JP6334243B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

荷電粒子線装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6334243B2
JP6334243B2 JP2014090825A JP2014090825A JP6334243B2 JP 6334243 B2 JP6334243 B2 JP 6334243B2 JP 2014090825 A JP2014090825 A JP 2014090825A JP 2014090825 A JP2014090825 A JP 2014090825A JP 6334243 B2 JP6334243 B2 JP 6334243B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scan
charged particle
particle beam
pixel
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014090825A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015210903A (ja
Inventor
晃一 高所
晃一 高所
勝昭 川村
勝昭 川村
正司 和田
正司 和田
大橋 正博
正博 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2014090825A priority Critical patent/JP6334243B2/ja
Publication of JP2015210903A publication Critical patent/JP2015210903A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6334243B2 publication Critical patent/JP6334243B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、被観察試料へ荷電粒子線を当ててそこから得られる2次電子発生等の物理現象を利用して試料の形状または材質等を観察または測定する荷電粒子線装置に関する。
真空中にて、電子線を加速して試料へ当てると、試料表面より表面状態に応じて、2次電子(Secondary Electron:SE)、或いは後方散乱電子(Backscattered Electron:BSE)が試料より放出される。走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)は、おもに2次電子の放出量が、試料の形状に強く依存する現象を利用して、試料表面形状の撮像を行う。このとき、照射される電子線は、試料表面に焦点位置を一致させるように電子レンズを用いてフォーカスされる。以上のような構成により、試料上の凹凸を鮮明な画像として捉えることが可能となる。
ただし、一般に2次電子の発生効率は非常に悪い。また取得する信号は白色ノイズに代表されるような、非常に不規則なノイズの影響を強く受けることがある。このため撮像領域内を1回スキャンしただけでは、十分な信号量が得られず、シグナル/ノイズ比(以下、SN比という)の非常に悪い像しか得られない場合がある。そのため一般的には画素積算やフレーム積算といった画像処理を経て1画像が出力される。画素積算とは、撮像領域内の1画素に関して電子の検出を複数回行いその加算平均を1画素として出力する方法である。またフレーム積算とは撮像領域内を同一方法で複数回のスキャンを行い、その加算平均を出力画像とする方法である。
特許文献1では、上述のようなノイズの影響を抑えるために、複数のスキャンによって得られる複数の信号間の乗算を行うと共に、当該乗算された信号について、前記スキャンの回数の逆数を指数とした演算を行うことを特徴とし、低ノイズ化と低ドーズ化の両立を実現するための合成信号形成方法、及び装置を提供している。ここでドーズ量とは単位面積当たりに照射される電子の量を表す。電子線の照射量が低い,低ドーズなほど帯電の影響が生じにくく観測に適している。
荷電粒子線装置を用いた観察装置の多くはスキャン方式として、1フレームの左上から右下までを、1ラインずつ水平走査線を高速に動作させるラスタースキャン方式が用いられていた。この結果得られるフレーム画像に特許文献1のように演算処理を適用することで、低ノイズの出力画像を得ることができる。
