JP5326293B2 - 4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの製造方法 - Google Patents
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Description
工程A:テトラクロロテレフタル酸ジクロライドをフッ素化する工程
工程B:工程Aで得られる生成物を還元する工程
工程C:工程Bで得られる生成物を塩素化する工程
工程D:工程Cで得られる生成物を水素化する工程
(a)フッ化カリウムおよびその5〜50重量倍のメタノールを含んでなる混合物と、非プロトン性極性溶媒とを混合し、得られた混合物を濃縮する方法
(b)フッ化カリウムおよびその5〜50重量倍のメタノールを含んでなる混合物と、非極性溶媒とを混合し、得られた混合物を濃縮した後、非プロトン性極性溶媒を加え、得られた混合物を濃縮する方法
(c)メタノールの沸点以上の温度条件下、非プロトン性極性溶媒中に、フッ化カリウムおよびその5〜50重量倍のメタノールを含んでなる混合物を加えながら濃縮する方法
上記(a)〜(c)のうち、反応活性の点において好ましい態様としては(c)の方法が挙げられる。
還流冷却管を付した200mlフラスコにスルホラン110gを仕込み、内温140℃まで昇温した。ここに、フッ化カリウム30gをメタノール350gと混合し、30分間加熱還流することにより完全に溶解させた溶液を滴下しながら、メタノールを留去した。フッ化カリウム/メタノール溶液を全量仕込み、メタノールがほとんど留出しなくなった後、160℃/2.7kPaの条件で、さらにメタノールを留去することにより、フッ化カリウム含有スラリーを得た。
該フッ化カリウム含有スラリーを100℃まで冷却し、テトラクロロテレフタル酸ジクロライド22gと混合した。得られた混合物を145℃に昇温し、同温度で攪拌しながら3.5時間保温・攪拌した。反応後、100℃まで冷却し、トルエン100gを加えた後、室温まで冷却した。メタノール15gを滴下し、窒素ガスを用いて副生するフッ化水素ガスをフラスコ外へ除きながら、室温で12時間攪拌した。析出した結晶をろ別し、該結晶をトルエン10gで洗浄した。ろ液と洗液を合一し、水100gを加えた後、炭酸カリウムを600mg加えて、水層のpHを7に調整した。該混合物を分液し、得られた有機層をエバポレーター(減圧度10〜100kPa、水浴30〜50℃)で濃縮することにより、オイル状の残渣を得た。かかる残渣と水110gとを混合したところ、混合物から結晶が析出した。エバポレーター(減圧度10〜100kPa、水浴30〜50℃)で、該混合物から5g程度の水を留去することにより、上記残渣に含まれていたトルエンを共沸除去した。室温まで冷却し、結晶をろ過・乾燥することにより、17.4gの薄黄色結晶を得た。該結晶をガスクロマトグラフィー面積百分率法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの純度は92%であった。
単離収率:93%。
還流冷却管を付した500mlフラスコに、フッ化カリウム(スプレイドライ品)23g、ジメチルスルホン85gおよびトルエン30gを仕込み、130℃に昇温し、共沸脱水により水分除去を行った。脱水後、140℃にてトルエンが留去しなくなるまで保温後、さらに20mmHgまで減圧し、トルエンをほぼ完全に留去後、窒素で常圧に戻し、100℃まで冷却した。得られた混合物に、テトラクロロテレフタル酸ジクロライド17gとトルエン1.5gを仕込み、145℃に昇温し、同温度で攪拌しながら3時間保温・攪拌した。反応後、110℃まで冷却し、トルエン300gを加え、さらに60℃まで冷却した。ここに、メタノール100gを加えた後、窒素ガスを吹き込みながら、室温で10時間攪拌した。攪拌後、濃縮操作によりメタノールを留去し、濃縮残渣に水200gと炭酸カリウム6.9gを加え、攪拌後、分液し、有機層を得た。有機層を、濃縮、乾燥することにより、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルを薄黄色結晶として13.2g得た。該結晶をガスクロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの含量は90.0重量%であった。
収率:89%
還流冷却管およびソックスレー抽出管を付した200mlフラスコに、メタノール30gとトルエン100gを仕込んだ。また、ソックスレー抽出管部位にはフッ化カリウム20gを仕込み、フラスコ内容物を常圧下で100℃に加熱し、同温度でメタノールを18時間還流させたところ、ソックスレー抽出管部位のフッ化カリウムは完全に消失し、フラスコ中にフッ化カリウム分散液を得た。該フッ化カリウム分散液を、常圧下で90〜100℃に加熱し、メタノール/トルエン混合液を30g留去した。さらにフラスコ内にトルエン100gを加え、さらにメタノール/トルエン混合液を100g留去した。得られた混合物を濾過処理し、得られた微粉末を乾燥処理して、フッ化カリウム19.7gを得た。
還流冷却管および水分離管を付した50mlフラスコに、上記で調製したフッ化カリウム960mgとスルホラン3gとトルエン3gとを仕込み、フラスコ内容物を常圧下で130℃に加熱し、同温度でトルエンの還流脱水を30分間行った後、140℃に昇温してトルエンを留去することにより、フッ化カリウム分散液を得た。
該フッ化カリウム分散液を100℃まで冷却し、テトラクロロテレフタル酸ジクロライド680mgと混合した。得られた混合物を150℃に昇温し、同温度で4時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、メタノールを5g加え、室温で1時間攪拌した。酢酸エチルを10g加え、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析して収率を求めた。
2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの収率:70%
2,3,5−トリフルオロ−6−クロロテレフタル酸ジメチルの収率:16%
ジフルオロ−ジクロロテレフタル酸ジメチルの収率(3異性体合計):11%
還流冷却管を付した200mlフラスコにスルホラン500gを仕込み、内温140℃まで昇温した。1L三角フラスコにフッ化カリウム150gとメタノール500gとを室温で混合し、該混合物をデカンテーションして得られたフッ化カリウムのメタノール溶液を、上記スルホラン中へ滴下しながら、メタノールを留去した。留出したメタノールを用いて、上記デカンテーションにて得られたフッ化カリウムの不溶分を溶解し、該溶液を上記200mlフラスコ中に滴下することにより、フッ化カリウムの全量をメタノール溶液として仕込み、メタノールの留去を続けた。メタノールがほとんど留出しなくなった後、160℃/2.7kPaの条件で、さらにメタノールを留去することにより、フッ化カリウム含有スラリーを得た。
