JP5324757B2 - 蓄熱マイクロカプセル、その製造方法および用途 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄熱マイクロカプセル、その製造方法および用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、蓄熱性能に優れ且つ蓄熱材の漏洩がほとんどなく、流動性、分散性および圧縮物性が良好な蓄熱マイクロカプセル、その製造方法および用途に関する。
省エネルギー化の観点から、冷暖房の熱エネルギーの貯蔵や太陽エネルギーの有効利用するために、蓄熱効果を持つ空調や建材に関する検討がされてきた。この際使用される蓄熱材として、顕熱を利用した水や、相変化の際に生ずる潜熱を利用したパラフィン、ワックス、無機塩水和物などが挙げられる。これらの蓄熱材の中でも、特に蓄熱量が多く出力温度を自由に設計できるなどの利点を有するパラフィンなどの有機系相変化物質が注目されている。その作用は、固体が融解して液体に相変化するときに熱を貯蔵することで、有機系相変化物質周囲の温度上昇を抑制し、液体が凝固して固体に相変化するときに熱を放出することで、有機系相変化物質周囲の温度低下を抑制するというものである。
しかし、有機系相変化物質は液体状態では流出し、散逸してしまうことから、これを防ぐための方法が必要である。たとえば、多孔質粒子にパラフィンを含浸させた後、樹脂でコーティングする方法が提案されている(特許文献1)。しかし、多孔質物質からの散逸防止は十分ではない。また、パラフィンを金属容器などに封入する方法が提案されているが、容器の型を自由に設計できないので汎用性に欠ける。
そこで、有機系相変化物質を安定的に固定化し、汎用性を向上させるために、芯物質にパラフィン、外殻にメラミン樹脂を用いてマイクロカプセル化する方法が提案されている(特許文献2)。特許文献2には、パラフィンを70〜90重量%の高内包量でマイクロカプセル化でき、高い蓄熱効果を示すと記載されているが、メラミン樹脂はシックハウスの原因となる人体に有害なホルムアルデヒドが残存している可能性が高く、使用範囲が制限されるという問題がある。
この問題を解決するために、芯物質にはパラフィン、外殻にはアクリル系樹脂を用いたマイクロカプセルが提案されている(特許文献3および4)。特許文献3および4には、ホルムアルデヒドを使用することなく製造された、パラフィンを60〜90重量%内包したマイクロカプセルが開示されているが、外殻の膜厚が薄くパラフィンの漏洩防止能力が十分ではない上に、カプセルの機械的強度(圧縮物性)が弱く、流動性および分散性等のハンドリング性が低いという問題がある。
特開2004−075711号公報 特開2001−303031号公報 特開2004−203978号公報 特開2004−277646号公報
本発明の目的は、優れた蓄熱特性を有し、蓄熱材の漏洩がほとんどなく、流動性、分散性および圧縮物性が良好な蓄熱マイクロカプセル、その製造方法および用途を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、1)蓄熱マイクロカプセルの外殻を構成する熱可塑性樹脂に強固な網目構造を形成すること、2)蓄熱材およびゲル化剤を含む芯物質を蓄熱マイクロカプセルに内包させることによって、上記課題が解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明にかかる蓄熱マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包された芯物質とから構成される蓄熱マイクロカプセルであって、前記熱可塑性樹脂がモノマー成分と架橋剤とを含む重合性成分を重合して得られ、前記架橋剤の割合がモノマー成分100重量部に対して3〜35重量部であり、前記芯物質が蓄熱材およびゲル化剤を含有し、前記蓄熱材に対するゲル化剤の重量割合が2〜12.5重量%であり、平均粒子径が1〜100μmである
本発明の蓄熱マイクロカプセルが、以下の(1))の構成要件の少なくとも1つをさらに含むと好ましい。
(1)80℃の温水中で3時間保持した後60℃で24時間乾燥した時の重量減少率が1%以下であること。
)蓄熱材がパラフィンおよび/またはワックスであり、ゲル化剤がヒドロキシ脂肪酸類であること。
3)モノマー成分が、ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレン系単量体、酢酸ビニル、アクリルアミド系単量体、マレイミド系単量体および塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも一種のラジカル重合性単量体を含むこと。
(4)モノマー成分がニトリル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須成分として含むこと
(5)モノマー成分がニトリル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須成分として含み、モノマー成分全体に占めるニトリル系単量体の重量割合は10〜55重量%であり、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重量割合は10〜90重量%であること。
(6)蓄熱マイクロカプセルの加圧下における昇温垂直変位量が下記(A)および(B)の範囲にあること。
(A)芯物質がゲル状態の温度範囲では0〜60μm
(B)芯物質が液体状態の温度範囲では0〜250μm
発明にかかる蓄熱性組成物は、基材成分と、上記蓄熱マイクロカプセルとを含有する組成物である。基材成分がセメントまたは石膏であると好ましい。
本発明の蓄熱マイクロカプセルでは、芯物質が蓄熱材およびゲル化剤を含むことによって、ゲル化剤が蓄熱材の流動性を低下させ、芯物質の後述する見かけの融点が上昇するので、高温(たとえば、融点26℃のオクタデカンの場合、30℃〜55℃)で使用しても、蓄熱材が流動しにくく、圧縮物性が向上し、芯物質を覆う外殻の外にほとんど漏れない。また、蓄熱材は、その粘度が比較的高いので、外殻の外に漏れた場合は、蓄熱マイクロカプセル同士が付着し易いが、外殻の外に漏れない訳であるから、蓄熱マイクロカプセルは流動性および分散性が良好であり、長期間優れた蓄熱効果を維持することができる。
