JP2017077411A - 被検体情報取得装置 - Google Patents

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貴暁 中林
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【課題】移動する探触子を用いて被検体を走査する被検体情報取得装置において、音響整合液の揺動を抑制するとができる被検体情報取得装置を提供する。【解決手段】被検体情報取得装置は、被検者を支持し、被検者の一部である被検体を挿入する挿入口が形成された支持部材と、挿入口に設けられ、被検体を保持する保持部材と、音響整合液を収納可能な液槽と、液槽内に設けられ、被検体内からの音響波を受信する音響素子が配置された探触子ユニットと、探触子ユニットを保持部材に対して相対的に移動させる走査機構と、を有し、探触子ユニットは、探触子ユニットが移動する際に音響整合液から受ける流体抵抗を抑制する抑制手段を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、被検体内部の情報を取得する被検体情報取得装置に関する。
近年、光音響効果を利用して被検体内の情報を画像化する光音響イメージング装置の研究が、医療分野で積極的に進められている。
パルスレーザ光などの計測光を被検体である生体に照射すると、計測光が被検体内の生体組織で吸収される際に音響波が発生する。この音響波(典型的には超音波)を受信し、解析することにより、生体内部の光学特性に関連した情報を画像化することができる。このような音響波を光音響波と呼び、光音響波を用いた技術は、光音響トモグラフィ(PAT:Photoacoustic Tomography)と呼ばれている。
光音響トモグラフィを利用して、人の乳房を観察する装置として、特許文献1に記載の光音響装置がある。当該装置では、半球状の保持部材によって被検体を保持し、当該保持部材と対向する、半球状の容器に配置された音響素子を用いて音響波を取得する。また、音響素子が配置された容器を、保持部材に対して相対的に動かすことで、広い範囲から音響波を取得することができる。
また、半球状の容器に、保持部材と音響素子との音響マッチングを取るためのマッチング液を貯留する液槽が取り付けられており、半球状部材が移動する際に、当該液槽も一緒に移動する構成となっている。
また、特許文献2には、音響マッチング液が貯留された液槽の中に探触子を配置し、水中で探触子を移動させることで走査を行う超音波装置が記載されている。
特開2015−85015号公報 特開2002−336256号公報
特許文献1に記載された被検体情報取得装置では、マッチング液が貯留された液槽が移動するため、慣性質量を有したマッチング液が揺れ動かされ、液面に波が発生するという特徴がある。発生した波は、マッチング液の液面において液位の変動をもたらす(以降、液位変動と称する)。また、液位変動が発生すると、保持部材と音響素子との間の音響インピーダンスの不整合や、空気の混入等が発生しうるため、これに起因して音響波の反射や減衰が発生するおそれがある。すなわち、走査中においてマッチング液の液位が変動すると、被検体情報に欠損が生じ、その結果、得られた断層画像の品質が低下してしまうおそれがある。
一方、特許文献2に開示されている装置では、マッチング液の入った容器が移動しないため、特許文献1に記載の装置と比較して、走査中におけるマッチング液の液位変動を抑えることができる。しかし、探触子をマッチング液の中で移動させる場合、流体抵抗に起因したマッチング液の揺動が発生するため、探触子や、探触子を移動させる機構を複雑な形状にしたり、大型化したりすることが難しい。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、移動する探触子を
用いて被検体を走査する被検体情報取得装置において、音響整合液の揺動を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するための、本発明に係る被検体情報取得装置は、
被検者を支持し、前記被検者の一部である被検体を挿入する挿入口が形成された支持部材と、前記挿入口に設けられ、前記被検体を保持する保持部材と、音響整合液を収納可能な液槽と、前記液槽内に設けられ、前記被検体内からの音響波を受信する音響素子が配置された探触子ユニットと、前記探触子ユニットを前記保持部材に対して相対的に移動させる走査機構と、を有し、前記探触子ユニットは、前記探触子ユニットが移動する際に前記音響整合液から受ける流体抵抗を抑制する抑制手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、移動する探触子を用いて被検体を走査する被検体情報取得装置において、音響整合液の揺動を抑制することができる。
