JP2017042603A - 被検体情報取得装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体を動かすことなく、被検体の保持状態を調整する。【解決手段】挿入された被検体被検体を保持し、かつ、被検体に対して相対的に移動可能な保持部材と、挿入された被検体の位置に関する情報を取得する位置取得手段と、保持部材の位置を制御することで、被検体の保持部材に対する接触状態を調整する第一の制御手段と、被検体内から到来する音響波を受信し、被検体に対して相対的に移動可能な測定ユニットと、測定ユニットの位置を制御する第二の制御手段と、受信した音響波に基づいて、被検体内の情報を取得する情報取得手段と、過去に被検体に対する測定を行った際の、当該被検体の保持部材に対する接触状態に関する情報である履歴情報を記憶する記憶手段と、を有し、第一の制御手段は、第二の制御手段が行う制御とは独立して保持部材の位置を制御し、さらに、履歴情報に基づいて、保持部材の被検体に対する接触状態を調整する。【選択図】図1
Description
本発明は、被検体内部の情報を取得する被検体情報取得装置に関する。
近年、医療分野において、被検体内の形態情報や、生理的情報、すなわち機能情報をイメージングするための研究が進められている。このような技術の一つとして、近年、光音響トモグラフィ(PAT:PhotoAcoustic Tomography)が提案されている。
パルスレーザ光などの光を被検体である生体に照射すると、光が被検体内の生体組織で吸収される際に音響波(典型的には超音波)が発生する。この現象を光音響効果と呼び、光音響効果により発生した音響波を光音響波と呼ぶ。被検体を構成する組織は、光エネルギーの吸収率がそれぞれ異なるため、発生する光音響波の音圧も異なったものとなる。PATでは、発生した光音響波を探触子で受信し、受信信号を数学的に解析することにより、被検体内の光学特性値の分布を画像化することができる。
光学特性値の分布とは、例えば、光吸収によって発生する音圧の分布(初期音圧分布)や、光の吸収係数分布などである。また、互いに異なる波長を有する複数のパルス光を照射して、波長毎の光の吸収係数を求めることにより、被検体内に存在する物質の濃度関連分布(物質の濃度に関する値の分布)を得ることもできる。
被検体にパルス光を照射する際、被検体が大きく移動ないし変形すると、取得する画像データに歪みやボケが生じる。歪みやボケが生じると、取得する光学特性値に関する分布の算出精度が低下し、画像データの信頼性低下の原因となる。この歪みやボケを低減するためには、測定中において被検体が移動、変形しないように保持する必要がある。
これに関連する技術として、特許文献1には、被検体である乳房をプラスチック製のカップを用いて保持し、測定を行う光音響装置が開示されている。
また、特許文献2には、カップ状の保持部材を、被検部位に対して相対的に移動させる移動機構を備える装置が開示されている。
これに関連する技術として、特許文献1には、被検体である乳房をプラスチック製のカップを用いて保持し、測定を行う光音響装置が開示されている。
また、特許文献2には、カップ状の保持部材を、被検部位に対して相対的に移動させる移動機構を備える装置が開示されている。
カップ等の保持部材を用いて被検体の保持を行う場合、被検体と保持部材との接触状態が測定の精度に大きく影響することがある。例えば、保持部材が、乳房の形に沿ったカップ状の部材である場合、カップの中心と乳房の中心がずれていると、隙間が均一にならず、音響波の伝播経路の特性にばらつきが出てしまい、結果として測定精度が落ちてしまう。
これを防ぐためには、被検体の保持状態を確認し、必要に応じて修正しなければならない。例えば、特許文献1に記載の装置によると、挿入した被検体の位置を、カメラを用いて確認し、確認結果に基づいて被検体の位置を再調整することができる。
これを防ぐためには、被検体の保持状態を確認し、必要に応じて修正しなければならない。例えば、特許文献1に記載の装置によると、挿入した被検体の位置を、カメラを用いて確認し、確認結果に基づいて被検体の位置を再調整することができる。
しかし、乳房を挿入して測定を行う装置では、位置の再調整が被検者にとって負担となる場合がある。例えば、伏臥位で測定を行う装置の場合、被検者が一旦起き上がって再度
伏臥位をとらなければならない。
伏臥位をとらなければならない。
一方、特許文献2に記載の装置によると、保持部材を動かすことにより、被検部位と保持部材とを精度よく位置合わせすることが可能となる。
ところで、たとえば病状の経過を観察するために、同一の被検部位を、日を変えて測定することがある。この場合、互いの測定条件が近いほど、被検体情報同士の比較を行いやすく、観察者にとって有用な情報が得られやすいと考えられる。
特許文献1および2に記載の発明においては、被検体の測定条件を、過去に測定を行った際の条件に近づけるという点において改善の余地があった。
ところで、たとえば病状の経過を観察するために、同一の被検部位を、日を変えて測定することがある。この場合、互いの測定条件が近いほど、被検体情報同士の比較を行いやすく、観察者にとって有用な情報が得られやすいと考えられる。
特許文献1および2に記載の発明においては、被検体の測定条件を、過去に測定を行った際の条件に近づけるという点において改善の余地があった。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、被検体の保持状態を調整するとともに、測定条件を、過去に測定を行った際の条件に近づけることができる被検体情報取得装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための、本発明に係る被検体情報取得装置は、
挿入された被検体に接触することで当該被検体を保持し、かつ、前記被検体に対して相対的に移動可能な保持部材と、挿入された被検体の位置に関する情報を取得する位置取得手段と、前記保持部材の位置を制御することで、前記被検体の保持部材に対する接触状態を調整する第一の制御手段と、前記被検体内から到来する音響波を受信し、前記被検体に対して相対的に移動可能な測定ユニットと、前記測定ユニットの位置を制御する第二の制御手段と、前記受信した音響波に基づいて、前記被検体内の情報を取得する情報取得手段と、過去に被検体に対する測定を行った際の、当該被検体の保持部材に対する接触状態に関する情報である履歴情報を記憶する記憶手段と、を有し、前記第一の制御手段は、前記第二の制御手段が行う制御とは独立して前記保持部材の位置を制御し、さらに、前記履歴情報に基づいて、前記保持部材の被検体に対する接触状態を調整することを特徴とする。
また、本発明の別形態に係る被検体情報取得装置は、
被検体内から到来する音響波を受信する測定ユニットと、被検体に接触することで当該被検体を保持し、かつ、前記測定ユニットに対して相対的に移動可能な保持部材と、前記被検体の位置に関する情報を取得する位置取得手段と、前記保持部材の位置を制御することで、前記被検体の位置を調整する制御手段と、前記受信した音響波に基づいて、前記被検体内の情報を取得する情報取得手段と、過去に被検体に対する測定を行った際の、当該被検体の位置に関する情報である履歴情報を記憶する記憶手段と、を有し、前記制御手段は、前記履歴情報に基づいて、前記測定ユニットに対する前記被検体の相対位置を調整することを特徴とする。
挿入された被検体に接触することで当該被検体を保持し、かつ、前記被検体に対して相対的に移動可能な保持部材と、挿入された被検体の位置に関する情報を取得する位置取得手段と、前記保持部材の位置を制御することで、前記被検体の保持部材に対する接触状態を調整する第一の制御手段と、前記被検体内から到来する音響波を受信し、前記被検体に対して相対的に移動可能な測定ユニットと、前記測定ユニットの位置を制御する第二の制御手段と、前記受信した音響波に基づいて、前記被検体内の情報を取得する情報取得手段と、過去に被検体に対する測定を行った際の、当該被検体の保持部材に対する接触状態に関する情報である履歴情報を記憶する記憶手段と、を有し、前記第一の制御手段は、前記第二の制御手段が行う制御とは独立して前記保持部材の位置を制御し、さらに、前記履歴情報に基づいて、前記保持部材の被検体に対する接触状態を調整することを特徴とする。
また、本発明の別形態に係る被検体情報取得装置は、
被検体内から到来する音響波を受信する測定ユニットと、被検体に接触することで当該被検体を保持し、かつ、前記測定ユニットに対して相対的に移動可能な保持部材と、前記被検体の位置に関する情報を取得する位置取得手段と、前記保持部材の位置を制御することで、前記被検体の位置を調整する制御手段と、前記受信した音響波に基づいて、前記被検体内の情報を取得する情報取得手段と、過去に被検体に対する測定を行った際の、当該被検体の位置に関する情報である履歴情報を記憶する記憶手段と、を有し、前記制御手段は、前記履歴情報に基づいて、前記測定ユニットに対する前記被検体の相対位置を調整することを特徴とする。
本発明によれば、被検体の保持状態を調整するとともに、測定条件を、過去に測定を行った際の条件に近づけることができる被検体情報取得装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、実施形態の説明で用いる数値や材質、詳細な装置の構成は、あくまで一例であり、発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、パルス光を被検体に照射し、当該パルス光に起因して、被検体内で発生した光音響波を受信および解析することで、被検体内の光学特性に関連した情報(以下、特性情報)を画像化する装置である。
なお、本明細書において、「光音響波」とは、光を吸収することにより発生する音響波を示し、光吸収することにより発生する「音響波」、「超音波」、「音波」、「弾性波」、「光超音波」と呼ばれるものを含む。
また、特性情報とは、光エネルギーの吸収率を反映した情報であり、例えば、音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、当該初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度情報などである。
物質の濃度情報とは、複数波長分の特性情報を用いて求められる、被検体内に存在する物質の濃度に関係する情報であり、例えば、酸素飽和度分布、トータルヘモグロビン濃度分布、酸化ヘモグロビン濃度分布、還元ヘモグロビン濃度分布などである。さらに、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率などであってもよい。これらの情報は、二次元又は三次元の分布データとして生成され、画像によって出力される。
