JP2016101369A - 光音響装置および光音響装置の制御方法 - Google Patents

光音響装置および光音響装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光音響装置の安全性を向上させる。【解決手段】被検体に対して光を照射する光照射手段と、前記光に起因して被検体内で発生した音響波を検出し、電気信号に変換する音響波検出器と、前記被検体内を伝播し、被検体の外部へ漏出した光の強度を取得する第一の光検出器と、前記電気信号に基づいて、前記被検体内の情報を生成する情報取得部と、前記第一の光検出器が取得した光の強度に基づいて、前記被検体に照射される光の強度を制御する制御部と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光を用いて被検体内部の情報を測定する光音響装置に関する。
近年、医療分野において、被検体内の形態情報や、生理的情報、すなわち機能情報をイメージングするための研究が進められている。このような技術の一つとして、近年、光音響イメージングが提案されている。
パルスレーザ光などの光を被検体である生体に照射すると、光が被検体内の生体組織で吸収される際に音響波(典型的には超音波)が発生する。この現象を光音響効果と呼び、光音響効果により発生した音響波を光音響波と呼ぶ。被検体を構成する組織は、光エネルギーの吸収率がそれぞれ異なるため、発生する光音響波の音圧も異なったものとなる。光音響イメージングでは、発生した光音響波を探触子で受信し、受信信号を数学的に解析することにより、被検体内の光学特性、特に、光吸収係数の分布を画像化することができる。
さらに、得られた光吸収係数分布に基づいて、血液中の全ヘモグロビンに対する酸化ヘモグロビンの含有率、つまり酸素飽和度を求めることができる。酸素飽和度は、腫瘍の良悪性を見分ける指標になることから、悪性腫瘍の効率的発見手段として期待されている。
また、これらを併用することで、被検体内の形態情報(例えば血管構造)と、機能情報(例えば酸素飽和度)の双方を取得することができる。
また、近年、光吸収体をより精度よくイメージングするために、分解能を向上させるための研究が行われている。例えば、特許文献1には、照射光をレンズにより集光させ、光の焦点位置に被検体を配置することによって分解能を向上させる技術が開示されている。これにより、被検体表面付近の微細血管等といった吸収体を高解像度でイメージングすることができる。
特表2011−519281号公報
特許文献1に記載されているように、照射光を集光させることで、音響波が発生する領域を絞り込むことができ、イメージングを行う際の分解能を向上させることができる。しかし、被検体が生体である場合、照射光の強度を強くしすぎると被検体に損傷を与えてしまうおそれがあるため、無制限に光量を増やすことはできない。特に、人体に対して照射可能な光の光量は、ANSI(米国国家規格協会)規格やJIS(日本工業規格)規格によって、MPE(最大許容露光量)として規定されている。従って、光音響装置から出射される照射光の強度は、人体に対するMPEを超過しないような範囲に設定しなければならない。例えば、皮膚に対して光を照射する場合、照射光の強度を、皮膚に対して設定されたMPE以下とする必要がある。
一方で、光音響装置から出射した照射光は、被検体内で拡散するため、光音響装置を用いて人の顔などを測定する場合、皮膚に対するMPE以下で光を照射したとしても、照射光が生体内で拡散し、伝播した光が角膜や網膜に届いてしまう場合がある。また、被検体
内を拡散した照射光の一部が被検体外に出射し、出射光が反射物などの影響によって反射して、再度目に入射してしまう場合が考え得る。
また、MPEは、光が照射される部位ごとに異なる値が規定されており、例えば、目(角膜や網膜)に対するMPEは、皮膚に対するMPEよりも小さい値をとる。このように、人体のMPEは部位によって異なるため、照射部のMPEを考慮しただけでは、十分な安全を確保したとは言えないケースが発生し得る。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、光音響装置の安全性を向上させる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光音響装置は、
被検体に対して光を照射する光照射手段と、前記光に起因して被検体内で発生した音響波を検出し、電気信号に変換する音響波検出器と、前記被検体内を伝播し、被検体の外部へ漏出した光の強度を取得する第一の光検出器と、前記電気信号に基づいて、前記被検体内の情報を生成する情報取得部と、前記第一の光検出器が取得した光の強度に基づいて、前記被検体に照射される光の強度を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る光音響装置の制御方法は、
被検体に対して光を照射する光源と、前記光に起因して被検体内で発生した音響波を検出する音響波検出器を有する光音響装置の制御方法であって、前記光に起因して被検体内で発生した音響波を電気信号に変換する音響波検出ステップと、前記被検体内を伝播し、被検体の外部へ漏出した光の強度を取得する第一の光検出ステップと、前記電気信号に基づいて、前記被検体内の情報を生成する情報取得ステップと、前記第一の光検出ステップにて取得した光の強度に基づいて、前記被検体に照射される光の強度を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、光音響装置の安全性を向上させることができる。