一方で、電子ビームを用いて画像取得を行う検査装置においては、帯電(チャージアップともいう)現象による影響が問題となっており、これにより高精度な画像情報を取得することが難しくなっている。すなわち、帯電現象とは、電子ビームを試料に照射した場合に、試料に入射した電子はエネルギーを失って試料中に吸収される。試料が導体であれば、電子はそのまま試料ステージに流れるが、非導電性試料の場合は試料中に止まり、帯電が起こる。帯電が起こると、電子ビームを試料に照射した際に帯電した電荷の反発を受けて曲げられ、本来の照射位置からずれてしまい、この結果、取得した画像が歪んでしまう。また帯電によって二次電子の発生量が変化するため、二次電子の検出効率の違いや、軌道の乱れによって取得した画像が部分的に明るくなったり暗くなったりする、いわゆる電位コントラストが生じる。この帯電現象による影響を減らすための1つの方法として、スキャン方式にベクタースキャン方式を用いて帯電現象をできるだけ抑制するスキャン方法を取り入れることが考えられている。ベクタースキャン方式は、例えば撮像領域内を2次元平面座標系で表し、座標の組み合わせで電子線を制御して、任意のスキャンラインを実現する方法である。
特開2008−186727号公報(米国特許第8000939号明細書)
こういったスキャン方法に従来の画像演算処理を適用する場合、以下のような問題が生じる可能性が考えられる。
例えば、スキャン領域の一部に帯電しやすい領域がある場合には、この帯電しやすい領域を走査するときのスキャンスピードをその他の領域を走査するときのスキャンスピードに比べて高速にすることがある。高速にスキャンした領域では他の領域よりも発生する電子量が少ないので、高速にスキャンした領域だけ輝度が暗くなってしまう。つまり、スキャン領域全体を均一に走査したときには1フレーム内で均一な輝度レベルになるはずが、1フレーム内で輝度レベルの異なる領域が存在することになる。
別の例では、スキャン領域の一部に電子線が発生しにくい領域がある場合には、スキャン領域全てを均一に走査すると、電子線が発生しにくい領域のS/N比が他の領域に比べて悪くなり、その結果当該領域にあるパターンの測長や検査を正確に行うことができなくなってしまう。そこで、この電子線が発生しにくい領域を走査するときのスキャンスピードをその他の領域を走査するときのスキャンスピードに比べて低速にすることがある。また、スキャンスピードを変える代わりに、電子線が発生しにくい領域だけ繰り返しスキャンすることもある。これによって、1フレームのスキャン領域全体にわたりS/N比を均一にすることができるが、電子線が発生しにくい領域とその他の領域の輝度レベルの比が、スキャン領域全体を均一に走査したときの本来の輝度レベルの比と異なってしまう。
以上に述べた例のように、スキャンスピードが低速で電子ビーム照射量が増える領域や、1度スキャンした画素を再度スキャンするような、重複してスキャンされる領域では、他の領域とは単位面積あたりで発生する電子量が異なるので、その領域の輝度レベルは、スキャン領域全体を均一に走査したときの本来の輝度レベルとは異なる輝度レベルになってしまう。このような輝度レベルの変化はスキャンの速度や回数といった装置に依存する情報であり、本来の試料の状態を表すものではないため、最終的に出力される画像に反映されるのは好ましくない。このようなスキャン領域に対して正しく画像生成を行うには、フレームの視野内で生じる電子ビーム照射量の違いを考慮に入れる必要がある。
本発明では、1フレームの視野内でスキャンスピードを変える場合や重複してスキャンされる領域がある場合であっても、視野全体において本来の輝度レベルに保たれた画像を生成することができる荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、スキャン画像の各画素における、輝度値を累積加算した値を保存するメモリと、荷電粒子線の照射時間を保存するメモリを有する。各メモリの値を出力画像生成時に読出し、画素ごとに累積加算した輝度値を、当該画素での荷電粒子線の照射時間で除算した値を最終的な画素の輝度値として出力し、画像を生成することで、視野全体において均一な輝度レベルの画像を生成する。
上記構成によれば、1フレームまたは1画像の視野内で、重複してスキャンされる領域やスキャンスピードを変える場合であっても、単位面積あたりに対する荷電粒子線の照射量の違いを考慮に入れて輝度値を変換するので、視野全体に対して均一な走査をした場合の輝度レベルと同等の輝度レベルを持つ画像を生成することができる。
荷電粒子線装置の全体構成図の例である。 本実施例の処理を説明するフローチャートの例である。 実施例1のスキャン対象の例である。 実施例2のスキャン対象の例である。 実施例2のスキャン対象の例である。
以下、図面を参照し、本発明の実施例について詳細に説明する。
