JP6486068B2 - 被検部位情報取得装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検部位情報取得装置に関する。具体的には、例えば光音響効果により発生した音響波を測定するための光音響装置に関する。光音響装置としては、生体の胸部観察に利用される光音響装置等がある。
昨今、光音響効果を利用した光音響トモグラフィー(PAT:Photo Acoustic Tomography)の診断装置の開発が進められている。この装置では、Nd:YAGレーザパルス光源の照明光(近赤外光)を対象物に照射し、その時、対象物内部で光音響効果により発生する音響波を2次元もしくは3次元配列変換素子(トランスデューサ)で受信し、画像を生成して表示する。光音響効果のイメージング法の具体的な手順は、
(1)被検体表面に2次元配列変換素子を位置決めし、被検部位に単パルスの電磁エネルギーを照射する。
(2)電磁エネルギーの照射直後から、各変換素子の受信信号をサンプリングして記憶する。
(3)映像化する被検部位内の点Psについて、音響波が点Psから各変換素子iの位置Ptに達する遅れ時間を計算し、遅れ時間に対応する各変換素子の信号を加算して点Psの画像値とする。
(4)画像化する各点Psについてステップ(3)を繰り返す。
従来の光音響装置の一例として、変換素子を螺旋状に配置した受信器が円を描くように走査しながら光音響測定を行う装置が特許文献1に開示されている。
特許第4341987号公報
特許文献1が開示している装置を用いて2つの被検部位(例えば、左右乳房)の音響波の受信を行うためには、被検者は、被検部位を入れ替える必要がある。例えば、左右乳房の音響波の受信を行う場合、伏臥位での乳房入れ替えの動作は、被検者に体力的な負荷を強いることなり、受信時間も長くなる。
本発明の一様態は、それぞれが被検体の異なる被検部位を保持するように構成された複数の被検部位保持部材と、音響波を受信するように構成された受信器と、前記受信器を、前記複数の被検部位保持部材のうち、第1の被検部位保持部材に保持される第1の被検部位からの音響波を受信する位置から、第2の被検部位保持部材に保持される第2の被検部位からの音響波を受信する位置に移動するように構成された移動機構と、を備え、前記受信器は、音響波を受信する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材を有し、前記複数の変換素子は、そのうちの少なくとも一部の変換素子の指向軸が集まるように、支持部材に配置されていることを特徴とする被検部位情報取得装置に関する。
また、本発明の別の一様態は、複数の開口を有する被検体支持部材と、音響波を受信するように構成された受信器と、前記受信器を前記複数の開口のうち、第1の開口に挿入される第1の被検部位からの音響波を受信する位置から、第2の開口に挿入される第2の被検部位からの音響波を受信する位置に移動するように構成された移動機構を備え、前記受信器は、音響波を受信する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材を有し、前記複数の変換素子は、そのうちの少なくとも一部の変換素子の指向軸が集まるように、支持部材に配置されていることを特徴とする被検部位情報取得装置に関する。
本発明の一様態によれば、被検部位の音響波の受信に要する時間を短縮し、被検部位が生体の場合、被検者の負担を軽減することができる。
被検部位情報取得装置の概念図である。 受信ユニットの概念図である。 被検部位情報取得時の被検者の位置を示す概念図である。 図3のA−A‘断面で被検部位情報取得装置の受信ユニットおよび寝台部分を見た際の概念図である。 受信器の走査軌道の一例を示す概念図である。 被検部位情報取得のフローを示す図である。 受信器の走査軌道の一例を示す概念図である。 受信器の走査軌道の一例を示す概念図である。
以下に図面を参照し、本発明の実施の形態の例について説明する。ただし、本発明は、この発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、これに限定されるものではない。
なお、本明細書において、受信器の走査とは、受信器が音響波を受信しながらの移動だけでなく、受信器が音響波を受信せずに移動することも含む。また、本明細書において、測定とは、受信器が被検体内で発生した音響波を受信することを指す。
また、本明細書において、被検体情報とは、音響波の初期音圧分布、光エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布、および被検体を構成する物質の濃度分布などがある。物質の濃度とは、酸素飽和度、オキシヘモグロビン濃度、デオキシヘモグロビン濃度、および総ヘモグロビン濃度などである。総ヘモグロビン濃度とは、オキシヘモグロビン濃度およびデオキシヘモグロビン濃度の和等である。
(実施の形態1)
図1は本発明の被検部位情報取得装置の概念図である。本実施の形態では、被検部位である乳房からの音響波の受信を行う被検部位情報取得装置を例として説明する。被検者(被検体)は被検体支持部材である寝台1の上に伏臥位の姿勢をとり、乳房を下垂させて保持部材11(被検部位保持部材)に接触させる。
保持部材11と乳房の間は、超音波が透過しやすいように整合材(不図示)で充填される。整合材の例としては水、ゲル、ジェル等が挙げられる。本発明の被検部位情報取得装置は、左右乳房毎に形状が異なり、乳房の大きさに応じて複数のサイズの保持部材11を有する。複数の形状、サイズの保持部材11を設置可能にすることにより、乳房と保持部材11の間の隙間の発生を抑制することができる。本実施形態の被検部位情報取得装置は、左右乳房からの音響波の受信を連続して行う。この際、術者は片方の乳房からの音響波の受信領域のみ入力する。
