JPWO2019171800A1 - 光音響装置および光音響装置の制御方法 - Google Patents

光音響装置および光音響装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

レーザ光源の経時変化による光音響信号への影響を低減することができる光音響装置および光音響装置の制御方法を提供する。光音響装置(1)は、パルス光を被検体内に照射するレーザ光照射部(2B)と、被検体による光音響波から光音響信号を取得する光音響信号取得部と、パルス光を検出する光量検出部(9)と、パルス光の光量とエネルギーの関係を表す第1相関データと、パルス光のエネルギーとパルス幅の関係を表す第2相関データを格納する相関データメモリ(12)と、パルス光の光量と第1相関データからエネルギーを推定するエネルギー推定部(10)と、推定されたエネルギーと第2相関データからパルス幅を推定するパルス幅推定部(11)と、推定されたエネルギーと基準エネルギーの第1差分および推定されたパルス幅と基準パルス幅の第2差分から光音響信号を補正する光音響信号補正部(4)とを備える。

Description

本発明は、光音響装置および光音響装置の制御方法に係り、特に、光音響信号の補正を行う光音響装置および光音響装置の制御方法に関する。
従来から、光音響波を用いて被検体の内部の画像を得るものとして、光音響装置が知られている。光音響装置は、一般的に、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光を被検体内に照射し、被検体内に含まれるヘモグロビン等の生体内物質から出射される光音響波を、複数の振動子が配列されたアレイトランスデューサで受信して光音響信号を取得する。さらに、光音響装置は、取得した光音響信号を電気的に処理して、被検体の内部の画像を生成することができる。
このような光音響装置において、一般的に、時間経過と共にレーザ光源が劣化等の変化をすることが知られている。そのため、取得された光音響信号がレーザ光源の経時変化に従って変化しないように、種々の工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の光量値を計測し、計測された光量値に基づいて光音響信号の強度を補正する光音響装置が開示されている。
また、特許文献2には、パルスレーザ光の励起エネルギーおよび発光周波数等のパルスレーザ光の発光条件から、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光のパルス幅を推定し、推定されたパルス幅に基づいて光音響信号を補正する光音響装置が開示されている。
特開2015−126900号公報 特開2013−128759号公報
特許文献1に開示されている光音響装置では、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の光量値のみに基づいて光音響信号の強度を補正しているが、パルスレーザ光のパルス幅については考慮していないため、レーザ光源の経時変化に従って光音響信号の強度が大きく変化することがあった。
また、特許文献2に開示されている光音響装置では、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光のパルス幅を随時計測するのではなく、パルスレーザ光の励起エネルギーおよび発光周波数等の発光条件から推定したパルスレーザ光のパルス幅に基づいて光音響信号を補正している。そのため、発光条件から推定したパルス幅とレーザ光源から実際に出力されたパルスレーザ光のパルス幅にずれが生じることがある。これにより、レーザ光源の経時変化に従って光音響信号の強度が大きく変化することがあった。
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたものであり、レーザ光源の経時変化による光音響信号への影響を低減することができる光音響装置および光音響装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光音響装置は、パルスレーザ光を出射するレーザ光源と、パルスレーザ光を被検体内に照射することにより被検体の組織から光音響波を出射させるレーザ光照射部と、被検体の組織による光音響波を受信して光音響信号を取得する光音響信号取得部と、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光を検出する光量検出部と、光量検出部により検出された光量とパルスレーザ光のエネルギーとの関係を表す第1相関データと、パルスレーザ光のエネルギーとパルスレーザ光のパルス幅との関係を表す第2相関データとを格納する相関データメモリと、光量検出部により検出された光量から第1相関データを用いてパルスレーザ光のエネルギーを推定するエネルギー推定部と、エネルギー推定部により推定されたパルスレーザ光のエネルギーから第2相関データを用いてパルスレーザ光のパルス幅を推定するパルス幅推定部と、エネルギー推定部により推定されたパルスレーザ光のエネルギーと定められた基準エネルギーとの間の第1差分およびパルス幅推定部により推定されたパルスレーザ光のパルス幅と定められた基準パルス幅との間の第2差分の双方に基づいて光音響信号取得部により取得された光音響信号を補正する光音響信号補正部と、光音響信号補正部により補正された光音響信号から光音響画像を生成する光音響画像生成部とを備えたことを特徴とする。
光音響信号補正部は、エネルギー推定部により推定されたパルスレーザ光のエネルギーと定められた基準エネルギーとに基づいて第1差分を算出する第1差分算出部と、パルス幅推定部により推定されたパルスレーザ光のパルス幅と定められた基準パルス幅とに基づいて第2差分を算出する第2差分算出部と、第1差分算出部により算出された第1差分に応じて光音響信号を補正し、さらに、第2差分算出部により算出された第2差分に応じて光音響信号を補正する補正実行部とを含むことが好ましい。
さらに、相関データメモリは、パルスレーザ光のエネルギーと光音響信号取得部により取得される光音響信号との関係を表す第3相関データと、パルスレーザ光のパルス幅と光音響信号取得部により取得される光音響信号との関係を表す第4相関データとを格納し、補正実行部は、第1差分および第3相関データに基づいて光音響信号を補正し、さらに、第2差分および第4相関データに基づいて光音響信号を補正することができる。
また、レーザ光源は、複数波長のパルスレーザ光を出射し、光音響信号取得部は、波長毎に、光音響信号を取得し、相関データメモリは、波長毎に、対応する第1相関データおよび第2相関データを格納し、エネルギー推定部は、波長毎に、パルスレーザ光のエネルギーを推定し、パルス幅推定部は、波長毎に、パルスレーザ光のパルス幅を推定し、光音響信号補正部は、波長毎に、光音響信号を補正し、光音響画像生成部は、波長毎に、光音響画像を生成することができる。
さらに、1つの光量検出部により、複数波長のパルスレーザ光の光量をそれぞれ検出することができる。
もしくは、複数波長のパルスレーザ光の光量をそれぞれ検出する複数の光量検出部を備えることもできる。
また、光音響画像生成部は、生体内の特性分布に関する画像または生体組織分布に関する画像を生成することができる。
また、光量検出部は、光検出器と、光検出器により検出された光信号の電荷の積分値を演算する積分回路または光信号の波高値を測定するピークホールド回路を含むことができる。
さらに、光検出器は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光電管のうちのいずれかからなることができる。
さらに、光検出器は、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の光路から分岐した光の一部、および、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の散乱光のうちのいずれかを検出することができる。
また、光検出器は、レーザ光源の共振器の中に配置されていてもよい。
