JP5325785B2 - 回転電気機械のためのステータ - Google Patents

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Description

本発明は、回転電気機械に関し、特に、プレフォーム(予備成形された)コイルをステータに形成された開放型巻線スロットに差し入れることによって形成された単層巻きのステータ巻線を有する回転電気機械(以下、「電気回転機械」、「回転機械」、「電気機械」又は単に「機械」とも称する)に関し、そのような電気機械のための新規なステータを提供する。
大型回転電気機械の単層巻きステータ巻線を形成する一般的な方法は、複数のプレフォームコイル(以下、単に「コイル」とも称する)をステータの表面に形成された開放型巻線スロットに差し入れる方法である。これらのコイルは、ステータとは別途に形成され、巻きつけ工程において巻線スロット内の所定位置へ個々に(1つ1つ)落とし込まれる。各プレフォームコイルは、1本又は複数本の絶縁(された)導体から完全なループとして形成され、数巻きの巻きを有する。コイルは、通常、断面長方形の導体から形成されるが、完成したコイルの断面が実質的に長方形になりさえすれば、断面丸形の導体から形成することもできる。在来の典型的な個別プレフォームコイルが図1に明示されている。このプレフォームコイル2は、2つの軸線方向に延長する巻線ラン4を有する。(ここで、「ラン(run)」とは、一定区間に亘って延長する巻線部分又は巻線区間のことをいう。)軸線方向延長巻線ラン(以下、単に「巻線ラン」とも称する)4は、各々、電気機械(図示せず)のステータに形成された開放型巻線スロット内に受容される。プレフォームコイル2は、その(巻線ラン4の)両端に端部巻線6を有する。端部巻線6は、コイルが巻線スロット内の所定位置に挿入されたとき、ステータの軸方向端部から突出する。プレフォームコイル2の軸線方向延長巻線ラン4及び端部巻線6は、いずれも、コイルが巻線スロット内に受容され適正に作動することができるように、断面形状が実質的に長方形である。
単層巻き巻線を備えた電気機械においては、ステータの各巻線スロットには、巻線ラン4が1本だけ挿入され、各プレフォームコイルの2つの巻線ラン4は、幾つかの中間介在巻線スロットによって分離された巻線スロットに受容されるように離隔されている。例えば、1相当たり1極当たり1スロット構成(1相につき1極が割り当てられ、その1極につき1つのスロットが割り当てられる構成)の3相の単層巻き巻線のためのプレフォームコイルは、3巻線スロットのピッチを有する。つまり、各プレフォームコイルの2つの軸線方向延長巻線ラン4は、2つの中間介在巻線スロットを挟んで互いに分離された2つの巻線スロットに受容される(図2参照)。
在来の回転電気機械は、上述したように、複数個のプレフォームコイルを有するステータ巻線を用いる。ステータは、その円周方向に等角間隔を置いて互いに離隔され積層ステータコア内へ半径方向に切り込まれた複数の同一の巻線スロットを有する。これらの巻線スロットは、多くの場合、「開放型」で、プレフォームコイルを半径方向に挿入することができるように、長手方向(軸線方向)及び深さ方向(半径方向)に沿って実質的に平行な側壁を有する。又、巻線スロットは、通常、ステータの長手軸線に沿って平行に形成されるが。ある種の電気機械においては、起磁力(mmf)を小さくすることができるように、ステータの長手軸線に対して角度をなして形成される。
ステータの半径方向に沿ってステータ内へ切り込まれる巻線スロットは、形成するのが簡単で、好適なステータ歯特性を示すので、一般的に好ましい。以下の説明では、説明の便宜上、そのようなスロットを「半径方向スロット」と称することとする。最も大型の回転電気機械のステータは、通常、複数の軸線方向に積重された積層薄板(ラミネーション)から形成され、巻線スロットは、各個々の積層薄板にパンチ加工によって形成されている。多くの場合、各積層薄板に押抜き機(パンチングマシン)によって1回に一個づつ形成されるが、この加工工程は、スロットが半径方向のスロットである場合、著しく容易になる。2層ステータ巻線が用いられる場合は、すべてのプレフォームコイルを実質的に同じ形状にすることができるように、スロットを半径方向のスロットにする必要がある。半径方向のスロットは、又、巻線スロットの間に形成されるステータ歯の円周方向の幅を歯の半径方向の長さ(深さ)に沿ってのすべての点において最大限にする。その結果として、機械の作動中ステータ歯内に発生する望ましくない磁束密度を最少限にするとともに、磁束密度を設定するのに必要とされるmmf(起磁力)を最少限にする。更に、半径方向のスロットを設け、それによってステータ歯の円周方向の幅を最大限にすることは、各隣り合う対の巻線スロット間に形成されるステータ歯の構造的強度並びに剛性を最大限にし、ステータ歯がステータへの巻線巻きつけ工程中、並びに、電気機械の作動中に受ける応力に耐えることを保証する。
しかしながら、プレフォームコイルを半径方向のスロットに挿入するためには、各コイルの2つの軸線方向延長巻線ランを半径方向のスロットと同じ向きになるように形成する必要がある。換言すれば、各プレフォームコイルの2つの軸線方向延長巻線ランは、それらが巻線スロット内に受容されたとき、互いにステータの軸線方向に平行になり、各々ステータの半径方向に沿って位置するように形成しなければならない。このことは、各プレフォームコイルの2つの軸線方向延長巻線ランは、互いに対して角度をなす(傾斜する)ことを意味する。より詳しくいえば、在来の回転電気機械においては、各プレフォームコイルの2つの軸線方向延長巻線ランは、互いに対して、それらが受容される巻線スロットの中心平面間の円周方向の角間隔(角距離)に等しい(傾斜)角度に形成しなければならない。開放型巻線スロットの「中心平面」とは、ここでは、巻線スロットの両側壁から等距離にあって両側壁に平行な平面をいう。即ち、半径方向のスロットの中心平面は、ステータの円周方向でみてそのスロットの角中心を画定する。
