JP2001348493A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2001348493A JP2000173459A JP2000173459A JP2001348493A JP 2001348493 A JP2001348493 A JP 2001348493A JP 2000173459 A JP2000173459 A JP 2000173459A JP 2000173459 A JP2000173459 A JP 2000173459A JP 2001348493 A JP2001348493 A JP 2001348493A
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Yoshiaki Taguchi
吉昭 田口
Atsushi Haruhara
淳 春原
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温、高温または長期間使用において、低金
属腐食性及び耐絶縁抵抗性に優れる、ノンハロゲンで環
境にも優しい安全且つ安定な難燃樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂、(B)安定化赤リ
ン、(C)水溶液系 25℃の標準電極電位が+0.4
V以上の化合物からなる難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安全かつ安定なノ
ンハロゲンの難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、物理的および化学的に
優れた性質を備えることから、電気、機械、自動車およ
び建築等の広い分野で大量に用いられている。近年、産
業界全般における材料の高機能性追求の中で、熱可塑性
樹脂の物性に対する要求も一段と高度なものとなってい
る。なかでも、安全性の要求は特に高度であり、熱可塑
性樹脂組成物の難燃化にあたっても、従来の様な単なる
難燃化のみならず、生産作業から製品使用、さらには焼
却処理または埋め立て処理に至る全ての状況で、高度な
安全性および安定性が要求される。
【0003】熱可塑性樹脂の難燃化の方法として、従来
からいろいろな方法が提案されている。一般に実用化さ
れているのは、有機ハロゲン化合物、有機リン化合物お
よび三酸化アンチモン等を単独または組み合わせて熱可
塑性樹脂組成物に配合する方法である。この方法のう
ち、有機ハロゲン化合物として臭素系難燃剤を用い、三
酸化アンチモンと組み合わせて樹脂組成物に配合する方
法は、汎用プラスチックからエンジニアリングプラスチ
ックに至るまで、樹脂の種類を選ばず適用できるため、
これまで難燃化技術の主流を占めてきた。
【0004】しかし、有機ハロゲン化合物を含有する樹
脂組成物の成形品は、燃焼時に多量の発煙を伴い、多量
の有毒ガスの発生を伴う。そして、場合によっては有毒
ガスに猛毒のダイオキシン類が含有されることが次第に
明らかになってきた。このような背景から、有機ハロゲ
ン化合物の配合による難燃化技術の適用範囲は急速に制
限されつつある。
【0005】他方、リン系の化合物は、有毒ガス発生の
危険が比較的少ない難燃剤である。しかし、リン系の化
合物として典型的な有機リン化合物の難燃化効果は、有
機ハロゲン化物に比べて総じて低く、難燃剤として有機
リン化合物のみを樹脂組成物に配合して充分な難燃性を
付与するためには多量の添加が必要となり、その結果、
樹脂組成物の耐熱性および機械的強度を低下させたり、
吸水性を増加させ、変形やクレーズの発生をもたらすこ
とがある。
【0006】ところで、リン系化合物のなかでも赤リン
は、比較的少量の添加で有効な難燃性を樹脂組成物に付
与することができ、樹脂本来の耐熱性や機械的強度を低
下させることが少ない。さらに、赤リンは難燃剤とし
て、汎用プラスチックからエンジニアリングプラスチッ
クに至るまで幅広く適用することができる。
【0007】しかし、赤リンは、それ自体、熱、摩擦お
よび衝撃等に対して不安定であり、保管や取り扱いに危
険を伴い、特に樹脂との混練時に危険を伴う。すなわ
ち、赤リンは、空気中の水分や酸素と反応してホスフィ
ンなる有害ガスを生成する。赤リンはハロゲン系難燃剤
と比べれば環境安全性に優れるとはいえ、万全では無
く、従来その使用はかなり限定されたものであった。
【0008】赤リンを樹脂に配合する場合、市販の赤リ
ンがそのまま用いられることは少なく、赤リンに他の材
質の被覆を形成する安定化処理を施したうえで用いるの
