JP5320143B2 - 舵取機、その制御方法及び舵取機を備えた船舶 - Google Patents

舵取機、その制御方法及び舵取機を備えた船舶 Download PDF

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本発明は、舵取機、その制御方法及び舵取機を備えた船舶に関し、特に、油圧ポンプと方向切替弁とを有する舵取機の油圧回路に関するものである。
一般に、船舶は、舵取機を操作して舵の方向を変えることによって、その針路方向を変える。大型の船舶の場合には、この舵に働く外力が大きくなる。そのため、その舵を作動させる作動流体として、大きな駆動力を生じる油を昇圧して舵を動かす電動油圧式舵取機が備えられている。また、多くの大型船舶の船橋には、船舶が所定針路からずれた際にジャイロコンパスからの方位信号を用いて自動的に舵を操作して船舶を所定針路に戻すような操作を行う自動操舵装置が備えられている。
特許文献1には、電動機を作動することができない場合の非常用操舵手段として、2連油圧ポンプと非常用切替弁の間にリリーフ弁を備えた発明が開示されている。
特許文献2には、両方向に油を吐出することができる油圧ポンプとアクチュエータとを設けて安全性と信頼性とを確保する発明が開示されている。
特公昭60−36997号公報 特開2002−139003号公報
しかしながら、従来の電磁油圧切替弁を使用する舵取機では、通常航海中に舵を大きく回動させる必要がない場合であっても、電磁油圧切替弁内のパイロット回路内には油を常時循環させて油圧を保持する必要があった。そのために、電磁油圧切替弁内で油による圧力損失が生じ、熱が発生するという問題があった。また、舵角に応じて舵取機に供給される油量を制御することができないため、舵を大きく回動させた場合には、舵がハンチングするという問題もあった。
上記特許文献1に記載の発明では、非常手段であるため通常航海中の舵の操作には使うことができないという問題があった。
上記特許文献2に記載の発明では、油圧ポンプごとに電動機を備える必要があるため設備が複雑になりコストがかかってしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、船舶が航海中に舵角を大きく変更する必要がない場合に、舵取機の方向切替弁に生じる発熱を低減することができる舵取機、その制御方法及び舵取機を備えた船舶を提供することを目的とする。
また、本発明は、航海中に舵を大きく回動させた場合に生じる舵のハンチングを回避することができる舵取機、その制御方法及び舵取機を備えた船舶を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の舵取機、その制御方法及び舵取機を備えた船舶
は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の舵取機は、油を昇圧する油圧ポンプと、該油圧ポンプによって昇圧された油を供給する主回路と、弁体と該弁体を作動させる油が前記主回路から供給されるパイロット回路とを有する3方向切替弁と、該3方向切替弁から供給される油によって舵角が変更される舵と、を備えた舵取機において、前記油圧ポンプと前記主回路との間には、油量切替手段が設けられ、該油量切替手段は、前記主回路から供給される油の流量を前記3方向切替弁の位置に応じて切替えることを特徴とする。
油量切替手段は、3方向切替弁の位置に応じて油の流量を切替えるので、パイロット回路に流れる油の流量を変えることができる。
さらに、本発明の舵取機によれば、前記油量切替手段は、前記3方向切替弁が中立の位置の場合には前記パイロット回路に供給される油の流量を減じることを特徴とする。
油量切替手段は、パイロット回路に供給される油の流量を減らすので、パイロット回路内に生じる圧力損失を減じる。従って、油の圧力損失によって生じる熱を減少させることができる。
さらに、本発明の舵取機によれば、前記油量切替手段は、舵角の偏差が所定角度以下の場合には前記3方向切替弁から前記舵に供給される油の流量を減少させ、所定角度以上の場合には前記3方向切替弁から前記舵に供給される油の流量を増加させることを特徴とする。