信号処理部4は、AD変換を行い、得られたデジタルデータ(デジタル化された受信信号)を生成する。画像生成部6は、受信信号に基づいて2次元もしくは3次元の光音響画像を生成し、表示部7は生成された光音響画像およびカメラ33で取得した画像を表示する。
なお、画像生成部6は、受信信号に対して画像再構成アルゴリズムに基づく処理を施すことにより被検体情報を取得することができる。例えば、被検体情報を取得するための画像再構成アルゴリズムとしては、トモグラフィー技術で通常に用いられるタイムドメインあるいはフーリエドメインでの逆投影などが用いられる。なお、再構成の時間に多くを有することが可能な場合は、繰り返し処理による逆問題解析法などの画像再構成手法を用いることもできる。
本明細書において処理部は、信号処理部4および画像生成部6を含む概念である。なお、信号処理部4または画像生成部6の演算部は、典型的にはCPU、GPU、A/D変換器などの素子や、FPGA、ASICなどの回路から構成される。なお、演算部は、1つの素子や回路から構成されるだけではなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。
保持部材11(被検部位保持部材)は、被検部位を保持するように構成されている。本実施の形態において、保持部材11は、乳房を保持しやすいようにお椀型の形状である。完全な球面を有する必要はなく、乳房および腋窩部の形状にマッチした形状であればよい。保持部材11は、左右乳房毎に形状が異なり、乳房の大きさに応じて複数のサイズがあることが好ましい。
保持部材11は超音波を透過しやすいように薄く(0.1〜0.5mm)、光を透過する透明の部材であり、被検者の体重に耐えうる強度を有する部材で構成されることが好ましい。このような特性を有する保持部材11の材料としてPET(ポリエチレンテレフタレート)が好適である。なお、保持部材11は、被検部位の形状に倣って変形可能な部材であってもよい。例えば、保持部材11に典型的な乳房のヤング率よりも小さいヤング率の材料で構成されたシート状の部材などを採用してもよい。
光源5は被検体の被検部位(例えば乳房)に光エネルギーを供給し、音響波を発生させる。被検体が生体の場合、光源5からは生体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長の光を照射する。例えば、光源は、近赤外光を被検部位に照射する。光源は、本実施形態の光音響装置と一体として設けられていても良いし、光源を分離して別体として設けられていても良い。
光源としては数ナノから数百ナノ秒オーダーのパルス光を照射光として発生可能なパルス光源が好ましい。具体的には効率的に音響波を発生させるため、10〜100ナノ秒程度のパルス幅が使われる。光源としては高出力が得られるためレーザが好ましいが、レーザのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。レーザとしては、固体レーザ、ガスレーザー、ファイバーレーザー、色素レーザ、半導体レーザなど様々なレーザを使用することができる。照射のタイミング、波形、強度などは不図示の光源制御部によって制御される。本発明において、使用する光源の波長は、乳房内部まで光が伝搬する波長を使うことが望ましい。具体的には500nm以上1200nm以下である。
図2は本発明の受信ユニットの概念図である。受信ユニットは、光源(不図示)から供給され導光手段51により導かれたレーザ光を乳房に照射するように構成された光照射部31、乳房から発生した音響波(超音波)を受信するように構成された受信器32、及び乳房の保持状態を観察する為のカメラ33を有する。また、受信ユニットは、更に、光照射部31、受信器32、またはカメラ33等を移動するための移動機構34を有する。光照射部31は、例えば、乳房に正対する位置に配置され、乳房にレーザ光を照射し、熱膨張により発生した音響波を受信器32で受信する。受信器32と保持部材11の間は整合材35で充填されており、受信器32は整合材35を充填する整合材容器36を有している。整合材35には空気と比較して音響インピーダンスが人体に近い水などが用いられる。
受信器32は、音響波を受信する複数の変換素子321と、前記複数の変換素子が配置される支持部材322(変換素子支持部材)を有する。典型的には、変換素子の受信面の法線方向に対して受信感度が最も高く、入射角度が大きくなるほど受信感度が低くなる。本明細書においては、変換素子の最も受信感度の高い方向に沿った軸を「指向軸」と呼ぶ。前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の受信感度の高い方向が、前記複数の変換素子の他の変換素子の受信感度の高い方向と異なり、かつ前記一部の変換素子の受信感度の高い方向がある領域に向かうように、支持部材に配置される。ここで、ある領域とは、複数の変換素子が、前記複数の変換素子の受信感度が高い方向が前記ある領域に向かっている場合に、前記受信感度が高い方向が平行である場合に比べて、前記ある領域から発生した音響波をより高感度に受信することができる領域である。本実施の形態において、支持部材322に、光音響波を受信する複数の変換素子321が、前記複数の変換素子の少なくとも一部の指向軸が集まるように設けられている。
これにより、前記複数の変換素子の、前記受信感度の高い方向が平行である場合と比べて、前記ある領域からの音響波に基づいて作成される、前記ある領域関する画像の分解能を高くすることができる。
したがって、前記複数の変換素子は、少なくとも、受信感度が高い方向が互いに異なり(非平行であり)、かつ、ある領域に向かうように、支持部材に配置された第1の変換素子及び第2の変換素子を有していればよい。
