JP2018079020A - 音響波受信装置およびフロート - Google Patents

音響波受信装置およびフロート Download PDF

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Abstract

【課題】音響波を取得する装置において、液槽からの音響整合液の溢れ量を低減し、音響整合液の液位低下を抑制する。
【解決手段】被検者を支持するとともに、開口が設けられた支持台と、開口の周辺において支持台に固定され、開口から挿入された被検者の一部である被検体を保持する保持部材と、支持台および保持部材の下方に位置し、保持部材を介して被検体から伝搬する音響波を受信する音響プローブが配置され、保持部材と音響プローブが音響的に結合する液位まで音響整合液が貯留される液槽と、音響プローブを、開口に対して少なくとも水平方向に移動させる走査部と、音響整合液に浮かべられ、音響整合液の液面において保持部材を囲むフロートを有する音響波受信装置を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響波受信装置およびフロートに関する。
近年、光音響効果を利用して被検体内の情報を画像化する光音響イメージング装置の研究が、医療分野で積極的に進められている。光音響イメージング装置は、パルスレーザ光などの計測光を被検体に照射し、計測光が被検体内の組織で吸収される際に発生する音響波(光音響波)を受信する。そして、この音響波に基づいて被検体内部の光学特性に関連した情報を画像化する。このような技術は、光音響トモグラフィ(PAT:Photoacoustic Tomography)と呼ばれている。
特許文献1は、光音響トモグラフィを利用して人の乳房に関する情報を取得する装置を開示する。この装置は、カップ状の保持部材によって被検体を保持し、当該保持部材と対向する、半球状部材に配置された音響素子を用いて音響波を取得する。また、音響素子が配置された半球状部材を保持部材に対して走査することで、広範囲から音響波を取得可能にしている。また、半球状部材に、保持部材と音響素子との音響マッチングを取るための音響整合液を保持する液槽が取り付けられており、半球状部材と一緒に液槽も走査される構成となっている。
特許文献2に開示の光音響イメージング装置においては、液槽と保持部材との間にゴム膜や蛇腹構造のフィルム等を設けて密閉構造にしている。これにより、半球状部材を走査した際に液槽から音響整合液が溢れ出ることを防止している。
特開2015−085015号公報 特開2015−205041号公報
特許文献1のような構成においては、音響整合液が貯留された液槽の走査に伴い、音響整合液が揺れ動かされ液槽外へ溢れ出てしまう。それにより、音響整合液の液位が低下し、保持部材と音響整合液の接触領域が減少する。その結果、音響波が透過可能な領域が減少するため、取得情報の品質が低下してしまう。一方、特許文献2のような構成によれば、音響整合液が溢れ出ることはないものの、密閉を維持する構造が複雑なものとなってしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、音響波を取得する装置において、液槽からの音響整合液の溢れ量を低減し、音響整合液の液位低下を抑制することにある。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
被検者を支持するとともに、開口が設けられた支持台と、
前記開口の周辺において前記支持台に固定され、前記開口から挿入された前記被検者の一部である被検体を保持する保持部材と、
前記支持台および前記保持部材の下方に位置し、前記保持部材を介して前記被検体から
伝搬する音響波を受信する音響プローブが配置され、前記保持部材と前記音響プローブが音響的に結合する液位まで音響整合液が貯留される液槽と、
前記音響プローブを、前記開口に対して少なくとも水平方向に移動させる走査部と、
前記音響整合液に浮かべられ、前記音響整合液の液面において前記保持部材を囲むフロートと、
を有する音響波受信装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
音響整合液が貯留される液槽に浮かべられるフロートであって、
前記液槽には、被検体を保持する保持部材との間で前記音響整合液を介して音響的に結合される、少なくとも水平方向に移動することができる音響プローブが配置されており、
前記音響整合液の液面において、前記保持部材を囲む形状である、フロートである。
本発明によれば、音響波を取得する装置において、液槽からの音響整合液の溢れ量を低減し、音響整合液の液位低下を抑制することができる。
音響波受信装置の斜視図 測定ユニットおよびフロートを説明する図 支持台と液槽、樋近傍の拡大断面図 変形例にかかる液槽およびフロートの平面図 変形例にかかる摺動抵抗を抑制したフロートの図 第二の実施形態にかかるガイドを設けたフロートの図 フロートと液槽の間の音響整合液が押し出されることを示した概略図 変形例にかかるガイドピンにより位置を規制されるフロートの図 第三の実施形態における連結部材を有するフロートの図 音響整合液の液位変動が激しい場合のフロートの状態を示した図 支持台の変形量が大きい場合のフロートの状態を示した図 探触子の受信指向束を説明する図
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝搬する音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、音響波受信装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法や信号処理方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体としても捉えられる。