また、エネルギー推定部により推定されたパルスレーザ光のエネルギーの時間的変化量およびパルス幅推定部により推定されたパルスレーザ光のパルス幅の時間的変化量の少なくとも一方を監視し、監視している時間的変化量が、パルスレーザ光のエネルギーおよびパルスレーザ光のパルス幅に対してそれぞれ定められた上限値を超えた場合に、警告を発する警告部をさらに備えることができる。
エネルギー推定部により推定されたパルスレーザ光のエネルギーおよびパルス幅推定部により推定されたパルスレーザ光のパルス幅の少なくとも一方が、パルスレーザ光のエネルギーおよびパルスレーザ光のパルス幅に対してそれぞれ定められた保証範囲を超えた場合に、レーザ光源からのパルスレーザ光の出射を停止するパルスレーザ光出射停止部をさらに備えることができる。
本発明の光音響装置の制御方法は、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光を被検体内に照射することにより被検体の組織から光音響波を出射させ、被検体の組織による光音響波を受信して光音響信号を取得し、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光を検出し、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の光量とパルスレーザ光のエネルギーとの関係を表す第1相関データを用いて、検出されたパルスレーザ光の光量からパルスレーザ光のエネルギーを推定し、パルスレーザ光のエネルギーとパルスレーザ光のパルス幅との関係を表す第2相関データを用いて、推定されたパルスレーザ光のエネルギーからパルスレーザ光のパルス幅を推定し、推定されたパルスレーザ光のエネルギーと定められた基準エネルギーとの間の第1差分および推定されたパルスレーザ光のパルス幅と定められた基準パルス幅との間の第2差分の双方に基づいて光音響信号を補正し、補正された光音響信号から光音響画像を生成することを特徴とする。
本発明によれば、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の光量とパルスレーザ光のエネルギーとの関係を表す第1相関データと、パルスレーザ光のエネルギーとパルスレーザ光のパルス幅との関係を表す第2相関データとを格納する相関データメモリと、光量検出部により検出されたパルスレーザ光の光量から第1相関データを用いてパルスレーザ光のエネルギーを推定するエネルギー推定部と、エネルギー推定部により推定されたパルスレーザ光のエネルギーから第2相関データを用いてパルスレーザ光のパルス幅を推定するパルス幅推定部と、エネルギー推定部により推定されたパルスレーザ光のエネルギーと定められた基準エネルギーとの間の第1差分およびパルス幅推定部により推定されたパルスレーザ光のパルス幅と定められた基準パルス幅との間の第2差分の双方に基づいて光音響信号取得部により取得された光音響信号を補正する光音響信号補正部を備えるため、レーザ光源の経時変化による光音響信号への影響を低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る光音響装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるレーザ光源の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における受信部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における光量検出部の内部構成を示すブロック図である。 レーザ光源への入力エネルギーとレーザ光源から出力されるパルスレーザ光のエネルギーとの関係を模式的に示す図である。 レーザ光源への入力エネルギーとレーザ光源から出力されるパルスレーザ光のパルス幅との関係を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1における光音響信号補正部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における光音響画像生成部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る光音響装置の動作を表すフローチャートである。 レーザ光源から出力されたパルスレーザ光の光量値とパルスレーザ光のエネルギーとの相関関係を模式的に示す図である。 レーザ光源から出力されたパルスレーザ光のエネルギーとパルスレーザ光のパルス幅との相関関係を模式的に示す図である。 レーザ光源から出力されたパルスレーザ光のエネルギーと光音響信号の強度との相関関係を模式的に示す図である。 レーザ光源から出力されたパルスレーザ光のパルス幅と光音響信号の強度との相関関係を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例における光量検出部の内部構成を示すブロック図である。 実施の形態2における光源部の内部構成を示すブロック図である。 光検出器の感度特性の例を示す図である。 波長λ1を有するパルスレーザ光および波長λ2を有するパルスレーザ光の光量値とエネルギーとの相関関係を模式的に示す図である。 光検出器の感度特性の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る光音響装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る光音響装置の構成を示すブロック図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、本発明の実施の形態1に係る光音響装置1の構成を示す。図1に示すように、光音響装置1は、アレイトランスデューサ2Aおよびレーザ光照射部2Bを含むプローブ2を備えており、アレイトランスデューサ2Aに、受信部3、光音響信号補正部4、光音響画像生成部5、表示制御部6および表示部7が、順次接続されている。また、レーザ光照射部2Bに、レーザ光源8が接続されている。また、光音響装置1は、レーザ光源8から出射されるレーザ光の光路の近傍に、光量検出部9を備えており、光量検出部9に、エネルギー推定部10が接続されている。エネルギー推定部10には、パルス幅推定部11が接続され、エネルギー推定部10とパルス幅推定部11の双方が、光音響信号補正部4に接続されている。また、光音響信号補正部4、エネルギー推定部10およびパルス幅推定部11に、それぞれ、相関データメモリ12が接続されている。
さらに、受信部3、光音響信号補正部4、光音響画像生成部5、表示制御部6、レーザ光源8、エネルギー推定部10およびパルス幅推定部11に、装置制御部13が接続されており、装置制御部13に、操作部14および格納部15が接続されている。装置制御部13と格納部15は、互いに双方向の情報の受け渡しが可能に接続されている。
また、受信部3、光音響信号補正部4、光音響画像生成部5、表示制御部6、エネルギー推定部10、パルス幅推定部11および装置制御部13により、プロセッサ16が構成されている。また、図示しないが、プローブ2のアレイトランスデューサ2Aと受信部3により、光音響信号取得部が構成されている。
光音響装置1のレーザ光源8は、装置制御部13の制御の下、パルスレーザ光を出射する。レーザ光源8は、図2に示すように、レーザロッド81、励起光源82、ミラー83、ミラー84、偏光子85およびQスイッチ86を有している。レーザロッド81は、レーザ媒質であり、レーザロッド81に、例えば、アレキサンドライト結晶およびNd:YAG結晶等を用いることができる。励起光源82は、レーザロッド81に励起光を照射する光源であり、例えば、励起光源82として、フラッシュランプおよびレーザダイオード等の光源を用いることができる。
ミラー83および84は、レーザロッド81を挟んで互いに対向しており、ミラー83および84により光共振器が構成されている。この光共振器においては、ミラー84が出力側である。光共振器内には、偏光子85およびQスイッチ86が挿入されており、Qスイッチ86により、光共振器内の光損失が大きい状態から光損失が小さい状態へと急速に変化させることで、パルスレーザ光を得ることができる。レーザ光源8の出力側のミラー84から出射されたパルスレーザ光は、図示しない導光部材等を介してプローブ2のレーザ光照射部2Bに導光される。
