JP6664176B2 - 光音響装置、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents

光音響装置、情報処理方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、光を吸収して発生する光音響波を利用した光音響装置に関するものである。
光を用いたイメージング技術の一つとして、光音響イメージング技術がある。光音響イメージングでは、まず、光源から発生したパルス光が被検体に照射される。照射光は被検体内で伝播・拡散し、被検体内の複数の箇所でこの光のエネルギーを吸収して光音響波が発生する。この光音響波をトランスデューサで受信し、処理装置内で受信信号を解析処理することで、被検体内部の光学特性値に関する情報が画像データとして取得される。これにより、被検体内の光学特性値分布が可視化される。
被検体内の光吸収体から発生する光音響波の発生音圧(以下、初期音圧とも呼ぶ)Pは次式で表すことができる。
=Γ・μa・Φ ・・・(1)
ここで、Γはグリューナイセン(Gruneisen)係数であり、体積膨張係数βと音速cの二乗との積を定圧比熱Cで除したものである。Φはある位置(局所的な領域)での光量(吸収体に到達した光量であり、光フルエンスとも言う)である。
初期音圧Pは、光音響波を受信した探触子から出力される受信信号(PA信号)を用いて求めることができる。
グリューナイセン係数は組織が決まれば、ほぼ一定の値をとることが知られているので、PA信号の時間的変化を複数の個所で測定及び解析することにより光吸収係数μと光量Φの積、すなわち、光エネルギー吸収密度を得ることができる。
Bin Luo and Sailing He,OpticsExpress,Vol.15,Issue 10,pp.5905−5918(2007)
式(1)から理解されるように、被検体内の光吸収係数μ等の被検体情報を求めるためには、被検体内の各位置に到達した光の光量Φを求め、光エネルギー吸収密度を補正する必要がある。
例えば、被検体の厚さに対して大きな領域に光を照射し、光が被検体内を平面波のように伝播すると仮定した場合、光量Φは次式であらわすことができる。
Φ=Φ・exp(−μeff・d) ・・・(2)
ここで、Φは被検体への入射光量、μeffは被検体の有効減衰係数、dは光の入射位置から対象位置までの距離、つまり光吸収体の位置する深さである。
また、非特許文献1に示すように、被検体の光吸収係数μ aveおよび等価散乱係数μ’に基づいた光輸送方程式や光拡散方程式を数値計算手法により計算することで、光量φを求めることもできる。すなわち、光吸収係数等の被検体情報を求めるためには、被検体の光学係数を取得する必要がある。
そこで、本発明は、被検体の光学係数に関する情報を取得することのできる光音響装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光音響装置は、が被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信することにより得られた信号に基づいて被検体情報を取得する光音響装置であって、被検体の色に関する情報を取得する色情報取得手段と、被検体の色に関する情報に基づいて、被検体の色に対応する被検体の光学係数に関する情報を取得する係数情報取得手段と、信号と、光学係数に関する情報と、に基づいて被検体情報を取得する被検体情報取得手段と、を有する。
本発明の光音響装置によれば、被検体の光学係数に関する情報を取得することができる。
本実施形態に係る光音響装置の構成を示す模式図である。 本実施形態に係る被検体情報の取得フローの一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る被検体の色に関する情報の取得フローの一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る被検体の色に関する情報の取得フローの別の例を示すフローチャートである。 本実施形態で用いられるカラーチャートの一例である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する。
本明細書において、「光音響波」とは、光を吸収することにより発生する音響波であり、光超音波とも呼ばれる。
本発明において、「色に関する情報」とは、色を定量的に示す表色系で定義された各パラメータの値のことを指す。本発明においては、色を定量的に示すことのできる表色系であれば、どのような表色系を用いてもよい。例えば、RGB表色系、XYZ表色系、xyY表色系、L*u*v表色系、L*a*b表色系、マンセル表色系などの表色系により定義されたパラメータを、「色に関する情報」としてもよい。例えば、マンセル表色系においては、色相、明度、彩度の各パラメータを「色に関する情報」としてもよい。また、「色に関する情報」は、色を表すパラメータの空間分布であってもよい。
本発明において、「光学係数に関する情報」とは、光吸収係数、光散乱係数、光減衰係数等の光学係数を含む概念である。被検体の光学係数は、被検体を均質な媒質と仮定したときの被検体の光吸収係数μ、等価散乱係数μ’、および有効減衰係数μeffの少なくとも1つの代表値(例えば、平均値)であってもよい。すなわち、被検体の光学係数とは、被検体の各位置における光学係数が位置によらず一定としたときに得られる光学係数の代表値(例えば、平均値)であってもよい。また、光学係数の値の空間分布を表す分布情報を光学係数に関する情報としてもよい。
また、「光学係数に関する情報」とは、被検体の光学係数に基づいた光減衰率を含む概念である。光減衰率に被検体への入射光量を掛けると、被検体内での光量分布を導くことができる。また、「被検体の光学係数に関する情報」とは、被検体の光学係数に基づいた被検体内の光量を含む概念である。