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、パルス光を被検体に照射し、当該パルス光に起因して、被検体内で発生した光音響波を受信および解析することで、被検体内の光学特性に関連した情報(以下、特性情報)を画像化する装置である。
なお、本明細書において、「光音響波」とは、光を吸収することにより発生する音響波を示し、光吸収することにより発生する「音響波」、「超音波」、「音波」、「弾性波」、「光超音波」と呼ばれるものを含む。
また、特性情報とは、光エネルギーの吸収率を反映した情報であり、例えば、音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、当該初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度情報などである。
物質の濃度情報とは、複数波長分の特性情報を用いて求められる、被検体内に存在する物質の濃度に関係する情報であり、例えば、酸素飽和度分布、トータルヘモグロビン濃度分布、酸化ヘモグロビン濃度分布、還元ヘモグロビン濃度分布などである。さらに、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率などであってもよい。これらの情報は、二次元又は三次元の分布データとして生成され、画像によって出力される。
なお、本実施形態における光音響測定装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって、被検体としては生体の一部、具体的には人や動物の一部位(乳房、臓器、循環器、消化器、骨、筋肉、脂肪等)の検査対象が想定される。また、検査対象の物質としては、ヘモグロビン、グルコース、また、体内に存在する水、メラニン、コラーゲン、脂質などを含む。さらには、体内に投与されたICG(インドシアニン・グリーン)等の造影剤等、光の吸収スペクトルが特徴的な物質であればよい。
<システム構成>
図1は、第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、光照射部10、被検体保持部20、複数の音響素子を備えた探触子ユニット30、信号処理部40、状態測定部50、位置制御部60、表示制御部70、表示部80、筐体90を有する。図1を参照しながら、各構成要素について説明する。
図1は、第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、光照射部10、被検体保持部20、複数の音響素子を備えた探触子ユニット30、信号処理部40、状態測定部50、位置制御部60、表示制御部70、表示部80、筐体90を有する。図1を参照しながら、各構成要素について説明する。
<<光照射部10>>
光照射部10は、パルス光を発生させ、被検体に照射する手段であり、光源と照射光学系からなる。
光源は、大出力を得るためレーザ光源であることが望ましいが、レーザの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプ等を用いることもできる。光源としてレーザを用いる場合、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なものが使用できる。
理想的には、出力が強く連続的に波長を変えられる、Nd:YAG励起のTi:saレ
ーザや、OPO(Optical Parametric Oscillators)レーザ、アレキサンドライトレーザ
等を用いるとよい。また、異なる波長の単波長レーザを複数有していてもよい。
照射のタイミング、波形、強度等は不図示の光源制御部によって制御される。この光源制御部は、光源と一体化されていても良い。
光照射部10は、パルス光を発生させ、被検体に照射する手段であり、光源と照射光学系からなる。
光源は、大出力を得るためレーザ光源であることが望ましいが、レーザの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプ等を用いることもできる。光源としてレーザを用いる場合、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なものが使用できる。
理想的には、出力が強く連続的に波長を変えられる、Nd:YAG励起のTi:saレ
ーザや、OPO(Optical Parametric Oscillators)レーザ、アレキサンドライトレーザ
等を用いるとよい。また、異なる波長の単波長レーザを複数有していてもよい。
照射のタイミング、波形、強度等は不図示の光源制御部によって制御される。この光源制御部は、光源と一体化されていても良い。
また、パルス光の波長は、被検体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長であって、被検体内部まで光が伝搬する波長であることが望ましい。具体的には、被検体が生体である場合、400nm以上1600nm以下であることが望ましい。
特に、生体の深部をイメージングする際には、生体の背景組織において吸収が少ない、「生体の窓」と呼ばれる波長帯域の光を用いるとよい。具体的には、700nm以上1100nm以下の波長域が好ましい。一方、生体表面近傍の血管を高解像度でイメージングする際は可視光領域を用いることが好ましい。ただし、テラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
特に、生体の深部をイメージングする際には、生体の背景組織において吸収が少ない、「生体の窓」と呼ばれる波長帯域の光を用いるとよい。具体的には、700nm以上1100nm以下の波長域が好ましい。一方、生体表面近傍の血管を高解像度でイメージングする際は可視光領域を用いることが好ましい。ただし、テラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
また、光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体である場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は1ナノから100ナノ秒程度が好適である。
なお、光照射部で発生したパルス光は、光ファイバ、レンズ、ミラー、拡散板等の光を伝搬する部材(光学部材)により被検体に導かれることが好ましい。また、パルス光を導く際に、これらの光学部材を用いて、パルス光のスポット形状や光密度を変更するようにしてもよい。本実施形態では、光照射部10で発生したパルス光は、後述する探触子ユニット30の底面に設けられた開口部を通して被検体に照射される。
<<被検体保持部20>>
本実施形態に係る光音響測定装置は、図7に示したように、伏臥位をとった被検者が筐体90に設けられた開口部に乳房を挿入して測定を行う。
被検体保持部20は、筐体90に設けられた開口部に設置された、被検体を保持する手段である。本実施形態では、被検体保持部20は、円弧型のお椀形状をした保持部材21と、保持部材21の外縁に取り付けられたリング状の枠部材22と、枠部材22と筐体90とを接続するゴム部材23からなる。
また、保持部材21は、後述する位置制御部60からの指令に基づいて、図中のXYZ方向に三次元的に移動可能な構成となっている。すなわち、保持部材21は、ゴム部材23の伸縮によって、筐体90に対する相対位置を変化させることができる。本実施形態では、保持部材21を三次元的に移動させることで、被検体と保持部材との接触状態を調整することができる。
保持部材21は、被検体に照射する光を透過させるため、光の透過率が高い部材であることが好ましい。また、被検体内から到来する光音響波を透過させるために、被検体と音響インピーダンスが近い材料を用いることが好ましい。このような材料の例として、例えばポリメチルペンテンやポリエステルなどが挙げられる。
本実施形態に係る光音響測定装置は、図7に示したように、伏臥位をとった被検者が筐体90に設けられた開口部に乳房を挿入して測定を行う。
被検体保持部20は、筐体90に設けられた開口部に設置された、被検体を保持する手段である。本実施形態では、被検体保持部20は、円弧型のお椀形状をした保持部材21と、保持部材21の外縁に取り付けられたリング状の枠部材22と、枠部材22と筐体90とを接続するゴム部材23からなる。
また、保持部材21は、後述する位置制御部60からの指令に基づいて、図中のXYZ方向に三次元的に移動可能な構成となっている。すなわち、保持部材21は、ゴム部材23の伸縮によって、筐体90に対する相対位置を変化させることができる。本実施形態では、保持部材21を三次元的に移動させることで、被検体と保持部材との接触状態を調整することができる。
保持部材21は、被検体に照射する光を透過させるため、光の透過率が高い部材であることが好ましい。また、被検体内から到来する光音響波を透過させるために、被検体と音響インピーダンスが近い材料を用いることが好ましい。このような材料の例として、例えばポリメチルペンテンやポリエステルなどが挙げられる。
<<探触子ユニット30>>
探触子ユニット30(本発明における測定ユニット)は、被検体内部で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する手段であり、表面に複数の音響素子を配置した部材である。音響素子は、探触子、音響波探触子、音響波検出器、音響波受信器、トランスデューサとも呼ばれる。
生体から発生する音響波は、100KHzから100MHzの超音波であるため、探触子ユニット30が有する音響素子には、上記の周波数帯を受信できる素子を用いる。具体的には、圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなどを用いることができる。
探触子ユニット30(本発明における測定ユニット)は、被検体内部で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する手段であり、表面に複数の音響素子を配置した部材である。音響素子は、探触子、音響波探触子、音響波検出器、音響波受信器、トランスデューサとも呼ばれる。
生体から発生する音響波は、100KHzから100MHzの超音波であるため、探触子ユニット30が有する音響素子には、上記の周波数帯を受信できる素子を用いる。具体的には、圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなどを用いることができる。
