JP5326238B2 - 信号検出装置 - Google Patents

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本発明は、磁気抵抗効果素子を備えた信号検出装置に関するものである。
磁気抵抗効果素子として、磁化固定層と磁化自由層との間に非磁性材料で形成されたスペーサ層を介在させて構成されたTMR(Tunnel Magnetoresistive)素子が知られている。このTMR素子では、電流を流したときにスピン偏極電子が流れて、磁化自由層内に蓄積されるスピン偏極電子の数に応じて磁化自由層の磁化の向きが変化する。一定の磁場内に配置された磁化自由層では、その磁化の向きを変更しようとしたときに、磁場によって拘束される安定な方向へ復元するようにトルクが働き、特定の力で揺らされたときに、スピン歳差運動と呼ばれる振動が発生する。
近年、TMR素子等の磁気抵抗効果素子に対して高い周波数の交流電流を流した場合において、磁化自由層に流れる交流電流の周波数と磁化の向きに戻ろうとするスピン歳差運動の振動数とが一致したときに、強い共振が発生する現象(スピントルク強磁性共鳴)が発見された(非特許文献1参照)。この共振が発生した状態においては、磁気抵抗効果素子における磁化自由層の磁化の向きは大きく振動し、これに伴い、磁気抵抗は大きく増減する。このため、磁気抵抗効果素子の両端には、スピントルクダイオード効果により、脈流電圧(=電流×抵抗)が発生する。この非特許文献1では、この磁気抵抗効果素子の両端に発生する脈流電圧をバイアスTのローパスフィルタを通過させることで直流電圧に平滑している。
Nature, Vol.438, 17 November, 2005, pp.339-342
しかしながら、上述のようなTMR素子の現象が知られつつも、このような現象を工業的に利用できる磁気デバイスは知られておらず、発見の応用が期待されていた。このため、本願出願人は、鋭意研究を重ねることにより、磁気抵抗効果素子の磁化自由層に印加する磁場の強さを変えることにより、上記した共振の周波数の電圧ピークが変化することを見出し、これを利用して特定の周波数成分の信号波形をモニタ検出し得る周波数アナライザに適用することを提案している。
ところで、本願発明者は、非特許文献1において提案された測定回路を検討した結果、TMR素子の両端間電圧(直流電圧(整流された脈流電圧))を検出するために使用されているローパスフィルタとしてインダクタを使用することにより、構成を簡略化できるというメリットがある反面、発生後短時間で消滅する信号についてはその直流成分を伝達し難いため、検出が困難であるという解決すべき課題が存在していることを見出した。
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、発生後短時間で消滅する信号の存在を確実に検出し得る信号検出装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る信号検出装置は、磁化固定層、磁化自由層、および前記磁化固定層と前記磁化自由層との間に配設された非磁性スペーサー層を備えた磁気抵抗効果素子と、磁場発生用配線、当該磁場発生用配線に電流を供給する電流供給部、および前記電流が前記磁場発生用配線に流れたときに当該磁場発生用配線の周囲に発生する磁界に対する閉磁路を形成して前記磁化自由層に磁場を印加する磁気ヨークを有して、前記電流の電流値を変更することにより、前記磁化自由層に印加する前記磁場の強さを変更可能に構成された磁場印加部と、入力端子を介して前記磁気抵抗効果素子に交流信号が供給されたときに当該磁気抵抗効果素子の両端に発生する両端間電圧と前記交流信号との差分電圧を増幅して出力する差動増幅部とを備え、前記磁場印加部から前記磁気抵抗効果素子に印加する前記磁場の強さを変更することによって変更した前記磁気抵抗効果素子の共振周波数と同じ周波数の交流信号が前記入力端子に供給されたときに、当該同じ周波数の前記交流信号の存在を検出する信号として、前記交流信号の前記周波数の2倍の周波数の脈流電圧を前記差動増幅部から出力する。
さらに、本発明に係る信号検出装置は、前記磁場印加部が、印加する前記磁場の強さに対する漸増および漸減の少なくとも一方の制御が可能に構成されている。