第一の実施形態に係る光音響測定装置の斜視図である。 第一の実施形態に係る光音響測定装置の断面図である。 音響検出ユニットおよび走査ユニットの一部を表した斜視図である。 X走査機構にカバーを取り付けた状態の斜視図である。 音響検出ユニット周辺の相対的なマッチング液の流れを示した図である。 音響検出ユニット周辺の相対的なマッチング液の流れを示した図である。 音響検出ユニットを走査した際の、液位変動の状態を表した図である。 第二の実施形態における音響検出ユニットの断面図である。 第三の実施形態における音響検出ユニットの断面図である。 変形例に係る光音響測定装置を説明する図である。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する、光音響効果を利用した装置に適用することができる。このような装置は、光音響測定の結果に基づき、被検体内部の特性情報を得ることから、光音響装置、光音響診断装置、光音響測定装置とも呼ばれる。
光音響装置における特性情報とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布などである。組織を構成する物質とは、例えば、酸素飽和度分布や酸化・還元ヘモグロビン濃度分布などの血液成分、あるいは脂肪、コラーゲン、水分などである。
また、本発明は、被検体に超音波を送信し、被検体内で反射した超音波を受信して、被検体の構造情報を画像データとして取得する超音波装置に適用することもできる。構造情報とは、被検体内における、音響インピーダンスの異なる境界面の位置を示す情報である。
このように、本発明は、光音響装置に限定されるものではない。
本発明における音響波とは、典型的には超音波であり、音波や音響波と呼ばれる弾性波を含む。また、探触子等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定するものではない。また、光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。
以下の記載では、被検体情報取得装置の代表的な例として、受信した超音波を用いて被検体の診断を行う装置について説明する。しかしこのことは、使用する超音波(音響波)の波長、探触子が受信および送信可能な波長範囲、装置の使用目的などを限定する趣旨ではない。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る被検体情報取得装置は、被検体にパルス光を照射し、被検体内で発生した音響波を解析することで、被検体内の光学特性に関連した情報を可視化、すなわち画像化する装置(以下、光音響測定装置)である。被検体とは被検者の一部であり、本実施形態では乳房である。
前述したように、音響マッチング液を貯留した液槽を移動させることで走査を行う装置においては、走査中において音響マッチング液の液面が揺動し、測定精度を低下させる原因となる。以下、この問題を解決するための、第一の実施形態に係る光音響測定装置について説明する。
<構成概要>
図1を参照しながら、第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する。
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、被検者を保持するベッド状の支持部材(ベッドユニット100)と、制御ユニット400、光源500、液槽600を有している。また、液槽600の内部に、音響波を受信するユニットである音響検出ユニット200と、音響検出ユニット200を移動させるための走査ユニット300を有している。
また、図2は、図1のA−A断面における断面図であり、図3は、音響検出ユニット200および走査ユニット300の一部を表した斜視図である。
被検者は、被検者を支持するためのベッドユニット100上で伏臥位をとる。ベッドユニット100には、被検体である乳房(被検体)を、鉛直方向(Z軸方向)下方に挿入するための挿入口111が設けられている。また、符号112は、挿入口111に挿入された乳房を保持するための保持部材である。保持部材112は、ベッド状の支持部材に形成された挿入口111にはめ込む形で設置され、被検体である乳房の保持に利用される。
符号600は、音響インピーダンスを整合させるための液体(本発明における音響整合液。以下、音響マッチング液)を貯留する液槽である。液槽600には、音響検出ユニット200と、走査ユニット300が格納されている。
音響検出ユニット200は、被検体にパルス光を照射し、また、被検体内で発生した音響波を受信するユニットである。音響検出ユニット200は、被検体内から到来する音響波を電気信号に変換する一つ以上の音響素子を有している。
音響検出ユニット200は、音響検出ユニットを二次元方向に平行移動させるための走査ユニット300と接続されている。なお、本実施形態では、走査ユニット300は、ベッド面と平行な方向(XY平面内)に音響検出ユニットを移動させることができる構成となっているが、被検体の形状に応じてZ方向に移動可動な構成としてもよい。
音響検出ユニット200から出力された電気信号は、制御ユニット400に入力され、被検体内の特性情報を表す画像に変換されたのち、不図示の表示部に出力される。
