JP5318598B2 - オゾン水生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、オゾン水生成装置に関する。
塩化銀は、イオンの塊と言われるほど電気伝導性に富み、pH/イオンメータやオゾン濃度測定の比較電極をはじめ、計測器のセンサー電極として広く用いられている。また、塩化銀がオゾン水生成装置の陰極触媒として有効であることも知られている(例えば、特許文献1参照)。
塩化銀触媒は銀の表面に塩化銀を膜状に化学的に生成する方法で作られることが多く、これは銀/塩化銀と呼ばれている。
このような銀/塩化銀触媒あるいは塩化銀触媒をオゾン水生成装置の陰極触媒として用いると、電気抵抗の高い精製水(電気伝導度:約1μS/cm)でもオゾン水化することが可能となる。
特開2007−083174号公報
ところが、銀/塩化銀触媒あるいは塩化銀のみを用いてオゾン水を生成すると、時間経過とともに、塩化銀中の塩素が次第に消費され、ついには触媒能を失ってしまうことがわかってきた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、塩化銀中の塩素を一定以上に保ち、陰極触媒能の長寿命化を図ることのできるオゾン水生成装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、陽極電極と陰極電極との間に陽イオン交換膜が狭持されてなる触媒電極に、それぞれ陽極水と陰極水を供給するとともに、前記陽極電極と前記陰極電極との間に直流電圧を印加することによって陽極水をオゾン水化するオゾン水生成装置において、
前記陰極電極として、厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒あるいは、厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒と貴金属触媒との複合触媒を用いることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、陰極電極として厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒あるいは、これと貴金属触媒との複合触媒を用いるので、時間経過とともに塩化銀触媒中の塩素が次第に欠落して系外に排出されても、焼結塩化銀触媒は大量の塩素を有しているので、その触媒能の劣化を抑制することができる。したがって、塩化銀触媒の性能低下を抑制し、陰極電極の電気伝導度を高め、長期に安定したオゾン生成能を得ることができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載のオゾン水生成装置において、
前記焼結塩化銀触媒に、前記陰極電極で発生する水素ガスの抜ける穴又は微小通路を形成したことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、焼結塩化銀触媒に穴又は微小通路が形成されているので、陰極電極側で発生した水素ガスが穴又は微小通路から容易に抜けることができ、電気分解反応が阻害されることなくオゾンがスムーズに生成される。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のオゾン水生成装置において、
前記陰極電極側に設けられて前記陰極水を流入する流入部と、
前記陰極電極側に設けられて流入された陰極水を外部に流出する流出部と、
前記流入部及び前記流出部を繋いで前記陰極水を循環させて前記陰極電極側に供給する循環経路と、を備えることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、流入部と流出部と、これらを繋ぐ循環経路とを備えるので、循環経路によって陰極水を循環させることによって、焼結塩化銀触媒である陰極電極から塩素が欠落しても、これを陰極水とともに循環経路を循環させることで、塩素を確保することができる。特に、焼結塩化銀触媒を使用していることから、塩素の絶対量も多く、塩素を十分に確保することができる。その結果、オゾン生成能の更なる持続が可能となる。しかも、陰極水を循環させて再利用することができるので、コストの低減を図ることができる。さらに、陰極水のみを循環させるので装置が大型化することもない。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン水生成装置において、 前記陰極水に濃度1%以上の塩素を含む電解質溶液を用いることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、陰極水に濃度1%以上の塩素を含む電解質溶液を用いるので、時間経過とともに塩化銀触媒中の塩素が次第に欠落しても、陰極水中に塩素が十分に含まれていることから、塩素を十分に確保することができる。その結果、オゾン生成能の更なる持続が可能となる。
