JP5319355B2 - 手探傷用超音波探傷器 - Google Patents

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Description

本発明は、手作業により被探傷部位を超音波で探傷する手探傷用超音波探傷器に関する。
被検査体の被探傷部位、例えばスポット溶接した車体部材の部位を探傷する場合、作業者の手作業により行なうことがある。多くは、超音波探傷器を用いて探傷することが行なわれる。
こうした手探傷で用いられる超音波探傷器は、ケース内に、超音波探傷子、同超音波探傷子を移動させる移動機構を設ける構造が用いられる(例えば特許文献1を参照)。つまり、手探傷用超音波探傷器は、作業者によりケースを把持して、超音波が出入射する部位を、探傷する被探傷部位の表面に対し密接させた後、同探傷器を作動させて、超音波探傷子の移動で、同超音波探傷子からの超音波を、位置決めた被探傷部位に対して走査することにより、被探傷部位から戻る超音波(エコー)から、被探傷部位に傷が有るか否かを判別する。
こうした手探傷用の超音波探傷器には、多くの性能が求められる。具体的には、高い探傷精度が確保されるよう、できるだけ被探傷部位に対して一定の探傷条件(探傷子の押し付け力、探傷ピッチ、接触媒質の量など)で超音波が走査されること、さらには超音波探傷器を容易に探傷すべき被探傷部位の表面に位置決められるよう、コンパクトで、さらには作業者が作業しやすい把持しやすいといった取り扱いやすい構造であることが求められる。
特開平10−5217号公報
ところが、手探傷用超音波探傷器は、ケース内に各種機器を収め、同ケースそのものを作業者が把持部として用いる構造を採用するために、制約が課されやすい。このため、一定の速度で超音波を走査させたり、コンパクトにしたり、把持しやすくしたりするという全てを成立させるのは難しい。例えば特許文献1は、筒形のケース内に超音波探傷子を軸方向に移動可能に収め、同左右方向に振りながらケースの軸方向に移動させることにより走査させているが、同構造だと、超音波は左右にジグザグに変位しながら走査されるために、途中で探傷条件が変わり、高い精度での探傷が期待できない。しかも、同超音波探傷器は、ケース側部が超音波の出入射部となるため、面倒な横向きでの位置決めが強いられる。また同位置決めの問題を解消する構造を採用せざるを得ないために、超音波探傷器が複雑になったり、大形になったりする。そのうえ、超音波探傷子を左右に振りながら前後に移動させて走査する機構は、かなりスペースを必要とする複雑な機構が求められるので、取り扱いやすい構造にするのは難しい。
そこで、本発明の目的は、コンパクトで、被探傷部位の表面に位置決める作業がしやすく、かつ簡単な構造で、被探傷部位を一定探傷条件で走査させることができる手探傷用超音波探傷器を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、作業者が把持可能な把持部をなすとともに、内部には軸方向に沿って延びるシャフトが配設された筒形のケースと、シャフトの端部に当該シャフトの軸心から偏心して設けられ、ケースの軸方向端の前方に対して超音波を出・入射させる超音波探傷子と、シャフトと同軸に組み付いてケース内に収められ、シャフトを回転駆動させて超音波探傷子を偏心回転させるモータ部と、シャフトをケース内において軸方向と直交する直径方向に移動可能に支持する支持部と、モータ部と超音波探傷子との間に設けられ、シャフトから伝達される駆動力によりシャフトをモータ部と共にケースの軸方向と直交する直径方向に移動させる走査機構部とを具備した構造を採用した。