また、本発明に係る信号検出装置は、前記磁気抵抗効果素子と直列接続されて前記入力端子とグランドとの間に配設されたコンデンサを備え、前記差動増幅部は、前記コンデンサの両端間電圧を前記磁気抵抗効果素子の両端に発生する前記直流電圧として増幅する。
また、本発明に係る信号検出装置は、前記差動増幅部が少なくとも1つのトランジスタを備えて構成され、前記コンデンサは、前記トランジスタの制御端子と電流出力端子との間に配設され、当該トランジスタは、当該制御端子と当該電流出力端子との間に入力された前記コンデンサの両端間電圧を前記磁気抵抗効果素子の前記両端に発生する前記直流電圧として増幅して出力する。
本発明に係る信号検出装置によれば、交流信号の供給時に磁気抵抗効果素子の両端に発生する両端間電圧と交流信号との差分電圧を差動増幅部を用いて検出する構成としたことにより、インダクタを使用する構成とは異なり、交流信号が発生後短時間で消滅する信号であったとしても、差動増幅部が、磁気抵抗効果素子の共振時に発生する磁気抵抗効果素子の両端間の直流電圧(交流信号の周波数の2倍の周波数の脈流電圧)を確実に増幅して出力することができる。したがって、この信号検出装置によれば、発生後短時間で消滅する交流信号についても、この交流信号の周波数が磁気抵抗効果素子の共振周波数と一致しているときには、連続して入力される交流信号と同様にして、差動増幅部から出力される出力信号に基づいて、その交流信号の存在を確実に検出することができる。
また、磁気抵抗効果素子に印加する磁場の強さを変更可能に磁場印加部を構成したことにより、磁気抵抗効果素子に印加する磁場の強さを変更することで磁気抵抗効果素子の共振周波数を変更できるため、入力端子に入力される交流信号に関して、複数の周波数の交流信号の存在を検出することができる。
また、本発明に係る信号検出装置では、印加する磁場の強さに対する漸増および漸減の少なくとも一方の制御が可能に磁場印加部が構成されている。したがって、この信号検出装置によれば、例えば、単一の周波数の交流信号が入力されている場合に、磁場の強さを変化させたときの差動増幅部から出力される信号(出力信号)の電圧値は、その単一の周波数と磁気抵抗効果素子の共振周波数とが一致するときに最大となる。したがって、このことを利用して、磁場の各強度における出力信号の電圧値を観測して、磁場の強さに対応する共振周波数と等しい周波数の交流信号が入力端子に入力されているときに、大きな出力信号を得ることができる。また、交流信号に周波数が異なる複数の交流信号が含まれているときであっても、上記の動作と同様にして、磁場の各強さにおける出力信号の電圧値をそれぞれ観測して、磁場の強さを漸増または漸減して変えた1回の掃引操作でその複数の交流信号の存在を検出することができる。このため、この信号検出装置を周波数アナライザとして作動させることができる。
また、本発明に係る信号検出装置によれば、差動増幅部が磁気抵抗効果素子に直列に接続したコンデンサの両端間電圧を差動比較することにより、磁気抵抗効果素子の両端に発生する直流電圧のみを差分電圧として確実に増幅して出力することができるため、この出力信号に基づく交流信号の存在についての検出精度を向上させることができる。
また、本発明に係る信号検出装置によれば、少なくとも1つのトランジスタを備えて差動増幅部を構成し、コンデンサの両端間電圧をこのトランジスタの電流出力端子と制御端子との間に入力して、このトランジスタで増幅して出力するようにしたことにより、差動増幅部を少ない部品点数で構成することができ、製品コストを低減することができる。
以下、本発明に係る信号検出装置の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、信号検出装置1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す信号検出装置1は、磁気抵抗効果素子2、磁場印加部3、入力端子4a,4b(以下、特に区別しないときには入力端子4ともいう)、コンデンサ5、差動増幅部6および出力端子7a,7b(以下、特に区別しないときには出力端子7ともいう)を備えている。なお、図1に示す信号検出装置1は、図2に示すような等価回路で表される。
