JPH11236496A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH11236496A
JPH11236496A JP4028698A JP4028698A JPH11236496A JP H11236496 A JPH11236496 A JP H11236496A JP 4028698 A JP4028698 A JP 4028698A JP 4028698 A JP4028698 A JP 4028698A JP H11236496 A JPH11236496 A JP H11236496A
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resin
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red phosphorus
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polyester
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JP4028698A
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Mioko Suzuki
美緒子 鈴木
Katsuhiko Hironaka
克彦 弘中
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた難燃性および熱処理時の金属に対する
腐食性を特徴とする非ハロゲン系難燃性ポリエステル樹
脂組成物及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 (A)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂
100重量部、(B)硬化樹脂の被膜を持つ赤燐粉末1
〜15重量部、(C)芳香族ポリカーボネート樹脂5〜
150重量部よりなり、赤燐粉末(B)と芳香族ポリカ
ーボネート樹脂(C)とがあらかじめ溶融混練されてい
ることを特徴とする難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性樹脂組成物に
関する。更に詳しくは、高度な難燃性を有しかつ熱処理
時に金属に対する腐食性が低く金属接点を有する部品材
料に好適な非ハロゲン系の難燃性ポリエステル樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレートを始めとす
るポリエステル樹脂は優れた機械的特性、耐熱性、耐薬
品性等を有するため、電気・電子分野、自動車分野など
の用途の成形品として広く使用されている。
【0003】これらの中で難燃性が要求される用途は多
く、主にハロゲン化合物、アンチモン化合物を難燃剤、
難燃助剤に使用して難燃性を付与した樹脂が供されてい
る。
【0004】しかし、ハロゲン系難燃剤は分解生成物
が、電気部品である金属を腐食する場合があり、また一
部のハロゲン系難燃剤は環境への影響が問題となったこ
とから、非ハロゲン系の難燃性樹脂が求められている。
【0005】非ハロゲン系の難燃剤としてリン化合物が
あり、代表的な有機リン化合物としてトリフェニルホス
フェート(TPP)等の低分子のリン酸エステルが従来
からよく使用されている。しかしながらポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル樹脂は、比較的加工温
度が高く、低分子量のリン酸エステルの場合ブリードア
ウトや耐熱性の問題があった。
【0006】また特開平2−37370号公報にはポリ
エチレンテレフタレートの如き150℃以上の軟化点を
有する熱可塑性ポリエステル系樹脂99〜34重量部、
熱硬化性樹脂により被覆された赤燐1〜25重量部及び
強化充填剤10〜55重量部からなる難燃性ポリエステ
ル系樹脂組成物が開示されている。
【0007】また特開平9−132720号公報及び特
開平9−132723号公報には850℃での残さ量2
5%未満の熱可塑性樹脂に対し850℃での残さ量25
%以上の樹脂及びリン酸エステル系難燃剤を主体とする
難燃剤およびメラミンシアヌレートなどよりなる難燃性
樹脂組成物が開示されている。
【0008】特開平8−208884号公報には、ポリ
スチレンやポリエステルの如き熱可塑性樹脂、燐酸エス
テルや亜リン酸エステルの如き燐化合物およびオルト位
もしくはパラ位が置換されたフェノール類からのフェノ
ール樹脂からなる難燃性樹脂組成物が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は非ハロ
ゲン系難燃剤を含有し、より少ない難燃剤量で高度な難
燃性を有し、かつ金属に対する腐食性が低く金属接点を
有する部品材料に好適な難燃性樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意検討した結果、硬化樹脂の被膜を持
つ被覆赤燐粉末を芳香族ポリカーボネート樹脂と予め溶
融混練させて得られたマスターペレットを難燃剤として
使用することにより、高度な難燃性を有し、かつフェノ
ール樹脂を含有していないため熱処理時に金属に対する
腐食性が低く、金属接点を有する部品材料に好適に用い
ることのできる難燃性樹脂組成物を提供することができ
ることを見出し、本発明に到達した。
【0011】即ち本発明は、(A)熱可塑性芳香族ポリ
エステル樹脂100重量部、(B)硬化樹脂の被膜を持
つ赤燐粉末1〜15重量部および(C)芳香族ポリカー
ボネート樹脂5〜150重量部よりなり、赤燐粉末