同構成によると、超音波探傷子は、モータ部の駆動により、シャフトの軸心の周りを回転しながら、ケースの直径方向に移動するので、超音波探傷子から発振される超音波は、常に一定の探傷条件で被探傷部位を走査する。しかも、同走査は、シャフトを回転させる構造と、シャフトをケースの直径方向に移動させる構造とを用いるだけの簡単な構造ですむ。そのうえ、モータ部、走査機構部、超音波探傷子といった機器は、シャフトにならって筒形のケースに直列に配置されるので、手探傷用超音波探傷器は、直径方向に張り出す部分を抑えたコンパクトな構造となる。加えて、ケース内全面を探傷するため、被探傷部位に対し位置決めしやすい。さらに作業者が把持するケースは、細長く延びた作業者が把持しやすい外形になるから、位置決め作業が容易な縦向きの姿勢で、被探傷部位に密着させることができ、手探傷用超音波探傷器は取扱い性のよい構造となる。
請求項2に記載の発明は、さらに超音波探傷器が把持しやすい外形となるよう、走査機構部は、シャフトをモータ部と共にケースの一直径方向に沿って移動させるものとし、筒形のケースは、当該ケースを軸方向から見たときの形状が、一直径方向については移動するモータ部を許容するだけの長さ寸法を有し、他の方向についてはモータ部と干渉しないだけの幅寸法とした長円形状とした。
請求項3に記載の発明は、さらに手探傷用超音波探傷器のコンパクト化が図れるよう、シャフトは、中空のシャフト部材から構成し、ケース内には、モータ部を挟んで超音波探傷子とは反対側に制御機器を有し、中空のシャフト部材の内部に、超音波探傷子と制御機器との間に渡る配線部材を挿通させて、配線の挿通するスペースをシャフト自身で確保する。
請求項4に記載の発明は、さらに探傷作業が容易に行なえるよう、ケースの端部は、超音波探傷子を移動可能に収め、被探傷部位の表面と接する部分を超音波が出入射する超音波出入射面部とし、内部が超音波伝播媒質で満たされたチャンバ部を有し、超音波出入射面部を被探傷部位の表面に密着させると、超音波探傷が行えるようにした。
請求項1の発明によれば、超音波探傷子は、シャフトの軸心の周りを回転しながら、ケースの直径方向に移動するので、超音波探傷子から発振される超音波は、被探傷部位を一定の探傷条件で走査する。しかも、同走査構造は、シャフトを回転させる構造と、シャフトをケースの直径方向に移動させる構造とを用いるだけの簡単な構造ですむ。そのうえ、モータ部、走査機構部、超音波探傷子といった機器は、シャフトにならって筒形のケースに直列に配置されるから、手探傷用超音波探傷器は、直径方向に張り出す部分を抑えたコンパクトな構造となる。加えて同超音波探傷器は、ケース内全面を探傷するため、同探傷器が被探傷部位に位置決めしやすくなるうえ、ケースの多くの部分は、作業者が把持しやすい、細長く延びた外形となるから、位置決め作業がしやすい縦向きの姿勢で、被探傷部位に密着させる作業を行なうことができる。
それ故、コンパクトで、被探傷部位の表面に位置決める作業がしやすいうえ、簡単な構造で、被検査体の被探傷部位が一定探傷条件で走査できるといった、探傷性、取扱い性の優れた手探傷用超音波探傷器が提供できる。
請求項2の発明によれば、さらに超音波探傷器の外形は、長円形状の断面をもつ細長の外形となるから、一層、作業者は把持しやすくなり、容易に超音波探傷の作業が行なえる。
請求項3の発明によれば、さらにシャフト自身が、超音波探傷子と制御機器との間を渡る配線部材を挿通するスペースとして利用されるから、一層、手探傷用超音波探傷器のコンパクト化を図ることができ、同超音波探傷器を把持しやすい外形にできる。
請求項4の発明によれば、超音波探傷子の周りに、超音波伝播媒質で満たされたチャンバ部が組み付けてあるので、超音波出入射面部を被探傷部位の表面に密着させるだけで、一層、容易に探傷作業を行なうことができる。特に超音波伝播媒質は、チャンバ部に収容されているから、たとえ下側から被探傷部位を探傷する場合でも、容易に探傷作業ができる。
本発明の一実施形態に係る手探傷用超音波探傷器の構造を説明する斜視図。 同手探傷用超音波探傷器で被探傷部位を探傷するときを説明する斜視図。 図1中のA−A線に沿う断面図。 図1中のB−B線に沿う断面図。 図1中のC−C線に沿う断面図。 超音波出入射面部が被探傷部位の表面に密着した状態を示す断面図。 図6中のD−D線に沿う断面図。