磁気抵抗効果素子2は、一例として、図3,5に示すように磁化自由層21を含むTMR素子で構成されている。具体的には、磁気抵抗効果素子2は、磁化自由層21、スペーサ層22、磁化固定層23および反強磁性層24を備え、この順に積層された状態で、上部電極25と下部電極26との間に、磁化自由層21が上部電極25に接続され、かつ反強磁性層24が下部電極26に接続された状態で配設されている。この場合、磁化自由層21は、強磁性材料で感磁層として構成されている。スペーサ層22は、本発明における非磁性スペーサ層であって、絶縁性を有する非磁性材料で構成されて、トンネルバリア層として機能する。なお、スペーサ層22は、通常1nm以下の厚みで形成される。また、下部電極26はグランドに接続されている。
磁化固定層23は、一例として、図3,5に示すように、磁化方向が固定された強磁性層(第2磁性層)23a、Cuなどの金属からなる非磁性層23b、および磁化方向が強磁性層23aと逆向きとなるように固定された他の強磁性層(第1磁性層)23cとを備え、強磁性層23cが反強磁性層24の上部に位置するように各層がこの順に積層されて構成されている。この場合、一対の強磁性層23a,23cは、その磁化方向が磁気抵抗効果素子2の厚み方向(Z軸方向)と垂直に設定されている。また、反強磁性層24は、下側の強磁性層23cに交換結合されている。
また、磁気抵抗効果素子2は、磁化自由層21において磁化の向きの共振が発生し易いように、図4に示すように、磁化自由層21における容易磁化軸Fの向きと、後述する磁場印加部3から印加される磁場Hの向きとが、X−Y平面内において、所定の角度θ(好ましくは5°〜175°の範囲の角度)で交差するように、磁気抵抗効果素子2と磁場印加部3との位置関係が予め規定されている。
磁場印加部3は、図1,5に示すように、磁場発生用配線31、磁気ヨーク32および電流供給部33を備えている。磁場発生用配線31は、図5に示すように、上部電極25を介して磁気抵抗効果素子2の上方に配設されている。磁気ヨーク32は、頂部磁性体32a、側面部磁性体32b,32c、下部磁性体32d,32e、および底部磁性体32f,32gを備えている。この場合、頂部磁性体32aは、磁場発生用配線31の上方に配設されている。側面部磁性体32bは、磁場発生用配線31の一方の側方(一例として、図5では右側方)に配設されて、頂部磁性体32aに接続されている。また、側面部磁性体32cは、磁場発生用配線31の他方の側方(一例として、図5では左側方)に配設されて、頂部磁性体32aに接続されている。下部磁性体32dは、磁気抵抗効果素子2の一方の側方(一例として、図5では右側方)に配設されて、側面部磁性体32bに接続されている。また、下部磁性体32eは、磁気抵抗効果素子2の他方の側方(一例として、図5では左側方)に配設されて、側面部磁性体32cに接続されている。この構成により、下部磁性体32e、側面部磁性体32c、頂部磁性体32a、側面部磁性体32bおよび下部磁性体32dは、この順に連結されて全体として短冊状に形成され、かつ図1に示すように磁場発生用配線31を跨ぐようにして磁気抵抗効果素子2の上方に配設されている。
底部磁性体32fは、図1,5に示すように、下部磁性体32dに接続された状態で下部磁性体32dの下方に配設されている。また、底部磁性体32fは、その磁気抵抗効果素子2方向の端部側が、磁気抵抗効果素子2の上部電極25および下部電極26間にこれらと絶縁された状態で進入すると共に、磁気抵抗効果素子2の磁化自由層21における一方の側面近傍に達している。底部磁性体32gは、下部磁性体32eに接続された状態で下部磁性体32eの下方に配設されている。また、底部磁性体32eも、その磁気抵抗効果素子2方向の端部側が、上部電極25および下部電極26間にこれらと絶縁された状態で進入すると共に、磁気抵抗効果素子2の磁化自由層21における他方の側面近傍に達している。
磁気ヨーク32は、上記の構成により、磁場発生用配線31に電流Iが流れたときに磁場発生用配線31の周囲に発生する磁界に対する閉磁路を形成して、図4に示すように、この閉磁路のギャップとなる部位(一対の底部磁性体32f,32g間の隙間)に配設された磁気抵抗効果素子2の磁化自由層21に対して磁場Hを印加する。また、本例では、一例として、上述した磁場印加部3の磁場発生用配線31および磁気ヨーク32は、磁気抵抗効果素子2と共に、公知の半導体製造プロセスを利用して、シリコンウェハ上に形成される。