以下、それぞれの構成要素について、より詳しく説明する。
<ベッドユニット100>
ベッドユニット100は、被検者をうつぶせ(伏臥位)状態で保持するユニットであり、被検者の体勢を維持する支持部材である寝台110と、寝台を支える支柱120、ベース130から構成されている。
寝台110には、被検体(本実施形態では乳房)を挿入するための挿入口111が設けられている。また、挿入口111には、挿入された乳房を保持するための保持部材であるカップ112が備えられている。カップ112と挿入口111との間は水密構造とすることが好ましい。このようにすることで、後述する音響マッチング液が被検者側へ漏れ出してくることを防ぐことができる。具体的には、Oリングを挟んだり、シーリング材によるシールをする構成が挙げられる。
寝台110は、被検者の体重を支持するための強度があれば、どのような材料で構成してもよいが、装置外への光の散乱を防ぐため、光を透過しない材料で構成することが好ましい。また、被検者の体重による変形を抑制できる材料で構成することが好ましい。例えば、金属材料であるアルミニウムや鉄、ステンレスを好適に用いることができる。
カップ112には、乳房との音響インピーダンス(1.5〜1.6×10kg/msec)が略等しく、さらに、光の透過率が高い(好ましくは90%以上)部材を用いることが好ましい。具体的な材料として、ポリメチルペンテン、PET、ポリカーボネート、エラストマーなどがある。また、カップ112は、透過する音響波が減衰しないように、薄くすることが好ましい。また、測定の際には、乳房とカップ112との間の音響インピーダンスを整合させるため、カップ112にジェルや水などの液体を入れることが好ましい。また、乳房を保持する保持部材は、カップ形状に限られず、シート状のフィルム、ゴムシートなどであってもよい。
<音響検出ユニット200>
音響検出ユニット200は、被検体である乳房に対して、後述する光源500で発生した光を照射し、また、乳房から発生し伝播する音響波を受信するユニット(本発明における探触子ユニット)である。音響検出ユニット200は、液槽内に配置されている。
乳房から到来する音響波は、半球状の音響素子支持部材(符号221)の表面に配置された複数の複数の音響素子(符号222)によって受信される。以降、音響素子支持部材221および音響素子222を合わせて検出器220と称する。
音響素子222は、被検体から到来する光音響波を受信して電気信号に変換する素子である。素子の受信面を半球状に配置し、受信感度の高い方向が一点で交わるようにすることで、素子の受信面に対して音響波が垂直に入射する割合が多くなり、素子の角度依存性を抑制できる。
なお、本実施形態では、半球状の音響素子支持部材221の内側に複数の音響素子を配置したが、音響素子支持部材の形状はこの形状に限定されるものではない。例えば、複数の音響検出素子は平面状に配置してもよく、この場合、音響素子支持部材は例えば平板形状をとることができる。また、乳房から発生する超音波が取得できれば、その配置方法は任意であり、例えば音響素子支持部材を用いなくてもよい。なお、音響素子222には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、圧電素子以外の素子を用いても良い。例えば、CMUTなどの静電容量型の素子を用いること
ができる。
音響素子222には、信号を伝達する配線223がそれぞれ接続されている。本実施形態では、配線223は防水ケーブルである。また、音響素子222は、配線223の付け根などから中に水が侵入しない構成となっており、音響マッチング液内に水没させても動作に影響がない構成となっている。
半球状の音響素子支持部材221の底部には、被検体に照射するパルス光を出射させるための光照射部210が配置されている。本実施形態では、光源500で発生したパルス光が、光ファイバ211を経由して光照射部210から照射される。光ファイバ211も、配線223と同様に防水仕様となっており、音響マッチング液内に水没させても光の伝送に影響がないようになっている。
また、半球状の音響素子支持部材221には、複数の音響素子222を外側から取り囲むカバー(素子カバー224)が取り付けられている。素子カバー224は、音響素子の突出した部分を覆うことで、検出器220を音響マッチング液の中で移動させた際に受ける抵抗を抑制するための部材である。
素子カバー224は、検出器220をX軸およびY軸のいずれの方向へ移動してもマッチング液の抵抗が抑制できるように、半球状の形状をしている。また、カバー224の下部には、配線223や光ファイバ211を通すための開口が設けられている。また、検出器220の下部には、検出器ベース230があり、素子カバー224の開口から引き出された複数の配線223がまとめられている。さらに、検出器ベース230から配線223および光ファイバ211が、後述するケーブルベア(登録商標)に向かって配線されている。
<走査ユニット300>
