JP5328021B2 - 導電線絶縁被膜の剥離装置及びそれを用いた導電線絶縁被膜の剥離方法。 - Google Patents

導電線絶縁被膜の剥離装置及びそれを用いた導電線絶縁被膜の剥離方法。 Download PDF

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Description

本発明は、導電線絶縁被膜の剥離装置及びそれを用いた導電線絶縁被膜の剥離方法に関する。更に詳しくは、極細の導電線に好適な絶縁被膜の剥離装置及びそれを用いた導電線絶縁被膜の剥離方法に関するものである。
従来、この種の絶縁被膜付導電線を端子やリード線に半田付け、ロウ付けする場合、その絶縁被膜をその都度剥してから半田付け、ロウ付け等がされる。この絶縁被膜の剥離作業を効率的に行うため、従来から、導電線の供給経路中に絶縁被膜の剥離装置を設け、供給中の導電線の絶縁被膜を必要なタイミングで剥離する方法が知られている。
そして、このような剥離装置として、駆動手段のモータにより回転される回転部材と、その回転部材にピンにより揺動自在に枢支された揺動アームと、その揺動アームの一端側に設けた錘と、他端に設けたカッタ及び摩擦部材と、その揺動アームをカッタが待機する方向へ付勢するコイルバネからなる付勢手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような剥離装置では、モータの回転により、回転部材を回転させて、錘に遠心力を発生させて、付勢手段の付勢力に抗して揺動アームを揺動させ、そのアームの他端に設けられたカッタを導電線の被膜に食い込ませることにより、その被膜を除去するようになっている。そして、導電線へのカッタの接触圧は、錘に作用する遠心力で決められるようになっている。
しかし、揺動アームを有する上記従来の剥離装置では、導電線が太い場合には回転部材の回転速度を高くしてある程度大きい接触圧を与えても導電線に断線などがなく効率的に絶縁被膜を剥離できるものの、揺動アームの支点とカッタまでの距離が比較的長く、カッタの移動量が比較的大きいことから導電線へのカッタの接触圧が回転部材の回転速度に正確に比例せずにばらつくと言う不具合があった。このため、導電線が細い場合には回転部材の回転速度を低くして小さい接触圧を与えようとしても、そのばらつきによりその接触圧が高まり、その導電線が断線する不具合があった。一方、このばらつきを考慮して、導電線が細い場合の回転部材の回転速度をより低くすると、その接触圧が著しく低下して絶縁被膜の剥離を完全に行うことができない場合もあった。また、この導電線への接触圧を調整するため、錘の重量や錘の取付け位置を変更することも考えられるが、試行錯誤の煩雑な作業を伴い、微妙な剥離量の管理を行うことが難しいものであった。
このような不具合を解消すべく、本出願人は、回転部材の中心軸回りに等間隔に複数のカッタシャフトをそれらの軸心を中心にそれぞれが回動可能に配置した剥離装置を提案した(例えば、特許文献2参照。)。この剥離装置では、そのカッタシャフトの前端にカッタシャフトの回転により回転部材の前端から前方に突出した導電線に接離可能なカッタを設け、そのカッタシャフトの後端に回転部材の回転に伴う遠心力によりカッタを導電線側に押圧するようにカッタシャフトを回動させる錘を設けている。
この導電線絶縁被膜の剥離装置では、回転部材の回転速度に応じて、遠心力により錘がカッタシャフトを回転させ、カッタの刃部を導電線の軸心側に移動させてその刃部を導電線の被膜に食い込ませることにより、その被膜を除去するようになっている。このようにシャフトと共にカッタ自体を回動させることにより、揺動アームを用いる場合に比較してカッタの移動量を小さくすることができ、導電線へのカッタの接触圧を比較的安定させることができるので、導電線が細い場合であってもその導電線を断線させることなく絶縁被膜を剥離することができるようになっている。
