JP5325629B2 - モータ制御装置、およびサンルーフ駆動装置 - Google Patents

モータ制御装置、およびサンルーフ駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、サンルーフなどの車両に備えられた開閉体を開閉するモータを駆動するモータ制御装置、および該モータ制御装置で駆動されるモータを備えるサンルーフ駆動装置に関するものである。
特許文献1には、車両に備えられた開閉体をモータを駆動することにより開閉するための装置が記載されている。この装置は、駆動電圧の変動に対して駆動モータの回転速度が遅れて追従する場合でも、正確に挟み込みを判定する開閉部材の異物挟み込み検出装置を提供することを目的としている。このために、フィルタ回路は直流電圧VBの変動に対する回転周期t1の変動の推移と相対的に一致した変動推移の補正用電圧VBFを生成する。そして、サンルーフコンピュータはその補正用電圧VBFに基づいて直流電圧VBの変動に対する回転周期t1を周期補正値Δtにて補正し負荷判定用開閉速度T1(=t1+Δt)を求める。負荷判定用開閉速度T1は、駆直流電圧VBの変動に対するルーフモータの実際の速度変動分が除去された回転周期となる。コンピュータはこの負荷判定用開閉速度T1に基づいて正確に挟み込みの有無を判定する。
また、図5は、サンルーフパネルを自動開閉するモータのモータ制御装置の構成を示す図である。図5に示すモータ制御装置1aは、車両に搭載されたバッテリー電源2を駆動電源としてモータ(直流モータ)41を正逆転方向に駆動する、モータ制御装置である。
図5に示すように、モータ制御装置1aには、運転席などに設けられたオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4b(開閉スイッチ)が接続される。また、このオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4bのオン/オフ(スイッチ接点のON/OFF)によるスイッチ信号(開閉操作信号)を電圧信号に変換する信号入力回路11が設けられている。CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)21は、信号入力回路11からオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4bの各スイッチ信号を入力し、そのスイッチ信号に応じてモータ41をCW(駆動側から負荷側を見て、軸が時計廻り)方向、またはCCW(反時計廻り)方向に正逆転駆動する。
このモータ41はサンルーフ駆動装置101内に設けられており、このモータ41をCW方向、またはCCW方向に回転させることにより、サンルーフ駆動装置101を通してサンルーフパネル113の開閉を行う。なお、サンルーフ駆動装置101の構成については後述する。
このモータ41の駆動は、CPU21から出力回路31にモータ駆動信号CW、またはモータ駆動信号CCWを出力することにより行われる。この出力回路31は、図示しないリレー、リレー駆動回路、およびリレー接点で構成されるリレー接点回路を有している。出力回路31では、モータ駆動信号CWまたはモータ駆動信号CCWに応じてリレー接点回路を切り替え、モータ41をCCW方向に回転させる極性の方向にアマチュア端子A1、A2にバッテリー電源2を印加するか、または、モータ41がCCW方向に回転する極性の方向にバッテリー電源2を印加する。
また、モータ41のアマチュア軸(回転軸Ar)42には、このアマチュア軸42と連動して回転するセンサマグネット52と、2相のホールIC53、54とで構成される回転センサ51が付設されている。
このホールIC53、54の構成例を図5の中ほどの上側(回転センサ51の上側)に示している。図に示すように、ホールIC53は、ホール素子53aと、抵抗器R1と、NPN型のトランジスタTr1とで構成されている。このホール素子53aは、センサマグネット52の回転により生じる磁束変化をオン/オフ(ON/OFF)の信号として検出する。ホールIC53では、ホール素子53aでより検出されたオン/オフの信号を基に、抵抗器R1とトランジスタTr1によりオン/オフ(ハイレベル/ロウレベル)のパルス信号を生成して出力する。ホールIC54についても同様な構成である。
また、ホールIC53、54は、電源入力プラス(+)端子により、バッテリー電源2側からモータ制御装置1a内のダイオードD21を通して電源Vccの供給を受ける。また、ホールIC53、54のそれぞれの電源入力マイナス(−)端子は、モータ制御装置1a内のスイッチ回路、すなわち、NPN型のスイッチト用のトランジスタTr2のコレクタに接続されている。このように、ホールIC53、54の電源入力マイナス(−)端子は、抵抗器R3、R4とトランジスタTr2とで構成されるスイッチ回路を通して、GND側に接続されている。この構成により、CPU21から出力されるホールIC53、54の活性化信号HIConがハイレベルになると、トランジスタTr2がオンすることによりホールIC53、54のGND側の電源経路が接続され、ホールIC53、54は作動可能な状態になる。
前述のように、ホールIC53内のホール素子53aから出力されるオン/オフの信号は、抵抗器R1とトランジスタTr1とで構成される回路によりパルス信号に変換される。そして、トランジスタTr1から出力されるパルス信号は、キャパシタC1(ノイズサプレッション用のキャパシタ)とツェナーダイオードZD1により、所定の電圧レベルのパルス信号に変換されパルス信号PLSAとしてCPU21に入力される。ホールIC54についても同様に、ホールIC54から出力されるパルス信号は、所定の電圧レベルのパルス信号に変換されパルス信号PLSBとしてCPU21に入力される。
CPU21では、ホールIC53、54から出力されるパルス信号PLSA、PLSBを入力として、このパルス信号PLSA、PLSBを基にしてモータ41のアマチュア軸42の回転位置を検出(算出)する。このアマチュア軸42の回転位置の検出は、後述するモータ回転位置検出部により行われる。このモータ回転位置検出部では、ホールIC53、54から入力されるパルス信号(立ち上がりエッジ信号または立ち下がりエッジ信号)を割り込み要求信号として、このパルス信号PLSA、PLSBに同期して、パルス信号が入力されるごとに、回転位置検出のための割り込み処理を実行し、モータ41のアマチュア軸42の回転位置を検出する。
