JP5317556B2 - 電子線回折像の解析方法及び透過型電子顕微鏡 - Google Patents

電子線回折像の解析方法及び透過型電子顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP5317556B2
JP5317556B2 JP2008174819A JP2008174819A JP5317556B2 JP 5317556 B2 JP5317556 B2 JP 5317556B2 JP 2008174819 A JP2008174819 A JP 2008174819A JP 2008174819 A JP2008174819 A JP 2008174819A JP 5317556 B2 JP5317556 B2 JP 5317556B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spot
brightness
diffraction image
threshold value
electron beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008174819A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010014548A5 (ja
JP2010014548A (ja
Inventor
大海 三瀬
貴文 四辻
敏行 大八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2008174819A priority Critical patent/JP5317556B2/ja
Publication of JP2010014548A publication Critical patent/JP2010014548A/ja
Publication of JP2010014548A5 publication Critical patent/JP2010014548A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5317556B2 publication Critical patent/JP5317556B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、電子顕微鏡に関し、特に、透過型電子顕微鏡によって得られた電子線回折像を解析する技術に関する。
半導体製造では、極微量の不純物が半導体の性能に大きな影響を及ぼす。不純物の解析には、電子線回折像が用いられる。電子線回折像の解析では、計測者は先ずメインスポットを決定する。次に、それと対となる回折スポットを検出する。メインスポットと回折スポットの間の距離を計測し、散乱角を求める。散乱角が得られると、結晶性試料の構造解析を行うことができる。
一般に、電子線回折像にて、メインスポットを正確に特定することは容易ではない。次のような場合には、メインスポットを誤検出する可能性がある。即ち、(1)電子線回折像上に明るいノイズが含まれている。(2)スポットがハレーションを起こしている。(3)電子線回折像全体の明るさが低い。(4)試料を傾斜して電子線回折像を撮影した。(5)メインスポットによる焼付けを防止するために透過波を遮断して電子線回折像を撮影した。
従来、メインスポットを検出する作業は、計測者による目視と経験に依存していた。従って、スポット間距離の計測にはばらつきが生じていた。
特許文献1には、電子線回折像のスポットを自動的に解析及び計測する方法の例が記載されている。この例では、電子線回折像上で明るさが最大となるスポットをメインスポットの計測基準位置とする。しかしながら、電子線回折像では、一番明るいスポットがメインスポットになるとは限らない。従って、この方法では、電子線回折像にメインスポットより明るいノイズが含まれている場合には、メインスポットを誤検出することになり、メインスポットと回折スポットの間の距離を正しく検出することができない。
特公平4−11822号公報
従来の電子線回折像のスポットを自動的に解析及び計測する方法では、メインスポットを正確に且つ迅速に検出し、の誤検出を回避することはできなかった。更に、従来の方法では、電子線回折像の撮影から解析まで一貫してできる電子顕微鏡は無かった。スポット間距離を計測する。
本発明の目的は、電子線回折像から、メインスポットを正確に特定し、スポット間距離を正確に且つ迅速に計測することができる電子線回折像の解析方法及び電子顕微鏡装置を提供することにある。
本発明によると、電子線回折像から、明るさの閾値より明るい画素が隣接している集団(以降画素集団と称す)をスポットであると判定する。次に、各画素集団の明るさの重心位置(Xi,Yi)を、そのスポットの計測基準位置とする。各スポットの面積を算出し、面積が最大のスポットをメインスポットと判定する。メインスポットと対になるスポットを回折スポットとする。スポット間距離、格子面間隔、及び、散乱角を算出する。
本発明によると、原画像データを表示用画像データに変換するとき、明るさの閾値を設定する。先ず、明るさの閾値を所定の基準値に設定する。明るさの閾値を基準値より増加させて第1の閾値を得る。明るさの閾値を基準値より減少させて第2の閾値を得る。明るさの閾値を第2の閾値より増加させて第3の閾値を得る。第1の閾値と第3の閾値を比較して両者の一方を最適な明るさの閾値とする。
本発明によると、電子線回折像から、メインスポットを正確に特定し、メインスポットの位置を正確に特定して、スポット間距離を計測することができる電子顕微鏡装置を提供することができる。
図1を参照して、本発明による透過型電子顕微鏡装置の例を説明する。本例の透過電子顕微鏡装置は、電子銃1、照射系レンズ3、試料5を支持する試料台4、結像系レンズ7、及び、TVカメラ8を有する。透過型電子顕微鏡装置は、更に、電子銃1および電子線2を制御する電子線発生機構6、撮影倍率を調整する電子線調整機構10、所望の視野を得るために試料台4を移動する試料移動機構11、鏡体内を真空排気する真空排気機構12、及び、透過型電子顕微鏡制御コンピュータ(以下単にコンピュータという)13を有する。コンピュータ13は、演算装置(CPU)13a、表示用ビデオRAM(VRAM)13b、表示モニタ13c、メモリ(RAM)13d、プログラム13e、画像取込ボード13f、及び、磁気ディスク13gをする。コンピュータは、透過電子顕微鏡を制御する制御装置の一部であり、本発明を実施するために新たに追加したものではない。
電子銃1より放出された電子線2は、照射系レンズ3によって収束され、試料台4に装着された試料5に照射される。試料5を透過した電子線2は、試料5によって回折を受け、照射系レンズ3の後焦点面に電子線回折像を形成する。電子線回折像はさらに結像系レンズ7によって拡大されTVカメラ8によって撮影される。電子線回折像の画素データは、画像取込ボード13fを介して画像データとしてメモリ13dに取り込まれる。メモリ13dに取り込まれた電子線回折像の画像データは、表示用VRAM13bに転送され、表示モニタ13cに表示され、磁気ディスク13gに保存される。
尚、表示モニタ13cにて電子線回折像を表示するには、画像取込ボード13fを介して取り込まれた原画像データと閾値処理し、正規化する必要があるが、これについては、後に詳細に説明する。