が通常である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、赤リンに完全
な被覆を形成することは困難であり、ホスフィンの発生
を完全に抑制することはできない。このため、樹脂組成
物の押出・成形加工温度、せん断応力、二次加工の温度
・湿度および製品使用環境の温度・湿度等によっては、
赤リンの被覆の微細な欠損箇所からホスフィンが発生す
る。また、樹脂組成物の加工条件、使用条件によって
は、赤リンの被覆が剥離することがあり、剥離部分から
ホスフィンが発生し、その発生量が次第に増加する。さ
らに、赤リンの被覆の欠損および剥離に起因して、樹脂
組成物の熱安定性も経時的に低下することになる。
【0010】本発明の目的は、赤リンを含有する難燃性
樹脂組成物において、ホスフィンの発生を抑制し、高温
での使用または長期間にわたる使用においても金属腐食
性が低く、耐絶縁抵抗性に優れ、更にノンハロゲンで有
害ガスやブリードの抑制された、安全かつ安定な難燃性
樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)熱可塑性樹脂100重量部、(B)赤リン0.5
〜30重量部、(C)Tyler表記の200メッシュ
のふるいを通り、標準電極電位が+0.4V以上の化合
物からなる粒子0.001〜30重量部からなる難燃性
樹脂組成物である。以下、本発明を詳述する。
【0012】[熱可塑性樹脂(A)]熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリアセタール、酢酸セルロース(セルロース樹
脂)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂(ABS樹脂)、メタクリル樹脂、フッ素樹
脂、アイオノマー樹脂を用いることができる。
【0013】電気・電子部品用途においては、熱可塑性
樹脂として熱可塑性ポリエステルを用いることが好まし
い。熱可塑性ポリエステルは、ジカルボン酸成分とジオ
ール成分とからなるポリエステルであり、ジカルボン酸
単位としてはテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を
例示することができ、ジオール成分としてはエチレング
リコール、テトラメチレングリコールを例示することが
できる。好適な熱可塑性ポリエステルとして、ポリテト
ラメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート、ポリエステルエラストマーを例示することができ
る。
【0014】使用される熱可塑性樹脂は1種類に限定さ
れるものではなく、2種類以上の混合物であっても構わ
ない。
【0015】[赤リン(B)]赤リンとしては、粒子状
または粉末状のものを用いる。安定性を向上するために
赤リンには被覆層を設けて安定化赤リンとして用いるこ
とが好ましい。通常、安定化は、赤リンの粒子に1層ま
たは2層以上の被覆層を設けることによって行われる。
被覆層には、有機物、無機物のいずれも用いることがで
きる。有機物としては例えば熱硬化性樹脂を用いること
ができる。熱硬化性樹脂の硬化物の被覆層を備える赤リ
ン粒子は、赤リンとして好ましい態様である。無機物と
しては例えば水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛のような
金属の水酸化物を用いることができる。
【0016】被覆層に覆われる赤リンの粒子は、粒子の
形状として破砕面のある形状か破砕面のない球体様の形
状をとる。赤リンの粒子が粉砕工程を経て製造されたと
きには破砕面のある粒子形状をとり、粉砕工程を経ずに
製造されたときには破砕面のない球体様の粒子形状をと
る。本発明においては、球体様の粒子形状の方が、赤リ
ンの粒子の表面を被覆しやすく、欠損のない被覆層を形
成しやすく、形成された被覆層の剥離が少なく好まし
い。すなわち、赤リンの粒子としては、粉砕を必要とし
ない黄燐の転化処理法により直接得られる破砕面の無い
球体様赤リン粒子であることが好ましい。
【0017】赤リンとして粒子状のものを用いる場合、
赤リンの粒子の平均粒径が1〜150μmのものが好ま
しく、赤リンとして被覆層を備えた安定化赤リンを用い
る場合には被覆層を含む安定化赤リンの粒子の平均粒径
が200μm以下、さらには5〜150μmであること
が好ましい。この範囲の平均粒径の安定化赤リンを用い
ると樹脂組成物の機械的物性を良好に維持することがで
きる。
【0018】赤リンの配合量は、熱可塑性樹脂100重