該フッ化カリウム含有スラリーを100℃まで冷却し、テトラクロロテレフタル酸ジクロライド110gと混合した。得られた混合物を145℃に昇温し、同温度で攪拌しながら10時間保温・攪拌した。反応後、100℃まで冷却し、トルエン300gを加えた後、室温まで冷却した。メタノール75gを滴下し、窒素ガスを用いて副生するフッ化水素ガスをフラスコ外へ除きながら、室温で12時間攪拌した。析出した結晶をろ別し、該結晶をトルエン50gで洗浄した。ろ液と洗液を合一し、水500gを加えた後、炭酸カリウムを4g加えて、水層のpHを8に調整した。該混合物を分液し、得られた有機層をエバポレーター(減圧度10〜100kPa、水浴30〜50℃)で濃縮することにより、オイル状の残渣を得た。かかる残渣と水300gとを混合したところ、混合物から結晶が析出した。エバポレーター(減圧度10〜100kPa、水浴30〜50℃)で、該混合物から20g程度の水を留去することにより、上記残渣に含まれていたトルエンを共沸除去した。室温まで冷却し、結晶をろ過・乾燥することにより、82.2gの薄黄色結晶を得た。該結晶をガスクロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの純度は89%であった。
収率:85%。
還流冷却管を付した200mlフラスコにスルホラン97gを仕込み、内温140℃まで昇温した。ここに、フッ化カリウム30gをメタノール350gと混合し、30分間加熱還流することにより完全に溶解させた溶液を滴下しながら、メタノールを留去した。フッ化カリウム/メタノール溶液を全量仕込み、メタノールがほとんど留出しなくなった後、トルエン10gを加えた。トルエンがほぼ留出しなくなるまで140℃で加熱後、さらに160℃/2.7kPaの条件で、ほぼ完全にメタノールとトルエンを留去することにより、フッ化カリウム含有スラリーを得た。
該フッ化カリウム含有スラリーを100℃まで冷却し、テトラクロロテレフタル酸ジクロライド22gと混合した。得られた混合物を145℃に昇温し、同温度で攪拌しながら4時間保温・攪拌した。反応後、100℃まで冷却し、トルエン100gを加えた後、室温まで冷却した後、不溶分をろ別し、該不溶分をトルエン20gで洗浄した。ろ液と洗液とを合一し、得られた混合物を、水酸化カリウム7.6gと水100gの混合物中に滴下した。滴下後、不溶分をろ別し、該不溶分を水10gで水洗し、乾燥させることにより、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸を含む結晶を得た。ろ液と洗液とを合一し、得られた混合物を分液し、得られた水層を約半分の重量まで濃縮後、不溶分をろ別し、該不溶分を乾燥させることにより、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸を含む結晶を得た。先に得た結晶と、後に得た結晶とを合わせた重量は15.9gあり、該結晶を液体クロマトグラフィー絶対検量線法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸の純度は85%であった。
単離収率:88%。
還流冷却管を付した500mlフラスコにスルホラン315gを仕込み、37.3kPaまで減圧した後、内温130℃まで昇温した。ここに、フッ化カリウム61.3gをメタノール810gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下しながら、メタノールを減圧留去した。フッ化カリウム/メタノール溶液を全量仕込み、メタノールがほとんど留出しなくなった後、160℃/2.7kPaの条件で、さらにメタノールを留去することにより、フッ化カリウム分散液を得た。
該フッ化カリウム分散液を常圧で120℃まで冷却した後、テトラクロロテレフタル酸ジクロリド45.0gと混合した。得られた混合物を140℃に昇温し、同温度で攪拌しながら4時間保温・攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物を40℃まで冷却し、2.7kPaまで減圧した後、内温160℃まで昇温し、塔頂温95〜96℃の留分25.2gを取得した。該留分には2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジフルオリドが94.6重量%含まれていた。収率75%。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム9.4g、テトラヒドロフラン100gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル28.5gをテトラヒドロフラン100gに溶解させた液を加えた。この混合液を60℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、35重量%塩酸26gを5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。この反応液に5重量%塩酸120gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン100gを加え、水30gで2回洗浄後、溶媒を留去することにより、26.0gの白色結晶を得た。該結晶を液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は80%であった。
収率:92%。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム4.6g、テトラヒドロフラン50gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル14.7gをテトラヒドロフラン50gに溶解させた液を加えた。この混合液を60℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、45重量%硫酸水13gを5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。この反応液に水50gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水30gで2回洗浄後、溶媒を留去することにより、12.4gの白色結晶を得た。該結晶を液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は85.7%であった。