本発明の一態様において取得される被検体情報(特性値情報)は、光エネルギーの吸収率を反映している。すなわち、被検体情報とは、光吸収係数μから得られる情報である。具体的に、例えば、被検体情報としては、光吸収係数そのものや組織を構成する物質の濃度等が挙げられる。物質の濃度に関する情報とは、例えば、酸素飽和度、トータルヘモグロビン濃度、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビン濃度などである。また、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率などでもよい。また、被検体情報は、2次元又は3次元の被検体情報の分布データであってもよい。また、被検体情報の分布データは、画像データとして生成され得る。
なお、物質の濃度については、異なる波長の光を用いた計測によって得られた光吸収係数から求めることができる。この場合、波長毎に被検体内の光吸収係数を求め、それらの値と求める物質固有の波長依存性とを用いて、物質の濃度を求めることができる。特に、オキシヘモグロビンHbOとデオキシヘモグロビンHbとの濃度を基に、血液の酸素飽和度を得ることができる。2波長の光を用いた場合、酸素飽和度SOは式(3)で求めることができる。
Figure 0006664176
ここで、μ λ1は波長λにおける光吸収係数、μ λ2は波長λにおける光吸収係数を示す。また、εHb0 λ1は波長λにおけるオキシヘモグロビンのモル吸光係数、εHb λ1は波長λ1におけるデオキシヘモグロビンのモル吸光係数を示す。εHb0 λ2は波長λにおけるオキシヘモグロビンのモル吸光係数、εHb λ2は波長λにおけるデオキシヘモグロビンのモル吸光係数を示す。εHb0 λ1、εHb λ1、εHb0 λ2、εHb λ2は既知の値である。rは位置座標を示す。
なお、以下の実施形態における光音響装置は、人や動物の血管疾患や悪性腫瘍などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって、被検体としては生体の一部、具体的には人や動物の皮膚や皮下部位および乳房などの検査対象が想定される。特に、皮膚表面から数ミリメートル以内の浅い部位、さらには真皮層内の血管等を計測対象とした際に好適に用いることができる。
本実施形態に係る光音響装置においては、式(1)に示したように光吸収係数に関する被検体情報を取得するために、光量分布を取得する必要がある。また、典型的に光量分布を取得するためには被検体の光学係数を取得する必要がある。
例えば、被検体が生体である場合、被検体表面(皮膚)における光学係数は、皮膚を構成するメラニン濃度やヘモグロビン濃度などの構成物質の濃度に依存する。また、これらの構成物質の濃度は、皮膚の色に影響を及ぼす。なお、その他の被検体においても、被検体を構成する物質の濃度が、被検体の色に影響を及ぼす。
そこで、本発明者は、これらの関係から、被検体の色から被検体の光学係数に関する情報を推定することができることを見出した。
以下、被検体の色に関する情報を取得し、被検体の色に関する情報に基づいて被検体の光学係数に関する情報を取得する光音響装置について説明する。本実施形態に係る光音響装置によれば、被検体の色に関する情報から、被検体の光学係数に関する情報を簡易に取得することができる。
[装置構成]
図1は本実施形態の光音響装置の構成を示す模式図である。本実施形態の光音響装置は、光源100、変換素子210を含む探触子200、撮像部300、処理部400、光学系500、表示部900、入力部1000を備える。
光源100からのパルス光700は、光学系500によりに導かれる。光学系500から出射されたパルス光700は被検体800に照射され、被検体800内の光吸収体820に到達する。光吸収体820としては、典型的には生体内における血管、特に血管内に存在するヘモグロビン等の物質、腫瘍などがある。光吸収体820は、光のエネルギーを吸収して、光音響波をそれぞれ発生する。発生した光音響波は、被検体内を伝搬し変換素子210に到達する。
変換素子210は、光音響波を受信することにより時系列の受信信号を出力する。処理部400には、変換素子210から出力された受信信号が順次入力される。なお、本実施形態において、探触子200の変換素子210(受信面)は、水槽600内の音響整合材としての水610に浸かっている。これにより、被検体800と変換素子210との音響整合が図られている。
処理部400は、入力された時系列の受信信号を用いて、被検体情報を生成する。そして、処理部400は、生成された被検体情報のデータを表示部900に送信し、表示部900に被検体情報の画像や数値を表示させる。すなわち、処理部400は、被検体情報を生成するための情報処理を実行する。
以下、本実施形態に係る光音響装置の各構成ブロックについて説明する。
(光源100)
光源100は、ナノ秒からマイクロ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源が好ましい。具体的なパルス幅としては、1〜100ナノ秒程度のパルス幅であることが好ましい。また、波長としては400nmから1600nm程度の範囲の波長であることが好ましい。特に、生体表面近傍の血管を高解像度でイメージングする際は可視光領域の波長(400nm以上、700nm以下)の光であることが好ましい。一方、生体の深部をイメージングする際には、生体の背景組織において吸収が少ない波長(700nm以上、1100nm以下)の光を用いることが好ましい。ただし、テラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
具体的な光源100としては、レーザーが好ましい。また、複数波長の光を用いて測定する際には、発振する波長の変換が可能なレーザーがより好ましい。なお、複数波長を被検体800に照射する場合、互いに異なる波長の光を発振する複数台のレーザーを、それぞれ発振切り替えを行いながら、もしくは交互に照射しながら用いることも可能である。複数台のレーザーを用いた場合もそれらをまとめて光源として表現する。
レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。特に、Nd:YAGレーザーやアレクサンドライトレーザーなどのパルスレーザーが好ましい。また、Nd:YAGレーザー光を励起光とするTi:saレーザーやOPO(Optical Parametric Oscillators)レーザーを用いてもよい。また、レーザーの代わりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。
(探触子200)
探触子200は、1つ以上の変換素子210と筺体とを備える。変換素子210は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電現象を用いた圧電素子、光の共振を用いた変換素子、CMUT等の静電容量型の変換素子など、音響波を受信して電気信号に変換できるものであればどのような変換素子を用いてもよい。複数の変換素子210を備える場合は、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイ、と呼ばれるような平面又は曲面内に並ぶように配置されることが好ましい。
また、広い範囲の被検体情報を取得するために、探触子200は、走査機構(不図示)により、被検体800に対して機械的に移動するよう構成されていることが好ましい。また、光学系500(パルス光700の照射位置)と探触子200とは同期して移動することが好ましい。
また、ハンドヘルド型の探触子200の場合は、ユーザーが探触子200を把持する把持部を有する。また、光音響装置が光音響顕微鏡の場合は、探触子200はフォーカス型探触子とすることが好ましい。すなわち、変換素子210の受信面には音響レンズが設けられていることが好ましい。光音響装置が光音響トモグラフィー装置である場合は、探触子200には変換素子210は複数設けられていることが好ましい。
また、探触子200内には、変換素子210から出力されるアナログ信号を増幅する増幅器を設けてもよい。
(撮像部300)
撮像部300は、被検体800の表面(例えば、皮膚)の光学画像を撮像する。撮像部300としては、CCDカメラやCMOSカメラなどの光学カメラを用いることができる。すなわち、撮像部300は、被検体表面での反射光を検出するCCDやCMOSなどの光検出部と、光検出部から出力された検出信号に基づいて光学画像を生成する画像生成部とから構成される。光検出部は、光を検出し、電気信号を出力することができる素子であればどのようなものでも採用することができる。画像形成部としては、例えば、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路を用いることができる。画像生成部は、1つのプロセッサや演算回路から構成されるだけでなく、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。なお、画像生成部の行う機能を、処理部400が兼ねていてもよい。
また、撮像部300は、撮像毎の照明環境の差を小さくするために、光源を備えていてもよい。これにより、光検出器は、撮像部300の備える光源から発せられた光の反射光を検出することができる。撮像部300が備える光源としては、幅広い波長を含んだ白色光を発する光源であることが好ましい。例えば、撮像部300が備える光源としては、白色光を発するLD、LED、蛍光灯などを利用することができる。
(処理部400)
次に、本実施形態の処理部400内の構成を説明する。本実施形態の処理部400は、信号収集部410、音圧情報取得部420、色情報取得部430、係数情報取得部440、被検体情報取得部450、記憶部460、および制御部470を備える。
信号収集部410は、変換素子210から出力される時系列のアナログ受信信号をチャネル毎に収集し、受信信号の増幅や、アナログの受信信号のAD変換、デジタル化された受信信号の記憶等の信号処理を行う。信号収集部410としては、一般的にDAS(Data Acquisition System)と呼ばれる回路を用いることができる。具体的には、信号収集部410は、受信信号を増幅する増幅器、アナログの受信信号をデジタル化するAD変換器から構成される。
音圧情報取得部420は、信号収集部410から出力される受信信号を用いて、被検体内の各位置での発生音圧情報を取得する。以下、被検体内の各位置の発生音圧情報のことを、被検体内の初期音圧分布とも呼ぶ。
色情報取得部430は、撮像部300において撮像された被検体800の表面の光学画像やユーザーにより指定された色などに基づいて、被検体800の色に関する情報を取得する。
係数情報取得部440は、色情報取得部430により取得された被検体800の色に関する情報に基づいて、被検体800の光学係数に関する情報を取得する。
被検体情報取得部450は、音圧情報取得部420において求めた音圧分布データと、係数情報取得部440において求めた被検体の光学係数に関する情報から、吸収係数分布等の被検体情報を算出する。
音圧情報取得部420、色情報取得部430、係数情報取得部440、および被検体情報取得部450としては、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路を用いることができる。なお、1つのプロセッサや演算回路から構成されるだけでなく、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。
記憶部460は、AD変換後の受信信号、各種分布データ、表示画像データ、各種測定パラメータ等を保存することができる。また、記憶部460は、後述する、色に関する情報と光学係数に関する情報との関係を示す関係テーブルまたは関係式を格納することができる。また、被検体情報取得方法で行われるそれぞれの処理を、処理部400内の制御部に実行させるプログラムとして記憶部460に保存しておくことができる。なお、プログラムが保存される記憶部460は、非一時的な記録媒体である。記憶部460は、典型的にはFIFOメモリ、ROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。なお、記憶部460は、1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