(B)と芳香族ポリカーボネート樹脂(C)とがあらか
じめ溶融混練されていることを特徴とする難燃性樹脂組
成物である。
【0012】本発明において、熱可塑性芳香族ポリエス
テル樹脂(A)は芳香族ジカルボン酸を主たるジカルボ
ン酸成分としそして炭素数2〜10の脂肪族ジオールを
主たるグリコール成分とするポリエステルである。好ま
しくはジカルボン酸成分の80モル%以上、より好まし
くは90モル%以上が芳香族ジカルボン酸成分からな
る。またグリコール成分は、好ましくはグリコール成分
の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上が炭
素数2〜10の脂肪族ジオールからなる。
【0013】芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルテレフタル
酸、メチルイソフタル酸および2,6−ナフタレンイジ
カルボン酸等を好ましいものとして挙げることができ
る。これらは1種または2種以上一緒に用いることがで
きる。芳香族ジカルボン酸以外の従たるジカルボン酸と
しては例えばアジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボ
ン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボ
ン酸などを挙げることができる。
【0014】炭素数2〜10の脂肪族ジオールとして
は、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールおよ
び1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオ
ールを挙げることができる。これらの脂肪族ジオールお
よび脂環族ジオールは1種または2種以上一緒に用いる
ことができる。炭素数2〜10の脂肪族ジオール以外の
従たるグリコールとしては例えばp,p'−ジヒドロキシエ
トキシビスフェノールA、ポリオキシエチレングリコー
ル等を挙げることができる。
【0015】熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(A)と
しては、これらのうち主たるジカルボン酸成分がテレフ
タル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸よりなる
群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸でありそ
して主たるジオール成分がエチレングリコール、トリエ
チレングリコールおよびテトラメチレングリコールより
なる群から選ばれる少なくとも1種のジオールであるエ
ステル単位からなるポリエステルが好ましい。
【0016】熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(A)と
してさらに好ましくは、主たるジカルボン酸成分がテレ
フタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸よりな
る群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸であり
そして主たるジオール成分がエチレングリコールおよび
テトラメチレングリコールよりなる群から選ばれる少な
くとも1種のジオールであるエステル単位からなるポリ
エステルである。
【0017】また、エチレンテレフタレート、テトラメ
チレンテレフタレートまたはテトラメチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰返し単位とす
るポリエステルまたはハードセグメントの主たる繰り返
し単位とするポリエステルエラストマーも好ましい。
【0018】テトラメチレンテレフタレートまたはテト
ラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを
ハードセグメントの主たる繰り返し単位とするポリエス
テルエラストマーのソフトセグメントとしては例えばジ
カルボン酸がテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸
およびアジピン酸よりなる群から選択される1種以上の
ジカルボン酸からなりそしてジオール成分が炭素数5〜
10の長鎖ジオールおよびH(OCH2CH2iOH
(i=2〜5)よりなる群から選ばれる1種以上のジオ
ールからなりしかも融点が100℃以下または非晶性で
あるポリエステルからなるかまたはポリカプロラクトン
からなるものが好ましい。
【0019】本発明における熱可塑性芳香族ポリエステ
ル樹脂は35℃、オルトクロロフェノール中で測定した
固有粘度が好ましくは0.5〜1.4dl/g、更に好まし
くは0.6〜1.2dl/gである。固有粘度が0.5未満
では得られる組成物の機械的強度が低くなるため好まし
くなく、1.4を超えると得られる組成物の流動性等が
低下するため好ましくない。
【0020】本発明において赤燐は硬化樹脂の被膜を持
つ被覆赤燐粉末として用いられる。赤燐単独では高温、
機械的ショックなどにより発火やホスフィン発生などの
危険性がある。
【0021】被覆赤燐粉末の被膜の硬化樹脂は、好まし
くはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびアニリン樹脂よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂の硬
化物からなる。
【0022】被覆赤燐粉末はさらに被膜の硬化樹脂中に