回転電気機械は、通常、そのステータがロータの半径方向外側に位置するように形成され、巻線スロットはステータの半径方向内側表面に形成される。しかしながら、ロータがステータの半径方向外側に位置し、巻線スロットがステータの半径方向外側表面に形成された回転電気機械を形成することも可能である。いずれにしても、各プレフォームコイルの2つの軸線方向延長巻線ランは、対応する巻線スロット対に適正に受容されるように適宜互いに対して近づく方向に又は遠ざかる方向に傾斜させなければならない。
図2は、在来の大型回転電気機械のためのステータ8の一部分を示す。ステータ8全体では、その半径方向内側表面の円周に等角間隔に形成された240個の開放型巻線スロット10を有する。1相当たり1極当たり1スロット構成の単層巻きプレフォームコイル2は、巻線スロット対を構成する1対の巻線スロット10a、10dに受容される。隣り合う巻線スロット10の各対の中心平面間の角間隔は、1.5°(即ち、360°/240)である。各スロット10は、ステータ8の長手軸線に実質的に平行に延長し、ステータの半径方向内側表面にステータの半径に沿って切り込まれている。スロット10は、開放型スロットであるから、実質的に平行な両側壁を有し、それによって、各プレフォームコイルの軸線方向延長巻線ランを各スロット内へその半径に沿って挿入することができる。プレフォームコイル2は、3スロットのピッチを有し、従って、軸線方向延長巻線ラン4を受容する巻線スロット10aと10dはそれらの間に介在する2つの中間介在巻線スロット10b、10cによって分離される。巻線スロット10aと10dの間の各間隔は、4.5°である。従って、各巻線スロット10はステータの半径に沿って切り込まれているので、プレフォームコイル2の軸線方向延長巻線ラン4も、互いに対して4.5°傾斜する。
隣り合う巻線スロット10の各対の間にステータ歯14が形成される。各巻線スロット10の向きはステータの半径に沿っているので、ステータ歯14の向きもすべてステータの半径に沿っており、実質的に同一形状である。更に、各巻線スロット10は、均一幅であるから、各ステータ歯14は、ステータ8の半径方向内側表面のところよりも、基部の方が僅かに幅広となる。このように形成されたステータ歯14は、適当に強固であり、電気機械の作動中にステータ歯内に発生する望ましくない磁束密度を最少限にする。
単層巻きステータ巻線を受容するステータには、通常、各プレフォームコイルを個々に巻線スロットに挿入することによって巻線が巻かれる。しかしながら、各プレフォームコイルの2つの軸線方向延長巻線ランがそれぞれステータの半径に沿って延在するように、各プレフォームコイルの軸線方向延長巻線ランを互いに対して角度をなして(傾斜させて)形成する必要があるので、コイルを半径方向のスロット内へ挿入する操作を困難にする。つまり、コイル巻き工程が、多くの場合、時間のかかる作業となり、プレフォームコイルが損傷しないようにするために高度の技巧を必要とする。これらの問題は、多数の極を有する大型電気機械において特に厳しくなる。なぜなら、そのような大型電気機械のためのプレフォームコイルは、大型であり、それらの端部巻線は堅くて曲がりにくいからである。従って、コイル巻き工程においてプレフォームコイルの挿入を従来よりはるかに容易にする巻線スロットを有する改良ステータを求める要望がある。特に、多数の極を有する大型の多相回転電気機械に用いるのに好適なそのような改良ステータを求める要望がある。ただし、そのためのステータは、どのようなものであれ、電気機械の作動中望ましくない磁束密度の発生を許容しうる限度に抑えることができ、巻線スロット間に形成されるステータ歯が充分に強固なものであることが肝要である。
本発明は、n個のプレフォームコイルを含む単層巻きACステータ巻線を有する回転電気機械のためのステータを提供する。このステータは、2n個の円周方向に離隔された開放型巻線スロットを形成された第1円筒形表面を有し、各巻線スロットは、第1円筒形表面の軸線方向長手に沿って延長して中心平面を有し、該2n個の巻線スロットは、各々1つのコイルを受容するための2つの巻線スロットから成るn個の巻線スロット対を画定し、該各対をなす2つの巻線スロットの中心平面は、該ステータの第1円筒形表面において、巻線スロット対に受容されるコイルの角ピッチに等しい角距離だけ円周方向に互いに離隔されている。このステータの特徴は、各巻線スロット対を構成する2つの巻線スロットの中心平面が互いに実質的に平行であり、該2つの巻線スロットの中心平面のうちの少なくとも一方の中心平面は、ステータの半径に沿って延長していないことにある。
ここでいう各開放型巻線スロットの「中心平面」とは、各巻線スロットの両側壁から実質的に等距離にあって両側壁に実質的に平行な平面をいう。ステータの半径に沿う向きの中心平面を有する巻線スロットを「半径方向のスロット」と称する。以下の説明では、ステータの巻線スロットに、ステータの第1軸方向端に対して、ステータの周りに時計回り方向に順に番号を付して説明する。従って、巻線スロット対の第1巻線スロットから当該巻線スロット対の第2巻線スロットへの移行順序は、常に、ステータの第1軸方向端に対して時計回り方向である。又、ここでいう「軸方向線」とは、ステータの中心回転軸線に平行なすべての線のことをいう。
