌクレオチド結合事象は、時々、L2およびL2’のどちらの電流レベルにそれらが由来するかの結果として、振幅が異なる。dXMP結合事象がL2またはL2’のどちらに由来するかに依存して、0.5pAシフトが観察された(示さず)。それは、ヌクレオチド結合事象ヒストグラムの増加した重複へ至る(図5)。
図3に記載される、結合されたシクロデキストリン電流レベルL2’に起因する各々の被検体結合事象を除去するために、各々の記録を手動で分析することが可能である。図5は、未修飾のdXMP検出電流記録(図5A)と、レベルL2’(図4)を超える(stemming off)被検体結合事象が除去された同一の記録とから得られた単一事象分析ヒストグラム間の差異を示す。2つのヒストグラムは、dGMP、dTMP、dAMP、およびdCMPに対応する同一の4つのピークを示す。図5Aにおけるピークの振幅は、5Bにおけるものよりも大きく、何故ならば、L2’を超える(stemming off)被検体結合事象が除去されているためであり、したがって、該ヒストグラムは、より少ない事象に由来する。各ピーク間の分離は、5Aにおけるよりも5Bにおいてより良好であるようである。しかし、記録からこれらの事象を除去することは、各ピークの完全な分離をもたらさなかった(図5B)。結果として、図4に示されるシクロデキストリン電流レベルL2およびL2’は、単一事象分析ヒストグラム、および本明細書以下で報告される得られる統計値において、考慮されなかった。
2-デオキシヌクレオチド5’モノホスフェートは、一過性複合体(M113R) 7 /ヘプタキス6アミノβ-シクロデキストリンによって形成された7量体細孔の部分的遮断の振幅から同定され得る
(M113R)7/am7-βCD細孔の部分的遮断は、どのdXMPがシスチャンバへ添加されるかに依存して、振幅が異なることが分かった。異なる振幅は、dGMP、dTMP、dAMP、およびdCMPが同時にシスチャンバへ添加された場合、分解され(resolve)得た(図5)。
図6Aは、単一実験からの全ての4つのヌクレオチドの混合溶液についての電流振幅を示す。各dXMPの振幅分布を示すために、着色されたバンドが、記録された電流トレース上へ重ね合わせられる。図6Bは、各ヌクレオチドによって発生された振幅分布であると思われる8000個の事象の電流トレースの振幅ヒストグラムを示す。振幅ヒストグラムをガウス分布と重ね合わせる。独立して各ヌクレオチドの分布をフィットしそして平均化することから得られたσ値および分布平均値として、この実験によって与えられたピーク電流値からフィットが得られる(表2)。電流トレースをガウス分布とフィットさせることから、各ヌクレオチドについての同定の確率を確立した。
統計的方法
トランス側におけるam7-βCDおよびシス側における被検体ヌクレオチドの1つの存在下での(M113R)7の電流トレースを、300Hz(ローパスガウスフィルター)でデジタル的にフィットさせ、そして全点振幅ヒストグラムを構築した。これらのヒストグラムは、am7-βCDが(M113R)7α溶血素突然変異体へ結合した場合に観察される電流振幅に対応する大きなピークを示す(図1中のL2に対応)。この電流振幅は、実験ごとに5%内で、タンパク質チャネル間で異なる。このため、全点振幅ヒストグラムを、0電流と、65 pAで設定された主要シクロデキストリンピークとの間で標準化した。標準化されたヒストグラムにおいて、ヌクレオチドピークをガウス分布へフィットした。同一のヌクレオチドの平均値およびシグマ(σ)値を、各々1000事象を含む少なくとも3つの独立した実験から平均化した(表2に列挙される値)。
(表2)全て0と65 pAとの間で標準化された、3つの独立した実験からの、各ヌクレオチドの分布の平均値
Figure 0005328362
各塩基の読み取りについての確率を、各トレース中の少なくとも3000ヌクレオチド結合事象にわたって同時に存在する全ての4つのヌクレオチドでの実験から決定した。トレースをフィルターし(300Hzローパスガウスデジタルフィルター)、そして個々のヌクレオチド実験について上述したように、0と65 pAでのシクロデキストリンピークとの間で標準化した。各ヌクレオチドのピーク値を、5つの独立した実験から平均化した(表3)。
(表3)5つの独立した実験からの、全ての4つのヌクレオチドが存在する、各ヌクレオチドのピーク値。最終列は、ガウス分布の重複が積分された各ピークの平均値を示す。
Figure 0005328362
全ての4つのヌクレオチドが存在する実験において、全ての4つのヌクレオチドからのガウス分布は、重複を有する。このヌクオチドのガウス分布とその隣接物のそれとの間の重複のレベルから、それ自体として同定される1つのヌクレオチドまたは別のヌクレオチドからの結合シグナルについて、統計値を計算した。