量部あたり0.5〜30重量部、好ましくは0.5〜2
9重量部である。0.5重量部未満であると難燃化効果
に乏しく、30重量部を超えると機械的特性が大幅に低
下するとともにホスフィンの発生量を増加させることに
なる。
【0019】[粒子(C)]粒子(C)は、その90重
量%以上、好ましくは98重量%、さらに好ましくは1
00重量%がTyler表記の200メッシュのふるい
を通る粒子である。200メッシュの篩いを通らない
と、ホスフィンの低減効果が小さいうえ、押出、成形時
に装置のスクリューを摩耗させる。
【0020】粒子(C)は、標準電極電位が+0.4V
以上の化合物からなる。これは、25℃の水溶液系での
値である。標準電極電位が+0.4V未満ではホスフィ
ンは低減できない。
【0021】25℃の水溶液系での標準電極電位は、改
訂3版化学便覧基礎編II(丸善(株))に記載される
水溶液系 25℃の標準電極電位に準拠する。
【0022】標準電極電位についてこの要件を満足する
化合物として、具体的には、Cu2O、CuO、Ag
O、Ag23、Co34、PdO、MnO2、MoO4
AgCrO4、AgCr24、Ag2WO4、NiO2、C
r、AgSO4、O2、C64 2(キノン)、PtO、
RuO4、Co23、Ni23、PdO2、PoO3を例
示することができる。ハンドリングやコストのよさか
ら、特に好ましくはCu2O、CuO、MnO2である。
【0023】粒子(C)は、標準電極電位が+0.4V
以上の化合物を粒子(C)の重量の85〜100重量%
の割合で含有することが好ましい。換言すれば、粒子
(C)は、純度が85%以上の上記化合物からなるもの
が好ましい。純度は、それぞれの化合物について、JI
Sの試薬に品位に準じ測定する。純度が85%未満であ
ると、硫酸イオンなどが成形品から染み出し、電気・電
子用途の成形品では、著しく製品の動作安定性を抑制し
てしまう。
【0024】また、粒子(C)は、その構成する化合物
の標準電極電位について、組成物に配合する成分として
上記条件を満足してもよく、押出ペレットもしくは成形
品を構成する成分として、上記条件を満足してもよい。
【0025】粒子(C)の配合量は、熱可塑性樹脂10
0重量部あたり0.001〜30重量部、好ましくは
0.01〜10重量部である。0.001重量部未満で
あるとホスフィン発生の抑制効果が小さく、ホスフィン
の抑制効果が少ない。30重量部を超えると得られる樹
脂組成物の安定性が損なわれ、機械的特性が劣る。そし
て、この範囲で粒子(C)を配合することにより、実質
的にホスフィンの発生を抑制した樹脂組成物を得ること
ができる。
【0026】[硼酸亜鉛、錫酸亜鉛]本発明の樹脂組成
物には、硼酸亜鉛および/または錫酸亜鉛を配合しても
よい。この場合には良好な低金属腐食性、耐絶縁性およ
び難燃性を得ることができることから好ましい態様とな
る。硼酸亜鉛、錫酸亜鉛はそのいずれかを単独で用いて
も良く、2種以上を用いてもよい。混合物として用いる
こともできる。
【0027】錫酸亜鉛の錫酸としては、メタ錫酸とヒド
ロキシ錫酸のいずれも使用することができる。硼酸亜
鉛、錫酸亜鉛はいずれも水分子が水和されていても構わ
ない。
【0028】本発明では、難燃性および電気特性向上の
観点から、特に硼酸亜鉛および/またはその水和物を用
いることが好ましい。
【0029】硼酸亜鉛および/または錫酸亜鉛を配合す
る場合、その配合量は熱可塑性樹脂100重量部あたり
好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは5〜60
重量部である。この範囲で配合することにより、難燃
性、電気絶縁性および機械的特性をバランスよく発現す
ることができる。
【0030】[孔質無機化合物・層状粘土鉱物]本発明
の樹脂組成物には、活性炭、ゼオライト等の孔質無機化
合物;ハイドロタルサイト、リン酸ジルコニウム、モン
モリロナイト、マイカ等の層状粘土鉱物を配合してもよ
い。この場合にはさらに良好な低金属腐食性、耐絶縁性
および難燃性を得ることができることから好ましい態様
となる。すなわち、本発明では、孔質無機化合物および
/または層状粘土鉱物を配合することが好ましい。孔質
無機化合物および/または層状粘土鉱物を配合量する場
合、その配合量は、熱可塑性樹脂100重量部あたり好
ましくは0.01〜10重量部である。
【0031】多孔質無機化合物と層状粘土鉱物は、表
面、内部のいずれか一方または両方に、有機変性処理、
無機変性処理のいずれか一方または両方を施して用いて
もよい。
【0032】[無機充填剤]本発明の樹脂組成物には無