また、前記複数の前記複数の変換素子は、少なくとも、受信感度が最も高い方向が互いに異なり、かつ、ある領域に向かうように、支持部材に配置された第1の変換素子及び第2の変換素子を有していてもよい。つまり、前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の最も受信感度の高い方向が、前記複数の変換素子の他の変換素子の最も受信感度の高い方向と異なり、かつ前記一部の変換素子の最も受信感度の高い方向がある領域に向かうように、支持部材に配置されていてもよい。ここで、ある領域とは、複数の変換素子が、前記複数の変換素子の最も受信感度が高い方向が前記ある領域に向かっている場合に、前記最も受信感度が高い方向が平行である場合に比べて、前記ある領域から発生した音響波をより高感度に受信することができる領域である。
複数の変換素子がこのように配置されていることで、前記ある領域からの音響波に対する受信器の受信感度をより高いものとすることができる。また、これにより、前記最も受信感度の高い方向が平行である場合と比べて、前記ある領域からの音響波に基づいて作成される、前記ある領域に関する画像の分解能を、より高くすることができる。
複数の変換素子を、受信感度が所定レベルより高い方向をある領域に向けることで、その領域に対応する画像を高分解能化することができる。本明細書ではこのように、高感度で受信することができる領域を高感度領域と呼び、高感度領域は結果的に高分解能領域となる。なお、本明細書において高分解能領域は、最高分解能の点から最高分解能の半分の分解能となる範囲までの領域を指す。具体的には、下記式(1)における直径rが高分解能領域の直径を示す。
Rは許容できる分解能、Rは最高分解能、rは音響検出素子を配置する球の直径、Φは第1変換素子101の直径である。ここで、Rの許容できる分解能として、本明細書では、最高分解能の半分の分解能とする。
移動機構34は、XYZ方向に3次元走査可能な3軸移動機構である。3軸移動機構は、例えば、ステージ、リニアガイド(不図示)、送りネジ機構(不図示)、およびモーター(不図示)を組み合わせて、光照射部31、受信器32、またはカメラ33等を移動するように構成されている。
移動機構34は、2つの被検部位保持部材のうち、一方の被検部位保持部材に保持される一方の被検部位からの音響波を受信する位置から、他方の被検部位保持部材に保持される他方の被検部位からの音響波を受信する位置に、受信器32を移動するように構成される。また、被検部位情報取得装置に、被検部位保持部材が設けられない場合の移動機構34は、次のように構成されていてもよい。移動機構34は、被検体支持部に設けられた2つの開口のうち、一方の開口に挿入される一方の被検部位からの音響波を受信する位置から、他方の開口に挿入される他方の被検部位からの音響波を受信する位置に、受信器32を移動するように構成される。
変換素子321は、音響波を受信し、アナログ信号である電気信号に変換するものである。本明細書において受信信号とは、変換素子から出力されたアナログ信号も、AD変換後のデジタル信号も含む。圧電現象を用いた変換素子(トランスデューサ)、光の共振を用いた変換素子、CMUT等の容量の変化を用いた変換素子など、音響波を検知できるものであれば、どのような素子を用いてもよい。本実施形態において、変換素子321は複数配置される。このような多次元配列素子を用いることで、同時に複数の場所で音響波を受信することができ、受信時間を短縮できる。
支持部材322は複数の変換素子321を支持する部材である。支持部材322の形状は、上記複数の変換素子の配置を可能とする形状であることが好ましい。すなわち、音響波に対する受信感度の観点から、支持部材322は、被検部位(乳房)を取り囲む閉曲面上に複数の変換素子321が配置されるように、複数の変換素子321を支持することが好ましい。例えば、受信器32は、複数の変換素子321の受信感度の最も高い方向(指向軸)が、球の中心に向くように、複数の変換素子321が球面上に配置されると、中心の受信感度は最も高くなる。しかし、乳房を取り囲むすべての閉曲面上に複数の素子を配置することは困難である。
そこで、例えば、支持部材が凹部を有し、前記凹部の凹面に沿って複数の変換素子が配置されていてもよい。
前記凹面は、曲面でもよく、複数の平面から成っていてもよいが、前記曲面(前記凹面が複数の平面から成る場合は、近似曲面)の曲率中心が、上記ある領域(高感度領域)に位置する曲面であることが好ましい。また、曲面が、前記曲面に沿って複数の変換素子321を並べた場合に、前記複数の変換素子の少なくとも一部の変換素子の最も受信感度の高い方向が、交差するような形状であることが好ましい。さらに、凹面の形状は、複数の変換素子321のうち、隣り合う変換素子の受信感度が最も高い方向に垂直な面同士がなす角が、0より大きく180度より小さくなる形状であることが好ましい。
支持部材322の凹面が、このような形状であることで、支持部材322に配置された複数の変換素子321の受信感度の最も高い方向(指向軸)が前記ある特定の領域に集まるため、前記ある領域からの音響波に対する受信器32の受信感度を高感度とすることができる。
具体的には、支持部材322が球面を有し、複数の変換素子321を前記球面に沿って並べることができる。ここで、球面とは、真球の面以外の球面も含む。つまり、半球面等の開口がある球面を含む。また、球面とみなせる程度の表面上の凹凸がある面や、球面とみなせる程度の楕円体(楕円を3次元へ拡張した形であり、表面が2次曲面から成る形)の面も含む。