2つのガウス分布間の交差点を、それぞれのピーク位置(混合されたヌクレオチドでの実験によって提供される)、および各分布についてのσ値(個々のヌクレオチド実験のフィッティングによって提供される)から計算する。精度確率(accuracy probability)は、隣接するガウス分布とのインターセプト値(intercept value)を超えるガウス分布の領域を積分することによって与えられる(図6、表4)。表4の第1列は、ナノ細孔と相互作用するヌクオチドであり、そして第1行は、対応の電流振幅から読み取られるものである。
(表4)それ自体として検出される添加されたヌクレオチド(垂直)または別のヌクレオチド(水平)の確率を示す。
Figure 0005328362
3. 結論
示される結果は、確率的検知は、単一ヌクレオチドの同一についての見込みのある代替法であることを示している。それはまた、エキソヌクレアーゼ配列決定が、安価であり、迅速であり、かつ簡単な、単一分子レベルでのDNA配列決定法として使用され得ることを意味する。エキソヌクレアーゼ配列決定はまた、DNAを配列決定する安価な方法であり、それは何故かと言うと、フルオロフォア等の高価な試薬を必要としないためである。
全点ヒストグラムは、74〜94%の範囲の精度で各ヌクレオチドを同定するために十分な分析方法である(表4)。XMPおよびdXMPの滞留時間値は、各被検体をさらに識別する(differenciate)には条件が非常に類似している。振幅ヒストグラムから引き出される統計値は、図4に示されるように、シクロデキストリン電流レベルを補うことによって、さらに改善され得る。各dXMP間の電流振幅差異は、約1 pAである。この分解能(resolution)は、下記のような多数のパラメータに依存する。
電圧依存
結合事象は電圧依存性である。50 mVで、非常に少ない結合事象が観察され、これは、dXMPおよびXMPを結合部位へ推進するために最小場(minimum field)が必要とされることを示唆している。+150および+200 mVでの振幅では、ヌクレオチドの識別はもはや可能ではない。+130 mVが、デオキシリボヌクレオチド5’モノホスフェートについて最善な電圧であると分かり、そして+110 mVは、リボヌクレオチド5’モノホスフェートについて最善の分解能を提供した。
塩濃度
トリス-HCl pH 8緩衝液 0.5、1および2M KClを試験した。全点振幅ヒストグラムから、ピーク間の最善の分解能は、1M KClで得られた。
pH依存
電流振幅はpH依存性であり、トリスHCl緩衝液1M KClを、pH 7.5、8.0、8.2、8.5、9.0、および9.5で、試験した。pH 8.0以上で、上記2つの電流レベルが、am7-βCDの結合時に観察される(図4)。pH 7.5で、ヘプタキス6アミノβ-シクロデキストリンは、第3の電流レベルを示す(示さず)。これは、異なる振幅を有する2つのタイプの事象をdTMPに示させ、その1つはdGMP事象の範囲内にあり、したがって分解能の喪失を導く。pH 9.5で、ヌクレオチド結合事象は、もはや観察されない。最善のピーク分離は、pH 8.0で得られる。
塩依存
dXMPおよびXMP間の分解能は、NaClまたはCsClを用いるよりも、KClを用いてより良好である。1M KClは、2M KClよりもより良好な分解能を生じる。各結合事象が一過性複合体(M113R)7/am7-βCDの完全な遮断へ導いたため、KBrの使用は、異なるヌクレオチドの同定を可能にしなかった。
温度依存
温度を14℃へ低下させることまたはそれを50℃へ上昇させることは、dXMP/XMPの検出を妨げなかった。しかし、それは、振幅ヒストグラムの分解能を改善しなかった。
他のα溶血素変異体
(M113N)7はam7-βCDに結合すると見られたが、ヌクレオチド検出は観察されなかった。(M113F)7および(M113F/147K)7は、am7-βCDが添加されるかどうかに関わらず、検出を生じなかった。(M113K)7を同一条件で試験した。この場合、記録は、図1のそれと非常に類似する。ヌクレオチド結合は、(M113K)7突然変異体およびam7-βCDを用いて検出されたが、ヌクレオチド間のピーク分離は、(M113R)7が使用された場合よりも小さかった。
リボヌクレオチド5’モノホスフェート
XMPが本方法で首尾良く同定され、各塩基間の分解能は、U、A、およびCについて1pAよりも小さなピーク分離を伴って、dXMPのそれよりも劣っていた。全点ヒストグラム電流振幅は、dXMPのそれらと同一の順序で現れ、GMPは最も低い電流(最も大きな遮断)を示し、UMP、AMPが続き、そしてCMPは最も高い電流振幅(最も小さな遮断)を伴う。XMP同定についての最適な電圧は、pH 8.0 1M KClで、+110mVであると分かった。
機構