図2を参照して、電子線回折像について説明する。図2は図1の試料5の付近の拡大図である。試料の微小領域に、収束させた電子線を照射すると、照射系レンズ3の後焦点面に、電子線回折像が形成される。電子線回折像は、透過波により形成されるメインスポット21と回折波によって形成される回折スポット22を含む。
尚、メインスポットによる焼付けを防止するために透過波を遮断する場合がある。この場合には、電子線回折像上にメインスポットは現れない。
メインスポット21と回折スポット22間の距離をRとする。ここでは、この距離Rをスポット間距離と称する。
結像系レンズ7で拡大された電子線回折像と同一の電子線回折像を得るのに必要な、試料5から電子線回折像までの距離をカメラ長Lとする。また、透過波と回折波が成す角をφとする。φは散乱角と称される。結晶の格子面間隔dは次の式1によって与えられる。
Figure 0005317556
λは電子線の波長、Lはカメラ長である。両者の積λLは定数である。λLは、既知の物質のd、Rを使って求めることができる。λLの値が求められると、スポット間距離Rから格子面間隔dを算出することができる。
一方、また、散乱角φはφ = tan-1( R / L )で与えられる。ここで式1より、R / L=λ / dである。従って、散乱角φは次の式によって与えられる。
Figure 0005317556
加速電圧V(V)と電子線の波長は次の式によって与えられる。
Figure 0005317556
式3を式2に代入すると、次の式が得られる。
Figure 0005317556
従って、電子線回折像において、スポット間距離Rを求めれば、式1から格子面間隔dが求められる。格子面間隔dが求められれば、式4から散乱角φを算出することができる。
図3Aを参照して、電子線回折像の画素データを閾値処理する方法を説明する。ここで、メモリ13dに取り込まれた電子線回折像の画素データを「原画像データ」と称し、閾値処理後の電子線回折像の画素データを、「閾値処理された画像データ」、又は、単に「画像データ」と称する。横軸は、電子線回折像の画素データの1つのラインの画素の位置を示し、縦軸は、電子線回折像の各画素の有する明るさを示す。明るさは、輝度によって表される。曲線31は、原画像データの明るさ(輝度)の横方向の分布を示す。尚、ここでは、1ラインの画素データについて説明するが、2次元の画像を生成するには、複数のラインの画像データが必要である。
原画像データを閾値処理するには、所定の閾値を表す横方向の直線によって、曲線31を切り取る。こうして、曲線31より、所定の閾値以下の部分を削除した残余の部分が閾値処理された画像データを表す。即ち、閾値処理された画像データは、直線より上側の切り取った曲線の部分である。
先ず、明るさの閾値をK3とした場合を説明する。閾値K3を示す直線303は、曲線31より上側にある。従って、直線303の下側の部分を削除すると曲線31は消去される。従って、閾値がK3の場合には、画像データにおいて、全ての画素の明るさ、又は、輝度はゼロとなり、全黒の画像が得られる。次に、明るさの閾値をK1とした場合を説明する。閾値K1を示す直線301は、全ての画素において、曲線31より下側にある。従って、直線301の下側の部分を削除しても、曲線31と同一の形状の曲線が残る。この場合には、黒色部分を含まない明るい画面が得られる。但し、画面上にて、明るさは、曲線31に従って変化する。
明るさの閾値をK2とする。閾値K2を示す直線302は、曲線31に交差する。直線303の下側の部分を削除すると、曲線31のうち、斜線部分が残る。直線302のうち破線にて示す領域の画素では、画像データは、斜線の切り取られた部分である。直線302のうち実線にて示す領域では、画像データはゼロである。従って、直線302のうち破線にて示す領域は、明るさが曲線31に従って変化する画像部分を表す。直線302のうち実線にて示す領域は、黒色の画像部分を表す。
図3Bを参照して、明るさの閾値と画面の明るさの関係を説明する。一般に、明るさの閾値を大きくすると、曲線32と交差する領域は小さくなり、画面にて黒色部分が大きくなる。即ち、画面の明るさは低くなり、暗い画面が得られる。逆に、明るさの閾値を小さくすると、曲線32と交差する領域は大きくなり、画面にて黒色部分が小さくなる。即ち、画面の明るさは高くなり、明るい画面が得られる。
閾値がK4のとき、曲線32は、直線304によって切り取られ、3つの領域が生成される。閾値がK5のとき、曲線32は、直線305によって切り取られ、4つの領域が生成される。閾値がK6のとき、曲線32は、直線306によって切り取られ、2つの領域が生成される。従って、閾値を大きくしても、生成される領域の数は、必ずしも減少するわけではない。これらの領域は、画像における明るい領域を示す。
画像データのうち、黒色を表す領域は、電子線回折像の背景部分を示し、明るい領域は、電子線回折像のスポット又はノイズを表す。従って、明るさの閾値を変化させると、画像の全体の明るさが変化するが、同時に、画面に表れる明るい領域、即ち、スポット又はノイズの数も変化する。閾値を大きくすると、画像の全体の明るさが低くなるが、明るい領域であるスポット又はノイズの数は、減少するとは限らず、増加することも、変化しないこともある。しかしながら、閾値を更に大きくすると、最終的には、スポット又はノイズの数はゼロとなり、全黒の画面となる。逆に、閾値を小さくすると、画像の全体の明るさは高くなるが、明るい領域であるスポット又はノイズの数は、増加するとは限らず、減少することも、変化しないこともある。しかしながら、閾値を更に小さくすると、最終的には、全ての明るい領域は結合され単一のスポットの画面となる。
図4を参照して、スポット間距離Rの演算方法を説明する。ステップS11にて、計測基準位置を算出する。計測基準位置を算出する処理は、後に図6を参照して説明する。ステップS12にて、電子線回折像を表示モニタに表示し、電子線回折像からメインスポットを選択する。メインスポットを選択する処理は、後に図7を参照して説明する。ステップS13にて、電子線回折像から最適な明るさの閾値を検出する。最適な明るさの閾値を検出する処理は、後に図8及び図9を参照して説明する。ステップS14にて、最適な明るさの閾値を用いて電子線回折像を生成する。この電子線回折像を用いて、スポット間距離、結晶の格子面間隔、及び、散乱角の算出を行う。これらの算出処理は、後に図13を参照して説明する。
図4に示した本発明によるスポット間距離の計測方法は、プログラム13eに格納されている。本発明によるスポット間距離の計測方法は、演算装置13aによって自動的に実行される。即ち、本発明の電子顕微鏡によると、電子線回折像の撮影から解析まで一貫して実行できる。
一般に、メインスポットを誤検出する可能性があるのは次のような場合である。(1)電子線回折像上に明るいノイズが含まれている。(2)スポットがハレーションを起こしている。(3)電子線回折像全体の明るさが低い。(4)試料を傾斜して電子線回折像を撮影した。(5)メインスポットによる焼付けを防止するために透過波を遮断して電子線回折像を撮影した。
以下に説明するように本発明によると、このような場合でも、メインスポットを正確に検出することができる。従ってスポット間距離を正確に計測することができる。