支持部材322の形状は、支持部材322に設けられた複数の変換素子の最も受信感度が高い方向が、被検部位内のある領域に向かうような形状であることが好ましい。ここで、前記ある領域とは、上述のように、複数の変換素子が平行に配置された場合より、受信器32のある領域からの音響波に対する受信感度が高くなるような領域である。被検部位情報取得装置が被検部位保持部材を有する場合は、前記ある領域が、音響波受信時に、被検部位保持部材の被検部位挿入領域内に位置することが可能となるように、支持部材322の形状及び複数の変換素子321の配置を設定することが好ましい。
また、本実施の形態のように半球状の支持部材322の内側に複数の変換素子321の受信面が配置されるよう、複数の変換素子321を支持部材322に配置することが好ましい。ここで、半球状とは、球を正確に半分にした形状だけでなく、球の一部を除去した形状も含む。また、球とは、真球だけでなく、表面が球面とみなせる程度の表面上の凹凸がある面や、球面とみなせる程度の楕円体(楕円を3次元へ拡張した形であり、表面が2次曲面から成る形)も含む。
また、支持部材322上の複数の変換素子321の配置の方法はk空間上で等間隔にサンプリングできる配置とすることが好ましい。ここで、実空間におけるデータをフーリエ変換することでk空間におけるデータを得ることができる。すなわち、実空間の座標は位置座標(x,y,z)であり、k空間(kx,ky,kz)での軸は空間周波数である。例えば、複数の変換素子321は、特許文献1に記載されたようなスパイラル状に配置することが好ましい。なお、所望の高分解能領域を形成することができるように複数の変換素子321を配置できる限り、支持部材322の形状はどのようなものでもよい。
さらに支持部材322に光照射部31を配置していることが好ましい。これにより、音響波の受信位置と光の照射位置との関係が一定に保たれるため、より均質な光音響波情報を取得することができる。乳房へ照射できる照射面積は、American National Standards Institute(ANSI)の規格で制限される。そのため、乳房内への伝搬する光量を増加させるためには、照射強度と照射面積を大きくすることが好ましいが、光源のコストなどの観点から照射面積は制限される。また、変換素子の指向性から受信感度が小さい領域へ光を照射しても光量の利用効率が低い。そのため、乳房全体へ光照射することは効率的ではない。つまり、受信器32の感度の高い領域にのみ光照射すれば効率が良いため、受信器32とともに光も移動することが望ましい。例えば、被検部位情報取得装置が、更に、光照射部を移動させる光照射部移動機構(不図示)を有していてもよい。前記光照射部移動機構は、第1の被検部位(左乳房)からの音響波の受信を行う際の光照射部の位置と、第2の被検部位(右乳房)からの音響波の受信を行う際の前記光照射部の位置を変更するよう構成されている。
図1では、光源5から照射された光は、レンズやミラーなどの光学部品により、所望の光分布形状に加工されながら被検体に導かれる。また、光源5から照射された光は、光ファイバやそれを束ねたバンドル光ファイバ、鏡筒にミラーなどを組み込んだArticulating armなどの光導波路などを用いて伝搬させることも可能であり、それらも導光手段51とみなされる。その他の導光手段51は、例えば、光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズ、光を拡散させる拡散板などである。
このような光学部品は、光源から発せられた光が乳房に所望の形状で照射されれば、どのようなものを用いてもかまわない。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が被検体における音響波を受信できる領域を広げられるという観点で好ましい。また、光源5から所望のパルス光が乳房へ直接照射可能な場合、光音響装置は導光手段51を備えていなくてもよい。
図3は、本実施形態の被検部位情報取得時の被検者の位置を示す概念図である。本実施例の被検部位情報取得装置は、寝台1に被検部位挿入部である開口(乳房挿入口)13が2つ配置されており、左右両乳房が同時に挿入可能なように構成されている。尚、乳房挿入口13は、両乳房が同時に挿入可能なように構成されていれば良く、大きな挿入口が1つ配置されていても良い。尚、図3では保持部材を用いない例を示したが、乳房挿入口に保持部材を挿入して乳房を支持しても良い。この場合、両乳房が落ち込み過ぎないように両乳房を同時に支持可能な乳房保持部材で支持することが好ましい。乳房保持部材は一つの部材で構成しても良いし、左右乳房別々の部材で構成しても良い。
図4および図5を用いて、左右乳房からの音響波の受信時の受信器の走査について詳細説明する。図4は、図3に示したA−A‘断面で本発明の被検部位情報取得装置の受信ユニットおよび寝台部分を見た際の概念図である。
まず、被検者の左乳房を測定する。受信器32は、左乳房からの音響波受信開始位置から、+Z方向の成分を有する方向(例えば+Z方向)に移動する。ここで、Z方向とは、受信器32の、音響波の受信時の走査軌道面であるXY平面に、垂直な方向である。
次に、受信器32は、左乳房と重なるXY平面内の領域で移動し、音響波の受信を行う。例えば、受信器の走査領域において、受信器はX方向に移動しながら音響波の受信を行い、走査領域の端に到達すると、前記走査領域と受信器の受信領域の間に空隙があかない距離を、Y方向に移動する。次に、X方向において、受信器は、前記X方向の走査と逆方向に移動しながら音響波の受信を行い、走査領域の端に到達すると、再び、前記走査領域と受信器の受信領域の間に空隙があかない距離を、Y方向に移動する。上記工程を繰り返し、被検部位からの音響波の受信を行う。