電流供給部33は、頂部磁性体32aの両側から延出する磁場発生用配線31の各端部に接続されて、磁場発生用配線31に電流Iを供給する。また、電流供給部33は、この電流Iの電流値を変更可能に構成されている。したがって、磁場印加部3は、電流供給部33から出力される電流Iの電流値を変更することにより、磁気抵抗効果素子2に印加する磁場Hの強さを変更可能となっている。なお、本例では、磁気ヨーク32内を通過する磁場発生用配線31の数は1つに形成されているが、磁場発生用配線31をコイル状に形成して、磁気ヨーク32内を通過する磁場発生用配線31の数を複数とする構成を採用することにより、磁場Hの強さを強めることもできる。
入力端子4aは、図1に示すように、コンデンサ5を介して上部電極25に接続されている。一方、入力端子4bはグランドに接続されている。したがって、入力端子4bは、グランドを介して、下部電極26に接続されている。コンデンサ5は、図1,2に示すように、磁気抵抗効果素子2と直列に接続された状態で、入力端子4aとグランドとの間に配設されている。差動増幅部6は、一例としてオペアンプを用いて構成されて、一方の入力端子が入力端子4aに接続され、他方の入力端子が上部電極25に接続されている。これにより、差動増幅部6は、コンデンサ5の両端間に発生する電圧を差動増幅して出力信号S2として出力端子7に出力する。なお、図2に示すように、入力端子4からコンデンサ5を経由して磁気抵抗効果素子2に至るループLでは、交流信号S1が供給される入力端子4a,4b間、およびコンデンサ5は、交流的にショート状態とみなすことができる。
次に、入力端子4からコンデンサ5を経由して磁気抵抗効果素子2に交流信号S1が流れたときの磁気抵抗効果素子2の両端間に発生する直流電圧Vdcについて説明する。図6は、交流信号S1の周波数fと磁気抵抗効果素子2の両端間に発生する直流電圧Vdcのピーク値の平均値との関係を示すグラフである。ここで、この直流電圧Vdcとは、磁気抵抗効果素子2の両端間に発生する整流された脈流電圧である。このグラフから明らかなように、交流信号S1の周波数fを変化させた(掃引操作した)場合、磁気抵抗効果素子2の共振周波数と交流信号S1の周波数とが一致したとき(周波数f2のとき)に直流電圧Vdcのピーク値は大きな電圧値を示すが、共振周波数f2とは異なる周波数f1(<f2),f3(>f2)では小さな電圧値となる。実際に周波数がf1,f2,f3の各交流信号(正弦波信号)S1を入力したときの磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Va(磁気抵抗効果素子2におけるコンデンサ5側の端部の電圧。図2参照)の電圧波形はそれぞれ図7,8,9に示すようになる。この場合、周波数f2の交流信号S1のときには、図8に示すように、磁気抵抗効果素子2の共振によって発生した大きな直流電圧(約1mV)が重畳することにより、磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Vaの電圧波形は正側にシフトしているが、共振周波数f2とは異なる周波数f1,f3の交流信号S1のときには、磁気抵抗効果素子2が共振しないため、図7,9に示すように、磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Vaの電圧波形には直流成分は発生(重畳)していない。
詳細には、交流信号S1(図10における1段目の波形)の周波数が磁気抵抗効果素子2の共振周波数f2と一致しているとき(または、交流信号S1に共振周波数f2と等しい周波数の交流信号が含まれているとき)には、磁気抵抗効果素子2において共振が発生する。このため、磁気抵抗効果素子2の抵抗値は共振周波数f2で大きく増減し、これによって磁気抵抗効果素子2の両端には、スピントルクダイオード効果により、図10における2段目の波形図において破線で示すような整流された脈流電圧(直流電圧Vdc)が発生する。したがって、コンデンサ5における磁気抵抗効果素子2側の端部の電圧波形Vaは、同図における2段目の波形図において実線で示すように、交流信号S1にこの整流された脈流電圧(直流電圧Vdc)が重畳した波形となる。差動増幅部6は、コンデンサ5における入力端子4側の端部の電圧(すなわち交流信号S1)とコンデンサ5における磁気抵抗効果素子2側の端部の電圧(磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Va)との差分電圧(同図における3段目の2つの電圧Va,S1の差分電圧、すなわち2段目の破線で示す直流電圧Vdc)を増幅して、同図における4段目に示すように、脈流電圧である出力信号S2を出力する。この場合、出力信号S2は交流信号S1に対して二乗検波された信号を増幅したものであるため、交流信号S1の周波数(共振周波数f2と同じ周波数)の2倍の周波数が検出される。さらに、図11に示すように、磁場Hの強さをHa,Hb,Hc(Ha<Hb<Hc)というように変更することにより、共振周波数をfa,fb,fc(fa<fb<fc)というように変化させることができるため、この差動増幅部6を用いた信号検出装置1は交流信号S1の周波数を測定する周波数測定装置としても機能する。
また、信号検出装置1では、上記したように、コンデンサ5の両端間に発生する直流電圧Vdcを平滑することなく差動増幅部6で増幅して、磁気抵抗効果素子2の両端間に発生する直流電圧としての出力信号S2を出力している。このため、インダクタを使用して平滑する従来の構成とは異なり、この信号検出装置1では、交流信号S1が発生後短時間で消滅する信号であったとしても、磁気抵抗効果素子2の共振時に発生する磁気抵抗効果素子2の両端間の直流電圧Vdcが確実に出力信号S2として出力される。このため、発生後短時間で消滅する交流信号S1についても、この出力信号S2に基づいて、その交流信号S1の存在が確実に検出される。
このように、この信号検出装置1によれば、交流信号S1の供給時に磁気抵抗効果素子2の両端に発生する直流電圧Vdc、具体的には磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Vaと交流信号S1との差分電圧を差動増幅部6を用いて検出する構成としたことにより、インダクタを使用する構成とは異なり、交流信号S1が発生後短時間で消滅する信号であったとしても、差動増幅部6が、磁気抵抗効果素子2の共振時に発生する磁気抵抗効果素子2の両端間の直流電圧Vdc(整流された脈流電圧であって、交流信号の周波数の2倍の周波数の脈流電圧)を確実に増幅して出力信号S2として出力することができる。したがって、この信号検出装置1によれば、発生後短時間で消滅する交流信号S1についても、この交流信号S1の周波数が磁気抵抗効果素子2の共振周波数f2と一致しているときには、連続して入力される交流信号S1と同様にして、この出力信号S2に基づいて、その交流信号S1の存在を確実に検出することができる。
また、この信号検出装置1では、差動増幅部6が磁気抵抗効果素子2に直列に接続したコンデンサ5の両端間電圧を磁気抵抗効果素子2の両端に発生する直流電圧Vdc(整流された脈流電圧)として検出する。この場合、コンデンサ5は交流的に短絡しているとみなせるため、磁気抵抗効果素子2にはコンデンサ5を介して交流信号S1が印加され、コンデンサ5における磁気抵抗効果素子2側の端部の電圧(磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Va)は、印加されている交流信号S1に、磁気抵抗効果素子2の両端間に発生する直流電圧Vdcが重畳した電圧となる。したがって、この信号検出装置1によれば、差動増幅部6がコンデンサ5の両端間電圧(コンデンサ5の各端部に発生する両電圧の差分電圧)を検出(差動比較)することにより、磁気抵抗効果素子2の両端に発生する直流電圧Vdcのみを確実に増幅して出力信号S2として出力することができるため、この出力信号S2に基づく交流信号の存在についての検出精度を向上させることができる。
また、この信号検出装置1では、磁場発生用配線31に供給する電流Iの電流値を変更可能に電流供給部33が構成されて、磁気抵抗効果素子2に印加する磁場Hの強さを変更可能に磁場印加部3が構成されている。したがって、この信号検出装置1によれば、磁気抵抗効果素子2に印加する磁場Hの強さを変更することで磁気抵抗効果素子2の共振周波数を変更できるため、入力端子4に入力される交流信号S1に関して、複数の周波数の交流信号の存在を検出することができる。
なお、本発明は上記の構成に限定されない。例えば、磁気抵抗効果素子2としてTMR素子を使用した例について上記したが、他の磁気抵抗効果素子を使用することもできる。具体的には、図12に示す構成のCPP−GMR(Current−Perpendicular−to−Plane giant magnetoresistance)素子を磁気抵抗効果素子2として使用することができる。このCPP−GMR素子の概要について説明すると、CPP−GMR素子は、同図に示すように、キャップ層41、磁化自由層42、スペーサ層(本発明における非磁性スペーサ層)43、磁化固定層44、反強磁性層45、バッファ層46を備え、この順に積層された状態で、上部電極25と下部電極26との間に、キャップ層41が上部電極25に接続され、かつバッファ層46が下部電極26に接続された状態で上部電極25と下部電極26との間に配設されている。この場合、磁化固定層44は、一例として同図に示すように、磁化方向が固定された強磁性層(第2磁性層)44a、Ruなどの金属からなる非磁性層44b、および磁化方向が強磁性層(第2磁性層)44aと逆向きとなるように固定された他の強磁性層(第1磁性層)44cとを備え、強磁性層44cが反強磁性層45の上部に位置するように各層がこの順に積層されて構成されている。磁気抵抗効果素子2としてCPP−GMR素子を使用する構成では、TMR素子を使用する構成と比較して、ピーク波形がより尖鋭な波形となるため、より精度良く交流信号S1の存在を検出することができる。
また、交流信号S1に周波数が異なる複数の交流信号が含まれているときであっても、磁場印加部3が印加する磁場Hの強さに対する漸増または/および漸減の制御を行うことにより、上記の動作と同様にして、磁場Hの各強度における出力信号S2の電圧値をそれぞれ観測して、電圧波形にピーク波形が存在しているか否かに基づいて、磁場Hの強さを漸増または漸減した変えた1回の検出動作でこの複数の交流信号の存在を検出することができる。このため、信号検出装置1を周波数アナライザとして作動させることができる。
また、差動増幅部6をオペアンプで構成した例について上記したが、図13に示すように、1つのトランジスタ(少なくとも1つの一例)を使用して差動増幅部6を構成することもできる。なお、複数のトランジスタを用いて構成することもできる。また、図2と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。この場合、同図に示すように、トランジスタとしてNPN型バイポーラトランジスタ(以下、「トランジスタ」ともいう)61を使用したときには、そのベース端子(制御端子)をインピーダンス素子62を介してコンデンサ5と磁気抵抗効果素子2との接続点(例えば上部電極25)に接続し、そのエミッタ端子(電流出力端子)をインピーダンス素子63を介して入力端子4aに接続し、そのコレクタ端子は抵抗64を介して電源(Vcc)に接続する。また、トランジスタ61を線形領域で動作させるために、磁気抵抗効果素子2とグランドとの間に直流定電圧源65を配設して、エミッタ端子とベース端子との間の電位差が常にトランジスタ61のVBE(約0.7ボルト)より大きくなるように設定する。インピーダンス素子62,63としては、通常、抵抗が使用され、その抵抗値は入力端子4に交流信号S1を供給する供給ラインのインピーダンス(通常は50Ω)に対して十分に大きな抵抗値(約500Ω以上)に設定される。この構成により、コンデンサ5の両端間電圧が1つのトランジスタ61で増幅されてコレクタ端子に接続された出力端子7aから出力信号S2が出力される。このように差動増幅部6を1つのトランジスタ61で構成することにより、差動増幅部6を少ない部品点数で構成することができ、製品コストを低減することができる。また、トランジスタ61の動作点をより安定化させるため、同図に示すように、エミッタ端子側に定電流源66を配設する構成を採用することもできる。この場合、トランジスタ61のエミッタ端子およびインピーダンス素子63の接続点と定電流源66との間にインダクタ67を配設して、交流成分の定電流源66への流れ込みを低減する構成とするのがより好ましい。また、トランジスタとして電界効果型トランジスタを使用してもよいのは勿論である。
また、上記の例では、磁場印加部3の磁場発生用配線31、磁気ヨーク32および磁気抵抗効果素子2を、公知の半導体製造プロセスを利用してシリコンウェハ上に形成しているが、磁場印加部3を構成する電流供給部33、コンデンサ5および差動増幅部6を同じシリコンウェハ上に一体的に形成することもできる。また、信号検出装置1については、差動増幅部6から出力される出力信号S2の周波数が交流信号S1の周波数の2倍となるため、逓倍装置としても構成することができる。
信号検出装置1の構成を示す斜視図である。 図1の等価回路図である。 磁気抵抗効果素子2(TMR素子)近傍の斜視図である。 磁気抵抗効果素子2の磁化自由層21近傍の斜視図である。 図1におけるW−W線断面図である。 磁気抵抗効果素子2に印加する磁場Hを一定としたときの周波数fと磁気抵抗効果素子2の両端間の直流電圧Vdcとの関係図である。 周波数がf1の交流信号S1を供給したときの磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Vaの波形図である。 周波数がf2の交流信号S1を供給したときの磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Vaの波形図である。 周波数がf3の交流信号S1を供給したときの磁気抵抗効果素子2の両端間電圧Vaの波形図である。 信号検出装置1の動作を説明するための波形図である。 磁気抵抗効果素子2に印加する磁場Hを変化させたときの共振周波数fと磁気抵抗効果素子2の両端間の直流電圧Vdcのピーク値との関係を示す波形図である。 磁気抵抗効果素子2(CPP−GMR素子)近傍の斜視図である。 差動増幅部6を1つのトランジスタ61で構成した場合の回路図である。
符号の説明
1 信号検出装置
2 磁気抵抗効果素子
3 磁場印加部
4a,4b 入力端子
5 コンデンサ
6 差動増幅部
21,42 磁化自由層
22,43 スペーサ層
23,44 磁化固定層

Claims (4)

  1. 磁化固定層、磁化自由層、および前記磁化固定層と前記磁化自由層との間に配設された非磁性スペーサー層を備えた磁気抵抗効果素子と、
    磁場発生用配線、当該磁場発生用配線に電流を供給する電流供給部、および前記電流が前記磁場発生用配線に流れたときに当該磁場発生用配線の周囲に発生する磁界に対する閉磁路を形成して前記磁化自由層に磁場を印加する磁気ヨークを有して、前記電流の電流値を変更することにより、前記磁化自由層に印加する前記磁場の強さを変更可能に構成された磁場印加部と、
    入力端子を介して前記磁気抵抗効果素子に交流信号が供給されたときに当該磁気抵抗効果素子の両端に発生する両端間電圧と前記交流信号との差分電圧を増幅して出力する差動増幅部とを備え
    前記磁場印加部から前記磁気抵抗効果素子に印加する前記磁場の強さを変更することによって変更した前記磁気抵抗効果素子の共振周波数と同じ周波数の交流信号が前記入力端子に供給されたときに、当該同じ周波数の前記交流信号の存在を検出する信号として、前記交流信号の前記周波数の2倍の周波数の脈流電圧を前記差動増幅部から出力する信号検出装置。
  2. 前記磁場印加部は、印加する前記磁場の強さに対する漸増および漸減の少なくとも一方の制御が可能に構成されている請求項記載の信号検出装置。
  3. 前記磁気抵抗効果素子と直列接続されて前記入力端子とグランドとの間に配設されたコンデンサを備え、
    前記差動増幅部は、前記コンデンサの両端間電圧を前記磁気抵抗効果素子の両端に発生する前記直流電圧として増幅する請求項1または2記載の信号検出装置。
  4. 前記差動増幅部は少なくとも1つのトランジスタを備えて構成され、前記コンデンサは、前記トランジスタの制御端子と電流出力端子との間に配設され、当該トランジスタは、当該制御端子と当該電流出力端子との間に入力された前記コンデンサの両端間電圧を前記磁気抵抗効果素子の前記両端に発生する前記直流電圧として増幅して出力する請求項記載の信号検出装置。
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