図5を参照して、図4のステップS11の計測基準位置を算出する方法を説明する。ステップS111にて、原画像データを表示モニタ13cの画面に表示可能なデータに変換する。メモリ13dに取り込まれた電子線回折像の原画像データより、明るさの最大値、及び、最小値を読み出す。次に、それを、表示モニタ13cの画面に表示できる明るさの最大値、及び、最小値に対応させる。例えば、原画像データの明るさの最大値と最小値が、それぞれ27と0であったとする。画面に表示可能な明るさの最大値及び最小値が、それぞれ10と1であったとする。この場合、原画像データの明るさ27が、表示可能な明るさの最大値10に対応し、原画像データの明るさ0が、表示可能な明るさの最小値1に対応する。次に、原画像データの明るさの最大値と最小値の差を、表示可能な明るさの最大値と最小値の差に対応させる。それによって換算係数を求める。この換算係数を、原画像データに乗算することにより、原画像データは正規化される。この正規化された原画像データが、画面に表示可能なデータである。
ステップS112にて、正規化された原画像データを2値化する。先ず、明るさの基準値を設定する。明るさが基準値より大きい画素に対して明るさの最大値を付与し、明るさが基準値より小さい画素に対して明るさの最小値を付与する。こうして、正規化された原画像データの全ての画素には、明るさの最大値と明るさの最小値の2値のいずれかが付与される。
明るさの基準値の設定方法として、明るさのヒストグラムを利用する方法がある。正規化された原画像データから、画素毎に明るさを表示するヒストグラムを生成する。次に、明るさの閾値を変化させ、閾値毎に、明るさのヒストグラムを作成する。図3Bでは、明るさの曲線を生成したが、同様な方法でヒストグラムを生成する。このヒストグラムから、電子線回折像の背景部とスポット部の分離度が最も高くなるときの、閾値を求める。こうして得られた閾値を基準値とする。尚、基準値の設定方法は、これに限定されるものではない。例えば、正規化された原画像データの最大値と最小値の中間値を、明るさの基準値としてもよい。
ステップS113にて、2値化された原画像データより、電子線回折像の2値化像を生成する。この2値化像において、明るさの最大値が付与された画素では、白色となり、明るさの最小値が付与された画素では、黒色となる。
図6は、2値化した正規化された原画像データによって作成した電子線回折像の例を示す。図示のように、画素の領域501、502、503は、白色の明るい領域を示し、それ以外の領域は、黒色の暗い領域を示す。
ステップS114にて、スポットを検出する。2値化電子線回折像よりスポットを探し出す。白色の画素が集団を形成している部分501をスポットであると判定し、単一の画素又は孤立した画素からなる領域502、503は、ノイズであると判定する。白色の画素が集団を形成しているか否かは、白色の画素が、縦及び横方向に複数個連続しているか否かを検出することにより容易に判定できる。尚、スポットの面積は、白色の画素集団の画素数(積算値)によって表される。
ステップS115にて、スポットの計測基準位置を算出する。スポットの計測基準位置は、スポットを表す画素集団における明るさの重心位置を求めることにより得られる。正規化した原画像データを用いてスポットの明るさの重心位置(Xi,Yi)を求める。明るさの重心位置は次に式によって表される。
Figure 0005317556
この式より明らかなように、本発明によると、電子線回折像上の各ポットの計測基準位置は、各スポットの明るさの重心位置である。明るさの重心位置の算出には、正規化された原画像データを用いてもよいが、原画像データ、閾値処理した画像データ等を用いてもよい。
図7を参照して、メインスポットを選択する方法を説明する。図7は図4のステップS12に示す電子線回折像よりメインスポットを選択する手順を示したフローチャートである。ステップS21にて、スポット毎に画素の面積(積算値)を算出し、面積が降順となるようにスポットをソートする。ステップS22にて、画面に表示された電子線回折像上の任意の位置をユーザが選択したか否かを判定する。任意の位置を選択しなかった場合はステップS23に進み、任意の位置を選択した場合はステップS24に進む。ユーザが任意の位置を選択するには、画面に表示された電子線回折像上の任意の点をマウスでクリックすればよい。ステップS23にて、面積が最大となるスポットをメインスポットとして決定し終了する。また、メインスポット以外のスポットを回折スポットとして決定する。
ステップS24にて、任意の位置がスポット部なのか背景部なのかを判定する。スポット部ならばステップS25に進み、背景部ならばステップS26に進む。ステップS25にて、任意の位置にあるスポットをメインスポットとして決定し終了する。また、メインスポット以外のスポットを回折スポットとして決定する。ステップS26にて、任意の位置を中心とする半径10pixelの円を仮想メインスポットとする。ステップS27にて、仮想メインスポットと各スポット間の距離を算出し、距離が昇順となるようにスポットをソートする。
ステップS28にて、仮想メインスポットを対称の中心とし、1対になるスポットを検出することができたか否かを判定する。1対になるスポットが検出できた場合はステップS29に進み、検出できなかった場合はステップS30に進む。ステップS29にて、仮想メインスポットを対称の中心とし、1対になるスポットの中心位置をメインスポットの計測基準位置とする。メインスポットの計測基準位置を中心とする半径10pixelの円をメインスポットとして決定し終了する。また、メインスポット以外のスポットを回折スポットに決定する。
ステップS30にて、任意の位置に最も近いスポットをメインスポットとして決定し終了する。また、メインスポット以外のスポットを回折スポットに決定する。
上述のように、メインスポットによる焼付けを防止するために透過波を遮断する場合がある。この場合には、電子線回折像上にメインスポットは現れない。また、スポットがハレーションを起こしている場合には、メインスポットの候補を見つけ出すことができない場合がある。このような場合に、ステップS22にて、ユーザは、電子線回折像上のスポット以外の位置、即ち、背景部を任意の位置として選択する。こうして、ユーザが、背景部を任意の位置として選択した場合には、そこを仮想メインスポットとする。以下に、この仮想メインスポットが、本来のメインスポットであるか否かは、それと対になるスポットを検出することにより判定する。電子線回折像上にメインスポットは現れない場合であっても、メインスポットと対になる回折スポットは存在するからである。
ステップS26にて、仮想メインスポットを半径10pixelの円としたが、仮想メインスポットは半径10pixelの円に限定するものではない。また、ステップS29にて、メインスポットを半径10pixelの円としたが、メインスポットは半径10pixelの円に限定するものではない。
図7にて示した処理のうちステップS22はユーザによる入力処理である。それ以外の処理は、コンピュータがソフトウエアに従って自動的に実行する。図7の処理のうち、ステップS21及びステップS23のみを実行してもよい。それによって、メインスポットを選択する方法は、ユーザの入力処理を含むことなく、完全に自動的に実行される。
図8を参照して、最適な明るさの閾値を検出する方法を説明する。図8は、図4のステップS13の電子線回折像より最適な明るさの閾値を検出する手順を示したフローチャートである。ステップS31にて、明るさの第1閾値を検出する。基準値を明るさの閾値の出発点とし、そこから明るさの閾値を増加させる。それによって、最適な明るさを見つけ、第1閾値とする。第1閾値を検出する方法は後に図10を参照して詳述する。
