JP6444126B2 - 光音響装置および光音響波の測定方法 - Google Patents
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また、本発明の第二に係る光音響波の測定方法は、流動性を有する音響マッチング媒体を収納する容器と、光を出射する光出射部と、光音響波を受信する変換素子と、介在することで前記光出射部と前記変換素子とが前記容器に固定される走査部と、前記光と前記光音響波を透過する透過性と粘着性とを有し前記容器に固定される透過部材と、を備える光音響装置を用いた光音響波の測定方法であって、前記透過部材と被検体とを接着させる工程と、前記光出射部を走査しながら前記被検体に前記透過部材を介して光を照射する工程と、前記変換素子を走査しながら前記被検体内で発生する光音響波を前記透過部材を介して受信する工程と、前記変換素子から出力される受信信号から、前記被検体内の特性値情報を取得する工程と、を有し、前記受信する工程は、前記透過部材と前記音響マッチング媒体とを介して、前記光音響波を受信することを特徴とする。
また、本発明の第三に係る光音響波の測定方法は、流動性を有する音響マッチング媒体を収納する容器と、光を出射する光出射部と、光音響波を受信する変換素子と、介在することで前記光出射部と前記変換素子とが前記容器に固定される走査部と、前記容器に固定され前記光と前記光音響波を透過する透過性と粘着性とを有し前記容器に固定される透過部材と、を備える光音響装置を用いた光音響波の測定方法であって、前記透過部材と被検体とを接着させる工程と、前記光出射部を走査しながら前記被検体に前記透過部材を介して光を照射する工程と、前記変換素子を走査しながら前記被検体内で発生する光音響波を前記透過部材を介して受信する工程と、前記変換素子から出力される受信信号から、前記被検体内の特性値情報を取得する工程と、を有し、前記受信する工程において前記被験者の体動に起因した前記被検体と前記変換素子との位置ずれが軽減されるように、前記接着させる工程が行われることを特徴とする。また、本発明の第四に係る光音響波の測定方法は、流動性を有する音響マッチング媒体を収納する容器と、光を出射する光出射部と、光音響波を受信する変換素子と、介在することで前記光出射部と前記変換素子とが前記容器に固定される走査部と、前記容器に固定され前記光と前記光音響波を透過する透過性と粘着性とを有し前記容器に固定される透過部材と、を備える光音響装置を用いた光音響波の測定方法であって、前記透過部材と被検体とを接着させる工程と、前記光出射部を走査しながら前記被検体に前記透過部材を介して光を照射する工程と、前記変換素子を走査しながら前記被検体内で発生する光音響波を前記透過部材を介して受信する工程と、前記変換素子から出力される受信信号から、前記被検体内の特性値情報を取得する工程と、を有し、前記光を照射する工程において前記被験者の体動に起因した前記被検体と前記光出射部との位置ずれが軽減されるように、前記接着させる工程が行われることを特徴とする。
以下、実施形態1の被検体情報取得装置の構成及び処理について説明する。
図1は本実施形態の光音響装置の構成を示す模式図である。本実施形態の光音響装置は、光源100、光音響波を受信する変換素子101を備える探触子102及び音響マッチング媒体103が満たされた容器104を備えている。容器104の被検体側の面(以降、底面106と呼ぶ)は、容器の外側つまり被検体105に接する側には、透過性部材として、粘着性を有するフィルム部材が配置されている。
走査機構113は探触子102や光出射部108を走査し、これにより被検体105上の測定点を走査しながら光音響波測定を行う。この際、光音響波を受信するために、変換素子101の表面は音響マッチング媒体103に浸されている。また、音響マッチング媒体103は探触子102を走査するために、流動性があるものを用いる。このような音響マッチング媒体103として、水や超音波ジェル、ひまし油などが使用可能である。流動性があり音響インピーダンスが被検体に近いものであれば、これら以外の材料を使用してもよい。音響マッチング媒体103が溜められた容器104の底面106には、発生した光音響波及び照射光109を透過するフィルム部材を用いる。さらに、フィルム部材の被検体105側は粘着性を有する。この粘着性により、被検体105の表面部(例えば生体であれば皮膚)と容器104の底面は固定され、被検体の表面近傍の測定領域と容器104との位置関係は一定に保たれる。
図1においては、走査機構113は探触子102と光出射部108を走査し、これにより被検体105上の測定点を走査しながら測定を行う構成を示している。しかし、必ずしもこのような構成をとる必要はなく、被検体105上の測定点を走査しながら測定を行う事が出来ればよい。このような構成として、光出射部108からの照射光109は被検体105に広い範囲で照射し、走査機構113は探触子102のみを走査することで測定点を走査することも可能である。また、探触子102は広範囲の光音響波を受信可能なもの(例えば、フォーカス範囲の広いシングルトランスデューサーやアレイ型トランスデューサー)を用いて固定してもよい。光出射部108からの照射光109は集光させて被検体105に照射し、走査機構113は光出射部108のみを走査することで測定点を走査することも可能である。