そして、図6に示すように、このカッタシャフト2を備えた導電線絶縁被膜の剥離装置では、遠心力Fに対抗してカッタを導電線から離反する方向にカッタシャフト2を回動付勢するコイルバネ3を更に設けている。このコイルバネ3は錘4にシャフト2と偏倚して設けられたピン5と回転部材6に固定された取付リング7との間に架設され、そのピン5を介して遠心力Fによりシャフト2を中心として回転しようとする方向と逆方向に錘4を引張り、カッタを導電線から離反する方向にカッタシャフト2を回動付勢するようになっている。このため、このコイルバネ3はその引張り力Gにより錘4に加わる遠心力Fを受止め、両者が釣合う状態までカッタシャフト2を回動させる。従って、回転部材6の一点鎖線矢印で示すような方向の回転速度を高めるとカッタシャフト2の回動量が増加し、その前端に設けられたカッタがより導電線の軸線に近い位置まで移動することになる。よって、回転部材6の回転速度を調整することでカッタの回転中の位置を調整することができ、導電線の線径に対応して回転部材6の回転速度を変更調整することで、剥離作動中の導電線にカッタが過度に押圧されることを防止することができ、断線や導電部の削り取り等を防止するとともに、導電線が細い場合にも断線することなく絶縁被膜の剥離を行うことができると期待された。
特開平10−322833号公報 特開2002−101516号公報
しかし、カッタシャフト2を用いた上記剥離装置では、カッタを導電線から離反する方向にカッタシャフト2を回動付勢するバネとしてコイルバネ3を用いているけれども、図5に示すように、回転部材6を回転させると、このコイルバネ3自体が遠心力により半径方向外側に撓んでしまうと言う不具合があった。そして、このコイルバネ3自体が撓むとピン5を介して錘4を付勢する付勢力Gが変動し、回転部材6の回転速度とカッタシャフト2の回動量を比例させることが困難となり、結果としてカッタの移動量を正確に制御することが困難になるという不具合が生じた。
また、複数のカッタシャフト2を用いた上記剥離装置では、回転部材6に円板8を回転自在に設け、その周囲の切欠き8aにピン5を係合させることにより各錘4のカッタシャフト2を中心とした回転を連係させているけれども、コイルバネ3がこの円板8の外周を超えてその外側に膨らむように撓んでしまうと、回転部材6を回転可能に支持する図示しない支持台やこの剥離装置をケースに収容しているような場合にはその図示しないケースに高速で回転するコイルバネ3が接触し、カッタシャフト2の回動量が変化するとともにこのコイルバネ3及びピン5等が破損する不具合があった。また、コイルバネ3が他の部材と接触しない場合であっても、このコイルバネ3自体が撓みと復元を繰り返すことによる疲労によりコイルバネ3の取付部位が破壊するという不具合もあった。
本発明の目的は、回転部材の回転速度とカッタの移動量を正確に比例させて、回転部材の回転速度を調整することでカッタの回転中の位置を正確に調整し得る導電線絶縁被膜の剥離装置及びそれを用いた導電線絶縁被膜の剥離方法を提供することにある。
本発明の導電線絶縁被膜の剥離装置は、前後方向に延びる中心軸に貫通した導電線を中心に回転可能に設けられ外側中央部分に大径フランジを有する回転部材と、その回転部材に取付けられた取付リングと、その回転部材に中心軸に沿ってその中心軸回りに等間隔に配置され軸心を中心に回動可能に大径フランジに貫通して設けられた複数のカッタシャフトと、複数のカッタシャフトの前端にそれぞれ設けられカッタシャフトの回動により回転部材の前端から前方に突出した導電線に接離可能なカッタと、複数のカッタシャフトの後端に偏心してそれぞれ設けられ回転部材の回転に伴う遠心力によりカッタを導電線に押圧させるようにカッタシャフトを回動させる錘と、その錘にカッタシャフトと偏倚して設けられたピンと、取付リングに基端が固定して取付けられた板バネとを備える。
その特徴ある構成は、板バネが湾曲してその先端又は中間がピンに当接して弾性力により錘を遠心作用で回動する方向とは反対の方向に付勢するように取付けられているところにある。