また、音響素子は、感度が高く、周波数帯域が広いものを用いることが望ましい。具体的にはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などを用いた圧電素子、CMUT(容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ)、ファブリペロー干渉計を用いたものなどが挙げられる。ただし、ここに挙げたものだけに限定されず、探触子としての機能を満たすものであれば、どのようなものであってもよい。
本実施形態では、探触子ユニット30は、図1に示したような半球状の形状をしており、その表面(半球の内面)に複数の音響素子が配列されている。複数の位置で同時に音響波を受信することで、測定時間を短縮することができ、被検体の振動などの影響を低減することができる。これらの音響素子は、被検体で発生する光音響波を効率よく受信できるように位置および向きが調整されたものであることが好ましい。
また、探触子ユニット30の底部には、光照射部10から出射したパルス光を通過させるための開口部が設けられている。
また、探触子ユニット30の底部には、光照射部10から出射したパルス光を通過させるための開口部が設けられている。
また、探触子ユニット30は、後述する位置制御部60からの指令に基づいて、被検体を挿入する方向に対して垂直な平面内で(図中のXY方向)可動する構成となっている。このように構成することで、被検体に対して相対的に異なる複数の位置で音響波を受信することができ、精度よく情報を取得することができる。なお、パルス光が出射する照射光学系の端部と探触子ユニット30は同期して移動する構成であることが好ましい。また、探触子ユニット30内に、音響素子から出力されたアナログ信号を増幅する増幅器を設けてもよい。
なお、探触子ユニット30は、ユーザが把持して動かすハンドヘルド型のプローブであってもよい。また、音響素子の配列は、例えば、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイ、と呼ばれるような配置であってもよい。また、本発明を光音響顕微鏡に適用する場合、探触子ユニット30はフォーカス型プローブであることが好ましく、被検体の表面に沿って機械的に移動できるものであることが好ましい。
<<信号処理部40・表示制御部70>>
信号処理部40は、取得した電気信号を増幅してデジタル信号に変換し、被検体内の光吸収特性に関連した分布データを生成する手段である。
信号処理部40は、一般的にDAS(Data Acquisition System)と呼ばれる回路と、
CPU、MPU、GPU等のプロセッサを用いて構成することができる。また、信号処理部40は、受信信号を増幅する増幅器、アナログの受信信号をデジタル変換するA/D変換器、受信信号を記憶するFIFO、RAM等のメモリ等と、FPGAチップ等の演算回路を用いて構成されてもよい。また、信号処理部40は、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。
信号処理部40は、取得した電気信号を増幅してデジタル信号に変換し、被検体内の光吸収特性に関連した分布データを生成する手段である。
信号処理部40は、一般的にDAS(Data Acquisition System)と呼ばれる回路と、
CPU、MPU、GPU等のプロセッサを用いて構成することができる。また、信号処理部40は、受信信号を増幅する増幅器、アナログの受信信号をデジタル変換するA/D変換器、受信信号を記憶するFIFO、RAM等のメモリ等と、FPGAチップ等の演算回路を用いて構成されてもよい。また、信号処理部40は、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。
また、信号処理部40は、受信信号を記憶するメモリを備えていてもよい。メモリは、典型的にはROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。なお、メモリは、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。例えば、一つ以上のROM、RAM、ハードディスクなどの記憶媒体から構成することができる。
表示制御部70は、本発明における画像提供手段であり、信号処理部40が生成したデータに基づいて、ユーザに提供する画像を生成する手段である。具体的には、被検体情報を表す画像の生成、生成した画像に対する処理(輝度変換、歪補正、対数圧縮処理など)を行う。さらに、生成した複数の画像や表示アイテムを並べて、ユーザインタフェース画面を生成する処理などを行う。
図2は、本実施形態における信号処理部40の構成を例示する図である。本実施形態で
は、信号処理部40は、DAS201、メモリ202、CPU203、GPU204を有している。なお、本実施形態では、信号処理部40と、後述する表示制御部70を同一のハードウェアを用いて実現している。
DAS201は、探触子ユニット30が有する複数の音響素子から信号を収集する手段である。DAS201によって収集されたデジタル信号はメモリ202に記憶される。
CPU203は、信号処理部40および表示制御部70の制御を司る手段である。例えば、メモリ202に記憶されたデジタル信号に対する、積算処理や補正処理などの信号処理、処理後のデジタル信号のメモリ202への書き戻し、GPU204の制御などを行う。
GPU204は、メモリ202に書き込まれた処理後のデジタル信号に基づいて、特性分布データを生成する手段である。また、GPU204は、生成された特性分布データに対して、輝度変換、歪補正、注目領域の切り出しなどの各種処理を行い、画像データを生成する手段でもある。なお、本実施形態では、CPU203およびGPU204を利用しているが、同様の処理をCPU203のみを用いて実行してもよい。
は、信号処理部40は、DAS201、メモリ202、CPU203、GPU204を有している。なお、本実施形態では、信号処理部40と、後述する表示制御部70を同一のハードウェアを用いて実現している。
DAS201は、探触子ユニット30が有する複数の音響素子から信号を収集する手段である。DAS201によって収集されたデジタル信号はメモリ202に記憶される。
CPU203は、信号処理部40および表示制御部70の制御を司る手段である。例えば、メモリ202に記憶されたデジタル信号に対する、積算処理や補正処理などの信号処理、処理後のデジタル信号のメモリ202への書き戻し、GPU204の制御などを行う。
GPU204は、メモリ202に書き込まれた処理後のデジタル信号に基づいて、特性分布データを生成する手段である。また、GPU204は、生成された特性分布データに対して、輝度変換、歪補正、注目領域の切り出しなどの各種処理を行い、画像データを生成する手段でもある。なお、本実施形態では、CPU203およびGPU204を利用しているが、同様の処理をCPU203のみを用いて実行してもよい。
<<記録部100>>
記録部100は、測定を行った際の被検体の状態や、測定の条件(請求項における履歴情報)を保持する手段である。例えば、接触状態の調整後の特徴点の座標や、調整を行った後の保持部材21(あるいは探触子ユニット30)の位置を表す情報、カメラによって撮像された被検体画像を記憶し保持する。この他にも、被検体の形状を表すデータや、被検者の体位や体勢を表すデータなどを記憶してもよい。
また、本実施形態では、位置制御部60が、記録部100に記録された情報に基づいて、保持部材21の位置を自動調整する機能を有している。また、表示制御部70が、記録部100に記録された情報をユーザに提示する機能を有している。例えば、過去に測定を行った際の被検体画像を、現在の被検体画像と並べて表示する。詳細な処理については後述する。
記録部100は、測定を行った際の被検体の状態や、測定の条件(請求項における履歴情報)を保持する手段である。例えば、接触状態の調整後の特徴点の座標や、調整を行った後の保持部材21(あるいは探触子ユニット30)の位置を表す情報、カメラによって撮像された被検体画像を記憶し保持する。この他にも、被検体の形状を表すデータや、被検者の体位や体勢を表すデータなどを記憶してもよい。
また、本実施形態では、位置制御部60が、記録部100に記録された情報に基づいて、保持部材21の位置を自動調整する機能を有している。また、表示制御部70が、記録部100に記録された情報をユーザに提示する機能を有している。例えば、過去に測定を行った際の被検体画像を、現在の被検体画像と並べて表示する。詳細な処理については後述する。
<<被検体101>>
被検体101は本発明における光音響測定装置の一部を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響測定装置は、血管の撮影、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。被検体内部の光吸収体としては、使用する光の波長にもよるが、被検体内で相対的に吸収係数が高いものである。具体的には水や脂肪、タンパク質、酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビンなどが挙げられる。
被検体101は本発明における光音響測定装置の一部を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響測定装置は、血管の撮影、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。被検体内部の光吸収体としては、使用する光の波長にもよるが、被検体内で相対的に吸収係数が高いものである。具体的には水や脂肪、タンパク質、酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビンなどが挙げられる。
<<状態測定部50>>
状態測定部50は、本発明における位置取得手段であり、挿入された被検体上の所定の領域に関する位置情報を取得する手段である。本実施形態では、状態測定部50は、探触子ユニット30底部の、パルス光の照射を支障しない位置に設けられており、RGBカメラを用いて被検体を撮像したうえで、取得した画像中から乳頭を検出し、その座標を、撮像した画像とともに出力する。
なお、本実施形態では、状態測定部50は、乳頭を表す点の座標を出力するが、乳頭以外の特徴点(例えば、被検体に貼られたマーカ等)に対応する座標を出力するようにしてもよい。また、対象は特徴点に限られず、被検体上の領域の位置を表す情報を出力するようにしてもよい。
また、挿入された被検体の位置に関する情報を取得することができれば、カメラではなく距離センサなどを用いてもよい。状態測定部50が取得した位置情報と画像は、後述する位置制御部60へ送信され、保持部材21の位置調整の用に供される。