(M113R)7/am7-βCD一過性複合体はまた、グルコースリン酸(グルコース1Pおよびガラクトース1P)に結合しそしてこれを識別することが示された。それは、一方の面上のアルギニン環、他方の面上のam7-βCDからのアミン環およびリン酸基間の強力な相互作用を示唆する。未修飾のβ-シクロデキストリンは、いずれの検出をも生じさせない。XMPおよびdXMP間で僅かな差異が観察され、これは、ヒドロキシル基が結合において大きな役割を果たしていないことを示唆している。
α溶血素(M113R)7突然変異体およびヘプタキス-6-アミノ-β-シクロデキストリン(am7-βCD)を示す。A−α溶血素構造を通過する矢印方向の切断部(sagittal cut)、113位が矢印によって示されている。B−am7-βCDの空間充填構造(spacefilled structure)。C−am7-βCDおよびα溶血素(M113R)7の可能性のある相互作用。 dCMP検出を示す。A−+130 mVでの、リン脂質二重層中に挿入された単一(M113R)7突然変異体の電流トレース。L1は、空いているタンパク質ナノ細孔の電流を同定する。B−トランスチャンバ中の40μM am7-βCDの存在下。L2は、am7-βCDがナノ細孔内に一時的に結合した場合に観察された電流レベルを示す。C−dCMP 5μMが、ここで、シスチャンバへ添加される。L3は、dCMPが一時的複合体(M113R)7/am7-βCDへ結合する場合に観察される電流レベルを示す。 α溶血素(αHL)細孔とヘプタキス-(6-デオキシ-6-アミノ)-β-シクロデキストリン(am7βCD)およびdCMPとの相互作用(nteraction)を示す。A−Met-113がArgで置換されている、7量体αHL細孔(7AHL)のモデル。ChemDraw Ultraにおいて作製された横断面におけるam7βCDのモデルが、Arg側鎖(これは、トランス側から細孔へ入る際の前記シクロデキストリンの通過を遮断する)からファンデルワールス距離に手動で配置されている。am7βCDが細孔内に存在する場合、正電荷の2つの環、前記シクロデキストリンによって提供される7個の第1級アミノ基の1つの環、および7個のアルギニン側鎖の第2の環は、約10Å隔てられている。アミノシクロデキストリンは、プロトン化アミノ基とのイオン相互作用にあるリン酸基を有するヌクレオシド一リン酸に結合することが以前に示された。このような複合体の全体的な安定性は、ヌクレオチド塩基とArg側鎖との間のp-カチオン相互作用によって増強されることが可能である。リン酸基がam7βCDのプロトン化アミンと相互作用し、かつ、シトシン環がArg側鎖のグアニジニウム基と相互作用するように、dCMP分子は配置される。B−+130 mVでの単一(Ml13R)7細孔からの電流トレース。L1は、右にモデルとして示される、空いているタンパク質ナノ細孔を流れる電流を同定する。C−トランスチャンバへの40μM am7βCDの添加後の電流トレース。L2は、am7-βCDがナノ細孔内に結合される際に観察される電流レベルを示す。D−シスチャンバへの5μM dCMPの添加後の電流トレース。L3は、dCMPが(M113R)7・am7βCD複合体へ結合する際に観察される電流レベルを示す。 dXMP電流振幅を示す。+130 mV電位での、リン脂質二重層中に挿入された単一(M113R)7細孔の電流トレース。40μM am7-βCDが、トランスチャンバ中に存在する。A− dGMP 5 μMがシスチャンバへ添加される。電流トレースの全点ヒストグラムが、dGMP、dTMP(B)、dAMP(C)、およびdCMP(D)の構造と共に右側に示される。 シクロデキストリン電流レベルを示す。+130 mVでの、40μM am7-βCDがトランスチャンバ中に存在する、リン脂質二重層中に挿入された単一(Ml113R)7突然変異体の電流トレース。L1およびL1’は、空いているナノ細孔の2つの電流レベルを示し、そしてL2およびL2’は、(M113R)7へのam7-βCDの結合から生じる2つの電流レベルを示す。挿入部分は、電流レベルL1、L1’、L2、L2’に対応するピークを有する電流トレースの振幅ヒストグラムを示す。 単一事象分析を示す。Aは、同一溶液中の全ての4つのdXMP由来のL3電流レベルの単一事象分析ヒストグラムを示す。Bは、L2のみに由来するL3の単一事象分析ヒストグラムを示す。5 μMのdGMP、dAMP、dCMP、および10μMのdTMPが、シスチャンバ中に存在する。 dXMPの同時検出を示す。Aは、リン脂質二重層中に挿入された単一(M113R)7突然変異体の電流トレースを示し、+130 mV電位が、Ag/ AgCl電極間に適用される。緩衝液は、1M KClを含むトリス-HCl 25 mM pH 8.0である。40μM amr-βCDがトランスチャンバ中に存在する。5μMのdGMP、dTMP、dAMP、およびdCMPが、シスチャンバ中へ添加される。無色バンドは、各dXMPの振幅分布を示す。Bは、8000個の結合事象の電流トレースからの全点ヒストグラムを示す。各ピークは、各dXMPの統計的分布で重ね合わせられる。 統計的方法を示す。2つのガウス分布AおよびBは、交差点Iで重なる。交差点Iを超えるガウス分布Aの領域は積分され、そして集団Bとして特定される集団Aの確率を示す。

