JP5320042B2 - 光変調器 - Google Patents
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近年の40Gbit/sでは、z−カット基板を使用するタイプとx−カット基板(あるいはy−カット基板)を用いるDQPSKやDPSKなどの位相変調方式が使用されつつある。
図10には第2の従来技術のπ/2シフト部についての電極を示す。8aと8bが各々π/2シフト部の中心導体と接地導体である。この図からわかるように、この第2の従来技術においても、π/2シフト部の中心導体(あるいは、バイアス電圧用の中心導体)8aと接地導体(あるいは、バイアス電圧用の接地導体)8bはチャイルドマッハツェンダ光導波路の直後に形成された長さが約10mmと比較的短い平行光導波路3r、3sに形成されている。第1の従来技術と比較して、この第2の従来技術ではπ/2シフトに必要な電圧が低減できてはいるものの、それでも23V程度と高く、やはり実際の光通信システムにおいて使用するには長期信頼性における問題があった。
図1に本発明における第1の実施形態の上面図を示す。図中、20が本実施形態による新しいπ/2シフト部であり、15aはπ/2シフト部の中心導体、15bはπ/2シフト部の接地導体である。つまり、中心導体15aと接地導体15bはバイアス電圧用の電極である。この図からわかるように、この第1の実施形態ではπ/2シフト部として、従来技術において用いられてきたチャイルドマッハツェンダ光導波路の直後にある平行光導波路3rと3sのみでなく、ペアレントマッハツェンダ光導波路のY分岐アーム3tと3u、チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アーム3n、3o、3p、3qも使用されている。さらに、図1からはわかりにくいが、図2で説明するようにY分岐アーム3nと3oの根元のY分岐部(図2の9a)も使用している。
L2=20μm/tanθ≒1.2mm (2)
L4=G2/tanθ≒17.2mm (3)
π/2シフト部として従来技術において使用されてきたチャイルドマッハツェンダ光導波路の直後にある平行光導波路3rと3sの長さL3の長さは10mmであったが、本発明を使用することにより、π/2シフト部をさらにL1+L2+L4≒27mmも長くでき、π/2シフト部全体としての長さLとして37mmを確保できることになる。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図4は本実施形態に適用する電極を除く構造の上面図である。本実施形態ではチャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アーム3pと3q、チャイルドマッハツェンダ光導波路の直後にある平行光導波路3s、ペアレントマッハツェンダ光導波路におけるY分岐アーム3uを含む領域10の分極を反転している。
図6に本発明の第3の実施形態についてその上面図を示す。ここで16aはπ/2シフト部における中心導体、16bはπ/2シフト部における接地導体である。つまり、中心導体16aと接地導体16bはバイアス電圧用の電極である。
図7に本発明の第4の実施形態についてその上面図を示す。本実施形態では、ペアレントマッハツェンダ光導波路におけるY分岐アーム3c、チャイルドマッハツェンダ光導波路の直前にある平行光導波路3e、チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アーム3hと3iを含む領域10aの分極を反転している。ここで17aはπ/2シフト部における中心導体、17bはπ/2シフト部における接地導体である。つまり、中心導体17aと接地導体17bはバイアス電圧用の電極である。この構造を採用することにより、π/2シフトに必要なバイアス電圧は本発明における第2の実施形態の半分で済む。なお、本実施形態では入力側と出力側の中心導体と接地導体が各々接続されているので、π/2シフトに必要なバイアス電源は一つで済む。
以上においては、DQPSKを例にとり説明したが、チャイルドマッハツェンダ光導波路が2個よりも多い構造についても適用できるし、π/2シフトではなく、mとnを整数としてmπ/nシフトのようにチャイルドマッハツェンダ光導波路同士間の光の位相を与える全ての光変調器に適用できる。また、Y分岐アームにバイアス電圧を印加するという本発明の考え方はDPSKのようにMZが1個の場合にも適用可能である。
3a:入力光導波路
3b、3c:ペアレントマッハツェンダ光導波路のY分岐アーム
3d、3e:チャイルドマッハツェンダ光導波路の直前にある平行光導波路
3f、3g、3h、3i:チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アーム
3j、3k、3l、3m:相互作用光導波路
3n、3o、3p、3q:チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アーム
3r、3s:チャイルドマッハツェンダ光導波路の直後にある平行光導波路
3t、3u:ペアレントマッハツェンダ光導波路のY分岐アーム
3v:出力光導波路
4a、4b、4c、4d:高周波電気信号用進行波電極の中心導体
5a、5b、5c、5d、5e:高周波電気信号用進行波電極の接地導体
6、20:π/2シフト部
7a、8a、11a、15a、16a、17a:バイアス電圧用の中心導体
7b、8b、11b、15b、16b、17b:バイアス電圧用の接地導体
9a:分岐部
10、10a:分極反転領域
Claims (7)
- 電気光学効果を有するz−カット基板と、該z−カット基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記z−カット基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用の中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記光にバイアス電圧を印加するためのバイアス電圧用の中心導体及び接地導体からなるバイアス電極とを有し、
前記光導波路には前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調するための高周波電気信号用相互作用部と、前記バイアス電極にバイアス電圧を印加することにより前記光の位相を調整するためのバイアス用相互作用部とを具備しており、