状態測定部50は、本発明における位置取得手段であり、挿入された被検体上の所定の領域に関する位置情報を取得する手段である。本実施形態では、状態測定部50は、探触子ユニット30底部の、パルス光の照射を支障しない位置に設けられており、RGBカメラを用いて被検体を撮像したうえで、取得した画像中から乳頭を検出し、その座標を、撮像した画像とともに出力する。
なお、本実施形態では、状態測定部50は、乳頭を表す点の座標を出力するが、乳頭以外の特徴点(例えば、被検体に貼られたマーカ等)に対応する座標を出力するようにしてもよい。また、対象は特徴点に限られず、被検体上の領域の位置を表す情報を出力するようにしてもよい。
また、挿入された被検体の位置に関する情報を取得することができれば、カメラではなく距離センサなどを用いてもよい。状態測定部50が取得した位置情報と画像は、後述する位置制御部60へ送信され、保持部材21の位置調整の用に供される。
<<位置制御部60>>
位置制御部60は、保持部材21および探触子ユニット30の位置を制御する手段である。具体的には、保持部材21の位置を制御することで、被検体と保持部材との接触状態を調整し、探触子ユニット30の位置を制御することで、被検体に対する走査を行う。具体的な方法については後述する。
位置制御部60は、保持部材21および探触子ユニット30の位置を制御する手段である。具体的には、保持部材21の位置を制御することで、被検体と保持部材との接触状態を調整し、探触子ユニット30の位置を制御することで、被検体に対する走査を行う。具体的な方法については後述する。
<<表示部80>>
表示部80は、画像を表示する手段であり、例えば、液晶、CRT、有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置である。なお、表示部80は、本発明に係る被検体情報取得装置の必須構成ではない。
表示部80は、画像を表示する手段であり、例えば、液晶、CRT、有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置である。なお、表示部80は、本発明に係る被検体情報取得装置の必須構成ではない。
<接触状態の調整方法>
次に、図3および図4を参照して、挿入された被検体と保持部材との接触状態を調整する方法について説明する。
図3(A)は、被検体101を装置に挿入した状態を表した図である。図からもわかるように、本例では、乳頭102と保持部材21の中心(点線)とがずれた状態となっている。この状態において、被検体101(乳房)を保持部材に接触させると、図中の左側では被検体と保持部材が密着した状態となり、図中の右側では隙間ができた状態となる。すなわち、音響波の伝播経路の特性が均一とならないため、取得した被検体情報の精度が低下してしまう。
そこで、本実施形態に係る光音響測定装置は、このような場合に、位置制御部60を用いて保持部材21を移動させ、図3(B)のような状態に修正する。これにより、被検体と保持部材との接触状態を均一化させることができる。
次に、図3および図4を参照して、挿入された被検体と保持部材との接触状態を調整する方法について説明する。
図3(A)は、被検体101を装置に挿入した状態を表した図である。図からもわかるように、本例では、乳頭102と保持部材21の中心(点線)とがずれた状態となっている。この状態において、被検体101(乳房)を保持部材に接触させると、図中の左側では被検体と保持部材が密着した状態となり、図中の右側では隙間ができた状態となる。すなわち、音響波の伝播経路の特性が均一とならないため、取得した被検体情報の精度が低下してしまう。
そこで、本実施形態に係る光音響測定装置は、このような場合に、位置制御部60を用いて保持部材21を移動させ、図3(B)のような状態に修正する。これにより、被検体と保持部材との接触状態を均一化させることができる。
保持部材21の移動量および移動方向を決定する方法について説明する。
装置はまず、状態測定部50を用いて被検体の位置を測定する。位置の測定は、例えば、ユーザの入力をトリガとして開始してもよいし、被検体保持部(例えばリング状の枠部材22)に圧力センサを設け、センサが所定の重さを検知した際に開始してもよい。また、被検体を連続して撮像し、被検体の動きが止まったことを検知して開始してもよい。
また、状態測定部50は、前述したように、被検体の画像(以下、被検体画像)を取得し、当該被検体画像に基づいて乳頭の座標を取得したうえで、取得した座標を被検体画像とともに表示制御部70に送信する。
装置はまず、状態測定部50を用いて被検体の位置を測定する。位置の測定は、例えば、ユーザの入力をトリガとして開始してもよいし、被検体保持部(例えばリング状の枠部材22)に圧力センサを設け、センサが所定の重さを検知した際に開始してもよい。また、被検体を連続して撮像し、被検体の動きが止まったことを検知して開始してもよい。
また、状態測定部50は、前述したように、被検体の画像(以下、被検体画像)を取得し、当該被検体画像に基づいて乳頭の座標を取得したうえで、取得した座標を被検体画像とともに表示制御部70に送信する。
次に、表示制御部70が、取得した座標と被検体画像に基づいて、ユーザに提供する画面を生成する。図4は、表示制御部70が生成した画面の例である。表示制御部70は、取得した被検体画像に、乳頭を表すマーカを重畳して、保持部材21と被検体との位置関係を表した画像を生成し、表示部80に出力する。なお、符号103で示された矩形が、状態測定部50が検出した乳頭の位置を表す図形である(矩形内の+印は乳頭の中心を表す)。また、表示制御部70は、保持部材21の中心点を表すマーカを画像に重畳する。符号104で示された領域が、保持部材の中心点である。
なお、情報および画像は周期的に更新される。すなわち、画面上では乳頭がリアルタイムでトラッキングされている状態となる。なお、図4では二次元のデータを表示しているが、状態測定部50が距離センサを用いている場合など、奥行き方向のデータが取得可能な場合、三次元のデータを表示するようにしてもよい。
なお、情報および画像は周期的に更新される。すなわち、画面上では乳頭がリアルタイムでトラッキングされている状態となる。なお、図4では二次元のデータを表示しているが、状態測定部50が距離センサを用いている場合など、奥行き方向のデータが取得可能な場合、三次元のデータを表示するようにしてもよい。
なお、状態測定部50が行う乳頭の検出は、既知の方法で行うことができる。例えば、乳頭の画像を予め記憶させておき、パターンマッチング等によって行ってもよい。また、状態測定部50は、必ずしも乳頭をトラッキングの対象としなくてもよく、トラッキングの対象をユーザに選択させてもよい。例えば、カメラが取得した画像を、表示部80を介してユーザに提供し、不図示の入力手段を介して、トラッキング対象の箇所(以下、特徴点)を指定させるようにしてもよい。特徴点は、例えば、乳頭やシール状のマーカであっ
てもよいし、その他の構造物であってもよい。
てもよいし、その他の構造物であってもよい。
次に、状態測定部50が取得した情報(乳頭の座標)に基づいて、位置制御部60が、被検体保持部20を移動させる方法について説明する。
位置制御部60は、取得した特徴点の座標が、測定開始時に特徴点が含まれているべき領域(以下、測定開始可能領域)に含まれているか否かを判定する。例えば、図4の例の場合、乳頭の中心を表す+印が、領域104の内部にあるか否かを判定する。なお、測定開始可能領域は、三次元的な領域であってもよいし、二次元的な領域であってもよい。
位置制御部60は、取得した特徴点の座標が、測定開始時に特徴点が含まれているべき領域(以下、測定開始可能領域)に含まれているか否かを判定する。例えば、図4の例の場合、乳頭の中心を表す+印が、領域104の内部にあるか否かを判定する。なお、測定開始可能領域は、三次元的な領域であってもよいし、二次元的な領域であってもよい。
なお、本実施形態では、状態測定部50が特徴点の座標を取得するが、対象は必ずしも点でなくてもよい。例えば、被検体上にある所定の領域についての位置情報を取得してもよい。この場合、当該領域が測定開始可能領域に完全に含まれている場合に肯定判定をしてもよいし、一部が含まれている場合に肯定判定をしてもよい。
ここでは、測定開始可能領域を、保持部材21の中心から半径2cmの円領域とし、乳頭の中心座標が、二次元的な測定開始可能領域内に含まれているかを判定する。
ここで、乳頭の中心座標が測定開始可能領域に含まれている場合、探触子ユニット30を適切な位置まで移動したうえで、光源からパルス光を照射し、測定を開始する。また、乳頭の中心座標が測定開始可能領域に含まれていない場合、以下の方法によって、保持部材21を移動させる。
ここで、乳頭の中心座標が測定開始可能領域に含まれている場合、探触子ユニット30を適切な位置まで移動したうえで、光源からパルス光を照射し、測定を開始する。また、乳頭の中心座標が測定開始可能領域に含まれていない場合、以下の方法によって、保持部材21を移動させる。
まず、保持部材21を一旦被検体から離れる方向(すなわちZ軸負方向)に移動させ、次いで、XY平面内で移動させ、最後に、再度被検体に近づく方向(Z軸正方向)に移動させる。このようにすることで、被検者にとって不快感を与えることなく接触状態の調整を行うことができる。なお、被検者に痛みなどの不快感を与えない程度であれば、保持部材21を三次元的に自由に移動させてもよい。
なお、保持部材21を移動させてもなお、乳頭の中心座標が測定開始可能領域の内部に到達できない場合、その旨をユーザに通知してもよいし、最も近い位置まで移動させたのちに測定を開始するようにしてもよい。
<被検体の測定方法>
次に、本実施形態に係る光音響測定装置によって、被検体である乳房を測定する方法について、測定フローチャートである図5を参照しながら説明する。
まず、ステップS11で、装置の筐体に設けられた挿入口に被検体を挿入し、保持部材21に当接させる。
次に、ステップS12で、被検体上の特徴点(乳頭)のトラッキングを開始する。トラッキングは、例えば、圧力センサなどの出力をトリガとして開始してもよいし、ユーザの操作によって開始してもよい。
次に、ステップS13で、特徴点(乳頭の中心)が測定開始可能領域に含まれているか判断する。この結果、肯定判定となった場合はステップS15へ遷移し、否定判定となった場合はステップS14へ遷移する。
次に、本実施形態に係る光音響測定装置によって、被検体である乳房を測定する方法について、測定フローチャートである図5を参照しながら説明する。
まず、ステップS11で、装置の筐体に設けられた挿入口に被検体を挿入し、保持部材21に当接させる。
次に、ステップS12で、被検体上の特徴点(乳頭)のトラッキングを開始する。トラッキングは、例えば、圧力センサなどの出力をトリガとして開始してもよいし、ユーザの操作によって開始してもよい。
次に、ステップS13で、特徴点(乳頭の中心)が測定開始可能領域に含まれているか判断する。この結果、肯定判定となった場合はステップS15へ遷移し、否定判定となった場合はステップS14へ遷移する。