また、処理部400は、光音響装置の各構成ブロックの作動を制御するための制御部470を備える。制御部470は、バスを介して光音響装置の各構成ブロックに必要な制御信号やデータを供給する。具体的には、制御部470は、光源100へ発光を指示する発光制御信号や探触子200内の変換素子210の受信制御信号、および走査機構の制御信号などを供給する。制御部470には、典型的にCPUが用いられる。
(光学系500)
光学系500は、光源100から被検体800まで光を伝達させる。光学系500は、レンズ、ミラー、光ファイバ等の光学素子を用いることができる。また、乳房等を検査対象とする生体情報取得装置においては、光学系500の光出射部はレンズ等によりビーム光の径を広げて照射することが好ましい。一方、光音響顕微鏡においては、解像度を上げるために、光学系500の光出射部はレンズ等で構成し、ビーム光の径をフォーカスして照射することが好ましい。また、光学系500を被検体800に対して移動してもよく、これにより被検体800の広い範囲のイメージングが可能になる。なお、光学系500を用いずに、光源100から直接被検体800に光を照射することも可能である。
また、本実施形態においては、光学系500として、アキシコンレンズ510、光学ミラー520を用いている。アキシコンレンズ510は、光源100から発せられたパルス光700を円環状に導光し、パルス光700が探触子200に照射されないように配置されている。また、光学ミラー520は、円環状のパルス光700を被検体800の対象位置に集光させるように配置されている。
(水槽600)
水槽600は、音響整合材としての水610を満たすことのできる器である。本実施形態において、探触子200に備えられた変換素子210は水610に浸かっている。これにより、水を介して、被検体800と変換素子210との音響整合をとることができる。また、点線で示した被検体800との接触面620は、光音響波を通しやすいように、光音響波の波長よりも薄いフィルムで構成されていることが好ましい。より好ましくは、接触面620は、光音響波の波長の1/4の厚さであることが好ましい。また、音響整合材や接触面620は、パルス光700を吸収しにくい材料で構成されることが好ましい。例えば、音響整合材の材料には水やアルコール等を採用することができ、接触面620の材料にはポリエチレン等を採用することができる。
(被検体800)
被検体800は本発明の光音響装置の一部を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって、被検体800としては生体、具体的には人体や動物の乳房や頸部、腹部などの診断の対象部位が想定される。
また、被検体800の内部にある光吸収体820としては、被検体800の内部で相対的に光吸収係数が高いものが好ましい。例えば、人体が測定対象であればオキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは新生血管を多く含む悪性腫瘍が光吸収体820の対象となる。その他、頸動脈壁のプラークなどもその対象となる。
(表示部900)
表示部である表示部900は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)、有機ELディスプレイ等のディスプレイを用いることができる。なお、表示部900は、本実施形態の光音響装置が備える構成とはせずに、別に用意して光音響装置に接続してもよい。
(入力部1000)
入力部1000は、ユーザーが所望の情報を入力可能に構成された部材である。ユーザーにより入力された情報は、入力部1000から処理部400に送信される。入力部1000としては、キーボード、マウス、タッチパネル、ダイヤル、およびボタンなどを用いることができる。入力部1000としてタッチパネルを採用する場合、表示部900が入力部1000を兼ねるタッチパネルであってもよい。なお、入力部1000は、本発明の光音響装置とは別に提供されていてもよい。
[被検体情報取得方法]
次に、本実施形態に係る光音響装置が被検体情報を取得するフローを、図2を用いて説明する。制御部470が、記憶部460に保存された、被検体情報取得方法が記述されたプログラムを読み出し、光音響装置に以下の被検体情報取得方法を実行させている。
(S110:光音響波の受信信号を取得するステップ)
本ステップでは、光源100で発生させた光は、光学系500を介してパルス光700として被検体800に照射される。そして、被検体800でパルス光700が吸収され、光音響効果により光音響波が生じる。変換素子210が光音響波を受信して、時系列のアナログ受信信号を出力する。信号収集部410は、変換素子210から出力された時系列のアナログ受信信号をチャネル毎に収集し、受信信号の増幅処理や、アナログの受信信号のAD変換処理を行う。そして、信号収集部410は、デジタル化された受信信号を記憶部460に保存する。記憶部460に保存された時系列の受信信号データを、光音響データとも呼ぶ。本発明において、受信信号とは、アナログ信号もデジタル信号も含む概念である。
(S120:受信信号に基づいて被検体内の初期音圧分布を取得するステップ)
本ステップでは、音圧情報取得部420は、信号収集部410から出力された受信信号に基づいて、被検体内の各位置での光音響波の発生音圧情報を取得する。すなわち、音圧情報取得部420は、被検体800内の初期音圧分布を取得する。
なお、光音響装置が光音響トモグラフィー装置の場合、音圧情報取得部420は、チャネル毎の得られた受信信号を用いて画像再構成を行うことにより、2次元又は3次元の空間座標上の位置に対応する発生音圧のデータを求めることができる。音圧情報取得部420は、画像再構成手法として、特許第5713356号公報に記載されているUniversal Back Projection(UBP)や、Filtered Back Projection(FBP)等の公知の再構成手法を用いることができる。また、音圧情報取得部420は、画像再構成手法として、整相加算(Delay and Sum)処理を用いてもよい。
