JP5327771B2 - 難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物、並びに該樹脂組成物からなる成形品、繊維 - Google Patents

難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物、並びに該樹脂組成物からなる成形品、繊維 Download PDF

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Description

本発明は、難燃剤組成物等に関し、更に詳しくは、アンチモン、リン、リン化合物を全く含まない非ハロゲン系の難燃剤組成物、及びそれを用いてなる、高い難燃性を有しながら、初期火災時の延焼が遅く、燃焼時の一酸化炭素(CO)発生の少ない、環境防炎型の非ハロゲン系難燃性樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形品、電線、ケーブル、繊維もしくは繊維後加工品に関する。
従来の難燃材には、ハロゲン化合物およびアンチモン化合物を併用した樹脂が広く使われている。しかしながら、近年ハロゲン系難燃材は、環境への影響が問題視されており、欧州での規制等から使用が禁止もしくは制限される方向にあり、各社で非ハロゲン系難燃材の開発が進んでいる。
非ハロゲン系難燃材としてはリン含有化合物が主に検討されており、赤燐やリン酸エステル等のリン系難燃剤が使用されているが、赤燐は使用時のホスフィンガスの発生が指摘されており、リン酸エステルは成形時のブリードアウトが問題である。
そのため、燃焼時の発煙、毒性、腐蝕等の二次災害を防止する目的から、例えば特許文献1に示されるように、水酸化マグネシウムを使用した非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物が提案されている。
特開平01−141929号公報
一般に、難燃は不完全燃焼化であると推察されており、難燃機構によっては有害な大量ガスの放出による酸素(O)濃度の希釈を引き起こすおそれがある。プラスチックの難燃化は火災を起こさない上で重要である一方、実際の火災を考えた場合、一酸化炭素中毒、酸欠により尊い命を落とされることが多い。そのため、出来るだけ燃焼時の一酸化炭素の発生の無い難燃材の開発が望まれている。
ところが、従来の難燃プラスチックは、材料の不完全燃焼化を難燃機構とするため、大量のガス発生によるO希釈、有害なCOの発生につながり、大量の発煙、煤の発生を伴う。すなわち、難燃化する一方で、火災が起きた後に問題となるCOは増加する方向にあり、防災上は問題との指摘もあることから、高い難燃性を有すると共に、燃焼が起こった後の発煙、COや煤の発生を低減する材料が期待されている。また煤は、火災時の吸入に有害である、視界を閉ざすといった直接的な問題に加えて、地球温暖化の要因と指摘する報告もある。ここで、高い難燃性とは、UL94試験V0(1/32’’)をさす。
また、建築基準法では5分間の加熱が条件となっているが、実際上も5分以内に最大燃焼が起きないことが極めて重要であり、最大煙濃度及び最大発熱速度の到達時間が5分以上になればO希釈の遅延にも繋がる。従って、CO発生が少なく発煙性が抑制された難燃材の実現は、画期的な技術の到来とも言える。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、アンチモン、リン、リン化合物を全く含まない非ハロゲン系の難燃剤組成物、及びそれを用いてなる、高い難燃性を有しながら、燃焼時の一酸化炭素(CO)発生の少ない、環境型の防災上理想的な非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形品、電線、ケーブル、繊維もしくは繊維後加工品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意研究した結果、平均粒子径が1000μm以下の特定の樹脂と水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムとの混合物により高い難燃性とともに有害な一酸化炭素の発生を抑えうることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(A)全芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、これらの共重合体又はこれらの混合物の中から選ばれる平均粒径1000μm以下の樹脂と、(B)水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムと、のドライブレンドによる混合物からなることを特徴とする樹脂用難燃剤組成物を提供する。
本発明は、又、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100質量部あたり、上記の難燃剤組成物を50〜200質量部含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物を提供する。
本発明は、又、上記の難燃性樹脂組成物からなる成形品、電線、ケーブル、繊維もしくは繊維後加工品を提供する。
本発明の難燃剤組成物は、難燃性で、LOI値が高く、有害なCO発生量も僅少である難燃性樹脂組成物を提供できる。しかも、得られる成形品は、異方性が無く、外観が良好である。
平均粒子径1000μm以下の特定の樹脂と金属水和物とを併用することによって、各単独系ではなし得なかった高い相乗効果が発現するため、特に、成形品、電線、ケーブルや繊維等にした場合に、非ハロゲン系の難燃材であって、しかも、高い難燃性を有しながら、初期火災時の延焼が遅く、CO発生を抑えた環境型の防災上理想的な製品を実現できる。
また、本発明の難燃剤組成物、難燃性樹脂組成物、成形品、電線、ケーブル、繊維もしくは繊維後加工品は、燐を全く含まないことから、使用環境下での水分によるリン酸溶出懸念が全くなく、使用時、廃棄時のリン酸溶出等の環境負荷がない真の環境型非ハロゲン系難燃材と言える。