光源100は、ナノ秒からマイクロ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源が好ましい。具体的なパルス幅としては、1〜100ナノ秒程度のパルス幅が使われる。また、波長としては400nmから1600nm程度の範囲の波長が使われる。特に、生体表面近傍の血管を高解像度でイメージングする際は可視光領域を用いることが好ましい。また、テラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。具体的な光源100としては、レーザーが好ましい。レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。特に、Nd:YAGレーザーやアレクサンドライトレーザーなどのパルスレーザーが好ましい。また、Nd:YAGレーザー光を励起光とするTi:saレーザーやOPO(Optical Parametric Oscillators)レーザーを用いてもよい。また、レーザーの代わりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。
光源100から被検体105までは、光導波部107と光出射部108により光が伝達される。光導波部105は光ファイバーを用いることが好ましい。しかし、光源100から被検体105まで光が伝達されればよいため、光導波部105及び光出射部106は、レンズ、ミラー等の光学素子を組み合わせて用いることもできる。さらに、光源100から直接被検体に光照射することも可能である。また、光音響顕微鏡においては、解像度を上げるためにレンズ等でビーム光の径をフォーカスして照射することが好ましい。一方、広い範囲に照射光109を照射する際は、光出射部106はレンズ等によりビーム光の径を広げて照射することが好ましい。
探触子102は、1つ以上の変換素子101を備える。変換素子101は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電現象を用いた圧電素子、光の共振を用いた変換素子、CMUT等の静電容量型の変換素子など、音響波を受信して電気信号に変換できるものであればどのような変換素子を用いてもよい。複数の変換素子115を備える場合は、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイ、と呼ばれるような平面又は曲面内に並ぶように配置されることが好ましい。特に、光音響顕微鏡の場合は、探触子102はフォーカス型探触子とすることが好ましい。変換素子101が一つの場合は音響レンズを変換素子101に設けることにより、音響波をフォーカスする。また、変換素子101が複数の場合は、単一の音響レンズやアレイ型の音響レンズを用いて音響波をフォーカスすることが可能であるが、各変換素子ごとに、遅延時間を調整して受信することによりフォーカスすることも可能である。また、探触子102内には、変換素子101から出力されるアナログ信号を増幅する増幅器を設けてもよい。
信号処理部111は信号収集部と信号解析部に分かれる。信号収集部としては、一般的にDAS(Data Acquisition System)と呼ばれる回路を用いることができる。具体的には、信号収集部は、受信信号を増幅する増幅器、アナログの受信信号をデジタル化するAD変換器、受信信号を記憶するメモリ等を含む。メモリは、典型的にはROM、RAM、及びハードディスクなどの記憶媒体から構成される。なお、メモリは、1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
信号解析部は、信号収集部から出力される受信信号を用いて、被検体内の特性値情報を位置毎に取得する。被検体内の特性値情報の一例として、発生した光音響波の音圧分布が挙げられる。光音響顕微鏡の場合は、信号解析部は、得られた受信信号を時間変化に対して包絡線検波した後、光パルス毎の信号における時間軸方向を奥行き方向に変換して、空間座標上にプロットする。これを走査位置毎に行うことにより、音圧分布データを構成する。一方、光音響トモグラフィーの場合は、チャネル毎の得られた受信信号を用いて画像再構成を行うことにより、2次元又は3次元の空間座標上の位置に対応する発生音圧のデータ(分布データ)を求める。画像再構成手法としては、米国特許第5713356号明細書に記載されているUniversal Back Projection(UBP)や、Filtered Back Projection(FBP)等の公知の再構成手法を用いることができる。また、整相加算(Delay and Sum)処理を用いてもよい。