以下、本発明を図1ないし図7に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は本発明を適用した手探傷用超音波探傷器(以下、単に超音波探傷器という)の内部構造を概略的に示し、図2は同超音波探傷器の外観を示し、図3〜図5は同超音波探傷器の各位置での構造をそれぞれ示し、図6および図7は超音波探傷しているときの状態を示している。
同超音波探傷器は、作業者が同探傷器の外形部を把持して、被探傷部位の表面に密着させる位置決め作業を行ない、その後、超音波探傷子の走査によって被探傷部位を探傷する機器である(手探傷用)。同超音波探傷器の構造を説明すると、図1〜図4中1は上下方向に延びた筒形のケース、2は同ケース1内の下部に配置されたベースを示す。ケース1は、例えば上端部が閉塞され、下端部が開口した薄肉の筒形ケース部材から構成される。なお、ケース部材には、内部に機器が収めやすいよう、例えば径方向に分割可能な構造(例えば二分割構造)が用いてある。ベース2は、例えば平板状のベース部材から構成される。このベース2が、ケース1の下端部の開口を塞ぐように配置され、同開口の周縁部に着脱可能に固定、例えばねじ止めにより固定してある。このベース1の上部には、板状のスライド部材4が水平方向に移動可能に設けてある。例えばスライド部材4は、一対のリニアガイド5(レール部5aと同レール部5aをスライドするスライダ部5bからなる)を用いて、ケース1の直径方向、例えば一直径方向a(図1に図示)にスライド可能に組み付けてある。
ケース1内には、図1〜図4に示されるようにケース1の軸方向に沿ってシャフト7が配設されている。同シャフト7は、ケース1の軸方向に沿って延びる中空のシャフト部材から構成される。例えばシャフト7は、中空の基端側シャフト部材8と、先端に大径部9が取着された中空の先端側シャフト部材10とを、外周面にウォーム11が形成された筒形の歯車部材12を介在させて、直列に連結してなる。基端側シャフト部材8はケース1の底側に収められる。先端側シャフト部材8の大部分はケース1の開口側に収められていて、大径部9が、スライド部材4を貫通、さらにはベース2に形成された通孔2aを貫通して、ケース1端から外部へ突き出している。この突き出た大径部9の先端部には超音波探傷子としての超音波トランスジューサ14が埋め込まれている。この超音波トランスジューサ14は、シャフト7の軸心から偏心した地点に設けてある。この超音波トランスジューサ14の超音波が出・入射する超音波出入射部は、前方(ケース端の前方)に配置されていて、同超音波トランスジュース14からケース1端の前方へ超音波を発振し、戻る超音波(エコー)を受けるようにしてある。
先端側シャフト部材10は、図2〜図4に示されるようにスライド部材4の貫通部に設けた軸受16によって、スライド部材4に回転自在に支持されている。この支持によりシャフト7は、ケース1の直径方向、ここでは一直径方向aへ移動可能に支持される(本願の支持部に相当)。
シャフト7の中段をなす基端側シャフト部材8部分には、図1〜図4に示されるようにモータ部、例えば電動式モータ部20が同軸をなして組み付けられている。例えばモータ部20は、基端側シャフト部材8に、環状溝部を有するロータ21を取着し、同ロータ21の環状溝部内に筒形のステータ22を配置した構造が用いられ、その周囲がモータベース23(下側)、モータカバー24(側方)、モータヘッドカバー25(上側)で覆ってある。もちろん、モータカバー24、モータヘッドカバー25は、それぞれ軸受26を介して、シャフト部材7に回転自在に支持させてある。このモータ部20により、シャフト7が駆動されると、シャフト先端に有る超音波トランスジューサ14がシャフト軸心を中心に偏心回転される。
モータ部20と超音波トランスジューサ14間であるところのモータ部20とスライド部材4との間には、図1〜図5に示されるように同間のスペースを利用して走査機構部28が設けられている。走査機構部28には、例えばウォームギヤ機構29を用い、シャフト7の回転力を利用して、シャフト7を一直径方向aに沿って駆動する構造が用いられている。