プローブ2のレーザ光照射部2Bは、アレイトランスデューサ2Aの両端に配置されており、被検体の体表に接触して、図示しない導光部材等を介してレーザ光源8から導光されたパルスレーザ光を被検体内に照射する。このようにして被検体内に照射されたパルスレーザ光は、被検体内に含まれるヘモグロビン等の生体内物質に熱エネルギーとして吸収される。パルスレーザ光を吸収した生体内物質は、膨張および収縮をすることにより、光音響波を発する。
図1に示すプローブ2のアレイトランスデューサ2Aは、1次元または2次元に配列された複数の超音波振動子を有している。これらの超音波振動子は、レーザ光源8からレーザ光照射部2Bを介して被検体内にパルスレーザ光が照射されることにより発生した光音響波を受信して、受信部3に受信信号を出力する。
アレイトランスデューサ2Aを構成する複数の超音波振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN−PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛−チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
プロセッサ16の受信部3は、装置制御部13からの制御信号に従って、プローブ2のアレイトランスデューサ2Aから出力される受信信号の処理を行う。図3に示すように、受信部3は、増幅部31およびAD(Analog Digital)変換部32が直列接続された構成を有している。増幅部31は、アレイトランスデューサ2Aを構成するそれぞれの超音波振動子から入力された受信信号を増幅し、増幅した受信信号をAD変換部32に送信する。AD変換部32は、増幅部31から送信された受信信号を、デジタル化されたデータに変換し、このデータをプロセッサ16の光音響信号補正部4に送出する。
光音響装置1の光量検出部9は、レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光の少なくとも一部を計測(モニタリング)して、その光量を検出する。光量検出部9は、図4に示すように、光検出器91と積分回路92が直列接続されて構成されている。光検出器91は、レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光の光路近傍に配置されて、パルスレーザ光の一部を、電気信号である光信号として検出する。光検出器91は、例えば、光電子増倍管等の光電管、フォトダイオード、フォトトランジスタ等が用いられる。例えば、レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光の光路に図示しないハーフミラーを配置し、光検出器91が、ハーフミラーにより分岐されたパルスレーザ光の一部を検出することができる。また、光検出器91は、例えば、レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光の散乱光を検出してもよい。
光量検出部9の積分回路92は、光検出器91により検出された光信号の電荷の積分値を算出し、この積分値をAD変換することによりデジタルデータに変換して、パルスレーザ光の光量を取得する。なお、光検出器91は、ハーフミラーにより分岐されたパルスレーザ光の一部、あるいは、パルスレーザ光の散乱光を検出し、かつ、ハーフミラーの反射率、パルスレーザ光に対する散乱光の光量の比率等を考慮することにより、レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光の光量を取得することができる。
光音響装置1の相関データメモリ12は、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光の光量とパルスレーザ光のエネルギーとの関係を表す第1相関データD1と、パルスレーザ光のエネルギーとパルスレーザ光のパルス幅との関係を表す第2相関データD2と、パルスレーザ光のエネルギーと受信部3により取得される光音響信号との関係を表す第3相関データD3と、パルスレーザ光のパルス幅と受信部3により取得される光音響信号との関係を表す第4相関データD4とを格納する。ここで、パルスレーザ光のパルス幅とは、例えば、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光における1パルスの波形の半値幅または1/10幅等を用いることができる。また、第1相関データD1、第2相関データD2、第3相関データD3および第4相関データD4は、パルスレーザ光の光量、エネルギー、パルス幅およびパルスレーザ光に基づく光音響信号を予め計測することにより作成される。
ここで、相関データメモリ12としては、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
プロセッサ16のエネルギー推定部10は、光量検出部9により検出されたパルスレーザ光の光量と、相関データメモリ12に格納された第1相関データD1に基づいて、レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光のエネルギーEeを推定する。
プロセッサ16のパルス幅推定部11は、エネルギー推定部10により推定されたパルスレーザ光のエネルギーEeと、相関データメモリ12に格納された第2相関データD2に基づいて、レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光のパルス幅Weを推定する。
ところで、一般的に、レーザ光源は、一定の期間、使用されることにより、励起光源およびレーザロッド等が劣化することがある。この場合には、例えば、図5に示すように、レーザ光源に入力されるエネルギーに対して、出力されるパルスレーザ光のエネルギーが低下する場合がある。このように、出力されるパルスレーザ光のエネルギーが低下すると、被検体内においてパルスレーザ光が照射された生体内物質が吸収する熱エネルギーが小さくなり、その結果として、生体内物質から出射される光音響波の強度が弱くなることがある。また、実際には、レーザ光源に対して一定のエネルギーを入力しても、レーザ光源から出力されるパルスレーザ光のエネルギーは、パルス毎のばらつきEdを有している。このように、パルスレーザ光のエネルギーのばらつきEdのため、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光に基づいて得られる光音響信号の強度は、レーザ光源に入力したエネルギーに対する理想的な値から変動することが多い。
さらに、レーザ光源が劣化した場合には、図6に示すように、レーザ光源に入力されるエネルギーに対して、出力されるパルスレーザ光のパルス幅が大きくなることがある。このように、出力されるパルスレーザ光のパルス幅が大きくなると、被検体内の生体内物質が単位時間あたりに吸収する熱エネルギーが低下するため、生体内物質が膨張および収縮する時間的なサイクルが長くなり、生体内物質から発せられる光音響波の周波数が大きくなることがある。このような場合には、生体内物質から発せられる光音響波の帯域がアレイトランスデューサ2Aの受信帯域から離れるため、アレイトランスデューサ2Aにより取得される受信信号の強度が低下することがある。また、パルスレーザ光のエネルギーと同様に、パルスレーザ光のパルス幅は、パルス毎のばらつきWdを有している。このように、パルスレーザ光のパルス幅のばらつきWdのため、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光に基づいて得られる光音響信号の強度は、レーザ光源に入力したエネルギーに対する理想的な値から変動することが多い。
プロセッサ16の光音響信号補正部4は、レーザ光源8の経時変化による光音響信号の変化を抑制するために、エネルギー推定部10により算出されたエネルギーEeとパルス幅推定部11により算出されたパルス幅Weに基づいて、受信部3により取得された光音響信号を補正する。プロセッサ16の光音響信号補正部4は、図7に示すように、第1差分算出部41と、第2差分算出部42と、補正実行部43を有しており、第1差分算出部41および第2差分算出部42は、それぞれ、補正実行部43に接続されている。