制御部114についても、信号処理部111と同様にCPUやGPU等のプロセッサ、FPGAチップ等の回路を1つ又は複数組み合わせて構成することができる。また、各種測定パラメーター等を記憶するメモリを備えていてもよい。メモリは、典型的には1つ以上のROM、RAM、及びハードディスクなどの記憶媒体から構成される。
表示部115は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)、有機ELディスプレイ等のディスプレイを用いることができる。なお、表示部115は、本実施形態の光音響装置が備える構成とはせずに、別に用意して光音響装置に接続しても良い。
また、本実施形態をハンドヘルド型の光音響装置として用いることも可能である。その際は、例えば点線116で囲まれた部材を一つの筺体により保持することでハンドヘルド型の装置を構成することができる。この際、筺体116が被検体105に接する面は底面106となり、粘着性を有するフィルム部材やゲル部材を用いる。
本実施形態の測定フローを図6に示す。S501のステップでは、粘着性を有するフィルム部材の粘着面と被検体表面とを 接着し、被検体の表面近傍の測定領域と装置116とを固定する。S502のステップでは、光源100が光照射を開始して、光音響測定が開始される。S503のステップでは、走査機構113により測定点を走査しながら測定を行う。S504のステップでは、変換素子101から出力される時系列の受信信号を用いて信号処理を行い光音響画像データを作成する。S505のステップでは、S504において作成された画像データを画像表示部115に表示する。S506のステップでは、フィルム部材の粘着面を被検体から剥離する。ただし、S506の工程はS503において測定が終了した後であれば、どのタイミングで行ってもよい。
本発明の実施形態2における被検体情報取得装置の構成及び処理について説明する。
本発明の実施形態3における被検体情報取得装置の構成及び処理について説明する。
本発明の実施形態4における被検体情報取得装置の構成及び処理について説明する。
Claims (23)
- 被検体に向けて光を出射する光出射部と、
前記光が照射されることにより前記被検体内で発生する光音響波を受信する変換素子と、
前記被検体に接して配置され、前記光と前記光音響波とを透過する透過部材と、前記変換素子から出力される受信信号から前記被検体内の特性値情報を取得する信号処理部と、前記透過部材および前記変換素子のそれぞれが接するように流動性を有する音響マッチング媒体を収納する容器と、介在することで前記光出射部と前記変換素子とが前記容器に固定される走査部と、を備え、前記透過部材は、前記容器の前記被検体側において前記容器に固定されるとともに前記被検体と接する面に粘着性を有することを特徴とする光音響装置。 - 前記被検体と接する面は、0.1〜10.0(N/10mm)の粘着力を有することを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
- 前記容器は開口部が設けられており、
前記透過部材は、前記開口部と重なる位置において、前記容器に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光音響装置。 - 前記変換素子は、前記透過部材と前記音響マッチング媒体とを介して、前記被検体からの前記光音響波を受信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記容器の前記被検体側の面が前記透過部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記透過部材は、少なくとも片側に粘着性を有するフィルム部材であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記フィルム部材は、防水性を有することを特徴とする請求項6に記載の光音響装置。
- 前記フィルム部材は、フィルム状の基材と、前記基材の一方の側に設けられた粘着剤と、を有することを特徴とする請求項6または7に記載の光音響装置。
- 前記基材はポリウレタンフィルム、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニール、及び、ポリオレフィンの少なくともいずれかであり、前記粘着剤はアクリル系粘着剤であることを特徴とする請求項8に記載の光音響装置。
- 前記変換素子は、前記透過部材に接することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記透過部材は、ゲル部材を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記ゲル部材は、ポリウレタン系のゲル部材であることを特徴とする請求項11に記載の光音響装置。