また、モータ制御装置1aにおいては、イグニッションスイッチ(IGS)3がオフになると、バッテリー電源2のバッテリー上がりを防止する観点から、主要回路の電源供給を停止し、消費電流を低減させるスリープモードに動作モードを切り替える(移行する)。このスリープモードでは、CPU21は、ホールIC活性化信号HIConをロウレベルとしてスイッチ用のトランジスタTr2をオフすることにより、GND側の電源経路を遮断し、ホールIC53、54への電源供給を停止する。また、CPU21自身がスリープモードに移行する。そして、イグニッションスイッチ3がオンになった時に、CPU21はウェイクアップモード(通常の動作モード)に移行し、また、ホールIC活性化信号HIConをハイレベルとしてトランジスタTr2をオンすることにより、ホールIC53、54のGND側の電源経路を接続し、ホールIC53、54への電源供給を開始する。
ところで、図5に示す構成のモータ制御装置1aにおいては、スリープモードからウェイクアップモードに移行する際に、ホールIC53、54からパルス信号(エッジ信号)が出力される場合がある。すなわち、実際にはモータ41が回転していないのにパルス信号が発生する場合があり、この現象について以下に説明する。
例えば、図6のシーケンス図に示すように、時刻T1において、イグニッションスイッチ3がオフ(OFF)になると、CPU21は、ホールIC53、54の活性化信号HIConをロウレベルとして、トランジスタTr2をオフ(OFF)にして、ホールIC53、54への電源の供給を停止する(矢付線aを参照)。そして、CPU21はスリープモードに移行する。
ホールIC53、54では、トランジスタTr2がオフ(OFF)となり、GND側の電源経路が遮断され、電気的には電位Vcc(例えば、+5V)が電源入力プラス(+)端子側に入力され続け、ホールIC53、54からの出力信号PLSA、PLSAはハイレベル(電位Vcc)の信号となる。
例えば、時刻T1以前において、ホールICの出力信号がロウレベル(L)で停止していた場合は、トランジスタTr2がオフになることにより、時刻T1において、ロウレベル(L)からハイレベル(H)に移行する(矢付線bを参照)。また、時刻T1以前において、ホールICの出力信号がハイレベル(H)で停止していた場合は、そのままハイレベル(H)の状態を維持する。
そして、時刻T2において、イグニッションスイッチ3がオン(ON)になると、CPU21はスリープモードからウェイクアップモードに移行する。CPU21は、ウェイクアップ(通常の動作モードに移行)すると、時刻T3において、HICon信号をハイレベルにし、トランジスタTr2をオン(ON)にし、ホールIC53、54への電源の供給を開始する(矢付線cを参照)。これにより、時刻T1以前にロウレベル(L)で停止してホールICの出力信号は、時刻T4において、ハイレベル(H)からロウレベル(L)に移行する(矢付線dを参照)。すなわち、時刻T4において、回転センサ51から回転パルス信号(エッジ信号)が出力されることになる。
このように、ホールIC53、54のGND側の電源経路接続時に、モータ41が停止しているにも関わらずホールIC53、54からエッジ信号が発生することがある。このため、前述の回転位置検出部により、誤ったパルス信号を割り込み要求信号として、モータ回転位置検出のために割り込み処理が実行される恐れが生じる。これを回避するために、トランジスタTr2のオン(電源経路の接続)から所定時間(待機時間)ΔTの間、ホールIC53、54からの信号入力によるモータ回転位置検出のための割り込み要求をマスク(禁止)する。すなわち、待機時間ΔTの間は、ホールIC53、54からの入力信号(パルス信号PLSA、PLSB)に対してマスクを設定する。
この場合に、トランジスタTr2によるホールIC53、54のGND側への電源経路接続時に、ホールIC53、54の出力信号の変化がない場合(例えば、図6に示す時刻T1以前において、ホールIC53、54の両方の出力信号がハイレベルであった場合)もあるため、ホールIC53、54の出力信号の変化をトリガとしてマスクを解除(割込み許可)することができない。
このため、ホールIC53、54のGND側のスイッチ用のトランジスタTr2へのオン信号の出力時から、ホールIC53、54の出力変化までの時間を実測した実測値を基に、固定の待機時間ΔTだけ、モータ回転位置検出のための割り込み要求の受け付けをマスクするようにしている。すなわち、時刻T3(ホールIC53、54への電源供給の開始)から時間ΔTの経過後の時刻T5までの間は割り込み要求の受付を禁止し、時刻T5から、ホールIC53、54からの出力信号による割り込み要求の受付を許可している。
特開平11−241561号公報
しかしながら、上述の図5に示したサンルーフ駆動装置では、待機時間ΔTの間に、ホールIC53、54に確実に電源電圧が印加され、ホールIC53、54が安定して動作しているかは不明であり、印加された電圧が不安定なホールIC53、54から生じるノイズをマスクしていた。このとき、ホールIC53、54に印加された電圧が安定して、ホールIC53、54が既に安定して動作しているにもかかわらず待機時間ΔTが経過するまで、すなわち、回転センサに確実に電源電圧が印加された状態に至るまで、モータ回転位置検出のための割り込み要求をマスクしていた。このため、モータ制御装置の起動時の応答性の向上を阻害する要因の一つとなっており、この問題の解決が望まれたていた。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、モータ制御装置がスリープモードからウェイクアップモードに移行する場合などにおいて、回転センサに電源電圧を印加してモータ回転位置の検出処理を開始する際に、待機時間を設定して待機する必要がなく、モータ制御装置の起動特性を向上できる、モータ制御装置、および該モータ制御装置で駆動されるモータを備えるサンルーフ駆動装置を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のモータ制御装置は、車両に搭載されたバッテリー電源を用いて、前記車両に備えられた開閉体を開閉するモータを駆動するモータ制御装置であって、前記モータのアマチュア軸の回転位置を検出する回転センサと、前記バッテリー電源から前記回転センサへの電源の供給と停止とを行う回転センサ電源供給回路と、前記モータを駆動制