JP2007289805A - 電解水製造装置及び電解槽 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解質の多い硬水、電解質の極端に少ない水、純水等を安定的に電気分解し、容易に所望の電解水を得ることができ、塩害も生じない電解水製造装置及び電解槽を提供する。
【解決手段】隔膜2cを境にして陽極2aと陰極2bとが配置され、陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給口2eと、他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給口2dと、第1の供給口から電解槽2に供給され、電解槽内において電解された水を排出する第1の排出口2gと、第2の供給口から供給された電解質と循環水とを排出する第2の排出口2fとを備える電解槽と、電解槽の陽極と陰極とに直流電圧を印加する電源4と、陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給手段と、陽極又は陰極側の他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給手段3とを備える電解水製造装置1等。
【選択図】図1
【解決手段】隔膜2cを境にして陽極2aと陰極2bとが配置され、陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給口2eと、他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給口2dと、第1の供給口から電解槽2に供給され、電解槽内において電解された水を排出する第1の排出口2gと、第2の供給口から供給された電解質と循環水とを排出する第2の排出口2fとを備える電解槽と、電解槽の陽極と陰極とに直流電圧を印加する電源4と、陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給手段と、陽極又は陰極側の他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給手段3とを備える電解水製造装置1等。
【選択図】図1
Description
本発明は、電解水製造装置及び電解槽に関し、特に、アルカリ性水又は酸性水のいずれか一方を連続的に製造する電解水製造装置及び電解槽に関する。
従来の電解水製造装置は、例えば、図2に示すように、隔膜22cを境に陽極22aと陰極22bとを配置した電解槽22に、電解質を含有する水をポンプ23によって供給口22d、22eから電解槽22に供給し、陽極22aと陰極22bとに直流電源24を介して電圧を印加することにより、電解槽22内の水を電気分解した後、排出口22fから酸性水を、排出口22gからアルカリ性水を得る。
この電解水製造装置21の動作をより詳細に説明すると、電解槽22の供給口22d、22eに電解の対象となる水と、ポンプ23を介して電解質としての塩化ナトリウム(NaCl)を含有する水を供給する。すると、電解槽22内に供給された塩化ナトリウムは、Na+と、Cl-とに別れ、Na+が陰極22b側に移動するとともに、Cl-が陽極22a側に移動する。これによって、陽極22aと陰極22bとの間に電流が流れる。
その結果、陰極22b側では、2H2O+2e- →H2+2OH-によって、2つの水分子が2つの電子を得てOH-を発生し、陽極22aでは、2H2O→O2+4H++4e-によって、2つの水分子が4つの電子を放出してH+を発生する。
これによって、排出口22fから酸性水が排出され、排出口22gからアルカリ性水が排出され、酸性水及びアルカリ性水を得ることができる。
また、特許文献1には、上記原理にて電解水を得るにあたって、硬水成分が電気分解して処理する上で不要の成分となるため、電気分解を行う前に、水道水又は地下水等を含めた原水について硬水成分の除去と浄水とを行うにあたり、入水口から本体部内へ供給された原水を、第2フィルター内を通過させ、その原水を第1フィルターを電解隔膜として陽極部材と陰極部材との間で電気分解を行い、その原水に含まれる硬水成分を第2フィルターと、第2フィルターに隣接している、網目が設けられた陰極部材とに留めることが可能な軟水化装置が開示されている。
また、特許文献2には、電解槽の数を連結管により増加し、各電解槽毎に電気分解電力量を可変にして必要とされる生成水を得るため、電解槽へ原水を送って電気分解を行うことにより、電解槽内の電解隔膜と陰極部材との間にアルカリ性水を生成し、電解隔膜と陽極部材との間に酸性水を生成し、その生成水(アルカリ性水及び酸性水)を別の電解槽へ送ったり、別の電解槽から生成水を移送することのできる連結管を備えた電気分解整水生成装置が記載されている。
上記図2に記載のような電解水製造装置等によって製造される電解水は、電解の対象となる水に、塩化ナトリウム、ミネラル等の電解質が含まれていないと、水に電流が流れないために電気分解をすることができない。そのため、ポンプ23によって外部から強制的に塩水等の電解質を添加しているが、所望する電解水の水質によって電解質の添加量が変化するため、電気分解を行う上で不安定要素となっている。
また、電解対象となる水が、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)等の電解質になる成分を過剰に含有すると、電気分解を行う上でイオンの交換効率が低下し、所望の電解水を製造することができないため、特許文献1に記載のような電解水製造装置が必要となっている。