本発明の音響波受信装置には、被検体に光(電磁波)を照射すると光音響効果により被検体内で発生する音響波を受信して電気信号に変換し、被検体の特性情報を取得する、光音響イメージング装置を含む。この場合、特性情報とは、受信された光音響波に由来する受信信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
光音響測定により取得される特性情報は、光エネルギーの吸収量や吸収率を反映した値である。例えば、単一の波長の光照射によって生じた音響波の発生源、被検体内の初期音圧、あるいは初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や吸収係数を含む。また、互いに異なる複数の波長により得られる特性情報から、組織を構成する物質の濃度を取得できる。物質濃度として酸素化ヘモグロビン濃度と脱酸素化ヘモグロビン濃度を求めることにより、酸素飽和度分布を算出できる。また、物質濃度としては、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率なども求められる。
本発明の音響波受信装置には、生体に超音波を送信し、生体組織で反射して伝搬してきた超音波エコーを受信して断層画像を再構成する、超音波エコー装置も含まれる。超音波エコー技術を利用した装置の場合、取得される被検体情報とは、被検体内部の組織の音響インピーダンスの違いを反映した情報である。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。トランスデューサ等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。超音波エコーに由来する電気信号を超音波信号とも呼ぶ。分布データは、光音響画像データや再構成画像データとも呼ばれる。
以下の実施形態では、音響波受信装置としての機能を備えた光音響イメージング装置を取り上げる。光音響イメージング装置は、人や動物の血管疾患や悪性腫瘍などの診断や化学治療の経過観察に好適である。被検体の例として、被検者の乳房や手のような生体の一部、マウスなどヒト以外の動物、無生物、ファントムなどを挙げられる。ただし、音響波を受信して当該音響波から変換された電気信号の保存または他装置への送信だけを行い、イメージングは行わないような装置であっても、本発明の範囲に含まれる。
以下の各実施形態の音響波受信装置は、被検体内部で発生した音響波を受信する半球状の音響プローブに、音響整合液を貯留する液槽が一体的に設けられた構成を取る。このような構成において、走査による液面の揺れや波の発生によって液槽から音響整合液が溢れると、液位が低下し、乳房からの音響波が透過可能な領域が減少し、音響プローブで取得できる信号の現象や再構成画像の画質低下につながる。
本発明の各実施形態にかかる音響波受信装置においては、音響整合液の液槽からの溢れ量を低減して音響整合液の液位低下を防止するための構成としてフロートを設けている。これにより、液槽から音響整合液の溢れ量を低減できる。
<第一の実施形態>
(装置構成)
図1を参照して、音響波受信装置を構成する各ユニットについて説明する。装置の構成要素は、ベッドユニット100、測定ユニット200、音響整合液循環装置300、光源400、コンピュータ500である。測定ユニット200、音響整合液循環装置300、光源400はベッドユニット100の内部に設けられている。コンピュータ500はベッドユニット100の外部に設けられ、測定ユニット200、音響整合液循環装置300、
光源400と電気的に接続されている。そして、本発明のフロート600は測定ユニット200内に設けられている。
次に、それぞれのユニットに関して説明する。図2は測定ユニットを示した図であり、図2(a)は測定ユニット200を上から見た平面図、図2(b)は測定ユニット200、およびその近傍の拡大断面図である。また図2(c)は、フロート600について説明するための図である。
(ベッドユニット100)
ベッドユニット100は被検者をうつ伏せ(伏臥位)に載せて支持するためのユニットである。ベッドユニット100は、被検者の体勢を維持する支持部材である支持台110と、支持台を支える支持台支柱120、ベース130から構成されている。支持台110には、被検者の一部である被検体(ここでは乳房1)を下方に挿入するための開口112が設けられ、その開口112には挿入された乳房1を保持するカップ111が備えられている。カップ111は開口112の周辺において支持台110に固定される。固定方法として例えば、開口112のヘリにカップ111の外周部を引っ掛ける方式がある。また、より安定的な固定のために、カップと開口縁の双方に噛み合わせ部を設けたり、留め具を用いたりしても良い。
乳房1の保持部材であるカップ111は、乳房1から発生する音響波を効率的に受信ユニットまで伝達させる必要がある。そのために、乳房1との音響インピーダンス(1.5〜1.6×10kg/msec)が近似した材料が好ましく、より好ましくは略等しいものを用いる。更に光音響効果を利用した装置においては光の透過率が高い(好ましくは90%以上)部材を用いることが好ましい。これに該当する具体的な材料としては、ポリメチルペンテン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、エラストマーなどがある。
カップ111の厚みは、音響波の減衰が低減できるように薄いものが良い。また、測定の際には、乳房1とカップ111の音響整合を取るために、カップ111にジェルや水や油などのマッチング剤を入れることが好ましい。乳房1を保持する保持部材には、カップ形状の部材他、シート状のフィルム、ゴムシートなども利用できる。
(測定ユニット200)