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記回転センサから出力される出力信号を基に、前記モータのアマチュア軸の回転位置を検出するモータ回転位置検出部と、前記回転センサ電源供給回路から前記回転センサに印加される電源電圧のレベルが所定の電圧レベル以上であることを検出する電圧検出部と、前記回転センサ電源供給回路に対し前記回転センサへの電源の供給および停止を指示するセンサ電源制御部と、前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理の実行または停止を制御する位置検出実行制御部と、を備え、前記センサ電源制御部により、前記回転センサ電源供給回路から前記回転センサへの電源供給を開始させる場合において、前記位置検出実行制御部は、前記回転センサに供給される電源電圧のレベルが所定の電圧レベル以上であることが前記電圧検出部により検出された後に、前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理を開始することを特徴とする。
また、本発明のモータ制御装置は、前記制御部は、当該制御部を、モータの駆動制御を休止して消費電力を低減させるスリープモードと、モータの駆動制御が可能な通常作動を行うウェイクアップモードとを切り替える動作モード制御部を、さらに備え、前記動作モード制御部は、前記バッテリー電源に繋がるイグニッションスイッチがオフされたことを検出すると、前記回転センサ電源供給回路から前記回転センサへの電源の供給を停止させると共に、前記制御部をスリープモードに設定し、前記イグニッションスイッチがオンされたことを検出すると、前記制御部をウェイクアップモードに設定すると共に、前記回転センサ電源供給回路から前記回転センサへの電源の供給を開始させることを特徴とする。
また、本発明のモータ制御装置は、前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理は、前記回転センサからの出力信号を割り込み要求信号とし、前記回転センサからの出力信号に同期した割り込み処理により実行され、前記位置検出実行制御部は、前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理の実行を停止させる際には、前記割り込み要求信号をマスクして実行を停止させると共に、前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理を開始させる際には、前記割り込み要求信号に対するマスクを解除して実行を開始させることを特徴とする。
また、本発明のモータ制御装置は、前記回転センサは、電源入力プラス端子と電源入力マイナス端子により電源の供給を受けるように構成され、前記回転センサ電源供給回路は、前記回転センサの電源入力プラス端子を通して電源供給を行うように構成されることを特徴とする。
また、本発明のサンルーフ駆動装置は、上記のいずれかに記載のモータ制御装置により駆動されるモータを備えるサンルーフ駆動装置であって、前記モータにより駆動されるウォーム減速機と、前記車両の屋根に備えられた、前記ウォーム減速機の出力軸の回転により押し引きされる駆動ケーブルと接続されたサンルーフパネルとを備えることを特徴とする。
本発明のモータ制御装置においては、制御部は、スリープモードからウェイクアップモードに切り替える場合などにおいて、回転センサ(ホールIC)に電源供給を開始する際に、回転センサに供給される電源電圧のレベルが所定の電圧レベル以上であることを検出した後に、モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理(割込み処理)を開始させる。
これにより、スリープモードからウェイクアップモードに切り替える場合などにおいて、回転センサに電源電圧を印加してモータ回転位置の検出処理を開始する際に、待機時間を設定して待機する必要がなく、モータ制御装置の起動特性が向上する。
また、本発明のモータ制御装置においては、イグニッションスイッチがオフされたことを検出して、回転センサ電源供給回路から回転センサへの電源の供給を停止させてスリープモードに移行し、また、イグニッションスイッチがオンされたことを検出して、ウェイクアップモードに移行して回転センサへの電源の供給を開始する。
これにより、イグニッションスイッチがオンされてウェイクアップモードに切り替える場合において、回転センサに電源電圧を印加してモータ回転位置の検出処理を開始する際に、待機時間を設定して待機する必要がなく、モータ制御装置の起動特性が向上する。
また、本発明のモータ制御装置においては、制御部はCPUで構成され、モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理は、回転センサからの出力信号を割り込み要求信号とし、回転センサからの出力信号に同期した割り込み処理により実行され、回転モータ回転位置検出処理を停止させる際には、割り込み要求信号をマスクして実行を停止させる。そして、モータ回転位置検出処理を開始させる際には、割り込み要求信号のマスクを解除して実行を開始させる。
これにより、ソフトウェア対応(マスクの設定処理)により、モータ回転位置検出処理(割込み処理)の実行と停止を制御できる。また、回転センサに確実に電源電圧が印加されたことを検出して、モータ回転位置検出処理(割込み処理)を行うことができる。このため、必要以上に待機時間を設定して待機する必要がなくなり、モータ制御装置の起動時の応答性が向上する。
また、本発明のモータ制御装置においては、回転センサ電源供給回路は、ホールICの電源入力プラス(+)端子側から電源供給を行う。
このように、ホールICの電源入力プラス(+)端子側から電源供給を行うように回路を構成し、かつソフトウェア対応(マスクの設定処理)により、回転センサに確実に電源電圧が印加されたことを検出してモータ回転位置検出処理を開始することができる。このため、待機時間を設定して待機する必要がなくなり、モータ制御装置の起動時の応答性が向上する。
また、本発明のサンルーフ駆動装置においては、本発明のモータ制御装置により駆動されるモータを備え、車両の屋根に設けられたサンルーフパネルを、このモータにより駆動されるウォーム減速機と、駆動ケーブルとを用いて開閉駆動する。
これにより、スリープモードからウェイクアップモードに移行する場合などにおいて、回転センサに電源電圧を印加してモータ回転位置の検出処理を開始する際に、待機時間を設定して待機する必要がなく、モータ制御装置の起動特性を向上できる。このため、サンルーフ駆動装置の起動時の応答性が向上する。