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛
およびチタンの水酸化物よりなる群から選ばれる少なく
とも1種の無機化合物を分散含有することが好ましく、
これら無機化合物は上記硬化樹脂の被膜の下に赤燐と接
触して更に含有することもできる。硬化樹脂の被膜を持
つ被覆赤燐粉末の平均粒径は好ましくは5〜40μmの
範囲にあり、より好ましくは25〜35μmの範囲にあ
る。
【0023】被覆赤燐粉末(B)は熱可塑性芳香族ポリ
エステル樹脂(A)100重量部に対し、1〜15重量
部の範囲となるように配合される。1重量部未満では難
燃性が不十分であり、15重量部を超えると、難燃性樹
脂組成物から得られる成形品の機械特性が低下し好まし
くない。
【0024】被覆赤燐粉末は赤燐単独に比べて取り扱い
などの安全性の点で著しく改善されているが、本発明に
おいては被覆赤燐粉末の使用に際して、さらに安全性を
期すため熱可塑性樹脂と予め溶融混練されたマスターペ
レットとして用いられること望ましい。マスターペレッ
トを用いることにより、成形品としたときに得られる成
形品の機械的強度が優れる樹脂組成物を得ることができ
る。
【0025】この場合、溶融混練に用いる熱可塑性樹脂
としては芳香族ポリカーボネート樹脂を用いる。安全性
の点で望ましいのみならず、実際に芳香族ポリカーボネ
ート樹脂と被覆赤燐粉末とをマスターペレット化するこ
とによって、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑
性樹脂と被覆赤燐粉末とをマスターペレット化し更に芳
香族ポリカーボネート樹脂を添加した場合と比べて、著
しく難燃性が高まる点に特徴がある。
【0026】マスターペレット中の被覆赤燐粉末(B)
の含有量は10〜15重量%が好ましい。10重量%未
満では添加するマスターペレットの量が相対的に増える
ためで、15重量%より多いとマスターペレット化が困
難であるのと、安全性が低下する危険性があるためであ
る。
【0027】本発明において芳香族ポリカーボネート樹
脂(C)は通常2価フェノールとカーボネート前駆体と
を溶液法または溶融法で反応させて得られる。2価フェ
ノールとしは例えば2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
プロパン (以下、ビスフェノールAと略称することが
ある)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカンが好ましく、な
かでもビスフェノールAが特に好ましい。2価フェノー
ルは単独でまたは2種以上混合して使用することができ
る。また前記カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートまたはハロホルメートなどを挙げ
ることができる。代表的な例としてはホスゲン、ジフェ
ニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメート
及びこれらの混合物が挙げられる。芳香族ポリカーボネ
ートの製造に際しては適当な分子量調節剤、分岐剤、触
媒等も使用できる。本発明で用いられる芳香族ポリカー
ボネート樹脂は平均分子量で表して10000〜100
000、好ましくは15000〜60000のものを用
いることができる。10000より小さいと機械的強度
が低下し、100000より大きいと流動性などが低下
するため好ましくない。
【0028】芳香族ポリカーボネート樹脂(C)は熱可
塑性芳香族ポリエステル樹脂(A)100重量部に対
し、5〜150重量部の範囲となるように配合される。
5重量部未満では難燃性が不十分であり、150重量部
を超えると、難燃性樹脂組成物から得られる成形品の機
械特性が低下する。
【0029】本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の目
的を損なわない範囲で無機充填剤を更に含有することが
できる。
【0030】かかる充填剤としては例えば炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、長石系鉱物、クレー、ホワイトカーボ
ン、カーボンブラック、ガラスビーズ等の如き粒状また
は無定形の充填剤;カオリンクレー、タルクの如き鱗片
状の充填剤;ガラス繊維、ウラストナイト、チタン酸カ
リウムなどの如き繊維状の充填剤を挙げることができ
る。
【0031】無機充填剤は、芳香族ポリエステル(A)
100重量部に対し5〜150重量部の範囲で含有され
るのが好ましい。
【0032】更に本発明の難燃性樹脂組成物はフッ素樹
脂を含有することができる。フッ素樹脂としてはポリテ
トラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/エチ
レン共重合体等が例示される。フッ素樹脂の好ましい添
加量は熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(A)100重
量部に対し0.01〜10重量部である。10重量部を
超える場合成形加工性の点から好ましくない。
【0033】更に、本発明の難燃性樹脂組成物はシリコ
ーンパウダーを含有することができる。シリコーンパウ
ダーはシリカにシランおよびシリコーンを担持させた構
造を有する。エポキシ基、メタクリル基といった官能基
が導入されていてもかまわない。シリコーンパウダーの
好ましい添加量は、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂
(A)100重量部に対して0.01〜10重量部であ
る。添加量が10重量部を超えると成形加工性の点から