ステップS32にて、明るさの第2閾値を検出する。基準値を明るさの閾値の出発点とし、そこから明るさの閾値を減少させる。それによって、最適な明るさを見つけ、第2閾値とする。明るさの第2閾値を検出する方法は後に図11を参照して詳述する。
ステップS33にて、明るさの第3閾値を検出する。明るさの第2閾値を出発点とし、そこから明るさの閾値を増加させる。それによって、最適な明るさを見つけ、第3閾値とする。第3閾値を検出する方法は後に図12を参照して詳述する。
ステップS34にて、明るさの最適な閾値を検出する。明るさの最適な閾値は、明るさの第1閾値、第2閾値、及び、第3閾値のいずれかである。ここでは、明るさの第1閾値と第3閾値のうち、一方を最適な閾値とする。これを以下に説明する。本例ではスポットペア数に基づいて最適な閾値を判定する。明るさの第1閾値、及び、第3閾値のそれぞれを用いて、図3Aを参照して説明したように、原画像データを閾値処理する。これらの閾値処理された画像データを用いて、電子線回折像を生成する。これらの電子線回折像において、図7を参照して説明したメインスポットの選択方法によりメインスポットを決定する。電子線回折像上にて、このメインスポットを対称の中心とする1対になる回折スポットを検出する。以下に、これをスポットペアと称する。こうして、明るさの第1閾値、及び、第3閾値のそれぞれを用いて生成された電子線回折像において、メインスポットに対するスポットペアの数が得られる。ここで、明るさの第1閾値と第3閾値のうち、スポットペアの数が多いほうを、最適な閾値とする。
第1閾値、及び、第3閾値を用いて生成された電子線回折像におけるスポットペアの数を、それぞれ、SP1、及び、SP3とする。SP1≧SP3のとき、明るさの第1閾値を最適な明るさの閾値として終了する。SP1<SP3のとき、明るさの第3閾値を最適な明るさの閾値として終了する。
本例では、スポットペア数を用いて最適な明るさの閾値を検出した。しかしながら、最適な明るさの閾値を検出する判定条件として、スポットペア数に限定されない。例えば、メインスポット近傍の回折スポット数を用いてもよい。
図9を参照して説明する。図9は、明るさの閾値と、スポットペア数の関係を示したグラフである。縦軸はスポットペア数を表し、上方向が正の方向である。また、横軸は明るさの閾値を表し、右方向が正の方向である。
図3Bを参照して説明したように、一般的に明るさの閾値を増加させると、スポット(図3Bにて直線304から306のうち破線部分)の大きさが小さくなり、スポット同士の分離が可能となるが、さらに閾値を増加させると最終的にスポットを検出することができなくなる。逆に明るさの閾値を減少させると、スポットの大きさが大きくなり、スポットを検出し易くなるが、スポット同士が重なり合い分離ができなくなる。
基準値は、電子線回折像の背景部とスポット部の分離度が最も高くなるときの、明るさの閾値である。ここでは例として、明るさの閾値の中心付近に基準値を設定した。第1閾値は、基準値よりも明るく、スポット同士が最も良く分離されるときの、明るさの閾値である。第2閾値は、基準値よりも暗く、スポットが最も多く検出されるときの、明るさの閾値である。第3閾値は、第2閾値よりも明るく、スポットが多く検出され、かつ、スポット同士が良く分離されるときの、明るさの閾値である。図示のように、第1閾値は、基準値より明るさの閾値を増加させることにより得られる。第2閾値は、基準値よりも明るさの閾値を減少させることにより得られる。第3閾値は、第2閾値よりも明るさの閾値を増加させることにより得られる。最適な明るさの閾値は、第1閾値と第3閾値におけるスポットペア数を比較することにより決める。図9の例では、SP1<SP3である。従って、第3閾値が最適な明るさの閾値となる。
図10を参照して、明るさの第1閾値を検出する方法を説明する。図10は、図8のステップS31の明るさの第1閾値を検出する手順を示したフローチャートである。
ステップS41にて、基準値を明るさの閾値に設定する。即ち、明るさの閾値の出発点として、先ず、基準値から始める。更に、スポットペア最大値を設定する。ステップS42にて、明るさの閾値を増加させる。明るさの閾値の増加させると、図3Bを参照して説明したように、電子線回折像において、明るい領域の数が増加する場合もあるが減少する場合もある。また、変化しない場合もある。従って、明るさの閾値の増加させると、スポットペア数が増加、又は、減少するが、増減しない場合もある。ステップS43にて、明るさの閾値の範囲判定を行う。明るさの閾値が、電子線回折像における明るさの範囲内であればステップS44に進み、範囲外であれば、増加前の明るさの閾値を明るさの第1閾値として終了する。即ち、明るさの閾値が、電子線回折像における明るさの最大値以下であればステップS44に進み、最大値を上まわった場合には、増加前の明るさの閾値を明るさの第1閾値として終了する。ステップS44にて、スポットペア数による判定を行う。判定の内容は、以下の通りである。
(判定条件1)明るさの閾値を増加させたとき、スポットペア数が減少した。更に、スポットペア数がスポットペア最大値以下である。
(判定条件2)明るさの閾値を増加させたとき、増加前に検出されていた回折スポットが検出されず、メインスポットからより離れた回折スポットが検出された。
(判定条件3)明るさの閾値を増加させたとき、メインスポットが検出されなくなった。
この3つの判定条件のいずれにも該当しない場合はステップS42へ戻り処理を繰り返す。また、3つの条件の少なくとも1つに該当する場合は増加前の明るさの閾値を明るさの第1閾値として終了する。
尚、本例では、判定条件1においてスポットペア数を用いて明るさの第1閾値を検出した。しかしながら、判定条件1にて、スポットペア数を用いることに限定されるものではない。例えば、メインスポット近傍の回折スポット数を判定条件としてもよい。
図11を参照して、明るさの第2閾値を検出する方法を説明する。図11は、図8のステップS32の第2閾値を検出する手順を示したフローチャートである。
ステップS51にて、基準値を明るさの閾値に設定する。即ち、明るさの閾値の出発点として、先ず、基準値から始める。ステップS52にて、明るさの閾値を減少させる。明るさの閾値の減少させると、図3Bを参照して説明したように、電子線回折像において、明るい領域の数が増加する場合もあるが減少する場合もある。また、変化しない場合もある。従って、明るさの閾値の増加させると、スポットペア数が増加、又は、減少するが、増減しない場合もある。ステップS53にて、明るさの閾値の範囲判定を行う。明るさの閾値が、電子線回折像における明るさの範囲内であればステップS54に進み、範囲外であれば、減少前の明るさの閾値を明るさの第2閾値として終了する。即ち、明るさの閾値が、電子線回折像における明るさの最小値以上であればステップS54に進み、最小値を下まわった場合には、減少前の明るさの閾値を明るさの第2閾値として終了する。ステップS54にて、スポットペア数による判定を行う。判定の内容は、以下の通りである。
(判定条件1)明るさの閾値を減少させたとき、スポットペア数が減少した。
(判定条件2)明るさの閾値を減少させたとき、スポットの大きさが大きくなり、スポット同士が重なり合い分離ができなくなった。