測定ユニット200は、乳房1に対して光を照射するとともに、乳房1から発生する音響波を受信するユニットである。測定ユニット200は、下方から上方にある乳房1へ光を照射する光照射部210、上方の乳房1から伝搬する音響波を受信する半球状の音響プローブ220、液槽230を備える。さらに、光照射部210及び音響プローブ220を水平方向へ2次元走査するためのX走査ステージ240、Y走査ステージ250を備える。本願明細書における水平方向とは、水準器、レーザー変位系等によって可観測な量である。例えば、かかる水平方向の傾きの上限下限は、鉛直方向と垂直な水平に対して±0.5mm/m以内、好ましくは±0.1mm/m以内、より好ましくは±0.04mm/m以内を許容する。
音響プローブ220は内面に複数の探触子(トランスデューサ:
”transducer”)221が設けられている。探触子221は、音響波を受信して電気信号に変換する素子である。探触子221を構成する部材としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを使用できる。また、圧電素子以外の素子を用いても良い。例えば、CMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)などの静電容量型の素子や、ファブリ
ペロー探触子を利用できる。
この探触子221の受信面をいろいろな方向、角度に向けてアレイ状に配置することで、乳房1からの音響波を受信できない死角を低減でき、より高感度に音響波信号を取得可能となる。この様子を図12に示す。図中、個々の探触子221は、受信感度が高く、音響波を良好に受信可能なビーム状の領域である、受信指向束222を有する。受信指向束222は、受信指向軸223を回転中心とする回転楕円体または紡錘型の受信感度のプロファイルを呈する。受信指向軸は通常、探触子221の受信面の法線Nの方向にあたる。この受信指向束222は、探触子221あたりの撮影野(FOV、Field of View)に相当する。受信指向束222は例えば、最高受信感度の50%の受信感度を下限値としたときに、下限値以上の感度で音響波を受信可能な領域として定義できる。なお図12では、探触子221を保護層Lが覆っているが、これは必ずしも必要ではない。
より好ましくは、音響プローブ220が備える半球状の支持体の曲率中心に、複数の探触子221それぞれの受信指向束222が集まるように配置すると良い。このような受信指向束の集束する位置を「アイソセンター」とも呼ぶ。アイソセンターを被検体内部に合わせることで、精度良く特性情報を取得できる。また、X走査ステージおよびY走査ステージ240,250による走査駆動によってアイソセンターが被検体内部で移動することにより、広範囲に渡って良好な特性情報を取得できる。
支持体の形状は、半球型以外に、球冠型、球帯型、複数の平面または曲面を組み合わせた形状なども利用できる。また、リニア型または平面型の支持体を持つ音響プローブを用いてもよい。
探触子221から出力された電気信号を後述するコンピュータ500に入力する前に、アンプによる増幅や、A/D変換器によるA/D変換処理を施すことも好ましい。なお、処理高速化の観点から、装置が複数の探触子221に対応する複数チャネルのアンプやA/D変換器を備えることが好ましい。
光照射部210は、後述の光源400から発せられ、ファイバー211により導かれた光を、音響プローブ220の底部から乳房1へ向けて光を照射するための射出端である。
液槽230は、探触子221とカップ111とを音響的に結合させるための音響整合液を貯留できる部材である。音響プローブ220および液槽230は、後述するステージによる走査によって、被検体との相対位置を変化させる。本実施形態では、半径を徐々に変更(縮小または拡大)させながら略円駆動させる、スパイラル走査を想定している。液槽230の音響整合液の体積は、走査時の慣性力に影響する。従って、液槽230の形状は、カップ111との干渉を避けつつ、音響整合液の体積を最小限にするような形状が好ましい。そこで本実施形態では、図2(a)で示したように円形状としている。また、スパイラル走査した時、音響整合液は、液槽230内で円を描くように流れる。したがって、音響整合液の流れをスムーズにして音響整合液の挙動を安定させる観点からも、液槽230を円形状とすると良い。
音響プローブ220の底部には、音響プローブ220及び液槽230の内部へ音響整合液を給排水するための継手231が設けられている。また液槽230の外側には、液槽230から溢れた音響整合液を回収できるように、樋232が設けられている。ここで、乳房1からの音響波を広範囲で取得するためには、カップ111と音響整合液の接触領域が多くなるようにする必要がある。そのためには、液槽230内の音響整合液を可及的に満水に近い状態とする必要がある。そこで本実施形態では、後述の音響整合液循環装置300により、常に音響整合液を液槽230に送り続け、液槽230からオーバーフローさせ
て樋232から回収する構成としている。
音響プローブ220は支柱270を介してX走査ステージ240の上に搭載されている。X走査ステージ240は、さらにY走査ステージ250の上に搭載されている。ここで、X方向は被検者をうつ伏せの姿勢で支持している状態で、被検者に対して左右方向に移動させる方向である。Y方向は同様に被検者に対して頭側、尾側方向に移動させる方向である。X走査ステージ240およびY走査ステージ250は、本発明の走査部280に相当する。
XYそれぞれの走査ステージは、モータ241と251、リニアガイド242と252、ボールねじ243と253により、後述のコンピュータ500の演算部からの指令により制御される。この構成により、音響プローブ220をXYの方向へ2次元走査することができる。走査ステージは前述の機構に限定されるものではなく、音響プローブ220を走査駆動させることができる機構であれば、リンク機構、ギア機構、油圧機構、など何を用いても良い。さらには、リニアガイドによる直線駆動ではなく、回転機構を用いて走査しても良い。X走査ステージ240とY走査ステージ250は、それぞれ図示していない原点センサとリニアエンコーダを有しており、音響プローブ220の測定ユニット200に対する位置を検出できる。また、移動は連続的に行うのが望ましいが、一定のステップで移動と光音響測定を繰り返す、ステップアンドリピート方式でも良い。