以下、荷電粒子線装置の一例として走査型電子顕微鏡を用いた例を説明するが、これは本発明の単なる一例であって、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。本発明において荷電粒子線装置とは荷電粒子線を用いて試料の画像を撮像する装置を広く含むものとする。荷電粒子線装置の一例として、走査型電子顕微鏡を用いた検査装置、レビュー装置、パターン計測装置が挙げられる。また、汎用の走査型電子顕微鏡や、走査型電子顕微鏡を備えた試料加工装置や試料解析装置にも適用可能である。また、以下で荷電粒子線装置とは、上記の荷電粒子線装置がネットワークで接続されたシステムや上記の荷電粒子線装置の複合装置も含むものとする。
図1を用いて本実施例の荷電粒子線装置の全体構成図について説明する。
なお、本明細書の説明では、1画像の取得領域全体に対する最小の繰り返し単位を1フレームと呼ぶ。つまり、領域Aと領域Bが1画像の取得領域に含まれていて、領域A、領域B、領域A、領域B・・・の順に走査が繰り返される場合、領域Aと領域B1回ずつの走査によって得られる像信号を1フレームと呼ぶ。また、通常1画像は複数のフレームから構成されているが、当然ながら1画像が1フレームのみから構成されていてもよい。
図1において、本実施例の荷電粒子線装置は、走査型電子顕微鏡(SEM)101、A/D変換部105、電子ビーム制御部104、画像処理システム106、及び表示部であるディスプレイを有するパーソナルコンピュータ119(以下、PCと略す)とメインコントローラ118の全体制御部で構成される。SEM101は、荷電粒子源と、当該荷電粒子源より放出される荷電粒子線を制御する走査偏向器と、荷電粒子線が被観察試料102にあたって発生する二次的電子(二次電子や反射電子を含む)を検出する検出器103から構成される。電子の放出量が、試料の形状に強く依存する現象を利用して、試料表面形状の撮像を行う。電子ビーム制御部104は、SEMの荷電粒子線を走査偏向器により制御する。A/D変換部105では、当該走査偏向器のスキャンによって得られる信号をデジタル信号に変換し,画素情報として画像処理基板108に送信する。これらの電子ビーム制御部104及びA/D変換部105は一般的なアナログ回路基板を用いて構成されるが、画像処理システム106に含めるような構成も可能である。画像処理システム106では、SEM101に対する入出力信号の制御をおこない、メインコントローラ118で制御される。メインコントローラ118、PC119ではSEM101に対して、スキャン方法の各種パラメータを送信し、画像処理システム106に入力し、その結果の出力画像を保存もしくは、ディスプレイに表示する。画像処理システム106はソフトウェアでの構成も可能であるが、本実施例ではスキャン制御基板107および画像処理基板108で構成される例を説明する。
スキャン制御基板107は、スキャン制御部109、スキャンパラメータ保存メモリ111、メモリコントローラ110、スキャンパラメータ生成部112、スキャン座標保存メモリ113で構成される。スキャン制御基板107は、PC119やメインコントローラ118からスキャンに必要なパラメータを受信する。各16bitのスキャン座標(x,y)とその画素での滞在時間Tと制御信号を含む16bitの処理パラメータfを用いて(x,y,f)の合計48bitのデータ系列を座標保存メモリ113に一時的に保存する。ここで、スキャン座標とは電子ビームによってスキャンされる座標のことであり、各座標は出力画像の一画素に対応する。また、滞在時間Tとはある一つのスキャン座標に荷電粒子線が照射される総時間であり、基本サンプリング回数の整数倍で表される。スキャン座標メモリ113に保存されたデータ系列は、スキャン制御部109が読み出し、メモリパラメータ保存メモリ111に保存する。保存されたスキャンパラメータ(x,y,f)は必要に応じてメモリコントローラ110を介してスキャン制御部109に読み込まれ、これをもとに電子ビーム制御部104を制御する。
これらの具体的な構成例として、ハードウェアで構成する場合には、スキャン制御部109、メモリコントローラ110をFPGA(Field Program able Gate Array)デバイスで、スキャンパラメータ保存メモリ111、スキャン座標保存メモリ113を一般的なSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)で、スキャンパラメータ生成部112をDSP(Digital signal Processer)などで構成すればよい。スキャンパラメータ生成部112とスキャン座標保存メモリ113に関してはメインコントローラ118、PC119の部分で構成してもよい。