同構造を説明すると、35はウォームギヤ機構29のギヤケースである。図3〜図5に示されるようにギヤケース35は例えば箱形状をなしている。同ギヤケース35は、モータ部20とスライド部材4間のスペースを埋めるように配置され、同ギヤケース30の上下部が、モータカバー24の下面およびスライド部材4の上面にそれぞれ固定(連結)してある。このギヤケース30内にはウォームホイール31が回転自在に組み込まれている。このウォームホイール31は、軸心をケース1の一直径方向aに向けて組み込んである。これには、図5に示されるようにウォームホイール31の軸心部両側から突き出ている中空のボス部31aを、それぞれ軸受32を介して、ギヤケース30の両側の壁部に回転自在に支持することによって、所定の姿勢(軸心が一直径方向aに向く姿勢)に配置する構造が用いてある。このウォームホイール31の外周部に形成されている歯部がシャフト7のウォーム11の外周部に形成されている歯部と噛み合っている。ウォームホイール31のボス部31の内面にはめねじ部34が形成されている。さらにボス部31には、外周面におねじ部35を有するねじシャフト36が挿通されている。このおねじ部35とめねじ部34とが進退可能に噛み合っている。ねじシャフト36は、走査範囲で規定された長さ寸法を有している。そして、ねじシャフト36の各端部は、ベース1の両側から上方へ延びる一対のアーム部38の先端部に固定(例えばナット止)されている。これにより、シャフト7の回転力がウォーム11を経てウォームホイール31に伝達されると、ウォームホイール31がねじシャフト36上を軸方向に移動する。この挙動により、ギヤケース30がリニアガイド5に沿ってベース2上を変位し、シャフト7をモータ部20と一緒に一直径方向aに沿って移動させる。つまり、超音波トランスジューサ14は、シャフト7から伝達される駆動力にて、一直径方向aに移動する構造、すなわちねじシャフト36で規定される所定の走査範囲を移動する構造にしてある。なお、ギヤケース30は、ウォームホイール31を組み付けやすくするため、例えば左右方向に分かれた二分割式の構造が用いてある。
またケース1内のうち、モータ部20を挟んだ超音波トランスジューサ14や走査機構部28とは反対側となる部位、具体的にはケース底側(上側)には、超音波探傷を行なう制御機器、例えばロータリエンコーダ39や、超音波探傷回路40aを搭載した複数の回路基板40が重なり合うように収容されている。ロータリエンコーダ39は、モータ部20の上部を構成しているモータヘッドカバー25に組み付く。また回路基板40は、いずれもモータ部20の平面形状と同じかそれより小さい外形基板をもち、各種ピン部材41を介して、モータ部20に固定させてある。つまり、ロータリエンコーダ39や路基板40といった制御機器も、シャフト7やモータ部20と共に一直径方向a、すなわち所定の走査範囲内を変位する構造にしてある。
図3および図4に示されるように超音波トランスジューサ14から延びる配線部材14aは、中空のシャフト7の内腔部に挿通される。そして、挿通端部が、スリップリング部43を介して、回路基板40に接続してある。つまり、超音波トランスジューサ14と回路基板40間を渡る配線部材14aは、別途、配線スペースを確保せずに、シャフト7自身を利用して、ケース1内に配線させてある。なお、回路基板40などから延びる各種の信号配線44は、ケース1から導出され、表示装置(図示しない)等に接続される。