本発明によれば、陰極電極の触媒能の劣化を抑制し、陰極電極の電気伝導度を高め、長期に安定したオゾン生成能を得ることができる。
オゾン水生成装置の概略を模式的に示した縦断面図である。 焼結陰極触媒の拡大図を示したものである。 図1の変形例を示したもので、オゾン水生成装置の概略を模式的に示した縦断面図である。 金網状もしくはマイクログレーチング状の銀に塩化銀をメッキした銀/塩化銀触媒を用いて、精製水をオゾン化した場合のオゾン水濃度の時間推移を示した図である。 厚さ2.5mmの焼結塩化銀触媒を用いて、精製水をオゾン化した場合のオゾン水濃度の時間推移を示した図である。 図1の変形例を示したもので、オゾン水生成装置の概略を模式的に示した縦断面図である。 図1の変形例を示したもので、オゾン水生成装置の概略を模式的に示した縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、オゾン水生成装置100の概略を模式的に示した縦断面図である。
オゾン水生成装置100は、原料水及び陰極水が流入されるケーシング1内に触媒電極2を配置して構成したものである。そして、触媒電極2に直流電圧を印加することによって陽極電極22側にオゾン気泡を発生させて、そのオゾン気泡を水に溶解させることによりオゾン水を生成する装置である。
原料水としては、水道水又は精製水を使用することができる。
陰極水としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムなどの塩素を含む電解質溶液を使用することができる。また、陰極水の濃度は1%以上が好ましく、より好ましくは3%以上である。1%未満の場合には、十分な導電率が得られず、その結果、持続して高濃度のオゾン水が得られないためである。
ケーシング1は、上下に長尺でその上下両端が閉塞された直方体状をなしている。ケーシング1の下面に、ケーシング1内に原料水、陰極水を流入するための流入路11a,11bが設けられ、ケーシング1の上面にケーシング1内で生成された陽極電極22側のオゾン水並びに陰極電極23側の陰極水を流出するための流出路12a,12bが設けられている。
陽極電極22側の流入路11aは、例えば、原料水が貯留されたタンクに接続された定吐出圧の小型ポンプや、水道栓に連結されている。また、陽極電極22側の流出路12aは、ケーシング1内で生成されたオゾン水を貯留するタンクやオゾン水を噴出させるノズル等に接続されている。一方、陰極電極23側の流出路12bは、陰極電極23側で生成された陰極水を一旦排出させた後、再び流入路12aを介して陰極電極23側に流入させて循環させる循環経路25に接続されている。
また、二つの流入路11a,11bの間のケーシング1の内壁面には、後述する陽イオン交換膜21の上端部が挿入される挿入孔13が形成され、二つの流出路12a,12bの間のケーシング1の内壁面にも、陽イオン交換膜21の下端部が挿入される挿入孔14が形成されている。
ケーシング1内には、流入路11a,11bから原料水が流入し、流入路11a,11bから流出路12a,12bへと水流が発生している。
循環経路25は、陰極電極23側の流出路12bと陰極電極23側の流入路11bとを繋いだ経路である。循環経路25の途中には、陰極水を循環させるポンプ26と、陰極水を一時的に貯留するタンク27と、が設けられている。
タンク27には、陰極電極23側から排出された陰極水を例えば、20〜25℃程度に冷却するための冷却器271が設けられている。タンク27及び冷却器271としては、周知の小型チラー等を使用することができる。
このように陰極電極23側の流出路12b、タンク27、ポンプ26、陰極電極23側の流入路11bが、順に循環経路25によって接続されており、循環経路25内を陰極水が循環するようになっている。
触媒電極2は、ケーシング1内の略中央部に配置されて、陽イオン交換膜21と、陽イオン交換膜21の両面のうち一方の面に圧接された陽極電極22と、他方の面に圧接された陰極電極23とを備えている。
陽イオン交換膜21は、上端部が挿入孔13に嵌め込まれ、下端部が挿入孔14に嵌め込まれて固定されている。さらに、ケーシング1の内壁面のうち陽極電極22側を向く面には凹部が形成されて、この凹部内に陽極電極22を保持する保持板15が取り付けられて、陽極電極22が保持板15に保持されている。同様に、ケーシング1の内壁面のうち陰極電極23側を向く面にも凹部が形成されて、この凹部内に陰極電極23を保持する保持板16が取り付けられ、陰極電極23が保持板16に保持されている。このように、ケーシング1内に陽イオン交換膜21と、陽極電極22及び陰極電極23とを配置することにより、陽イオン交換膜21によって陽極電極22側と陰極電極23側が分離され、陽イオン交換膜21の外周をケーシング1に固定でき、原料水、オゾン水並びに陰極水などが外部に漏れないように密閉されている。また、保持板15,16によって陽極電極22及び陰極電極23が陽イオン交換膜21側に適度に圧接されている。そして、流入路11a,11bから流入した原料水がそれぞれ陽極電極22と陰極電極23に連続的に接触するようになっている。
