JP5319314B2 - カーボン・オフセット支援方法及び装置 - Google Patents
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Description
本発明は、以下の内容を要旨とする。すなわち、本発明に係るカーボン・オフセット支援方法は、
(1)需要家の二酸化炭素排出量削減を支援するカーボン・オフセット支援方法であって、需要家が、カーボン・オフセット・プロバイダーから購入したクレジット量を、随時、クレジット積算量として積算するステップと、需要家が使用した一以上のエネルギーの使用量データと、各エネルギーの二酸化炭素原単位を用いて、所定期間ごとの二酸化炭素総排出量を演算するステップと、予め設定されたオフセット率を用いて、該二酸化炭素総排出量に対する所定期間ごとの対象カーボン・オフセット量を演算するステップと、該クレジット積算手段に格納されているクレジット積算量及び該対象カーボン・オフセット量を用いて、クレジット残量を演算するステップと、を含むことを特徴とする。
(2)上記発明において、クレジット残量と、過去の一定期間の二酸化炭素総排出量データと、に基づいてカーボン・オフセット残期間を演算するステップを、さらに含むことを特徴とする。
(3)上記各発明において、少なくとも前記クレジット残量及び前記カーボン・オフセット残期間を表示するステップを、さらに含むことを特徴とする。
(4)需要家の二酸化炭素排出量削減を支援するカーボン・オフセット支援装置であって、
需要家が、カーボン・オフセット・プロバイダーから購入したクレジット量を、随時、積算するクレジット積算手段と、需要家が使用した一以上のエネルギーの使用量データと、各エネルギーの二酸化炭素原単位を用いて、所定期間ごとの二酸化炭素総排出量を演算する手段と、予め設定されたオフセット率を用いて、該二酸化炭素総排出量に対する所定期間ごとの対象カーボン・オフセット量を演算する手段と、該クレジット積算手段に格納されているクレジット積算量及び対象カーボン・オフセット量を用いて、クレジット残量を演算する手段と、を備えて成る、ことを特徴とする。
(5)上記発明において、前記クレジット残量と、過去の一定期間の二酸化炭素総排出量データと、に基づいてカーボン・オフセット残期間を演算する手段を、さらに備えて成ることを特徴とする。
(6)上記各発明において、前記クレジット残量及び前記カーボン・オフセット残期間を表示する手段を、さらに備えて成ることを特徴とする。
本発明において、「給湯器」には給湯単能機のみならず、暖房専用機、給湯暖房機等の熱源機を含む。
給湯器又は給湯器リモコンに、本発明に係るカーボン・オフセット支援装置を搭載することにより、給湯器単独では取得できない多種類の情報を得ることができるため、省エネに有効なアドバイスが可能となる。また、給湯器はガス機器全体の使用量の中で最も消費量が大きいので、例えばリモコン表示部に、
(a)給湯器の風呂湯張りや、給湯設定温度を季節によって無駄なく設定するよう表示する、
(b)風呂が沸きあがってから、1〜2時間シャワー(給湯)不使用の場合に、入浴を促すように表示する、
等、省エネに有効なアドバイスができ、CO2排出量の削減に資する。
また、購入したクレジット量の有効性(オフセット期間)を随時把握できるため、ライフスタイルに合わせた購入が可能となる。
また、クレジット量、オフセット残期間等を表示する発明にあっては、視覚的な認識が可能となり、日常生活の中でCO2排出量削減に対する意識を高めることができる。また、家庭での省エネ行動の成果をエネルギー使用実績データと付き合わせることにより、省エネ効果を実感できるという効果がある。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るカーボン・オフセット支援システム1の全体構成を示す図である。図2は、クレジット量
管理フローを示す図である。図3は、クレジット残量管理方法を示す図である。図4は、オフセット率を変更した場合のカーボン・オフセット残期間管理方法を示す図である。