本発明によるステータには、適当なプレフォームコイルの各軸線方向延長巻線ランが対応する巻線スロット対の1つの巻線スロット内に実質的に収められるように該プレフォームコイルを個々に挿入することによって慣用の態様でコイル巻きすることができる。ステータへのコイル巻きが完成すると、各巻線スロットに1つの巻線ランが収容されることになる。各プレフォームコイルの巻線ランは、1つの巻線スロット対に収容され、それらの巻線ランは、実質的に平行な方向にステータ内へ嵌入する(差し込まれる)。
以上のことから明らかなように、ステータのための各プレフォームコイルは、ステータの軸線方向にも、垂直方向(軸線方向に対して)にも実質的に平行な2つの軸線方向延長巻線ランを有していなければならない。換言すれば、2つの軸線方向延長巻線ランは、在来型ステータの半径方向スロット内に受容されるために、必ずしも互いに傾斜させなくてもよく、実質的に平行であってよい。本発明によるステータへのコイル巻きは、各プレフォームコイルの2つの平行な巻線ランを各巻線スロット対の2つの平行な巻線スロット内に簡単、かつ、容易に挿入することによって実施することができる。従って、本発明は、コイル巻き工程においてコイル巻きに要する時間を短縮し、かつ、プレフォームコイルに対する損傷を少なくすることができる。本発明によるステータは、本質的に堅くて曲がりにくいプレフォームコイルを必要とする、多数の極を有する大型電気機械において特に有益である。
各巻線スロット対の平行な巻線スロットは、第1巻線スロットと第2巻線スロットを、それらが在来のステータにおいてとる向きから所定の角度だけ回転させてずらす(傾斜させる)ことによって形成することができると考えることができる。例えば、在来のステータの巻線スロット対が、その第1半径方向巻線スロットと第2半径方向巻線スロットをステータの内側円筒形表面に形成されており、それらのスロットの中心平面がステータの内側円筒形表面の円周方向に4.5°角度的に離隔されているものであるとすると、本発明の原理に従って平行な巻線スロット対を形成するには、その第1及び第2半径方向スロットの向きを調節すればよい。即ち、第1半径方向スロットと第2半径方向スロットとは、それらのスロットの中心平面とステータの内側円筒形表面との交差線を中心として在来の半径方向の向きから2.25°だけ第1半径方向スロットを時計回り方向に、そして第2半径方向スロットを反時計回り方向に回転させることによって平行にすることができる。その結果として、平行な巻線スロット対が得られ、ステータの内側円筒形表面におけるそれらのスロットの中心平面間の4.5°の各間隔を維持することができる。本発明による完成ステータは、上記の原理を在来のステータのすべての巻線スロット対に適用してそれらの半径方向スロットの向きを変えることによって得られる。
上記例では、第1半径方向スロットと第2半径方向スロットの両方とも同じ角度だけ回転させるが、第1半径方向スロットと第2半径方向スロットをそれぞれ異なる角度回転させることによっても平行な巻線スロット対を形成することが可能である。例えば、第1半径方向スロットと第2半径方向スロットを同じ2.25°回転させるのではなく、第1半径方向スロットをステータの半径と整列したままに維持し、第2半径方向スロットだけを反時計回りに4.5°回転させてもよい。あるいは又、第1半径方向スロットを時計回りに3°回転させ、第2半径方向スロット反時計回りに1.5°回転させてもよい。このような特定の例では、2つの半径方向スロットを回転させる角度の合計が4.5°になりさえすれば、第1半径方向スロットと第2半径方向スロットを(以下に説明する設計上の事項に対する配慮にもよるが)それぞれ任意の角度回転させることができる。
又、半径方向スロットのどちらか一方又は両方をそれらのスロットの中心平面とステータの第1円筒形表面との交差線以外の軸方向線を中心として回転させることも可能である。例えば、半径方向スロットの一方又は両方をステータの第1円筒形表面上の該スロットの先行縁を中心として回転させてもよく、あるいは、ステータの内部に位置する、それらのスロットの中心平面上の軸方向線を中心として回転させてもよい。更に、半径方向スロットを、それらのスロットに軸線方向に平行であるが、スロットから離れた位置にある線を中心として回転させることさえも可能である。ただし、半径方向スロットをそれらのスロットから離れた位置にある線を中心として回転させると、そのように回転されたスロットの深さに影響するので、そのような場合には、回転後のスロットが深くなりすぎず、しかも、対応するプレフォームコイルを満足に収容するのに足る深さを保つように配慮する必要がある。
一般的に、平行な巻線スロット対を形成するために半径方向スロットを備えた在来型ステータの設計を調節するには、第1半径方向スロットを時計回り方向に回転させる角度と、第2半径方向スロットを反時計回り方向に回転させる角度との合計が、それの半径方向スロットを回転させる回転中心点間の各間隔に等しくなるようにする。
平行な巻線スロットを得るための上述したのと同じ要件が、ステータの外側円筒形表面に形成された巻線スロット(即ち、ロータがステータの半径方向外側に配設されている回転電気機械のための巻線スロット)にも当てはまる。