光音響信号補正部4の第1差分算出部41は、エネルギー推定部10からエネルギーEeの値を受け取り、このエネルギーEeと定められた基準エネルギーとの間の第1差分M1を算出し、第1差分M1を補正実行部43に送出する。また、光音響信号補正部4の第2差分算出部42は、パルス幅推定部11からパルス幅Weの値を受け取り、このパルス幅Weと定められた基準パルス幅との間の第2差分M2を算出し、第2差分M2を補正実行部43に送出する。
光音響信号補正部4の補正実行部43は、第1差分算出部41から送出された第1差分M1と第2差分算出部42から送出された第2差分M2との双方に基づいて、受信部3により取得された光音響信号T1を補正し、補正後の光音響信号T2を光音響画像生成部5に送出する。この際に、補正実行部43は、第1差分M1と相関データメモリ12に格納されている第3相関データD3に基づく光音響信号の補正および第2差分M2と相関データメモリ12に格納されている第4相関データD4に基づく光音響信号の補正を行う。
プロセッサ16の光音響画像生成部5は、図8に示すように、信号処理部51、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)52および画像処理部53が直列接続された構成を有している。信号処理部51は、装置制御部13からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づき、受信信号の各データにそれぞれの遅延を与えて加算(整相加算)を施す、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、光音響波の焦点が1つの走査ラインに絞り込まれた音線信号が生成される。また、信号処理部51は、生成された音線信号に対して、光音響波が出射された位置の深度に応じて伝搬距離に起因する減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施してBモード画像信号を生成する。このように生成されたBモード画像信号は、DSC52に出力される。
光音響画像生成部5のDSC52は、Bモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換する。光音響画像生成部5の画像処理部53は、DSC52において得られた画像データに対して、明るさ補正、諧調補正、シャープネス補正および色補正等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部6に出力する。
プロセッサ16の装置制御部13は、格納部15等に予め記憶されているプログラムおよび操作部14を介したユーザの操作に基づいて、光音響装置1の各部の制御を行う。
プロセッサ16の表示制御部6は、装置制御部13の制御の下、光音響画像生成部5から出力された画像に所定の処理を施して、表示部7に表示可能な画像を生成する。
光音響装置1の表示部7は、表示制御部6により生成された画像を表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)等のディスプレイ装置を含む。
光音響装置1の操作部14は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等を備えて構成することができる。
格納部15は、光音響装置1の動作プログラム等を格納するもので、相関データメモリ12と同様に、HDD、SSD、FD、MOディスク、MT、RAM、CD、DVD、SDカード、USBメモリ等の記録メディア、またはネットワークに接続されたサーバ等を用いることができる。
なお、受信部3、光音響信号補正部4、光音響画像生成部5、表示制御部6、エネルギー推定部10、パルス幅推定部11および装置制御部13を有するプロセッサ16は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、デジタル回路を用いて構成されてもよい。また、これらの受信部3、光音響信号補正部4、光音響画像生成部5、表示制御部6、エネルギー推定部10、パルス幅推定部11および装置制御部13を部分的にあるいは全体的に1つのCPUに統合させて構成することもできる。
次に、図9に示すフローチャートを用いて本発明の実施の形態1に係る光音響装置1の動作を説明する。
まず、ステップS1において、装置制御部13の制御の下、レーザ光源8からパルスレーザ光が出射される。レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光は、図示しない導光部材等を介してプローブ2のレーザ光照射部2Bから被検体内に照射される。このようにしてパルスレーザ光が被検体内に照射されると、被検体内のヘモグロビン等の生体内物質は、パルスレーザ光を吸収し、光音響波を発する。
ステップS2において、プローブ2のアレイトランスデューサ2Aにより被検体内の生体内物質から発せられた光音響波が受信され、受信信号が受信部3に送出されると、受信部3により光音響信号が取得される。
続くステップS3において、光量検出部9は、レーザ光源8から出射されたパルスレーザ光の少なくとも一部の光量を検出する。
ステップS4において、エネルギー推定部10は、ステップS3で検出された光量と相関データメモリ12に格納されている第1相関データD1に基づいて、パルスレーザ光のエネルギーを推定する。ここで、第1相関データD1は、例えば図10に示すような、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光の少なくとも一部の光量とエネルギーの関係を表すデータである。エネルギー推定部10は、この第1相関データD1を用いて、ステップS3で検出されたパルスレーザ光の光量からエネルギーを推定することができる。
ここで、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光の少なくとも一部の光量とエネルギーを予め計測することにより、図10に示すような第1相関データD1を作成することができる。例えば、レーザ光源8からパルスレーザ光を出射している状態において、光量検出部9によりパルスレーザ光の少なくとも一部の光量を計測しながら、エネルギーメータ等によりパルスレーザ光のエネルギーを計測することにより、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光の一部の光量とエネルギーの関係が得られる。この際に、パルスレーザ光の一部の光量とエネルギーについて、それぞれ、複数の計測結果の平均値を計算することが好ましい。この測定をパルスレーザ光の入力エネルギーを変化させながら行うことにより第1相関データD1を作成することができる。パルスレーザ光の光量とエネルギーは、図10に示すように、互いに比例関係にある。
続くステップS5において、パルス幅推定部11は、ステップS4で推定されたパルスレーザ光のエネルギーと相関データメモリ12に格納されている第2相関データD2に基づいて、パルスレーザ光のパルス幅を推定する。ここで、第2相関データD2は、例えば図11に示すような、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のエネルギーとパルス幅の関係を表すデータであり、パルス幅推定部11は、この第2相関データD2を用いて、ステップS4で推定されたパルスレーザ光のエネルギーからパルス幅を推定することができる。
ここで、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のエネルギーとパルス幅を予め計測することにより、図11に示すような第2相関データD2を作成することができる。例えば、レーザ光源8からパルスレーザ光を出射している状態において、エネルギーメータ等によりパルスレーザ光のエネルギーを計測しながら、オシロスコープ等によりパルスレーザ光のパルス幅を計測することにより、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のエネルギーとパルス幅の関係を得ることができる。この際に、パルスレーザ光のエネルギーとパルス幅について、複数の計測結果の平均値を計算することが好ましい。このパルスレーザ光のエネルギーとパルス幅の関係を、パルスレーザの入力エネルギーを変えながら取得することにより第2相関データD2を作成することができる。パルスレーザ光のエネルギーとパルス幅は、図11に示すように、逆相関の関係にある。