舵取機は、所定角度に応じて3方向切替弁から舵に供給される油の流量を制御することができる。例えば、舵角の偏差が所定角度以上の場合には3方向切替弁から舵に供給される油の流量を増やし、所定角度未満の場合には3方向切替弁から舵に供給される油の流量を減らすことができる。また、所定角度が0°の場合には3方向切替弁から舵に油は供給されない。
さらに、前記油量切替手段は、前記油圧ポンプによって昇圧された油を供給する同軸上にある2つの吐出口と各々並列に接続される第1回路と第2回路とを有し、前記第2回路に接続されて油の吐出方向を切替える2方向切替弁とを有し、前記第1回路に供給される油と前記2方向切替弁によって吐出される油とが合流して主回路に供給されることを特徴とする。
油量切替手段は、同軸によって昇圧される油圧ポンプの各吐出口に並列に接続されている各回路を有するので、油圧ポンプの台数を変更することなく主回路に供給される油の流量を制御することができる。従って、追加の油圧ポンプやその駆動装置といった装置の設置費用やメンテナンスを削減させることができる。例えば、駆動手段として電動機を使用する場合には、1台の電動機によって主回路に供給される油の流量を制御することができるので、消費電力を削減することができる。
また、本発明の舵取機の制御方法は、油を昇圧する油圧ポンプと、該油圧ポンプによって昇圧された油を供給する主回路と、弁体と該弁体を作動させる油が前記主回路から供給されるパイロット回路を有する3方向切替弁と、該3方向切替弁から供給される油によって舵角が変更される舵と、を備えた舵取機の制御方法において、前記油圧ポンプと前記主回路との間には、油量切替手段が設けられ、該油量切替手段は、前記主回路から供給される油の流量を前記3方向切替弁の位置に応じて切替えることを特徴する。
舵取機の制御方法は、3方向切替弁に供給される油の流量を制御することによって舵角を変更させるので、舵の回動速度を制御することができる。従って、舵角を変更した直後の3方向切替弁に供給される油量を減らして舵の回動速度を遅くすることによって、舵の慣性力を小さくしてハンチングを防止することができる。
ここで、「ハンチング」とは、舵角を変更することにより舵の慣性力によって舵取機に与えられた舵角よりも実際の舵角が超えた場合に、舵取機が与えられた舵角まで舵を戻すように制御されるが、舵の慣性力によって反対側でも同様な制御がされて、これを繰り返すことをいう。
さらに、本発明の船舶は、上記のいずれかに記載の舵取機と、該舵取機に接続される舵と、該舵に対する指令舵角の信号及び実舵角の信号を受信する操縦装置と、を備える船舶において、前記操縦装置を用いて前記舵取機によって前記舵の方向を変えることを特徴とする。
船舶は、操縦装置が受信する指令舵角と実舵角との信号を用いて舵取機の方向切替弁を切替えることによって油圧シリンダの操作をし、舵の方向を変える。従って、船舶の針路を変えることができる。
本発明によれば、油圧ポンプと方向切替弁の間に油量切替手段を設けて、方向切替弁の位置に応じて主回路に流れる油の流量を変えるので、方向切替弁が中立の位置に切り替えられた場合には、主回路から取り出した油が供給されるパイロット回路に流れる油量が減少する。従って、パイロット回路内で生じる圧力損失が減り、発熱を低減させることができる。
また、油量切替手段を設けることによって、油の流量を制御して舵の回動速度を制御することとしたので、舵角を変更した直後には舵の回動速度を遅くすることができる。従って、舵の慣性力が小さくなり、舵角を変更した直後に生じるハンチングを防止することができる。
本発明の一実施形態にかかる舵取機の配置位置が示された船舶の縦断面図である。 本発明の一実施形態における舵取機の油圧回路を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態における舵取機の操作信号回路を示す概略構成図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本実施形態にかかる舵取機が設けられた船舶の縦断面図が示されている。
同図において、右側が船首であり左側が船尾である。舵1は、船尾に備えられる。舵取機2は船尾の船底付近の船内に設置される。舵1の操舵装置3としては、自動操舵装置が用いられる。操舵装置3は、船舶の上甲板上の高所に設けられた船橋とよばれる場所に設置される。
図2には、本実施形態における舵取機の油圧回路を示す概略構成図が示されている。