さらに、電解質に直接塩化ナトリウム等の電解質を入れると、電解質が100%電気分解されないために、塩水等が電解水に残留し、塩害によって電解水製造装置、電解水の容器等が腐食するという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、電解質の多い硬水、又は電解質の極端に少ない水、あるいは純水であっても安定的に電気分解を行うことができ、容易に所望の電解水を製造することができ、塩害も発生することのない電解水製造装置及び電解槽を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、電解水製造装置であって、隔膜を境にして陽極と陰極とが配置され、前記陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給口と、前記陽極又は陰極側のいずれか他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給口と、前記第1の供給口から該電解槽に供給され、該電解槽内において電解された水を排出する第1の排出口と、前記第2の供給口から供給された電解質と循環水とを排出する第2の排出口とを備える電解槽と、該電解槽の前記陽極と陰極とに直流電圧を印加する電源と、前記電解槽の前記陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給手段と、前記電解槽の前記陽極又は陰極側のいずれか他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給手段とを備えることを特徴とする。
そして、本発明によれば、陰極側の第1の供給口に電解の対象となる水を供給し、陽極側の第2の供給口に電解質及び循環水を供給すると、陰極側の第1の排出口からアルカリ性水が排出され、陽極側の第2の排出口から電解質と、循環水としての酸性水が排出されるため、連続してアルカリ性水が得られる。この際、陽極側を電解質専用液の専用槽としているため、隔膜を介しての電気分解のイオン交換速度が上昇し、電解処理能力が向上する。また、電解質の多い硬水、又は電解質の極端に少ない水、あるいは純水であっても安定的に電気分解を行うことができる。さらに、陽極側の電解の対象となる水には直接塩化ナトリウム等の電解質を供給しないため、塩水等が生成水に残留することがなく、電解水製造装置、電解水の容器等が腐食することもない。
また、上記構成における陽極と陰極を反対に配置し、陽極側の第1の供給口に電解の対象となる水を供給し、陰極側の第2の供給口に電解質及び循環水を供給すると、陽極側の第1の排出口から酸性水が排出され、陰極側の第2の排出口から電解質と、循環水としてのアルカリ性水が排出されるため、連続して酸性水が得られる。この際、陰極側を電解質専用液の専用槽としているため、隔膜を介しての電気分解のイオン交換速度が上昇し、電解処理能力が向上するとともに、電解質の多い硬水、又は電解質の極端に少ない水、あるいは純水であっても安定的に電気分解を行うことができ、陰極側の電解の対象となる水には直接塩化ナトリウム等の電解質を供給しないため、塩水等が生成水に残留せず、電解水製造装置等の腐食を防止することができる。
また、本発明は、隔膜を境にして陽極と陰極とが配置された電解槽であって、前記陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給口と、前記陽極又は陰極側のいずれか他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給口と、前記第1の供給口から該電解槽に供給され、該電解槽内において電解された水を排出する第1の排出口と、前記第2の供給口から供給された電解質と循環水とを排出する第2の排出口とを備えることを特徴とする。この電解槽を用いることにより、連続して酸性水又はアルカリ性水のいずれかを得ることができ、電解処理能力が高く、硬水、電解質の極端に少ない水、純水のいずれについても安定して電気分解を行うことができ、電解水製造装置、電解水の容器等の腐食を防止することができる。
以上のように、本発明によれば、電解質の多い硬水、電解質の極端に少ない水、純水等を安定的に電気分解し、容易に所望の電解水を得ることができ、塩害も生じない電解水製造装置及び電解槽を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、本発明にかかる電解水製造装置を用いてアルカリ性水を製造する場合を例にとって説明する。
図1は、本発明にかかる電解水製造装置の一実施の形態を示し、この電解水製造装置1は、大別して、電解槽2と、ポンプ3と、直流電源4とで構成される。
電解槽2は、隔膜2cを境に陽極2aと陰極2bとが配置され、ポンプ3からの電解質を含む循環水を電解槽2に供給するための供給口2dと、電解の対象となる水を電解槽2に供給するための供給口2eと、陽極2aと陰極2bとに直流電源4を介して電圧を印加することにより、電解槽2内の水を電気分解した後、酸性水(循環水)を排出する排出口2fと、アルカリ性水を排出する排出口2gとを備える。尚、隔膜2cにセラミック材を用いることにより、電解時の高い水圧に耐えることのできる構造とし、安価な材料で形状も自在になり、板状、筒状等の電解槽を構成することができる。