走査ユニット300は、音響検出ユニット200をX−Y方向に二次元的に移動させるための移動機構である。音響検出ユニット200を二次元方向に移動させることで、音響波の受信感度が高い領域を移動させることができ、被検体上の広い領域から感度よく音響波を取得することができる。
本実施形態では、X軸方向に移動するX走査機構310と、X軸に直交するY軸方向に移動するY走査機構320を組み合わせることによって、音響検出ユニット200を移動させる。
図3を参照しながら説明する。
X走査機構310は、中間ベース311、Xモーター312、Xボールねじ313、Xベース314、Xガイド315で構成される。中間ベース311には、Xモーター312とXガイド315が固定されている。Xモーター312には、Xボールねじ313が直結されており、Xベース314には、Xボールねじ313とかみ合うナットが形成されている。また、Xベース314は、Xガイド315とX軸方向に摺動可能であり、かつ、移動方向が規制されるように構成されている。
また、Xベース314の上には、検出器ベース230が結合されている。従って、Xモーター312が回転するとXボールねじ313が回転し、Xベース314がX軸方向に移動し、これにより、音響検出ユニット200がX軸方向に移動する。
Xモーター312には、水の付着を防ぐためのXモーターカバー312aが設けられている。また、Xモーターカバー312aとXボールねじ313は、公知の技術(例えばOリング)により、摺動可能で、かつ、防水性能を有するように構成されている。
Y走査機構320は、ベース321、Yモーター322、Yボールねじ323、Yベース324、Yガイド325で構成される。X走査機構と同様に、Yモーター322には、Yボールねじ323が直結されており、Yベース324には、Yボールねじ323とかみ
合うナットが形成されている。また、Yモーターは液槽600の外に設けられており、Yボールねじ323が貫通するように取り付けられている。Yボールねじ323は、液槽600に対してOリングを介して回転可能、かつ、防水されて取り付けられている。Yベース324は、Yガイド325とY方向に摺動可能で、且つ移動方向が規制されるように構成されている。
また、Yベース324の上には、前述した中間ベース311が結合されている。従って、Yモーター322が回転するとXボールねじ323が回転し、Yベース324がY軸方向に移動し、これにより、X走査機構310および音響検出ユニット200がY軸方向に移動する。
なお、本実施形態では、Y走査機構320にX走査機構310が載置され、X走査機構310に音響検出ユニット200が載置されているが、走査ユニット300は、音響検出ユニット200を走査させるための機構であれば、どのようなものであってもよい。例えば、本実施形態においてはボールねじとリニアガイドを用いたが、リニアガイド、チェーン、タイミングベルトなどの直動機構、スラストベアリングやRガイド、クロスローラベアリングの様な回動機構であってもよい。また、所望する動きに応じて、直動および回動を組み合わせてもよい。
検出器ベース230から取り出した配線223と光ファイバ211は、Xケーブルベア316を通り、中間ベース311の下部にあるYケーブルベア326を通して引き出されている。
Xケーブルベア316の移動端は、検出器ベース230に、X移動ステー316aを介して取り付けられている。他方の固定端は、中間ベース311に、X固定ステー316bを介して取り付けられている。また、Yケーブルベア326の移動端は、中間テーブル311に取り付けられ、他方の固定端はベース321に取り付けられている。
Xモーター312のモーターケーブル312bは、Xモーター312がY軸方向にのみ移動するため、Yケーブルベア326にのみ通されている。なお、本実施形態では、X軸方向およびY軸方向それぞれに対してケーブルベアを設ける構成としたが、音響検出ユニット200を移動した際に配線が追従、かつ、まとめることができれば、他の構成であってもよい。例えば、三次元方向に移動可能な一つのケーブルベアで処理してもよい。
図4は、X走査機構310にカバーを取り付けた状態における、走査ユニット300の斜視図である。カバーは、側面のX軸方向の両端に設けられた側面Xカバー331、側面のY軸方向に設けられた側面Yカバー332、上カバー333で構成される。側面Yカバー332の形状は、X走査機構310がY軸方向に走査された際、マッチング液の抵抗が抑制できるように、X軸方向から見て半円状の形状となっている。
<制御ユニット400>
制御ユニット400は、演算部および記憶部を有し、パルス光の照射、音響素子から出力される電気信号の処理、走査ユニット300の駆動など、装置が有する各部位の制御を行う手段(本発明における信号処理部)である。
演算部は、典型的には、CPU、GPU、A/D変換器などの素子や、FPGA、ASICなどの回路から構成される。なお、演算部は、1つの素子や回路から構成されるだけでなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、制御ユニット400が行う各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。