機充填剤を配合してもよく、炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、長石系鉱物、クレー、有機化クレー、ホワイトカー
ボン、カーボンブラック、ガラスビーズ等のごとき粒状
または無定形の充填剤;カオリンクレー、タルク等のご
とき板状の充填剤;ガラスフレーク、マイカ、グラファ
イト等のごとき燐片状の充填剤;ガラス繊維、炭素繊
維、ウォラストナイト、チタン酸カリウム等のごとき繊
維状の充填剤を配合することができる。就中、機械的強
度および耐熱性についてさらに良好な性能を得るために
はガラス繊維が好ましい。
【0033】無機充填剤を配合する場合、その配合量は
熱可塑性樹脂100重量部あたり好ましくは200重量
部以下、さらに好ましくは5〜150重量部、特に好ま
しくは10〜100重量部である。
【0034】[その他の添加剤]本発明の樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、核剤、滑剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料
等の添加剤を添加してもよい。
【0035】赤リン以外の難燃剤を添加してもよく、難
燃剤として例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム等の無機化合物;リン酸エステル、リン酸塩、ホ
スフォン酸塩、ホスフィン酸塩等リン化合物からなるモ
ノ化合物かその縮合体または重合体;アルキルシロキサ
ン、アリールシロキサンからなるシロキサンのオリゴマ
ーまたはポリマーを用いることができる。
【0036】難燃助剤を添加してもよく、難燃助剤とし
て例えば、シアヌール酸メラミン、テトラゾール等の窒
素系化合物、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂、膨張性黒鉛を用いることがで
きる。
【0037】難燃剤の効果を一層高めるため、燃焼時の
溶融粒の滴下を抑制する化合物を添加してもよい。この
ような化合物として、例えば乳化重合して作られたポリ
テトラフルオロエチレンやヒュームドコロイダルシリカ
を用いることができる。
【0038】耐熱性向上を目的として、ヒンダードフェ
ノール化合物、芳香族アミン化合物、有機リン化合物、
硫黄化合物等の酸化防止剤または熱安定剤を添加しても
よい。
【0039】[製造方法]本発明の樹脂組成物は、公知
の方法を用いて製造することができ、樹脂組成物は公知
の方法を用いて成形品とすることができる。
【0040】例えば、1)各成分を混合し、押出機によ
り練込押出してペレットを調製し、これを成形に供して
成形品とする方法、2)一旦組成の異なるペレットを調
製し、そのペレットを所定量混合し、成形に供して目的
組成の樹脂組成物からなる成形品とする方法、3)成形
機に各成分の1種または2種類以上を直接仕込み成形し
て成形品とする方法、を用いることができる。
【0041】樹脂成分の一部を細かい粉体としてこれ以
外の成分と混合し添加してもよく、この方法は成分の均
一な配合を行うためには好ましい方法である。
【0042】[金属腐食性]本発明の樹脂組成物は、銀
板腐食性試験で銀板が良好な金属光沢を有することがで
きる。銀板腐食性試験は、樹脂組成物を130℃で5時
間乾燥して乾燥ペレットとし、乾燥ペレットの3gを2
2mlのバイアル瓶に詰め、良好な金属光沢を有する銀
板(1×0.5×0.05cmの大きさ)を入れて、ペ
レットに非接触の状態で密封し、密封したバイアル瓶を
120℃で72時間オーブンに入れ、銀板の腐食の状態
を目視により観察する試験である。この試験において、
本発明の樹脂組成物は、銀板が良好な金属光沢を有する
ことができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。な
お、実施例中の各種特性は以下の方法により測定した。 イ.ホスフィン発生量 130℃で5時間乾燥して乾燥ペレットとし、乾燥ペレ
ットの3gを22mlのバイアル瓶に詰め、ヘッドスペ
ース(HS)サンプラー中で120℃で1時間保持し、
この間に発生したホスフィンをガスクロマトグラフィー
(GC)にて測定し、窒素リンディテクター(NPD)
でホスフィン量を検出した。NPDのカラムには、以下の
カラムを用いた。 カラム:J&W社製 122-1032(カラム長さ30m、内径0.25m
m、カラム厚み0.25μm)ガスクロマトグラフィーには、次
のものを用いた。 ガスクロマトグラフィー:Agilent社製 HP6890