(判定条件3)明るさの閾値を減少させたとき、スポットペアの総面積が減少した。
判定条件3について説明する。一般に、明るさの閾値を減少させると、ノイズの発生が多くなり、スポットペアの誤検出が発生する可能性が高くなる。この場合、スポットペアの総面積は減少する。従って、ノイズに起因してスポットペアの誤検出を回避するために判定条件3を設けた。
この3つの判定条件のいずれにも該当しない場合はステップS52へ戻り処理を繰り返す。また、3つの条件の少なくとも1つに該当する場合は減少前の明るさの閾値を明るさの第2閾値として終了する。
尚、本例では、判定条件1においてスポットペア数を用いて明るさの第2閾値を検出した。しかしながら、判定条件1にて、スポットペア数を用いることに限定されるものではない。例えば、メインスポット近傍の回折スポット数を判定条件としてもよい。
また、判定条件3においてスポットペアの総面積を用いて明るさの第2閾値を検出した。しかしながら、判定条件3にて、スポットペアの総面積を用いることに限定されるものではない。例えば、メインスポット近傍の回折スポットの総面積を判定条件にしてもよい。
図12を参照して、明るさの第3閾値を検出する方法を説明する。図12は、図8のステップS33の明るさの閾値を増加させ明るさの第3閾値を検出する手順を示したフローチャートである。
ステップS61にて、明るさの第2閾値を明るさの閾値に設定する。即ち、明るさの閾値の出発点として、先ず、明るさの第2閾値から始める。更に、スポットペア最大値を設定する。ステップS62にて、明るさの閾値を増加させる。明るさの閾値の増加させると、図3Bを参照して説明したように、電子線回折像において、明るい領域の数が増加する場合もあるが減少する場合もある。また、変化しない場合もある。従って、明るさの閾値の増加させると、スポットペア数が増加、又は、減少するが、増減しない場合もある。ステップS63にて、明るさの閾値の範囲判定を行う。明るさの閾値が、電子線回折像における明るさの範囲内であればステップS64に進み、範囲外であれば、減少前の明るさの閾値を明るさの第3閾値として終了する。ステップS64にて、スポットペア数による判定を行う。判定の内容は、以下の通りである。
(判定条件1)明るさの閾値を増加させたとき、スポットペア数が減少し、且つ、スポットペア数がスポットペア最大値以下であった。
(判定条件2)明るさの閾値を増加させたとき、増加前に検出されていた回折スポットが検出されず、メインスポットからより離れた回折スポットが検出された。
(判定条件3)明るさの閾値を増加させたとき、メインスポットが検出されなくなった。
この3つの判定条件のいずれにも該当しない場合はステップS62へ戻り処理を繰り返す。また、3つの条件の少なくとも1つに該当する場合は増加前の明るさの閾値を明るさの第3閾値として終了する。
尚、本例では、判定条件1においてスポットペア数を用いて明るさの第3閾値を検出した。しかしながら、判定条件1にて、スポットペア数を用いることに限定されるものではない。例えば、メインスポット近傍の回折スポット数を判定条件としてもよい。
図13を参照して、スポット間距離、結晶の格子面間隔、及び、散乱角を算出する方法を説明する。図13は、図4のステップS14のスポット間距離、結晶の格子面間隔、及び、散乱角の算出手順を示したフローチャートである。ここでは、図8及び図9を参照して説明した最適な明るさの閾値の設定処理によって設定された明るさの閾値を用いて、電子線回折像を生成する。次に、この電子線回折像より、図3のステップS11及びステップS12を繰返し、再度、各スポットの計測基準位置を算出し、メインスポットと回折スポットを選択する。次に、以下の処理を行う。
ステップS71にて、メインスポットと各回折スポット間の距離Riを算出する。ここでメインスポットの計測基準位置を(cx,cy)とし、各回折スポットの計測基準位置を(Xi,Yi)とすると、メインスポットと各回折スポット間距離は次の式によって求められる。
Figure 0005317556
ステップS72にて、格子面間隔diを算出する。格子面間隔dは式1によって求められる。ステップS73にて、散乱角φiを算出する。散乱角φは式4によって求められる。
図14Aは、原画像データによって得られた電子線回折像の例を示す。この電子全回折像は、全体に明るさが低く、これよりスポットの位置を特定するのは困難である。図14Bは、原画像データを所定の明るさの閾値を用いて閾値処理した画像データを用いて得られた電子線回折像の例を示す。スポットが明確に現れている。
図15は、本発明の透過型電子顕微鏡による電子線回折像において、最適な明るさの閾値を検出し、メインスポットと回折スポット間の距離を計測した結果を示す。電子線回折像上に表示した距離の単位はpixelである。
以上、本発明の例を説明したが本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者によって容易に理解されよう。
本発明による透過型電子顕微鏡の構成例を示す図である。 試料に電子線を照射することによって得られる電子線回折像の説明図である。 画像データから表示モニタの画面に表示するための画像データを生成する方法を説明する図である。 明るさの閾値と画面の明るさの関係を説明する図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において電子線回折像のメインスポットと回折スポット間の距離の算出方法を示す図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において電子線回折像のスポットの計測基準位置を算出する方法を説明する図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において2値化した画像データを用いて得られた電子線回折像の例を示す図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において電子線回折像からメインスポットを選択する方法を説明する図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において電子線回折像から最適な明るさの閾値を検出する方法を説明する図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において明るさの閾値とスポットペア数の関係を示す図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において明るさの第1閾値を検出する方法を説明する図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において明るさの第2閾値を検出する方法を説明する図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において第3閾値を検出する方法を説明する図である。 本発明による透過型電子顕微鏡においてメインスポットと回折スポット間の距離、結晶の格子面間隔、散乱角の算出手順を説明する図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において全体に明るさが低い電子線回折像の例を示す図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において最適な明るさの閾値を用いた電子線回折像の例を示す図である。 本発明による透過型電子顕微鏡において最適な明るさの閾値を用いて電子線回折像を生成し、スポット間距離を計測した結果を示す図である。