上述の記載では、液槽230と、探触子221が配置された音響プローブ220とが互いに固定されており、走査部280の駆動によって両者が同時に保持部材(および被検体)に対する相対位置を変化させていた。しかし、液槽230の保持部材に対する位置を固定しておき、液槽230に貯留された音響整合液中で、探触子221が配置された音響プローブ220のみを移動させる構成でも良い。この場合でも、液体中での音響プローブ220の移動による水面変動に伴う波の発生をフロートにより低減するという、本発明の効果を享受できる。
(音響整合液循環装置300)
音響整合液循環装置300は、図示していないポンプやタンクを具備し、音響プローブ220へ音響整合液を給水するとともに、音響プローブ220から音響整合液を排水するための装置である。音響整合液としては、探触子と被検体(または保持部材)を音響的に結合させ、両者の間で音響波を伝搬させるために、音響波に対して高透過特性と低減衰特性を有する油や水などが好適である。
音響整合液循環装置300と音響プローブ220は、給排水チューブ231aで結合されている。また、樋232へ溢れた音響整合液を樋232の回収口233から回収する回収チューブ233aが、音響整合液循環装置300と樋232の間に結合されている。従って、液槽230から樋232へ溢れた音響整合液は、音響整合液循環装置300に回収される。音響プローブ220を走査するスピードや軌跡などの走査条件に応じて、液槽230からの音響整合液の溢れ量は異なるため、音響整合液の給排水の流量はコントロール可能とすることが好ましい。
(光源400)
光源400はパルス光を発生させる装置である。光源としては大出力を得るため、レーザーが望ましい。ただし、発光ダイオードやフラッシュランプを用いてもよい。光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体の場合、光源400から発生するパルス光のパルス幅は数十ナノ秒以下にすることが望ましい。また、パルス光の波長は生体の窓と呼ばれる近赤外領域であり、700nm〜1200nm程度が望ましい。この領域の光は比較的生体深部
まで到達することができ、深部の情報を得ることができる。生体表面部の測定に限定すれば、500〜700nm程度の可視光から近赤外領域も使用してもよい。さらに、パルス光の波長は観測対象に対して吸収係数が高いことが望ましい。
光源400から測定ユニット200へ光を導く光学系は、音響プローブ220の走査による光のずれや、組み立ての際の調整が簡易に行えるようにファイバー211を用いている。ただし、光学系は多関節アームにプリズムやミラーを組み込んだ空間伝搬タイプの光学系を用いてもよい。この場合はファイバーによる光エネルギーのロスが低減できる。また光を導く際に、レンズや拡散板を用いて、所望の光分布となるように形状や光密度を変更することもある。このようにして乳房1の表面を広い面積で一括して光を照射することにより、多くの光を乳房1に導くことができるので、光音響波を高いSN比で受信することができる。光学機器はここに挙げたものだけに限定されず、このような機能を満たすものであれば、どのようなものであってもよい。
また、生体組織に照射することが許される光の強度は、安全規格によって最大許容露光量(MPE:maximum permissible exposure)が定められている。安全規格には、IEC 60825−1:Safety of laser products、JIS C 6802:レーザー製品の安全基準、FDA:21CFR
Part 1040.10、ANSI Z136.1:Laser Safety Standards等がある。最大許容露光量は、単位面積あたりに照射することができる光の強度を規定している。
(コンピュータ500)
コンピュータ500は、各ユニットの動作内容や動作タイミングを制御し、取得した被検体の情報を処理する装置である。コンピュータ500としては、不図示の演算部および記憶部を有する情報処理装置が好ましい。コンピュータ500は、本発明の処理部に相当する。
演算部は、典型的にはCPU、GPU、A/D変換器などの素子や、FPGA、ASICなどの回路から構成される。なお、演算部は、1つの素子や回路から構成されるだけではなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、コンピュータ500が行う各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。記憶部は、典型的にはROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。なお、記憶部は1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
演算部は、複数の探触子221から出力された電気信号に対して信号処理を施す。また、制御部としての演算部は、装置を構成する各構成の作動を制御することができる。また、コンピュータ500は、同時に複数の信号をパイプライン処理できるように構成されていることが好ましい。これにより、被検体情報を取得するまでの時間を短縮することができる。なお、コンピュータ500が行うそれぞれの処理を、演算部に実行させるプログラムとして記憶部に保存しておくことができる。ただし、プログラムが保存される記憶部は、非一時的な記録媒体である。
(フロート600)