本実施形態のモータ制御装置の構成を示す図である。 本実施形態のモータ制御装置のウェイクアップ時におけるモータ回転位置検出処理(割込み処理)に対するマスクの設定について説明するための図である。 本実施形態のモータ制御装置で駆動されるサンルーフ駆動装置の例を示す図である。 本実施形態のサンルーフ駆動装置の構成を示す図である。 サンルーフ駆動装置に使用されるモータのモータ制御装置の構成を示す図である。 モータ制御装置のウェイクアップ時におけるモータ回転位置検出処理(割込み処理)に対するマスクの設定について説明するための図である。
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[本実施形態のモータ制御装置の構成]
図1は、本実施形態の実施の形態に係るモータ制御装置の構成を示す図である。
図1に示すモータ制御装置1は、図5に示すモータ制御装置1aと比較して、回転センサ電源供給回路12を新たに設け、ホールIC53、54への電源経路を接続・遮断する回路を、電源入力マイナス(−)端子側ではなく、電源入力プラス(+)端子側に設けた点が異なる。また、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54に所定値以上の電圧レベルの電源電圧が印加されたことを検出して、モータ回転位置検出処理(割込み処理)を開始する点が異なる。
以下、図1に示すモータ制御装置1の構成について説明する。図1に示すモータ制御装置1には、運転席などに設けられたオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4b(開閉スイッチ)が接続される。また、このオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4bのオン/オフ(スイッチ接点のON/OFF)によるスイッチ信号(開閉操作信号)を電圧信号に変換する信号入力回路11が設けられている。CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)21は、信号入力回路11からオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4bの各スイッチ信号を入力し、そのスイッチ信号に応じてモータ41をCW方向、またはCCW方向に正逆転駆動する。
このモータ41の駆動は、CPU21内のモータ駆動制御部22から出力されるモータ駆動信号CW、またはモータ駆動信号CCWにより、出力回路31を駆動することにより行われる。この出力回路31は、図示しないリレー、リレー駆動回路、およびリレー接点で構成されるリレー接点回路を有している。出力回路31では、モータ駆動制御部22から出力されるモータ駆動信号CW、またはモータ駆動信号CCWに応じてリレー接点回路を切り替え、モータ41をCCW方向に回転させる極性の方向にアマチュア端子A1、A2にバッテリー電源2を印加するか、または、モータ41がCCW方向に回転する極性の方向にバッテリー電源2を印加する。
また、モータ41のアマチュア軸(回転軸Ar)42には、このアマチュア軸42と連動して回転するセンサマグネット52と、2相のホールIC53、54とで構成される回転センサ51が付設されている。
このホールIC53、54の構成例を図1の右端の上側(回転センサ51の上側)に示している。図に示すように、ホールIC53は、ホール素子53aと、抵抗器R1と、NPN型のトランジスタTr1とで構成されている。このホール素子53aは、センサマグネット52の回転により生じる磁束変化をオン/オフ(ON/OFF)の信号として検出する。ホールIC53では、ホール素子53aでより検出されたオン/オフの信号を基に、抵抗器R1とトランジスタTr1によりオン/オフ(ハイレベル/ロウレベル)のパルス信号を生成して出力する。ホールIC54についても同様な構成である。
このホールIC53、54は、電源入力プラス(+)端子側により、後述する回転センサ電源供給回路12から電源Vccの供給を受ける。また、ホールIC53、54のそれぞれの電源入力マイナス(−)端子側はGNDに接続されている。すなわち、ホールIC53、54は、回転センサ電源供給回路12から電源供給を受けて作動可能な状態になる。
また、ホールIC53内のホール素子53aから出力される信号は、抵抗器R1とNPNトランジスタTr1とで構成される回路によりオン/オフ(ON/OFF)のパルス信号に変換される。そして、NPN型のトランジスタTr1から出力されるパルス信号は、キャパシタC1(ノイズサプレッション用のキャパシタ)とツェナーダイオードZD1により、所定の電圧レベルのパルス信号に変換されパルス信号PLSAとしてCPU21に入力される。ホールIC54についても同様な構成であり、ホールIC54から出力されるパルス信号は、所定の電圧レベルのパルス信号に変換されパルス信号PLSBとしてCPU21に入力される。なお、パルス信号PLSA、PLSBはCPU21の外部割込端子に入力される。
また、イグニッションスイッチ(IGS)3がオン/オフされたことを、CPU21で検出するための回路が設けられている。このイグニッションスイッチ3がオン/オフされたことを検出する回路は、抵抗器R11、R12と、ツェナーダイオードZD11と、キャパシタC11とで構成される。この回路では、バッテリー電源2の電圧Vbatを抵抗器R11と抵抗器R12とで抵抗分圧するとともに、ツェナーダイオードZD11により所定の電圧レベルに制限し、CPU21への入力信号IGNとして出力する。なお、キャパシタC11はノイズサプレッション用のキャパシタである。
回転センサ電源供給回路12は、ダイオードD21を通してバッテリー電源(電圧Vbat)2から電力の供給を受け、ホールIC53、54の電源入力プラス(+)端子側に電源電圧Vccを供給するための回路である。この回転センサ電源供給回路12は、電源供給用のPNP型のトランジスタTr11と、抵抗器R23、R24とで構成される電源供給用のスイッチ回路を有している。また、電源供給用のトランジスタTr11をオン/オフするための回路、すなわち、NPN型のトランジスタTr12と、抵抗器R24、R25、R26とで構成される回路を有している。