ステップS14では、位置制御部60を介して保持部材21の位置を移動させる。なお、必要な移動量を算出して一度に移動させてもよいし、一定時間または一定距離移動するごとにステップS13へ遷移し、条件を満たしたか否かを周期的に判定するようにしてもよい。いずれの場合も、特徴点が測定開始可能領域の内部に到達すると、処理はステップS15へ遷移する。
ステップS15では、被検体保持部20の位置に応じて、探触子ユニット30を適切な位置に移動させる。次に、ステップS16で、被検体に対する測定を開始する。
ステップS15では、被検体保持部20の位置に応じて、探触子ユニット30を適切な位置に移動させる。次に、ステップS16で、被検体に対する測定を開始する。
被検体の測定方法について説明する。
まず、光照射部10から発せられたパルス光を被検体に照射する。パルス光は、ファイバやレンズ等の光伝搬部材(不図示)を介して被検体にそれぞれ異なる時間に照射される。照射された光は、被検体内を伝搬・拡散し、被検体内に存在する物質において吸収される。生体内部を伝搬した光のエネルギーの一部が血液などの光吸収体に吸収されると、熱膨張により当該光吸収体から音響波が発生する。生体内にがんが存在する場合は、がんの新生血管において他の正常部の血液と同様に光が特異的に吸収され、音響波が発生する。
まず、光照射部10から発せられたパルス光を被検体に照射する。パルス光は、ファイバやレンズ等の光伝搬部材(不図示)を介して被検体にそれぞれ異なる時間に照射される。照射された光は、被検体内を伝搬・拡散し、被検体内に存在する物質において吸収される。生体内部を伝搬した光のエネルギーの一部が血液などの光吸収体に吸収されると、熱膨張により当該光吸収体から音響波が発生する。生体内にがんが存在する場合は、がんの新生血管において他の正常部の血液と同様に光が特異的に吸収され、音響波が発生する。
つまり、第1の時間に照射した光により第1の光音響波が発生し、第2の時間に照射した光により第2の光音響波が発生する。発生した光音響波は、被検体内を伝搬し探触子に到達する。なお、探触子は、被検体と音響的にマッチングするよう設けられている。
複数の探触子の各々は、光音響波を受信することにより時系列の信号を出力する。つまり、第1の光音響波を受信することにより時系列形式の第1の信号を出力し、第2の光音響波を受信することにより、時系列の第2の信号を出力する。出力された信号は、信号処理部40に入力される。
本実施形態に係る光音響測定装置は、探触子ユニット30の位置をずらしながらパルス光の照射および音響波の受信を行う。すなわち、信号処理部40には、複数の位置に対応した信号が順次入力される。
そして、信号処理部40は、入力された信号を用いて、被検体内の光吸収に基づく特性分布や濃度関連分布等の分布を生成し、表示制御部70に出力する(ステップS17)。
複数の探触子の各々は、光音響波を受信することにより時系列の信号を出力する。つまり、第1の光音響波を受信することにより時系列形式の第1の信号を出力し、第2の光音響波を受信することにより、時系列の第2の信号を出力する。出力された信号は、信号処理部40に入力される。
本実施形態に係る光音響測定装置は、探触子ユニット30の位置をずらしながらパルス光の照射および音響波の受信を行う。すなわち、信号処理部40には、複数の位置に対応した信号が順次入力される。
そして、信号処理部40は、入力された信号を用いて、被検体内の光吸収に基づく特性分布や濃度関連分布等の分布を生成し、表示制御部70に出力する(ステップS17)。
ここで、光吸収に基づく特性分布の一例として、初期音圧分布を求める例について説明する。被検体内のある位置(i,j,k)における吸収係数μaは、式(1)により求めることができる。なお、i,j,kはそれぞれ、被検体内の座標を示す整数である。また、Pは位置(i,j,k)における初期音圧(発生音圧)、Γはグリューナイゼン定数、φは位置(i,j,k)に届いた光量を示す。
P=Γ・μa・φ ・・・ 式(1)
P=Γ・μa・φ ・・・ 式(1)
三次元空間座標上の位置(i,j,k)における初期音圧Pは、チャネル毎に探触子が出力した信号に、帯域補正用のフィルターをかけ、再構成を行うことにより求められる。
再構成の手法としては、ユニバーサルバックプロジェクション(UBP)法や、フィルタードバックプロジェクション(FBP)法といった公知の手法を用いることができる。また、整相加算(Delay and Sum)処理を用いてもよい。
再構成の手法としては、ユニバーサルバックプロジェクション(UBP)法や、フィルタードバックプロジェクション(FBP)法といった公知の手法を用いることができる。また、整相加算(Delay and Sum)処理を用いてもよい。
この再構成処理を、被検体内の各位置に対して行うことにより、当該各位置における初期音圧を求めることができ、初期音圧分布を取得することができる。なお、初期音圧分布は、被検体内のある領域に対応する3次元分布データ(ボクセルの集合データ)であってもよいし、そのうちの一断面に対応する2次元分布データ(ピクセルの集合データ)であってもよい。
<履歴情報を用いた接触状態の調整>
次に、本実施形態において、過去の測定条件と今回の測定条件とを近づける具体的な方法を説明する。本実施形態では、一度目の測定の際(接触状態の調整が完了した後)に、特徴点の座標と、保持部材21の位置情報と、状態測定部50が有するカメラが撮像した被検体画像を、記録部100に記憶させる。そして、二度目以降の測定の際、被検体を挿入する前(ステップS11の実行前)に、位置制御部60が、記録部100に記憶された情報に基づいて、前回の測定の際と同じ位置に保持部材21を移動させる。
次に、本実施形態において、過去の測定条件と今回の測定条件とを近づける具体的な方法を説明する。本実施形態では、一度目の測定の際(接触状態の調整が完了した後)に、特徴点の座標と、保持部材21の位置情報と、状態測定部50が有するカメラが撮像した被検体画像を、記録部100に記憶させる。そして、二度目以降の測定の際、被検体を挿入する前(ステップS11の実行前)に、位置制御部60が、記録部100に記憶された情報に基づいて、前回の測定の際と同じ位置に保持部材21を移動させる。
そして、移動が完了したのちに被検体を挿入する。この際、表示制御部70が、図6に
示したような、前回測定を行った際の被検体画像(符号71)と、現在の被検体画像(符号72)とを並べて配置した画像を生成し、表示部80を介して出力する。なお、符号73は、前回測定を行った際の乳頭の座標を表すマーカであり、符号74は、現在の乳頭の位置を表すマーカである。
本実施形態では、このように、前回測定を行った際の被検体の状態と、現在の被検体の状態とを比較することができる。なお、前回測定を行った際の被検体の状態と、現在の被検体の状態が異なっていることを検出し、再調整を行うようにしてもよい。例えば、被検体上の特徴点(符号74)が、前回測定を行った際の特徴点(符号73)の近傍にあるか否かを判定してもよいし、当該判定結果に基づいて、画面表示を行ったり、測定の可否を決定してもよい。
示したような、前回測定を行った際の被検体画像(符号71)と、現在の被検体画像(符号72)とを並べて配置した画像を生成し、表示部80を介して出力する。なお、符号73は、前回測定を行った際の乳頭の座標を表すマーカであり、符号74は、現在の乳頭の位置を表すマーカである。
本実施形態では、このように、前回測定を行った際の被検体の状態と、現在の被検体の状態とを比較することができる。なお、前回測定を行った際の被検体の状態と、現在の被検体の状態が異なっていることを検出し、再調整を行うようにしてもよい。例えば、被検体上の特徴点(符号74)が、前回測定を行った際の特徴点(符号73)の近傍にあるか否かを判定してもよいし、当該判定結果に基づいて、画面表示を行ったり、測定の可否を決定してもよい。
このように、第一の実施形態では、測定を行った際の被検体の状態(すなわち、接触状態を調整した後の被検体の状態)に関する情報を記録しておき、次回以降の測定において、当該情報を用いて被検体と保持部材との接触状態を調整することができる。また、被検体画像を並列表示させた画面をユーザに提示することで、被検体の状態を、過去に測定を行った際の状態に近づけることができる。
なお、被検体を挿入した後で、状態測定部50を用いて被検体上の特徴点の位置を取得し、特徴点が測定開始可能領域に含まれるか判定し、含まれない場合に、再度保持部材21の位置調整を行うようにしてもよい。
なお、本発明を、光フォーカス型の光音響顕微鏡や、フォーカス型プローブを用いた音響フォーカス型の光音響顕微鏡に適用する場合は、再構成処理を行わずに分布データを生成してもよい。具体的には、走査機構(不図示)により、探触子ユニット30と照射光学系の端部を被検体101に対して相対的に移動させ、複数の走査位置で光音響波を受信する。そして、得られた受信信号を時間変化に対して包絡線検波した後、光パルス毎の信号における時間軸方向を奥行き方向に変換して、空間座標上にプロットする。これを走査位置毎に行うことにより、分布データを構成することができる。
なお、このようにして求めた初期音圧分布を、被検体内に到達した光量の分布で補正すると、吸収係数分布を算出することができる。被検体内に到達した光量の分布は、例えば、被検体に照射した光量の分布と、被検体内部の光伝搬特性を用いて求めることができる。またその際、被検体の形状を考慮してもよい。
また、単一の波長を照射した際の同位置での複数の特性分布や、複数の波長での同位置での特性分布間に位置のずれや変形が存在する場合は、複数の特性分布間における位置合わせなどを行ってもよい。位置合わせは、例えば、アフィン変換やフリーフォームデフォーメーション(FFD)などの公知の方法によって行うことができる。
また、単一の波長を照射した際の同位置での複数の特性分布や、複数の波長での同位置での特性分布間に位置のずれや変形が存在する場合は、複数の特性分布間における位置合わせなどを行ってもよい。位置合わせは、例えば、アフィン変換やフリーフォームデフォーメーション(FFD)などの公知の方法によって行うことができる。
生成されたデータは、生体内の特性情報(例えば、初期音圧分布や吸収係数分布)を表す画像データに変換され、表示部80を通して出力される(ステップS18)。画像は、例えば、三次元データであってもよいし、二次元データであってもよい。
<第一の実施例>
次に、第一の実施形態に係る光音響測定装置の具体的な実施例について説明する。
本実施例では、被検体として、乳房を模擬したファントムを用いた。また、保持部材としてポリメチルペンテン製のカップ状の部材を用いた。また、半球形の探触子ユニットに、2MHz±70%の周波数帯域特性を持つ変換素子を複数配置した。