本発明によるステータを設計するに当たって、各巻線スロット対の第1及び第2スロットを従来の半径方向の向きから回転させてずらすための好ましい相対的角度、及び、それらのスロットを回転させる好ましい軸方向線は、幾つかの設計要素によって決められる。これらの要素としては、隣り合う巻線スロットの各対の間に形成されるステータ歯の機械的強度、ステータ歯内に生じる磁束密度、ステータの製造方法、ステータに形成される巻線スロットの数などがある。そのような要素は、当業者には容易に理解されるであろうが、以下に詳しく考察する。
平行な巻線スロット対が巻線スロット間に形成されるステータ歯に及ぼす効果は、特に重要である。先に説明したように、在来のステータでは、各ステータ歯は、2つの実質的に平行な側壁の半径方向スロットの間に形成され、同一形状である。半径方向スロットがステータの内側円筒形表面に形成されている場合、ステータ歯は実質的に半径方向であり、ステータの表面における幅よりも根元の方が幅広になっている。各ステータ歯の幅は、巻線スロットの円周方向の幅と巻線スロット間の角間隔によって画定され、ステータの周面に形成される巻線スロットの個数に依存する。しかしながら、本発明によるステータのステータ歯は、非半径方向の巻線スロットが存在するため、従来のステータ歯の形状及び向きとは異なる。本発明によるステータの各ステータ歯の形状は、隣り合う巻線スロットの寸法と間隔にだけでなく、それらの巻線スロットの向きにも依存する。更に、本発明によれば、任意の個別のステータの周りのいろいろな異なる巻線スロットの向きを同等の在来型半径方向スロットの向きからいろいろな異なる軸方向線を中心としていろいろな異なる向きに異なる角度だけ回転させることができるので、本発明に従ってステータの周りに形成されるステータ歯は、すべてが必ずしも同じになるわけではない。
ステータ歯のサイズ、形状及び向きは、電気機械の作動にとって重要である。例えば、すべてのステータ歯が、ステータのコイル巻き工程中に受ける機械的力に耐え、かつ、電気機械の作動中に受けるトルク発生力にも耐えるのに充分な機械的強度を有していなければならない。ステータ歯の振動特性も、重要な要素の1つである。即ち、電気機械の作動中に生じる電磁力と共振するステータ歯が存在しないことが肝要である。なぜなら、ステータ歯が電磁力と共振すると、許容し得ないレベルのノイズを発生したり、電気機械の効率を低下させたりすることがあり、極端な場合には、完全な機能停止を起こすこともあるからである。ステータ歯は、電気機械との共振を回避するためには、当該電気機械の共振振動数に対して「弱く」又は「強く」なるように設計すればよい。どの個別のステータ歯であれ、ステータ歯の振動特性は、当業者には周知の態様でそのステータ歯のサイズと形状によって決まる。
電気機械の作動中におけるステータ歯内の許容し得ないレベルの磁束密度の発生も、やはり、ステータ歯のサイズ、形状及び向きによって左右される。従って、本発明のステータは、ステータ歯内に発生する最大限の磁束密度が許容し得る限度内となるように設計することが肝要である。磁束密度の発生に及ぼすステータ歯のサイズ及び形状の効果(影響)は、例えば、任意の適当な模型製作技法を用いて予測することができる。
ステータの第1円筒形表面におけるスロットの角間隔も、重要な設計要素の1つである。在来型のステータにおいては、巻線スロットは、ステータの円筒形表面の周りに等角間隔に離隔され、従って、巻線スロットの角ピッチも、均一である。本発明のステータにおいてもこの間隔を維持することは可能であるが、ステータの第1円筒形表面の周りに不均等間隔に離隔された巻線スロットを有する本発明のステータを形成することも可能である。例えば、各巻線スロットを、その巻線スロットの中心平面の半ば(中心平面の半径方向最内方縁と半径方向最外方縁の間又はほぼ中間の点)のところで該中心平面に沿って延長する軸方向線を中心として同等の在来型半径方向スロットの向きから回転させてずらせた位置に形成したとすると、それらの巻線スロットは、ステータの円筒形表面の周りに不均一間隔に離隔されることになる。この構成は、電気機械の作動中ステータとロータの間のエアギャップ内におけるmmf空間高調波に影響を及ぼす。従って、ステータを設計するときは、どのような巻線スロット間隔パターンを採用するにしても、その間隔パターンの影響を考慮しなければならない。巻線スロットの間隔パターンの影響は、例えば、任意の適当な模型製作技法を用いて予測することができる。
重要な設計上配慮事項の更に他の1つは、ステータコア自体の製造方法である。従来、ステータコアは、ステータの軸線方向に順次に積み合わされた(貼り合わされた)圧延鋼の積層薄板(ラミネーション)から製造される。コアの製造を容易にするために、通常、順次に積み合わされる圧延鋼を互いに対して相対的に回転させてずらす。なぜなら、圧延鋼はその中央部分より縁部分が薄くされるので、圧延鋼の積層薄板は、通常、全体的に均一な厚さではないからである。一般的に、小中サイズのステータコアは、順次のリング状積層薄板を積み合わせる積層薄板に対して90°回転させることによって形成される。大型のステータ、特に、約1250mmより大きいコア直径を有するステータコアは、一般に、セグメント化(例えば360°のリングが各々120°の3つのセグメント即ち分節に分割された)積層薄板から形成される。各順次の積層薄板の各セグメントは、軸線方向に積み合わされる積層薄板の対応するセグメントに対して、ステータコアの特定の設計によって異なるが、50%又は33 1/3%だけオーバーラップするように位置づけされる。本発明によるステータの巻線スロットの向きは、コアを形成するのに用いられる積層薄板の相対的な角変位と適合(合致)することが好ましい。そのためには、通常、巻線スロットは、電気機械の回転軸線に関してある程度の回転対称性を有するものとすることが必要である。