モータ部20や回路基板40が収めてあるケース1部分の平面形状(ケースを軸方向から見たときの形状)は、図1および図2に示されるように超音波トランスジューサ14の一直径方向aの動きを許容できるだけの最小の外形形状にしてある。ここでは同ケース1部分の平面形状は、一直径方向aについては走査範囲内を移動するモータ部20を許容するだけの長さ寸法Sとし、他の方向である一直径方向aと直交する方向についてはモータ部20と干渉しないだけの幅寸法Tとした長円形状にしてある。これで、ケース1のうち、走査機構部28を収めた角形の下部部分を除く上端部までの長いケース部分を、作業者が握りやすい長円形の外形形状にしている。この超音波探傷器の多くを占める長円形の外形部分から把持部、すなわち作業者が把持しやすい把持部45を形成している。
一方、超音波の探傷作業がしやすいよう、例えば超音波トランスジューサ14には、図1〜図7に示されるように水浸式の超音波伝播部46が組み付けてある。同超音波伝播部46は、超音波トランジューサ14を収めるチャンバ部47を組み付け、同チャンバ部47内に超音波伝播媒質、例えば水48を収容して、超音波トランスジューサ14を水48に浸漬させる水浸式の構造が用いてある。
具体的には、チャンバ部47は、大径部9の周りを囲む、ベース2の下面から下方へ突き出た筒形の室から構成してある。同チャンバ部47には、例えば図6および図7に示されるように一直径方向aに対しては走査範囲内を移動する大径部9を許容するだけの長さ寸法で、他の方向である一直径方向aと直交する方向についは大径部9と干渉しないだけの幅寸法とした長円形状の断面をもつ筒形部材が用いてある。これで、超音波トランスジューサ14は、チャンバ部47内を偏心回転しながら一直径方向aに移動できるようにしてある。またチャンバ部47の、超音波トランスジューサ14端(超音波出入部)と向き合う下端部の開口は、超音波透過性や柔軟性を有するシート部材、例えばメンブレン部材で形成されたメンブレン膜51で塞がれている。メンブレン膜51は、固定具、例えばチャンバ部47の下端部に嵌まる環状のキャップ部材52を用いて、チャンバ部端に固定してあり、外部に露出するメンブレン膜部分を被探傷部位の表面と接する部分としている。このチャンバ部47内が水48で満たされている。これで、超音波トランスジューサ14とメンブレン膜51間の超音波伝播経路は、水48で満たされ、外部に露出するメンブレン膜部分(被探傷部位の表面と接する部分)を、超音波が出入射する超音波出入射面部53としている。これにより、被探傷部位の表面に超音波出入射面部53を密着させると、超音波トランスジューサ14から発振された超音波が、水48を伝わりメンブレン膜部分から接触媒質(図示しない)を介して被探傷部位へ出射され、被探傷部位から反射して戻る超音波(エコー)が、接触媒質を介してメンブレン膜部分に入射して水48を伝わり超音波トランスジューサ14へ入射される。またメンブレン膜部分は、水48の自重により、接触媒質の量を減らすため、若干、中央が凸となる姿勢になるように変形している。なお、被探傷部位の表面と接触する部分は、メンブレン膜51と接触媒質でなく、他の超音波透過性や柔軟性を有するゲルシートを用いてもよく、使用するシート部材は、超音波探傷に好適な部材であれば構わない。
チャンバ部47のベース2側の壁部は、回転する先端側シャフト部材10をシールしながら同シャフト10と共に一直径方向aに変位可能な壁部材、例えばダイヤフラム55で形成されている。すなわちダイヤフラム55には、例えばチャンバ部47の壁をなす可とう性の平板部55aの中央に、大径部9とスライド部材4との間のシャフト部分を囲む可とう性の筒状部55bを形成した構造が用いられる。このうち筒状部55bの端部がスライド部材4の下面に固定、例えばねじ止めされ、平板部55aの周縁部がチャンバ部47の周壁の端に固定、例えば周壁に有る固定用フランジ部56とベース2との間に挟み込むようにねじ止めされている。つまり、ダイヤフラム55は、シャフト7の回転を許し、さらには同シャフト7が一直径方向aに変位するのを許しながら、チャンバ部47のシールを行なう。このダイヤフラム55にて、チャンバ部47内における超音波トランジューサ14の走査動作、すなわち超音波トランジューサ14が偏心回転しながら一直径方向aへ移動する動きがスムーズに許容される。なお、ダイヤフラム55は、メンブレン膜51と接触媒質を介して被探傷部位の表面に密着させたときの挙動(変形)を許容する機能も併せもつ。