次に、第一の実施形態に係る光音響測定装置の具体的な実施例について説明する。
本実施例では、被検体として、乳房を模擬したファントムを用いた。また、保持部材としてポリメチルペンテン製のカップ状の部材を用いた。また、半球形の探触子ユニットに、2MHz±70%の周波数帯域特性を持つ変換素子を複数配置した。
本実施例では、まず、乳房を模擬したファントムを、筐体に対して相対的に固定した。その際、ファントムの乳頭に対応する位置にマーカを貼付し、保持部材21の中心点から
、筐体90と平行な面内において、直線距離で3cmずらした状態で設置した。
探触子ユニット30の最下点には状態測定部50が設置されており、被検体101、保持部材21とその周囲の部材、筐体90の位置関係が、表示部80を通して確認できる構成となっている。
本実施例では、ユーザが、表示部に設けられたユーザインタフェースを介して、ファントム上に貼付したマーカをトラッキング対象に設定した。また、本実施例では、保持部材の中心から半径1cmの円領域の内部を測定開始可能領域として設定した。
、筐体90と平行な面内において、直線距離で3cmずらした状態で設置した。
探触子ユニット30の最下点には状態測定部50が設置されており、被検体101、保持部材21とその周囲の部材、筐体90の位置関係が、表示部80を通して確認できる構成となっている。
本実施例では、ユーザが、表示部に設けられたユーザインタフェースを介して、ファントム上に貼付したマーカをトラッキング対象に設定した。また、本実施例では、保持部材の中心から半径1cmの円領域の内部を測定開始可能領域として設定した。
前述した状態では、トラッキング対象が測定開始可能領域に含まれていないため、保持部材21の移動が行われる。なお、トラッキング対象の座標は、筐体上のある点を原点とし、筐体と平行な面内における座標を用いて定義および算出した。また、測定開始可能領域の座標は、枠部材22を基準として、筐体と平行な面内における座標を用いて算出した。
保持部材21の移動においては、まず、保持部材21をファントムから離れる方向に一旦移動させた。具体的には、枠部材22に設置された圧力センサが圧力を検知しなくなるまで、保持部材21をZ軸負方向に移動させた。その後、マーカの座標が、測定開始可能領域に入るまで、保持部材21をXY平面内で移動させた。具体的には、マーカの座標が、測定開始可能領域の中心から0.5cmの半径の円領域に入るまで移動させた。そして、保持部材21をZ軸正方向に移動させ、保持を完了させた。
そして、探触子ユニット30を、保持部材21の移動量と同じ量だけ移動させ、再度ステップS13の処理を行ったのちに、測定を開始した。
被検体の測定ステップでは、光源から波長797nmのパルス光を照射し、音響素子を用いて光音響波を受信した。また、受信した信号を基に、ユニバーサルバックプロジェクション法を用いて画像再構成を行い、三次元の初期音圧分布を得た。
得られた初期音圧分布は、縦160ボクセル、横160ボクセル、高さ200ボクセルの三次元画像データである。また、得られた初期音圧分布に対して光量分布を補正することで、吸収係数分布を算出した。
被検体の測定ステップでは、光源から波長797nmのパルス光を照射し、音響素子を用いて光音響波を受信した。また、受信した信号を基に、ユニバーサルバックプロジェクション法を用いて画像再構成を行い、三次元の初期音圧分布を得た。
得られた初期音圧分布は、縦160ボクセル、横160ボクセル、高さ200ボクセルの三次元画像データである。また、得られた初期音圧分布に対して光量分布を補正することで、吸収係数分布を算出した。
以上の実施例によると、乳房ファントムのマーカ貼付点が、測定開始可能領域から外れていた場合でも、ファントムを移動させることなく、測定が行えることが確認できた。
以上説明したように、第一の実施形態では、被検体を保持する手段(被検体保持部20)と、被検体を測定する手段(探触子ユニット30)とが独立して移動可能な構成となっている。これにより、挿入された被検体と保持部材との接触状態が好ましくない場合であっても、被検体を動かさずに接触状態を調整することができ、測定の精度を向上させることができるとともに、過去の測定条件に今回の測定条件を近づけやすくなる。
(第二の実施形態)
第二の実施形態は、第一の実施形態に加え、測定を行った際の被検体の体位に関する情報を記録しておき、次回以降の測定において、当該情報をユーザに提示する実施形態である。
第二の実施形態に係る光音響測定装置は、図7に示したように、被検者の鉛直上方に設置され、被検者の体の位置を検出するセンサ81をさらに有しているという点において、第一の実施形態に係る光音響測定装置と相違する。
第二の実施形態は、第一の実施形態に加え、測定を行った際の被検体の体位に関する情報を記録しておき、次回以降の測定において、当該情報をユーザに提示する実施形態である。
第二の実施形態に係る光音響測定装置は、図7に示したように、被検者の鉛直上方に設置され、被検者の体の位置を検出するセンサ81をさらに有しているという点において、第一の実施形態に係る光音響測定装置と相違する。
センサ81は、被検者を上方から撮像し、距離画像を取得する手段(深度センサ)である。なお、被検者の体位に関する情報を取得できれば、深度センサ以外を用いてもよい。
また、第二の実施形態では、表示制御部70が、センサ81の出力に基づいて被検者の
骨格を推定し、表示部80を介して出力する機能を有する。例えば、被検体画像に、被検者の骨格の状態を表す画像を付加して出力する。
また、第二の実施形態では、表示制御部70が、センサ81の出力に基づいて被検者の
骨格を推定し、表示部80を介して出力する機能を有する。例えば、被検体画像に、被検者の骨格の状態を表す画像を付加して出力する。
第二の実施形態では、一度目の測定の際(接触状態の調整が完了した後)に、特徴点の座標と、保持部材21の位置情報と、状態測定部50が有するカメラが撮像した被検体画像と、被検者の骨格の位置情報を記録部100に記憶させる。
そして、二度目以降の測定の際、第一の実施形態と同様に、位置制御部60が、記録部100に記憶された情報に基づいて、前回の測定の際と同じ位置に保持部材21を移動させる。
そして、二度目以降の測定の際、第一の実施形態と同様に、位置制御部60が、記録部100に記憶された情報に基づいて、前回の測定の際と同じ位置に保持部材21を移動させる。
そして、移動が完了したのちに被検体を挿入する。この際、表示制御部70が、図8に示したように、現在の被検体画像と、前回測定を行った際の被検体画像とを、対応する骨格の状態(以下、骨格状態)を表す画像とそれぞれ並べて配置した画像を生成し、表示部80を介して出力する。
図8中の符号91Aが、前回測定を行った際の被検体画像であり、符号91Bが、前回測定を行った際の骨格状態を表す画像(以下、骨格画像)である。また、符号92Aが、現在の被検体画像であり、符号92Bが、現在の骨格画像である。符号93は、前回測定を行った際の乳頭の座標を表すマーカであり、符号94は、現在の乳頭の位置を表すマーカである。
なお、本例では、現在の骨格画像に、前回測定を行った際の骨格画像を重畳して表示している。例えば、符号95は前回測定を行った際の右足の骨の位置を表しており、符号96は現在の右足の骨の位置を表している。
図8中の符号91Aが、前回測定を行った際の被検体画像であり、符号91Bが、前回測定を行った際の骨格状態を表す画像(以下、骨格画像)である。また、符号92Aが、現在の被検体画像であり、符号92Bが、現在の骨格画像である。符号93は、前回測定を行った際の乳頭の座標を表すマーカであり、符号94は、現在の乳頭の位置を表すマーカである。
なお、本例では、現在の骨格画像に、前回測定を行った際の骨格画像を重畳して表示している。例えば、符号95は前回測定を行った際の右足の骨の位置を表しており、符号96は現在の右足の骨の位置を表している。
このように、第二の実施形態では、被検者の骨格状態を表す画像を更に出力するため、前回測定を行った際の骨格状態と、現在の骨格状態とを比較し、被検者に類似する体勢をとらせることができる。すなわち、挿入された被検体の状態を、前回の測定状態に近づけることができる。
なお、本実施形態では、骨格を推定したが、被検者の体位を提示することができれば、骨格状態以外の情報を提示してもよい。例えば、カメラによって撮像された被検者の画像を提示してもよい。
また、図8の例では、前回測定を行った際の情報(91A,91B)と、現在の情報(92A,92B)とを二組並べて表示したが、双方を重畳して一組の画像のみを表示するようにしてもよい。その際、前回測定を行った際の情報と、現在の情報とを区別できるように、特徴点や骨格を修飾してもよい。例えば、色彩、パターン(実線と点線、点灯と点滅など)などによって修飾してもよい。また、双方のずれ量を評価する表示を出力するようにしてもよい。このようにすることで、被検体の状態が前回測定を行った際の状態に近いか否かをユーザが判断できるようになる。
(第三の実施形態)
第三の実施形態は、手を被検体とした被検体情報取得装置である。
第三の実施形態に係る光音響測定装置は、被検体保持部20として、半球状ではなく平面状の部材を利用するという点において、第一および第二の実施形態と相違する。
第三の実施形態では、開口を通して被検体に光を照射し、探触子ユニット30が光音響波を受信する。第三の実施形態における探触子ユニット30は、2MHz±70%の周波数帯域の変換素子を複数有する半球形アレイである。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
第三の実施形態は、手を被検体とした被検体情報取得装置である。
第三の実施形態に係る光音響測定装置は、被検体保持部20として、半球状ではなく平面状の部材を利用するという点において、第一および第二の実施形態と相違する。
第三の実施形態では、開口を通して被検体に光を照射し、探触子ユニット30が光音響波を受信する。第三の実施形態における探触子ユニット30は、2MHz±70%の周波数帯域の変換素子を複数有する半球形アレイである。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
第一および第二の実施形態では、被検体保持部20を移動させることで、被検体保持部
と被検体との接触状態を調整した。これに対し、第三の実施形態は、被検体保持部20を移動させることで、被検体と探触子ユニットとの相対位置を調整する。
被検体の設置位置がずれており、そのままでは、以前測定を行った際の被検体の位置を再現できない場合、本実施形態では、被検体保持部を可動域内で移動させ、被検体の位置調整を行う。
と被検体との接触状態を調整した。これに対し、第三の実施形態は、被検体保持部20を移動させることで、被検体と探触子ユニットとの相対位置を調整する。
被検体の設置位置がずれており、そのままでは、以前測定を行った際の被検体の位置を再現できない場合、本実施形態では、被検体保持部を可動域内で移動させ、被検体の位置調整を行う。
本実施形態を、図9を用いて説明する。
符号1は光音響装置、符号20は平板状の被検体保持部、符号20Aは被検体保持部20の可動域、符号101は被検体である。また、符号20Bは移動後の被検体保持部20である。
また、図9(C)は、以前に測定を行った際に撮像した被検体の画像(以下、カメラ画像)である。また、符号11は以前の測定において設定された特徴点、符号12は被検体領域である。図9(D)は現在のカメラ画像である。また、符号13は今回の測定において設定された特徴点である。また、図9(E)は被検体保持部20が移動した後のカメラ画像である。
本実施形態では、状態測定部50がカメラを有しており、測定を行うごとにカメラ画像を取得し記憶する。
符号1は光音響装置、符号20は平板状の被検体保持部、符号20Aは被検体保持部20の可動域、符号101は被検体である。また、符号20Bは移動後の被検体保持部20である。
また、図9(C)は、以前に測定を行った際に撮像した被検体の画像(以下、カメラ画像)である。また、符号11は以前の測定において設定された特徴点、符号12は被検体領域である。図9(D)は現在のカメラ画像である。また、符号13は今回の測定において設定された特徴点である。また、図9(E)は被検体保持部20が移動した後のカメラ画像である。
本実施形態では、状態測定部50がカメラを有しており、測定を行うごとにカメラ画像を取得し記憶する。
なお、本例ではユーザが特徴点を指定するものとするが、被検体に応じて装置が自動的に特徴点を抽出してもよい。例えば、SIFTやSURF特徴量等の公知の技術を用いて、対応する特徴点を抽出してもよい。
さらに、公知の技術を用いて生体の各部位を認識してもよい。例えば、測定したい部位を指定することで、自動的に特徴点を抽出するようにしてもよい。
さらに、公知の技術を用いて生体の各部位を認識してもよい。例えば、測定したい部位を指定することで、自動的に特徴点を抽出するようにしてもよい。
まず、被検者が被検体101を設置する。
次に、装置のユーザが、以前測定を行った際のカメラ画像を参考にして、現在表示されているカメラ画像上に、特徴点11に対応する点を設定する(符号13)。
次に、装置のユーザが、以前測定を行った際のカメラ画像を参考にして、現在表示されているカメラ画像上に、特徴点11に対応する点を設定する(符号13)。
次に、位置制御部が、特徴点の座標が一致するように、被検体保持部20を移動させる。なお、被検体保持部を移動しても、特徴点の座標のずれがゼロ近傍にならない場合、特徴点の座標のずれが最小となるように移動を行う。
特徴点の座標のずれの算出は、被検体保持部を移動した後で行うことが望ましいが、特徴点間の距離が最短になるように被検体保持部の移動先を決定し、被検体保持部を移動してもよい。すなわち、再計測を行わなくてもよい。例えば、許容誤差に基づいて閾値(3mm,5mm等)を設け、当該距離以下であれば、距離がゼロ近傍になったと判定し、移動を完了させてもよい。
特徴点の座標のずれの算出は、被検体保持部を移動した後で行うことが望ましいが、特徴点間の距離が最短になるように被検体保持部の移動先を決定し、被検体保持部を移動してもよい。すなわち、再計測を行わなくてもよい。例えば、許容誤差に基づいて閾値(3mm,5mm等)を設け、当該距離以下であれば、距離がゼロ近傍になったと判定し、移動を完了させてもよい。
移動が完了すると、インタフェース画面上で測定ボタンが押下可能になり、ユーザが測定ボタンを押下すると測定が開始される。
次に、被検体に対して光照射部10から波長797nmのパルス光を照射し、探触子ユニット30によって光音響波を受信する。そして、信号処理部40が、得られた受信信号に基づいて、ユニバーサルバックプロジェクションを用いて画像再構成を行う。これにより、3次元の初期音圧分布が得られる。本例では、縦160ボクセル、横160ボクセル、高さ200ボクセルのデータが初期音圧分布として得られる。また、得られた初期音圧分布の光量分布を補正することで、吸収係数分布を算出できる。
第三の実施形態では、特徴点の座標が完全に一致しない場合、できるだけ近い位置まで被検体を移動させたうえで測定を行うが、さらに、どの程度のずれが発生しているかを装置のユーザに提示する。
図10(A)は、以前の測定において撮像したカメラ画像の例であり、図10(B)は、今回撮像したカメラ画像の例である。符号14は、以前撮像したカメラ画像に対応する領域を表す。このように、被検体の位置ずれを修正しきれない場合、当該ずれを視覚的に示すようにしてもよい。
なお、以前の測定において撮像したカメラ画像と、今回撮像したカメラ画像との間で対応する領域を算出する際には、以下のような方法を用いることができる。例えば、二枚の画像を相対的にずらしながら、重なっている領域における相関を算出することで平行移動量を求める方法がある。
また、平行移動に限らず、FFDなど公知の技術による変形位置合わせを行うことで、対応する画像の変形量や移動量を算出してもよい。
また、平行移動に限らず、FFDなど公知の技術による変形位置合わせを行うことで、対応する画像の変形量や移動量を算出してもよい。
また、以前の測定において撮像したカメラ画像と、今回撮像したカメラ画像との間で、対応する特徴点の座標が判明している場合、相関などを算出せずとも、対応する領域を提示することができる。
例えば、以前測定を行った際の特徴点の座標と測定領域との関係に基づいて、以前の測定における測定領域を求め、今回撮像したカメラ画像中に表示してもよい。このようにすることで、二枚の画像間において対応する領域をわかりやすく示すことができる。
例えば、以前測定を行った際の特徴点の座標と測定領域との関係に基づいて、以前の測定における測定領域を求め、今回撮像したカメラ画像中に表示してもよい。このようにすることで、二枚の画像間において対応する領域をわかりやすく示すことができる。
また、本例では、二枚の画像間における平行移動量を算出したが、回転量を同時に算出してもよい。また、被検体保持部20を回転可能に構成し、算出した回転量に基づいて被検体を回転させることで位置合わせを行うようにしてもよい。
(第四の実施形態)
第四の実施形態は、第三の実施形態と同様に、手を被検体とした被検体情報取得装置であるが、特徴点の厳密な位置合わせは行わず、当該特徴点が測定領域内にあれば測定開始を許可するという点において相違する。
第四の実施形態は、第三の実施形態と同様に、手を被検体とした被検体情報取得装置であるが、特徴点の厳密な位置合わせは行わず、当該特徴点が測定領域内にあれば測定開始を許可するという点において相違する。
本実施形態を、図11を用いて説明する。なお、第三の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
図11(B)は、以前測定を行った際のカメラ画像である。また、符号11は以前の測定において設定された特徴点である。
図11(C)は現在のカメラ画像である。また、符号13は今回の測定において設定された特徴点である。
また、図11(D)は被検体保持部が移動した後のカメラ画像である。
図11(B)は、以前測定を行った際のカメラ画像である。また、符号11は以前の測定において設定された特徴点である。
図11(C)は現在のカメラ画像である。また、符号13は今回の測定において設定された特徴点である。
また、図11(D)は被検体保持部が移動した後のカメラ画像である。
図11(D)からも分かるように、以前測定を行った際の特徴点の位置と、今回の測定における特徴点の位置は異なっているが、当該特徴点はどちらも測定領域内に存在している。
第四の実施形態では、このような場合に、被検体が測定可能であると判定し、測定の開始を可能にする制御を行う。なお、第四の実施形態では、以前測定を行った際に撮像したカメラ画像と、今回撮像したカメラ画像との間の対応関係を視覚的に提示する処理は行わない。
他の処理については、第三の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
第四の実施形態では、このような場合に、被検体が測定可能であると判定し、測定の開始を可能にする制御を行う。なお、第四の実施形態では、以前測定を行った際に撮像したカメラ画像と、今回撮像したカメラ画像との間の対応関係を視覚的に提示する処理は行わない。
他の処理については、第三の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
(第五の実施形態)
第五の実施形態は、光音響装置以外のモダリティを利用して測定を行った結果を用いて被検体の位置合わせを行う実施形態である。
第五の実施形態は、光音響装置以外のモダリティを利用して測定を行った結果を用いて被検体の位置合わせを行う実施形態である。
第五の実施形態に係る光音響測定装置は、他のX線診断装置によって取得した被検体画像(もしくはカメラ画像)を取得し、当該画像に基づいて被検体保持部20の移動を行う。これにより、X線診断装置が生成した画像と、ほぼ同じ位置領域の被検体画像を生成することができる。
具体的な動作を、図12を参照して説明する。なお、第三の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
図12(B)は、X線診断装置が取得したカメラ画像である。また、符号15は、X線診断装置を用いて撮影を行った際の被検体の位置を表す。
図12(C)は、光音響測定装置が取得したカメラ画像である。また、符号16は現在の被検体の位置を表す。
図12(B)は、X線診断装置が取得したカメラ画像である。また、符号15は、X線診断装置を用いて撮影を行った際の被検体の位置を表す。
図12(C)は、光音響測定装置が取得したカメラ画像である。また、符号16は現在の被検体の位置を表す。
第五の実施形態では、画像中に存在する複数の特徴点に基づいて、回転および並進移動の行列を算出することで、被検体の移動量を求める。特徴点の抽出と行列の算出は、公知の画像処理手法を用いることが望ましい。例えば、SIFTやSURF特徴量を用いて特徴点を抽出し、RANSACなどの手法で、特徴点同士の対応を算出することができる。
また、複数の特徴点の対応関係を求めた後で、当該対応する特徴点間の回転および並進移動行列を、最小二乗法等を用いて算出する。
そして、算出した回転並進行列を元に移動量を算出して、被検体保持部20を回転および並進移動する。
また、複数の特徴点の対応関係を求めた後で、当該対応する特徴点間の回転および並進移動行列を、最小二乗法等を用いて算出する。
そして、算出した回転並進行列を元に移動量を算出して、被検体保持部20を回転および並進移動する。