トランジスタTr12は、CPU21内のセンサ電源制御部26から出力されるセンサ電源制御信号Sonが、ハイレベルになった場合にオンとなる。トランジスタTr12がオンになることにより、電源供給用のトランジスタTr12もオンになり、バッテリー電源2から出力される電圧Vbatが、ダイオードD21と、トランジスタTr11とを介して、電源電圧VccとしてホールIC53、54の電源入力プラス(+)端子側に入力される。また、トランジスタTr11から出力される電圧のレベルは、CPU21内の電圧検出部25により、所定レベルの電圧値以上であるか否かが判定される。
次に、CPU21内の各処理部について説明する。
CPU21内のモータ駆動制御部22は、信号入力回路11からオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4bの各スイッチ信号(開閉操作信号)を受信し、そのスイッチ信号に応じてモータ駆動信号CW、またはモータ駆動信号CCWを出力する。このモータ駆動信号CW、またはモータ駆動信号CCWにより出力回路31を制御して、モータ41をCW方向、またはCCW方向に正逆転駆動する。
CPU21内の動作モード制御部23は、CPU21をスリープモードとウェイクアップモードとの間で移行させるための処理部である。この動作モード制御部23では、イグニッションスイッチ3がオフになったことを信号IGNにより検出した場合に、バッテリー電源2のバッテリー上がりを防止する観点から、モータ制御装置1内の主要回路の電源供給を停止し、消費電流を低減させるスリープモードに移行させる。このスリープモードにおいて、CPU21は、回転センサ電源供給回路12に出力するセンサ電源制御信号SonをロウレベルとしてトランジスタTr11、Tr12をオフすることにより、ホールIC53、54への電源供給を停止する。また、CPU21自身がスリープモードに移行する。また、この動作モード制御部23では、イグニッションスイッチ3がオンになったことを信号IGNにより検出した場合に、CPU21をウェイクアップモード(通常の動作を行うモード)に移行させ、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54への電源供給を開始させる。
また、CPU21内のモータ回転位置検出部24は、ホールIC53、54から出力されるパルス信号PLSA、PLSBを入力として、このパルス信号PLSA、PLSBを基にしてモータ41のアマチュア軸42の回転位置を検出(算出)する。このモータ回転位置検出部24では、ホールIC53、54から入力されるパルス信号(信号の立ち上がりエッジ信号または立下りエッジ信号)を割り込み要求信号として、このパルス信号PLSA、PLSBに同期して、パルス信号が入力されるごとに、モータ回転位置検出のための割り込み処理を実行し、モータ41のアマチュア軸42の回転位置を検出する。
CPU21内の電圧検出部25は、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54に供給される電源電圧Vccの電圧レベルを検出するための処理部である。この電圧検出部25は、抵抗器R21、R22で構成される抵抗分圧回路を通して入力される電圧検出信号Vdetを基に、電源電圧Vccの電圧レベルを検出する。そして、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54への電源供給が開始される際に、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54に出力される電源電圧のレベルが所定の電圧レベルに到達した場合、例えば略5V以上になった場合に、この略5V以上になったことを示す信号を割込マスク処理部27に出力する。
また、センサ電源制御部26は、センサ電源制御信号Sonを回転センサ電源供給回路12に出力することにより、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54への電源供給を行わせるか停止させるかを制御する。スリープモードにおいては、センサ電源制御信号Sonはロウレベルとなり、トランジスタTr1およびTr2がオフになり、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54への電源供給が停止される。また、ウェイクアップモードになると、センサ電源制御信号Sonはハイレベルとなり、トランジスタTr1およびTr2がオンになり、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54への電源供給が開始される。
割込マスク処理部27は、モータ回転位置検出部24において行われるモータ回転位置検出処理(割込み処理)の実行および実行の停止を制御するための処理部である。この割込マスク処理部27は、CPU21がスリープモードからウェイクアップモードに移行した場合に、最初の時点では、モータ回転位置検出部24に入力される割込み処理要求信号(パルス信号PLSA、PLSB)に対してマスクした状態に設定する。そして、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54に供給される電源電圧が所定の電圧レベル以上になったことを示す信号が電圧検出部25から出力された時に、モータ回転位置検出部24に入力される割り込み処理要求信号に対するマスクを解除する。
なお、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出処理を停止させる場合は、パルス信号PLSA、PLSBの受付をマスクする方法の他に、一端割り込みを受け付けた後に、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54に供給される電源電圧が所定の電圧レベル以上になったことを示す信号が電圧検出部25から出力されていなければ、そのままモータ回転位置検出処理を行わずにリターン(復帰)するなど、種々の方法を用いることができる。
次に、上記構成のモータ制御装置1におけるスリープモードからウェイクアップモードに移行する際の、回転センサ電源供給回路12への電源供給と、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出処理(割込み処理)に対するマスクの設定と解除について、図2のシーケンス図を参照して説明する。
図2は、本実施形態のモータ制御装置のウェイクアップ時におけるモータ回転位置検出処理(割込み処理)に対するマスクの設定について説明するためのシーケンス図である。
図1および図2に参照して、時刻T1において、イグニッションスイッチ3がオフ(OFF)になると、CPU21内のセンサ電源制御部26は、回転センサ電源供給回路12に出力するセンサ電源制御信号Sonをオフ(ロウレベル)にし、回転センサ電源供給回路12内のスイッチ用のトランジスタTr11をオフ(OFF)にする(矢付線aを参照)。これにより、ホールIC53、54への電源の供給が停止される。そして、CPU21はスリープモードに移行する。
ホールIC53、54では、電源入力プラス(+)端子側の電源経路が遮断されると、電気的には電位0(ゼロ)Vが電源入力プラス(+)端子側に入力され続け、ホールIC53、54からの出力信号PLSA、PLSAはロウレベル(L)の信号となる。
例えば、時刻T1以前において、回転センサの出力信号(ホールIC53、54の出力信号)がロウレベル(L)で停止していた場合は、そのまま、ロウレベルを維持する。また、時刻T1以前において、回転センサの出力信号がハイレベル(H)で停止していた場合は、トランジスタTr11がオフになることにより、時刻T1においてロウレベルに移行する(矢付線bを参照)。
そして、時刻T2において、イグニッションスイッチ3がオン(ON)になることにより、CPU21はスリープモードからウェイクアップモードに移行する。CPU21は、ウェイクアップモードに移行すると、時刻T3において、回転センサ電源供給回路12内のトランジスタTr11をオン(ON)にする(矢付線cを参照)。また、時刻T3において、割込マスク処理部27は、モータ回転位置検出部24に入力される割り込み処理要求信号(パルス信号PLSA、PLSB)に対してマスクを設定した状態にする。
その後、回転センサ電源供給回路12内のトランジスタTr11がオンになり、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54への電源供給が開始されことにより、時刻T4において、電圧検出信号Vdetの電圧レベルが0(ゼロ)Vから5Vに立ち上がる(矢付線dを参照)。電圧検出部25では、電圧検出信号Vdetの電圧レベルが5Vに立ち上がったことを検出し、この5Vに立ち上がったことを示す信号を割込マスク処理部27に出力する
一方、時刻T3において、トランジスタTr11がオンになることにより、回転センサ電源供給回路12からホールIC53、54への電源供給が開始されるともに、時刻T1以前にハイレベルで停止していたホールICの出力信号は、時刻T4において、ロウレベル(L)からハイレベル(H)に移行する(矢付線eを参照)。すなわち、時刻T4において、回転センサ51からパルス信号(エッジ信号)が出力されることになる。しかしながら、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出のための割り込み要求信号はマスクされているため、このパルス信号は受け付けられない。
その後、時刻T5において、CPU21では、回転センサ電源供給回路12から出力される電圧のレベルの信号Vdetが所定の電圧レベル(ここでは5V)に立ち上がったことを判定して、割り込み要求信号のマスクを解除する。(矢付線fを参照)。
このように、本実施形態のモータ制御装置1においては、回転センサ電源供給回路12においてトランジスタTr11がオンとなり、ホールIC53、54への電源供給が開始され、所定のレベルに到達したことを検出した後に、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出処理(割込み処理)の受付を許可する。すなわち、ホールIC53、54に確実に電源が供給されたことを検出して、モータ回転位置検出処理(割込み処理)を開始する。このため、図2に示す割り込み禁止期間(時刻T3〜時刻T5)は、図6に示す待機時間の設定値による割り込み禁止期間ΔT(時刻T3〜時刻T5)と比較して、大幅に短縮することが可能になる。これにより、ホールIC53、54に確実に電源が供給されたことを検出できると共に、モータ制御装置1の起動特性を向上させることができる。
[本実施形態のモータ制御装置を備えるサンルーフ駆動装置の構成]
図3は、本実施形態のモータ制御装置で駆動されるモータを備えるサンルーフ駆動装置の構成を示す図である。このサンルーフ駆動装置101は、本実施形態のモータ制御装置1により駆動されるモータ41を備えるものである。
図3に示すように、モータ制御装置1には、運転席などに設けられたオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4b(開閉スイッチ)が接続される。また、このオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4bのオン/オフ(スイッチ接点のON/OFF)によるスイッチ信号(開閉操作信号)を電圧信号に変換する信号入力回路11が設けられている。CPU21は、信号入力回路11からオート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4bの各スイッチ信号を入力し、そのスイッチ信号に応じてモータ41をCW方向、またはCCW方向に正逆転駆動する。
このモータ41はサンルーフ駆動装置101内に設備されており、このモータ41をCW方向、またはCCW方向に回転させることにより、サンルーフ駆動装置101を通してサンルーフパネル113の開閉を行う。
図4は、このサンルーフ駆動装置101の構成を示す図である。図4に示すように、サンルーフ付の車両では車両の屋根110には開口部112が形成されている。開口部112には、開口部112を開閉するように移動自在に取り付けられたサンルーフパネル113が設けられている。開口部112の周囲には、サンルーフパネル113の取付フレーム114が設けられている。取付フレーム114には、ガイドレール115取り付けられている。サンルーフパネル113は、シュー116に固定されており、シュー116はガイドレール115に沿って摺動する。
シュー116には、駆動ケーブル117の一端が固定されている。駆動ケーブル117は、その中程で、サンルーフ駆動装置101の出力軸104と係合している。そして、出力軸104が回転することにより、駆動ケーブル117が押し引きされ、それに伴ってシュー116がガイドレール115に沿って移動し、サンルーフパネル113の開閉が行われる。なお、サンルーフパネル113の開閉においては、さらにオートチルトアップ(サンルーフパネル113が全開位置まで移動した後に、傾いて開く)が行われる場合もある。この場合は、チルトアップ機構(図示せず)が使用され、また、オート操作スイッチ4a及びマニュアル操作スイッチ4b(開閉スイッチ)に加えて、さらに、チルト用のスイッチ(図示せず)が使用される。
サンルーフ駆動装置101は、モータ41と伝達機構部105とを備えた構成となっている。モータ41には、モータ41の回転出力軸であるアマチュア軸42が設けられており、このアマチュア軸42にはウォーム軸102が形成されている。このウォーム軸102は、ウォームホイール軸103と噛み合っており、このウォーム軸102とウォームホイール軸103とによりウォーム減速機が構成され、モータ41に対し大きな減速比が得られるようになっている。また、ウォームホイール軸103は、ダンパ機構(図示せず)を介して従動プレート106と接続されている。
なお、モータ41には、前述のように回転センサ51が設けられている。また、サンルーフ駆動装置101には、パネル位置検出機構(図示せず)が設備されることがあり、回転センサ51によりアマチュア軸42の回転数を正確に検出し、これとパネル位置検出機構との同期を取ることによって、サンルーフパネル113の現在位置を把握し正確で精密な制御を行うように構成されたものもある。このように、サンルーフ駆動装置101は、ウォーム軸102、ウォームホイール軸103および従動プレート106などを収容配置した構成となっている。なお、工具穴(六角穴)107は、手動でモータ41を回転させるための穴であり、モータ故障時にサンルーフパネル113を開閉させるための緊急用のものである。
このように、本実施形態のサンルーフ駆動装置は、前述した本実施形態のモータ制御装置1で駆動されるモータを搭載している。このモータ制御装置は、スリープモードからウェイクアップモードに移行する際の起動特性の向上が図られている。このため、サンルーフ駆動装置における起動特性も向上することになる。
なお、本実施形態のモータ制御装置により駆動される車両の開閉体としては、上述のサンルーフパネルに限定されず、パワーウィンドウであってもよい。すなわち、パワーウィンドウの駆動装置に、本実施形態のモータ制御装置1で駆動されるモータを搭載することができる。これにより、パワーウィンドウ装置に使用されるモータのモータ制御装置が、スリープモードからウェイクアップモードに移行する際の起動特性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、図1および図3に示す本実施形態のモータ制御装置において、前述の制御部はCPU21が相当し、前述の位置検出実行制御部は割込マスク処理部27が相当する。
そして、本実施形態のモータ制御装置1は、車両に備えられた開閉体(サンルーフパネル113)を開閉するモータ41を、前記車両に搭載されたバッテリー電源2を用いて駆動するモータ制御装置であって、モータ41のアマチュア軸42の回転位置を検出するための回転センサ51と、バッテリー電源2から回転センサ51への電源の供給と停止とを行うための回転センサ電源供給回路12と、モータを駆動制御する制御部と、を具備する。また、制御部は、回転センサ51から出力される信号(パルス信号PLSA、PLSB)を基に、モータ41のアマチュア軸42の回転位置を検出するモータ回転位置検出部24と、回転センサ電源供給回路12から回転センサ51に印加される電源電圧のレベルが所定の電圧レベル以上であることを検出する電圧検出部25と、回転センサ電源供給回路12に対し回転センサ51への電源の供給および停止を指示するセンサ電源制御部26と、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出処理の実行または停止を制御する位置検出実行制御部(割込マスク処理部27)と、を有する。そして、センサ電源制御部26により、回転センサ電源供給回路12から回転センサ51への電源供給を開始させる場合において、位置検出実行制御部は、回転センサ51に供給される電源電圧のレベルが所定の電圧レベル以上であることが電圧検出部25により検出された後に、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出処理(割込み処理)を開始する。
これにより、スリープモードからウェイクアップモードに移行する場合などにおいて、回転センサに電源電圧を印加してモータ回転位置の検出処理を開始する際に、従来のモータ制御装置にように待機時間を設定して待機する必要がなくなり、モータ制御装置の起動特性が向上する。
また、制御部は、制御部内に設けられる動作モード制御部23であって、当該制御部を、モータ41の駆動制御を休止して消費電力を低減させるスリープモードと、モータ41の駆動制御が可能な通常作動を行うウェイクアップモードとを切り替える動作モード制御部23を、さらに備え、動作モード制御部23は、バッテリー電源2に繋がるイグニッションスイッチ(IGS)3がオフされたことを検出すると、回転センサ電源供給回路12から回転センサ51への電源の供給を停止させると共に、制御部をスリープモードに設定し、イグニッションスイッチ3がオンされたことを検出すると、制御部をウェイクアップモードに設定すると共に、回転センサ電源供給回路12から回転センサ51への電源の供給を開始させるように構成される。
これにより、イグニッションスイッチがオンされてウェイクアップモードに移行する場合において、回転センサからの信号を得てモータ回転位置の検出処理を開始する際に、待機時間を設定して待機する必要がなくなり、モータ制御装置の起動特性が向上する。
また、制御部は、該制御部内の各処理部における処理を実行するためのCPU21で構成され、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出処理は、回転センサ(ホールIC53、54)からの出力信号を割り込み要求信号とし、回転センサ(ホールIC53、54)からの出力信号に同期した割り込み処理により実行され、位置検出実行制御部(割込マスク処理部27)は、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出処理の実行を停止させる際には、割り込み要求信号(パルス信号PLSA、PLSB)をマスクして実行を停止させると共に、モータ回転位置検出部24におけるモータ回転位置検出処理を開始させる際には、割り込み要求信号に対するマスクを解除して実行を開始させる、ように構成されている。
これにより、ソフトウェア対応(パルス信号PLSA、PLSBに対するマスク処理)により、モータ回転位置検出処理(割込み処理)の実行と停止を制御できる。また、回転センサに確実に電源電圧が印加されたことを検出して、モータ回転位置検出処理(割込み処理)に対するマスクを解除することができる。このため、従来のモータ制御装置にように、待機時間を設定して待機する必要がなくなり、モータ制御装置の起動特性が向上する。
また、回転センサ51は、電源入力プラス(+)端子と電源入力マイナス(−)端子により電源の供給を受けるように構成され、回転センサ電源供給回路12は、回転センサの電源入力プラス(+)端子を通して電源供給を行うように構成される。
このように、回転センサ51の電源入力プラス(+)端子側から電源供給を行うように回路を構成し、回転センサに確実に電源電圧が印加されたことを検出してモータ回転位置検出処理制御(割込み処理)を開始することができる。また、従来のモータ制御装置にように、待機時間を設定して待機する必要がなくなり、モータ制御装置の起動時の応答性が向上する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のモータ制御装置、および本発明のモータ制御装置で駆動されるモータを備えるサンルーフ駆動装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1、1a…モータ制御装置、2…バッテリー電源、3…イグニッションスイッチ、4a…オート操作スイッチ、4b…マニュアル操作スイッチ、11…信号入力回路、12…回転センサ電源供給回路、22…モータ駆動制御部、23…動作モード制御部、24…モータ回転位置検出部、25…電圧検出部、26…センサ電源制御部、27…割込みマスク処理部、31…出力回路、41…モータ、42…アマチュア軸、51…回転センサ、52…センサマグネット、53、54…ホールIC、53a…ホール素子、101…サンルーフ駆動装置、102…ウォーム軸、103…ウォームホイール軸、104…出力軸、105…伝達機構部、106…従動プレート、110…屋根、112…開口部、113…サンルーフパネル、114…取付フレーム、115…ガイドレール、116…シュー、117…駆動ケーブル

Claims (5)

  1. 車両に搭載されたバッテリー電源を用いて、前記車両に備えられた開閉体を開閉するモータを駆動するモータ制御装置であって、
    前記モータのアマチュア軸の回転位置を検出する回転センサと、
    前記バッテリー電源から前記回転センサへの電源の供給と停止とを行う回転センサ電源供給回路と、
    前記モータを駆動制御する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、
    前記回転センサから出力される出力信号を基に、前記モータのアマチュア軸の回転位置を検出するモータ回転位置検出部と、
    前記回転センサ電源供給回路から前記回転センサに印加される電源電圧のレベルが所定の電圧レベル以上であることを検出する電圧検出部と、
    前記回転センサ電源供給回路に対し前記回転センサへの電源の供給および停止を指示するセンサ電源制御部と、
    前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理の実行または停止を制御する位置検出実行制御部と、
    を備え、
    前記センサ電源制御部により、前記回転センサ電源供給回路から前記回転センサへの電源供給を開始させる場合において、
    前記位置検出実行制御部は、前記回転センサに供給される電源電圧のレベルが所定の電圧レベル以上であることが前記電圧検出部により検出された後に、前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理を開始する
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御部は、
    当該制御部を、モータの駆動制御を休止して消費電力を低減させるスリープモードと、モータの駆動制御が可能な通常作動を行うウェイクアップモードとを切り替える動作モード制御部を、
    さらに備え、
    前記動作モード制御部は、
    前記バッテリー電源に繋がるイグニッションスイッチがオフされたことを検出すると、前記回転センサ電源供給回路から前記回転センサへの電源の供給を停止させると共に、前記制御部をスリープモードに設定し、
    前記イグニッションスイッチがオンされたことを検出すると、前記制御部をウェイクアップモードに設定すると共に、前記回転センサ電源供給回路から前記回転センサへの電源の供給を開始させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理は、前記回転センサからの出力信号を割り込み要求信号とし、前記回転センサからの出力信号に同期した割込み処理により実行され、
    前記位置検出実行制御部は、
    前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理の実行を停止させる際には、前記割り込み要求信号をマスクして実行を停止させると共に、
    前記モータ回転位置検出部におけるモータ回転位置検出処理を開始させる際には、前記割り込み要求信号に対するマスクを解除して実行を開始させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記回転センサは、電源入力プラス端子と電源入力マイナス端子により電源の供給を受けるように構成され、
    前記回転センサ電源供給回路は、前記回転センサの電源入力プラス端子を通して電源供給を行うように構成される
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のモータ制御装置により駆動されるモータを備えるサンルーフ駆動装置であって、
    前記モータにより駆動されるウォーム減速機と、
    前記車両の屋根に備えられた、前記ウォーム減速機の出力軸の回転により押し引きされる駆動ケーブルと接続されたサンルーフパネルと
    を備える
    ことを特徴とするサンルーフ駆動装置。
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