好ましくない。
【0034】本発明の難燃性樹脂組成物はその他、酸化
防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、核剤、可塑
剤、離型剤、顔料、各種エラストマーの如き衝撃改良剤
等の通常使用される添加剤をさらに含有することができ
る。
【0035】本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法とし
ては熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、被覆赤燐粉末と
芳香族ポリカーボネートのマスターペレット、ガラス繊
維など各成分をエクストルーダーを用いて同時に溶融混
練する方法が挙げられる。いづれかが予め溶融混練され
ていてもよい。
【0036】エクストルーダーで溶融混練して得られた
樹脂組成物はペレターザーによりペレット状にカットし
た後成形付与されるが、その方法は射出成形、ブロー成
形などいかなる成形方法をとってもかまわない。
【0037】本発明の難燃性樹脂組成物は家電、OA機
器など電子・電気用途の成形部品に好適に使用される。
具体的にはスイッチ部品、モーター部品、イグニッショ
ンコイルケース、コイルボビン、コネクター、リレーケ
ース、ヒューズケース、ハウジング、シャーシなどに用
いることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は非ハロゲン
系の難燃性樹脂組成物であって、被覆赤燐粉末と芳香族
ポリカーボネート樹脂とを予め溶融混練させて得られた
マスターペレットを難燃剤として使用することにより、
より少ない難燃剤量で高い難燃性を維持しつつ金属に対
する腐食性が特異的に改良されることが特徴であり、そ
の工業的価値は極めて大きい。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
なお、実施例中「部」は「重量部」を示す。固有粘度は
オルトクロロフェノール溶媒を用いて35℃で測定し
た。また各試験は以下の方法に従って評価した。
【0040】難燃性:UL94規格垂直燃焼試験法によ
り、0.8mm厚みの試験片を用いて難燃性を評価し
た。難燃性はUL94に記載の評価方法に従ってV−
O、V−1、V−2、HBの4種類に分類した。 金属腐食性:金属種として銀を使用し、銀板(1cm×1
cm)と、押出機で溶融混練して得られたペレット100
gを500mlのガラス製共栓びんに入れ、ふたをした状
態で120℃、72時間保持させた後の金属腐食の状態
を観察した。変化がない場合は○、腐食が目視で観察さ
れた場合を×で評価した。
【0041】[実施例1〜6および比較例1〜5]実施
例1〜6の組成を表1に、比較例1〜5の組成を表2に
示す。赤燐マスターペレットAは表面コーティングされ
た赤燐15重量%とPC樹脂85重量%を予め溶融混練
して作製されたものを使用した。また比較例で用いてい
る赤燐マスターペレットBは表面コーティングされた赤
燐30重量%とPBT樹脂70重量%を予め溶融混練し
て作製されたものを使用した。いづれも押出機には二軸
押出機のTEX44(日本製鋼所(株)製)を使用し、
シリンダー温度は実施例1〜5及び比較例1〜4は26
0℃、実施例6及び比較例5は280℃、吐出量はいづ
れも50Kg/hr、回転数150rpmにて溶融混練
を行い、カッターによりペレット化した。実施例中の押
出加工性はいづれもスレッド切れが殆ど起こらず安定な
ものであった。得られたチップを130℃で5時間乾燥
後、溶融温度を実施例1〜5及び比較例1〜4は260
℃、金型温度は60℃、実施例6及び比較例5は溶融温
度280℃、金型温度は60℃の条件に設定し、燃焼試
験片を作成した。
【0042】これらの試験片及びペレットを用いて、燃
焼試験、金属腐食性を評価した結果を表3、表4に示
す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】実施例1はPBT樹脂100重量部に赤燐
マスターペレットA(以下赤燐マスターAという)25
重量部配合したもの、また実施例2はPBT樹脂100
重量部に赤燐マスターA85重量部とガラス繊維100
重量部配合したもの、同じく実施例3は実施例2に対し
更にフッ素樹脂を1重量部配合したもので、いづれもU
L−94の燃焼試験でV−0の難燃性を示しまた金属腐
食も見られなかった。同様に実施例4、及び実施例5は
更にPET樹脂を配合し、実施例1,2,3と同様にい
づれもUL−94の燃焼試験でV−0の難燃性を示しま
た金属腐食も見られなかった。
【0048】一方比較例1はPBT樹脂100重量部に
赤燐マスターA2重量部を配合したもので赤燐マスター
の配合量が適当でないため充分な難燃性が得られなかっ
た。比較例2はPBT樹脂100重量部、ガラス繊維6
0重量部、赤燐マスターA3重量部から成り、赤燐マス
ター量が充分でないため充分な難燃性が得られなかっ
た。
【0049】一方比較例3は赤燐マスターAの代わりに
赤燐マスターBを用い、ポリカーボネート樹脂は赤燐と
予め溶融混練することなく配合した。すなわち赤燐粉末
とポリカーボネート樹脂を予め溶融混練したもの(表面
コーティングされた赤燐粉末15重量%とPC樹脂85
重量%)を使用するかわりに、赤燐粉末とPBT樹脂を
予め溶融混練したもの(表面コーティングされた赤燐粉
末30重量%とPBT樹脂70重量%)を使用した。ポ
リカーボネート樹脂は、マスターペレット化することな
く、押出混練時に同時混練することで配合した。その結
果実施例3と同じ赤燐粉末とポリカーボネート樹脂の配
合量であるにもかかわらず、難燃性が大きく低下し、燃