本発明によるステータは、上記の設計配慮事項が充足された場合にのみ、実用可能となる。従って、本発明は、すべての電気機械に良好に適用できるとは限らない。例えば、本発明は、隣り合う巻線スロットが互いに突き当たるような向きに位置ぎめする必要があり、従って、巻線スロット間に強固なステータ歯を形成することが不可能な電気機械には適用できない。このような状況は、少数の極を有する小型ステータや、特に幅の広い巻線スロットを必要とする機械に最も起こりやすい。
本発明は、多数の極を有する大型電気機械に特に有用である。なぜなら、電気機械のステータに形成される巻線スロットの数は、一般的に、極の数に比例し、ステータの第1円筒形表面の隣り合う巻線スロット間の平均角間隔は、スロットの数、従って極の数に反比例する。つまり、電気機械が有する曲数が多ければなるほど、その電気機械が有する巻線スロットの数が多くなり、それらのスロット間の角間隔が小さくなる。このことは、各巻線スロット対の2つのスロットを平行にするために各巻線スロット対の各巻線スロットを同等の在来型半径方向スロットの向きから回転させなければならない角度は、該2つの巻線スロット間の角間隔の大きさに直接依存しているので、特に重要である。2つの巻線スロット間の角間隔が小さければ小さいほど、それらのスロットを回転させなければならない角度が小さく、所要の設計基準を充足することが容易になる。例えば、ステータ歯が強固となり、許容しう得る振動特性を有する可能性は、ステータ歯のどちらか一方の側の巻線スロットが同等の在来型半径方向スロットの向きに対して比較的小さい角度をなして形成されている場合の方が、巻線スロットが同等の在来型半径方向スロットの向きに対してより大きい角度をなして形成されている場合に比べてはるかに高い。
本発明のステータは、ステータの周りのすべての巻線スロットが同等の在来型半径方向スロットの向きに対して同じ角度に配向(向きが定められる)されるように、そして、すべての巻線スロットが、その巻線スロットの中心平面に沿って位置し、かつ、ステータの長手軸線から同じ半径方向の距離のところに位置する軸方向線を中心として同等の在来型半径方向スロットの向きから回転されたものとなるように形成されることが好ましい。即ち、本発明においては、各巻線スロットは、ステータの円筒形表面に沿って位置し、ステータと同軸をなす軸方向線を中心として回転されたものとすることが、一般的に好ましい。この円筒形表面は、ステータの上記第1円筒形表面であってもよく、あるいは、ステータの内側円筒形表面でも、外側円筒形表面でもなく、ステータ自体の本体内に形成される第2の円筒形表面であってもよい。在来型半径方向スロットは、本発明による巻線スロットを得るための回転の中心となる上述した軸方向線が位置する円筒形表面とは鋭角の交差角を画定する。各巻線スロットが同等の在来型半径方向スロットの向きに対して同じ角度に配向されているとすると、該各スロットと該円筒形表面との間に形成される鋭角の交差角は均等(同一)になる。
例えば、240個の開放型巻線スロットを有し、三相、単層巻きステータ巻線を有するステータの場合、本発明によれば、各巻線スロットを同等の(即ち、同様に240個の開放型巻線スロットを有する)在来型半径方向スロットの向きに対して2.25°の角度に形成すること、そのために、各巻線スロットをその中心平面とステータの円筒形との交差線を中心として同等の在来型半径方向スロットの向きから回転させる(ずらす)ことが、一般的に好ましい。各巻線スロットのこの配置が好ましいのは、ステータの周りの巻線スロットの回転対称性を最大限にすることができるからである。回転対称性を高めることは、それによってステータ歯内に発生する望ましくない磁束密度を最少限にすることができ、かつ、ステータの性能をより正確に予測することができるので有利である。更に、先に説明したように、軸線方向に積層された積層薄片からステータを清掃するのを可能にするためには、ステータが大型である場合は特に、高度の回転対称性が必要とされることがある。又、成就した態様に配向されたスロットを有するステータに形成されるステータ歯の少なくとも幾つかは、ステータの半径に沿う方向に整列し、そのことが、スロット幅、ステータ巻線のタイプ、各巻線スロットの回転軸方向線如何によるが、許容し得る振動特性を有する、好適な強度のステータ歯を形成することにつながる。
各巻線スロットの回転の中心となる好ましい軸方向線は、各電気機械の設計に応じて異なる。ある種の電気機械では、各巻線スロットを、その中心平面とステータの第1円筒形表面との交差線を中心として同等の在来型半径方向スロットの向きから回転させてずらすことが好ましい。なぜなら、それによって、スロットをステータの第1円筒形表面の周りに等間隔に離隔させることができ、電気機械のmmf空間高調波がスロットを回転変位させた(ずらせた)ことよる影響を実質的になくすことができるからである。換言すれば、電気機械のmmf空間高調波は、半径方向スロットを有する在来型ステータを用いた場合とほぼ同様になる。
他の電気機械では、各巻線スロットを、その中心平面に沿って位置する軸方向線を中心として同等の在来型半径方向スロットの向きから回転させることが好ましい場合がある。例えば、たとえ結果としてステータの第1円筒形表面における巻線スロットの間隔が不均一になるとしても、各巻線スロットを、該スロットの深さのほぼ半分の深さのところで該スロットの中心平面に沿って延長する軸方向線を中心として回転させてもよい。この態様に配向された巻線スロットは、すべてのステータ歯の体積を実質的に均一にすることができるので好ましい。その結果、多くの場合、ステータ歯の強度及び振動特性を好適なものとすることができ、又、ステータ歯内の望ましくない磁束の発生の抑制を助成することもできる。又、ステータの第1円筒形表面における巻線スロットの間隔が不均一であることは、電気機械の作動にとって必ずしも有害であるとは限らないということにも留意されたい。場合によっては、本発明によるステータにおいてmmf空間高調波に生じる変化が、在来型ステータに生じるmmf空間高調波の変化よりは実際好ましい場合がる。
本発明によるステータは、単層巻きステータ巻線を有するどのような電気機械にも使用することができるが、非常に少ない数の1相当たり1極当たり巻線スロットを有する機械、特に1相当たり1極当たり1スロットの機械に特に適している。なぜなら、本発明によれば、各々ステータの半径に関して対称形のステータ歯を有する多相(限定されるものではないが、例えば、3相)の、単層巻きステータ巻線を受容するのに好適なステータを形成することができるからである。より具体的にいえば、この構成は、ステータの周りのすべての巻線スロットを、同等の在来型半径方向スロットの向きに対して同じ角度に配向し(傾斜させ)、かつ、ステータの軸線から同じ半径方向の距離のところに位置する軸方向線を中心として同等の在来型半径方向スロットの向きから回転させれば、得られる。本発明のこの実施形態は、ステータの半径に関して対称をなすステータ歯は比較的強固であり、電気機械の設計如何にもよるが、許容し得る振動特性を有するものとなるので、特に好ましい。
任意の特定の回転電気機械のための本発明によるステータの好ましい構成及びそれによって得られる特性は、必ずしも上述した要素にのみ依存するものではないことを理解されたい。その他の要素として、例えば、巻線スロットの所要の幅及び深さ、回転電気機械の所望のパワー及び作動速度などがある。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図を参照して説明する以下の好ましい実施形態の詳しい説明から一層明らかになろう。
従来技術による個々の単層巻きプレフォームコイルを示す透視図である。 従来技術によるステータの一部分と1個のプレフォームコイルを示す概略図である。 1相当たり1極当たり1スロット構成で3相、2段積み、単層巻きステータ巻線を有する本発明によるステータの1セクションの概略図である。 本発明によるステータの好ましい実施例の1セクションの概略図である。
図3は、1相当たり1極当たり1スロット構成で3相、2段積み、単層巻きステータ巻線を有する本発明によるステータを示す。ステータ28は、ステータ巻線を分かりやすく示すために高度に図式化された態様で示されており、ステータ28の図示の寸法は、実際の寸法に対応していない。図3は、ステータ28の半径が紙面に対して垂直方向になり、ステータ28の長手軸線が紙面の縦(上下)方向に平行になり、ステータ28の円周が紙面の横(左右)方向に平行になるように配向されている。図3に示されたステータ28のセクションは、12個の巻線スロット30を含み、各スロット30は、プレフォームコイル22の軸線方向延長巻線ラン24を収容する。各コイル22は、3つの巻線スロット30のピッチを有し、従って、各コイル22の2つの巻線ラン24は、2つの中間巻線スロット(中間に介在する巻線スロット)によって分離された巻線スロット30内に収容されている。このステータ28は、3相ステータ巻線を有するものであるから、相Aのコイルと、相Bのコイルと、相Cのコイルを有する。相Aのコイルは点線で、相Bのコイルは太線で、相Cのコイルは破線で、それぞれ、示されている。ただし、これらの異なる相のコイル22は、いずれも、同じ態様に形成されており、実質的に同じものであるが、異なる相のコイルを識別しやすくするためにこのように示されている。巻線スロット30にも、それらのスロットがどのコイル22を収容しているかを示すために番号が付されている。例えば、番号B2を付された巻線スロット30は、各々、第2相Bのコイル22の軸線方向延長巻線ラン24を収容している。コイル22は、左から右に(即ち、時計回り方向に)数える。図から分かるように、2つのB2巻線スロット30は、中間A1及びC2の巻線スロット30によって互いに分離されている。ステータ28の各軸方向端におけるコイル22のオーバーラップ部分は、図に示されるように、2段積みとして収容される。例えば、B2の巻線スロット内に収容されたコイル22は、A1とC2の巻線スロット30内に収容されたコイル22とステータ28の外部でオーバーラップし、それらのオーバーラップしたコイル22は、ステータ28の各軸方向端において2段積みとなる。詳しくいえば、B2の巻線スロット内に収容されたコイル22は、ステータ28の第1軸方向端(即ち、図3でみてステータの上側の軸方向端)において2段積みの外方段を形成し、ステータ28の第2軸方向端(即ち、図3でみてステータの下側の軸方向端)において2段積みの内方段を形成する。
在来型(従来の)巻線スロット(即ち、半径方向スロット)の場合は、その中心平面がステータの半径に沿って配向されている(即ち、ステータの半径と合致している)。これに対して、図3に示されるような1相当たり1極当たり1スロット構成の3相、2段積み、単層巻きステータ巻線は、本発明の原理に従って、隣り合う巻線スロット30の各対を同等の在来型半径方向スロットの向きから互いに反対方向にずらせて回転させる(ずらす、即ち傾ける)ことを可能にする。このことは、巻線スロット30の間に形成される各ステータ歯34をステータ28の半径に関して実質的に対称にすることができることを意味する。このような構成は、望ましくない磁束密度の発生を最少限にすることができ、かつ、好適な振動特性を有する強固なステータ歯を提供することができるので有利である。