左乳房の音響波の受信が終わると、受信器32は、整合材容器36と保持部材11もしくは乳房が干渉しないように‐Z方向に移動した後、右乳房からの音響波の受信開始位置に移動する。その後、再び+Z方向に移動し、受信器32の位置がZ方向において所定の位置に到達すると、右乳房からの音響波の受信が開始される。右乳房からの音響波の受信についても、上記左乳房からの音響波の受信時と同様の走査軌道で行うことができる。また、左右の乳房で、走査軌道を変更してもよい。ここで、受信器32の±Z方向の移動および右乳房からの音響波の受信開始位置への移動は同じタイミングで行っても良い。
受信器32の位置を、不図示のセンサーが検知し、制御部2に出力する。制御部2は、受信器32の走査軌道のデータを記憶する記憶部と、演算部と、を有する。演算部は、センサーの出力と記憶部のデータから、受信器32が予め決められた走査軌道に沿って移動するよう、受信器32の移動方向や速度等を制御する信号を生成し、移動機構34に出力する。センサーとしては、例えば、エンコーダー、可変抵抗器、などを用いたポテンショメータや、カメラ等を用いることができる。記憶部としては、例えば、ROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体を用いることができる。演算部としては、CPUやFPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等を用いることができる。
本実施形態は、受信ユニットが有する移動機構34により受信器32を左右乳房からの音響波の受信開始位置に移動させたが、これに限らず、受信ユニット全体を移動させる別の移動機構(不図示)を用いて移動させても良い。
図5(A)乃至(C)は、本実施の形態のXY平面内における受信器32の走査軌道を示す概念図である。図5(A)及び図5(C)において、破線部は受信器32の走査軌道である。また、受信器32は、図5(b)に破線の矢印で示すように、左乳房からの音響波の受信を終了した際の受信器の位置(左乳房受信終了点)と右乳房からの音響波の受信を開始する受信器の位置(右乳房受信開始点)を直線で結んだ軌道(乳房切替時軌道)で移動する。このように移動することにより、受信器を最短距離で移動させることができる。
また、受信器32は、第1被検部位受信終了直前から終了までの受信器32の走査軌道、または第2被検部位受信開始から直後での受信器32の走査軌道と、被検部位切り替え受信時の受信器32の走査軌道が、略平行になるように移動する。本実施の形態では、第1被検部位受信終了とは、左乳房からの音響波の受信が終了することであり、第2被検部位受信とは、右乳房からの音響波の受信が終了することである。また、被検部位音響波受信時軌道は、左乳房または右乳房からの音響波の受信時の軌道であり、被検部位切り替え受信時は、左乳房からの音響波の受信から右乳房からの音響波の受信に切り替える時である。このように走査することにより、受信器32の左乳房からの音響波の受信から、右乳房からの音響波の受信への切り替えが滑らかになり、受信器の走査に伴う装置の振動、とりわけ寝台の振動を抑制することができる。また、受信器32の走査に伴う、受信器32内の整合材の液面の乱れを低減することができる。これによって、整合材の液面の乱れに起因する受信信号の精度の低下を低減することができる。
更に、左乳房受信時、右乳房受信時、左乳房受信終了時の位置から右乳房受信の開始時の位置までの移動時のうち、少なくともいずれかの受信器の走査速度(移動速度)の時間微分値、すなわち加速度の変化が連続的になるように移動機構を制御することが好ましい。このように走査することにより、受信器の走査に伴う装置の振動、とりわけ寝台1の振動をさらに抑制することができる。また、受信器32の走査に伴う、受信器32内の整合材の液面の乱れを低減することができる。これによって、整合材の液面の乱れに起因する受信信号の精度の低下を低減することができる。
上記、移動機構34による受信器32の移動は、制御部2によって制御される。例えば、制御部2は、受信器32を左乳房または右乳房からの音響波を受信する位置に移動させる信号を移動機構34に、入力するように構成されている。また、制御部2は、左乳房からの音響波を受信する位置から、右乳房からの音響波を受信する位置に、受信器32を移動させる信号を、移動機構34に入力するように構成されている。
さらに、制御部2は、左乳房からの音響波の受信を終了した際の受信器の位置から、右乳房からの音響波の受信を開始する受信器の位置まで、受信器32を直線状に移動させる駆動信号を、移動機構34に入力するように構成されていてもよい。また、制御部2は、左乳房、または右乳房からの音響波の受信時の受信器走査軌道面に対して垂直成分を有する方向(本実施の形態では、Z方向)に、受信器32を移動させる駆動信号を、移動機構34に入力するように構成されていてもよい。
制御部2は、左乳房からの音響波の受信を終了する際の受信器の位置と、右乳房からの音響波の受信を開始する際の受信器の位置とを結んだ直線が、受信器32が右乳房からの音響波の受信を開始する際の移動方向と、略平行になるように受信器32を移動させる駆動信号を、移動機構34に入力するように構成されていてもよい。
また、制御部2は、左乳房からの音響波の受信を終了する際の受信器の位置と、右乳房からの音響波の受信を開始する際の受信器の位置とを結んだ直線が、受信器32が左乳房からの音響波の受信を終了する際の移動方向と、略平行になるように受信器32を移動させる駆動信号を、移動機構34に入力するように構成されていてもよい。
更に、制御部2は、左乳房または右乳房からの音響波の受信時、及び左乳房からの音響波の受信が終了する際の受信器32の位置から、右乳房からの音響波の受信を開始する際の受信器32の位置への移動時のうち、少なくともいずれか1つにおける受信器32の移動速度の時間微分値の変化が連続的となる駆動信号を、移動機構34に入力するように構成されていてもよい。