なお、被検体保持部を移動した後で、同様の移動量の算出プロセスを複数回繰り返してもよい。これにより、より正確に被検体のずれを修正することができる。
移動が完了すると、インタフェース画面上で測定ボタンが押下可能になり、ユーザが測定ボタンを押下すると測定が開始される。
移動が完了すると、インタフェース画面上で測定ボタンが押下可能になり、ユーザが測定ボタンを押下すると測定が開始される。
第五の実施形態によると、異なる被検体情報取得装置によって取得した画像に基づいて被検体の位置合わせを行うことができるため、互いの画像の比較が容易になる。
なお、本実施形態では、双方のモダリティに付随するカメラが取得した画像を用いて移動量を算出したが、当該画像に対して画像処理を行った結果に基づいて移動量を算出してもよい。また、カメラ画像ではなく、取得した被検体画像(例えばX線像など)に基づいて移動量を算出してもよい。
なお、本実施形態では、双方のモダリティに付随するカメラが取得した画像を用いて移動量を算出したが、当該画像に対して画像処理を行った結果に基づいて移動量を算出してもよい。また、カメラ画像ではなく、取得した被検体画像(例えばX線像など)に基づいて移動量を算出してもよい。
(変形例)
なお、各実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。
例えば、本発明は、前述した手段の少なくとも一部を含む被検体情報取得装置として実施することもできる。また、当該被検体情報取得装置の制御方法として実施することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
なお、各実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。
例えば、本発明は、前述した手段の少なくとも一部を含む被検体情報取得装置として実施することもできる。また、当該被検体情報取得装置の制御方法として実施することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、各実施形態では、状態測定部50として、探触子ユニット30の底部に設けられた一台のRGBカメラを利用したが、他の手段を用いて被検体の位置に関する情報を取得するようにしてもよい。例えば、複数のRGBカメラを探触子ユニット30とは独立して装置に固定し、3次元的に特徴点の位置を検出するようにしてもよい。また、距離センサを用いて、特徴点の位置や形状を取得するようにしてもよい。また、これらの手段を、前述したセンサ81と組み合わせてもよい。
また、実施形態の説明では、カメラの撮像範囲と装置の撮像範囲(測定範囲)が一致しているものとしたが、必ずしも一致している必要はない。
また、実施形態の説明では、カメラの撮像範囲と装置の撮像範囲(測定範囲)が一致しているものとしたが、必ずしも一致している必要はない。
また、第三ないし第五の実施形態では、被検体保持部を移動させることで被検体の位置調整を行ったが、測定を行う手段(探触子ユニット)が移動可能である場合、被検体保持部と測定手段の双方を移動させてもよい。また、測定手段のみを移動させてもよい。
また、第一および第二の実施形態では、リング状の枠部材22とゴム部材23を用いて保持部材21を保持したが、保持部材21を移動させることができれば、この構成に限定されない。例えば、枠部材22を省略してもよいし、他の形状の枠部材を用いてもよい。また、保持部材21を省略して、枠部材22のみとしても良い。この場合も、枠部材22を移動させることで、被検者が筐体90上で移動することなく被検体(例えば乳房)を筐体の開口部に挿入することが可能となるため、被検者への負担(測定時の位置合わせの労力)が軽減される。
また、各実施形態では、複数の音響素子を探触子ユニット30に配置したが、本発明を、光音響顕微鏡等の比較的小さな被検体を検査対象とする装置に適用する場合、用いる音響素子は一つであってもよい。ただし、本発明を、乳房等の比較的大きな被検体を検査対象とする装置に適用する場合、複数の音響素子を用いることが好ましい。
また、第一および第二の実施形態では、保持部材21を被検体に対して当接させ直すことで接触状態を調整したが、保持部材を被検体に当接させたままで位置を移動させるようにしてもよい。
また、各実施形態では、光音響効果を用いて被検体の測定を行う装置を例に説明を行ったが、被検体内から到来する音響波に基づいて、被検体情報を取得する装置であれば、他のモダリティに適用することもできる。例えば、超音波エコーを利用した測定装置や、拡散光トモグラフィによる測定装置にも適用することができる。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した各実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、FPGAやASIC)によっても実現可能である。
20・・・被検体保持部、30・・・探触子ユニット、40・・・信号処理部、50・・・状態測定部、60・・・位置制御部、70・・・表示制御部、90・・・筐体
Claims (15)
- 挿入された被検体に接触することで当該被検体を保持し、かつ、前記被検体に対して相対的に移動可能な保持部材と、
挿入された被検体の位置に関する情報を取得する位置取得手段と、
前記保持部材の位置を制御することで、前記被検体の保持部材に対する接触状態を調整する第一の制御手段と、
前記被検体内から到来する音響波を受信し、前記被検体に対して相対的に移動可能な測定ユニットと、
前記測定ユニットの位置を制御する第二の制御手段と、
前記受信した音響波に基づいて、前記被検体内の情報を取得する情報取得手段と、
過去に被検体に対する測定を行った際の、当該被検体の保持部材に対する接触状態に関する情報である履歴情報を記憶する記憶手段と、
を有し、
前記第一の制御手段は、前記第二の制御手段が行う制御とは独立して前記保持部材の位置を制御し、さらに、前記履歴情報に基づいて、前記保持部材の被検体に対する接触状態を調整する
ことを特徴とする、被検体情報取得装置。 - 前記測定ユニットは、前記保持部材を介して、前記被検体内から到来する音響波を受信する
ことを特徴とする、請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 前記位置取得手段は、前記被検体上にある所定の領域または点に対応する位置情報を取得し、
前記第一の制御手段は、前記位置情報に基づいて、前記保持部材の被検体に対する接触状態を調整する
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。 - 前記保持部材は、半球状の形状をしており、
前記位置取得手段は、乳頭に対応する位置情報を取得し、
前記第一の制御手段は、乳頭が前記保持部材の底部に位置するように、前記保持部材の位置を制御する
ことを特徴とする、請求項3に記載の被検体情報取得装置。 - 前記位置取得手段は、ユーザによって指定された、被検体上の領域または点に対応する位置情報を取得する
ことを特徴とする、請求項3または4に記載の被検体情報取得装置。 - 前記測定ユニットは、前記被検体を挿入する方向に対して垂直な平面である第一の平面に沿って移動可能であり、
前記保持部材は、前記第一の平面に加え、前記被検体を挿入する方向に沿ってさらに移動可能である、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記第一の制御手段は、前記保持部材の被検体に対する接触状態を調整する際に、前記保持部材を前記被検体から離れる方向に移動させ、次いで前記第一の平面に沿って移動させたのちに、再度被検体に接触する方向に移動させる
ことを特徴とする、請求項6に記載の被検体情報取得装置。 - 挿入された被検体の画像を取得し、ユーザに提示する画像提供手段をさらに有する
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記画像提供手段は、前記履歴情報と、挿入されている被検体の保持部材に対する接触状態に関する情報とを同時にユーザに提示する
ことを特徴とする、請求項8に記載の被検体情報取得装置。 - 前記履歴情報は、前記被検体と前記保持部材との接触状態の調整を行った際に用いた位置情報、調整後の保持部材の位置に関する情報、被検体の画像、被検者の体位に関する情報、のうちの少なくともいずれかを含む
ことを特徴とする、請求項8または9に記載の被検体情報取得装置。 - 被検体内から到来する音響波を受信する測定ユニットと、
被検体に接触することで当該被検体を保持し、かつ、前記測定ユニットに対して相対的に移動可能な保持部材と、
前記被検体の位置に関する情報を取得する位置取得手段と、
前記保持部材の位置を制御することで、前記被検体の位置を調整する制御手段と、
前記受信した音響波に基づいて、前記被検体内の情報を取得する情報取得手段と、
過去に被検体に対する測定を行った際の、当該被検体の位置に関する情報である履歴情報を記憶する記憶手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記履歴情報に基づいて、前記測定ユニットに対する前記被検体の相対位置を調整する
ことを特徴とする、被検体情報取得装置。 - 前記制御手段は、前記測定ユニットに対する前記被検体の相対位置が、過去に測定を行った際の状態に最も近くなるように前記保持部材を移動させる
ことを特徴とする、請求項11に記載の被検体情報取得装置。 - 過去に測定を行った際の前記被検体の測定領域と、現在の前記被検体の測定領域との差を表す画像を生成し、提示する画像提供手段をさらに有する
ことを特徴とする、請求項11または12に記載の被検体情報取得装置。 - 前記制御手段は、過去に測定を行った前記被検体上の領域が測定可能となるように前記保持部材を移動させる
ことを特徴とする、請求項11に記載の被検体情報取得装置。 - 前記履歴情報は、前記被検体情報取得装置とは異なる手段によって前記被検体の情報を取得する装置によって生成された情報である
ことを特徴とする、請求項11から14のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
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JP2019122621A (ja) * | 2018-01-17 | 2019-07-25 | キヤノン株式会社 | 被検体情報取得装置および被検体情報取得方法 |
-
2016
- 2016-07-26 JP JP2016146655A patent/JP2017042603A/ja active Pending
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