このように構成された超音波探傷器を用いて被探傷部位、例えば図2および図6に示されるように被検査体60のスポット溶接した溶接部(図示しない)を探傷するとする。
このときは、図2に示されるように作業者は、ケース1の外形で形成される把持部45を把持し、図6に示されるように溶接痕となる凹み部分を含むその周囲の表面61に、超音波探傷器の先端に有るメンブレン膜51を押し当てる。ここで、メンブレン膜51は、中央部が若干、突き出ているから、接触媒質中の空気を周囲に逃がしながら、被検査体20の表面に密着する。その後、超音波探傷器を作動させる。
すると、モータ部20が励磁され、シャフト7が回転駆動される。これにより、シャフト先端に有る超音波トランジューサ14は、シャフト軸心を中心として偏心回転される。と共にシャフト7の回転力は、走査機構部28にも伝達される。具体的には、シャフト7の回転は、走査機構部28のウォーム11を経て、ウォームホイール31に伝わる。これにより、ウォームホイール31は、リニアガイド5に沿って、ねじシャフト36上を変位し、作業者の手指で保持されるケース1、ベース2を基準として、シャフト7を、同シャフト7に組み付いているギヤケース30、モータ部20、ロータリエンコーダ39、各種回路基板40と共に一直径方向aに一定に移動させる。
すると、超音波トランスジューサ14は、図7中の一点鎖線に示される軌跡のようにシャフト7の軸心周りを偏心回転しながら、一直径方向aに一定速度で移動する(走査開始位置から走査終了位置まで)。
これにより、超音波トランスジューサ14から発振された超音波α(図6に図示)は、水48、メンブレン膜51と接触媒質を経て表面61に伝わり、スポット溶接した溶接部(図示しない)を走査する。このとき、反射する超音波β(エコー:図6に図示))が、メンブレン膜51、水48を伝わり超音波トランジューサ14に戻る。そして、同超音波βが回路基板40の超音波探傷回路40aにおいて解析される。これで、被探傷部位である溶接部の傷の有無の判別が行なわれる。
このように手探傷用超音波探傷器は、超音波トランスジューサ14を、シャフト7の軸心の周りを偏心回転させながらケース1の直径方向に移動させる構造としたことで、超音波の走査は、途中で探傷条件が変化する挙動を生じずに、常に一定の探傷条件で行うことができ、高い超音波探傷精度が確保できる。しかも、同作用は、シャフト7の回転とケース1の直径方向の移動だけで実現できるから、簡単な構造ですむ。
そのうえ、同超音波探傷器は、探傷に必要なモータ部20、走査機構部28、超音波トランスジューサ14は、シャフト7にならいケース1の軸心方向に沿って直列に配置される構造なので、ケース1の直径方向に張り出す部分は抑えられ、コンパクトとなる。加えて、ケース1端が超音波出入射部となるから、被探傷部位の表面にケース1端を位置決めるという、被探傷部位に超音波出入射部が位置決める作業がしやすい構造となるうえ、ケース1は、作業者が把持しやすい、細長く延びた部分が多くを占め構造となるから、被探傷部位の表面に密着させる作業は、作業がしやすい縦向きの姿勢で行なうことができ、取扱い性のよい構造となる。
したがって、手探傷用超音波探傷器は、コンパクトで、被探傷部位が位置決めやすい取扱い性のよい構造、さらには一定速度で被検査体60の被探傷部位を超音波探傷できる構造となり、総合的に性能が優れたものとなる。特にシャフト7を移動させる走査機構部28については、シャフト7をモータ部20と共にケース1の一直径方向aに沿って移動させる構造にし、それに対応してケース1は、軸方向から見たときの形状を、一直径方向aについてはモータ部20の移動を許容するだけとし、他の方向についてはモータ部20と干渉しないだけとした長円形状にしたので、ケース1の多くは、手指で握りやすい長円形状断面をもつ細長の把持部45が占めるから、把持部45は、より把持しやすくなり、一層、容易に超音波探傷の作業が行なえる。