本実施例では、左乳房、右乳房の順に音響波を受信する場合を例に挙げたが、右乳房、左乳房の順に音響波を受信する場合にも同様の効果を得ることができる。
尚、被検者の乳房の位置に応じて、乳房挿入口13もしくは乳房保持部材(不図示)の位置を調整する調整機構(不図示)を備えてもよい。調整機構は電動式、術者による手動式いずれの構成でもよい。本構成を採用することにより、乳房の位置決めの際の被検者の負担を軽減できる。
図6は本実施の形態の被検部位情報取得装置の被検部位情報取得のフローを示す図である。術者は、必要に応じて、撮影する乳房に応じて保持部材を設置する。術者は、撮影条件を入力する。ここで、撮影条件とは、音響波受信の開始位置、走査領域の大きさ、又は受信器32の(走査速度)移動速度等、音響波受信に関するパラメータを含む。該撮影条件は術者の目視確認により決定されてもよい。保持部材に被検部である乳房が設置されると、受信器32は、第1の音響波受信開始位置へ移動し、第1の被検部位(ここでは左乳房)に関する音響波の受信を行う。次に、受信器32は、第2の音響波受信開始位置へ移動し、第2の被検部位(ここでは右乳房)に関する音響波の受信を行う。
このように、本発明の一様態によれば、被検部位の音響波の受信に要する時間を短縮し、被検部位が生体の場合、被検者の負担を軽減することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、受信器32の走査軌道が、実施の形態1とは異なる被検部位情報取得装置の例について説明する。本実施の形態では、受信器32の位置の走査軌道は、円形となる。その他の構成、動作については、実施の形態1の被検部位情報取得装置ど同様のため、説明を省略する。
図4および図7を用いて、左右乳房受信時の受信器32の走査について詳細説明する。図4は、図3に示したA−A‘断面で本発明の被検部位情報取得装置の受信ユニットおよび寝台部分を見た際の概念図である。
まず、被検者の左乳房を測定する。受信器32は、左乳房からの音響波受信開始位置から、+Z方向に移動する。次に、受信器32は、左乳房を囲むようにXY平面内で円軌道上を移動し、音響波の受信を行う。該XY平面は音響波受信時の受信器走査軌道面である。そして、受信器32は、整合材容器36と保持部材11もしくは乳房が干渉しないように‐Z方向に移動し、右乳房からの音響波受信開始位置に移動する。その後、再び受信器32は、+Z方向に移動して、受信器32の位置がZ方向において所定の位置に到達すると、右乳房からの音響波の受信が開始される。右乳房からの音響波の受信についても、上記左乳房からの音響波の受信時と同様の走査軌道で行うことができる。また、左右の乳房で、走査軌道を変更してもよい。
ここで、±Z方向の移動および右乳房の音響波受信開始位置への移動は同じタイミングで行っても良い。
本実施の形態は、受信ユニットが有する移動機構34により受信器32を左右乳房からの音響波受信開始位置に移動させたが、これに限らず、受信ユニット全体を移動させる別の移動機構(不図示)を用いて移動させても良い。
図7は本発明のXY平面内における受信器の軌道を示す概念図である。破線部は受信器32の走査軌道である。受信器32は、図4の工程2から4の間に、左乳房からの音響波の受信を終了した際の受信器32の位置(左乳房受信終了点)と右乳房からの音響波の受信を開始する受信器32の位置(右乳房受信開始点)を直線で結んだ軌道(乳房切替時軌道)で移動する。このように移動することにより、受信器32を最短距離で移動させることができる。
また、受信器32は第1被検部位受信終了点および第2被検部位受信開始点における被検部位音響波受信時軌道の接線方向と乳房切替時軌道が略平行になるように移動させることができる。本実施の形態では、第1被検部位受信終了点は、左乳房からの音響波の受信の終了点であり、第2被検部位受信開始点は、右乳房からの音響波の受信の開始点である。また、被検部位光音響受信時軌道は、左乳房または右乳房からの音響波受信時の軌道であり、被検部位切替時軌道は、左乳房からの音響波の受信から右乳房からの音響波の受信に切り替える際の受信器の移動軌跡である。このように走査することにより、受信器の急激な加減速を抑制し、受信器32の走査に伴う装置の振動、とりわけ寝台の振動を抑制することができる。また、受信器32の走査に伴う、受信器32内の整合材の液面の乱れを低減することができる。これによって、整合材の液面の乱れに起因する受信信号の精度の低下を低減することができる。
また、左乳房からの音響波の受信時、右乳房からの音響波の受信時、左乳房からの音響波の受信終了位置から右乳房からの音響波の受信開始位置までの受信器の走査速度の時間微分値、すなわち加速度の変化が連続的になるように移動機構を制御することが好ましい。このように走査することにより、受信器の走査に伴う装置の振動、とりわけ寝台の振動をさらに抑制することができる。また、受信器32の走査に伴う、受信器32内の整合材の液面の乱れを低減することができる。これによって、整合材の液面の乱れに起因する受信信号の精度の低下を低減することができる。
本実施例では、左乳房、右乳房の順に受信する場合を例に挙げたが、右乳房、左乳房の順に受信する場合にも同様の効果を得ることができる。
尚、被検者の乳房の位置に応じて、乳房挿入口13もしくは乳房保持部材(不図示)の位置を調整する調整機構(不図示)を備えてもよい。調整機構は電動式、術者による手動式いずれの構成でもよい。本構成を採用することにより、乳房の位置決めの際の被検者の負担を軽減できる。