図4は、本発明の好ましい実施例によるステータ28の軸方向端の1セクションの概略図である。巻線スロット30は、実質的に平行な側壁を有する開放型スロットである。隣り合う巻線スロット30の各対の間にステータ歯34が形成されている。図4にはステータ28の一部分だけしか示されていないが、このステータ全体には240個の巻線スロット30が形成されている。これらの巻線スロット30は、ステータ28の半径方向内側表面(図4でみて下側の円筒形表面)の周りに(円周方向に)等角間隔に離隔され、従って、隣り合う巻線スロット30の各対の中心平面間の角間隔がステータ28の半径方向内側表面のところで1.5°(360°/240)となるように形成されている。このステータ28は、図3の巻線スロット30と同じ態様に番号を付された巻線コイル番号A1,C1,B2,A1・・・によって示されるように3相、2段積み、単層巻きステータ巻線である。
各巻線スロット30の中心平面は、ステータ28の半径から同じ角度だけ傾けられている。各巻線スロット対を構成する2つの巻線スロット30が互いに実質的に平行になるようにするために、各対の巻線スロット30のうちの一方のスロットがステータ28の半径から離れて(ずれて)他方のスロットに近づく方向に2.25°だけ傾けられ(回転され)ている。そして、ステータ28の内側表面の周り巻線スロット30の等間隔を維持するために、すべての巻線スロットが、その中心平面とステータの半径方向内側表面との交差線を中心としてステータの半径から回転された(ずらされた、即ち傾けられた)向きに形成されている。例えば、B2の巻線スロット対(即ち、第2相Bのコイルの軸線方向延長巻線ランを受容するスロット対)の2つの巻線スロット30の中心平面は、ステータ28の半径方向内側表面のところで4.5°の円周方向の角間隔を有する。そして、B2巻線スロット対の各一方の巻線スロット30は、ステータ28の半径から離れ当該対の他方の巻線スロット30に近づく方向に2.25°だけ傾けられ(回転され)ている。より具体的にいえば、B2巻線スロット対の図4でみて左側の巻線スロット30の中心平面は、ステータ28の半径から離れて時計回り方向に2.25°だけ回転され、B2巻線スロット対の図4でみて右側の巻線スロット30の中心平面は、ステータ28の半径から離れて反時計回り方向に2.25°だけ回転されている。従って、B2巻線スロット対の2つの巻線スロット30の中心平面は、互いに実質的に平行になるように形成される。これと同じ態様で、どの巻線スロット対を構成する2つの巻線スロットも、それらの中心平面が互いに実質的に平行になるように形成されている。この構成は、どの巻線スロット対を構成する2つの巻線スロットも、それらの中心平面が互いに対して傾斜することになる半径方向スロットを有する在来型ステータとは全く異なる。
本発明による巻線スロット30の、ステータ28の半径に対する角度づけ(傾き、配向)をより明確に示すために、図4において、2つの隣り合う巻線スロット30の中心平面が、線X−XとZ−Zで示されている。線Y−Yは、2つの隣り合う巻線スロット30の間に形成されたステータ歯34の中心平面を表し、それは、ステータ28の半径に平行である。在来型ステータでは、線X−XとZ−Zは、両方とも、ステータの半径に平行になり、従って、線Y−Yは、線X−Xに対して0.75°の角度をなす。そして、これらの3つの線X−X、Y−Y及びZ−Zは、ステータ8(図2)の中心軸線において合致する。これに対して、図4に示される本発明によるステータでは、2つの隣り合う巻線スロット30は、ステータ28の半径からずれて互いに近づく方向に2.25°だけ傾斜しているので、線X−Xと線Y−Yとの間の角度は1.5°となり、線Y−Yと線Z−Zとの間の角度も1.5°となる。そして、線X−X、Y−Y及びZ−Zは、ステータ28の外部の一点において合致する。線Y−Yだけが、ステータ28の半径に沿って延長しており、従って、ステータの中心軸線を通る。このように、本発明によれば、互いに平行な巻線スロット対が形成される。例えば、図4に線X−Xで示された中心平面を有する巻線スロット30は、相C1の巻線スロットであり、それと対をなす他方の相C1巻線スロットに対して実質的に平行であり、相C1の巻線スロット対を構成する。
隣り合う巻線スロット30の各対の間に形成されるステータ歯34は、ステータ28の半径に関して実質的に対称形である。各ステータ歯34の幅は、その両側の巻線スロット30の幅と、ステータの円筒形表面における巻線スロット30のピッチによって画定される。巻線スロット30は、コイル22の軸線方向延長巻線ランを収容するのに充分な幅でなければならないが、同時に、巻線ランをしっかり保持するのに充分に狭くなければならず、かつ、それらのスロット間の中間ステータ歯34に、それらが電気機械の作動中に受ける応力に耐えるのに充分な強度を付与するように充分に狭くしなければならない。本発明によれば隣り合う巻線スロット30を互いに反対方向に回転させる(傾ける)ので、2つの異なるサイズ及び形状のステータ歯34がステータ28の周りに交互に形成される。各1つのステータ歯34に隣接する2つの巻線スロット30が、両方とも、ステータ歯34から離れる方向に回転され(傾けられ)ている場合は、そのステータ歯は、その半径方向内方の端縁における幅より根元の幅の方が広くなり、半径方向スロットを有する同等の在来型ステータのステータ歯より大きい体積を有することになる。反対に、各1つのステータ歯34に隣接する2つの巻線スロット30が、両方とも、ステータ歯34に近づく方向に回転され(傾けられ)ている場合は、そのステータ歯は、その半径方向内方の端縁における幅より根元の幅の方が狭くなり、半径方向スロットを有する同等の在来型ステータに形成されるステータ歯より小さい体積を有することになる。いずれにしても重要なことは、本発明によるこれらのいずれのタイプのステータ歯34が、先に説明したように、充分な強度を有し、好適な振動特性を有することである。