記憶部は、典型的にはROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。なお、記憶部は1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
演算部は、複数の音響素子222から出力された電気信号に対して信号処理を施すこと
ができる。また、制御ユニット400は、同時に複数の信号をパイプライン処理できるように構成されていることが好ましい。これにより、被検体情報を取得するまでの時間を短縮することができる。
なお、制御ユニット400が行うそれぞれの処理は、演算部に実行させるプログラムとして記憶部(例えば一時的な記録媒体)に保存しておいてもよい。
<光源500>
光源500は、被検体に照射するパルス光を発生させる手段である。光源は、大出力を得るためレーザ光源であることが望ましいが、発光ダイオードなどを用いることもできる。光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射することが望ましい。被検体が生体の場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は数10ナノ秒以下にすることが望ましい。
パルス光の波長は、生体の窓と呼ばれる近赤外領域の波長であることが望ましい。具体的には、700nm〜1200nm程度であることが望ましい。この領域の光は比較的生体深部まで到達することができるため、深部の情報を得ることができる。なお、生体表面部の測定に限定すれば、500〜700nm程度の、可視光領域から近赤外領域の波長を使用することもできる。
なお、生体組織に照射することが許される光の強度は、以下に示す安全規格によって、最大許容露光量(MPE)として定められている。被検体に照射される光の強度は、これらの規格に沿ったものであることが望ましい。
・IEC 40825−1:SafetY of laser products
・JIS C 6802:レーザ製品の安全基準
・FDA:21CFR Part 1040.10
・ANSI Z136.1:Laser Safety Standards等
なお、乳房の表面を広い面積で一括して光を照射することにより、多くの光を乳房に導くことができ、高いSN比で光音響波を受信することができる。このため、光をある程度の面積に拡大するレンズを、光照射部210の先端に設けてもよい。
<液槽600>
液槽600は、音響素子222とカップ112との音響結合を行うためのマッチング液を貯留する容器である。
本実施形態では、走査時における音響検出ユニット200の移動軌跡がスパイラル状(渦巻き状)になっている。探触子をこのように渦巻き状に移動させることで、音響波を効率よく受信できる。一方、このように音響検出ユニットを移動させると、音響マッチング液がZ軸周りに回転する方向に流動する。液槽600は、このような流れに対して抵抗を抑制するため、円筒形状となっている。
液槽600の内側からは、前述のYボールねじ323のほか、配線223および光ファイバ211が、防水性のブッシュを介して引き出されている。また、液槽600から外側へ引き出された配線223は制御ユニット400へ、光ファイバ211は光源500へ接続されている。
<作用および効果>
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
図5Aは、音響検出ユニット200をX軸方向へ移動させた際の、音響検出ユニット200の周りの相対的な音響マッチング液の流れを示した図である。X軸方向へ移動する場合、X走査機構のカバーは静止したままで、音響検出ユニット200のみが移動する。このとき、複数の音響素子222および配線223が、音響マッチング液の流れを乱す原因となりうるが、本実施形態では、外側に素子カバー224が存在するため、矢印で示した
ように、音響マッチング液がスムーズに流れ、流体抵抗が抑制される。
図5Bは、音響検出ユニット200をY軸方向へ移動させた際の、音響検出ユニット200およびX走査機構310の周りの相対的な音響マッチング液の流れを示した図である。Y軸方向へ移動する場合、音響検出ユニットに加え、X走査機構310も移動する。
X走査機構310の周囲では、Xモーター312、Xボールねじ313、Xケーブルベア316などが、音響マッチング液の流れを乱す原因となりうる。しかし、本実施形態では、側面Yカバー332が設けられているため、矢印で示したように音響マッチング液がスムーズに流れ、流体抵抗が抑制される。
なお、素子カバー224は半球状でなくともよいが、流体抵抗を抑制するために、流れに対して形状が急激に変化する場所がないような形状であることが好ましい。また、側面Yカバー332も半円状の形状に限らない。具体的には、既知の流体抵抗の関係式から抵抗が抑制できるような形状とするとよい。