本実施の形態の光音響画像取得のフローの例は、実施の形態1と同様に、図6でしめすことができる。術者は、撮影する乳房に応じて保持部材を設置し、撮影条件を入力する。ここで、撮影条件とは、ユーザーが動径方向の座標r(t)の最大値、受信器の移動速度等、音響波受信に関するパラメータを含む。該撮影条件は術者の目視確認により決定されてもよい。保持部材に被検部である乳房が設置されると、受信器32は、第1の音響波受信開始位置へ移動し、第1の被検部位(ここでは左乳房)に関する音響波の受信を行う。次に、受信器32は、第2の光音響波受信開始位置へ移動し、第2の被検部位(ここでは右乳房)に関する音響波の受信を行う。
本実施の形態における、被検部位からの音響波の受信時の受信器32の位置の走査軌跡は円形である。よって、受信を続けている間、受信器32の移動速度を0にすることなく、または、受信器32の移動の加速度の符号を反転させることなく、被検部位からの音響波の受信を行うことができる。つまり、受信時の受信器32の緩やかな移動が可能である。
この時、受信器32を、一方の被検部位(本実施の形態では左乳房)からの音響波の受信が終了した位置から、他方の被検部位(本実施の形態では右乳房)からの音響波の受信を開始する位置まで、上記記載の、軌道、または移動速度の時間微分値で行うことで、緩やかな移動を維持できる。
したがって、受信器の急激な加減速を抑制し、受信器32の走査に伴う装置の振動、とりわけ寝台の振動を、より効果的に抑制することができる。また、受信器32の走査に伴う、受信器32内の整合材の液面の乱れを、より効果的に低減することができる。
よって、整合材の液面の乱れに起因する受信信号の精度の低下を、より効果的に低減することができる。
上記、移動機構34による受信器32の移動は、制御部によって制御されており、制御部2は、実施の形態1と同様な駆動信号を、移動機構34に入力するように構成されている。また、制御部2は、左乳房または右乳房からの音響波を受信する際、移動の加速度の符号が反転しないように受信器32を移動させる駆動信号を、移動機構34に入力するように構成されていてもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、受信器32の位置の軌道が、実施の形態1及び2とは異なる被検部位情報取得装置の例について説明する。本実施の形態では、受信器32の位置の走査軌道は、渦巻き軌道(Spiral Pattern)となる。被検部位からの音響波の受信時の受信器32の走査軌道以外は、実施の形態1または2と同様のため、本実施の形態では、受信器32の走査軌道についてのみ説明する。
渦巻き軌道とは、回転中心に対する動径方向(radial direction)の座標が増加あるいは減少のいずれか一方に変化するように移動させる走査軌道である。図8は本実施の形態の受信器の走査軌道の一例を示す概念図であり、渦巻き軌道の移動の一例を模式的に表現した図である。図8中のo点は受信器32の走査軌道の中心であり、黒点は音響波受信時の受信器の異なる時間における位置を示す。受信器32は黒点の位置を辿りながら移動する。p点は受信器32の走査軌道上のある一点である。極座標系でそのp点の位置座標(x、y)を表現すると式(1)となる。
ここでr(t)は動径方向の座標(移動半径)で、φはX軸と原点からp点に向かう線とがなす角度である。本実施形態においては、受信器の走査軌道上の動径方向の座標:r(t)が増加あるいは減少のいずれか一方に変化するように受信器32を移動させている。さらに、移動機構は、走査軌道の接線方向の速度が一定になるように受信器32を移動させてもよい。通常、音響波の受信タイミングは、光源から発せられるパルス光の繰り返し周波数で決まる。例えば、10Hzの繰り返し周波数の光源を使用すると、0.1秒に一回、音響波を発生させることができる。そのため、接線方向の速度が一定の場合、0.1秒ごとに音響波16の受信が行われると仮定すると、空間に対して均一にサンプリングすることが可能となる。
また、移動機構は、受信器32を原点方向に向かう加速度を考慮して移動平面の外側から移動させることが好ましい。すなわち、移動の初期段階の加速度が大きいと、装置全体の揺れが大きくなり、その揺れが測定に影響を与えることがある。そのため、原点方向に向かう加速度が小さい外周から移動を開始し、内周に向かって移動を行う方が装置の揺れを軽減できる。
また、移動機構は、移動と静止を繰り返す、ステップアンドリピート方式(Step & Repeat)ではなく、連続的に移動させる連続移動(continuous)を行うのが好ましい。これにより、全体の移動時間も低減でき、被検者の負担を軽減することができる。また、移動の加速度の変化が少ないために、装置の揺れの影響を軽減できる。
本実施の形態における、被検部位からの音響波の受信時の受信器32の位置の走査軌道は渦巻き状である。よって、受信を続けている間、受信器32の移動速度を0にすることなく、または、受信器32の移動の加速度の符号を反転させることなく、被検部位からの音響波の受信を行うことができる。つまり、受信時の受信器32の緩やかな移動が可能である。
この時、受信器32を、一方の被検部位(本実施の形態では左乳房)からの音響波の受信が終了した位置から、他方の被検部位(本実施の形態では右乳房)からの音響波の受信を開始する位置まで、上記記載の、軌道、または移動速度の時間微分値で行うことで、緩やかな移動を維持できる。
したがって、受信器の急激な加減速を抑制し、受信器32の走査に伴う装置の振動、とりわけ寝台の振動を、より効果的に抑制することができる。また、受信器32の走査に伴う、受信器32内の整合材の液面の乱れを、より効果的に低減することができる。
よって、整合材の液面の乱れに起因する受信信号の精度の低下を、より効果的に低減することができる
上記、移動機構34による受信器32の移動は、制御部によって制御されており、制御部2は、実施の形態2と同様な駆動信号を、移動機構34に入力するように構成されている。
1 寝台
2 制御部
11 保持部材
13 乳房挿入口
31 光照射部
32 受信器
34 移動機構