符号の説明
1:電子銃、2:電子線、3:照射系レンズ、4:試料台、5:試料、6:電子線発生機構、7:結像系、8:YVカメラ、10:電子線調整機構、11:試料移動機構、12:真空排気機構、13:透過型電子顕微鏡制御PC、21:メインスポット、22回折スポット

Claims (15)

  1. 透過型電子顕微鏡に接続され演算装置とメモリとモニタを有するコンピュータを用いた電子線回折像の解析方法において、
    前記コンピュータに実行させるステップとして、
    電子線回折像の画素データよりスポットを検出することと、
    前記スポットの各々について、明るさの重心位置を算出することによって前記スポットの各々の計測基準位置を算出することと、
    前記スポットの各々について、画素数を算出することによって前記スポットの各々の面積を算出することと、
    ユーザが、前記モニタに表示された電子線回折像上にて任意の位置を選択したか否かを判定する位置選択判定ステップと、
    前記位置選択判定ステップにて、ユーザが任意の位置を選択しなかった場合には、前記スポットの面積が最大のスポットをメインスポットであると判定すること、
    前記メインスポットと対になるスポットを算出することによって回折スポットを検出することと、
    前記メインスポットの計測基準位置と前記回折スポットの計測基準位置の間のスポット間距離を算出することと、
    前記スポット間距離より結晶の格子面間隔及び散乱角を算出することと、
    を含む電子線回折像の解析方法。
  2. 請求項1記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記コンピュータに実行させるステップとして、
    前記位置選択判定ステップにて、ユーザが任意の位置を選択した場合には、前記任意の位置が前記電子線回折像のスポット部であるか背景部であるかを判定する任意位置判定ステップと、
    前記任意位置判定ステップにて、前記任意の位置が前記電子線回折像のスポット部である場合には、前記任意の位置をメインスポットであると判定し、該メインスポットと対になるスポットを回折スポットであると判定することと、
    を更に含むことを特徴とする電子線回折像の解析方法。
  3. 請求項2記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記コンピュータに実行させるステップとして、
    前記任意位置判定ステップにて、前記任意の位置が前記電子線回折像の背景部である場合には、前記任意の位置を仮想メインスポットに設定し、前記仮想メインスポットと対になるスポットがあるか否かを判定する対スポット判定ステップと、
    前記対スポット判定ステップにて、前記仮想メインスポットと対になるスポットが見つかった場合には、前記仮想メインスポットをメインスポットと判定し、前記対になるスポットを回折スポットであると判定することと、
    を更に含むことを特徴とする電子線回折像の解析方法。
  4. 請求項3記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記コンピュータに実行させるステップとして、
    前記対スポット判定ステップにて、前記仮想メインスポットと対になるスポットが見つからなかった場合には、前記任意の位置に最も近いスポットをメインスポットと判定し、前記メインスポットと対になるスポットを回折スポットであると判定することを更に含む特徴とする電子線回折像の解析方法。
  5. 請求項1記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記スポットを検出するステップは、
    電子線回折像の画素データに含まれる各画素の明るさを2値化することと、
    前記2値化された画素データを用いて明るい画素と暗い画素からなる濃淡の電子線回折像の2値化像を生成することと、
    前記2値化像のうち明るい画素が所定の個数以上連続して接続されている画素集団をスポットであると判定すること、
    を含むことを特徴とする電子線回折像の解析方法。
  6. 請求項1記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記コンピュータに実行させるステップとして、
    明るさの基準値を設定することと、
    前記明るさの基準値より明るさが大きい明るさの第1閾値を設定することと、
    前記明るさの基準値より明るさが小さい明るさの第2閾値を設定することと、
    前記明るさの第2閾値より明るさが大きい第3閾値を設定することと、
    電子線回折像の画素データの各画素の明るさの値より前記第1閾値を減算することによって第1閾値処理後の画素データを生成し、該第1閾値処理後の画素データによって第1閾値処理電子線回折像を生成することと、
    前記第1閾値処理電子線回折像においてメインスポットと回折スポットの対からなるスポットペアの数を算出することと、
    電子線回折像の画素データの各画素の明るさの値より前記第3閾値を減算することによって第3閾値処理後の画素データを生成し、該第3閾値処理後の画素データによって第3閾値処理電子線回折像を生成することと、
    前記第3閾値処理電子線回折像においてメインスポットと回折スポットの対からなるスポットペアの数を算出することと、
    前記第1閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数と、前記第3閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数を比較することと、
    前記第1閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数が前記第3閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数より多いとき、前記第1閾値を最適な明るさの閾値であると設定し、前記第1閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数が前記第3閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数より少ないとき、前記第3閾値を最適な明るさの閾値であると設定することと、
    電子線回折像の画素データの各画素の明るさの値より前記最適な明るさの閾値を減算することによって最適な明るさ閾値処理後の画素データを生成し、該最適な明るさ閾値処理後の画素データによって最適な明るさ閾値処理電子線回折像を生成することと、
    更に含み、
    前記最適な明るさ閾値処理電子線回折像を用いて、前記スポットを検出するステップ、前記計測基準位置を算出するステップ、前記スポットの各々の面積を算出するステップ、前記スポット間距離を算出するステップ、及び、前記スポット間距離より結晶の格子面間隔及び散乱角を算出するステップを実行することを特徴とする電子線回折像の解析方法。