画像処理基板108は、画素積算部114、画素輝度値累積加算メモリ115、滞在時間累積加算メモリ116、画像演算部117で構成される。画像処理基板108では、検出器103により検出された輝度値のアナログ信号を、A/D変換部105を介してデジタル信号に変換したものを入力として受信する。受信した信号は画素積算部114に入力される。画素積算部114では画素積算を行い、積算結果を画素輝度値累積加算メモリ115に保存する。画素輝度値累積加算メモリ115は対応するスキャン座標(x,y)での輝度値を、(x,y)がスキャンされる度にもとのデータに加算して保存する。またスキャン制御と並行して、滞在時間累積加算メモリ116には各座標メモリでの滞在時間Tを、対応するスキャン座標(x,y)ごとに元のデータに加算して保存する。スキャン終了後、画像演算部117で画素輝度値累積加算メモリ115と滞在時間累積加算メモリ116をもとに演算処理をおこない画像を生成する。生成された画像を出力結果としてメインコントローラ118やPC119に送信する。
これらの具体的な構成例として、ハードウェアで構成する場合には、滞在時間累積加算メモリ115、画素輝度値累積加算メモリ116を一般的なSDRAMなどで構成し、画像演算部117をFPGAデバイスなどで構成する。
図2では本実施例の具体的な処理フローの例をSTEP1〜7で表している。
なおスキャンパラメータ保存メモリ111には必要なスキャンパラメータがメインコントローラ118を通して保存されているものとする。まずSTEP1において、スキャン制御部109はスキャンパラメータをスキャンパラメータ保存メモリ111から読み込む。スキャンパラメータは対象スキャン画素に対応するスキャン座標(x,y)とその座標での滞在時間Tと制御信号を含むパラメータfを用いて(x,y,f)で表されている。
次に、STEP2では、このスキャンパラメータに従ってスキャン制御部109が電子ビーム制御部104を制御し、荷電粒子線によるスキャンを行う。また、スキャンする座標に対する累積のビーム照射量を管理している滞在時間累積加算メモリ116に対して、今回のスキャンにおける各座標での滞在時間を出力する。より具体的には、滞在時間累積加算メモリ116から、今回スキャンされる座標と同一の座標を検索し、当該座標に関連付けて保存されている累積の滞在時間に対して今回のスキャンにおける滞在時間を加算する。
STEP2の電子ビーム制御部104の制御により、スキャンが実行されて被観察試料102に荷電粒子線が照射される。STEP3では、SEM101の検出器103によって、荷電粒子線の照射によって試料から放出される電子を検出する。
STEP4では、検出器103からの信号をA/D変換部105でA/D変換する。
STEP5では、A/D変換されたデータを画素積算部114で画素積算し、画素輝度値累積加算メモリ115に保存する。A/D変換されたデータは輝度値に対応するデータであり、スキャン座標ごとに累積加算される。
複数フレームの取得を繰り返し、各画素での滞在時間と輝度値を累積加算していくSTEP1〜5をスキャン終了まで繰り返す。
スキャン終了はスキャン制御部109で、制御し、終了後、STEP7において、画像演算部117は、画素輝度値累積加算メモリ115に保存されている画素ごとの累積された輝度値と、滞在時間累積加算メモリ116に保存されているその画素における滞在時間の累積値とをそれぞれ読み出し、各画素の累積された輝度値をその画素における滞在時間の累積値で規格化する。より具体的には、画素ごとに輝度の累積値を滞在時間の累積値で除算した値を当該画素の変換後の輝度値とする。各画素で変換後の輝度値を求めた画像を最終的な出力画像とする。
本実施例では、1画像の視野となる領域中に帯電しやすい領域がある場合について説明する。帯電しやすい領域がある場合、その他の領域に比べ高速なスキャンを実行することで、電子ビームの照射量を抑え、帯電による影響を抑制することができる。例えば、帯電しやすい領域のスキャン速度をその他の領域のスキャン速度の2倍にすることを考える。この場合、帯電しやすい領域のスキャン時間すなわち電子ビーム滞在時間はその他の領域の半分になるので、電子ビーム照射量も半分となる。よって帯電による影響を抑制することができる。
図3に、一例を示す。図3の左図の領域301はスキャン領域を表し、その中に存在する領域302は周囲の領域より帯電しやすい領域を示している。また、点線は画素を表している。上述の通り、領域302のスキャン速度は領域301のスキャン速度より速くする。図3の右図は、フレーム内でスキャン速度を変えた場合の、スキャン領域の各座標に対する画素輝度値累積加算メモリ115と滞在時間累積加算メモリ116の状態を概念的に表している。