フロート600は、音響プローブ220を走査した際に、液槽230の音響整合液が樋232へ溢れる量を抑制するための部材であり、本実施形態における最も特徴的な部分である。その意味で、フロート600は、音響整合液の波の発生を減衰させる液面変動減衰部材であると呼べる。フロート600はまた、音響整合液の液槽からの流出を抑制する流出抑制部材とも呼べる。
フロート600は、支持台110とは独立して移動可能であり、特に走査による波の発生や水面の変位に伴って移動する。フロート600は、液槽230内部に配置され、音響整合液の水面に浮いた状態で支持台110の開口から挿入されたカップ111を取り囲む形状である。したがって、カップ111の水面における断面形状が図2(a)に示すように円形である場合、フロート600の形状は、垂直上方から見たときに、水面におけるカップ111の断面を取り囲むような略リング(ドーナツ)状である。ただし、カップ11を完全に取り囲まず、一部に隙間がある構成であっても、ある程度の溢れ防止効果は得られる。またフロート600は、音響整合液に浮かんだときに、フロートの少なくとも一部が水面から突出する強さの浮力を有する。このとき、水面からの突出部分が音響整合液の流出や移動を抑制する。
フロート600は、音響プローブ220を走査した際にカップ111と干渉しない大きさのリング(ドーナツ)形状を有している。フロート600を液槽230に収めるサイズとするために、フロート600の外壁で囲まれる領域の広さは、液槽230の内壁(図2(a)の符号230iw)で囲まれる領域の広さよりも小さい。図2(b)に示したように液槽内壁およびフロートの外壁がともに略垂直の場合、フロートの外壁を液槽内壁のサイズよりも小さくすれば良い。液槽内壁が略垂直ではない場合は、フロートの形状をそれに合わせる。また、フロート600は音響整合液に浮く材質でできている。従ってフロート600は、液槽230内での音響整合液の液位に応じて液槽230の内壁に沿うように上下に移動する。フロート600は、音響整合液が液槽230に充填されオーバーフローしている状態では、支持台110の裏面に接触した状態となる。
図2(c)を用いてフロート600の好適なサイズ範囲について説明する。フロート600の外壁は、液槽230の内壁(230iw)より小さい。また、フロート600の内周(符号600iw)は、水面におけるカップ111の断面の外周よりも大きい。さらに、カップ111の形状によっては、フロート600の水面からの突出部分がカップ111に突き当たらないように、フロートの内周600iwをさらに大きくする場合がある。さらに、音響プローブ上の探触子221の配置によっては、フロート600のうち水面下にある部分が光音響波の音線を妨げないために、フロートの内周600iwをさらに大きくする場合がある。
図2(c)において、一点鎖線で示した第一の領域260は、波や液漏れが起きていない、標準的な音響整合液の水位におけるカップ111の断面であり、支持台110の座標系において固定されている。この第一の領域260は、音響プローブ220の受信指向束による測定対象になる可能性がある。ここで、説明を簡易にするために、受信指向束の水面を含む平面における断面として、点線で示した関心領域262を想定する。各走査位置における関心領域262を合計した第二の領域(合計関心領域)は、測定ユニットの走査に伴って第一の領域260を埋める。なお、例えば、ある関心領域262aに対応する液槽の内壁は、符号230iw_aで示される。このような構成において、フロートの内周600iwで囲まれる領域は、関心領域を合計した第二の領域よりも広いため、液槽230がどの位置に走査されても音響波受信を妨げない。
また、走査によって移動したフロート600がカップ111に突き当たった場合、被検者に不快感を与えたり、振動による音響波を発生させたりする可能性がある。したがって、フロート600のサイズ決定においては、走査によるフロート600とカップ111の衝突を防止することがより好ましい。そのためには、測定ユニットが最大限移動したときにフロート600が取り得る全ての位置において、フロート600とカップ111の衝突が起きないことを確認すると良い。
フロート600の材質として例えば、独立発泡させたゴム系または樹脂系のスポンジや
、音響整合液よりも比重の軽い樹脂材料が好適である。なおフロート600は、音響整合液に浮く構造であればよいため、材料特性だけに頼らずに、中空のような浮力を稼ぐ構造としても良い。中空構造により浮力を得る場合は、中空部分の気体量を変えることで、容易に浮力を調整できる。
また、フロート600の浮力を調整可能な構造にすると、浮力を弱めることによりフロート600の上部の支持台110への接触力を低減可能となる。その結果、音響整合液のオーバーフロー時に、フロート600の上部が支持台110と接触しながら走査する場合でも、摩耗や摺動抵抗を低減できる。
また、フロート600と支持台110の密着性が増すと音響整合液の溢れ量をさらに低減することが可能である。そこで両者の密着性を増すために、少なくともフロート600における支持台110と対向する部分は、可撓性部材を備えていることが好ましい。可撓性部材としては、ゴム、シリコン、柔軟性の有る樹脂材料などを利用できる。
(フロート600の作用)
図3は支持台110と液槽230、樋232近傍の拡大断面図であり、図3(a)はフロート600が無い状態、図3(b)はフロート600を有する状態を示している。通常、液槽230の上端と支持台110との間は、被検者が支持台110に乗った時の撓みや、走査精度等を考慮し、液槽230が支持台110と干渉しないように隙間A(垂直方向隙間)が設けられている。この状態で音響プローブ220及び液槽230を走査すると、加減速や円駆動で生じる慣性力によって音響整合液が隙間Aから溢れてしまう。この状態で測定を続けると、音響整合液の液位が低下してしまい、音響波を取得できる範囲が減少することで、取得できる画像の品位が低下してしまう。あるいは、液位の低下を抑制するためにポンプによる供給量を増加させる手段も考えられるが、ポンプの駆動電力の増大によるコストの増大や、溢れ量の増大により樋232からさらに外へこぼれ音響整合液を回収できない等の問題も考えられる。
一方、図3(b)のようなフロート600を設けた場合、フロート600の上端は支持台110と接触しているため、隙間が少なくなる。液槽230の内壁とフロート600との間には、フロート600上下に摺動可能にする隙間(水平方向隙間230c)があるが、この隙間に存在する音響整合液の量は少ないので、この隙間からの溢れ量も少ない。従って、フロート600を設けることにより、音響整合液の樋232への溢れ量を低減でき、液槽230の音響整合液の液位低下を抑制できる。また、装置構成の点でも、密閉構造等の複雑な構成とすることなく、簡易な構成を実現できる。
(変形例1−1)
本実施形態では液槽230の内壁が円形状であり、それに合わせてフロート600をリング形状としている。ただし、フロート600の形状は、液槽230の内壁の相似形状であることが好ましい。図4は液槽230aおよび内壁230a_iwが四角形状であり、それに相似形のフロート600aを用いた場合の平面図である。このようにすると、液槽230aとフロート600aとの隙間(水平方向隙間230a_c)が均一に低減されるため、その隙間を通って樋232aへ溢れる音響整合液の量がより低減され、液位低下を抑制することが可能となる。
(変形例1−2)
また、音響プローブ220の走査に伴うフロート600の移動においては、支持台110との間に摺動抵抗が生じる。摺動抵抗が増加すると、それに応じてステージ走査の駆動力を増加させる必要があるため、摺動抵抗を低く押さえることが好ましい。そのためには、フロート600の支持台110との接触面積を小さくする方法が考えられる。
図5は、摺動抵抗を抑制したフロートの例を示す図である。図5(a)は、フロート601の側面図である。図5(b)は、このフロート601のB−B断面図である。断面図のようなフロート601により、支持台との接触面積が小さくなる。このように、支持台110との対向部近傍を円弧状に形成することにより接触面積が小さくなり、摺動抵抗を低減することが可能となる。
図5(c)〜(e)は、接触面積が小さくなるように構成した別の例である。フロート602の支持台110との対向部を一部切り欠いた構成としている。図5(c)の斜視図を側面視したものが図5(d)であり、図5(d)のフロート602のC−C断面図が図5(e)である。このようにフロート602の支持台と対向する部分を、フロート602の他の部分よりも、音響整合液の液面方向における幅の狭い対向部602aとすることで、支持台とフロート602の接触面積が小さくなり、修道抵抗が低くなる。
(変形例1−3)
摺動抵抗を低減するために、フロートの上部(支持台と対向し、支持台に接触する可能性のある部分)における摩擦係数を低減する方法もある。例えば、対向部をテフロン(登録商標)等の摩擦係数の低い部材で構成したり、対向部にコーティング剤等を塗布することで摩擦係数を低減したりしても良い。
<第二の実施形態>
本実施形態では、フロートに、液槽230との位置関係を規制するガイドを設けたことに特徴がある。以下、第一の実施形態と異なる部分を中心に説明する。図6(a)は、ガイドとなる形状が設けられたフロート610およびそれを組み込んだ液槽230の平面図である。図6(b)は、フロート610の斜視図である。
第一の実施形態においては、フロート600と液槽230の内壁との間には、わずかに隙間(水平方向隙間)が設けられており、フロート600は音響整合液に浮いていた。このような状態では、音響プローブ220を走査した際の音響整合液の移動により、フロート600が液槽230内で水平方向へ移動する。そのため、液槽230とフロート600の隙間は増減を繰り返す。その結果、図7の概略図に示すように、隙間が広がったときに入り込んだ音響整合液が、隙間が狭まったときに押し出されて、樋232へ溢れてしまう場合がある。
そこで図6(a)、(b)に示すように、本実施形態のフロート610には、液槽230に対するフロートの水平方向への移動を規制し、隙間の増減を抑制するためのガイド610aが設けられている。ガイド610aの外周は、水平方向において液槽230の内壁(符号230iw)と略同じか、内壁より僅かに小さい寸法であり、フロート610がガタつかないようになっている。
フロート610aのガタつきを抑える観点からは、広い面積のガイド610aを設けることが好ましい。その反面、ガイド610aの外周と液槽230の内壁との接触面積が大きくなると、フロート610が液位に伴い上下する際の摺動抵抗となってしまう。そこで図6のフロート610は、液槽230と一部が接触するような形状のガイド610aを有している。その結果、フロート610は、液槽230内で液位変化に伴う上下移動は可能であるが、水平方向へは略動かない構成となっている。
本実施形態のようにガイドを設けることにより、音響プローブ220の走査に起因する液槽230内でのフロートの挙動による樋232への音響整合液の溢れ量を、より低減できる。その結果、液槽230の音響整合液の液位低下がさらに抑制される。
(変形例2−1)
図8はガイドの別の例として、ガイドピン611aによって位置関係を規制した場合のフロート611を示している。ガイドピン611aは液槽230側に設けられており、そのピンが入り込む穴611bがフロート611に設けられている。なお、ガイドピン611aと穴611bのガタつきを低減するために、ガイドピン611aを摩擦係数の低い部材で構成することが好ましい。
このような構成によっても、液槽230に対するフロートの水平方向の移動を抑制できる。その一方、フロートの略垂直方向の移動は妨げられず、音響整合液の水面変化に応じて液槽とは独立に移動できる。かかる構成によれば、液槽230内でのフロートの挙動による樋232への音響整合液の溢れ量をより低減でき、液槽230の音響整合液の液位低下をさらに抑制できる。
(変形例2−2)
なお、本実施形態ではガイドをフロート(フロート)側に設けていたが、液槽の側にガイドを付けてもよい。
また、液槽内壁とフロートの間の水平方向隙間を減らしたり、走査に伴う水平方向隙間の増減を抑えたりするために、液槽とフロートの間にスペーサーを配置しても良い。スペーサーのサイズや形状については、上記ガイドと同様の留意点がある。すなわち、スペーサーが大き過ぎると接触面積の増大につながり、小さ過ぎるとガタつきを起こす可能性がある。スペーサー形状の一例として、複数の平板状の浮きを連結させて、フロートの周囲を囲むようにしたものがある。スペーサーはフロートとは独立に移動できるため、フロートと液槽内壁が引っかかる可能性を低減できる。また、実施形態1のようなガイドを持たない構成では、フロート外壁の曲率と液槽内壁の曲率が近い場合、両者の間の接触面積が増大し、吸盤効果により張り付いてしまう可能性がある。しかし、スペーサーを配置することによりこれを防止できる。
<第三の実施形態>
本実施形態では、フロートを複数のパーツに分け、それらを可撓性の連結部材で連結したことに特徴がある。この構成は、音響整合液の液位変動が激しい場合や、被検者が支持台110に乗った際の支持台110の変形量が大きい場合に有効である。
図9は、本実施形態におけるフロート620の図である。図9(a)は、フロート620の斜視図である。図9(b)は、フロート620、およびその近傍の液槽230ならびに支持台110の、側面断面の概略図である。液槽230。フロート620は複数のフロート621に分けられ、一つ一つのフロート621の間を可撓性の連結部材622で連結されている。そのため、それぞれのフロート621は、連結部材622のサイズや柔軟性の許す範囲内で、互いに異なる動きが可能である。
連結部材622のサイズが小さいと、連結部においてフロート621の間から音響整合液が水平方向へ抜けてしまう場合がある。そこで図9(b)に示すように、連結部材622の上端をフロート上端と合わせたり、垂直方向へ幅を持たせたりすると良い。連結部材622の材質としては、ゴム製のものや、フィルムのような薄い樹脂製のものが適用できる。音響整合液の液位変動が特に激しい場合や、被検者が支持台110に乗った際の支持台110の変形量が特に大きい場合など、フロート同士の動く範囲を大きく取る場合は、動きの自由度の高いワイヤや紐状の連結部材を用いると良い。
図10(a)〜(c)を参照して、音響整合液の液位変動が激しい場合の本実施形態の
メリットを説明する。各図中の破線は、あるタイミングでの音響整合液の波面を表しており、音響プローブ220を走査することにより波面に動きが生じていることを示す。図10(a)は第一の実施形態でのフロートである。図10(b)は第二の実施形態でのフロートである。そして図10(c)が、本実施形態でのフロート620である。
図10(a)の場合は、波面に応じてフロート600が傾いてしまい、支持台110と接触している場所が「D」近傍のみとなる。従って、フロート600と支持台110との間に生じた隙間から音響整合液が溢れてしまう。また、フロート600が大きく傾くことにより、フロート600と液槽230の内壁が引っかかり、フロート600が動かなくなったり、液槽を走査できなくなったりすることも考えられる。
図10(b)の場合は、ガイドを設けているため、フロート610が傾くことはほとんどない。しかし、図中「E」の位置のように液位が低い場所では、フロート610の浮力が得られないためフロート610が沈んでしまうことがある。その結果、支持台110とフロート610の間に隙間が生じる。フロート610の浮力を高める構成にして、液位が低くても支持台110と接触するようにすることは可能であるが、液位変動が激しくない場合では浮力が高くなり、支持台110との摺動抵抗が増大してしまう。
一方、本実施形態にかかる図10(c)では、複数のフロート621が波面への追従性を有するため、水面の変化に応じて個々のフロート621が高さを変える。液位が高くなっている位置においてはフロート621が浮き、支持台110と接触している。一方、液位が低い場所においてはフロート621も低い位置にいるが、それにより液位が高い位置にいるフロート621を傾けたり、沈ませたりといった影響を与えることはない。従って、音響整合液の液位変動が激しい場合でも、液槽230から樋232への音響整合液の溢れ量を低減でき、液槽230の音響整合液の液位低下を抑制できる。
また、図11は支持台110の変形量が大きい場合のフロート621の状態を示した図である。支持台110の変形量が大きい場合においても、フロート621が支持台110の変形に追従して変形するので、支持台110とフロート621との間に隙間が生じない。そのため、液槽230から樋232への音響整合液の溢れ量を低減でき、液槽230の音響整合液の液位低下を抑制できる。
<その他の実施形態>
記憶装置に記録されたプログラムを読み込み実行することで前述した実施形態の機能を実現するシステムや装置のコンピュータ(又はCPU、MPU等のデバイス)によっても、本発明を実施することができる。また、例えば、記憶装置に記録されたプログラムを読み込み実行することで前述した実施形態の機能を実現するシステムや装置のコンピュータによって実行されるステップからなる方法によっても、本発明を実施することができる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。この目的のために、上記プログラムは、例えば、ネットワークを通じて、又は、上記記憶装置となり得る様々なタイプの記録媒体(つまり、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体)から、上記コンピュータに提供される。したがって、上記コンピュータ(CPU、MPU等のデバイスを含む)、上記方法、上記プログラム(プログラムコード、プログラムプロダクトを含む)、上記プログラムを非一時的に保持するコンピュータ読取可能な記録媒体は、いずれも本発明の範疇に含まれる。
111:カップ、112:開口、220:音響プローブ、221:探触子、230:液槽、240:X走査ステージ、250:Y走査ステージ、280:走査部、500:コンピュータ、600:フロート

Claims (17)

  1. 被検者を支持するとともに、開口が設けられた支持台と、
    前記開口の周辺において前記支持台に固定され、前記開口から挿入された前記被検者の一部である被検体を保持する保持部材と、
    前記支持台および前記保持部材の下方に位置し、前記保持部材を介して前記被検体から伝搬する音響波を受信する音響プローブが配置され、前記保持部材と前記音響プローブが音響的に結合する液位まで音響整合液が貯留される液槽と、
    前記音響プローブを、前記開口に対して少なくとも水平方向に移動させる走査部と、
    前記音響整合液に浮かべられ、前記音響整合液の液面において前記保持部材を囲むフロートと、
    を有する音響波受信装置。
  2. 前記音響プローブは、前記音響波を受信して電気信号を出力する複数の探触子を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響波受信装置。
  3. 前記音響プローブは、前記複数の探触子それぞれの受信指向束が集まるアイソセンターが形成されるように、前記複数の探触子を支持する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響波受信装置。
  4. 前記電気信号を用いて前記被検体の特性情報を取得する処理部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の音響波受信装置。
  5. 前記液槽および前記音響プローブは互いに固定されており、
    前記走査部は、前記液槽および前記音響プローブをともに移動させる
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  6. 前記液槽は、前記保持部材に対する位置が固定されており、
    前記走査部は、前記液槽に貯留された前記音響整合液の内部において、前記音響プローブを移動させる
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  7. 前記フロートは、前記音響整合液の前記液槽からの移動または前記音響整合液の液面における波の発生を抑制する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  8. 前記フロートの外壁は、前記音響整合液の水面において、前記液槽の内壁と相似な形状である
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  9. 前記音響プローブは、前記音響波を受信して電気信号を出力する探触子を備え、当該探触子は、前記支持台の下方において、前記保持部材により保持された前記被検体の内部に受信指向束が形成される位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  10. 前記フロートが前記支持台に対向する部分は、可撓性部材を備えているか、前記支持台に接触しない部分と比べて前記音響整合液の液面方向における幅が狭いか、または、前記支持台に接触しない部分と比べて摩擦係数が低い
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  11. 前記フロートは、独立発泡させたスポンジもしくは音響整合液より比重の軽い樹脂材料を用いること、または、中空構造をとることにより浮力を得る
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  12. 前記フロートの外壁または前記液槽の内壁には、前記フロートと前記液槽の間の水平方向隙間の増減を抑制するガイドが備えられている
    ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  13. 前記フロートの水平方向の移動を抑制し、前記フロートの垂直方向の移動を妨げないガイドピンをさらに有する
    ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  14. 前記フロートの外壁と前記液槽の内壁において、前記フロートと前記液槽の間の水平方向隙間の増減を抑制するスペーサーをさらに有する
    ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  15. 前記フロートは、前記音響整合液に対して浮力を有する複数の部材と、前記複数の部材を連結する連結部材を備える
    ことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の音響波受信装置。
  16. 音響整合液が貯留される液槽に浮かべられるフロートであって、
    前記液槽には、被検体を保持する保持部材との間で前記音響整合液を介して音響的に結合される、少なくとも水平方向に移動することができる音響プローブが配置されており、
    前記音響整合液の液面において、前記保持部材を囲む形状である、フロート。
  17. 前記保持部材は、被検者の一部である前記被検体を保持し、
    前記音響プローブは、前記保持部材を介して前記被検体から伝搬する音響波を受信し、
    前記液槽は、前記保持部材と前記音響プローブが音響的に結合する液位まで音響整合液を貯留できるものであり、
    前記音響プローブを前記保持部材に対して少なくとも水平方向に移動させる走査部をさらに有する、
    請求項16に記載の、フロート。
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