舵取機2は、2つの油圧シリンダ5a,5bと、2つの油圧ユニット6a,6bと、1つのラム7とから構成される1ラム2シリンダ形である。
ここで、第1及び第2の2つの油圧ユニット6a、6bは各々同じ構成、回路を有している。そこで、本実施形態では、第2油圧ユニット6bの構成、回路の説明は省略し、第1油圧ユニット6aの構成及び回路と、第1油圧ユニット6aから第1及び第2の油圧シリンダ5a、5bを経由してラム7までの油圧回路とについて説明する。従って、第2油圧ユニット6b中の第1油圧ユニット6aと同一の構成、回路については、付されている同一符号中のaをbに変更するものとし、その説明を省略する。
舵(図示せず)は、舵板(図示せず)に接続されているストック8を回動することによってその方向を変える。舵取機2は、ラム7を介して舵柄9に接続されているストック8を動かす。ラム7は、両油圧シリンダ5a,5b内を往復摺動し直線運動を回転運動に変えて舵柄9を動かす。この各油圧シリンダ5a,5b内には、油圧ポンプ10a,11aによって昇圧された油が流入または流出し、それによってラム7が往復摺動される。なお、油圧シリンダ5aに設置されている2つの止弁51a,52a又は油圧シリンダ5bに設置されている2つの止弁51b,52bとは、通常は「開」状態となっているが、電動機12aの故障時等には止弁51a,51b,52a,52bを「閉」状態にして舵取機2が操作される。
油圧ユニット6aには、油タンク13aと、油を昇圧する油圧ポンプ10a,11aと、電動機12aと、油圧ポンプ10a,11aとによって昇圧された油を供給する主回路14aと、パイロット回路を有する3方向切替弁15aと、油圧ユニット6a内の油圧回路の過圧を防止するための安全弁16aと、舵1の方向と外力の方向が一致したとき外力によって舵1に大きな力が働かないようにする絞り弁17aと、フィルタ18aとが備えられている。油タンク13aと3方向切替弁15aとの間には、次に示すように主回路14aを含んだ供給回路と戻り回路とが形成されている。
供給回路には、油圧ポンプ10a,11aと主回路14aとの間に油量切替手段20aが設けられている。油量切替手段20aは、油圧ポンプ10a,11aによって昇圧された油を供給する第1回路21aと第2回路22aとを有している。第1回路21aと第2回路22aとは、それぞれ油圧ポンプの10a,11aが平行に接続されている。第2回路22aには、油の吐出方向を切替える2方向切替弁23aが接続されている。2方向切替弁23aの下流側は、第1回路21aに合流され主回路14aに接続されている。主回路14aは、油量切替手段20aの下流側と3方向切替弁15aとの間に接続されている。
戻り回路には、3方向切替弁15aに接続された絞り弁17aと、その絞り弁17aを介した油が導かれるフィルタ18aが設けられている。ファイルタ18aを通過した油は、油タンク13aに戻される。
3方向切替弁15aと2つの油圧シリンダ5a,5bとの間は、耐圧ゴムホースまたは配管によって接続されている。3方向切替弁15aの下流側の一部は、安全弁16aに接続されている。
第1油圧シリンダ5aの1つの止弁51aは、第1油圧ユニット6a内の3方向切替弁15aのポート(A)と接続され、第1油圧シリンダ5aのもう1つの止弁52aは、第2油圧ユニット5b内の3方向切替弁15bのポート(A)と接続されている。また、第2油圧シリンダ5bの1つの止弁51bは、第1油圧ユニット6a内の3方向切替弁15aのポート(B)と接続され第2油圧シリンダ5bのもう1つの止弁52bは、第2油圧ユニット6b内の3方向切替弁15bのポート(B)と接続されている。
油圧タンク13aには、舵取機2を操作する油が蓄えられている。油圧ポンプ10a,11aには、同軸上に接続された2連のベーンポンプが用いられている。電動機12aは、この2連ポンプ10a,11aに接続されている軸を駆動することによって油を昇圧する。
3方向切替弁15aには、ソレノイドブロック(図示せず)とパイロット切替弁(図示せず)とを有する3方向電磁油圧切替弁が用いられる。
ソレノイドブロックは、巻線(図示せず)とプランジャ(図示せず)とを備えており、パイロット用の油の吸入ポート(C)と吐出ポート(D)とが設けられている。