スキャン領域は平面上の座標系列x−yと各座標における滞在時間fを用いて(x,y,f)で表され、この組み合わせによってスキャン軌道が決定される。スキャンが開始されると順次座標を読込みそれに従いスキャンを実行していく。スキャン領域の各座標に対してスキャンが実行されると、その際の輝度値qを画素輝度値累積加算メモリ115へと保存する。図3の例では画素輝度値累積加算メモリ115の領域301に対応する部分である領域303には領域301の1画素で加算された輝度値qkが保存され、領域302に対応する部分である領域304には領域302の1画素で加算された輝度値qjが保存される。また、同時にその座標での滞在時間fを滞在時間累積加算メモリ116へ保存する。図3の例では滞在時間累積加算メモリの領域301に対応する部分である領域305には領域301の1画素に対する電子ビームの滞在時間f1が保存され、領域302に対応する部分である領域306には領域302の1画素に対する電子ビームの滞在時間f2が保存される。なお、j、kは各座標を表すものとする。
全ての座標を読込み1フレーム分のスキャンが完了すると、各座標での輝度値を滞在時間で除算した値を最終的な1フレームの該当座標における輝度値とする。この場合、最終的に電子ビームの照射量で規格化された輝度値は、領域301ではqk/f1、領域302ではqj/f2となる。1フレームを1回のみスキャンする場合にはスキャン領域全てのスキャンが完了する前に、この演算を行ってもよい。
以上の処理を必要な回数繰り返し、フレーム積算を行い最終的な画像を出力する。
この画像生成処理を適用することにより電子ビームの照射量の違いを考慮に入れて輝度値を変換するので、各画素におけるスキャン速度の違いから生じる電子ビーム照射量の違いによる出力画像への影響を考慮せずに済む。
本実施例では、例えば図4のように、1画像の視野となる領域401の中に電子が発生しにくい領域402がある場合について説明する。
従来のラスタースキャン方式では、403のように各フレームでスキャン領域全体にわたって水平方向のスキャンを繰り返す。この操作を複数回繰り返し、各フレームを順次足し合わせ、平均化を行うフレーム積算によって1枚の画像を出力する。この場合には1フレーム内で電子線の照射量が異なる領域は存在しない。しかしながら、ラスタースキャン方式では、積算回数が一定値以上ない場合、電子が発生しにくい領域ではS/N比が悪くなる。その結果、電子が発生しにくい領域に存在するパターンの測長や欠陥の検出の際に、正しい結果が得られなくなってしまう。しかし、積算回数を上げると、その分電子の照射量が多くなり、帯電による影響が大きくなる。帯電による影響を最小限に抑えるには、電子が発生しにくい領域だけ電子の照射量を増やせばよい。この実現手段として、電子の発生が少ない領域のみスキャン軌道を多重に描く、もしくはスキャン速度を遅くする方法がある。これにより電子が発生しにくい領域の周囲を低ドーズのままで観察することができる。
この際、上述した画像生成処理を適用することにより、電子ビームの照射量の違いを考慮に入れて輝度値を変換するので、各画素におけるスキャン回数・速度の違いから生じる電子ビーム照射量の違いによる出力画像への影響を考慮せずに済む。
例えば、電子が発生しにくい領域で、電子ビームの照射がその周囲の領域のm倍必要な場合を考える。ベクタースキャン方式では、スキャンの軌道は当該軌道上の座標系列で表される。スキャン領域401全面を表すスキャン軌道を座標系列(xα,yα)で表し、電子が発生しにくい領域402を表すスキャン軌道を座標系列(xβ,yβ)とする。領域401に重ねて領域402のスキャンを行う場合、すなわちスキャン軌道を多重に描く場合、(xβ,yβ)の座標で表されるスキャンは(xα,yα)の座標で表されるスキャンのm倍の回数実行されることになる。または、(xβ,yβ)の座標で表されるスキャンにおけるスキャン速度を、(xα,yα)の座標で表されるスキャンにおけるスキャン速度の1/m倍にする。これにより、領域402以外の領域から発生する二次電子とほぼ同じ量の二次電子を、領域402から発生させるのに十分な量の電子ビームを照射することができる。なお、実際にはスキャン軌道を重複する方法と、スキャン速度を変更する2つの方法を合わせて用いてもよい。
本実施例においては、領域401に対するスキャンと領域402に対するスキャンで1フレームが構成される。これを繰り返すことで最終的な出力画像を生成する。また、別の例として、例えば、領域402に対するスキャンを行った後再度領域401に対するスキャンを行ってもよい。この場合には、領域401に対するスキャン、領域402に対するスキャン、領域401に対するスキャンで1フレームが構成される。
具体的には、図5の501のようにスキャン領域を平面上の座標系列x−yと各座標における滞在時間fを用いて(x,y,f)で表し、この組み合わせによってスキャン軌道を決定する。スキャンが開始されると順次座標を読込みそれに従いスキャンを実行していく。各座標(x,y)ではその座標が読み込まれる度、502、503のように、スキャン時の輝度値qを画素輝度値累積加算メモリ115へと保存し、同時にその座標での滞在時間fを滞在時間累積加算メモリ116へ保存する。例えば図4の領域402のように(xk,yk)がm回読み込まれスキャンされる場合、1フレームとして出力される座標(xk,yk)の輝度値としては、m回分の全ての輝度値の累積加算値(Qk)を、m回分全ての滞在時間(Fk)の合計で除算したものとなる。すなわち以下の式にて表される。