続くステップS6において、光音響信号補正部4は、ステップS4で推定されたパルスレーザ光のエネルギーEeと、ステップS5で推定されたパルスレーザ光のパルス幅Weと、相関データメモリ12に格納された第3相関データD3および第4相関データD4に基づいて、ステップS2で取得された光音響信号を補正する。
ここで、第3相関データD3は、例えば図12に示すような、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のエネルギーとそのパルスレーザ光に基づいて取得される光音響信号の関係を表すデータである。また、第4相関データD4は、例えば図13に示すような、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のパルス幅とそのパルスレーザ光に基づいて取得される光音響信号の関係を表すデータである。光音響信号補正部4は、このような第3相関データD3および第4相関データD4を用いて、光音響信号の補正を行うことができる。
この際に、光音響信号補正部4の第1差分算出部41は、図12に示すような第3相関データD3を用い、ステップS4で推定されたパルスレーザ光のエネルギーEeと定められた基準エネルギーEsとの第1差分M1を算出し、この第1差分M1に対応する光音響信号の強度の第1補正量N1を算出する。また、光音響信号補正部4の第2差分算出部42は、図13に示すような第4相関データD4を用い、ステップS5で推定されたパルスレーザ光のパルス幅Weと定められた基準パルス幅Wsとの第2差分M2を算出し、この第2差分M2に対応する光音響信号の強度の第2補正量N2を算出する。光音響信号補正部4の補正実行部43は、第1差分算出部41により算出された第1補正量N1と第2差分算出部42により算出された第2補正量N2に応じて、ステップS2で取得された光音響信号を補正する。
ここで、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のエネルギーとそのパルスレーザ光に基づく光音響信号を予め計測することにより、図12に示すような第3相関データD3を作成することができる。
例えば、パルス幅を一定に保ったままパルスレーザ光のエネルギーを変化させる系を構築し、この系において、エネルギーメータ等によりパルスレーザ光のエネルギーを計測しながら、プローブ2をファントムに接触させてパルスレーザ光をファントム内の一定の箇所に照射し、ファントムから発せられる光音響波に基づいて光音響信号を取得することにより、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のエネルギーと光音響信号の関係が得られる。この際に、パルスレーザ光のエネルギーと光音響信号について、複数の計測結果の平均値を計算することが好ましい。この計測を、パルスレーザ光のエネルギーを変化させながら取得することにより第3相関データD3を作成することができる。この計測は、レーザ光源8を用いて行ってもよく、別途構築した同波長のレーザを用いて行ってもよい。
ここで、ファントムとは、人体の組織と同様の音響特性を有するように作られた模型であり、一般的に広く知られているものである。
また、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のパルス幅とそのパルスレーザ光に基づく光音響信号を予め計測することにより、図13に示すような第4相関データD4を作成することができる。例えば、パルスレーザ光のエネルギーを一定に保ったままパルス幅を変化させる系を構築し、この系において、オシロスコープ等によりパルスレーザ光のパルス幅を計測しながら、パルスレーザ光をファントム内の一定の箇所に照射し、ファントムから発せられる光音響波に基づいて光音響信号を取得することにより、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のパルス幅と光音響信号の関係が得られる。この際に、パルスレーザ光のパルス幅と光音響信号について、複数の計測結果の平均値を計算し、これらの平均値を計算することが好ましい。この計測を、パルス幅を変化させながら取得することにより第4相関データD4を作成することができる。この計測はレーザ光源8を用いて行ってもよく、別途構築した同波長のレーザを用いて行ってもよい。
続くステップS7において、光音響画像生成部5は、ステップS6で補正された光音響信号に基づいて、光音響画像を生成する。このようにして、本発明の実施の形態1に係る光音響装置1の動作は終了する。
以上のように、本発明の実施の形態1に係る光音響装置1によれば、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光の光量を実際に計測し、得られた計測値に基づいてパルスレーザ光のエネルギーEeとパルス幅Weを推測し、これらのエネルギーEeとパルス幅Weの双方に基づいて光音響信号を補正するため、レーザ光源8の状態が時間の経過と共に変化することにより、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のエネルギーおよびパルス幅が変化したとしても、レーザ光源8の経時変化による光音響信号への影響を低減することができる。
なお、実施の形態1において、相関データメモリ12は、第1相関データD1〜第4相関データD4を、グラフ形式、表形式、演算式の形式等のいずれかにより格納することができる。
また、相関データメモリ12は、光音響信号の補正に必要な相関データとして、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光の光量とエネルギーの関係を表す第1相関データD1、パルスレーザ光のエネルギーとパルス幅の関係を表す第2相関データD2、パルスレーザ光のエネルギーと光音響信号の関係を表す第3相関データD3、パルスレーザ光のパルス幅と光音響信号の関係を表す第4相関データD4の4つの相関データを格納している。しかしながら、第1相関データD1〜第4相関データD4の4つの相関データを加味して統合することにより、パルスレーザ光の光量と光音響信号の関係を表す1つの第5相関データを格納することもできる。この場合に、光音響信号補正部4は、光量検出部9により検出されたパルスレーザ光の光量と第5相関データのみに基づいて、受信部3により取得された光音響信号を補正することができる。
また、実施の形態1において、光量検出部9は、レーザ光源8の外に配置されているが、レーザ光源8を構成する光共振器の内部に含まれていてもよい。この場合でも、レーザ光源8が発するパルスレーザ光の光路の近傍に光量検出部9を配置することができるため、パルスレーザ光の光量を適切に検出することができる。
また、実施の形態1において、光量検出部9は、積分回路92を有しており、光検出器91により検出された光信号の電荷の積分値をパルスレーザ光の光量として取得しているが、光信号の波高値すなわちピーク値をパルスレーザ光の光量として取得することもできる。この場合に、光量検出部9は、例えば図14に示すように、積分回路92の代わりに、ピークホールド回路93を有することができる。ピークホールド回路93は、パルスレーザ光のピーク値を検出し、このピーク値をAD変換することによりデジタルデータに変換して、パルスレーザ光の光量を取得する。
実施の形態2
実施の形態1では、プローブ2のレーザ光照射部2Bから1つの波長のパルスレーザ光を被検体内に照射しているが、複数の波長のパルスレーザ光を照射することもできる。
実施の形態2の光音響装置は、実施の形態1の光音響装置1において、レーザ光源8の代わりに、図15に示される光源部8Aをプローブ2のレーザ光照射部2Bに接続したものである。
光源部8Aは、波長λ1のパルスレーザ光を出射する第1のレーザ光源8Bと波長λ2のパルスレーザ光を出射する第2のレーザ光源8Cを有しており、ミラー8Dおよびハーフミラー8Eを用いて、第1のレーザ光源8Bから出射されるパルスレーザ光と第2のレーザ光源8Cから出射されるパルスレーザ光を共通の光路に沿って出射するように構成されている。光量検出部9は、光源部8Aから出射されるパルスレーザ光の共通の光路の近傍に配置されている。
光源部8Aの第1のレーザ光源8Bおよび第2のレーザ光源8Cは、それぞれ、図2に示したレーザ光源8と同様の内部構成を有しており、装置制御部13の制御の下、互いに異なる波長λ1およびλ2のパルスレーザ光を出射する。
また、光源部8Aからの共通の光路の近傍に配置されている光量検出部9は、第1のレーザ光源8Bから出射されるパルスレーザ光の光量と第2のレーザ光源8Cから出射されるパルスレーザ光の光量をそれぞれ検出することができる。
ここで、光量検出部9の光検出器91として用いられる光電子増倍管等の光電管、フォトダイオード、フォトトランジスタ等は、一般的に、検出対象となるレーザ光の波長毎に感度が異なる。例えば、浜松ホトニクス株式会社製のフォトダイオードであるS1223−01は、図16に示すような感度特性を有しており、検出するレーザ光の波長毎に感度が異なる。
そのため、実施の形態2における相関データメモリ12は、図17に示すように、第1相関データD1として、波長λ1のパルスレーザ光の光量とエネルギーの関係を表すデータと、波長λ2のパルスレーザ光の光量とエネルギーの関係を表すデータを格納する。さらに、相関データメモリ12は、第1相関データD1と同様に、波長λ1および波長λ2毎に、第2相関データD2、第3相関データD3および第4相関データD4を格納する。
実施の形態2におけるエネルギー推定部10は、相関データメモリ12に格納された波長λ1およびλ2のパルスレーザ光に関する第1相関データD1と、光量検出部9により検出された波長λ1のパルスレーザ光の光量および波長λ2のパルスレーザ光の光量とに基づいて、波長λ1および波長λ2のパルスレーザ光のエネルギーを、それぞれ、推定する。例えば、エネルギー推定部10は、波長λ1を有するパルスレーザ光の光量D0に対して、エネルギーE1を推定し、波長λ2を有するパルスレーザ光の光量D0に対して、エネルギーE2を推定する。
実施の形態2におけるパルス幅推定部11は、相関データメモリ12に格納された波長λ1およびλ2のパルスレーザ光に関する第2相関データD2と、パルス幅推定部11により推定された波長λ1およびλ2のパルスレーザ光のエネルギーとに基づいて、波長λ1および波長λ2のパルスレーザ光のパルス幅を、それぞれ、推定する。
実施の形態2における光音響信号補正部4は、相関データメモリ12に格納された波長λ1およびλ2のパルスレーザ光に関する第3相関データD3および第4相関データD4、エネルギー推定部10により推定された波長λ1およびλ2のパルスレーザ光のエネルギー、パルス幅推定部11により推定された波長λ1およびλ2のパルスレーザ光のパルス幅に基づいて、波長λ1およびλ2のパルスレーザ光に基づいた光音響信号を、それぞれ、補正する。
この際に、光音響信号補正部4の第1差分算出部41は、波長λ1および波長λ2のパルスレーザ光に対してそれぞれ第1差分M1および第1補正量N1を算出し、光音響信号補正部4の第2差分算出部42は、波長λ1および波長λ2のパルスレーザ光に対してそれぞれ第2差分M2および第2補正量N2を算出する。光音響信号補正部4の補正実行部43は、波長λ1およびλ2のパルスレーザ光に基づいて取得されるそれぞれの光音響信号T1に対して、第1補正量N1および第2補正量N2に基づく補正を行う。
以上のように、実施の形態2の光音響装置によれば、互いに異なる波長λ1およびλ2を有する2種類のパルスレーザ光をプローブ2のレーザ光照射部2Bから被検体内に照射する場合でも、波長λ1およびλ2を有するそれぞれのパルスレーザ光の光量を随時計測して、そのエネルギーおよびパルス幅を推定し、それぞれの波長λ1およびλ2に対応する光音響信号を補正するため、光源部8Aの第1のレーザ光源8Bおよび第2のレーザ光源8Cの経時変化による光音響信号への影響を低減することができる。
なお、実施の形態2では、光源部8Aの第1のレーザ光源8Bおよび第2のレーザ光源8Cから、それぞれ、互いに異なる2つの波長λ1およびλ2を有する2種類のパルスレーザ光を出射しているが、1つのレーザ光源から互いに異なる2つの波長λ1およびλ2を有する2種類のパルスレーザ光を出射することもできる。例えば、1つのレーザ光源として、特定の複数の波長を含むパルスレーザ光を出射するレーザ光源を用い、レーザ光源に図示しない波長選択フィルタを設けることにより、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の波長λ1およびλ2を適宜切り替えることができる。
ここで、波長選択フィルタとは、特定の波長λ1またはλ2を有するパルスレーザ光のみを透過させ、それ以外の波長を有するパルスレーザ光を遮断するフィルタである。このように、1つのレーザ光源から2つの波長λ1およびλ2を有するパルスレーザ光を出射する場合には、2つのレーザ光源を用いる場合と比較して、レーザ光源の稼働時間が多くなるため、時間経過によるパルスレーザ光のエネルギーおよびパルス幅の変化が大きいことがある。実施の形態2の光音響装置によれば、互いに異なる2つの波長λ1およびλ2のパルスレーザ光のそれぞれについて、エネルギーとパルス幅に基づいた光音響信号の補正を行うため、レーザ光源8の経時変化による光音響信号への影響を低減し、精度の良い光音響画像を得ることができる。
また、実施の形態2では、2つの波長λ1およびλ2を有する2種類のパルスレーザ光の光量を、1つの光検出器91を含む光量検出部9により検出しているが、波長λ1およびλ2を有する2種類のパルスレーザ光に対してそれぞれ異なる2つの光検出器を用いて、2種類のパルスレーザ光の光量を検出することもできる。例えば、図4に示す光量検出部9が、図16に示すような感度特性を有する光検出器91と、図18に示すような感度特性を有する図示しない第2の光検出器を有し、光検出器91および第2の光検出器をそれぞれ積分回路92に接続することにより、波長λ1およびλ2を有する2種類のパルスレーザ光に対してそれぞれ異なる2つの光検出器を用いて、2種類のパルスレーザ光の光量を検出することもできる。
なお、図18に示す感度特性は、OSI社製のフォトダイオードであるAPD15−8−150の感度特性である。
また、実施の形態2の光音響装置は、波長λ1を有するパルスレーザ光と波長λ2を有するパルスレーザ光を、プローブ2のレーザ光照射部2Bを介してそれぞれ被検体内に照射しているが、互いに異なる波長を有する3種類以上の複数のパルスレーザ光を被検体内に照射することもできる。例えば、図1に示す光音響装置1に、互いに異なる波長のパルスレーザ光を出射する3つ以上の複数のレーザ光源を設けてもよく、1つのレーザ光源8として、特定の3種類以上の波長を含むパルスレーザ光を出射するレーザ光源を用い、このレーザ光源8に波長選択フィルタを設けてもよい。
この場合に、相関データメモリ12は、複数の波長毎に、第1相関データD1、第2相関データD2、第3相関データD3および第4相関データD4を格納する。また、エネルギー推定部10は、複数の波長毎に光量検出部9により検出されたパルスレーザ光の光量と、相関データメモリ12により複数の波長毎に格納された第1相関データD1とに基づいて、パルスレーザ光のエネルギーEeを推定する。また、パルス幅推定部11は、複数の波長毎にエネルギー推定部10により推定されたパルスレーザ光のエネルギーEeと、相関データメモリ12に複数の波長毎に格納された第2相関データD2とに基づいて、パルスレーザ光のパルス幅Weを推定する。
さらに、光音響信号補正部4は、エネルギー推定部10およびパルス幅推定部11により複数の波長毎に推定されたそれぞれのエネルギーEeおよびパルス幅Weと、相関データメモリ12に複数の波長毎に格納された第3相関データD3および第4相関データD4に基づいて、複数の波長毎のパルスレーザ光に基づいて取得された光音響信号を補正する。