また、陽極電極22と陰極電極23との間には、電源装置(図示しない)の出力端24が電気的に連結され、直流電圧が印加されるように構成されている。すなわち、陽極電極22及び陰極電極23は、各電極22,23に導線を介して電源装置に連結されている。印加する直流電圧は、例えば6〜15ボルトが好ましい。
陽イオン交換膜21としては、従来公知のものを使用することができ、発生するオゾンに耐久性の強いフッ素系陽イオン交換膜を使用することができ、例えば厚さ100〜300μmが好ましい。
陽極電極22は、陽イオン交換膜21を全面的に覆い隠すように密着されるものではなく、多数の通孔を設けて、陽イオン交換膜21に接触部と非接触部とを有して重ねられている。すなわち、陽極電極22はグレーチング状又はパンチングメタル状とすることが好ましい。なお、図1では陽極電極22がグレーチング状の場合を示している。具体的に、グレーチング状とは線材を溶接した格子状で、パンチングメタル状とは金属板に多数の通孔を形成した多孔板状である。
陽極電極22としては、オゾン発生触媒機能を有する材料を使用する。具体的には、β−二酸化鉛、白金、白金族(パラジウム、ロジウム、ルテニウム)、金、カーボン(黒鉛)、ダイアモンド等が挙げられ、これらの貴金属の中でも、安定性が良い点で白金、金又はその被覆金属を使用することが好ましく、特にチタンに白金を被覆した金属を使用すると製品コストを安価に抑えることができる。被覆処理としては、例えばメッキや熱着等により行うことができる。
このようにグレーチング状の陽極電極22とすることによって、陽極電極22を構成する部材の交点部位が尖って外面に突出し、水流と接触して渦流を生じ、陽極電極22で発生したオゾンの微泡を巻き込んで溶解を早めることができる。
陰極電極23としては、厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒あるいは、厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒と他の触媒との複合触媒を用いることができる。図1では厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒232と他の触媒231との複合触媒の場合を示している。他の触媒231としては、上述した陽極電極22と同様の貴金属を使用することができ、安定性が良い点で白金、金又はその被覆金属を使用することが好ましく、特にチタンに白金を被覆した金属を使用すると製品コストを安価に抑えることができる。
焼結塩化銀触媒232は、塩化銀の粉末を焼結法で焼き固めて形成することができる。ここで、100%の純水塩化銀のみではなく、バインダーを混ぜて焼結品の強度を上げることが好ましい。バインダーには、一般的に使用される有機バインダーや無機バインダーが挙げられる。有機バインダーの例として、ポリエチレン、ポリプロピレン等の軟化温度の低い樹脂、パラフィンワックス、天然ワックス等が挙げられ、通常、成形後に高温で飛ばされる(炭素化される)。無機バインダーの例としては、金属やアルミナのようなものが挙げられ、例えば水を混ぜて成形し、その後、水を飛ばしてしまう処理が行われる。なお、後述する実施例ではバインダーを使用していない。
また、焼結時の温度は、粉末を固めるために必要な温度で、塩化銀の融点(449℃)以下で近い温度が適当である。具体的には380℃〜420℃が好適である。
さらに、得られた焼結品には、ナフイオンコーティングを施すことが好ましく、これによって塩素の排出がある程度抑えられることができる。ナフイオンコーティング後に焼成処理をすることによって膜の強度を上げることができる。焼成処理の温度としては、90℃〜230℃が適当である。
焼結塩化銀触媒232の厚さは1mm以上10mm以下とすることが好ましい。1mm以上とすることによって、焼結塩化銀触媒232中の塩素が徐々にしか低下しないように劣化を抑制することができ、10mmを超えると発生する水素ガスの排出が次第に困難となるためである。
また、焼結塩化銀触媒232には、陰極電極23側で発生する水素ガスの抜ける穴2321(図1、図2(a)参照)又は微小通路2322(図2(b)〜(d)参照)が設けられている。