Qk=q1+q2+・・・+qm(qm:m回目スキャン時の輝度値)
Fk=f1+f2+・・・+fm(fm:m回目スキャン時の滞在時間)
1フレームとして出力される座標(xk,yk)の輝度値=Qk/Fk
全ての座標を読込みスキャンを実行すると1フレームの処理が終了する。これを必要な回数繰り返し、フレーム積算を行い最終的な画像を出力する。
本発明はスキャン軌道の重複やスキャン速度の違いによる出力画像への影響をなくすことができるので、撮像領域内の任意の領域に対し高速でスキャンする場合への適用が効果的である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101 走査型電子顕微鏡(SEM)
102 被観察試料
103 検出器
104 電子ビーム制御部
105 A/D変換部
106 画像処理システム
107 スキャン制御基板
108 画像処理基板
109 スキャン制御部
110 メモリコントローラ
111 スキャンパラメータ保存メモリ、
112 スキャンパラメータ生成部
113 スキャン座標メモリ
114 画素積算部
115 画素輝度値累積加算メモリ
116 滞在時間累積加算メモリ
117 画像演算部
118 メインコントローラ
119 パーソナルコンピュータ(PC)

Claims (2)

  1. 荷電粒子線を発生する荷電粒子線源と、
    試料の視野領域に対して前記荷電粒子線を走査する走査偏向器と、
    前記荷電粒子線を試料上に収束させる対物レンズと、
    前記走査偏向器の動作を制御する走査制御部と、
    前記荷電粒子線の照射により試料から得られる二次荷電粒子を検出する検出器と、
    前記検出器からの信号により画像を生成する画像処理部と、を有し、
    前記走査制御部は、前記荷電粒子線の照射量が異なる複数の領域が前記視野領域内に形成されるように前記荷電粒子線の走査を制御し、
    前記画像処理部は、前記視野領域の各画素における輝度値を、前記荷電粒子の当該画素における照射時間で規格化することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    各画素における輝度値を累積加算した値が保存される輝度値累積加算メモリと、
    各画素における前記荷電粒子線の照射時間を累積加算した値が保存される照射時間累積加算メモリと、を有し、
    前記画像処理部は、前記画像の生成時に、画素ごとに、前記輝度値累積加算メモリから読み出した輝度値を前記照射時間累積加算メモリから読み出した照射時間で除算して、当該除算により得られた値を前記画像における各画素の輝度値とすることを特徴とする荷電粒子線装置。
JP2014090825A 2014-04-25 2014-04-25 荷電粒子線装置 Active JP6334243B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014090825A JP6334243B2 (ja) 2014-04-25 2014-04-25 荷電粒子線装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014090825A JP6334243B2 (ja) 2014-04-25 2014-04-25 荷電粒子線装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015210903A JP2015210903A (ja) 2015-11-24
JP6334243B2 true JP6334243B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=54612960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014090825A Active JP6334243B2 (ja) 2014-04-25 2014-04-25 荷電粒子線装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6334243B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019123604A1 (ja) * 2017-12-21 2019-06-27 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003331768A (ja) * 2002-05-13 2003-11-21 Toyota Motor Corp 走査電子顕微鏡の画像積算回数検出方法