このように、互いに異なる波長の3種類以上の複数のパルスレーザ光を被検体内に照射する場合であっても、本発明の実施の形態2の光音響装置によれば、それぞれのレーザ光源の経時変化による光音響信号への影響を低減し、精度の良い光音響画像を得ることができる。
ところで、一般的に、被検体内の生体内物質は、照射されるパルスレーザ光の波長帯域に応じて、パルスレーザ光に対する吸収度が異なる。そのため、実施の形態2において被検体内に照射されるパルスレーザ光の波長λ1およびλ2の波長帯域を、特定の生体内物質の吸収度に合わせることにより、酸素飽和度分布画像等の生体内物質の分布を表す画像を生成することができる。例えば、第1のレーザ光源8Bから出射されるパルスレーザ光の波長λ1を、酸素化ヘモグロビンの吸収度と脱酸素化ヘモグロビンの吸収度が概ね等しくなる帯域に合わせ、かつ、第2のレーザ光源8Cから出射されるパルスレーザ光の波長λ2を、酸素化ヘモグロビンの吸収度と脱酸素化ヘモグロビンの吸収度とが大きく偏っている帯域に合わせて、波長λ1のパルスレーザ光に基づく補正後の光音響信号と波長λ2のパルスレーザ光に基づく補正後の光音響信号を用いることにより、被検体内の酸素飽和度分布を表す画像を得ることができる。この際に、例えば、波長λ1を1064nmとし、波長λ2を756nmとすることにより、被検体内の酸素飽和度分布を表す画像を得ることができる。
また、同様に、被検体内に照射されるパルスレーザ光の波長λ1およびλ2を、特定の生体内物質の吸収度が大きくなる波長帯域に合せることにより、実施の形態2の光音響装置を用いて、被検体内の脂質の分布を表す画像、メラニン色素の分布を表す画像、被検体内に導入したインドシアニングリーンおよびメチレンブルー等の染色用の色素の分布を表す画像、血管、リンパ管、神経等の生体層域の分布を表す画像等を得ることができる。例えば、被検体内の脂質の分布を表す画像を取得する際には、波長λ1を920nmとし、波長λ2を1065nmとすればよい。
実施の形態3
一般的なレーザ光源は、パルスレーザ光を出射し続けることにより、劣化等の経時変化をして、その結果として、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光のエネルギーが低下し、かつ、パルス幅が増加することがある。このように、レーザ光源の経時変化に従って、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光のエネルギーおよびパルス幅が著しく変化することにより、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光が被検体内の生体内物質に照射されても、十分な強度および周波数を有する光音響波が得られない場合がある。
そのため、レーザ光源の経時変化に従って、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光のエネルギーおよびパルス幅が著しく変化していることをユーザに認識させることができる。図19に示すように、実施の形態3に係る光音響装置1Aは、図1に示す実施の形態1の光音響装置1に警告部17を設けたものである。警告部17は、エネルギー推定部10およびパルス幅推定部11に接続されており、さらに、表示制御部6および装置制御部13に接続されている。
さらに、受信部3、光音響信号補正部4、光音響画像生成部5、表示制御部6、エネルギー推定部10、パルス幅推定部11、装置制御部13および警告部17により、プロセッサ16Aが構成されている。
プロセッサ16Aの警告部17は、エネルギー推定部10により推定されたパルスレーザ光のエネルギーEeの時間的変化量が定められたエネルギー上限値を超えた場合に表示制御部6を介して表示部7に警告表示を行い、また、パルス幅推定部11により推定されたパルスレーザ光のパルス幅Weの時間的変化量が定められたパルス幅上限値を超えた場合にも、表示制御部6を介して表示部7に警告表示を行う。この際に、警告部17は、エネルギー推定部10により推定されたパルスレーザ光のエネルギーEeの時間的変化量と、パルス幅推定部11により推定されたパルスレーザ光のパルス幅Weの時間的変化量を、常時、監視する。
なお、警告部17による警告は、表示部7への表示に限らず、例えば、音声による警告を行うこともできる。
以上から、警告部17により、ユーザは、エネルギー推定部10により推定されたパルスレーザ光のエネルギーEeとパルス幅推定部11により推定されたパルスレーザ光のパルス幅Weの少なくとも一方がレーザ光源8の経時変化により大きく変化しているために、取得される光音響信号の強度が低下していることを即座に認識することができる。
実施の形態4
また、レーザ光源8から出射されるパルスレーザ光のエネルギーが規定のエネルギー保証範囲外の値となる場合、また、パルスレーザ光のパルス幅が規定のパルス幅保証範囲外の値となる場合には、何らかの原因によりレーザ光源8に異常が発生したおそれがある。このような場合には、光音響画像を生成するための正確な光音響信号を取得することができなくなるため、レーザ光源8からのパルスレーザ光の出射を停止することができる。
図20に示すように、実施の形態4に係る光音響装置1Bは、図1に示す実施の形態1の光音響装置1に、パルス光出射停止部18を設けたものである。パルス光出射停止部18は、エネルギー推定部10およびパルス幅推定部11に接続され、さらに、レーザ光源8に接続されている。また、パルス光出射停止部18は、装置制御部13に接続されている。
さらに、受信部3、光音響信号補正部4、光音響画像生成部5、表示制御部6、エネルギー推定部10、パルス幅推定部11、装置制御部13およびパルス光出射停止部18により、プロセッサ16Bが構成されている。
プロセッサ16Bのパルス光出射停止部18は、エネルギー推定部10により推定されたパルスレーザ光のエネルギーEeが定められたエネルギー保証範囲を超えた場合、あるいは、パルス幅推定部11により推定されたパルスレーザ光のパルス幅Weが定められたパルス幅保証範囲を超えた場合に、レーザ光源8からのパルスレーザ光の出射を停止する。
このように、パルスレーザ光のエネルギーが規定のエネルギー保証範囲外の値となる場合またはパルスレーザ光のパルス幅が規定のパルス幅保証範囲外の値となる場合に、パルス光出射停止部18により、レーザ光源8からのパルスレーザ光の出射を停止することができるため、安全にかつ正確に光音響画像を生成することができる。
上記記載から、以下の付記項1に記載の光音響装置を把握することができる。
[付記項1]
パルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記パルスレーザ光を被検体内に照射することにより前記被検体の組織から光音響波を出射させ、前記被検体の組織による光音響波を受信するプローブと、
前記レーザ光源から出射される前記パルスレーザ光を検出する光量検出回路と、
前記光量検出回路により検出された光量と前記パルスレーザ光のエネルギーとの関係を表す第1相関データと、前記パルスレーザ光のエネルギーと前記パルスレーザ光のパルス幅との関係を表す第2相関データとを格納する相関データメモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記プローブから光音響信号を取得し、
前記光量検出回路により検出された光量から前記第1相関データを用いて前記パルスレーザ光のエネルギーを推定し、
前記推定された前記パルスレーザ光のエネルギーから前記第2相関データを用いて前記パルスレーザ光のパルス幅を推定し、
前記推定された前記パルスレーザ光のエネルギーと定められた基準エネルギーとの間の第1差分および前記推定された前記パルスレーザ光のパルス幅と定められた基準パルス幅との間の第2差分の双方に基づいて前記取得された前記光音響信号を補正し、
前記補正された前記光音響信号から光音響画像を生成する
を備えた光音響装置。
1,1A,1B 光音響装置、2 プローブ、2A アレイトランスデューサ、2B レーザ光照射部、3 受信部、4 光音響信号補正部、5 光音響画像生成部、6 表示制御部、7 表示部、8 レーザ光源、8A 光源部、8B 第1のレーザ光源、8C 第2のレーザ光源、8D ミラー、8E ハーフミラー、9 光量検出部、10 エネルギー推定部、11 パルス幅推定部、12 相関データメモリ、13 装置制御部、14 操作部、15 格納部、16,16A,16B プロセッサ、17 警告部、18 パルス光出射停止部、31 増幅部、32 AD変換部、41 第1差分算出部、42 第2差分算出部、43 補正実行部、51 信号処理部、52 DSC、53 画像処理部、81 レーザロッド、82 励起光源、83,84 ミラー、85 偏光子、86 Qスイッチ、91 光検出器、92 積分回路、93 ピークホールド回路、D0 光量、D1 第1相関データ、D2 第2相関データ、D3 第3相関データ、D4 第4相関データ、Ee,E1,E2 エネルギー、Ed,Wd ばらつき、Es 基準エネルギー、M1 第1差分、M2 第2差分、N1 第1補正量、N2 第2補正量、T1,T2 光音響信号、We パルス幅、Ws 基準パルス幅、λ1,λ2 波長。

Claims (14)

  1. パルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記パルスレーザ光を被検体内に照射することにより前記被検体の組織から光音響波を出射させるレーザ光照射部と、
    前記被検体の組織による光音響波を受信して光音響信号を取得する光音響信号取得部と、
    前記レーザ光源から出射される前記パルスレーザ光を検出する光量検出部と、
    前記光量検出部により検出された光量と前記パルスレーザ光のエネルギーとの関係を表す第1相関データと、前記パルスレーザ光のエネルギーと前記パルスレーザ光のパルス幅との関係を表す第2相関データとを格納する相関データメモリと、
    前記光量検出部により検出された光量から前記第1相関データを用いて前記パルスレーザ光のエネルギーを推定するエネルギー推定部と、
    前記エネルギー推定部により推定された前記パルスレーザ光のエネルギーから前記第2相関データを用いて前記パルスレーザ光のパルス幅を推定するパルス幅推定部と、
    前記エネルギー推定部により推定された前記パルスレーザ光のエネルギーと定められた基準エネルギーとの間の第1差分および前記パルス幅推定部により推定された前記パルスレーザ光のパルス幅と定められた基準パルス幅との間の第2差分の双方に基づいて前記光音響信号取得部により取得された前記光音響信号を補正する光音響信号補正部と、
    前記光音響信号補正部により補正された前記光音響信号から光音響画像を生成する光音響画像生成部と
    を備えた光音響装置。
  2. 前記光音響信号補正部は、
    前記エネルギー推定部により推定された前記パルスレーザ光のエネルギーと前記定められた基準エネルギーとに基づいて前記第1差分を算出する第1差分算出部と、
    前記パルス幅推定部により推定された前記パルスレーザ光のパルス幅と前記定められた基準パルス幅とに基づいて前記第2差分を算出する第2差分算出部と、
    前記第1差分算出部により算出された前記第1差分に応じて前記光音響信号を補正し、さらに、前記第2差分算出部により算出された前記第2差分に応じて前記光音響信号を補正する補正実行部と
    を含む請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記相関データメモリは、前記パルスレーザ光のエネルギーと前記光音響信号取得部により取得される前記光音響信号との関係を表す第3相関データと、前記パルスレーザ光のパルス幅と前記光音響信号取得部により取得される前記光音響信号との関係を表す第4相関データとを格納し、
    前記補正実行部は、前記第1差分および前記第3相関データに基づいて前記光音響信号を補正し、さらに、前記第2差分および前記第4相関データに基づいて前記光音響信号を補正する請求項2に記載の光音響装置。
  4. 前記レーザ光源は、複数波長のパルスレーザ光を出射し、
    前記光音響信号取得部は、波長毎に、前記光音響信号を取得し、
    前記相関データメモリは、波長毎に、対応する前記第1相関データおよび前記第2相関データを格納し、
    前記エネルギー推定部は、波長毎に、前記パルスレーザ光のエネルギーを推定し、
    前記パルス幅推定部は、波長毎に、前記パルスレーザ光のパルス幅を推定し、
    前記光音響信号補正部は、波長毎に、前記光音響信号を補正し、
    前記光音響画像生成部は、波長毎に、前記光音響画像を生成する請求項1〜3のいずれか一項に記載の光音響装置。
  5. 1つの前記光量検出部により、前記複数波長のパルスレーザ光の光量をそれぞれ検出する請求項4に記載の光音響装置。
  6. 前記複数波長のパルスレーザ光の光量をそれぞれ検出する複数の前記光量検出部を備える請求項4に記載の光音響装置。
  7. 前記光音響画像生成部は、生体内の特性分布に関する画像または生体組織分布に関する画像を生成する請求項4〜6のいずれか一項に記載の光音響装置。
  8. 前記光量検出部は、光検出器と、前記光検出器により検出された光信号の電荷の積分値を演算する積分回路または前記光信号の波高値を測定するピークホールド回路を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の光音響装置。
  9. 前記光検出器は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光電管のうちのいずれかからなる請求項8に記載の光音響装置。
  10. 前記光検出器は、前記レーザ光源から出射される前記パルスレーザ光の光路から分岐した光の一部、および、前記レーザ光源から出射される前記パルスレーザ光の散乱光のうちのいずれかを検出する請求項8または9に記載の光音響装置。
  11. 前記光検出器は、前記レーザ光源の共振器の中に配置される請求項8〜10のいずれか一項に記載の光音響装置。
  12. 前記エネルギー推定部により推定された前記パルスレーザ光のエネルギーの時間的変化量および前記パルス幅推定部により推定された前記パルスレーザ光のパルス幅の時間的変化量の少なくとも一方を監視し、監視している時間的変化量が、前記パルスレーザ光のエネルギーおよび前記パルスレーザ光のパルス幅に対してそれぞれ定められた上限値を超えた場合に、警告を発する警告部をさらに備える請求項1〜11のいずれか一項に記載の光音響装置。
  13. 前記エネルギー推定部により推定された前記パルスレーザ光のエネルギーおよび前記パルス幅推定部により推定された前記パルスレーザ光のパルス幅の少なくとも一方が、前記パルスレーザ光のエネルギーおよび前記パルスレーザ光のパルス幅に対してそれぞれ定められた保証範囲を超えた場合に、前記レーザ光源からの前記パルスレーザ光の出射を停止するパルスレーザ光出射停止部をさらに備える請求項1〜12のいずれか一項に記載の光音響装置。
  14. レーザ光源から出射されるパルスレーザ光を被検体内に照射することにより前記被検体の組織から光音響波を出射させ、
    前記被検体の組織による光音響波を受信して光音響信号を取得し、
    前記レーザ光源から出射される前記パルスレーザ光を検出し、
    前記レーザ光源から出射される前記パルスレーザ光の光量と前記パルスレーザ光のエネルギーとの関係を表す第1相関データを用いて、検出された前記パルスレーザ光の光量から前記パルスレーザ光のエネルギーを推定し、
    前記パルスレーザ光のエネルギーと前記パルスレーザ光のパルス幅との関係を表す第2相関データを用いて、推定された前記パルスレーザ光のエネルギーから前記パルスレーザ光のパルス幅を推定し、
    推定された前記パルスレーザ光のエネルギーと定められた基準エネルギーとの間の第1差分および推定された前記パルスレーザ光のパルス幅と定められた基準パルス幅との間の第2差分の双方に基づいて前記光音響信号を補正し、
    補正された前記光音響信号から光音響画像を生成する光音響装置の制御方法。
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