大径フランジの後方に回転部材に回転自在に嵌合して設けられた円板と、円板の外周に放射方向に延びて形成された複数の切欠きとを更に備え、切欠きにピンが移動可能で係合されたことが好ましく、ピンがカッタシャフトと平行でかつカッタシャフトより回転部材の半径方向外側の錘に設けられ、板バネは湾曲してその先端又は中間がピンの回転部材の半径方向の内側の面に当接するように取付けられることが更に好ましい。
本発明の導電線絶縁被膜の剥離方法は、上記導電線絶縁被膜の剥離装置を用い、その剥離装置の回転部材を回転させ、錘に遠心力を作用させてカッタシャフトを回動させ、カッタシャフトの前端に設けられたカッタを回転部材の前端から前方に突出した導電線に押圧して導電線における被膜を除去する方法である。
その特徴ある点は、板バネの弾性力によりピンを介して錘を遠心作用で回動する方向とは反対の方向に付勢してカッタシャフトの回動量を回転部材の回転速度により制御するところにある。
本発明の導電線絶縁被膜の剥離装置及びそれを用いた導電線絶縁被膜の剥離方法では、カッタを導電線から離反する方向にカッタシャフトを回動付勢するバネとして、遠心力により撓むようなことのない板バネを用いた。このため、遠心力が作用してもその板バネによる付勢力に変動が生じない。よって、回転部材の回転速度とカッタシャフトの回動量を比較的正確に比例させることができ、回転部材の回転速度を調整することにより、カッタシャフトに設けられたカッタの位置を比較的正確に制御することが可能となる。この結果、導電線の線径に対応してカッタシャフトの回動量を制御することで、剥離作動中の導電線にカッタが過度に押圧されることによる導電線の断線や導電部の削り取り等を防止できると共に、柔らかい表面の樹脂層からなる絶縁被膜を確実に剥離することが可能となる。即ち、導電線が細い場合にも断線することなく絶縁被膜を剥離することができることになる。
本発明実施形態の剥離装置の構成を示す断面図である。 その装置を後方からみた図である。 その装置を前方からみた図である。 その装置の実際の使用状態を示す斜視図である。 従来の剥離装置を示す図6のB部拡大図である。 従来の剥離装置を示す図2に対応する図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の剥離装置10は、中心軸に貫通した導電線A(一点鎖線で示す。)を中心に回転可能に設けられた回転部材11を備える。即ち、この回転部材11は中空をなし、中空部内の前端にノズル11aを有し、そのノズル11a後方の中空部内にはそこに挿通されて貫通する導電線Aを保護するための樹脂チューブ11eが挿入される。そして、樹脂チューブ11eには後端から導電線Aが挿入され、ノズル11aはその導電線Aを振れないように位置決めして回転部材11の前端から前方に繰出すように案内している。また、回転部材11は、その外側の中央部分に外径の大きいフランジ11bと、そのフランジ11bより前方のノズル11a側に小径のフランジ11cとを所定の間隔を開けて互に平行となるように一体的に備えている。
回転部材11に一体的に形成された両フランジ11b,11cには、これら両フランジ11b,11cを跨って複数のカッタシャフト12がその軸心を中心に回動可能に貫通して設けられる。複数のカッタシャフト12は回転部材11に沿い、この回転部材11の中心軸回りに等間隔に配置される。図3及び図4に示すように、この実施の形態におけるカッタシャフト12は、回転部材11を中心として120°間隔で3本配置され、かつ回転部材11に対し前方のフランジ11cよりも後方のフランジ11b側で取付け半径が大きくなるように傾斜して設けられる。なお、図示しないが、カッタシャフト12のフランジ11b、11cへの貫通部にはベアリングやブッシュが設けられ、カッタシャフト12の回動抵抗を減じるように構成される。
図1及び図3に示すように、これら複数のカッタシャフト12の前端にはカッタ13が導電線A(図1)を取囲むように固定される。具体的には、回転部材11の前端から前方に突出した複数のカッタシャフト12の前端にカッタ13が取付けられ、このカッタ13は、カッタシャフト12の回動により回転部材11の前端から前方に突出した導電線Aに接離可能に構成される。即ち、カッタシャフト12はノズル11a側で回転部材11に近づくよう傾けて取付けられており、カッタシャフト12の前端に止められたカッタ13は折曲げられて導電線Aの側方に延び、その側面に刃先13aが形成されていて導電線Aには斜めに接触するようになっている。これにより回転部材11の中心軸を後端から前方に向かって移動している導電線Aにカッタ13の刃部13aが回転しながらヘリカル状に接触してゆくとき、刃部13aがこのヘリカル線と交差することになり、幅広く絶縁被膜を剥離できるようになっている。
図1〜図3に示すように、各カッタシャフト12の後端には錘14がその重心がカッタシャフト12の軸心と円周方向に偏心した状態で固定される。このため、回転部材11とともにフランジ11b,11cが導電線Aを中心として回転すると、そのフランジ11b,11cとともに複数のカッタシャフト12は導電線Aを中心として公転することになる。すると、図3の破線矢印で示すようにカッタシャフト12の後端に設けられた錘14に遠心力Fが作用し、その錘14が半径方向外側に移動してカッタシャフト12を回動させ、実線矢印で示すようにカッタ13の刃部13aを導電線Aに接近させることになる。ここで、導電線Aを取囲むカッタ13の複数の刃部13aは多角形(この場合は図3に示す3角形)を形成するので、本発明の剥離装置10では錘14に加わる遠心力Fが大きくなるときその多角形の大きさを小さくするように作動し、各カッタシャフト12の回動(自転)位置に応じてカッタ13の刃部13aが導電線Aに接離する程度を変更可能に構成される。
この錘14にはカッタシャフト12と平行にピン16が貫通して設けられる。このピン16は、カッタ13が導電線Aから離間した状態で、カッタシャフト12より回転部材11の半径方向外側の錘14に設けられる。そしてこのピン16の前端は大径フランジ11bに設けた円周方向に延びる第1U字状溝11d(図3)に挿入されて錘14の回動範囲、即ちカッタ13の導電線Aへの接離範囲を規制するように構成される。図1及び図3では、その第1U字状溝11dに対応する第2U字状溝17aが周囲に形成されたストッパリング17が大径フランジ11bに重合して設けられ、このストッパリング17は、このストッパリング17に円周方向に形成された円弧状長孔17bを介してビス17cにより大径フランジ11bの前面に取付けられている。そして、円弧状長孔17bの範囲内でストッパリング17の固定位置を円周方向に移動して調整し、第1及び第2U字状溝11d,17aの重複範囲においてピン16の移動限を決め、これによりカッタ13の最大開度を調整できるようになっている。なお、図3では錘14のピン16が円周方向に延びる第1及び第2U字状溝11d,17aに挿入されて、カッタ13の導電線Aへの接離範囲を規制する構造について説明したが、図示しないが、このピン16をフランジ11bに形成された長孔に挿入してそのピンの移動範囲を制限して、カッタ13の導電線Aへの接離範囲を規制するようにしても良い。
図1及び図2に示すように、大径フランジ11bの後方には、外周に複数個の放射方向に延びる切欠き18aを有する円板18が、その大径フランジ11bと共に錘14を挟むように回転部材11に回転自在に嵌合して設けられる。この円板18は各錘14を連係させるものであって、この円板18における外周の切欠き18aには、錘14に設けられたピン16の他端がそれぞれ係合するように構成される。この円板18の夫々の切欠き18aは、その次の隣の切欠き18aに向かって伸びる斜め方向に夫々形成され、錘14に作用する遠心力Fにより移動するピン16と切欠き18aの一方の縁とは若干転がり作用を生じながら接触している。このような円板18により各錘14の互いの回動位置は連係させられ、カッタ13の刃部13aが均等に導電線Aに接近しまた離脱するように構成され、これにより一部のカッタ13のみが導電線Aにより接近することを防止するようになっている。また、質量の差異等で錘14相互の作動タイミングにずれがあったとしても、円板18で互に連係されるため、錘14の質量や偏心量の調整に厳密さを要求されないようにしている。なお、図1における符号18bは、この円板18の回転部材11に対する回転抵抗を減少させるためのベアリング18bである。
図1及び図2に示すように、本発明の剥離装置10には、錘14に作用する遠心力Fに対抗してカッタ13を導電線Aから離反する方向にカッタシャフト12を回動付勢するバネ21を備える。本発明の特徴ある構成は、このバネが板バネ21からなるところにある。即ち、大径フランジ11bより後方の回転部材11には取付リング19が取付ねじ19aにより取付けられ、この取付リング19に板バネ21の基端が固定ねじ21aにより取付けられる。このように取付リング19を介して回転部材11に基端が取付けられた板バネ21は、それ自体が湾曲してその先端又は中間がピン16に当接するように構成される。先端又は中間がピン16に当接した板バネ21を湾曲させるためには、取付リング19の回転部材11への円周方向における取付位置を取付ねじ19aを緩めて調整することにより行われ、湾曲してその先端又は中間がピン16に当接した板バネ21はその弾性力により錘14を、遠心作用でカッタシャフト12が回動する方向とは反対の方向にピン16を介して付勢するように構成される。
図4に示すように、このように構成された本発明の剥離装置10は、その回転部材11が支持台22により回転自在に支持される。図4における支持台22は、方形状の台板22aと、その台板22aの後端に立設された支持板22bと、台板22aの前端に立設された案内板22cとを備える。回転部材11は支持台22における支持板22bに図示しない軸受を介して回転自在に支持され、回転部材11の支持板22を挟んで後端側には第1プーリ23が固定される。一方、駆動装置であるモータ24の回転軸には第2プーリ24aが設けられ、この第2プーリ24aと第1プーリ23との間にはベルト26が架設される。従って、このベルト26を介してモータ24の回転軸の回転運動が伝達されて回転部材11を回転駆動可能に構成される。なお、モータ24は支持台22の一部に取付けられる。
モータ24は図示しないコントローラによって供給される導電線Aの径に応じてその回転速度が可変制御されるようになっており、例えば、導電線Aの線径が細い場合には高い回転速度とし、その線径が太くなるに従いより低くなるように回転速度が設定される。そして、ノズル11aの前方に位置する案内板22cには、導電線Aを支持案内するガイド孔22dが回転部材11の中心軸と同軸に形成され、ノズル11aより引き出された導電線Aはこのガイド孔22dとノズル11aとで振れることなく支持されて前方に案内されるように構成される。
次にこの剥離装置の作用を説明する。
この剥離装置10には、導電線Aを回転部材11の後方から挿入し、ノズル11aの前端からカッタ13により包囲された範囲、即ち刃部13aの側面を通して支持台22のガイド孔22dに挿通させ、その後図示しない例えば巻線装置へ所定の張力で供給(引き出される)する。駆動装置であるモータ24が回転していないときには、回転部材11は停止しており、板バネ21の付勢力G(図2)によりカッタ13は相互に最大限に開いた状態に維持される。このため、導電線Aはカッタ13の刃部13a間を通り絶縁被膜が剥離されることなく図示しない巻線装置へ供給される。
例えば巻線装置からの指令により、或いは、所定量だけ導電線を通過させる度に絶縁被膜の剥離の要求がされると、モータ24が導電線Aの線径に対応した回転速度で回転し、その回転軸に設けられた第2プーリ24a,ベルト26及び第1プーリ23を介して回転部材11をフランジ11b,11cと共に回転させ、それに付随するカッタ13、カッタシャフト12及び錘14をその導電線Aの周囲に公転させる。各錘14は回転部材11の回転速度に応じて板バネ21による戻し方向の付勢に抗して各カッタシャフト12を軸として半径方向外側に回転(自転)する。これによりカッタシャフト12が回動(自転)し、各カッタ13を導電線Aに接触させ、その各刃部13aにより導電線Aの外周面の絶縁被膜を螺旋状に剥離する。そして、例えば所定時間若しくは所定長さの分だけ絶縁被膜の剥離が完了するとモータ24は停止され、回転部材11は回転を停止し、板バネ21の付勢力Gにより錘14が戻り、カッタ13は開放した初期位置に復帰する。
上記作動において、モータ24の回転速度を上昇させれば錘14が板バネ21に抗してより半径方向外側に移動するため、各カッタ13の刃部13aで形成する多角形(図3)の大きさがより小さくなる。そして、板バネ21は、遠心力により回転しようとする方向と逆方向に錘14を付勢するため、遠心力Fにより錘14が回転しようとする力を板バネ21が受止め、遠心力Fにより錘14が回転しようとする力と板バネ21の付勢力Gが釣合う状態までカッタシャフト12を回動(自転)させる。従って、回転部材11の回転速度を高めるとカッタシャフト12の回動量が増加し、その前端に設けられたカッタ13がより導電線Aの軸線に近い位置まで移動することになる。よって、回転部材11の回転速度を調整することで、各カッタ13の刃部13aで形成する多角形の大きさを調整することができ、カッタ13の切込み量を調整することができる。この結果、導電線Aの線径に対応して回転部材11の回転速度を変更調整することで、剥離作動中の導電線Aにカッタ13が過度に押圧されることを防止することができ、断線や導電部の多量な削り取り等を防止することができる。
ここで、本発明に使用する板バネ21は、従来用いられていた図6におけるコイルバネ3に比較して軽量であるにもかかわらず、剛性が高いという性質を有する。そして、板バネ21の基端を固定して湾曲させ、その先端又はその先端と基端の中間部分をピン16に接触させるので、回転部材11を回転させることにより生じる遠心力により板バネ21がピン16を押しつける方向の力Gが増加したとしても、その遠心力によりこの板バネ21自体が撓むようなことはない。このため、この板バネ21がピン16を介して錘14を付勢する付勢力Gが変動するようなことはなく、回転部材11の回転速度とカッタシャフト12の回動量を比較的正確に比例させることができる。この結果、回転部材11の回転速度を調整することにより、カッタシャフト12に設けられたカッタ13の位置を比較的正確に制御することが可能となり、導電線Aが細い場合にもそれを断線することなく絶縁被膜を有効に剥離することができる。
このカッタ13の位置の制御を具体的に説明すると、例えば、カッタ13の刃部13aで形成される図3に示す多角形への内接円の径が、導電線Aの線径から絶縁皮膜分を差引いた径となるように、モータ24の回転速度を設定すれば、導電線Aの絶縁皮膜を剥離することができる。また、導電線A自体の材質が硬い場合には、その内接円が導電線Aの線径から絶縁皮膜分を差引いた径よりほんの若干小さくすることで、カッタ13の刃部13aに微小な接触圧を持たせて導電線Aと接触させることができ、その絶縁皮膜を効果的に剥離することができる。このように、導電線Aの線径に対応してモータ24の回転速度を変更することで、上記剥離作動中の導電線Aにカッタ13が過度に押圧されることを防止することができ、導電線Aの断線や導電部の多量な削り取り等を防止しつつ柔らかい表面の樹脂層からなる絶縁被膜を少量の導電部とともに確実に剥離することができる。