パイロット切替弁は、吸入ポート(E)と吐出ポート(F)と、状況に応じて吸入または吐出になる2つのポート(A)及び(B)と、スプール弁(図示せず)と呼ばれる弁体、パイロット回路(図示せず)とを有する。このスプール弁は、円筒形の滑り面となる内側で接して軸方向に移動する。そのスプール弁に接している円筒形の滑り面には、各ポート(A)と(B)と(E)と(F)とが開口しており、スプール弁の位置によって流路の切替えを行うことができる。
3方向切替弁15aは、外部からソレノイドブロックに与えられた信号に応じてソレノイドの磁力を用いてプランジャを作動させる。プランジャは、パイロット回路内の油を介してスプール弁を動かす。3方向切替弁15aのパイロット切替弁内には、主回路14aの油がポート(E)から供給されてパイロット切換弁内を経由して吐出ポート(F)から戻り回路に導かれる。このように、パイロット回路内には常に油が循環する。
また、3方向切替弁15aの下流側では、パイロット切替弁内のスプール弁の位置が状態(V)の場合には、油がポート(A)から吐出されて油圧シリンダ5aに導かれ、油圧シリンダ5bから吐出される油が3方向切替弁15aのポート(B)に吸入される。パイロット切替弁内のスプール弁の位置が状態(X)の場合には、油は3方向切替弁15aのポート(B)から吐出されて油圧シリンダ5bに流入し、油圧シリンダ5aから吐出された油は、方向切替弁15aのポート(A)から吸入される。なお、3方向切替弁15aの下流側のポートから3方向切替弁15a内に吸入された油は、3方向切替弁15a内を通過して、ポート(F)から戻り回路を経て、油タンク13aに戻される。また、スプール弁が中立位置である状態(W)の場合には、ポート(A)及び(B)のいずれかからも油は3方向切替弁15aの下流側に吐出も吸入もされず、油は、ポート(F)から戻り回路に戻される。
2方向切替弁23aには、切替弁(図示せず)とソレノイドブロック(図示せず)とを有する2方向電磁油圧切替弁が用いられる。2方向切替弁23aは、スプール弁(図示せず)と、スプリング24aと、1つの吸入ポート(P)と、2つの吐出ポート(Q)及び(R)とを備える。
2方向切替弁23a内の動きは、パイロット回路内の油圧を用いず直接プランジャによって切替弁内のスプール弁を動かす点を除いて3方向切替弁15a内の動きと同様である。2方向切替弁23a内のスプールは状態(Z)の場合には、2方向切替弁23aに外部からの信号が与えられない限りスプリング24aよって吐出ポート(Q)を開口する位置となっている。そのため、2方向切替弁23a内に導かれた油は、ポート(Q)から油タンク13aに戻される。また、2方向切替弁23aに外部からの信号に応じてソレノイドに磁力が生じて(Y)の状態となった場合には、吐出ポート(R)が開口する。吐出ポート(R)から吐出された油は、第1回路21aと合流して油量切替手段20aから主回路14aに導かれる。
ここで、舵1の方向を右舷側に作動させる油の回路について説明する。
油は、油タンク13aから油圧ポンプ10a、11aによって昇圧されて、上記に説明したように3方向切替弁15aのパイロット回路に導かれる。外部からの信号によって3方向切替弁内15aのスプールが移動することによってポート(A)側が吐出ポートとなりポート(B)が吸入ポートとなる(状態V)。これにより、吸入ポート(E)から3方向切替弁15a内に導かれた油は、ポート(A)から吐出される。ポート(A)は、止弁51aを介して第1油圧シリンダ5a内に送られる。これにより、第1油圧シリンダ5a内には、昇圧された油が充満する。充満した油は、ラム7を第2油圧シリンダ側5bに摺動させる。これによって、第2油圧シリンダ5b内を満たしていた油が止弁51b,52bを介して吐出される。第2油圧シリンダ5bから3方向切替弁15aの吸入ポート(B)側に送られた油は、3方向切替弁15a内を経由して戻り回路に導かれる。
この時、油圧シリンダ5a,5b内を摺動するラム7の直線運動は、舵柄9に接続されたストック8を回動する運動に変換される。これによって、舵1は右舷側に動かされ、船舶の針路が変わる。同様に、舵1を左舷側に動かすには、外部からの信号に応じて3方向切替弁15a下流側の吐出ポートをポート(B)に、吸入ポートをポート(A)に切替えることによって行われる(状態X)。
次に、外部信号の内容に応じて、舵1の変更速度を変える方法について説明する。3方向切替弁15aと2方向切替弁23aとには、指令舵角と実舵角の偏差と指令舵角の方向との外部信号が与えられる。ここでは、指令舵角の方向を右舷側として説明する。
指令舵角と実舵角の偏差が所定角度以上(例えば、5°以上)の場合には、2方向切替弁23aは、与えられる偏差の信号によって吐出ポート(R)に切替えられ(状態Y)主回路14aには第1回路21aと第2回路22aとの合計油量が導かれる。また、3方向切替弁15aは、指令舵角の方向に応じてスプール弁が動かされる。それ以後の動きは上記と同様である。
指令舵角と実舵角の偏差が0°以上かつ所定角度未満(例えば0°以上5°未満)の場合には、2方向切替弁23aは、吐出ポートを(Q)に開口したままとなる(状態Z)。第2回路22aに供給された油は、油タンク13aに戻される。そのため3方向切替弁15aには、第1回路21aの油量だけが供給される。また、3方向切替弁内15aのスプール弁は、指令舵角の方向に応じて動かされる。それ以後の動きは上記と同様である。
指令舵角と実舵角が一致している場合(偏差が0°の場合には)には、2方向切替弁23aは、吐出ポート(Q)が開口したままとなる(状態Z)。それ以後の第2回路22aの油の動きは、偏差が所定角度未満の場合と同様である。3方向切替弁15aには、第1回路21aの油量だけが供給される。3方向切替弁内15aのスプール弁は、指令舵角の方向に応じて中立位置に動かされる(状態W)。従って、3方向切替弁15aに導かれた油の全流量は、吐出ポート(F)から戻り回路に戻され、ポート(A)及び(B)のいずれかからも油は吐出されない。従って、第1及び第2の油圧シリンダ5a,5b内に油が流入も流出もしないため、ラム7が動かされることがない。よって、舵柄9に回転力が生じないため、舵1は動かない。
舵の制御方法としては、これらの偏差信号を用いて3方向切替弁15aに供給される油の流量を制御させて舵1の回動速度を制御することができる。そこで、舵角を変更した直後及び指令舵角に到達する直前には3方向切替弁15aに供給される油量を減らして舵1の回動速度を遅くし、所定角度以上の場合には、主回路14aに供給される油の流量を第1回路21aと第2回路22aとの合計流量とするように2方向切替弁23aを切替えて舵1の回動速度を早くするように、操舵装置3で信号を制御する。そのため、従来は舵1の舵角を大きく変更する際に生じていた舵1の慣性力を小さくすることができ、ハンチングを防止することができる。
ここで、「ハンチング」とは、舵角を変更することにより舵1の慣性力によって舵取機2に与えられた舵角よりも実際の舵角が超えた場合に、舵取機2が与えられた舵角まで舵1を戻すように制御され、舵1の慣性力によって反対側でも同様な制御がされて、これを繰り返すことをいう。
次に、図3を用いて、本実施形態における舵取機の操作信号回路について説明する。
なお、図3には、2つの油圧ユニット6a,6bのうち第1油圧ユニット6aだけが示されているが、第2油圧ユニット6bに与えられる操作信号の回路は、第1油圧ユニット6aと同様である。
船橋に備えられた操舵スタンド50内に装備された操舵装置3としては、自動操舵装置が用いられる。操舵装置3には、舵柄9からの実舵角の信号がフィードバック信号として送信される。操舵装置3は、発信機(図示せず)と受信機(図示せず)と演算装置(図示せず)とを有している。演算装置は、舶の操船者が操船スタンド上50の舵輪51を操作することによって操舵装置3に与える指令舵角と操舵装置3にフィードバックされた実舵角の信号との舵角の偏差を演算する。操舵装置3は、指令舵角の方向と偏差の信号とを船内に据付けられた舵取機2に送信する。
舵取機2では、舵取機2に備えられている3方向切替弁15aと油量切替手段20a内の2方向切替弁23aとが操舵装置3からの信号を受信する。
3方向切替弁15aが受信した信号のうち指令舵角の信号によって、3方向切替弁15aは、3方向切替弁15a内を流れる油の吐出方向を切替える。3方向切替弁15aの下流側は、油圧シリンダ5a,5bに接続されている。油圧シリンダ5a,5bに流入又は流出する油によって、舵1の角度が変更される。
2方向切替弁23aは、受信した舵角の偏差の信号に応じて2方向切替弁23aを切替える。2方向切替弁23aの切替えによって、油は、油タンク13aから油圧ポンプ10a,11aによって昇圧され油量切替手段20aに導かれ、第1回路21aと第2回路22aとを経由して主回路14aに合流され、または、第1回路21aの油の流量だけが主回路14aに導かれて第2回路22aの油の流量は油タンク13aに戻される。
なお、操舵装置3の信号に係らず、主回路14aに導かれた油の一部は、3方向切替弁15a内のパイロット回路に導かれる。
以上の通り、本実施形態の操舵機によれば、以下の効果を奏する。
油量制御手段20aは、同軸によって駆動される油圧ポンプ10a,11aに平行に接続されている第1回路21a及び第2回路22aと2方向切替弁23aとを用いて主回路14aに供給される油の流量を変える。そのため、3方向切替弁15aの位置が中立の場合には(状態W)、半分の流量の油が主回路14aに供給されるので、主回路14aから取り出してパイロット回路内に供給される油の流量も減じることができる。従って、パイロット回路内で生じる圧力損失を減じ、油の圧力損失によって発生する熱を減少させることができる。
さらに、舵取機2は、所定角度に応じて3方向切替弁15aから舵1に供給する油の流量を制御することができる。例えば、所定角度が5°以上の場合には3方向切替弁15aから舵1に供給される油の流量を増やし、所定角度が0°以上5°未満の場合には3方向切替弁15aから舵1に供給される油の流量を減らす。従って、所定角度が小さい場合には、主回路14aに流れる油量を半分して舵1を操作し、所定角度が大きい場合には、油量制御手段20a内の2方向切替弁23aを切替えることによって第1回路21aと第2回路22aとを流れる油の合計油量を主回路14aに導いて舵1を操作することができる。
さらに、油量切替手段20aは、同軸によって昇圧される油圧ポンプ10a,11aの各吐出口に並列に接続されている各回路21a,22aを有しているので、油圧ポンプ10a,11aの台数を変更することなく主回路14aに供給される油の流量を制御することができる。従って、追加の油圧ポンプやその駆動装置といった装置の設置費用やメンテナンスを削減させることができる。例えば、本実施形態のように駆動手段として電動機12aを使用する場合には、1台の電動機12aによって主回路14aに供給される油の流量を制御することができるので、消費電力を削減することができる。
また、舵取機2の制御方法は、3方向切替弁15aに供給される油の流量を制御して舵1の回動速度を制御する。従って、舵角を変更した直後及び舵1が指令角度に到達して回動を停止する直前には、3方向切替弁15aに供給される油量を減らして舵1の回動速度を遅くすることによって舵1の慣性力を小さくし、舵1がハンチングすることを防止できる。
なお、本実施形態では、油圧ポンプの10a,11aを駆動するために電動機12aを用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく同軸上に備えられた油圧ポンプ10a,11aを駆動して油を昇圧するものであればよく、例えばディーゼル機関としても良い。
さらに、本実施形態では、操縦装置3に自動操舵装置を用いて説明したが、操舵装置3内に実舵角と指令舵角とを演算する演算装置と発信機と発信機とを備える操舵装置3としても良い。
1 舵
2 舵取機
10a,10b,11a,11b 油圧ポンプ
14a,14b 主回路
15a,15b 3方向切替弁
20a,20b 油量切替手段

Claims (7)

  1. 油を昇圧する油圧ポンプと、
    該油圧ポンプによって昇圧された油を供給する主回路と、
    弁体と該弁体を作動させる油が前記主回路から供給されるパイロット回路とを有する3方向切替弁と、
    該3方向切替弁から供給される油によって舵角が変更される舵と、
    を備えた舵取機において、
    前記油圧ポンプと前記主回路との間には、油量切替手段が設けられ、
    該油量切替手段は、前記主回路から前記パイロット回路に供給される油の流量を前記3方向切替弁の位置に応じて切替え
    前記油量切替手段は、前記3方向切替弁が中立の位置の場合には前記パイロット回路に供給される油の流量を減じることを特徴とする舵取機
  2. 油を昇圧する油圧ポンプと、
    該油圧ポンプによって昇圧された油を供給する主回路と、
    弁体と該弁体を作動させる油が前記主回路から供給されるパイロット回路とを有する3方向切替弁と、
    該3方向切替弁から供給される油によって舵角が変更される舵と、
    を備えた舵取機において、
    前記油圧ポンプと前記主回路との間には、油量切替手段が設けられ、
    該油量切替手段は、前記主回路から前記パイロット回路に供給される油の流量を前記3方向切替弁の位置に応じて切替え、
    前記油量切替手段は、舵角の偏差が所定角度以下の場合には前記3方向切替弁から前記舵に供給され、前記舵を作動させる油の流量を減少させ、所定角度以上の場合には前記3方向切替弁から前記舵に供給され、前記舵を作動させる油の流量を増加させることを特徴とする舵取機。
  3. 油を昇圧する油圧ポンプと、
    該油圧ポンプによって昇圧された油を供給する主回路と、
    弁体と該弁体を作動させる油が前記主回路から供給されるパイロット回路とを有する3方向切替弁と、
    該3方向切替弁から供給される油によって舵角が変更される舵と、
    を備えた舵取機において、
    前記油圧ポンプと前記主回路との間には、油量切替手段が設けられ、
    該油量切替手段は、前記主回路から前記パイロット回路に供給される油の流量を前記3方向切替弁の位置に応じて切替え、
    前記油量切替手段は、前記油圧ポンプによって昇圧された油を供給する同軸上にある2つの吐出口と各々平行に接続される第1回路と第2回路とを有し、前記第2回路に接続されて油の吐出方向を切替える2方向切替弁とを有し、前記第1回路に供給される油と前記2方向切替弁によって吐出される油とが合流して主回路に供給されることを特徴とする舵取機。
  4. 油を昇圧する油圧ポンプと、
    該油圧ポンプによって昇圧された油を供給する主回路と、
    弁体と該弁体を作動させる油が前記主回路から供給されるパイロット回路を有する3方向切替弁と、
    該3方向切替弁から供給される油によって舵角が変更される舵と、
    を備えた舵取機の制御方法において、
    前記油圧ポンプと前記主回路との間には、油量切替手段が設けられ、
    該油量切替手段は、前記主回路から供給される油の吐出方向を前記3方向切替弁の位置に応じて切替え
    前記油量切替手段は、前記3方向切替弁が中立の位置の場合には前記パイロット回路に供給される油の流量を減じることを特徴とする舵取機の制御方法。
  5. 油を昇圧する油圧ポンプと、
    該油圧ポンプによって昇圧された油を供給する主回路と、
    弁体と該弁体を作動させる油が前記主回路から供給されるパイロット回路を有する3方向切替弁と、
    該3方向切替弁から供給される油によって舵角が変更される舵と、
    を備えた舵取機の制御方法において、
    前記油圧ポンプと前記主回路との間には、油量切替手段が設けられ、
    該油量切替手段は、前記主回路から供給される油の吐出方向を前記3方向切替弁の位置に応じて切替え、
    前記油量切替手段は、舵角の偏差が所定角度以下の場合には前記3方向切替弁から前記舵に供給される油の流量を減少させ、所定角度以上の場合には前記3方向切替弁から前記舵に供給される油の流量を増加させることを特徴とする舵取機の制御方法。
  6. 油を昇圧する油圧ポンプと、
    該油圧ポンプによって昇圧された油を供給する主回路と、
    弁体と該弁体を作動させる油が前記主回路から供給されるパイロット回路を有する3方向切替弁と、
    該3方向切替弁から供給される油によって舵角が変更される舵と、
    を備えた舵取機の制御方法において、
    前記油圧ポンプと前記主回路との間には、油量切替手段が設けられ、
    該油量切替手段は、前記主回路から供給される油の吐出方向を前記3方向切替弁の位置に応じて切替え、
    前記油量切替手段は、前記油圧ポンプによって昇圧された油を供給する同軸上にある2つの吐出口と各々平行に接続される第1回路と第2回路とを有し、前記第2回路に接続されて油の吐出方向を切替える2方向切替弁とを有し、前記第1回路に供給される油と前記2方向切替弁によって吐出される油とが合流して主回路に供給されることを特徴とする舵取機の制御方法。
  7. 前記請求項1から請求項のいずれかに記載の舵取機と、
    該舵取機に接続される舵と、
    該舵に対する指令舵角の信号及び実舵角の信号と受信する操縦装置と、
    を備える船舶において、
    前記操縦装置を用いて前記舵取機によって前記舵の方向を変えることを特徴とする船舶。
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