本発明の蓄熱マイクロカプセルの製造方法は、内包した蓄熱材の漏洩がほとんどなく、流動性、分散性および圧縮物性が良好で、長期間優れた蓄熱効果を維持することができるマイクロカプセルを効率よく製造することができる。
本発明の蓄熱性組成物は蓄熱マイクロカプセルを含むので、蓄熱マイクロカプセルの蓄熱材が基材成分に漏れ出すことはほとんどなく、蓄熱性組成物の物性が低下しない。
〔蓄熱マイクロカプセルの製造方法〕
本発明の蓄熱マイクロカプセルの製造方法は、熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包された芯物質とから構成され、前記芯物質が蓄熱材およびゲル化剤を含有する蓄熱マイクロカプセルの製造方法である。本発明の製造方法は、重合性成分および芯物質を含有する油性混合物を水性分散媒中に分散させ、そして、油性混合物に含まれる重合性成分を重合させる工程を含む製造方法である。
以下、油性混合物を構成する各成分について説明する。
蓄熱材は、本発明の蓄熱マイクロカプセルにおいて、固体−液体間の相変化に伴う潜熱を利用して熱を貯蔵または放出する目的で用いられる成分である。蓄熱材としては、相転移点(以下、単に融点ということもある。)を有する化合物であれば特に限定はないが、たとえば、モンタン酸ワックス、モンタンエステルワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、酸化ワックス、ポリビニルエーテルワックスおよびエチレンビニルアセテートワックス等のワックス;テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン等のパラフィン;ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、o−またはn−テルフェニル、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘキシルナフタレンおよびドデシルナフタレン等の芳香族炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびベヘン酸等の脂肪酸;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコールおよびミリシルアルコール等のアルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等のメチルエステル、エチルエステル等のアルキルエステル化合物;デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミンおよびヘキサデシルアミン等の脂肪族アミン等を挙げることができる。この中でもパラフィンおよび/またはワックスが好ましく用いられる。
これらの蓄熱材は、単独で用いても良く2種以上を混合してもよい。蓄熱材は、一般に80J/g以上という高い潜熱を有している。
蓄熱材の相転移温度(融点)については、特に限定はないが、好ましくは−90〜68℃であり、さらに好ましくは−57〜66℃、特に好ましくは−54〜63℃である。
また、蓄熱材と後述のゲル化剤とを混合して得られる芯物質の「見かけの融点」については、特に限定はないが、好ましくは−80〜72℃であり、さらに好ましくは
−30〜71℃、特に好ましくは−27〜70℃である。ここで、芯物質の見かけの融点とは、蓄熱材の相転移温度(融点)ではなく、芯物質が実際に液化する温度を意味する。芯物質の見かけの融点は、蓄熱材とゲル化剤との混合物が、白濁から透明になる変化が目視で観察された温度である。
油性混合物全体に占める蓄熱材の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは50〜70重量%である。蓄熱材の重量割合が20重量%未満では蓄熱量が少なく効率的な効果が得られにくい。一方、蓄熱材の重量割合が90重量%超では得られる蓄熱マイクロカプセルの外殻の厚みが薄くなり、蓄熱材が漏れ出したり、その機械的強度が弱いので、破損したりする可能性がある。
ゲル化剤は、蓄熱材に混合することによって、蓄熱材が通常液体である温度域でもゲル状物質として扱えるようになる。つまり、蓄熱材とゲル化剤とを混合して得られる芯物質の「見かけの融点」は、蓄熱材単独の融点よりも高くなる。そのために、蓄熱材の漏洩を抑制することだけでなく、蓄熱マイクロカプセルの粉感(流動性および分散性)を良くし、ハンドリング性を向上させる。さらにはゲル化効果により蓄熱マイクロカプセルの強度(圧縮物性)が向上し、後述の本発明の組成物に配合した際にカプセルが破損することを防ぐ効果も期待される。なお、ゲル化剤と蓄熱材とを混合することによって、蓄熱材の蓄熱量や相転移温度(融点)については影響を受けないものと考えられている。
ゲル化剤としては、蓄熱材をゲル化するものであれば特に限定はないが、ゲル化効果が高い化合物としてヒドロキシ脂肪酸類を挙げることができる。ヒドロキシ脂肪酸類としては、たとえば、以下の化学式(1)または(2)で表現される化合物を挙げることができる。
Figure 0005324757
Figure 0005324757
(上記化学式(1)および(2)において、Rは水素原子または炭素数1〜8の1価炭化水素基であり、Rは炭素−炭素の不飽和結合を含んでいても良い炭素数1〜15の2価炭化水素基であり、Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機基、カルボン酸からOH基を除いた残基から選ばれる少なくとも1種である。)
Rとしては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の1価飽和炭化水素基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、へキセニル基、へプテニル基、オクテニル基等の1価不飽和炭化水素基等が挙げられる。
としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基等の2価飽和炭化水素基;ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基、ノネニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基、トリデシニレン基、テトラデシニレン基、ペンタデシニレン基等の2価不飽和炭化水素基等が挙げられる。
Xとしては、水素原子以外に、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、トリグリセライド基、ベンジル基等の有機基;モノカルボン酸(たとえば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸等)、ジカルボン酸(たとえば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等)、ヒドロキシ脂肪酸(たとえば、ヒドロキシエイコ酸、ヒドロキシヘキサデカン酸、ヒドロキシドデカン酸、ヒドロキシミリスチン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシオクタデカン酸等)等のカルボン酸からOH基を除いた残基等が挙げられる。
ゲル化効果が高いヒドロキシ脂肪酸類としては、たとえば、ヒドロキシエイコ酸、ヒドロキシヘキサデカン酸、ヒドロキシドデカン酸、ヒドロキシミリスチン酸、ヒドロキシステアリン酸、ひまし硬化油、ヒドロキシオクタデカン酸およびその誘導体等やヒドロキシオクタデセン酸等の不飽和ヒドロキシ脂肪酸およびその誘導体等が挙げられる。
これらのうちでも、ヒドロキシル基の位置が12位であるヒドロキシ脂肪酸類(化学式(2)では、Rが炭素数10の2価炭化水素基であるヒドロキシ脂肪酸類)が好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸およびその誘導体は、入手のし易さ、安全性、ゲル化効果の高さから、さらに好ましい。
油性混合物全体に占めるゲル化剤の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。ゲル化剤の重量割合が0.1重量%未満では、蓄熱材のゲル化が十分ではなく、得られる蓄熱マイクロカプセルにおいて、蓄熱材の漏洩が発生し、流動性および分散性が低下することがある。一方、ゲル化剤の重量割合が10重量%超では、蓄熱マイクロカプセルの諸物性に悪影響を与える可能性がある。例えば、相対的に使用できるモノマー量が減少したり蓄熱材量が減少するので、カプセル外殻が薄くなり、蓄熱材の漏洩やカプセル強度(圧縮物性)の低下を招いたり蓄熱量が低下することが考えられる。
油性混合物における蓄熱材とゲル化剤との重量割合については、特に限定はないが、蓄熱材に対するゲル化剤の重量割合は、好ましくは0.5〜12.5重量%、さらに好ましくは1〜8重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。ゲル化剤の重量割合が蓄熱材の0.5重量%未満では、上記と同様に蓄熱材のゲル化が十分ではなく、得られる蓄熱マイクロカプセルにおいて、蓄熱材の漏洩が発生し、流動性および分散性が低下することがある。一方、ゲル化剤の重量割合が蓄熱材の12.5重量%超では、蓄熱マイクロカプセルの諸物性に悪影響を与える可能性がある。例えば、相対的に使用できるモノマー量が減少したり蓄熱材量が減少するので、カプセル外殻が薄くなり、蓄熱材の漏洩やカプセル強度(圧縮物性)の低下を招いたり、蓄熱量が低下したりすることが考えられる。
重合性成分は、重合開始剤存在下で重合することによって、蓄熱マイクロカプセルの外殻を形成する熱可塑性樹脂となる成分である。重合性成分は、モノマー成分と架橋剤とを含む成分である。
モノマー成分は、一般には(ラジカル)重合性単量体と呼ばれている成分であり、特に限定はないが、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル等のニトリル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等のカルボキシル基含有単量体;塩化ビニリデン;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−クロルエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体;アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド等のマレイミド系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフイン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン系単量体;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル系単量体、ビニルナフタリン塩等を挙げることができる。カルボキシル基含有単量体については、一部または全部のカルボキシル基が重合時に中和されていてもよい。なお、(メタ)アクリルは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
これらのラジカル重合性単量体は、1種または2種以上を併用してもよい。これらの内でも、重合性成分が、ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレン系単量体、酢酸ビニル、アクリルアミド系単量体および塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも1種のラジカル重合性単量体を含む重合性成分であると好ましい。
油性混合物全体に占めるモノマー成分の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは9.6〜79.6重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。モノマー成分の重量割合が9.6重量%未満では、外殻の膜厚が薄くなり、蓄熱材の漏洩防止能力が十分ではない上にカプセルの機械的強度が著しく低下することがある。一方、モノマー成分の重量割合が79.6重量%超では、蓄熱材の内包量が少なくなり十分な蓄熱効果が得られないことがある。
モノマー成分がニトリル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須成分として含むと好ましい。
モノマー成分がニトリル系単量体と共に(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須成分として含む場合、モノマー成分全体に占めるニトリル系単量体の重量割合は、好ましくは10〜55重量%、さらに好ましくは25〜50重量%である。また、モノマー成分全体に占める(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重量割合は、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは30〜65重量%である。
架橋剤は、重合性成分が重合して得られる熱可塑性樹脂に網目構造を形成する。蓄熱マイクロカプセルに内包された蓄熱材が仮に十分にゲル化されない場合であっても、より強固な網目構造が形成されることによって、蓄熱材が外殻を内側から外側に透過しにくくなり、蓄熱材の漏洩が抑制されることになる。
架橋剤としては特に限定されないが、一般には、重合性二重結合を2個以上有する重合性単量体を挙げることができる。架橋剤としては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、トリエチレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、ブタジエン等を挙げることができる。これらの架橋剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
上記で、「PEG#○○○ジ(メタ)アクリレート」と表記されている一連の化合物は、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートで、そのポリエチレングリコール部分の平均分子量が○○○であることを意味する。
架橋剤の割合については特に限定はないが、モノマー成分100重量部に対して3〜35重量部であり、好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは10〜20重量部である。架橋剤の割合がモノマー成分100重量部に対して3重量部未満であると、蓄熱材の漏洩十分に防止できない可能性がある。一方、架橋剤の割合がモノマー成分100重量部に対して35重量部超であると、重合反応が順調に進行せず、凝集体の生成が多くなり、蓄熱材の漏洩防止能力が低下するとともに、一般に高価である架橋剤を多く使用するのでコスト面で支障が出ることがある。
本発明の製造方法において使用される重合開始剤としては、特に限定はなく、水溶性、油溶性に関係なく使用できるが、重合開始剤を含有する油性混合物を用いて、重合性成分を重合開始剤の存在下で重合させることが好ましい。重合開始剤としてはたとえば、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド等の過酸化物;アゾ化合物、レドックス開始剤等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
パーオキシジカーボネートとしては、たとえば、ジエチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−オクチルパーオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネートおよびジベンジルパーオキシジカーボネート等を挙げることができる。
パーオキシエステルとしては、たとえば、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエートおよびt−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート等を挙げることができる。
ジアシルパーオキサイドとしては、たとえば、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物;2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等を挙げることができる。レドックス開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、クメンヒドロパーオキシド等が挙げられる。
蓄熱マイクロカプセル外殻の造膜性が、蓄熱材の漏洩防止能力に密接に関係しているという理由から、油性混合物を水系混合物中に分散させる際に、芯物質を融解させるため加温しながら行う場合は、水系混合物中に油性混合物を分散・懸濁中に重合が進行することを抑制するため、分散媒の温度よりも高い10時間半減期を有する重合開始剤を用いることが好ましい。
重合開始剤の量については、特に限定はないが、モノマー成分と架橋剤を含む重合成成分100重量部に対して0.005〜5重量部であると好ましく、さらに好ましくは0.01〜3重量部である。
本発明の製造方法において、油性混合物や水性分散媒は、連鎖移動剤、分散安定剤、重合助剤、電解質、有機顔料、表面が疎水性処理された無機顔料や無機粒子等をさらに含有していてもよい。
連鎖移動剤は、重合性成分を重合させる際、得られる熱可塑性樹脂の分子量を調整する。連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノールなどのチオエーテル類、ジクロルエチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素のなどのハロゲン化炭化水素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独もしくは2種類以上を併用しても良い。
本発明の製造方法では、分散安定剤として無機微粒子および/または水溶性高分子を含む水性分散媒を使用することが好ましい。水性分散媒に含まれる分散安定剤の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは0.005〜8重量%、さらに好ましくは0.01〜6重量%、特に好ましくは0.015〜5重量%である。