JP2007180090A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Ebara Corp スループットを向上させる評価方法及び電子線装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015210903A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5510928B2 (ja) 集積回路の発光画像を生成するための方法、システム、およびプログラム
JP2018206779A (ja) 電子ビーム検査中に試料を適応的に走査する方法及びシステム
KR101624445B1 (ko) 화상 형성 장치 및 치수 측정 장치
US11170969B2 (en) Electron beam observation device, electron beam observation system, and control method of electron beam observation device
US8330104B2 (en) Pattern measurement apparatus and pattern measurement method
JP5966087B2 (ja) パターン形状評価装置及び方法
JP2017504175A (ja) 電子ビームシステムを使用した関心領域の検査
US20180247790A1 (en) Charged particle beam device and image forming method using same
KR20210060564A (ko) 전자빔 관찰 장치, 전자빔 관찰 시스템, 전자빔 관찰 장치에 있어서의 화상 보정 방법 및 화상 보정을 위한 보정 계수 산출 방법
JP6029293B2 (ja) 走査型電子顕微鏡の画像処理装置、および、走査方法
JP6334243B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP2008282630A (ja) 荷電粒子線装置
WO2011092770A1 (ja) 荷電粒子線装置
WO2019152585A2 (en) Orientation determination and mapping by stage rocking electron channeling and imaging reconstruction
US9627175B2 (en) Electron microscope and elemental mapping image generation method
JP2010014548A (ja) 電子線回折像の解析方法及び透過型電子顕微鏡
JP2017224553A (ja) 荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビーム装置を用いた画像の生成方法
JP2012049049A (ja) 画像形成装置
JP2017199453A (ja) 荷電粒子線装置
JP2016033857A (ja) 走査荷電粒子顕微鏡画像の高画質化方法およびその装置
JP6565601B2 (ja) 画像補正装置
JP6101445B2 (ja) 信号処理装置及び荷電粒子線装置
JP5767163B2 (ja) 画像処理システム、および画像処理方法
JP3790629B2 (ja) 走査型荷電粒子ビーム装置及び走査型荷電粒子ビーム装置の動作方法
EP3227670A1 (en) A method of x-ray nano-radiography and nanotomography and a device for executing this method

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170116

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170123

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170329

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170803

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6334243

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350