図6は、音響検出ユニット200を移動させた際の、あるタイミングにおける、音響マッチング液の液面の状態を表した図である。図6(A)が、本実施形態に係る構成を表し、図6(B)が、素子カバー224およびX走査機構310のカバーが無い構成を表す。この場合、図6(B)のほうが、液位の変動が大きくなる。
なお、図中の点線(符号222a)は、音響素子222の指向軸を表している。図6(B)の例では、音響素子222の指向軸上に空気の層がある。このようなタイミングで被検体から発生した音響波は、音響素子222で受信することができない。つまり、被検体情報に欠損が生じ、その結果、得られた画像の品質が低下してしまう。
しかし、本実施形態のように、移動する部材にカバーを設けた場合、音響マッチング液の液位変動が抑制される。それにより、指向軸の軸上に空気層が入り込むことがなくなり、品質の高い画像を得ることができる。
なお、本実施形態では、移動する一つのユニット全体をカバーで覆ったが、個々の部品をカバーで覆ったり、流体抵抗を抑制する形状としてもよい。
(第二の実施形態)
第二の実施形態は、第一の実施形態とは異なる手段で音響マッチング液の流体抵抗を抑制する実施形態である。
図7(A)は、第二の実施形態における音響検出ユニット200の断面図である。図中の矢印は、音響検出ユニット200をY軸方向へ移動させた場合における、音響検出ユニット近傍の相対的なマッチング液の流れを示している。なお、第一の実施形態と同様の部品構成については説明を省略する。
第二の実施形態では、半球状の音響素子支持部材221の開口部に設けられた膜225によって、音響マッチング液の流体抵抗を抑制する。膜225は、半球状の音響素子支持部材221の上部開口が平面になるように構成される。また、膜225と半球状の音響素子支持部材221の間にも音響マッチング液が満たされている。膜225の材質は、音響マッチング液との音響インピーダンスが略等しく、光の透過率が高い部材であることが好ましい。よって、膜以外にも、ゴムや薄板なども適用できる。
図7(B)は、膜225がない場合の音響マッチング液の流れを示した図である。この場合、図からもわかるように、半球状の音響素子支持部材221の凹部へ流入した音響マッチング液が、凹部の壁に押し上げられて上向きの流れを形成し、液位変動を発生させる原因となる。
しかし、膜225を設けることで半球状の音響素子支持部材221の凹部への流れが仕切られ、平面に沿った流れとなる。すなわち、上向きの流れが抑制され、結果、液位変動を抑制することができる。
なお、第二の実施形態における膜225を、第一の実施形態におけるカバーと組み合わせてもよい。その場合、さらなる液位変動の抑制が可能となる。
(第三の実施形態)
第三の実施形態は、音響検出ユニット200を構成する部材に、音響マッチング液が通過できる空間(流路)を設けた実施形態である。図8は、第三の実施形態における音響検出ユニット200の断面図である。
第三の実施形態では、半球状の音響素子支持部材221の、音響素子222の取り付けに影響のない位置に、音響マッチング液を通過させるための流路221aが設けられている。また、Y軸方向に移動する検出器ベース230にも流路230aが、Xベース314にも流路314aがそれぞれ設けられている。流路は、成形した各部材を加工することで設けてもよいし、メッシュ状の部材を用いることで設けてもよい。
このように、移動する部材に、音響マッチング液を通過させる流路を設けることで、音響マッチング液の抵抗を受ける面積を減少させることができ、音響検出ユニット200を移動させた際の流体抵抗を抑制することができる。すなわち、音響マッチング液の液位変動を抑制することができる。
なお、流路は、例示した位置や部材に限らず、装置構成に影響のない場所であれば、どこに形成してもよい。また、第三の実施形態における流路は、第一の実施形態におけるカバー、第二の実施形態における膜と併用または組み合わせてもよい。例えば、一部に流路を設け、一部にカバーを装着するようにしてもよい。
(変形例)
図9は、寝台110に、頭部を収納可能な窪み113(本発明における垂下部)を設けた場合の例である。寝台111が平坦だと、挿入口111に乳房を挿入した場合、寝台111と被検者の頭部とが物理的に干渉し、被検者は首を後方に反らす必要があり、被検者によっては不自然な体勢を強いられることがある。そこで窪み113を設けることで測定中の被検者の安楽性を高めることができる。
従来技術のように、探触子ごと液槽を移動させる場合、液槽の走査により、液槽と窪みとに物理的な干渉が発生してしまうため、垂下部を設けることは難しかった。しかし、第一ないし第三の実施形態で説明したように、本発明に係る光音響測定装置では、液槽600が固定されていても探触子で走査することができるため、図のように寝台に窪み113を設けることができる。