無機微粒子としてはコロイダルシリカ、コロイダル炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、蓚酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、アルミナゾル等が挙げられるが、これに限定されない。水溶性高分子としてはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニル酢酸、メチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。この他に補助安定剤として各種乳化剤等を併用することができる。
重合助剤は、重合時において生成する蓄熱マイクロカプセルの凝集や重合反応器内のスケール発生(具体的には、重合性成分の重合において、重合物が蓄熱マイクロカプセルの外殻表面に強固に付着することによる凝集体や重合物による濾過時の目詰まり、重合反応器内壁への重合物の付着)を防止する作用を有している。
重合助剤としては特に限定されないが、亜硝酸塩、ヒドロキノン、エチレンジアミン四酢酸塩、α−ピコリン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化銅、塩化鉄、塩化アルミニウムn水和物、塩化チタンn水和物、塩化第一スズ、重クロム酸塩、塩化第二スズ、水溶性アスコルビン酸類、水溶性ポリフェノール類、水溶性ビタミンB類、硼酸などが挙げられる。また、これらの重合助剤は1種または2種以上を併用しても良い。
水性分散媒中に含まれる重合助剤の量については、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、好ましくは0.0001〜1.0重量部、さらに好ましくは0.0005〜0.8重量部、特に好ましくは0.001〜0.5重量部である。重合助剤の量が少なすぎると、重合助剤による効果が十分に得られないことがある。一方、重合助剤の量が多すぎると、重合速度が低下したり、原料である重合性成分の残存量が増加したりすることがある。
水性分散媒は、さらに電解質を含有してもよい。電解質は水相に溶解して、水相に対する重合性成分の溶解度を低下させ、水相での重合を抑制する働きがある。電解質としては特に限定はないが、たとえば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、安息香酸等を挙げることができる。これらの電解質は、1種または2種以上を併用してもよい。
水性分散媒は、たとえば、イオン交換水等の水に、分散安定剤および/または重合助剤等を配合して調製される。重合時の水性分散媒のpHは、重合助剤、分散安定剤、分散安定補助剤の種類によって適宜決められる。重合時の水性分散媒は、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよいが、酸性または中性が好ましく、酸性がさらに好ましい。重合時の水性分散媒のpHは、通常2〜13、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6.5、特に好ましくは2〜6、最も好ましくは2〜4である。
本発明の製造方法では、所定粒子径の球状油滴が調製されるように油性混合物を水性分散媒中に懸濁分散させる。
油性混合物を懸濁分散させる方法としては、たとえば、ホモミキサー(たとえば、特殊機化工業株式会社製)、ホモディスパー(たとえば、特殊機化工業株式会社製)等により攪拌する方法や、スタティックミキサー(たとえば、株式会社ノリタケエンジニアリング社製)等の静止型分散装置を用いる方法、膜乳化法、超音波分散法等の一般的な分散方法を挙げることができる。
油性混合物を懸濁分散させる方法としては、たとえば、特開2000−191817号公報に開示された連続式高速回転高剪断型攪拌分散機を使用する方法もあるが、縦型のスリットを有する通液孔を有する円錐状または円錐台状のスクリーンと、その内側にクリアランスを設けて設置した、羽根刃を有する円錐状または円錐台状のローターとを備えたホモジナイザーのローター側より疎水性物質と水性媒体とを供給しつつローターを高速で回転させて、ローターとスクリーンとのクリアランスおよびスクリーンの通液孔を通過させることにより、油性混合物を水性分散媒中に懸濁分散させる方法、すなわち、クレアミックス(特開2004−959号公報の第0005〜0013段落および図1〜4等参照)を用いる方法が好ましい。
また、懸濁分散時の温度は蓄熱材やゲル化剤等が融解もしくは溶解した状態で行うことが好ましい。油溶成分の凝固点以下で行った場合、分散不良を起こしミキサーや容器の壁面に蓄熱材やゲル化剤が析出・付着しやすくなり、蓄熱材とゲル化剤の内包量や内包比率が変化してしまう。このため、蓄熱量の低下、カプセルの造膜性の低下とゲル化不足によって、芯物質のブリードアウト(蓄熱材の漏洩)や圧縮物性の低下を引き起こすだけでなく、スケールの異常発生や収率異常等の生産性低下も引き起こす可能性がある。
重合温度は、重合開始剤の種類や、蓄熱材の融点等によって自由に設定されるが、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは40〜90℃、特に好ましくは50〜85℃の範囲で制御される。反応温度を保持する時間は、0.1〜20時間程度が好ましく、さらには使用する重合開始剤の理論残量が5%以下になる反応時間を設定することがより好ましい。
重合初期圧力については特に限定はないが、窒素置換された状態でゲージ圧が0〜8.0MPa、さらに好ましくは0.1〜6.0MPa、特に好ましくは0.2〜5.0MPaの範囲である。
油性混合物および水性分散媒の合計に占める油性混合物の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは25〜50重量%である。上記油性混合物の重量割合が20重量%未満であると、生産性が悪く、コスト面で問題になることがある。一方、上記油性混合物の重量割合が60%超であると、得られる蓄熱マイクロカプセルが凝集し、その物性や生産性が悪化してしまうことがある。
〔蓄熱マイクロカプセル〕
本発明の蓄熱マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル)とそれに内包された芯物質(コア)とから構成されたコア−シェル構造を有しており、全体として蓄熱性を示す。芯物質は蓄熱材およびゲル化剤を含有している。本発明の蓄熱マイクロカプセルにおいて、熱可塑性樹脂がモノマー成分と架橋剤とを含む重合性成分を重合して得られると好ましい。なお、熱可塑性樹脂、重合して熱可塑性樹脂となる重合性成分、蓄熱材、ゲル化剤、芯物質等の説明は、前述したとおりである。
本発明の蓄熱マイクロカプセルは、たとえば、図1に示すように、熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル)1とそれに内包された芯物質(コア)2とから構成されており、連続した膜状の熱可塑性樹脂(シェル)で芯物質(コア)が被覆された状態になっている。
蓄熱マイクロカプセルに占める蓄熱材の重量割合については特に限定はないが、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは50〜70重量%である。蓄熱材の重量割合が20重量%未満では蓄熱量が少なく効率的な効果が得られにくい。一方、蓄熱材の重量割合が90重量%超では蓄熱マイクロカプセルの外殻の厚みが薄くなり、蓄熱材が漏れ出したり、その機械的強度が弱いので、破損したりする可能性がある。
蓄熱マイクロカプセルに占めるゲル化剤の重量割合については特に限定はないが、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。ゲル化剤の重量割合が0.1重量%未満では、蓄熱材のゲル化が十分ではなく、蓄熱マイクロカプセルにおいて、蓄熱材の漏洩が発生し、流動性および分散性が低下することがある。一方、ゲル化剤の重量割合が10重量%超であると、蓄熱マイクロカプセルの諸物性に悪影響を与える可能性がある。例えば、相対的に使用できるモノマー量が減少したり蓄熱材量が減少するので、カプセル外殻が薄くなり、蓄熱材の漏洩やカプセル強度の低下を招いたり蓄熱量が低下することが考えられる。
本発明の蓄熱マイクロカプセルの最大蓄熱量は、通常、16J/g以上であり、好ましくは50J/g以上、より好ましくは100J/g以上、さらに好ましくは130J/g以上、特に好ましくは140J/g以上、最も好ましくは150J/g以上である。蓄熱マイクロカプセルの最大蓄熱量が16J/g未満であると、蓄熱マイクロカプセルの蓄熱量が少なく、蓄熱効果が十分ではないことがある。蓄熱量は、一般に、蓄熱マイクロカプセルの最も基本的な物性である。最大蓄熱量が大きいということは、一般に内包されている蓄熱材量が多く、外殻である熱可塑性樹脂の厚みが相対的に薄くなるが、薄い状態であっても外殻の内側に封入されている蓄熱材を漏れることなく保持できることを意味している。すなわち、蓄熱マイクロカプセルの物性において最大蓄熱量が多いということは、蓄熱材保持性能が高く、良好な外殻が形成されていることと同義といえる。
本発明の蓄熱マイクロカプセルの平均粒子径については、用途に応じて自由に設計することができるが、通常1〜100μm、好ましくは2〜80μm、さらに好ましくは3〜70μm、特に好ましくは5〜60μmである。
本発明の蓄熱マイクロカプセルは、80℃の温水中で3時間保持した後、60℃で24時間乾燥した時の重量減少率は、1%以下であり、好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。重量減少率が1%超であると、芯物質が外殻の外に漏れ、蓄熱マイクロカプセルの流動性および分散性が低下する。
本発明の蓄熱マイクロカプセルは、以下の実施例で定義される加圧下における昇温垂直変位量が、芯物質がゲル状態の温度範囲では0〜60μm、好ましくは0〜50μmである。また、芯物質が液体状態の温度範囲では0〜250μm、好ましくは0〜200μmである。変位量がゲル状態では60μm超、または、液体状態では250μm超であると、カプセル強度が弱いため、後述の基材成分に配合する際にカプセルが破損してしまう可能性が高く、蓄熱材を含む芯物質のブリードアウト(蓄熱材の漏洩)を誘発するだけでなく基材成分の物性を低下させてしまう危険がある。蓄熱材とゲル化剤の組み合わせによっては、各温度における状態が異なる。たとえば、蓄熱材とゲル化剤の組み合わせがオクタデカン(120重量部)と12−ヒドロキシステアリン酸(3重量部)の場合、20℃以下では固体状態、20〜26℃では固体状態とゲル状態との混合状態、26〜55℃ではゲル状態、55℃以上では液体状態となる。
本発明の蓄熱マイクロカプセルは、上記で説明した製造方法によって製造することができるが、この製造方法に限定されない。本発明の蓄熱マイクロカプセルは、たとえば、界面重合法、逆相乳化法、乳化重合法等で製造することも可能であると考えられる。また、水性分散媒中で液滴を作製しない方法として、たとえば、液中乾燥法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法、乾式混合法等で製造することも可能であると考えられる。また、本発明とは別の製造方法で得られた蓄熱マイクロカプセルの外殻にポリマーをグラフト重合させることも可能であると考えられる。
〔蓄熱マイクロカプセルの用途〕
本発明の蓄熱性組成物は、基材成分と、本発明の蓄熱マイクロカプセルおよび/または本発明の製造方法で得られた蓄熱マイクロカプセルとを含む。
基材成分としては特に限定はないが、たとえば、天然ゴムやブチルゴムやシリコンゴム等のゴム類;エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂;変性シリコン系、ウレタン系、ポリサルファイド系、アクリル系、シリコン系等のシーリング材料;エチレン−酢酸ビニル共重合物系、塩化ビニル系やアクリル系の塗料成分;ポリエステル、アクリル、ナイロン、ウレタン、シルク、綿等の繊維;石膏、セメント、モルタルやコージエライト等の無機物等が挙げられる。
基材成分と蓄熱マイクロカプセルとの混合比率はその基材成分の強度等の物性に悪影響を与えない限りは特に制限はないが、蓄熱マイクロカプセルに内包されている蓄熱材が蓄熱性組成物の全量に対し3%以下であると十分な蓄熱効果が得られない可能性があるため好ましくない。
本発明の蓄熱性組成物は、これらの基材成分と蓄熱マイクロカプセルとを混合することによって調製することができ、蓄熱作用により保温効果が向上する。
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各実施例および比較例における評価項目と評価方法は以下の通りである。以下では、「%」および「部」は、それぞれ「重量%」および「重量部」を表す。
(実施例1)
オクタデカン(カクタスノルマルパラフィンTS8、株式会社ジャパンエナジー製、融点26℃)120部および12−ヒドロキシステアリン酸3部を、80℃で加熱融解させた後、メチルメタクリレート35部、アクリロニトリル25部、トリメチロールプロパントリメタクリレート12部および重合開始剤(V−59、和光純薬株式会社製、10時間半減期67℃)1部を加えて、油性混合物を得た。イオン交換水418部、ポリビニルピロリドン1.8部、コロイダルシリカ(スノーテックス−20、日産化学株式会社製、純分20%)35部、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩0.1部の混合溶液を硫酸でpH3に調整し、60℃に加熱した。得られた水性分散媒に油性混合物と混合し、ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製した。このとき、液温は58〜65℃でありホモミキサーや容器の壁面に付着物はなく、良好な懸濁液が得られた。この懸濁液を窒素ガスで0.2MPaに加圧した重合容器内で、75℃で12時間重合させた。
重合後に得られたスラリーからろ紙を用いて蓄熱マイクロカプセルを分離し、40℃で乾燥させ粉末状にして、以下に示す評価項目および評価方法で物性を評価した。その評価結果を表1に示す。
〔平均粒子径〕
蓄熱マイクロカプセルのスラリーを水媒体中に分散させ、レーザー回折・散乱式粒度分析計(日機装株式会社製、マイクロトラック 9320HRA(×100))を用いて測定し、そのd50を平均粒径とした。
〔潜熱量測定〕
粉末状にした蓄熱マイクロカプセルについて、示差熱熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、SSC/5200)を用いて潜熱量を測定した。昇温・降温速度を1℃/minで10〜40℃の範囲で測定した。また、吸熱ピークの頂点を融点とした。
〔重量減少試験〕
粉末状蓄熱マイクロカプセルを再度水中に分散した状態で80℃、3時間加熱した後、カプセルをろ過し、60℃で24時間かけ乾燥させた際のカプセルの重量を測定し、蓄熱材の重量減少を下記計算式にしたがって計算した。なお、蓄熱マイクロカプセルの固形分(水分量)はカールフィッシャー水分計(京都電子工業株式会社製、MKA−510N)にて測定した。
Figure 0005324757
上記計算式において、W、W、W、aおよびaは以下のとおりである。
W:重量減少率(%)
:加熱処理前の蓄熱マイクロカプセルの重量(g)
:再乾燥後の蓄熱マイクロカプセルの重量(g)
a:加熱処理前の蓄熱マイクロカプセルの固形分(%)
a:再乾燥後の蓄熱マイクロカプセルの固形分(%)
〔外観、触感〕
蓄熱マイクロカプセルをスラリーからろ過し、60℃で乾燥した際の外観と触感を調べた。べたつきが無くパラフィンが漏洩していることが肉眼で認識できないものを良好、べたつきが有りパラフフィンが漏洩していることが肉眼で認識できるものを不良とした。
〔加温圧縮試験〕
粉末化した蓄熱マイクロカプセル25mgを直径6.0mm(内径5.65mm)、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、蓄熱マイクロカプセル層上部に直径5.6mm、厚み0.1mmのアルミ蓋をのせて、試料を準備した(試料高さ2.350〜2.500mm)。
次に、DMA(動的粘弾性測定装置:DMA Q800型、TA instruments社製)を測定装置として使用し、上記で準備した試料に上から加圧子により0.50Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定した。加圧子により0.50Nの力を加えた状態で、10〜100℃の範囲を5℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量(加圧下における昇温垂直変位量)を測定した。
ここで、蓄熱材が融解し始める20℃からゲル化状態を維持している55℃までの変位量とゲル化状態が解消する55〜80℃の変位量を算出し、蓄熱マイクロカプセルの強度を評価した。ゲル化が解消する温度(55℃)は、実施例4にて確認した、白濁状態から透明液体に完全に変化した温度とした。
(実施例2)
実施例1で、オクタデカンの代わりにワックス(ニッサンエレクトールWE−20日本油脂株式会社製、融点28℃)を用いる以外は実施例と同様にして、蓄熱マイクロカプセルを製造し、物性を評価した。懸濁液の状態は良好であった。表1に評価結果を示す。
(比較例1)
実施例1で、オクタデカンの量を120部から123部に変更し、12−ヒドロキシステアリン酸を使用せずに油性混合物を得た以外は、実施例と同様にして、蓄熱マイクロカプセルを製造し、物性を評価した。懸濁液の状態は良好であった。表1に評価結果を示す。
(比較例2)
実施例1で、モノマー成分をメチルメタクリレート45部、アクリロニトリル25部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2部とした以外は、実施例と同様にして、蓄熱マイクロカプセルを製造し、物性を評価した。懸濁液の状態は良好であった。表1に評価結果を示す。
Figure 0005324757
表1の重量減少試験の結果から、ゲル化剤を使用しかつ高架橋濃度の蓄熱マイクロカプセルでは内包された蓄熱材の漏洩が少ないことがわかる。
加温圧縮試験の結果から、ゲル化剤を使用することで20〜55℃の範囲での圧縮による変位を抑制する効果があることがわかる。また、高架橋濃度で造膜性の良い外殻の蓄熱マイクロカプセルを用いることで55〜80℃の範囲では圧縮による変位を抑制する効果があることがわかる。このことから、ゲル化剤の使用と架橋濃度を上げることにより強固な外殻とすることで、蓄熱材の漏洩を防ぎ、優れた蓄熱効果を長時間保持することが可能であるとともに圧力等の外部刺激を与えてもカプセルの外殻が破損しにくい。このため基材成分にも容易に混合・分散可能な蓄熱マイクロカプセルを製造することができる。
(実施例3)
〔蓄熱マイクロカプセル含有パネルの蓄熱効果〕
実施例1で作製したスラリーをろ過して得られる蓄熱マイクロカプセルウェットケーキ(水分45%)220g、セメント500g、砂5号250g、砂6号250g、メチルセルロース1g、水210gを均一に混合して、蓄熱性組成物を得た。得られた蓄熱性組成物をパネル(縦15cm×横15cm×厚み5mm)に成形し、1週間、養生することで蓄熱マイクロカプセル含有セメントパネルを作製した。
次に、底が開口している発泡スチロール製箱(縦15cm×横15cm×深さ30cm)を蓄熱マイクロカプセル含有セメントパネルに被せ、内部に保冷剤を入れ20℃まで冷却した。その後30℃の室内に放置し、箱内部の温度変化を測定した。その結果を図2に黒丸印で示す。
(比較例3)
実施例3の蓄熱マイクロカプセルをポリメチルメタクリレート粒子に置き換え、同様にセメントパネルを作製し、同様に箱内部の温度変化を測定した。その結果を図2に黒四角印で示す。
図2から蓄熱マイクロカプセル含有セメントパネルを使用した方が23℃付近から内部温度の上昇が抑えられ、通常のセメントパメルと比較して、2℃程度低い温度となっていることがわかる。これは蓄熱マイクロカプセルにおいてパラフィンの相変化に伴う吸熱効果が得られることを示している。
(実施例4)
〔ゲル化剤の効果〕
オクタデカン2部および12−ヒドロキシステアリン酸0.05部を、80℃で加熱融解・混合させた後、10℃まで冷却した。このときの混合物は80℃では透明の液体であったが、冷却後は白濁状態であった。これを少量採取し、顕微鏡用冷却・加熱ステージ(ジャパンハイテック株式会社、顕微鏡用冷却・加熱ステージ10002)を用いて徐々に加熱し、オクタデカン−ゲル化剤混合物の見かけの融点を測定した。融解の様子はCCDカメラ(ソニー株式会社、CCD−IRIS color video camera : model DXC−107A)を接続した光学顕微鏡(ニコン株式会社、OPTIPHOT)に顕微鏡用冷却・加熱ステージに載せ、ブラウン管モニターを通し観察した。
実施例4ではオクタデカンの融点である26℃では変化は見られず、50℃までは砕く状態を維持していた。50℃過ぎから透明化し始め、55℃で完全に透明な液体に変化した。
(比較例4)
実施例4で、ゲル化剤を加えずオクタデカンのみを用いた以外は同様にして融点を測定した。比較例4では20℃から透明化し始め、26℃までに完全に透明に変化した。
実施例4と比較例4との比較から、ゲル化剤を添加することによって、見かけの融点が26℃から50℃に上昇することが観察された。
本発明の蓄熱マイクロカプセルの一例の断面を示す概略図である。 実施例3および比較例3のセメントパネルについて、それぞれの蓄熱効果を比較したグラフである。
符号の説明
1 外殻
2 芯物質

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包された芯物質とから構成される蓄熱マイクロカプセルであって、
    前記熱可塑性樹脂がモノマー成分と架橋剤とを含む重合性成分を重合して得られ、前記架橋剤の割合がモノマー成分100重量部に対して3〜35重量部であり、
    前記芯物質が蓄熱材およびゲル化剤を含有し、前記蓄熱材に対するゲル化剤の重量割合が2〜12.5重量%であり、
    平均粒子径が1〜100μmであ
    蓄熱マイクロカプセル。
  2. 80℃の温水中で3時間保持した後60℃で24時間乾燥した時の重量減少率が1%以下である、請求項1に記載の蓄熱マイクロカプセル。
  3. 前記蓄熱材がパラフィンおよび/またはワックスであり、ゲル化剤がヒドロキシ脂肪酸類である、請求項1または2に記載の蓄熱マイクロカプセル。
  4. 記モノマー成分が、ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレン系単量体、酢酸ビニル、アクリルアミド系単量体、マレイミド系単量体および塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも一種のラジカル重合性単量体を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱マイクロカプセル。
  5. 前記モノマー成分がニトリル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須成分として含む、請求項1〜4のいずれかに記載の蓄熱マイクロカプセル。
  6. 前記モノマー成分がニトリル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須成分として含み、前記モノマー成分全体に占めるニトリル系単量体の重量割合は10〜55重量%であり、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重量割合は10〜90重量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱マイクロカプセル。
  7. 蓄熱マイクロカプセルの加圧下における昇温垂直変位量が下記(A)および(B)の範囲にある、請求項1〜6のいずれかに記載の蓄熱マイクロカプセル。
    (A)芯物質がゲル状態の温度範囲では0〜60μm
    (B)芯物質が液体状態の温度範囲では0〜250μm
  8. 基材成分と、請求項1〜のいずれかに記載の蓄熱マイクロカプセルとを含有する、蓄熱性組成物。
  9. 前記基材成分がセメントまたは石膏である、請求項8に記載の蓄熱性組成物。
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