焼時間が長くなり、燃焼性はHBであった。この比較例
3についての表2の赤燐マスターペレットBの欄は、マ
スターペレットBを構成する表面コーティングされた赤
燐の量で表記した。比較例3についての表2のPBTの
欄は、マスターペレットBを構成するPBTを含む組成
物中の全PBT量で表記した。
【0050】比較例4はPBT樹脂100重量部に対し
ガラス繊維60重量部、赤燐マスターBを20重量部
(赤燐粉末量で6重量部)およびフェノール樹脂を20
重量部配合した。難燃性はV−0と高い難燃性を示した
が金属腐食が見られた。
【0051】実施例6はPBN樹脂100重量部、ガラ
ス繊維100重量部、赤燐マスターA85重量部及びフ
ッ素樹脂1重量部を配合した。一方比較例5はPBN樹
脂100重量部、ガラス繊維60重量部に赤燐マスター
A3重量部およびフッ素樹脂1重量部を配合した。実施
例6は燃焼性及び金属腐食性に優れていた。一方比較例
5は十分な難燃性が得られなかった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 67/02 69:00 27:12)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂
    100重量部、(B)硬化樹脂の被膜を持つ赤燐粉末1
    〜15重量部および(C)芳香族ポリカーボネート樹脂
    5〜150重量部よりなり、赤燐粉末(B)と芳香族ポ
    リカーボネート樹脂(C)とがあらかじめ溶融混練され
    ていることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(A)
    が主たるジカルボン酸成分がテレフタル酸および2,6
    −ナフタレンジカルボン酸よりなる群から選ばれる少な
    くとも1種のジカルボン酸であり、そして主たるジオー
    ル成分がエチレングリコール及びテトラメチレングリコ
    ールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のジオール
    であるエステル単位からなるポリエステルまたはポリエ
    ステルエラストマーである請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(A)
    が、エチレンテレフタレート、テトラメチレンテレフタ
    レートまたはテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカ
    ルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステ
    ルである請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(A)
    が、ハードセグメントの主たる繰り返し単位がエチレン
    テレフタレート、テトラメチレンテレフタレートまたは
    テトラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
    トであるポリエステルエラストマーである請求項2に記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】 硬化樹脂の被膜を持つ赤燐粉末(B)の
    被膜の硬化樹脂がフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽
    和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびア
    ニリン樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の硬
    化性樹脂の硬化物からなる請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 硬化樹脂の被膜を持つ赤燐粉末(B)の
    被膜の硬化樹脂中に水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
    シウム、水酸化亜鉛およびチタンの水酸化物よりなる群
    から選ばれる少なくとも1種の無機化合物が分散含有さ
    れている請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
    ム、水酸化亜鉛およびチタンの水酸化物よりなる群から
    選ばれる少なくとも1種の無機化合物の被膜が硬化樹脂
    の被膜の下に赤燐と接触してさらに存在する請求項6に
    記載の組成物。
  8. 【請求項8】 硬化樹脂の被膜を持つ被覆赤燐粉末
    (B)の平均粒径が5〜40μmの範囲にある請求項1
    に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 無機充填剤が5〜150重量部の範囲で
    更に含有される請求項1に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 フッ素樹脂が0.01〜10重量部の
    範囲で更に含有される請求項1に記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4531919B2 (ja) * 2000-03-31 2010-08-25 株式会社高木化学研究所 難燃性ポリエステル樹脂組成物、難燃性ポリエステル繊維、難燃材および難燃性ポリエステル繊維の製造方法

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