収率:92%。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.6g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル5.1gをテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を室温で攪拌しながら、35重量%塩酸4.4gとテトラヒドロフラン6gの混合液を5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した。フラスコ内温度は、25〜30℃の範囲であった。この反応液に5重量%塩酸30gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水20gで2回洗浄後、溶媒を留去することにより、4.4gの白色結晶を得た。該結晶を液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は85.4%であった。
収率:93%。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.7g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、実施例4で得られた2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル6.0g(純度:89%)をテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を50℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、35重量%塩酸10.2gとテトラヒドロフラン10gの混合液を5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。この反応液に5重量%塩酸30gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水30gで2回洗浄後、溶媒を留去することにより、4.3gの白色結晶を得た。該結晶を液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は89%であった。
収率:91%。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.7g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、実施例4で得られた2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル6.0g(純度89%)をテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を50℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、酢酸3gとテトラヒドロフラン10gの混合液を5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。この反応液に5重量%塩酸30gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水30gで2回洗浄後、溶媒を留去することにより、4.1gの白色結晶を得た。該結晶を液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は94%であった。
収率:92%。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム2.61g、テトラヒドロフラン26.8gおよび2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル8.94gを仕込み、55℃に昇温した。同温度で攪拌しながら、メタノール26.7gを80分間かけて滴下し、6.5時間保温・攪拌した後、室温まで冷却し、20時間攪拌を行った。この反応液に10%塩酸24.5gを25〜30℃で1時間かけて滴下し、同温度で1時間攪拌した後に、23%水酸化ナトリウム水8gを加えて攪拌した。得られた溶液を全濃縮して溶媒を留去した。得られた濃縮残渣に水100gを加え、酢酸エチル70gを用いて3回抽出し、有機層を合一した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水し、濾過処理により固体を除去した後、有機層を濃縮して、白色結晶を6.38g得た。該結晶をガスクロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの含量は92.5%であった。
収率:84%。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.66g、メチル−tert−ブチルエーテル20.0gおよび2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル5.32gを仕込み、55℃に昇温した。同温度で攪拌しながら、メタノール18.0gを3時間かけて滴下し、5時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。この反応液に10%塩酸16gを25〜30℃で30分間かけて滴下し、同温度で30分間攪拌した後に、45%水酸化ナトリウム水を加えてpHを8に調整した。得られた溶液を濃縮してメタノールとメチル−tert−ブチルエーテルを留去した。得られた濃縮水溶液に酢酸エチル50gを加えて有機層を抽出する操作を2回繰り返し、有機層を合一した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水し、濾過処理により固体を除去した後、有機層を濃縮して、濃縮液を10gまでした後、トルエン30gを加えると結晶が析出したので、これをろ過・乾燥して3.82gの白色結晶を得た。該結晶を液体クロマトグラフィー面積百分率法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの含量は95.5%であった。