そして、本発明の剥離装置10では、板バネ21自体が遠心力により撓むようなことがないので、この板バネ21が円板18の外周より外側に著しく膨らむようなこともない。このため、支持台22や剥離装置10を収容する図示しないケースにこの板バネ21が接触することはなく、板バネ21が接触することに起因するカッタシャフト12の回動量の変化を防止でき、その接触によりバネ21及びピン16が破損するような事態を回避することもできる。そして、板バネ21を用いる本発明の剥離装置10では、撓みと復元を繰り返すことによる疲労によりその板バネ21が破壊するようなこともない。
なお、上述した実施の形態では、また、カッタシャフト12を3本設ける例を示したが、カッタシャフト12の本数はこれに限定されず、1個のみ設けるものであっても良く、2本又は4本若しくは5本以上であっても良いが、理想的には導電線Aを挟むように2個以上設けることが望ましい。
A 導電線
10 導電線絶縁被膜の剥離装置
11 回転部材
12 カッタシャフト
13 カッタ
14 錘
16 ピン
21 板バネ

Claims (4)

  1. 前後方向に延びる中心軸に貫通した導電線(A)を中心に回転可能に設けられ外側中央部分に大径フランジ(11b)を有する回転部材(11)と、
    前記回転部材(11)に取付けられた取付リング(19)と、
    前記回転部材(11)に前記中心軸に沿って前記中心軸回りに等間隔に配置され軸心を中心に回動可能に前記大径フランジ(11b)に貫通して設けられた複数のカッタシャフト(12)と、
    前記複数のカッタシャフト(12)の前端にそれぞれ設けられ前記カッタシャフト(12)の回動により前記回転部材(11)の前端から前方に突出した前記導電線(A)に接離可能なカッタ(13)と、
    前記複数のカッタシャフト(12)の後端に偏心してそれぞれ設けられ前記回転部材(11)の回転に伴う遠心力により前記カッタ(13)を前記導電線(A)に押圧させるように前記カッタシャフト(12)を回動させる錘(14)と、
    前記錘(14)に前記カッタシャフト(12)と偏倚して設けられたピン(16)と、
    前記取付リング(19)に基端が固定して取付けられた板バネ(21)とを備え、
    前記板バネ(21)は湾曲してその先端又は中間が前記ピン(16)に当接して弾性力により前記錘(14)を遠心作用で回動する方向とは反対の方向に付勢するように取付けられている
    ことを特徴とする導電線絶縁被膜の剥離装置。
  2. 大径フランジ(11b)の後方に回転部材(11)に回転自在に嵌合して設けられた円板(18)と、前記円板(18)の外周に放射方向に延びて形成された複数の切欠き(18a)と、を更に備え、前記切欠き(18a)にピン(16)が移動可能で係合された請求項1記載の導電線絶縁被膜の剥離装置。
  3. ピン(16)がカッタシャフト(12)と平行でかつ前記カッタシャフト(12)より回転部材(11)の半径方向外側の錘(14)に設けられ、
    板バネ(21)は湾曲してその先端又は中間が前記ピン(16)の前記回転部材(11)の半径方向の内側の面に当接するように取付けられる
    請求項1又は2記載の導電線絶縁被膜の剥離装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の導電線絶縁被膜の剥離装置の回転部材(11)を回転させ、
    錘(14)に遠心力を作用させてカッタシャフト(12)を回動させ、
    前記カッタシャフト(12)の前端に設けられたカッタ(13)を前記回転部材(11)の前端から前方に突出した導電線(A)に押圧して前記導電線(A)における被膜を除去する方法であって、
    板バネ(21)の弾性力によりピン(16)を介して前記錘(14)を遠心作用で回動する方向とは反対の方向に付勢して前記カッタシャフト(12)の回動量を前記回転部材(11)の回転速度により制御する
    ことを特徴とする導電線絶縁被膜の剥離方法。
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