また、音圧情報取得部420は、得られた受信信号を時間変化に対して包絡線検波した後、光パルス毎の信号における時間軸方向を奥行き方向に変換して、空間座標上にプロットしてもよい。音圧情報取得部420は、これを走査位置毎に行うことにより、音圧分布データを取得する。特に光音響装置が光音響顕微鏡である場合に、本手法を用いることが好ましい。
(S210:被検体の色に関する情報を取得するステップ)
本ステップでは、色情報取得部430が、被検体800の色に関する情報を取得し、記憶部460に保存する。以下、本ステップの具体的なフローの一例を、図3、図4を用いて説明する。
まず、色情報取得部430が光学画像から被検体800の色に関する情報を取得するフローの例を、図3を用いて説明する。
(S211:光学画像を取得するステップ)
撮像部300は、被検体800の表面の光学画像を取得する。取得された被検体800表面の光学画像のデータは記憶部460に保存される。
(S212:光学画像に基づいて色に関する情報を取得するステップ)
色情報取得部430は、S211において取得された被検体800の光学画像を解析し、被検体800の色に関する情報を取得する。
例えば、色情報取得部430は、光学画像のある1ピクセルにおける色に関する情報を、被検体800の各位置の色に関する情報として取得することができる。例えば、光学画像の中心点の1ピクセルの情報を基に、被検体800の各位置の色に関する情報を取得してもよい。
また、色情報取得部430は、光学画像内の複数のピクセルにおける色に関する情報の平均値を、被検体800の各位置における色に関する情報として取得してもよい。
また、色情報取得部430は、光学画像内の色に関する情報のデータ群から最頻値の色に関する情報を、被検体800の各位置における色に関する情報として取得してもよい。
また、色情報取得部430が光学画像を表示部900に表示させ、ユーザーが入力部1000を用いて光学画像上の任意の座標を入力してもよい。そして、色情報取得部430は、入力部1000から出力された座標に対応する色に関する情報を、被検体800の色に関する情報として取得することができる。例えば、ユーザーが入力部1000により表示部900上のアイコンを操作し、表示部900に表示された光学画像から任意の座標を指定することなどができる。ユーザーが入力部1000を用いて光学画像上の任意の領域を入力し、入力された領域の座標が出力されてもよい。この場合、入力部1000により入力可能な任意の領域は、光学画像の座標に関する情報である。
次に、ユーザーが入力部1000を用いて被検体800の色に関する情報を入力するフローの例を、図4を用いて説明する。
(S213:複数の色を表示するステップ)
色情報取得部430は、記憶部460に格納された複数の色のデータを表示部900に送信し、表示部900に複数の色を表示させる。表示部900は、複数の色を並列表示してもよいし、複数の色を切り替えて順次表示させてもよい。例えば、図5に示すように、色情報取得部430が、記憶部460に格納されたカラーチャート910のデータを表示部900に表示させる。
(S214:複数の色から任意の色を選択するステップ)
ユーザーは入力部1000を用いて任意の色を選択する。例えば、図5に示すように、ユーザーは入力部1000により表示部900に表示された矢印アイコン920を操作して、カラーチャート910の中から所望の色に対応するカラーアイコン930を選択して、任意の色を選択している。図5においては、カラーチャート910を構成する複数のカラーアイコンのうち、選択されたカラーアイコン930を点線で囲って示した。
なお、ユーザーが表示部900とは別に用意されたカラーチャートから任意の色を選び、入力部1000はその色を入力できるように構成されていてもよい。この場合、S213の工程を行わずに、S214の工程を実行することができる。本工程では、ユーザーが入力部1000を用いて被検体の色を入力できる限り、いかなる方法を採用することもできる。すなわち、入力部1000は、ユーザーが任意の色を選択可能に構成されていればよい。
なお、入力部1000は、色に関する情報を直接入力ができるように構成されていてもよい。例えば、ユーザーは、RGB表色系で定義された色に関する情報としてRGBのそれぞれの値を、入力部1000を用いて入力することができる。
色情報取得部430は、ユーザーによって選択され、入力部1000から出力された色に関する情報を取得し、被検体800の色に関する情報として記憶部460に保存する。
このように、ユーザーが被検体の色を直観的に入力して、色情報取得部430がそれに対応する被検体の光学係数に関する情報を取得することにより、色に関する情報を簡易に取得することができる。
なお、S210のステップでは、図3、図4に示す例の他に、特開2003−315154号公報に記載されたような色彩計測装置を用いて、色に関する情報を計測してもよい。
(S220:被検体の色に関する情報に基づいて被検体の光学係数に関する情報を取得するステップ)
本ステップでは、係数情報取得部440が、S210のステップで得られた被検体800の色に関する情報に基づいて、被検体800の光学係数に関する情報を取得する。さらに、本ステップでは、係数情報取得部440が、事前に作成された、色に関する情報と光学係数に関する情報との関係を示す関係テーブルまたは関係式に基づいて、被検体800の光学係数に関する情報を取得する。
例えば、係数情報取得部440は、S210で得られた被検体800の色に関する情報に対応する被検体800の光学係数に関する情報を、記憶部460に保存された関係テーブルから読み出すことができる。
なお、テーブルには離散的な値が格納されているため、S210において取得された色に関する情報とテーブルに格納された値とが一致しない場合がある。この場合は、係数情報取得部440が、S210において取得された色に関する情報に最も近いパラメータ値に対応する被検体800の光学係数に関する情報を、テーブルから読み出すことができる。または、係数情報取得部440が、テーブルの値を補間して被検体800の光学係数に関する情報を算出することもできる。
あるいは、係数情報取得部440は、S210で得られた被検体800の色に関する情報を用いて、記憶部460に格納された関係式を解くことにより、被検体800の光学係数に関する情報を取得することができる。
次に、S220で使用する関係テーブルまたは関係式の作成方法の一例を説明する。ここでは、表皮とそれより深部の組織とからなる生体を被検体800としたときの例を説明する。
S220で使用する関係テーブルまたは関係式の作成には、被検体800の表皮を模擬したファントムを用いることができる。また、様々な色素を、様々な濃度および割合で含んだ材料を用いて、被検体800の表皮を模擬した複数のファントムを作製する。生体の表皮の厚さは200μm程度であるので、ファントムの厚みは例えば200μmとする。
続いて、添加された色素の種類や濃度の異なる複数のファントムの色に関する情報を、S210で説明した方法により計測する。なお、ファントムが薄いためにファントムの色と被検体の表面の色とが異なる場合は、表皮を模擬したファントムと表皮よりも深部の組織を模擬したファントムとの積層構造を作製してもよい。そして、この積層構造の表面の色に関する情報をS210で説明した方法で取得し、表皮を模擬したファントムの色に関する情報として取得してもよい。
また、表皮を模擬した複数のファントムの光学係数に関する情報を取得する。例えば、ファントムに光を照射し、ファントムを透過した光の強度をフォトディテクタ等の光検出器で検出する。そして、光検出器からの検出信号とファントムに照射した光の入射強度に基づいて、表皮を模擬した各ファントムに対応する光減衰率、光吸収係数を光学係数に関する情報として求めることができる。そして、処理部400が、複数のファントムの色に関する情報と、複数のファントムの光学係数に関する情報とを対応付けて、関係テーブルまたは関係式を作成し、記憶部460に格納してもよい。
なお、平均自由行程(生体の場合、300μmから1000μm程度)より小さい厚みである被検体800の表面付近では、光の散乱の影響は無視することができる。そのため、生体の表皮を測定対象とする場合、光減衰率は、表皮の光吸収係数μ surに基づいた式(4)で表わすことができる。
被検体表面(表皮)での光減衰率=exp(−μ sur・d) ・・・(4)
また、光検出器からの検出信号とファントムに照射した光の入射強度に基づいて、式(4)に従って、表皮を模擬したファントム内の光量分布を求めることもできる。
なお、表皮を模擬したファントムの光学係数に関する情報を取得できる限り、上記方法に限らず、いかなる方法を採用してもよい。そして得られた表皮を模擬した各ファントムの色に関する情報と光学係数に関する情報とを対応させることで関係テーブルを作成し、記憶部460に格納する。あるいは、表皮を模擬した各ファントムの色に関する情報と光学係数に関する情報との関係から関係式を作成し、記憶部460に格納する。上記例では、被検体800の表皮部分の光学係数に関する情報と、被検体800の色に関する情報との関係テーブルまたは関係式を作成することができる。
なお、上記例では、表皮とそれより深部の組織とから構成される2層構造を被検体800として考えたが、光学特性が一定の媒体を被検体800とすることもできる。この場合、光学特性が一定の複数のファントムを作製する。そして、これらのファントムに対して既存の光学係数計測法を行うことにより、それぞれのファントムの光学係数を取得する。例えば、ファントムの厚みが平均自由行程よりも大きい場合、時間分解分光法(Time Resolved Spectroscopy)により、光学係数としてファントムの平均的な光吸収係数および等価散乱係数を取得することができる。また、光学特性が一定のファントムを光学セルに格納し、照射した光の透過光および反射光の強度を検出する。そして、透過光および反射光の強度と入射光の強度とに基づいて、モンテカルロ法などを用いてファントムの平均的な光吸収係数および等価散乱係数を取得することができる。さらに、光学特性が一定のファントムをキュベットに格納し、キュベットに照射した光の透過光の強度を検出し、透過光の強度と入射光の強度とに基づいて、式(5)に従って、各ファントムに対応する光減衰率、各ファントムの有効減衰係数を取得してもよい。
被検体内での光減衰率=exp(−μeff・d) ・・・(5)
ここで、μeffは被検体の有効減衰係数であり、dは注目領域の深さである。また、透過光の強度と入射光の強度とに基づいて、式(2)に従って、ファントム内の光量分布を取得してもよい。
また、光学係数としてファントムの光吸収係数および等価散乱係数を取得した場合、非特許文献1に記載されたような光輸送方程式や光拡散方程式などを数値計算手法により解くことにより、ファントム内の光量分布を求めることができる。数値計算手法として、有限要素法やモンテカルロ法などが考えられる。
なお、ファントムを用いずに、切除した皮膚などを用いて関係テーブルまたは関係式を作成することも可能である。以上の方法は、テーブル作成の一例であり、作成手法はこれらに限られるものではない。
なお、S110〜S120のステップの後にS210〜S220のステップを行ってもよいし、S210〜S220のステップの後にS110〜S120のステップを行ってもよい。また、S110〜S120のステップとS210〜S220のステップは、少なくとも一つのステップが並行して行われてもよい。
(S310:被検体の光学係数に関する情報および初期音圧分布に基づいて、被検体情報を取得する)
本ステップでは、被検体情報取得部450は、S120で取得した被検体800内の初期音圧分布およびS220で取得した被検体800の光学係数に関する情報に基づいて、被検体情報を取得する。以下、被検体情報として被検体800内の光吸収係数分布を取得する場合の例を説明する。以下の例では、被検体800が、光学特性が一定の媒体からなる場合、この媒体の任意の領域の光吸収係数分布を被検体800内の光吸収係数分布として取得することができる。また、以下の例では、被検体800が表皮とそれより深部の組織とからなる生体である場合、典型的には皮膚部分の光吸収係数分布を被検体800内の光吸収係数分布として取得することとなる。
まず、被検体800の光学係数に関する情報が、被検体800内でのパルス光700の光量分布である場合に被検体800内の光吸収係数分布を求める例を説明する。この場合、被検体情報取得部450は、S120で取得した初期音圧分布Pと、記憶部460に格納された被検体800の色に関する情報に対応する光量分布Φと、を用いて式(6)を解くことにより光吸収係数分布μを取得する。
Figure 0006664176
次に、被検体800の光学係数に関する情報が、被検体800内での光の減衰率である場合に光吸収係数分布を求める例を説明する。前述したように、光の減衰率は、被検体への入射光量を掛けると、被検体内での光量分布を導くことができるパラメータである。そこで、この場合、被検体情報取得部450は、被検体800への入射光量に、記憶部460に格納された被検体800の色に関する情報に対応する光減衰率を掛けることにより、被検体800内の光量分布Φを取得する。そして、被検体情報取得部450は、得られた光量分布Φを用いて式(6)を解くことにより、光吸収係数分布を取得する。
被検体800への入射光量については、被検体情報取得部450が光源100の出力の設定値を読み出すことや、フォトダイオード等の光検出器がパルス光700の強度を検出することにより、把握することができる。
次に、被検体800の光学係数に関する情報が、被検体800の光学係数そのものである場合に光吸収係数分布を求める例を説明する。この場合、例えば、被検体情報取得部450は、光学係数に関する情報として取得された被検体800の有効減衰係数を用いて、式(2)を解くことにより光量分布Φを取得することができる。また、被検体情報取得部450は、光学係数に関する情報として取得された被検体800の光吸収係数μ aveおよび等価散乱係数μ’を用いて、非特許文献1に記載されたような方法により、光量分布Φを取得することができる。そして、被検体情報取得部450は、得られた光量分布Φを用いて式(6)を解くことにより、光吸収係数分布を取得する。
なお、被検体800が表皮とそれより深部の組織とからなる生体であり、光吸収係数を求めたい領域が表皮よりも深部の組織である場合について説明する。この場合、被検体800の色に関する情報に対応する光学係数に関する情報は、典型的には被検体800の表皮における光学係数に関する情報と考えてもよい。そこで、被検体情報取得部450は、被検体800の色に関する情報に対応する光学係数に関する情報から、被検体800の表皮を透過した光の強度、すなわち表皮よりも深部の組織への入射光の強度を求めてもよい。例えば、係数情報取得部440が被検体800の色に関する情報に対応する光学係数に関する情報として表皮での光減衰率を取得した場合を考える。この場合、被検体情報取得部450は、表皮の光減衰率と表皮への入射光の強度情報を用いて、式(5)にしたがって深部の組織への入射光の強度を取得する。そして、この入射光の強度を初期条件として式(2)や、光輸送方程式または光拡散方程式などの伝搬式を解くことにより、深部の組織内の光量分布を取得する。このとき計算に用いる深部組織の光学係数は公知の手法により求めることができる。そして、得られた光量分布を用いて式(6)を解くことにより、深部の組織内の光吸収係数分布を取得することができる。これにより、表皮の光学特性が深部組織の光量分布に与える影響を、取得される光量分布へ簡易に反映させることができる。
すなわち、被検体情報取得部450は、被検体表面から所定の深さ以下の領域については、被検体800の色に関する情報に対応する光学係数に関する情報を用いて光量分布を算出してもよい。一方、被検体情報取得部450は、被検体表面から所定の深さよりも深い領域については、被検体800の色に関する情報に対応する光学係数に関する情報を用いて算出された光量分布を用いて、光量分布を算出してもよい。なお、所定の深さは、平均自由行程程度に相当する1000μm以下としてもよい。また、所定の深さは、平均自由行程程度に相当する300μm以下としてもよい。また、所定の深さは、表皮の厚さ程度に相当する200μm以下としてもよい。
また、本実施形態では、被検体情報として光吸収係数分布を取得する例を説明したが、被検体情報はこれに限らない。複数の波長の光のそれぞれで上記工程を行って各波長に対する光吸収係数分布を取得し、これらの分布に基づいて酸素飽和度等の分光情報を被検体情報として取得してもよい。分光情報を取得する際に、光吸収係数分布を介さずに、各波長に対する初期音圧分布及び光量分布から分光情報を取得してもよい。例えば、測定波長の波長数が2波長の場合、被検体情報取得部450は、式(3)により酸素飽和度を算出することができる。また、測定波長の波長数が3波長以上の場合、被検体情報取得部450は、各測定波長の光吸収係数分布を、オキシヘモグロビンとデオキシへもグロビンの吸光度スペクトル用いてフィッティングすることで、酸素飽和度を算出することができる。
(S410:被検体情報を表示する)
被検体情報取得部450は、S310において求めた被検体情報のデータを表示部900に送信し、被検体情報の画像を表示部900に表示する。なお、表示部900は、被検体情報の画像に限らず、被検体情報の数値などの被検体情報に関する情報を表示することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る光音響装置によれば、被検体の色に関する情報に基づいて、被検体の光学係数に関する情報を簡易に推定することができる。これにより、被検体の光学係数に関する情報を用いて得られる被検体情報についても、簡易に取得することができる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
100 光源
200 探触子
400 処理部

Claims (18)

  1. 光が被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信することにより得られた信号に基づいて被検体内部の情報を取得する光音響装置であって、
    前記被検体の表面の色に関する情報を取得する色情報取得手段と、
    前記被検体の表面の色に関する情報に基づいて、前記被検体の表面の色に対応する前記被検体の表面の光学係数に関する情報を取得する係数情報取得手段と、
    前記信号と、前記光学係数に関する情報と、に基づいて前記被検体内部の情報を取得する被検体情報取得手段と、
    を有することを特徴とする光音響装置。
  2. 前記被検体の光学画像を取得する撮像手段を更に有し、
    前記色情報取得手段は、前記被検体の光学画像に基づいて、前記被検体の表面の色に関する情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記色情報取得手段は、
    入力手段を介して入力された、表示手段に表示された前記被検体の光学画像上の座標に関する情報を取得し、
    前記座標に関する情報に基づいて、前記座標における前記被検体の光学画像の色に関する情報を、前記被検体の表面の色に関する情報として取得する
    ことを特徴とする請求項2に記載の光音響装置。
  4. 前記色情報取得手段は、入力手段を介して入力された色に基づいて、前記被検体の表面の色に関する情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  5. 前記色情報取得手段は、表示手段に表示された複数の色を示す複数のアイコンから、入力手段を介して選択されたアイコンに対応する色に関する情報を、前記被検体の表面の色に関する情報として取得する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光音響装置。
  6. 光源と、
    前記光源からの光が前記被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信し、前記信号を出力する変換素子と、
    を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光音響装置。
  7. 前記係数情報取得手段は、色に関する情報と光学係数に関する情報との関係テーブルまたは関係式に基づいて、前記色情報取得手段により取得された前記被検体の表面の色に関する情報に対応する、前記被検体の表面の光学係数に関する情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光音響装置。
  8. 前記被検体情報取得手段は、
    前記光学係数に関する情報を用いて、前記被検体の表面から所定の深さ以下の領域の光量分布を取得し、
    前記所定の深さまでの領域の光量分布を用いて、前記被検体の表面から所定の深さよりも深い領域の光量分布を取得する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光音響装置。
  9. 前記所定の深さは1000μm以下である
    ことを特徴とする請求項8に記載の光音響装置。
  10. 前記所定の深さは200μm以下である
    ことを特徴とする請求項8に記載の光音響装置。
  11. 前記光学係数に関する情報は、光吸収係数、光の減衰率、および光量分布のいずれかであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光音響装置。
  12. 前記係数情報取得手段は、前記被検体の光学係数に関する情報として前記被検体の光減衰率を取得し、
    前記被検体情報取得手段は、
    前記被検体の表面の光学係数である光減衰率に基づいて、前記被検体内の光量分布を取得し、
    前記信号と前記被検体内の光量分布とに基づいて、前記被検体内部の情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光音響装置。
  13. 前記被検体情報取得手段は、
    前記信号に基づいて前記被検体内の初期音圧分布を取得し、
    前記被検体内の前記初期音圧分布と、前記被検体内の前記光量分布と、に基づいて、前記被検体内部の情報を取得する
    ことを特徴とする請求項12に記載の光音響装置。
  14. 前記被検体情報取得手段は、前記被検体内部の情報として前記被検体内の光吸収係数分布を取得する
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光音響装置。
  15. 前記被検体内部の情報に関する情報を表示するための表示手段を更に有する
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光音響装置。
  16. 被検体の表面の色に関する情報を取得するステップと、
    前記被検体の表面の色に関する情報に基づいて、前記被検体の表面の色に対応する前記被検体の表面の光学係数に関する情報を取得するステップと、
    前記被検体に光が照射されることにより発生する光音響波を受信して得られる信号を取得するステップと、
    前記信号と、前記光学係数に関する情報と、に基づいて前記被検体内部の情報を取得すると、
    を有することを特徴とする情報処理方法。
  17. 記光学係数に関する情報が光の減衰率であることを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
  18. 請求項16または17に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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