前記光導波路は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路をそれぞれ有するネスト型光導波路でなる光変調器において、
前記バイアス電極は、前記チャイルドマッハツェンダ光導波路の分岐部を含まず、前記チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームと前記ペアレントマッハツェンダ光導波路の前記分岐光導波路に沿って設けられ、当該バイアス電極の少なくとも一部は当該チャイルドマッハツェンダ光導波路の分岐部を除く当該チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームと当該ペアレントマッハツェンダ光導波路の当該分岐光導波路の直上に設けられており、これにより、当該バイアス電極は、当該チャイルドマッハツェンダ光導波路の分岐部を除く当該チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームと、当該ペアレントマッハツェンダ光導波路の当該分岐光導波路とにバイアス電圧を印加するようになっていることを特徴とする光変調器。 - 電気光学効果を有するz−カット基板と、該z−カット基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記z−カット基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用の中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記光にバイアス電圧を印加するためのバイアス電圧用の中心導体及び接地導体からなるバイアス電極とを有し、
前記光導波路には前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調するための高周波電気信号用相互作用部と、前記バイアス電極にバイアス電圧を印加することにより前記光の位相を調整するためのバイアス用相互作用部とを具備しており、
前記光導波路は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路をそれぞれ有するネスト型光導波路でなる光変調器において、
前記バイアス電極は、前記ペアレントマッハツェンダ光導波路の前記分岐光導波路の一部から前記チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームまでの連続した光導波路に沿って設けられ、当該バイアス電極の少なくとも一部は当該ペアレントマッハツェンダ光導波路の当該分岐光導波路の一部から当該チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームまでの連続した光導波路の直上に設けられており、これにより、当該バイアス電極は、当該ペアレントマッハツェンダ光導波路の当該分岐光導波路の一部から当該チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームまでの連続した光導波路にバイアス電圧を印加するようになっていることを特徴とする光変調器。 - 電気光学効果を有するz−カット基板と、該z−カット基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記z−カット基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用の中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記光にバイアス電圧を印加するためのバイアス電圧用の中心導体及び接地導体からなるバイアス電極とを有し、
前記光導波路には前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調するための高周波電気信号用相互作用部と、前記バイアス電極にバイアス電圧を印加することにより前記光の位相を調整するためのバイアス用相互作用部とを具備しており、
前記光導波路は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路をそれぞれ有するネスト型光導波路でなる光変調器において、
前記バイアス電極は、前記ペアレントマッハツェンダ光導波路の前記分岐光導波路から前記チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームまでの連続した光導波路に沿って設けられ、当該バイアス電極の少なくとも一部は当該ペアレントマッハツェンダ光導波路の当該分岐光導波路から当該チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームまでの連続した光導波路の直上に設けられており、これにより、当該バイアス電極は、当該ペアレントマッハツェンダ光導波路の当該分岐光導波路から当該チャイルドマッハツェンダ光導波路のY分岐アームまでの連続した光導波路にバイアス電圧を印加するようになっていることを特徴とする光変調器。 - 前記バイアス電極は、前記高周波電気信号用相互作用部よりも出力側の光導波路にバイアス電圧を印加するよう形成されていることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の光変調器。
- 前記バイアス電極は、前記高周波電気信号用相互作用部よりも入力側の光導波路にバイアス電圧を印加するよう形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の光変調器。
- 前記ペアレントマッハツェンダ光導波路の前記分岐光導波路のうちの一方の側における、前記ペアレントマッハツェンダ光導波路の前記分岐光導波路から前記チャイルドマッハツェンダ光導波路の前記Y分岐アームにわたる領域の少なくとも一部の下方に、分極反転領域が形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の光変調器。
- 前記バイアス電極は、少なくとも2つのマッハツェンダ型光導波路を伝搬した光の位相を互いにmπ/n(mとnは整数)異ならしめることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の光変調器。
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