第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第一の実施形態における測定フローチャート図である。 第一の実施形態における測定フローチャート図である。 第二の実施形態における測定フローチャート図である。 第三の実施形態における測定フローチャート図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、実施形態の説明で用いる数値や材質等は、発明の範囲を限定するものではない。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、パルス光を被検体に照射し、当該パルス光に起因して、被検体内で発生した光音響波を受信および解析することで、被検体内の光学特性に関連した情報(以下、特性情報)を可視化、すなわち画像化する装置である。特性情報とは、例えば、光エネルギーの吸収量や吸収率に関する情報であり、具体的には、吸収係数や組織を構成する物質の濃度、等に関する特性値である。物質の濃度に関する情報とは、例えば、酸素飽和度、トータルヘモグロビン濃度、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビン濃度などである。また、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃
度、脂肪や水の体積分率などであってもよい。これらの情報は、2次元又は3次元の分布データとして生成され、画像として出力される。
本実施形態に係る光音響測定装置は、人や動物の血管疾患や悪性腫瘍などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって、被検体としては生体の一部、具体的には人や動物の皮膚や皮下部位などの検査対象が想定される。特に、皮膚表面から数ミリメートル以内の浅い部位、さらには真皮層内の血管等を検査対象とした際に好適に用いることができる。
<システム構成>
図1を参照しながら、第一の実施形態に係る生体光測定装置の構成を説明する。
第一の実施形態に係る生体光測定装置は、光源10、探触子20、光学系30(符号31〜35で図示)、第一の光検出器40、第二の光検出器50、処理部60、音響マッチング部材70、制御部80、走査機構90、表示部100からなる。
各構成要素について説明する。
<<光源10>>
光源10は、パルス光を発生させ、被検体に照射する手段(光照射手段)である。
光源は、大出力を得るためレーザ光源であることが望ましいが、レーザの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプ等を用いることもできる。光源としてレーザを用いる場合、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なものが使用できる。
理想的には、出力が強く連続的に波長を変えられる、Nd:YAG励起のOPOレーザ、色素レーザ、Ti:saレーザや、アレキサンドライトレーザを用いるとよい。また、
異なる波長の単波長レーザを複数有していてもよい。
パルス光の波長は、被検体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長であって、被検体内部まで光が伝搬する波長であることが望ましい。具体的には、被検体が生体である場合、400nm以上1600nm以下であることが望ましい。特に、生体表面近傍の血管を高解像度でイメージングする際は、400nm以上700nm以下であることが好ましい。また、生体の深部をイメージングする際には、生体の背景組織において吸収が少ない波長(700nm以上1100nm以下)であることが好ましい。ただし、テラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
また、光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体である場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は1ナノから100ナノ秒程度が好適である。
なお、複数波長の光を用いて測定する際は、発振する波長の変換が可能なレーザを用いることがより好ましい。また、複数波長の光を被検体に照射する場合、互いに異なる波長の光を発振する複数台のレーザを切り替えながら照射してもよい。
以下、光源から発生するパルス光を照射光と称する。光源から出射した照射光は、後述する光学系を通して被検体に照射される。
<<探触子20>>
探触子20は、被検体内部で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する手段であり、複数の音響素子の集合からなる。音響波受信部は、音響波検出器、トランスデューサとも呼ばれる。なお、本発明における音響波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波、光音響波、光超音波と呼ばれる弾性波を含む。
生体から発生する音響波は、100KHzから100MHzの超音波であるため、探触子20が有する音響素子には、上記の周波数帯を受信できる素子を用いる。具体的には、圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を
用いたトランスデューサなどを用いることができる。