穴2321は、焼結法によって塩化銀を焼き固めて形成した後に、例えば小型ボール盤、小型ドリルなどを使用して形成する。穴2321は、例えば直径0.5mm以上2mm以下とすることが好ましく、具体的には直径0.8mmで8mmピッチであけることが好ましい。穴2321の直径やピッチは、それぞれ発生するガス量によって適宜調整することが好ましい。
また、微小通路2322は、粉末材料から焼結品を作る過程で、圧力を調整することにより焼結品の密度を低くする(ポーラス状とする)ことができるので、この技術を利用して焼結品内部に形成する。また、使用する粉末材料の粒度(粒子径)は一定にしても良いし、分布した粒度の素材を使用しても良い。分布した粒度の素材を使用することにより、微小通路2322の径をそれぞれ異なるものとすることができる。微小通路2322の径は、10μm以上100μm以下が好ましい。
焼結法による圧力としては、100kg/cm程度が十分な強度を得られる点で好ましい。図2(b)〜(d)は、焼結塩化銀触媒232の拡大図を示したものであり、図2(b)は、粉末材料の粒子径が均一で、成形時の圧力が高い場合、図2(c)は、粒子径が均一であるが成形時の圧力が低い場合、図2(d)は、粒子径が分布し成形時の圧力も低い場合である。
そして、陰極電極23は陽イオン交換膜21に接触するように配置されている。
また、陰極電極23は陽極電極22よりも目の粗さが粗くなるように形成されていることが好ましい。
以上の陽イオン交換膜21、陽極電極22及び陰極電極23は平板状に形成されて触媒電極2とされている。触媒電極2はケーシング1内の保持板15,16で圧接保持されている。
次に、上述の構成からなるオゾン水生成装置100を使用してオゾン水を生成する方法について説明する。
陽極電極22側の流入路11aから原料水(精製水)をケーシング1内に流入させるとともに、タンク27に貯留された陰極水を陰極電極23側の流入路11bからケーシング1内に流入させ、これら原料水及び陰極水を、陽極電極22、陰極電極23の各面に連続接触させる。同時に、電源装置を駆動させることによって陽極電極22及び陰極電極23間に所定の電圧を印加する。この通電により原料水が電気分解されて、原料水中の水素が陽極電極22側から陽イオン交換膜21中を通過して陰極電極23側へと加速して移動する。その結果、陽極電極22側にはオゾン気泡が発生し、陰極電極23側には水素気泡が発生する。
ここで、陽極電極22側では原料水はわずかな陽極電極22の凹凸によって流れの方向が複雑に変わり渦流となる。そのため、陽極電極22側では、発生したオゾン気泡をいち早く水中に取り込んで溶解させることによってオゾン水を生成し、陽極電極22と陽イオン交換膜21との間(正確には陽極電極22と陰極電極23との間)に電流が多く流れる状態を確保することになる。
このようにしてオゾン水が生成されると、オゾン水は流出路12aへと流出されてオゾ
ン水貯留タンク等に貯留される。
一方、陰極電極23側においては、水素気泡が発生し、流出路12bから陰極水ととも
に排出される。また、陰極水中には、焼結塩化銀触媒232中の欠落した塩素が含まれており、この塩素を含む陰極水は、循環経路25内を流通して、タンク27内に一時貯留される。このとき冷却器271によって冷却された後、再び陰極電極23側の流入路11bからケーシング1内の陰極電極23側に供給され、順次、陰極水は循環し、このようにして陰極水中に含まれる塩素も循環する。
以上、本発明の実施形態によれば、陰極電極23として厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒232と他の触媒231との複合触媒を用いるので、時間経過とともに焼結塩化銀触媒232中の塩素が次第に欠落して系外に排出されても、焼結塩化銀触媒232は大量の塩素を有しているので、その触媒能の劣化を抑制することができる。したがって、焼結塩化銀触媒232の性能低下を抑制し、陰極電極23の電気伝導度を高め、長期に安定したオゾン生成能を得ることができる。
また、焼結塩化銀触媒232に穴2321又は微小通路2322が形成されているので、陰極電極23側で発生した水素ガスが穴2321又は微小通路2322から容易に抜けることができ、電気分解反応が阻害されることなくオゾンがスムーズに生成される。
さらに、陰極電極23側には、流入部11bと流出部12bと、これらを繋ぐ循環経路25が設けられているので、循環経路25によって陰極水を循環させることによって、焼結塩化銀触媒232である陰極電極23から塩素が欠落しても、これを陰極水とともに循環経路25を循環させることで、塩素を確保することができる。特に、焼結塩化銀触媒232を使用していることから、塩素の絶対量も多く、塩素を十分に確保することができる。その結果、オゾン生成能の更なる持続が可能となる。しかも、陰極水を循環させて再利用することができるので、コストの低減を図ることができる。さらに、陰極水のみを循環させるので装置が大型化することもない。
陰極水に濃度1%以上の塩素を含む電解質溶液を用いるので、陰極水中に塩素が十分に含まれていることから、塩素を十分に確保することができ、この点においてもオゾン生成能の持続が可能となる。
なお、上記実施形態において、例えば図3に示すように、保持板15,16を各電極22,23側の面が山形状となるように複数の凹凸151,161を形成したものとしても良い。このようなミキシング装置とすることによって供給された水が攪拌されて水へのオゾン微泡への溶解が促進される。なお、図3において図1と同様の構成部分には同様の符号を付した。
次に、本発明による効果を以下に示す実施例を用いて説明する。
図4に、金網状もしくはマイクログレーチング状の銀に塩化銀をメッキした銀/塩化銀触媒を用いて、精製水をオゾン化した場合のオゾン水濃度の時間推移を示した。図4から明らかなように、10分を過ぎると急激に触媒能が落ちる様子がわかる。メッキは通常10〜20μmで、100μm程度まで可能であるが、この程度の厚みでは早期に性能劣化を起こす。
図5は、厚さ2.5mmの焼結塩化銀触媒を用いて、同様に精製水をオゾン化した場合のオゾン水濃度の時間推移を示した。図5から明らかなように、焼結塩化銀触媒の性能劣化がほとんど見られず、逆に陰極電極の電気伝導度が高まった結果、著しく向上した性能を示し、長期に安定したオゾン生成能を示すことがわかる。なお、図4及び図5に示すデータは室温でのデータである。
また、焼結塩化銀触媒は、その焼成圧力76kg/cm、焼結温度を380℃とした場合と、焼成圧力127kg/cm、焼結温度を420℃とした場合でそれぞれ作製したが、前者の場合には細かい割れが発生したのに対して後者の場合には割れの発生が見られなかった。このことから焼成圧力が大きく、焼結温度が高いほど、強度の高い丈夫な触媒が得られることが認められる。
また、表1は、陰極水として塩化ナトリウム水溶液を使用し、塩化ナトリウムの濃度を変化させた場合の導電率を示したものである。
Figure 0005318598
ナフイオン膜の導電率は0.1S/cm(100000μS/cm)程度あるので、陰極水中の電解質があまり低い濃度では充分な導電率が確保できないことがわかる。実験的には、1〜3%以上(10000μS/cm以上)の濃度が必要であると考えられる。
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態において、陰極電極23側には循環経路25を設けて陰極水を循環させるとしたが、図6に示すように、流入路11bにタンク27を取り付けて、陰極水を循環させない構造としても構わない。なお、図6において図1と同様の構成部分には同様の符号を付した。
また、図7に示すように、陰極電極23を焼結塩化銀触媒232のみから形成しても良い。図7において図1と同様の構成部分には同様の符号を付した。
2 触媒電極
11b 流入部
12b 流出部
21 陽イオン交換膜
22 陽極電極
23 陰極電極
25 循環経路
100 オゾン水生成装置
231 他の触媒
232 焼結塩化銀触媒
2321 穴
2322 微小通路

Claims (4)

  1. 陽極電極と陰極電極との間に陽イオン交換膜が狭持されてなる触媒電極に、それぞれ陽極水と陰極水を供給するとともに、前記陽極電極と前記陰極電極との間に直流電圧を印加することによって陽極水をオゾン水化するオゾン水生成装置において、
    前記陰極電極として、厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒あるいは、厚さ1mm以上の焼結塩化銀触媒と貴金属触媒との複合触媒を用いることを特徴とするオゾン水生成装置。
  2. 前記焼結塩化銀触媒に、前記陰極電極で発生する水素ガスの抜ける穴又は微小通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載のオゾン水生成装置。
  3. 前記陰極電極側に設けられて前記陰極水を流入する流入部と、
    前記陰極電極側に設けられて流入された陰極水を外部に流出する流出部と、
    前記流入部及び前記流出部を繋いで前記陰極水を循環させて前記陰極電極側に供給する循環経路と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン水生成装置。
  4. 前記陰極水に濃度1%以上の塩素を含む電解質溶液を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン水生成装置。
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