なお、寝台110の厚みを厚くし、頭部に対応する部分の厚みを薄くすることで窪みを設けることで、液槽を走査する場合であっても液槽と窪みとの物理的干渉を防ぐこともできる。しかしながら、寝台110の厚みにより乳房の挿入が浅くなり、計測できる領域が狭くなる。一方、本実施形態の様に、液槽中で探触子を走査させる場合は、寝台の支持面(被検者と接触する面と対向する面のことを指す)よりも低い位置で被検者の頭部を保持することが可能となり、より深く装置に乳房を挿入させることが可能になる。
なお、実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。例えば、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む被検体情報取得装置として実施することもできる。上述した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、各実施形態では、光音響効果を利用して被検体の測定を行う装置を例に説明を行ったが、音響インピーダンスの整合をとるために液体を用い、かつ、被検者を伏臥位で支持する装置であれば、他のモダリティに適用することもできる。例えば、超音波エコーによって被検体の測定を行う測定装置や、拡散光トモグラフィによる測定装置にも適用することができる。
110・・・寝台、200・・・音響検出ユニット、222・・・音響素子、224・・・素子カバー、300・・・走査ユニット、600・・・液槽

Claims (11)

  1. 被検者を支持し、前記被検者の一部である被検体を挿入する挿入口が形成された支持部材と、
    前記挿入口に設けられ、前記被検体を保持する保持部材と、
    音響整合液を収納可能な液槽と、
    前記液槽内に設けられ、前記被検体内からの音響波を受信する音響素子が配置された探触子ユニットと、
    前記探触子ユニットを前記保持部材に対して相対的に移動させる走査機構と、
    を有し、
    前記探触子ユニットは、前記探触子ユニットが移動する際に前記音響整合液から受ける流体抵抗を抑制する抑制手段を有する
    ことを特徴とする、被検体情報取得装置。
  2. 前記探触子ユニットは、複数の前記音響素子と、前記複数の音響素子を支持する音響素子支持部材とを有し、
    前記抑制手段は、前記音響素子のうち前記支持部材から突出した部分を覆うカバーを有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記探触子ユニットは、半球状の支持部材と複数の前記音響素子とを有し、
    複数の前記音響素子は、前記支持部材の内側に指向軸を向けて配置されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記抑制手段は、前記半球状の支持部材の外側を覆うカバーを有する
    ことを特徴とする、請求項3に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記抑制手段は、前記支持部材の開口部を覆う仕切り部材を有する
    ことを特徴とする、請求項3または4に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記走査機構は、前記走査機構が移動する際に前記音響整合液から受ける流体抵抗を抑制する第二の抑制手段を有する
    ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記第二の抑制手段は、前記走査機構の少なくとも一部を覆うカバーを有する
    ことを特徴とする、請求項6に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記走査機構は、前記探触子ユニットが載置された、第一の方向に移動する第一の機構と、前記探触子ユニットおよび第一の機構が載置された、前記第一の方向と直交する第二の方向に移動する第二の機構と、を有し、
    前記第二の抑制手段は、前記第一の機構の外側を覆うカバーであって、前記音響整合液から前記第二の方向に受ける流体抵抗を抑制するカバーを有する
    ことを特徴とする、請求項6または7に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記抑制手段は、前記探触子ユニットに設けられた、前記音響整合液が通過する流路を有する
    ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記支持部材の、前記被検者を支持する面よりも低い位置で前記被検者の頭部を保持する垂下部をさらに有する
    ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  11. 前記被検体から前記音響整合液を介して伝播する音響波から変換された電気信号を用いて、前記被検体の特性情報を取得する信号処理部をさらに有する
    ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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