一方、エネルギー計測部5においては常時、各エネルギーの使用量が計測されており(S1501)、計測データは随時、管理サーバ4に転送される(S1502)。管理サーバ4では、これを受けてエネルギーごとに加算していく(S1103)。
需要家管理サーバ4は、操作端末からクレジット現在量(残量)の表示指示があったときは(S1303)、クレジット残量の演算を行う(S1105)。なお、これに先立ち操作端末4bからオフセット率の変更指示がなされているときは(S1302)、オフセット率を修正し(S1104)、これを用いた演算を行う。演算結果は表示部に表示される(S1401)。
システム管理サーバ3aは月末に料金精算を行い、さらに需要家管理サーバ4に対して請求を行う(S1202)。システム管理サーバ3aは、必要に応じて銀行振替等の精算処理手続を行う(S1203)。
次に、管理サーバ4が行うクレジット量の管理の具体的内容について説明する。最初に、M月の途中でクレジットを追加購入する場合について説明する。
本実施形態では、クレジット購入時(d)においてオフセット率Rcf(d)が設定され、
またクレジット残量Cf(d)とする。ここに「オフセット率」とは、CO2排出量Coのうち、クレジットで賄う割合をいう。例えばオフセット率10%とは、ある期間に需要家が使用する電気、ガス等からのCO2排出量の10%を、クレジットで賄うことを意味する。
図3を参照して、日々のCO2排出量Coに対して一定割合をオフセットするために日々クレジットが使用され、クレジット残量Cfは減少していく。クレジット残量がCfxになるとアラームが発せられ、購入後にクレジット残量Cfrとなるようにクレジットを追加購入する。従って追加購入量Cfsは、Cfs=Cfr−Cfx となる。
クレジット追加購入後、再びクレジット残量は減少し、M月末(dm)のクレジット残量はCf(dm)となる。そして、(M+1)月の1日(dm+1)についてはクレジット残量Cf(dm+1)から始まることになる。
上記例では、クレジット残量が一定値以下になると自動的に追加購入する形態を示したが、次に図4を参照して、管理サーバ4の演算結果に基づいて需要者が購入有無を判断する形態について説明する。
なお、判断日(di)におけるオフセット率Rcf(di)、クレジット残量はCf(di)とする。
各エネルギーの1日(di)の使用量を、G(di)、E(di)、W(di)(G:ガス、E:電気、W:水道)とし、それぞれ原単位(単位計測量当たりCO2排出量)をg、e、wとすると、diにおけるCO2排出量Co(di)は、
Co(di)=g・G(di)+e・E(di)+w・W(di)
で示される。
CO2排出に伴うクレジット残量Cfの減少量ΔCfは、
ΔCf=Rcf(di)・Co(di) ・・・・・・・(1)式
となる。次に、di(i=0)から遡る過去1週間(i=−7〜−1)の平均CO2排出量をCow_av(di)とすると、
Cow_av(di)=ΣC(di)/7 (i=−7〜−1)
気温による使用量への影響を考慮に入れて、平均気温補正を施すための補正係数e(Tdi)を用いれば、
Cow_av(di)=Σ[(C(di)・e(Tdi)]/7 (i=−7〜−1)
これより、オフセット期間日数D(di)は、(1)式の類推により、
D(di)=Cf(di)/(Rcf(di)・Cow_av(di))・・・・・・・(2)式
により求められる。
Coy_av(di)=Σ[(Co(di)・e(Tdi)]/(D(di)+1)(i=-365〜-365+D(di))
を用いて演算することができる。
さらに、オフセット率をRcf0→Rcf1(Rcf1<Rcf0)に変更したときは、(2)式より、D’(di)=(Rcf0/Rcf1)・D(di)
にオフセット期間日数が増加され、オフセット期間が延長されることになる。
なお、本実施形態では平均CO2排出量の推定に際して、気温による補正を行う例を示したが、天気、水温など他の気象情報を用いる形態とすることもできる。
なお、オフセット残期間の表示方法は、残日数やカレンダー日付を表示する方法、残日数に応じたアニメーションやイラスト等を表示する方法としてもよい。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図5は、本実施形態に係るカーボン・オフセット支援システム20の全体構成を示す図である。図6は、給湯器制御部22のブロック構成を示す図である。
図5を参照して、本実施形態の構成が第一の実施形態の構成と異なる点は、給湯器21に内蔵の給湯器制御部22が通常の運転制御に加え、第一の実施形態における需要家管理サーバ4aの機能を有していることである。
ROM22g、測定ユニット24とのI/F部22b、ネットアダプター23とのI/F部22d、給湯器リモコン25とのI/F部22hを備えている。記憶手段であるRAM22e、ROM22f、FLASH ROM22gには、クレジット管理のためのOS、プログラム等が格納されている。さらに、測定ユニット24を介して計測部5から転送される計測データを、格納するように構成されている。その他の構成は、上述の実施形態と同一であるので重複説明を省略する。以上の構成により、給湯器制御部22は上述の実施形態における図2と同様の制御を行うことができる。
このような表示方法を採用したことにより、1時間ごとに細分化されたエネルギー使用状況を把握でき、需要家は日常生活の中でCO2排出量削減に対する意識を高めることができる。また、家庭での省エネ行動の成結をエネルギー使用実績データと付き合わせることにより、省エネ効果を実感できる。
なお、本実施形態では給湯器制御部22がクレジット管理を行う形態としたが、給湯器リモコン25に管理機能を持たせる形態とすることも可能である。
また、カーボン・オフセットを省エネの指標として利用するのみならず、クレジット量を金額に置き換えて、光熱費管理に応用することも可能である。また、電子マネーやポイントとの連動にも応用することも可能である。さらに、同量のクレジット量で前年よりもオフセット期間を延長できた場合、ポイントを付与し、次回オフセット購入時に割引するサービス提供にすることも可能である。
2・・・需要家
3・・・カーボン・オフセット・プロバイダ
3a・・・システム管理サーバ
3b・・・データベース
4・・・需要家管理サーバ
5・・・エネルギー計測手段
21・・・給湯器
22・・・給湯器制御部
23・・・ネットアダプター
24・・・測定ユニット
25・・・給湯器リモコン
25a・・・表示部
Claims (3)
- 需要家の二酸化炭素排出量削減を支援するカーボン・オフセット支援システムであって、
カーボン・オフセット・プロバイダー内に配置されるシステム管理サーバと、需要家内に配置される需要家管理サーバとが、通信回線を介して接続され、
該システム管理サーバは、該需要家管理サーバから送信される申し込み分のクレジット量に該当するクレジット証書を送信する手段を備え、
該需要家管理サーバは、
該システム管理サーバから送信されるクレジット証書分のクレジット量を、随時、積算するクレジット積算手段と、
需要家が使用した一以上のエネルギーの使用量データと、各エネルギーの二酸化炭素原単位を用いて、所定期間ごとの二酸化炭素総排出量を演算する手段と、
予め設定されたオフセット率を用いて、該二酸化炭素総排出量に対する所定期間ごとのクレジット使用量を演算する手段と、
該クレジット積算手段に格納されているクレジット積算量及びクレジット使用量を用いて、クレジット残量を演算する手段と、
該クレジット積算量及び該クレジット残量を、該所定期間を繰り越して適用する手段と、
前記クレジット残量と、過去の一定期間の二酸化炭素総排出量データと、に基づいてカーボン・オフセット残期間を演算する手段と、
前記クレジット残量及び前記カーボン・オフセット残期間を表示する手段と、
を備えて成ることを特徴とするカーボン・オフセット支援装置。 - 請求項1に記載の需要家管理サーバを備えたことを特徴とする給湯器。
- 請求項1に記載の需要家管理サーバを備えたことを特徴とする給湯器リモコン。
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