図4に示される示された本発明による、240個の開放型巻線スロットを有するステータ28は、120回軸(120割りの軸)(120−fold)の回転対称を有する。それは、このステータと同等の(即ち、240個の開放型巻線スロットを有する)在来型ステータの回転対称の半分である。しかしながら、回転対称性のこの低減は比較的小さなものにすぎないから、本発明によるステータを慣用の態様でセグメント化積層薄板から製造することを可能にするために、そのような回転対称性の低減はセグメント化積層薄板の設計によって容易に吸収することができる。更に、回転対称性の低減が非常に小さいということは、非半径方向の巻線スロット30の存在によりステータ歯34内に生じる望ましくない磁束密度の増大を最少限にする上でも役立つ。
22 プレフォームコイル、コイル
24 軸線方向延長巻線ラン、巻線ラン
28 ステータ
30 巻線スロット
34 ステータ歯
X−X:巻線スロットの中心平面
Y−Y:ステータ歯の中心平面
Z−Z:巻線スロットの中心平面

Claims (13)

  1. n個のプレフォームコイル(22)を含む多相単層巻きステータ巻線と、
    2n個の円周方向に離隔された開放型巻線スロット(30)を形成された第1円筒形表面を有するステータとから成る回転電気機械であって、
    前記プレフォームコイル(22)は、前記ステータの軸線方向にも、該ステータ内へ嵌入する方向にも互いに実質的に平行な1対の巻線ラン(24)を有しており、
    前記各巻線スロット(30)は、該第1円筒形表面の軸線方向長手に沿って延長していて、中心平面を有しており、該2n個の巻線スロット(30)は、各々、前記コイル(22)の1つを受容するための2つの巻線スロット(30)から成るn個の巻線スロット対を画定し、該各対をなす2つの巻線スロットは、それらの間に介在する1つ又は複数の中間スロットによって分離されており、該各対をなす2つの巻線スロットの中心平面は、該ステータの第1円筒形表面において、該巻線スロット対に受容されるコイル(22)の角ピッチに等しい角距離だけ円周方向に互いに離隔されており、各巻線スロット対を構成する2つの巻線スロット(30)の中心平面が互いに実質的に平行であり、該2つの巻線スロットの中心平面のうちの少なくとも一方の中心平面は、該ステータ(28)の半径に沿って延長していないことを特徴とする回転電気機械。
  2. 前記第1円筒形表面は、該ステータ(28)の半径方向内側表面である請求項1に記載の回転電気機械。
  3. 前記第1円筒形表面は、該ステータ(28)の半径方向外側表面である請求項1に記載の回転電気機械。
  4. 前記巻線スロット(30)の中心平面は、該ステータ(28)の前記第1円筒形表面の周りに等角間隔に離隔されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電気機械。
  5. 前記各巻線スロット(30)の中心平面は、鋭角の第1交差角で前記第1円筒形表面と交差し、該第1円筒形表面の周りの該鋭角の第1交差角は、すべて、均一である請求項4に記載の回転電気機械。
  6. 該ステータ(28)は、前記第1円筒形表面と同軸の第2円筒形表面を有し、該第2円筒形表面は、前記各巻線スロット(30)の中心平面が、該第2円筒形表面の円周の周りに等間隔に離隔された交差線に沿って該第2円筒形表面と交差するように該ステータの本体内に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電気機械。
  7. 前記各巻線スロット(30)の中心平面は、鋭角の第2交差角で前記第2円筒形表面と交差し、該第2円筒形表面の周りの該鋭角の第2交差角は、すべて、均一である請求項6に記載の回転電気機械。
  8. 前記ステータ(28)は、n回軸の回転対称を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電気機械。
  9. 前記第1円筒形表面は、1250mmより大きい直径を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転電気機械。
  10. n=120である請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転電気機械。
  11. 前記ステータは、1相当たり1極当たり1スロットを有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転電気機械。
  12. 前記ステータ巻線は、2段積み、単層巻きステータ巻線である請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転電気機械。
  13. 前記ステータ巻線は、3相、2段積み、単層巻きステータ巻線である請求項1〜12のいずれか1項に記載の回転電気機械。
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