- 前記被検体内の特性値情報を表示するための画像表示部を備えていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の光音響装置。
- 前記透過部材の光及び光音響波の透過率は、70%以上100%未満であることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の光音響装置。
- 光を発生する光源と、前記光源からの光を前記光出射部に導く光導波部とを、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 流動性を有する音響マッチング媒体を収納する容器と、光を出射する光出射部と、光音響波を受信する変換素子と、介在することで前記光出射部と前記変換素子とが前記容器に固定される走査部と、前記光と前記光音響波を透過する透過性と粘着性とを有し前記容器に固定される透過部材と、を備える光音響装置を用いた光音響波の測定方法であって、前記透過部材と被検体とを接着させる工程と、前記光出射部を走査しながら前記被検体に前記透過部材を介して光を照射する工程と、前記変換素子を走査しながら前記被検体内で発生する光音響波を前記透過部材を介して受信する工程と、前記変換素子から出力される受信信号から、前記被検体内の特性値情報を取得する工程と、
を有し、前記受信する工程は、前記透過部材と前記音響マッチング媒体とを介して、前記光音響波を受信することを特徴とする光音響波の測定方法。 - 流動性を有する音響マッチング媒体を収納する容器と、光を出射する光出射部と、光音響波を受信する変換素子と、介在することで前記光出射部と前記変換素子とが前記容器に固定される走査部と、前記容器に固定され前記光と前記光音響波を透過する透過性と粘着性とを有し前記容器に固定される透過部材と、を備える光音響装置を用いた光音響波の測定方法であって、
前記透過部材と被検体とを接着させる工程と、前記光出射部を走査しながら前記被検体に前記透過部材を介して光を照射する工程と、前記変換素子を走査しながら前記被検体内で発生する光音響波を前記透過部材を介して受信する工程と、前記変換素子から出力される受信信号から、前記被検体内の特性値情報を取得する工程と、
を有し、前記受信する工程において前記被験者の体動に起因した前記被検体と前記変換素子との位置ずれが軽減されるように、前記接着させる工程が行われることを特徴とする光音響波の測定方法。 - 流動性を有する音響マッチング媒体を収納する容器と、光を出射する光出射部と、光音響波を受信する変換素子と、介在することで前記光出射部と前記変換素子とが前記容器に固定される走査部と、前記容器に固定され前記光と前記光音響波を透過する透過性と粘着性とを有し前記容器に固定される透過部材と、を備える光音響装置を用いた光音響波の測定方法であって、
前記透過部材と被検体とを接着させる工程と、前記光出射部を走査しながら前記被検体に前記透過部材を介して光を照射する工程と、前記変換素子を走査しながら前記被検体内で発生する光音響波を前記透過部材を介して受信する工程と、前記変換素子から出力される受信信号から、前記被検体内の特性値情報を取得する工程と、
を有し、前記光を照射する工程において前記被験者の体動に起因した前記被検体と前記光出射部との位置ずれが軽減されるように、前記接着させる工程が行われることを特徴とする光音響波の測定方法。 - 前記透過部材は、少なくとも一方の面において前記粘着性を有しており、
前記透過部材と前記被検体とを接着させる工程は、前記粘着性を有する側の面を前記被検体に接触させて行うことを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の光音響波の測定方法。 - 前記光音響装置は、流動性を有する音響マッチング媒体を収納する容器をさらに備え、前記受信する工程は、前記透過部材と前記音響マッチング媒体とを介して、前記光音響波を受信することを特徴とする請求項17または18に記載の光音響波の測定方法。
- 前記受信する工程は、前記透過部材と前記被検体とを接着させる工程の後で行われることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の光音響波の測定方法。
- 前記受信する工程において前記被験者の体動に起因した前記被検体と前記変換素子との位置ずれが軽減されるように、前記接着させる工程が行われることを特徴とする請求項16または18に記載の光音響波の測定方法。
- 前記光を照射する工程において前記被験者の体動に起因した前記被検体と前記光出射部との位置ずれが軽減されるように、前記接着させる工程が行われることを特徴とする請求項16または17に記載の光音響波の測定方法。
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