しかも、超音波トランスジューサ14の配線部材14aには、中空のシャフト7を挿通させる配線構造を用いたことで、シャフト7自身が、超音波トランスジューサ14と回路基板40との間を渡る配線部材14aが挿通するスペースを兼ねるから、一層、超音波探傷器のコンパクト化が図れるうえ、把持部45を、一層、把持しやすい形状にすることができる。
そのうえ、超音波トランスジューサ14の周りには、チャンバ部47が組み付けてあるので、チャンバ部47の超音波出入射面部53を被探傷部位の表面に密着させるだけで、容易に探傷作業が行なえる。また水48(超音波伝播媒質)は、チャンバ部47内に収容されているから、たとえ下側から被探傷部位を超音波探傷するようなときでも、容易に探傷作業を行なうことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、ベースの下面に、ケースの開口端を固定する構造を挙げたが、これに限らず、ケースの開口端は、ベースの側部に固定する構造でも構わない。このようにすると、ケースは径方向に分割する構造を用いずに、シャフト、モータ部、走査機構部、回路基板などをケースに収めることができる。むろん、他の構造、例えばケースを開口端側の部分とそれ以外の部分とに分割して、ケース内に上記各部を収める構造にしてもよい。
1 筒形のケース
2 ベース
4 スライド部材(支持部)
7 シャフト
14 超音波トランスジューサ(超音波探傷子)
20 電動モータ部(モータ部)
28 走査機構部
40 回路基板(制御機器)
45 把持部
46 超音波伝播部
47 チャンバ部
48 水(超音波伝播媒質)
53 超音波出入射面部

Claims (4)

  1. 作業者が把持可能な把持部をなすとともに、内部には軸方向に沿って延びるシャフトが配設された筒形のケースと、
    前記シャフトの端部に当該シャフトの軸心から偏心して設けられ、前記ケースの軸方向端の前方に対して超音波を出・入射させる超音波探傷子と、
    前記シャフトと同軸に組み付いて前記ケース内に収められ、前記シャフトを回転駆動させて前記超音波探傷子を偏心回転させるモータ部と、
    前記シャフトを前記ケース内において軸方向と直交する直径方向に移動可能に支持する支持部と、
    前記モータ部と前記超音波探傷子との間に設けられ、前記シャフトから伝達される駆動力により前記シャフトを前記モータ部と共に前記ケースの軸方向と直交する直径方向に移動させる走査機構部と
    を具備することを特徴とする手探傷用超音波探傷器。
  2. 前記走査機構部は、前記シャフトを前記モータ部と共に前記ケースの一直径方向に沿って移動させるものであり、
    前記筒形のケースは、当該ケースを軸方向から見たときの形状が、前記一直径方向については移動するモータ部を許容するだけの長さ寸法を有し、他の方向については前記モータ部と干渉しないだけの幅寸法を有する長円形状にしてある
    ことを特徴とする請求項1に記載の手探傷用超音波探傷器。
  3. 前記シャフトは、中空のシャフト部材から構成され、
    前記ケース内には、更に、前記モータ部を挟んで前記超音波探傷子とは反対側に制御機器を有し、
    前記中空のシャフト部材の内部には、前記超音波探傷子と前記制御機器との間を渡る配線部材が挿通される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手探傷用超音波探傷器。
  4. 前記ケースの端部は、前記超音波探傷子を移動可能に収め、被探傷部位の表面と接する部分を超音波が出入射する超音波出入射面部とし、内部が超音波伝播媒質で満たされたチャンバ部を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の手探傷用超音波探傷器。
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