収率:87%。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム830mg、テトラヒドロフラン10gおよび2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル2.66gを仕込み、65℃に昇温した。同温度で攪拌しながら、水395mgとテトラヒドロフラン10gの混合液を3時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。得られた反応混合物に10重量%塩酸20gを25〜30℃で30分間かけて滴下し、同温度で1時間攪拌した後に、酢酸エチル30gを用いて2回抽出処理した。有機層を合一し、水10gで洗浄して、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを含む溶液を得た。該溶液を液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの収率は86%であった。
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム2.58gとジメトキシエタン25gを仕込み、50℃に昇温した。該混合物を攪拌しながら、その中に、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸6.10gとジメトキシエタン20gとの混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃に昇温し、同温度で7時間保温・攪拌した。反応終了後の混合物にトルエンを20g加え、50℃に冷却し、35重量%塩酸水8.5gを1時間かけて滴下した後、60℃に昇温し、同温度で6時間保温・攪拌した。得られた混合物に水30gを加え、分液処理にて有機層を分取した後、酢酸エチル30gを用いて水相を2回抽出処理した。上記各処理により得られた全ての有機層を合一し、飽和炭酸カリウム水溶液10g、次いで水10gを用いて、順次洗浄した後、得られた有機層から溶媒を留去した。トルエンとヘキサンを用いて、得られた固体を再結晶処理することにより、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを含む白色粉末状結晶5.35gを得た。該結晶を液体クロマトグラフィー絶対検量線法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は95.1%であった。
収率:95%。
還流冷却管を付した100mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.03gとスルホラン9.0gとを混合し、得られた混合液を50℃に昇温した。そこに、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジフルオリド3.27gとスルホラン21.0gとトルエン4.3gの混合液を20分かけて滴下し、同温度で1時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。得られた反応混合物にアセトン1.0g、トルエン86.7g、水210gを加えて攪拌、静置すると2層に分離したので、分液処理により上層の油層を分取し、該油層に5重量%硫酸50gを加えて攪拌、静置後の水層と前記の水層を合わせて液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの収率は86%であった。
還流冷却管を付した50mlフラスコに、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノール500mg、トルエン3gおよび36重量%塩酸2.5gを室温で仕込み、90℃に昇温した。同温度で5時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。得られた反応混合物を分液したのち、水層をトルエン5gで2回抽出した。有機層を合一し、トルエンを留去することにより、545mgの白色結晶を得た。該結晶をガスクロマトグラフィー面積百分率法により分析したところ、4−クロロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの純度は99.0%であった。
収率:99%。
還流冷却管を付した100mlフラスコに、実施例10と11で得られた2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノール6.6g(純度:90%)、トルエン40gおよび36重量%塩酸33gを室温で仕込み、90℃に昇温した。同温度で5時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。得られた反応混合物を分液したのち、水層をトルエン10gで2回抽出した。有機層を合一し、トルエンを留去することにより、6.2gの白色結晶を得た。該結晶をガスクロマトグラフィー面積百分率法により分析したところ、4−クロロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの純度は98.0%であった。
収率:93%。
また、トルエン抽出後の水層を、5重量%水酸化ナトリウム水で中和後、トルエンで抽出し、得られた有機層からトルエンを留去することにより、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを0.1g回収した。
還流冷却管を付した100mlフラスコに、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノール13.3g(純度:90%)、トルエン70gおよび48重量%臭化水素酸16.4gを室温で仕込み、90℃に昇温した。同温度で4時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。得られた反応混合物を分液したのち、水層をトルエン10gで2回抽出した。有機層を合一し、トルエンを留去することにより、14.9gの白色結晶を得た。該結晶をガスクロマトグラフィー面積百分率法により分析したところ、4−ブロモメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの含量は90.0%であった。
収率:86%
120mLオートクレーブに、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノール7.0g(純度:99.1%)、トルエン42gおよび35重量%塩酸34.7gを室温で仕込んで密閉し、90℃に昇温した。同温度で保温・攪拌したところ、容器内の圧力は、最大で0.12MPa(ゲージ圧力)となった。5時間後、室温まで冷却した。得られた反応混合物を分液したのち、水層をトルエン25gで抽出した。有機層を合一し、トルエンを留去することにより、7.4gの白色結晶を得た。該結晶をガスクロマトグラフィー面積百分率法により分析したところ、4−クロロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの純度は96.6%であった。