また、探触子20には、感度が高く、周波数帯域が広いものを用いることが望ましい。具体的にはPZT(圧電セラミックス)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)、CMUT(容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ)、ファブリペロー干渉計を用いたものなどが挙げられる。ただし、ここに挙げたものだけに限定されず、探触子としての機能を満たすものであれば、どのようなものであってもよい。
また、探触子20は、複数の音響素子が配列されたものであってもよい。また、その配列は、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイと呼ばれるような、音響素子が平面または曲面内に並ぶような配置であることが好ましい。複数の位置で同時に音響波を受信することで、測定時間を短縮することができ、被検体の振動などの影響を低減することができる。
また、探触子20は、音響レンズが内蔵されたフォーカス型探触子であってもよく、信号を増幅する増幅器を内蔵していてもよい。
<<光学系30>>
光学系30は、光源10で発生した光を被検体の表面まで導く光学部材である。
光学系は、典型的には、光ファイバなどの導波路、光を反射するミラーや光を拡大するレンズ、光を拡散させる拡散板などの光学部材を用いて、照射光を所望の照射光分布形状に加工しながら被検体に導く。このような光学部品は、光源から発せられた照射光を被検体に所望の形状で照射できるものであれば、どのようなものを用いてもよい。特に、ビーム光の径をフォーカスして被検体に照射することで、イメージング解像度を向上させることができる。
本実施形態では、導波路31(典型的には光ファイバ)、コリメータレンズ32、ビームスプリッタ33、アキシコンレンズ34、ミラー35をまとめて光学系30と称する。このような構成をとることで、照射光を被検体の対象位置に集光させることができる。
なお、ビームスプリッタ33は、入射角度45度における反射率が5%以内であるものを用いることが好ましい。
また、光学系30は、必ずしも照射光を集光して被検体に照射するものでなくてもよい。例えば、乳房等を検査対象とする装置においては、ビーム光の径を広げて被検体に照射することが好ましい場合もある。
<<第一の光検出器40・第二の光検出器50>>
第一の光検出器40は、被検体11に照射され、当該被検体内を拡散および伝播した光のうち、被検体外に漏出した光を検出し、その光量(すなわち強度)を測定する手段である。第一の光検出器に到達する光は、被検体内を拡散しながら、様々な経路を通過してきた光である。このような光の伝播経路の範囲は、符号130に示したようなバナナ状の形状をなす。
第一の光検出器40には、例えばフォトダイオードやアバランシェフォトダイオード、光電子増倍管などを用いることができるが、光を検出できるものであれば、例示したもの以外を用いてもよい。例えば、光エネルギーメータを用いることも可能である。
第一の光検出器40は、被検体11の表面に密着していることが好ましく、特に、被検体11が人の体である場合は、皮膚に密着していることが好ましい。
第二の光検出器50は、ビームスプリッタ33によって導かれた照射光の一部を検出し、その光量を測定する手段である。第二の光検出器50には、フォトダイオードや光エネルギーメータを好適に用いることができるが、例示したもの以外を用いてもよい。
<<処理部60>>
次に、処理部60の構成を説明する。本実施形態では、処理部60は、光音響信号収集部61、第一の光量収集部62、第二の光量収集部63、特性値情報算出部64、光量判定部65から構成される。それぞれの手段について説明する。
光音響信号収集部61は、探触子20が有する音響素子から出力される時系列のアナログ信号をチャネル毎に収集し、信号の増幅やA/D変換、デジタル化された信号の一時的な記憶といった処理を行う。光音響信号収集部61には、一般的にDAS(Data Acquisition System)と呼ばれる回路を用いることができる。
第一の光量収集部62は、第一の光検出器40から出力される信号を収集し、第二の光量収集部63は第二の光検出器50から出力される信号を収集する。また、第一の光量収集部62および第二の光量収集部63は、必要に応じて信号の増幅や、アナログ信号のA/D変換、デジタル化された信号の一時的な記憶、取得した信号を光量値に変換する処理等を行う。これにより、各光検出器に入射した光の光量を取得することができる。
第一の光量収集部62および第二の光量収集部63は、例えば、信号を増幅する増幅器、アナログ信号をデジタル化するA/D変換器、信号を光量値に変換する演算手段などを有している。
なお、第一の光量収集部62は、第一の光検出器40から出力される信号に基づいて、第一の光検出器40に入射する、単位面積あたりの光量を取得するように構成されることが好ましい。このため、第一の光量収集部62には、変換に必要な係数や式を記憶させておくことが好ましい。
また、第二の光量収集部63は、第二の光検出器50から出力される信号に基づいて、被検体11に照射される、単位面積あたりの光量を取得するように構成されることが好ましい。このため、第二の光量収集部63には、変換に必要な係数や式を記憶させておくことが好ましい。
特性値情報算出部64は、光音響信号収集部61および第一の光量収集部62から出力される信号を用いて、被検体内の特性情報(すなわち光の吸収率等)を、被検体内の位置ごとに算出する手段(情報取得部)である。以下、被検体内の各位置の光の吸収率に関わる特性値情報のことを、被検体内の光吸収分布とも呼ぶ。
本実施形態に係る光音響測定装置は、光音響顕微鏡として実施することもできるし、光音響トモグラフィ装置として実施することもできる。
装置が光音響顕微鏡である場合、特性値情報算出部64が、光音響信号収集部61から出力される信号を、時間変化に対して包絡線検波した後、パルス毎の信号における時間軸方向を奥行き方向に変換し、空間座標上にプロットする。このような処理を測定位置(走査位置)ごとに行うことにより、音圧分布データを取得する。さらに、特性値情報算出部64が、第一の光量収集部62で得られた光量値を用いて、各測定位置における音圧分布を補正することで、測定位置ごとの光吸収分布データを取得する。例えば、第一の光検出器40がフォトダイオードである場合、各測定点においてフォトダイオードから出力される信号のピーク値をとり、音圧分布データをピーク値で除算することにより、測定位置ごとの光吸収分布データを取得することができる。
一方、装置が光音響トモグラフィ装置である場合、特性値情報算出部64が、光音響信号収集部61から出力されるチャネル毎の受信信号を用いて画像再構成を行うことにより、2次元又は3次元の空間座標上の位置に対応する初期音圧のデータを求める。特性値情報算出部64は、画像再構成手法として、UBP法や、FBP法といった公知の再構成手法を用いることができる。また、特性値情報算出部64は、画像再構成手法として、整相
加算処理を用いてもよい。さらに、特性値情報算出部64は、第一の光量収集部62から出力される光量値を用いて音圧分布データを補正することで、測定位置ごとの光吸収分布データを取得することができる。
さらに、複数波長を用いて測定を行った場合、特性値情報算出部64が、波長ごとの光吸収分布データを用いて、被検体内に存在する物質の濃度分布を求めてもよい。特に、オキシヘモグロビン(HbO)の濃度と、デオキシヘモグロビン(Hb)の濃度を用いることで、血液中の酸素飽和度分布を求めることができる。
光量判定部65は、第一の光量収集部62および第二の光量収集部63から出力される光量値と、あらかじめ定められた閾値との大小を判定し、判定結果を制御部80に送信する手段である。具体的な例については後述する。
特性値情報算出部64および光量判定部65は、CPUやGPU等のプロセッサ、FPGAチップ等の演算回路によって構成することができる。なお、1つのプロセッサや演算回路から構成されるだけでなく、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。また、受信信号、生成された分布データ、表示画像データ、各種測定パラメーター等を記憶するメモリを備えていてもよい。メモリは、典型的には1つ以上のROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。
<<音響マッチング部材70>>
音響マッチング部材70は、音響整合材が格納された容器であり、典型的には水槽やウォーターバッグ等である。本実施形態では、探触子20が有する音響素子が、音響整合材に浸かるように構成される。これにより、被検体11と音響素子との間の音響インピーダンスを整合させることができる。なお、音響マッチング部材70と被検体11との接触面は、光音響波を通しやすいように、光音響波の波長よりも薄いフィルム等で構成されることが好ましい。より好ましくは、接触面が、光音響波の波長の1/4以下の厚さであることが好ましい。また、音響整合材や接触面は、照射光を吸収しにくい材料で構成されることが好ましい。例えば、音響整合材の材料として、水、超音波ジェルもしくは油等を採用することができ、接触面の材料には、ポリエチレン等を採用することができる。
また、接触面と被検体11との間は、ジェル等により音響整合がとられていることが好ましい。
<<制御部80>>
制御部80は、前述した各手段の動作を制御する手段である。例えば、光源10に対して、発光を指示する信号や光の強度を設定する信号を、探触子20に対して音響波の受信を制御する信号を、また、後述する走査機構90に対して位置を制御する信号を供給する。また、制御部80は、光量判定部65が行った判定結果に基づき、照射光の発光または光量を制御する機能を有する。さらに、処理部60の信号増幅制御、A/D変換タイミング制御、受信信号の記憶制御などを行う。
制御部80についても、処理部60と同様に、CPUやGPU等のプロセッサ、FPGAチップ等の回路を1つ又は複数組み合わせて構成することができる。また、各種測定パラメーター等を記憶するメモリを備えていてもよい。メモリは、典型的には1つ以上のROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。これらは処理部60と共用することも可能である。
<<走査機構90>>
走査機構90は、探触子20および光学系30を被検体に対して移動させる手段である。本実施形態では、探触子20および光学系30の双方を、走査機構90によって同期して移動させる。以下、探触子20および光学系30を、測定部140と総称する。
走査機構90は、典型的には、ステッピングモータやサーボモータを備えたステージで
あるが、他の構成を採用してもよい。走査機構90が測定部140を移動させることで、被検体110上の複数の測定位置において測定を行うことができる。
なお、本実施形態では、探触子20および光学系30を同時に移動させるが、例えば、光学系30を固定し、照射光を被検体110上の広い範囲に照射して、探触子20のみを走査させる構成としてもよい。
また、探触子20を固定し、光学系30のみを走査させる構成としてもよい。具体的には、探触子20に、フォーカス範囲の広いシングルトランスデューサやアレイ型トランスデューサなど、広範囲からの光音響波を受信可能なものを用い、探触子20を固定する。また、照射光は集光させて被検体に照射し、走査機構90によって走査可能に構成する。
なお、このように探触子20を固定する場合、必ずしも音響整合材として水などの液体を用いる必要はない。例えば、音響マッチング部材70のかわりに、ゲル部材(ポリウレタン系のゲル等)を用いることも可能である。
なお、走査機構90は、照射光の照射位置や、音響波の取得位置を変更するものであれば、探触子20や光学系30自体を移動させるものでなくてもよい。例えば、音響波や照射光を導くためのミラー等を設け、当該ミラー等を動かすことで位置を変更するようにしてもよい。例えば、ミラーの角度を変えてもよいし、ミラーの位置を変えてもよい。このようなミラーとして、ガルバノミラーやMEMSミラーなどを用いることが可能である。
この場合も、照射光の照射位置と音響波の取得位置の両方を移動させるようにしてもよいし、どちらかのみを移動させるようにしてもよい。
<<表示部100>>
表示部100は、画像を表示する手段であり、典型的には、液晶ディスプレイ、CRT、有機ELディスプレイ等である。なお、表示部100は、必ずしも本実施形態に係る光音響測定装置の一部である必要はなく、外部に接続されていてもよい。
<<被検体110>>
被検体110は本実施形態に係る光音響測定装置を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響測定装置は、人や動物の血管疾患や悪性腫瘍などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって、被検体110としては生体、具体的には人体や動物の顔、乳房、頸部、腹部などの診断の対象部位が想定される。
また、測定対象である光吸収体120は、被検体110の内部で相対的に光吸収係数が高いものであることが好ましい。例えば、人体が測定対象である場合、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビン、それらを含む多く含む血管、あるいは新生血管を多く含む悪性腫瘍が、測定対象の光吸収体となる。その他、メラノーマや、頸動脈壁のプラークなどであってもよい。
<被検体の測定方法>
次に、本実施形態に係る光音響測定装置によって、被検体である生体を測定する方法について説明する。
光源10から発せられたパルス光が、光学系30を経由して生体に照射されると、生体の内部を伝搬した光のエネルギーの一部が生体内にある光吸収体120に到達する。光吸収体は、典型的には生体内における血管、特に血管内に存在するヘモグロビン等の物質、腫瘍などである。光吸収体が当該光のエネルギーを吸収すると、光音響波を発生させる。この生体内で発生した音響波は、被検体内を伝播して探触子20に到達する。
探触子20で受信された音響波は、時系列の電気信号に変換され、処理部60に順次入力され、解析される。解析結果は、生体内の特性情報(例えば、初期音圧分布や吸収係数分布)を表す画像データに変換され、表示部100を通して出力される。画像は、例えば
、三次元データであってもよいし、二次元データであってもよい。
一方、被検体110内を拡散し、被検体の外部に出射した照射光は、第一の光検出器40によって検出され、その強度が処理部60に入力される。また、被検体110に照射された照射光の一部は、第二の光検出器50によって検出され、その強度が処理部60に入力される。また、本実施形態では、第一の光検出器40および第二の光検出器50によって検出された光の強度に基づいて、処理部60が照射光の照射有無、および光量を制御する。
<測定処理フローチャート>
より具体的な制御方法について、測定処理のフローチャートである図2および図3を参照しながら説明する。
図2は、オペレータが装置に対して測定の開始指示を行ってから、測定が開始されるまでに行われる処理を示したフローチャートである。
まず、ステップS11で、制御部80が、光源10に対して照射光の照射開始を指示する。ここで照射される照射光の光量は、被検体に対して設定されたMPE(最大許容露光量)よりも十分小さい値である。例えば、照射部位が人の皮膚である場合、被検体110の表面に照射される光の光量が、皮膚に対して設定されたMPEの10分の1以下となるように制御を行うことが好ましい。
次に、ステップS12で、制御部80が、照射光の光量を1ステップ上昇させる。光量を変動させる幅は任意の値でよいが、急激に変化しないことが好ましい。例えば、前述したMPEの10分の1ずつとすることができる。
次に、ステップS13で、処理部60(第二の光量収集部63)が、第二の光検出器50が出力した信号を取得し、光量に変換する。なお、ここで取得した光量をさらに変換し、被検体110に単位面積あたりに照射される光量を求めるようにしてもよい。
以降、第二の光量収集部63によって取得された光量を、第二の光量と称する。
次に、ステップS14で、処理部60(光量判定部65)が、予め設定された閾値(本発明における第六の閾値。以下、閾値Smin)よりも第二の光量が大きいか否かを判定す
る。ここで、第二の光量が閾値Sminを上回っている場合、これ以上の光量増加は必要な
いと判断し、処理をステップS17へ遷移させる。第二の光量が閾値Sminを上回ってい
ない場合は、処理はステップS15へ遷移する。
ここで用いる閾値Sminは、照射部位に対する安全マージンを取った値である。例えば
、照射光の照射部位が人の皮膚である場合、閾値Sminは、皮膚に対して設定されたMP
Eの2分の1とすることができる。もちろん、これ以外の値を用いてもよい。
第二の光量が、閾値Sminに達していない場合、ステップS15の処理が実行される。
ステップS15〜S16の処理は、被検体の表面から出射する光の光量を取得し、所定の閾値以上である場合、第二の光量が閾値Sminに達していない場合であっても、測定を
開始させるための処理である。
ステップS15では、処理部60(第一の光量収集部62)が、第一の光検出器40が出力した信号を取得し、光量に変換する。なお、ここで取得した光量をさらに変換し、第一の光検出器40に入射する単位面積あたりの光量を求めるようにしてもよい。
以降、第一の光量収集部62によって取得された光量を、第一の光量と称する。
次に、ステップS16で、処理部60(光量判定部65)が、予め設定された閾値(本
発明における第五の閾値。以下、閾値Emin)よりも第一の光量が大きいか否かを判定す
る。ここで、第一の光量が閾値Eminを上回っている場合、第二の光量に関係なく、処理
をステップS17へ遷移させる。第一の光量が閾値Eminを上回っていない場合は、処理
はステップS12へ遷移する。
ここで用いる閾値Eminは、照射部位より厳しいMPEが設定されている部位に対する
安全マージンを取った値である。例えば、照射部位が人の目の近傍にある場合、閾値Eminは、目(網膜)に対して設定されたMPEの2分の1とすることができる。もちろん、
これ以外の値を用いてもよいが、閾値Eminは、閾値Sminよりも小さい値となる。
最終的に、ステップS17で、制御部80が被検体に対する光音響測定を開始する。
このような処理を実行すると、第一の光量が閾値Eminを上回る、もしくは、第二の光
量が閾値Sminを上回るまで、光源10から照射される光の光量が徐々に上昇する。これ
により、照射光を照射する部位と、当該部位の近傍にあり、より厳しいMPEを有する部位の双方に対して安全マージンを取った照射光量を決定することができる。
なお、図2に示した処理は、パルス光の発光ごとに行われることが好ましいが、数パルスごとに間引いて行うようにしてもよい。また、一定時間経過ごとに行うようにしてもよい。
図3は、光音響測定中に、被検体に照射する光の光量を制御する処理を示したフローチャートである。
まず、ステップS21で、光音響測定を開始する。
次に、ステップS22で、処理部60(第二の光量収集部63)が、ステップS13と同様に、第二の光検出器50が出力した信号を取得し、光量に変換する。当該処理は、ステップS13と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
次にステップS23で、処理部60(光量判定部65)が、予め設定された閾値(本発明における第三の閾値。以下、閾値Smax)よりも第二の光量が大きいか否かを判定する
。ここで、第二の光量が閾値Smaxを上回っている場合、光量が多すぎると判断し、処理
をステップS27へ遷移させ、照射光の発光を停止させ、測定を終了させる。第二の光量が閾値Smaxを上回っていない場合は、処理はステップS24へ遷移する。
ここで用いる閾値Smaxは、被検体110の表面に対する照射光量の制限値である。例
えば、照射光の照射部位が人の皮膚である場合、閾値Smaxは、皮膚に対して設定された
MPEの3分の2とすることができる。もちろん、これ以外の値を用いてもよい。
なお、本例では、光源10に対して発光を停止させる信号を送信することで照射光の発光を停止させるが、被検体への光の照射を停止できれば、他の方法を用いてもよい。例えば、レーザシャッター等を用いて、光路を遮断してもよい。
第二の光量が、閾値Smaxに達していない場合、ステップS25の処理が実行される。
ステップS24〜S25の処理は、被検体の表面から出射する光の光量を取得し、所定の閾値以上である場合、第二の光量が閾値Smaxに達していない場合であっても、照射光
の発光を停止させるための処理である。
ステップS24では、処理部60(第一の光量収集部62)が、ステップS15と同様に、第一の光検出器40が出力した信号を取得し、光量に変換する。当該処理は、ステップS15と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
次にステップS25で、処理部60(光量判定部65)が、予め設定された閾値(本発明における第一の閾値。以下、閾値Emax)よりも第一の光量が大きいか否かを判定する
。ここで、第一の光量が閾値Emaxを上回っている場合、第二の光量に関係なく、ステッ
プS27へ遷移し、照射光の発光を停止させ、測定を終了させる。第一の光量が閾値Ema
xを上回っていない場合は、処理はステップS26へ遷移する。
ここで用いる閾値Emaxは、照射部位より厳しいMPEが設定されている部位に対する
照射光量の制限値である。例えば、照射部位が人の目の近傍にある場合、閾値Emaxは、
目(網膜)に対して設定されたMPEの3分の2とすることができる。もちろん、これ以外の値を用いてもよいが、閾値Emaxは、閾値Smaxよりも小さい値となる。
最終的に、ステップS26で、所望の範囲に対する測定が完了したかを判定し、完了していた場合、光音響測定を終了させる。完了していなかった場合は、次の測定ポイントに対する光音響測定を行い、処理を継続する。
このような処理を実行すると、第一の光量が閾値Emaxを上回る、もしくは、第二の光
量が閾値Smaxを上回ったことを検出し、被検体に対する光の照射を停止させることがで
きる。これにより、照射光を照射する部位と、当該部位の近傍にあり、より厳しいMPEを有する部位の双方に対して、光量の制限値を超えないように監視を行うことができる。
なお、図3に示した処理は、パルス光の発光ごとに行われることが好ましいが、数パルスごとに間引いて行うようにしてもよい。また、一定時間経過ごとに行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る光音響測定装置によれば、照射部位にある生体組織(例えば皮膚)に対する安全性だけではなく、被検体内で拡散して伝播した光に対する、他の生体組織(例えば網膜)に対する安全性を考慮した光音響測定が可能となる。
なお、本実施形態では、図2に示した処理と、図3に示した処理を続けて行ったが、必ずしも、測定前に図2に示した処理を行う必要は無い。例えば、あらかじめ設定した既定の光量で光を照射し、すぐに光音響測定を開始してもよい。この際の既定の光量は、照射部位(すなわち皮膚)に対して設定されたMPEの2分の1以下になるように設定することが好ましい。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、第一の光量が閾値Emaxを上回った場合、または、第二の光量が
閾値Smaxを上回った場合に、照射光の発光を停止させた。これに対し、第二の実施形態
は、ただちに発光を停止させるのではなく、照射光量を低下させる制御を行う実施形態である。
第二の実施形態に係る光音響測定装置の構成は、第一の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略し、処理の相違点についてのみ説明を行う。
図4は、第二の実施形態において、被検体に照射する光の光量を制御する処理を示したフローチャートである。第二の実施形態では、ステップS23において、第二の光量が閾値Smaxを上回ったと判断した場合に、処理をステップS28に遷移させ、光源10に対
して、照射光量を低下させる命令を発行する。同様に、第一の光量が閾値Emaxを上回っ
たと判断した場合に、処理をステップS28に遷移させ、光源10に対して、照射光量を低下させる命令を発行する。他の処理は、第一の実施形態と同様である。
第二の実施形態によると、何らかの要因によって第一の光量または第二の光量が変動した場合であっても、測定を継続させることが可能になる。
(第三の実施形態)
第二の実施形態では、第一の光量が閾値Emaxを上回った場合、または、第二の光量が
閾値Smaxを上回った場合に、照射光の光量を低下させた。これに対し、第三の実施形態
は、照射光の光量を低下させた後で、第一および第二の光量が低下した場合に、照射光の
光量を再度増加させる実施形態である。
第三の実施形態に係る光音響測定装置の構成は、第一の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略し、第二の実施形態との処理の相違点についてのみ説明を行う。
第三の実施形態では、ステップS23を実行した後で、ステップS231を実行する。
ステップS231では、処理部60(第二の光量収集部63)が、予め設定された閾値(本発明における第四の閾値。ここでは、第六の閾値と同値の閾値Sminとする)よりも
第二の光量が大きいか否かを判定する。ここで、第二の光量が閾値Sminを下回っている
場合、光量が低下しすぎと判断し、ステップS29へ遷移し、照射光の光量を増加させる。第二の光量が閾値Sminを下回っていない場合は、処理はステップS24へ遷移する。
ここで用いる閾値Sminは、第一の実施形態と同様に、閾値Smaxよりも小さい値である。例えば、閾値Smaxが、皮膚に対して設定されたMPEの3分の2である場合、閾値Sminは、皮膚に対して設定されたMPEの2分の1とすることができる。
また、第三の実施形態では、ステップS25を実行した後で、ステップS251を実行する。
ステップS251では、処理部60(第一の光量収集部62)が、予め設定された閾値(本発明における第二の閾値。ここでは、第五の閾値と同値の閾値Eminとする)よりも
第一の光量が大きいか否かを判定する。ここで、第一の光量が閾値Eminを下回っている
場合、光量が低下しすぎと判断し、ステップS29へ遷移し、照射光の光量を増加させる。下回っていない場合は、処理はステップS26へ遷移する。
ここで用いる閾値Eminは、第一の実施形態と同様に、閾値Emaxよりも小さい値である。例えば、閾値Emaxが、目(網膜)に対して設定されたMPEの3分の2である場合、
閾値Eminは、目に対して設定されたMPEの2分の1とすることができる。
他の処理は、第二の実施形態と同様である。
第三の実施形態によると、照射光の光量を適切な範囲、すなわち、安全マージンを取った範囲であり、かつ、測定に適した範囲に維持することができる。
(変形例)
なお、各実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。
例えば、本発明は、前述した手段の少なくとも一部を含む光音響装置として実施することもできる。また、当該光音響装置の制御方法として実施することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、ハンドヘルド型の光音響装置として実施することも可能である。この場合、測定部140に加え、第一の光検出器40を一体のプローブに格納する構成としてもよい。
また、実施形態の説明では、光量の閾値として、Smin、Smax、Emin、Emaxの4つを例示したが、例示した値以外の値を閾値として用いてもよい。また、第二の閾値と第五の閾値、および、第四の閾値と第六の閾値は別の値であってもよい。
例えば、第一の閾値は、目に対して設定されたMPEの3分の2以下であり、第二およ
び第五の閾値は、目に対して設定されたMPEの2分の1以上であることが好ましいが、これ以外の値であってもよい。同様に、第三の閾値は、皮膚に対して設定されたMPEの3分の2以下であり、第四および第六の閾値は、皮膚に対して設定されたMPEの2分の1以上であることが好ましいが、これ以外の値であってもよい。
また、実施形態の説明では、光量の判定結果に基づいた照射制御を、処理部60および制御部80が自動で行ったが、照射制御を手動で行うようにしてもよい。この場合、判定結果を表示部100に出力し、出力された判定結果を目視したオペレータが、手動で照射光の照射可否を決定、または、光量を調整するようにしてもよい。
10・・・光源、20・・・探触子、30・・・光学系、40・・・第一の光検出器、60・・・処理部、80・・・制御部

Claims (16)

  1. 被検体に対して光を照射する光照射手段と、
    前記光に起因して被検体内で発生した音響波を検出し、電気信号に変換する音響波検出器と、
    前記被検体内を伝播し、被検体の外部へ漏出した光の強度を取得する第一の光検出器と、
    前記電気信号に基づいて、前記被検体内の情報を生成する情報取得部と、
    前記第一の光検出器が取得した光の強度に基づいて、前記被検体に照射される光の強度を制御する制御部と、を有する
    ことを特徴とする、光音響装置。
  2. 前記第一の光検出器は、前記被検体の表面に密着している
    ことを特徴とする、請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記制御部は、前記第一の光検出器が取得した光の強度が第一の閾値よりも大きい場合に、前記被検体への光の照射を停止させる
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の光音響装置。
  4. 前記制御部は、前記第一の光検出器が取得した光の強度が第一の閾値よりも大きい場合に、前記被検体に照射される光の強度を低下させる
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の光音響装置。
  5. 前記制御部は、前記第一の光検出器が取得した光の強度が第二の閾値よりも小さい場合に、前記被検体に照射される光の強度を増加させる
    ことを特徴とする、請求項3または4に記載の光音響装置。
  6. 前記第一の閾値および第二の閾値は、目に対する最大許容露光量に基づいて設定される
    ことを特徴とする、請求項5に記載の光音響装置。
  7. 前記第一の閾値は、目に対する最大許容露光量の3分の2より小さい値であり、
    前記第二の閾値は、目に対する最大許容露光量の2分の1より大きい値である
    ことを特徴とする、請求項6に記載の光音響装置。
  8. 前記被検体に照射された光の強度を取得する第二の光検出器をさらに有し、
    前記制御部は、前記第二の光検出器が取得した光の強度にさらに基づいて、前記被検体に照射される光の強度を制御する
    ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の光音響装置。
  9. 前記制御部は、前記第二の光検出器が取得した光の強度が第三の閾値よりも大きい場合に、前記被検体への光の照射を停止させる
    ことを特徴とする、請求項8に記載の光音響装置。
  10. 前記制御部は、前記第二の光検出器が取得した光の強度が第三の閾値よりも大きい場合に、前記被検体に照射される光の強度を低下させる
    ことを特徴とする、請求項8に記載の光音響装置。
  11. 前記制御部は、前記第二の光検出器が取得した光の強度が第四の閾値よりも小さい場合に、前記被検体に照射される光の強度を増加させる
    ことを特徴とする、請求項9または10に記載の光音響装置。
  12. 前記制御部は、
    前記光照射手段、音響波検出器、および、情報取得部の動作を制御することで被検体に対する測定のタイミングを制御し、
    前記被検体に対して光の照射を開始する際に、当該光の強度を徐々に増加させ、
    前記第一の光検出器が取得した光の強度が、前記第一の閾値よりも小さい第五の閾値以上となるか、前記第二の光検出器が取得した光の強度が、前記第三の閾値よりも小さい第六の閾値以上となった場合に、被検体に対する測定を開始する
    ことを特徴とする、請求項9から11のいずれか1項に記載の光音響装置。
  13. 前記第三の閾値および第四の閾値は、皮膚に対する最大許容露光量に基づいて設定される
    ことを特徴とする、請求項11に記載の光音響装置。
  14. 前記第三の閾値は、皮膚に対する最大許容露光量の3分の2より小さい値であり、
    前記第四の閾値は、皮膚に対する最大許容露光量の2分の1より大きい値である
    ことを特徴とする、請求項13に記載の光音響装置。
  15. 被検体に対して光を照射する光源と、前記光に起因して被検体内で発生した音響波を検出する音響波検出器を有する光音響装置の制御方法であって、
    前記光に起因して被検体内で発生した音響波を電気信号に変換する音響波検出ステップと、
    前記被検体内を伝播し、被検体の外部へ漏出した光の強度を取得する第一の光検出ステップと、
    前記電気信号に基づいて、前記被検体内の情報を生成する情報取得ステップと、
    前記第一の光検出ステップにて取得した光の強度に基づいて、前記被検体に照射される光の強度を制御する制御ステップと、を含む
    ことを特徴とする、光音響装置の制御方法。
  16. 請求項15に記載の光音響装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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