Claims (14)

  1. それぞれが被検体の異なる被検部位を保持するように構成された複数の被検部位保持部材と、
    音響波を受信するように構成された受信器と、
    前記受信器を、前記複数の被検部位保持部材のうち、第1の被検部位保持部材に保持される第1の被検部位からの音響波を受信する位置から、第2の被検部位保持部材に保持される第2の被検部位からの音響波を受信する位置に移動するように構成された移動機構と、
    を備え、
    前記受信器は、音響波を受信する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材を有し、
    前記複数の変換素子は、そのうちの少なくとも一部の変換素子の指向軸が集まるように、支持部材に配置されていることを特徴とする被検部位情報取得装置。
  2. 複数の開口を有する被検体支持部材と、
    音響波を受信するように構成された受信器と、
    前記受信器を前記複数の開口のうち、第1の開口に挿入される第1の被検部位からの音響波を受信する位置から、第2の開口に挿入される第2の被検部位からの音響波を受信する位置に移動するように構成された移動機構を備え、
    前記受信器は、音響波を受信する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材を有し、
    前記複数の変換素子は、そのうちの少なくとも一部の変換素子の指向軸が集まるように、支持部材に配置されていることを特徴とする被検部位情報取得装置。
  3. 前記移動機構に、前記第1の被検部位からの音響波を受信するように受信器を移動させる信号を入力し、
    前記移動機構に、前記受信器を、前記第1の被検部位からの音響波を受信する位置から、前記第2の被検部位からの音響波を受信する位置に移動させる信号を入力し、前記移動機構に、前記第2の被検部位からの音響波を受信するように受信器を移動させる信号を入力するように構成された制御部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の被検部位情報取得装置。
  4. 前記制御部は、更に、前記第1の被検部位からの音響波の受信が終了した際の受信器の位置から、前記第2の被検部位からの音響波の受信を開始する際の受信器の位置まで、前記受信器を直線状に移動させる信号を、前記移動機構に入力するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の被検部位情報取得装置。
  5. 前記制御部は、更に、前記受信器を、前記第1の被検部位からの音響波の受信時の受信器走査軌道面または前記第2の被検部位からの音響波の受信時の受信器走査軌道面に対して垂直成分を有する方向に移動させる信号を、前記移動機構に入力するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の被検部位情報取得装置。
  6. 前記垂直成分を有する方向は、垂直であることを特徴とする請求項5に記載の被検部位情報取得装置。
  7. 前記第1の被検部位からの音響波の受信時、前記第2の被検部位からの音響波の受信時、および前記第1の被検部位からの音響波の受信が終了した際の受信器の位置から前記第2の被検部位からの音響波の受信を開始する際の受信器の位置への移動時、のうち、少なくともいずれか1つにおける受信器の移動速度の時間微分値の変化が連続的であることを特徴とした請求項1乃至6のいずれか1項に記載の被検部位情報取得装置。
  8. 前記第1の被検部位からの音響波の受信が終了した際の受信器の位置と、前記第2の被検部位からの音響波の受信を開始する際の受信器の位置を結んだ直線が、前記第2の被検部位からの音響波の受信を開始した際の受信器の移動方向と、略平行であることを特徴とした請求項1乃至7のいずれか1項に記載の被検部位情報取得装置。
  9. 前記第1の被検部位からの音響波の受信が終了した際の受信器の位置と、前記第2の被検部位からの音響波の受信を開始する際の受信器の位置を結んだ直線が、前記第1の被検部位からの音響波の受信を終了した際の受信器の移動方向と、略平行であることを特徴とした請求項1乃至7のいずれか1項に記載の被検部位情報取得装置。
  10. 光を生成する光源を有し、
    該光源からの光が光照射部より照射されることを特徴とした、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の被検部位情報取得装置。
  11. 光を被検体に照射するように構成された光照射部を有し、
    光照射部を移動させる光照射部移動機構を有し、
    前記光照射部移動機構は、前記第1の被検部位からの音響波の受信を行う際の光照射部の位置と、前記第2の被検部位からの音響波の受信を行う際の前記光照射部の位置を変更するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の被検部位情報取得装置。
  12. 前記光源で生成される光は、近赤外光であることを特徴とする請求項10に記載の被検部位情報取得装置。
  13. 前記複数の被検部位保持部材は、前記被検部位の形状に沿って変形可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の被検部位情報取得装置。
  14. 前記支持部材は前記複数の変換素子の指向軸が球の中心に集まるように前記複数の変換素子を支持することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の被検部位情報取得装置。
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