収率:94%。
該結晶には、副生物である1,4−ジ(クロロメチル)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンが2.9%含まれていた。
還流冷却管を付した100mlフラスコに、5%パラジウム/炭素(50%含水品)1.2g、実施例18で得られた4−クロロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール6.1g(純度:98.0%)および1−ブタノール30gを仕込み、フラスコ内の気相部を窒素置換した後、水素で置換し、水素を満たした1L容積のゴム風船をフラスコに取り付け、100℃に昇温し、同温度で攪拌しながら16時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、ろ過により触媒を除去した後、触媒を酢酸エチル10gで洗浄後、ろ液と洗液を合一し、濃縮処理することにより、4.7gの白色結晶を得た。該結晶をガスクロマトグラフィー面積百分率法により分析したところ、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの純度は98%であった。
収率:90%。
120mLオートクレーブに、5%パラジウム/炭素(54%含水品)0.16g、4−クロロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール8.6g(純度:92.7%)、水0.6g、酸化マグネシウム1.8gおよびメタノール52gを仕込み、容器内の気相部を窒素置換した後、水素で0.35MPa(ゲージ圧力)まで加圧した。50℃に昇温し、同温度で水素圧力を0.35MPaに保持しながら6時間保温・攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、ろ過により触媒を除去した後、触媒をトルエン43gで洗浄後、ろ液と洗液を合一し、濃縮処理することにより、6.9gの白色結晶を得た。該結晶をガスクロマトグラフィー面積百分率法により分析したところ、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの純度は92.3%であった。
収率:94%。
Claims (21)
- 下記の工程A〜Dを含むことを特徴とする4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの製造方法。
工程A:フッ化カリウムおよびその5〜50重量倍のメタノールを含んでなる混合物と、メタノールよりも沸点が高い非プロトン性有機溶媒とを混合し、得られる混合物を濃縮することにより得られるフッ化カリウムを用いてテトラクロロテレフタル酸ジクロライドをフッ素化する工程
工程B:工程Aで得られる生成物を還元する工程
工程C:工程Bで得られる生成物を塩素化する工程
工程D:工程Cで得られる生成物を水素化する工程 - 工程Aのフッ素化が、ジメチルスルホンの存在下に行う反応である請求項1記載の製造方法。
- 工程Aが、さらにフッ素化後の反応混合物を水で処理する操作を含む工程である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 工程Aで得られる生成物が、テトラフルオロテレフタル酸である請求項3に記載の製造方法。
- 工程Aが、さらにフッ素化後の反応混合物を炭素数1〜6のアルコール化合物で処理する操作を含む工程である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 工程Aで得られる生成物が、テトラフルオロテレフタル酸ジエステルである請求項5に記載の製造方法。
- 工程Aで得られる生成物が、テトラフルオロテレフタル酸ジフルオライドである請求項1又は2に記載の製造方法。
- 工程Bの還元が、水素化ホウ素化合物、水素化アルミニウム化合物および水素化ケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いる反応である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 工程Bの還元が、水素化ホウ素アルカリ金属塩を用いる反応である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 水素化ホウ素アルカリ金属塩が、水素化ホウ素ナトリウムである請求項9に記載の製造方法。
- 工程Bの還元が、さらに酸を作用させて行う反応である請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 工程Bの還元が、さらに水を作用させて行う反応である請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 工程Bの還元が、さらに炭素数1〜10のアルコール化合物を作用させて行う反応である請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 工程Bで得られる生成物が、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノールである請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
- 工程Cの塩素化が、塩化水素を用いる反応である請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法。
- 工程Cの塩素化が、水と混和しない有機溶媒および水の存在下で行う反応である請求項15に記載の製造方法。
- 工程Cの塩素化が、水と混和しない有機溶媒と水との2層系で行う反応である請求項15に記載の製造方法。
- 工程Cで得られる生成物が、4−クロロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールである請求項1〜17のいずれかに記載の製造方法。
- 工程Dの水素化が、水素を用いる反応である請求項1〜18のいずれかに記載の製造方法。
- 工程Dの水素化が、金属触媒の存在下に行う反応である請求項19に記載の製造方法。
- 工程Dの水素化に用いる金属触媒が、コバルト、鉄、ニッケル、白金、パラジウムおよびレニウムから選ばれる少なくとも一種の金属原子を含む触媒である請求項20に記載の製造方法。
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