ポンプ3は、電解質及び電解槽2の排出口2fから排出された循環水を供給口2dを介して電解槽2に供給するために備えられる。尚、電解質には、塩化ナトリウム、ミネラル等が用いられるが、以下の説明においては、電解質に塩化ナトリウムを用いた場合を例にとって説明する。
直流電源4は、陽極2aと陰極2bとの間に電圧を印加し、水を電気分解するために備えられる。
次に、上記構成を有する電解水製造装置1の動作について説明する。
電解槽2の供給口2eから電解の対象となる水を供給し、供給口2dからポンプ3を介して電解質及び循環水を供給する。すると、電解槽2内の陽極2a側に供給された塩化ナトリウムは、Na+と、Cl-とに別れ、Na+が陰極2b側に移動し、これによって、陽極2aと陰極2bとの間に電流が流れる。
その結果、陰極2b側では、2H2O+2e- →H2+2OH-によって、2つの水分子が2つの電子を得てOH-を発生し、陽極2aでは、2H2O→O2+4H++4e-によって、2つの水分子が4つの電子を放出してH+を発生する。
これによって、電解槽2からは、排出口2gを介してアルカリ性水のみが排出され、排出口2fから排出された酸性水は、ポンプ3及び供給口2dを介して陽極2a側に戻り電解槽2から排出されないため、アルカリ性水のみを得ることができる。
また、上記実施の形態では、陽極2a側を電解質専用液の専用槽としているため、隔膜2cを介して陰極2b側に向かうのはNa+のみであり、隔膜2cを介してCl-が移動することがないため、電気分解のイオン交換速度が上昇し、電解処理能力が向上する。
さらに、陰極2b側を流れる電解の対象となる水が、電解質の多い硬水、又は電解質の極端に少ない水、あるいは純水であっても、隔膜2cを介してNa+が陰極2b側に移動するため、安定的に電気分解を行うことができる。
さらにまた、陰極2b側の電解の対象となる水には、直接塩化ナトリウム等の電解質を供給しないため、塩水等が生成水に残留することがなく、電解水製造装置、電解水の容器等が腐食することもない。
尚、上記実施の形態においては、電解の対象となる水を陰極2b側に流し、陽極2a側を電解質専用液の専用槽として電解槽2からアルカリ性水のみを排出させたが、これとは逆に、電解の対象となる水を陽極2a側に流し、陰極2b側を電解質専用液の専用槽とすることにより、電解槽2から酸性水のみを排出させることも可能である。
1 電解水製造装置
2 電解槽
2a 陽極
2b 陰極
2c 隔膜
2d 供給口
2e 供給口
2f 排出口
2g 排出口
3 ポンプ
4 直流電源
2 電解槽
2a 陽極
2b 陰極
2c 隔膜
2d 供給口
2e 供給口
2f 排出口
2g 排出口
3 ポンプ
4 直流電源
Claims (2)
- 隔膜を境にして陽極と陰極とが配置され、前記陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給口と、前記陽極又は陰極側のいずれか他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給口と、前記第1の供給口から該電解槽に供給され、該電解槽内において電解された水を排出する第1の排出口と、前記第2の供給口から供給された電解質と循環水とを排出する第2の排出口とを備える電解槽と、
該電解槽の前記陽極と陰極とに直流電圧を印加する電源と、
前記電解槽の前記陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給手段と、
前記電解槽の前記陽極又は陰極側のいずれか他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給手段とを備えることを特徴とする電解水製造装置。 - 隔膜を境にして陽極と陰極とが配置された電解槽であって、
前記陽極又は陰極側のいずれか一方に電解の対象となる水を供給する第1の供給口と、
前記陽極又は陰極側のいずれか他方に電解質及び循環水を供給する第2の供給口と、
前記第1の供給口から該電解槽に供給され、該電解槽内において電解された水を排出する第1の排出口と、
前記第2の供給口から供給された電解質と循環水とを排出する第2の排出口とを備えることを特徴とする電解槽。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006117620A JP2007289805A (ja) | 2006-04-21 | 2006-04-21 | 電解水製造装置及び電解槽 |
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JP2006117620A Withdrawn JP2007289805A (ja) | 2006-04-21 | 2006-04-21 | 電解水製造装置及び電解槽 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112811533A (zh) * | 2021-02-23 | 2021-05-18 | 烟台方心水处理设备有限公司 | 一种碱性富氢水的制备装置及方法 |
-
2006
- 2006-04-21 JP JP2006117620A patent/JP2007289805A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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