【0044】ロ.金属腐食性評価 130℃で5時間乾燥して乾燥ペレットとする。乾燥ペ
レットの3gを22mlのバイアル瓶に詰め、良好な金
属光沢を有する銀板を入れて密封する。このとき、銀板
は1×0.5×0.05cmの大きさであり、かつ銀板
はペレットに非接触の状態とする。密封したバイアル瓶
を120℃、72時間オーブンに入れ、銀板の腐食の状
態を目視により観察する。
【0045】ハ.難燃性評価 UL94規格垂直燃焼試験法により、0.8mm厚みの
試験片を用いて難燃性を評価した。難燃性はUL94に
記載の評価方法に従ってV−0,V−1,V−2,HB
に分類した。
【0046】[実施例1〜4および比較例1〜7]固有
粘度0.75dl/g、末端カルボキシル基濃度20e
q/T(106g)のポリブチレンテレフタレート(表
中「PBT」と略する)もしくは固有粘度0.75dl
/g、末端カルボキシル基濃度20eq/T(10
6g)のポリエチレンテレフタレート(表中「PET」
と略する)とガラス繊維、有機層および無機層により被
覆され安定化処理された赤リン、200メッシュのふる
いにかけて通過した酸化銅(I)(Cu2O;水溶液系
25℃の標準電極電位(以下E0と表記):0.471
V、純度:90%)、酸化銅(II)(CuO; E0
=0.570V、純度:90%)、酸化マンガン(Mn
2; E0=0.98V 、純度:85%)、酸化チタ
ン(TiO2; E0=−0.502V )、グラファイ
ト( E0=0.132V)、水酸化アルミニウム(A
l(OH)3 ;E0=−2.30V) を表1に示す配
合組成でブレンドし、これを44mmφのベント付き二
軸押出機を用いて、ポリブチレンテレフタレートの場合
250℃で、ポリエチレンテレフタレートの場合270
℃で混練してストランドに押出しペレット化した。
【0047】
【表1】
【0048】次いでこのペレットを用いて射出容量5オ
ンスの射出成形機にて、ポリブチレンテレフタレートの
場合はシリンダー温度250℃、金型温度60℃、射出
圧力60MPa、冷却時間13秒および全成形サイクル
30秒の条件で、ポリエチレンテレフタレートの場合は
シリンダー温度270℃、金型温度100℃、射出圧力
60MPa、冷却時間30秒および全成形サイクル60
秒の条件で、各特性測定用の成形品を成形し、上記の評
価を行った。結果を表2に示す。
【0049】本発明によれば、ホスフィン発生量が抑制
された組成物を得ることができた。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高温での使用または長
期間にわたる使用においても金属腐食性が低く、耐絶縁
抵抗性に優れ、更にノンハロゲンで有害ガスやブリード
の抑制された、安全かつ安定な難燃性樹脂組成物を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 21/04 C09K 21/04 Fターム(参考) 4F071 AA09 AA15 AA24 AA40 AA43 AA50 AA51 AA54 AB05 AB18 AB19 AE07 AF02 AF47 BB01 BB06 4H028 AA07 AA42 BA06 4J002 AB021 BB031 BB121 BC061 BD041 CB001 CF061 CF071 CF081 CG001 CH071 CL001 CM041 DA056 DE097 DE177 FB076 FB266 FD136 FD207

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂100重量部、
    (B)赤リン0.5〜30重量部、(C)Tyler表
    記の200メッシュのふるいを通り、標準電極電位が+
    0.4V以上の化合物からなる粒子0.001〜30重
    量部からなる難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 粒子(C)の標準電極電位が、25℃の
    水溶液系での値である、請求項1記載の難燃性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 銀板腐食性試験で銀板が金属光沢を有す
    る、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の難燃性樹脂組成物からな
    る成形品。
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