本発明で用いられる(A)成分である平均粒径1000μm以下の樹脂は、成形品の表面で炭化層を形成し、初期火災時の延焼と発煙を抑える作用がある。該樹脂は、全芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、これらの共重合体又はこれらの混合物の中から選ばれる少なくとも一種であり、これらの樹脂は単独で用いても良いし、二種類以上を適宜組み合わせて用いても良い。前記樹脂の平均粒径が1000μmを超えると、難燃剤組成物を熱可塑性樹脂と配合した際に、難燃剤組成物中の樹脂が熱可塑性樹脂の成形温度では溶融しないため、樹脂ペレットを作成することができなくなる。難燃剤組成物中の樹脂の平均粒径は、好ましくは800μm以下、さらに好ましくは300μm以下である。
これらの樹脂粒子は、上記の樹脂からなるフィルム、シート、成形品等を粉砕することにより得ることもできる。粉砕手段や粉砕方法は特に限定されるものではなく、公知の方法で行うことができる。
ここで、全芳香族ポリアミド樹脂は、アミド結合の少なくとも85モル%以上、好ましくは100%が、芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸成分より得られるものである。その具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフタルアミド等の全芳香族ポリアミド;又は芳香族ジアミンが3,3’−オキシジフェニレンジアミン、3,4’−オキシジフェニレンジアミン等のエーテル基等の基により結合された2個のフェニル基を含む芳香族ポリアミド;又は上記の芳香族ポリアミドのコポリマー、例えば、ポリ−3,3’−オキシジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重合体、ポリ−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等を挙げることができる。
ポリイミド樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンを縮合重合する方法等によって製造される樹脂であり、耐熱性に優れ、耐薬品性、電気絶縁性に優れている。熱硬化性ポリイミド樹脂及び熱可塑性ポリイミド樹脂のいずれでもよいが、成形安定な炭化層形成が可能な熱可塑性ポリイミド樹脂が好ましい。
ポリアミドイミド樹脂は、無水トリメリット酸とジイソシアネート、又は無水トリメリット酸クロライドとジアミンとの反応によって製造される樹脂であり、耐熱性に優れ、熱成形が可能で、耐薬品性、電気絶縁性に優れている。
(B)成分の化合物は、難燃性、耐トラッキング性を付与する作用がある。前記化合物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの金属水和物は、粉粒体状、フレーク状又は繊維状のものを用いることができる。中でも、水酸化マグシウム又は水酸化アルミニウムが好ましく、水酸化アルミニウムが特に好ましい。これらの化合物は単独で使用しても良いし、二種類以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
本発明では(A)成分の平均粒径1000μm以下の特定の樹脂と、(B)成分の化合物とを混合したものを配合することが重要であり、いずれかを単独で配合した場合は難燃性の改善が不十分で、また、耐収縮性の維持を図れない。(A)成分/(B)成分の比率は、1/99〜80/20(質量比)であることが好ましく、より好ましくは、2/98〜50/50(質量比)である。(A)成分の比率が1未満では難燃性が劣り、燃料時のCO発生量も増加する。一方、(A)成分の比率が80を超えると、樹脂配合時の成形性が不良になる。
本発明の難燃剤組成物では、上記の(A)及び(B)成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、可塑剤、顔料、充填剤、発泡剤、結晶核剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、界面活性剤等を配合することができる。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリ1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカプロアミド(ナイロン6)樹脂、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)樹脂、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)樹脂、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)樹脂、ポリドデカンアミド(ナイロン12)樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ナイロン6T)樹脂、ポリヘキサンメチレンイソフタラミド(ナイロン6I)樹脂、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)樹脂、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)樹脂、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)樹脂等のナイロン樹脂及びナイロン共重合体樹脂から選ばれるポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリオキシメチレン(POM)樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリスルホン(PSF)樹脂;ポリエーテルスルホン(PES)樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂;ポリエーテルケトン(PEK)樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂;ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂;ポリイミド(PI)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;フッ素樹脂;又はこれらの樹脂を変性させた変性樹脂等、又はこれらの樹脂同士もしくは他の樹脂類との混合物等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂等)、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、珪素樹脂、ビニルエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、シアネート樹脂(例えばシアネートエステル樹脂等)、これらの共重合体樹脂、これら樹脂を変性させた変性樹脂、又はこれらの樹脂同士もしくは他の樹脂類との混合物等が挙げられる。
難燃剤組成物と熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂との配合割合は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100質量部あたり、難燃剤組成物を50〜200質量部含有することが好ましく、より好ましくは60〜150質量部である。難燃剤の含有割合を50質量部以上にすることにより高い難燃性を得ることができ、200質量部以下で含有すると成形に必要な流動性を失うことも無い。前記の量で本発明の難燃剤組成物を含有する樹脂組成物は、ISO5660に準拠するコーンカロリーメーターによる全燃焼ガス中の一酸化炭素(CO)濃度が0.01(g/kg)以下となる。
本発明の難燃性樹脂組成物では、上記の難燃剤組成物及び熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、可塑剤、顔料、充填剤、発泡剤、結晶核剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、界面活性剤等を配合することができる。また、本発明の目的を損なわない限り、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、フッ素繊維などの強化繊維、シリカ、タルク、クレイ、アルミナ、マイカ、バーミキュライトなどの充填剤を配合しても良い。
本発明の難燃剤組成物は、平均粒径1000μm以下の前記樹脂と水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムをドライブレンドすることにより得ることができる。
難燃性樹脂組成物は、ペレット、チョップドストランドもしくは顆粒状で短径が0.1〜5mm、長径が0.3〜10mmであると、射出成形、押出成形、中空成形、フィルム成形に好適である。或いは、本発明の難燃剤組成物を高濃度に樹脂に練り込んだマスターバッチを作成することも可能である。
本発明の難燃性樹脂組成物を、射出成形、押出成形、中空成形、フィルム成形、プレス成形、プルトルージョン等の各種成形に供し、さらには必要に応じて二次加工を加えて成形品、電線、ケーブル等が得られる。成形品に必要に応じて上記の可塑剤等の添加剤を配合し、望ましい特性を付与することもできる。
又は、本発明の難燃性樹脂組成物を、溶融紡糸、液晶紡糸等の各種紡糸工程に供し、さらには必要に応じて二次加工を加えて繊維を得、さらには必要に応じて所望の後加工を施し繊維後加工品を得ることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物からなる成形品、電線、ケーブル、繊維もしくは繊維後加工品は、高い難燃性と電気特性が求められる用途の全てに用いることができ、電気用途の絶縁材料等に好適に利用される。
本発明の難燃性樹脂組成物からなる成形品、繊維もしくは繊維後加工品は、電線、ケーブルをはじめ、コネクタ、プラグ、アーム、ソケット、キャップ、ロータ、モータ部品等の電気・電子部品、プレート、軸受、ギヤー、カム、パイプ、棒材等の機械要素部品、スピーカコーン等のAV・OA機器部品、ブッシュ、座金、ガイド、プーリー、フェーシング、インシュレーター、ロッド、ベアリング保持器、筐体、軸受、ロッド、ガイド、ギヤー、建築用の部品・部材、建具や建材用のストッパー、ガイド、戸車、アングル等、その他ヘルメット、プラモデル部品、タイヤ用の中子材料、釣具用リール部品、シール類、パッキン類、グランドパッキン等にも好適に利用される。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例における各物性値は、以下のようにして測定したものである。
[LOI値]
JIS L 1091法に従って測定した。
[難燃性]
米国UL規格のUL94に規定されている垂直燃焼試験に準拠し、厚み1/32インチの試験片(バーサンプル)で評価した。
[CO発生量]
東洋精機製作所製コーンカロリーメーターIII装置を用い、縦100mm×横100mm×厚み3mmの試験片を、ISO5660に準拠して、加熱強度50kW/mで15分間加熱したときの、全燃焼ガス中のCO濃度(%)を測定した。
[平均粒径]
レーザー解析散乱法にて測定した。
(実施例1)
平均粒径200μmのポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)樹脂3質量%、及び平均粒径10μmの水酸化アルミニウム(Al(OH)3:99.5質量%、Na2O:0.25質量%)97質量%を、ヘンシェルミキサーで600rpmで1分間ドライブレンドした。当該ブレンド物50質量%と、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(商品名NEOZEX2540R プライムポリマー)50質量%を、東芝機械製スクリュー径45mmφの二軸押出機にてシリンダ温度280℃、スクリュー回転数220rpmで溶融混練りしてストランド状のガットを形成し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒してペレットを得た。得られたペレットを、東芝機械製射出成形機IS100を用いて、バレル温度280℃で成形し、成形品を得た。成形品を上記の方法により評価した結果を表1に示した。その結果、射出成形した成形品の難燃性が著しく向上していることを確認した。
(実施例2)
平均粒径60μmのポリイミド樹脂3質量%、及び平均粒径10μmの水酸化アルミニウム(Al(OH)3:99.5質量%、Na2O:0.25質量%)97質量%を、ヘンシェルミキサーで600rpmで1分間ドライブレンドした。当該ブレンド物50質量%と、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(商品名NEOZEX2540R プライムポリマー)50質量%をブレンドし、実施例1と同様にしてペレットを得、得られたペレットを射出成形して成形品を得た。成形品を上記の方法により評価した結果を表1に示した。その結果、射出成形した成形品の難燃性が著しく向上していることを確認した。
(比較例1)
表1に示す、平均粒径5000μmのポリイミド樹脂3質量%及び平均粒径10μmの水酸化アルミニウム(Al(OH)3:99.5質量%、Na2O:0.25質量%)97質量%を、ヘンシェルミキサーで600rpmで1分間ドライブレンドした。当該ブレンド物50質量%と、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(商品名NEOZEX2540R プライムポリマー)50質量%を、実施例1と同様にして押し出したところ、サージとベントアップが発生し、ペレットを得ることができなかった。
(比較例2)
表1に示す、平均粒径100μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂3質量%及び平均粒径10μmの水酸化アルミニウム(Al(OH)3:99.5質量%、Na2O:0.25質量%)97質量%を、ヘンシェルミキサーで600rpmで1分間ドライブレンドした。当該ブレンド物50質量%と、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(商品名NEOZEX2540R プライムポリマー)50質量%をブレンドし、実施例1と同様にしてペレットを得、得られたペレットを射出成形して成形品を得た。成形品を上記の方法により評価した結果を表1に示した。その結果、難燃性が劣り、CO発生量も多かった。
(比較例3)
表1に示す、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム(Al(OH)3:99.5質量%、Na2O:0.25質量%)50質量%と、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(商品名NEOZEX2540R プライムポリマー)50質量%をブレンドし、実施例1と同様にしてペレットを得、得られたペレットを射出成形して成形品を得た。成形品を上記の方法により評価した結果を表1に示した。その結果、難燃性が劣っていた。
(比較例4)
表1に示す、平均粒径60μmのポリイミド樹脂50質量%と、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(商品名NEOZEX プライムポリマー)50質量%をブレンドし、実施例1と同様にして押し出し、射出成形を試みたが、ノズル詰まりから所定の成形品を得ることができなかった。
表1の結果から、樹脂粉末のみ及び水酸化アルミニウムのみの場合は、成形性及び難燃性の双方を満足する難燃剤にならなかった。難燃剤に配合する樹脂の融点が低い場合(PPS:320℃)は難燃性不良、樹脂粒径が大きすぎる場合は成形不良となった。本発明例においては、難燃性、LOI値、CO発生量ともに効果が優れていた。
Figure 0005327771
本発明の樹脂用難燃剤組成物は、非ハロゲン系難燃剤であるため、各種樹脂に配合することによって難燃性を付与することができ、得られる難燃性樹脂組成物は、優れた難燃性と低煙性を有するため、電線、ケーブル、変圧器、抵抗器など高電圧廻りの電気用途への展開が大きく期待される。

Claims (7)

  1. (A)全芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、これらの共重合体又はこれらの混合物の中から選ばれる平均粒径1000μm以下の樹脂と、(B)水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムと、のドライブレンドによる混合物からなることを特徴とする難然剤組成物。
  2. (A)/(B)の比率が、1/99〜80/20(質量比)であることを特徴とする請求項1に記載の難燃剤組成物。
  3. 全芳香族ポリアミドが、ポリパラフェニレンテレフタルアミドであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の難燃剤組成物。
  4. 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100質量部あたり、請求項1〜のいずれか1項に記載の難燃剤組成物を50〜200質量部含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  5. ISO5660に準拠するコーンカロリーメーターによる全燃焼ガス中の一酸化炭素(CO)濃度が0.01(g/kg)以下であることを特徴とする請求項に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品、電線もしくはケーブル。
  7. 請求項のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物からなる繊維もしくは繊維後加工品。
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