  7. 請求項6記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記明るさの第1閾値を設定するステップは、
    前記明るさの基準値を出発点として前記明るさの閾値を増加させて、前記第1閾値処理電子線回折像を生成するステップを実行し、該生成された前記第1閾値処理電子線回折像においてスポットペア数が減少したとき、該スポットペア数が減少する前の明るさの閾値を前記第1閾値に設定すること、を含む電子線回折像の解析方法。
  8. 請求項6記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記明るさの第2閾値を設定するステップは、
    前記明るさの基準値を出発点として前記明るさの閾値を減少させて、第2閾値処理電子線回折像を生成するステップを実行し、該生成された前記第2閾値処理電子線回折像においてスポットペア数が減少したとき、該スポットペア数が減少する前の明るさの閾値を前記第2閾値に設定すること、を含む電子線回折像の解析方法。
  9. 請求項6記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記明るさの第3閾値を設定するステップは、
    前記明るさの基準値を出発点として前記明るさの閾値を増加させて、前記第3閾値処理電子線回折像を生成するステップを実行し、該生成された前記第3閾値処理電子線回折像においてスポットペア数が減少したとき、該スポットペア数が減少する前の明るさの閾値を前記第3閾値に設定すること、を含む電子線回折像の解析方法。
  10. 透過型電子顕微鏡に接続され演算装置とメモリとモニタを有するコンピュータを用いた電子線回折像の解析方法において、
    前記コンピュータに実行させるステップとして、
    電子線回折像の画素データよりスポットを検出することと、
    前記スポットの各々について、明るさの重心位置を算出することによって前記スポットの各々の計測基準位置を算出することと、
    前記スポットの各々について、画素数を算出することによって前記スポットの各々の面積を算出することと、
    前記スポットの面積が最大のスポットを算出することによってメインスポットを検出することと、
    前記メインスポットと対になるスポットを算出することによって回折スポットを検出することと、
    前記メインスポットの計測基準位置と前記回折スポットの計測基準位置の間のスポット間距離を算出することと、
    前記スポット間距離より結晶の格子面間隔及び散乱角を算出することと、
    を含む電子線回折像の解析方法。
  11. 請求項10記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記スポットを検出するステップは、
    電子線回折像の画素データに含まれる各画素の明るさを2値化することと、
    前記2値化された画素データを用いて明るい画素と暗い画素からなる濃淡の電子線回折像の2値化像を生成することと、
    前記2値化像のうち明るい画素が所定の個数以上連続して接続されている画素集団をスポットであると判定すること、
    を含むことを特徴とする電子線回折像の解析方法。
  12. 請求項11記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記各画素の明るさを2値化するステップは、
    前記電子線回折像の画素データを前記モニタに表示可能な画素データに変換する変換ステップと、
    前記モニタに表示可能な画素データに含まれる各画素の明るさを所定の基準値と比較するステップと、
    前記各画素のうち前記所定の基準値より大きい明るさの画素に対して、明るさの最大値を付与し、前記各画素のうち前記所定の基準値より小さい明るさの画素に対して、明るさの最小値を付与するステップと、
    を含むことを特徴とする電子線回折像の解析方法。
  13. 請求項12記載の電子線回折像の解析方法において、
    前記変換ステップは、前記電子線回折像の画素データに含まれる明るさの最大値と最小値が、前記モニタに表示可能な画素データの最大値と最小値となるように、各画素の明るさを変換することを特徴とする電子線回折像の解析方法。
  14. 電子線回折像の画像データを出力する撮像装置を備えた透過型電子顕微鏡と、該透過型電子顕微鏡に接続され演算装置とメモリとモニタを有するコンピュータと、を有する透過型顕微鏡装置において、
    前記コンピュータは、前記電子線回折像の画素データの各画素の明るさの値より所定の閾値を減算することによって閾値処理後の画素データを生成し、該閾値処理後の画素データによって電子線回折像を生成するように構成されており、
    前記演算装置は、前記電子線回折像の画素データよりスポットを検出し、前記スポットの各々について、明るさの重心位置を算出することによって前記スポットの各々の計測基準位置を算出し、前記スポットの各々について、画素数を算出することによって前記スポットの各々の面積を算出し、前記スポットの面積に基づいてメインスポットを検出し、前記メインスポットと対になるスポットを回折スポットであると判定し、前記メインスポットの計測基準位置と前記回折スポットの計測基準位置の間のスポット間距離を算出し、前記スポット間距離より結晶の格子面間隔及び散乱角を算出することを特徴とする透過型顕微鏡装置。
  15. 請求項14記載の透過型顕微鏡装置において、
    前記演算装置は、明るさの基準値、前記明るさの基準値より明るさが大きい明るさの第1閾値、前記明るさの基準値より明るさが小さい明るさの第2閾値、前記明るさの第2閾値より明るさが大きい第3閾値、をそれぞれ設定し、
    電子線回折像の画素データの各画素の明るさの値より前記第1閾値を減算することによって第1閾値処理後の画素データを生成し、該第1閾値処理後の画素データによって第1閾値処理電子線回折像を生成し、
    前記第1閾値処理電子線回折像においてメインスポットと回折スポットの対からなるスポットペアの数を算出し、
    電子線回折像の画素データの各画素の明るさの値より前記第3閾値を減算することによって第3閾値処理後の画素データを生成し、該第3閾値処理後の画素データによって第3閾値処理電子線回折像を生成し、
    前記第3閾値処理電子線回折像においてメインスポットと回折スポットの対からなるスポットペアの数を算出し、
    前記第1閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数と、前記第3閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数を比較し、
    前記第1閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数が前記第3閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数より多いとき、前記第1閾値を最適な明るさの閾値であると設定し、前記第1閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数が前記第3閾値処理電子線回折像から得られたスポットペア数より少ないとき、前記第3閾値を最適な明るさの閾値であると設定し、