Claims (10)

  1. 個々のモノホスフェートヌクレオチドを同定する方法であって、
    (a)該モノホスフェートヌクレオチドを膜貫通タンパク質細孔と接触させ、その結果、該モノホスフェートヌクレオチドが該細孔と相互作用する工程であって、
    前記細孔が、前記モノホスフェートヌクレオチドと前記細孔との相互作用を促進するシクロデキストリン含みかつ更に前記細孔が、(i)7つの同一の、配列番号2に示されるサブユニットから形成されているα溶血素、または(ii)7つのサブユニットのうち1つ以上が全配列にわたって配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ細孔活性を保持する、その変異体である
    前記工程、ならびに
    (b)該相互作用の間に該細孔を通過する電流を測定し、それによって該モノホスフェートヌクレオチドの実体を決定する工程
    を含む、方法。
  2. 相互作用が、モノホスフェートヌクレオチドが細孔のチャネルへ可逆的に結合することを伴う、請求項1記載の方法。
  3. 前記7つのサブユニットのうち1つ以上がM113Rである、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記分子アダプターが、ヘプタキス-6-アミノ-β-シクロデキストリン(am7-β-CD)である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 前記個々のモノホスフェートヌクレオチドが、モノホスフェートリボヌクレオチドまたはモノホスフェートデオキシリボヌクレオチドである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 工程(a)の前にリボ核酸(RNA)配列を消化し前記個々のモノホスフェートヌクレオチドを提供する工程をさらに含む、請求項5記載の方法。
  7. 工程(a)の前にデオキシリボ核酸(DNA)配列を消化し前記個々のモノホスフェートヌクレオチドを提供する工程をさらに含む、請求項5記載の方法。
  8. 前記RNAまたはDNA配列の2つ以上の前記個々のモノホスフェートヌクレオチドを、連続して、前記細孔と接触させ、その結果、該配列の全部または一部の実体が決定され得る、請求項6または7記載の方法。
  9. 標的核酸配列を配列決定する方法であって、
    (a)プロセッシブエキソヌクレアーゼ(processive exonuclease)を使用して該標的配列の一方の末端から個々のモノホスフェートヌクレオチドを消化する工程;
    (b)該モノホスフェートヌクレオチドを膜貫通タンパク質細孔と接触させ、その結果、該モノホスフェートヌクレオチドが該細孔と相互作用する工程であって、
    前記細孔が、前記モノホスフェートヌクレオチドと前記細孔との相互作用を促進するシクロデキストリン含みかつ更に前記細孔が、(i)7つの同一の、配列番号2に示されるサブユニットから形成されているα溶血素、または(ii)7つのサブユニットのうち1つ以上が全配列にわたって配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ細孔活性を保持する、その変異体である
    前記工程;
    (c)該相互作用の間に該細孔を通過する電流を測定し、それによって該モノホスフェートヌクレオチドの実体を決定する工程;および
    (d)該核酸配列の同一の末端で工程(a)〜(c)を繰り返し、それによって該核酸の配列を決定する工程
    を含む、方法。
  10. 核酸を配列決定するためのキットであって、
    − シクロデキストリン;
    − プロセッシブエキソヌクレアーゼ;および
    − 膜貫通タンパク質細孔であって、前記細孔が、(i)7つの同一の、配列番号2に示されるサブユニットから形成されているα溶血素、または(ii)7つのサブユニットのうち1つ以上が全配列にわたって配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ細孔活性を保持する、その変異体である、前記膜貫通タンパク質細孔
    を含む、キット。
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