    電子線回折像の画素データの各画素の明るさの値より前記最適な明るさの閾値を減算することによって最適な明るさ閾値処理後の画素データを生成し、該最適な明るさ閾値処理後の画素データによって最適な明るさ閾値処理電子線回折像を生成し、
    前記最適な明るさ閾値処理電子線回折像を用いて、メインスポットと回折スポットの間のスポット間距離を算出し、
    前記スポット間距離より結晶の格子面間隔及び散乱角を算出することを特徴とする透過型顕微鏡装置。
JP2008174819A 2008-07-03 2008-07-03 電子線回折像の解析方法及び透過型電子顕微鏡 Expired - Fee Related JP5317556B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008174819A JP5317556B2 (ja) 2008-07-03 2008-07-03 電子線回折像の解析方法及び透過型電子顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008174819A JP5317556B2 (ja) 2008-07-03 2008-07-03 電子線回折像の解析方法及び透過型電子顕微鏡

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010014548A JP2010014548A (ja) 2010-01-21
JP2010014548A5 JP2010014548A5 (ja) 2011-05-06
JP5317556B2 true JP5317556B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=41700791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008174819A Expired - Fee Related JP5317556B2 (ja) 2008-07-03 2008-07-03 電子線回折像の解析方法及び透過型電子顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5317556B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016174707A1 (ja) * 2015-04-27 2016-11-03 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置及び当該装置を用いた試料の観察方法
CN107473179B (zh) * 2016-06-08 2019-04-23 清华大学 一种表征二维纳米材料的方法
CN107479330B (zh) 2016-06-08 2019-02-05 清华大学 一种采用电子束的光刻方法
CN107481913B (zh) 2016-06-08 2019-04-02 清华大学 一种电子束加工系统

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59163550A (ja) * 1983-03-09 1984-09-14 Central Res Inst Of Electric Power Ind 電子線回折像の自動判別方法
JP2885562B2 (ja) * 1992-03-02 1999-04-26 日本電子株式会社 電子回折画像のピーク抽出方法
JPH06249799A (ja) * 1993-02-25 1994-09-09 Natl Res Inst For Metals 電子線回折強度迅速精密計測装置
JPH0815186A (ja) * 1994-06-29 1996-01-19 Nippon Steel Corp 加工された結晶質材料の局所内部歪の定量方法
JP3888980B2 (ja) * 2003-03-18 2007-03-07 株式会社日立ハイテクノロジーズ 物質同定システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010014548A (ja) 2010-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7230243B2 (en) Method and apparatus for measuring three-dimensional shape of specimen by using SEM
US9460889B2 (en) Charged particle microscope device and image capturing method
WO2016121265A1 (ja) 試料観察方法および試料観察装置
US7932493B2 (en) Method and system for observing a specimen using a scanning electron microscope
JP4586051B2 (ja) 走査型電子顕微鏡
US8450683B2 (en) Image processing apparatus, an image generating method, and a system
JP2014207110A (ja) 観察装置および観察方法
JP5317556B2 (ja) 電子線回折像の解析方法及び透過型電子顕微鏡
JP4647974B2 (ja) 欠陥レビュー装置、データ管理装置、欠陥観察システム及び欠陥レビュー方法
JP2009250844A (ja) 三次元形状計測方法および三次元形状計測装置
JP2017203822A (ja) 照明設定方法、シート照明顕微鏡装置、及びプログラム
JP5525919B2 (ja) 欠陥検査方法および欠陥検査装置
JP4538421B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP6045429B2 (ja) 撮像装置、画像処理装置及び画像処理方法
JP5050282B2 (ja) 合焦検出装置、合焦検出方法および合焦検出プログラム
JP7194837B2 (ja) 荷電粒子線装置
TW201544791A (zh) 利用荷電粒子束之圖案尺寸測量方法及其系統
JP2015210396A (ja) アライメント装置、顕微鏡システム、アライメント方法、及びアライメントプログラム
JP2006292500A (ja) 表面検査方法及び表面検査装置
JP2020150093A (ja) ボンディングワイヤのワイヤ形状検出装置及びワイヤ形状検出方法
JP6334243B2 (ja) 荷電粒子線装置
EP3940741A1 (en) Transmission electron microscope and adjustment method of objective aperture
TWI730438B (zh) 用以對焦一掃描式電子顯微鏡之方法、用以對焦一掃描式電子顯微鏡之電腦程式產品、及測試裝置
WO2020075385A1 (ja) 計測装置及び試料の表面の計測方法
JP2016072544A (ja) レビュー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110318

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees