JP5317450B2 - 定着部材、定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、一般には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成技術に関する。特に、記録材に形成したトナー画像を定着するための定着部材、並びに、斯かる定着部材を使用した定着装置及び画像形成装置に関するものである。
従来から複写機やプリンタなどの電子写真方式を用いた画像形成装置が広く知られており、白黒のみならず、フルカラーの画像形成を行うものも多く商品化されている。また、電子写真方式の画像形成装置が様々な分野で使用されるのに伴い、画質に対する要求も益々高度なものとなっている。
電子写真画像形成装置においては、記録材上に形成されたトナー画像を定着装置により加熱加圧することにより記録材上に定着する。トナーは、独特の光沢を有するため、画像のコンテンツや記録材の種類によっては、記録画像の光沢に差を生じ出力画像の品質を低下させている。
また、電子写真方式による画像形成は、オフセット印刷に比べ色材層が厚く、多くのインキ(トナー)を必要とする。より少ないトナーにより高い発色を持つことが色材の消費量を減らす有効な手段である。
高い発色効率のためには色材層としては、透明性が高く、表面における散乱が少ない、平坦で平滑な色材層が理想的であるが、その場合、光沢度が非常に高くなり、光沢差が拡大する。
一方、光沢差を少なくするためには色材層の平滑性を制御することが有効である。例えば、特許文献1では、定着部材表面にテクスチャ構造を施し、そのテクスチャをトナー層に刻むことにより光沢差を改善している。
特開2004−110024号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、テクスチャの一部の反射光が広い角度範囲に広がるため、画像濃度としては低下傾向にある。
上記のように、高い発色効率、光沢差をなくすという二つの課題は、色材層の発色という観点で非常に密接な関係にありながら、背反しており、両立することが難しい。
本発明は、上記従来技術における技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記課題、特に光沢差を改善するとともに色材の発色効率を高めることにある。
つまり、本発明の目的は、光沢差を改善するとともに色材の発色効率を高めることのできる定着部材、並びに、斯かる定着部材を使用した定着装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的は、本発明に係る定着部材、並びに、斯かる定着部材を使用した定着装置及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明によれば、記録材上に形成されたトナー画像に接触して加熱、加圧することにより前記トナー画像を前記記録材上に定着する定着部材であって、
定着後のトナー画像の鏡面光沢度(60°)が40%以上60%以下、一枚の記録材内の定着後トナー画像の光沢差が20%以下、且つ、定着後のトナー層の最大光学濃度に対する濃度を発色効率として、前記発色効率が89%以上となるように、
前記定着部材の表面はメッシュ形状を転写することにより得られ、前記定着部材の表面形状の傾斜頻度分布において、
傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値が、62%以上、70%以下であり、
傾斜角17.5°以上、27.5°以下の傾斜頻度積算値が、0%以上、1.23%以下である、
ことを特徴とする定着部材が提供される。
第2の本発明によれば、記録材上に形成されたトナー画像に接触して加熱、加圧する定着部材と、前記トナー画像を前記定着部材へと加圧する加圧部材とを備え、前記定着部材と前記加圧部材により前記記録材を挟持して定着ニップ部を形成して、加熱、加圧することにより前記トナー画像を前記記録材上に定着する定着装置において、
定着後のトナー画像の鏡面光沢度(60°)が40%以上60%以下、一枚の記録材内の定着後トナー画像の光沢差が20%以下、且つ、定着後のトナー層の最大光学濃度に対する濃度を発色効率として、前記発色効率が89%以上となるように、
前記定着部材の表面はメッシュ形状を転写することにより得られ、前記定着部材の表面形状の傾斜頻度分布において、
傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値が、62%以上、70%以下であり、
傾斜角17.5°以上、27.5°以下の傾斜頻度積算値が、0%以上、1.23%以下である、
ことを特徴とする定着装置が提供される。
第3の本発明によれば、像担持体にトナー画像を形成し、前記トナー画像を記録材に転写し、前記記録材に形成されたトナー画像を前記記録材上に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、
前記定着装置は、上記第2の本発明に係る定着装置であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値を、62%以上、70%以下の範囲に調整した定着部材表面を構成することにより、定着後のトナー画像表面の傾斜頻度分布において、1.1%以下の部位(光沢度と強い相関がある傾斜角範囲)を抑制する効果がある。また、傾斜角17.5°以上、27.5°以下の傾斜頻度積算値が、0%以上、1.23%以下の範囲に調整することにより色材の持つ発色性能を最大限に発揮することが可能である。
このように、本発明によれば、定着部材の傾斜頻度分布において、2箇所の割合を適正に保つことにより、高い発色効率と光沢差のない高品位な画像形成が可能である。また、トナーの使用量を抑えながら、一様で安定なグロス特性を得ることができ、また、濃度、モワレが改善され、高品位の画像を形成することができる。
以下、本発明に係る定着部材、並びに、斯かる定着部材を使用した定着装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
第1の実施形態
図1に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す。本実施形態にて、画像形成装置は、タンデム型の5色フルカラー電子写真画像形成装置とされる。ただ、本発明は、このような構成の画像形成装置に限定されるものではない。
(1)画像形成装置の全体的な概略説明
本実施形態にて、画像形成装置本体(以下、「装置本体」と記す。)1に対して、カラー画像読取り装置やパーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置200が接続される。そのホスト装置200から装置本体1の制御手段部(CPU)100に画像データ等の各種情報信号が入力する。制御手段部100は、ホスト装置200から入力する各種情報信号に基づいて画像形成シーケンス制御を実行する。
装置本体1は、装置内に図面上左から右に順にタンデム配列した第1〜第5の5つの画像形成部(色ステーション:画像形成手段)P(Pa、Pb、Pc、Pd、Pe)を備えている。また、その5つの画像形成部の下側に中間転写ベルト17を備えた中間転写機構部16を備えている。
図2は、画像形成部Pと中間転写ベルト機構部16の部分の拡大した概略構成図である。図3は、装置本体1の定着装置50の拡大した概略構成図である。
画像形成部P(Pa、Pb、Pc、Pd、Pe)は、基本的には、何れも同じ電子写真プロセス機構であり、それぞれ、
1)駆動手段(不図示)によって矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、「ドラム」と記す。)11(11a、11b、11c、11d、11e)、
2)そのドラム11の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する一次帯電器12(12a、12b、12c、12d、12e)、
3)そのドラム11の一様帯電面に光像露光Lして静電潜像を形成する露光装置としてのレーザースキャナユニット13(13a、13b、13c、13d、13e)、
4)ドラム11に形成された静電潜像をトナー画像として現像する現像装置14(14a、14b、14c、14d、14e)、
5)中間転写ベルト17を挟んでドラム1に当接して、一次転写部T1(T1a、T1b、T1c、T1d、T1e)を形成する一次転写装置(一次転写ローラ)15(15a、15b、15c、15d、15e)、
等の電子写真プロセス機器を有している。
各画像形成部Pには、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、透明の5種類の現像剤が用いられており、各色に応じた画像を形成する。具体的な配置は、設計に応じて変更可能であり、詳細については、後で述べる。
「透明」とは、着色剤を含有しない、可視光に透明な現像剤であり、本発明においては、透明トナーと称する。
上記構成とされる各画像形成部Pでは、ドラム11の表面は、一次帯電器12により所定の極性・電位に一様に帯電され、そのドラム11の一様帯電面にレーザースキャナユニット13により光像露光L(La、Lb、Lc、Ld、Le)して静電潜像を形成する。ドラム11に形成された静電潜像は、現像装置14によりトナー画像として現像される。
なお、上記電子写真プロセスによるトナー画像の形成原理、プロセス自体は、当業者には周知であるから、更に詳しい説明は省略する。
中間転写機構部16は、上述のように、可撓性を有するエンドレスベルト(無端ベルト形状)の中間転写ベルト(以下、「ベルト」と記す。)17を有し、このベルト17は、駆動ローラ18、二次転写対向ローラ19、テンションローラ20により懸回張設されている。
ベルト17の、テンションローラ20と駆動ローラ18間の上行側ベルト部分を各画像形成部Pのドラム下面に渡らせてある。ベルト17は、駆動ローラ18が回転駆動されることにより矢印の時計方向にドラム11の回転速度とほぼ同じ速度にて回転駆動される。
各画像形成部Pにおける一次転写ローラ15は、それぞれベルト17の裏側(内面側)に配置され、ベルト17を介して対応するドラム11の下面に当接させている。これにより、ドラム11とベルト17の表側(外面側)との間に一次転写ニップ部T1(T1a、T1b、T1c、T1d、T1e)が形成される。
二次転写ローラ21は、ベルト17を介して二次転写対向ローラ19に当接させている。これによりベルト17の表面との間に二次転写ニップ部T2が形成される。
フルカラー画像形成動作は、次の通りである。第1〜第5の画像形成部P(Pa、Pb、Pc、Pd、Pe)がそれぞれの画像形成タイミングに合わせて順次駆動される。また、ベルト17も回転駆動される。そして、各画像形成部Pのドラム面にそれぞれ所定の制御タイミングにて、フルカラー画像の、ブラック成分像、イエロー成分像、マゼンタ成分像、シアン成分像、に加えて透明成分像に対応した各トナー画像が形成される。各トナー画像は、それぞれ一次転写ニップ部T1(T1a、T1b、T1c、T1d、T1e)においてベルト17の面に対して順次に位置合わせ状態で重畳転写される。これにより、ベルト17上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。
各画像形成部Pにおいて一次転写後にドラム11上に残留したトナーは、クリーナ(不図示)により除去される。あるいは現像同時クリーニングされる。
ベルト17上に合成形成された未定着のフルカラートナー画像は、引き続くベルト17の回動で搬送されて二次転写ニップ部T2に至る。そして、この二次転写ニップ部T2に対して、給紙装置22、又は、手差し給紙装置(図示せず)から1枚分離給紙されて所定の制御タイミングで導入された記録材(記録シート)Sに対して一括転写される。二次転写後にベルト17上に残留したトナーは、クリーナ43により除去される。
給紙装置22の給紙カセット24には記録材Sとして普通紙を積載収納してある。
ここで、本実施例においては、記録材Sとしては170g/m2のコート紙を使用した。
制御手段部100は、給紙装置22の給紙ローラ26を駆動させて給紙カセット24内から普通紙である記録材Sを1枚分離給紙する。そして、その記録材Sを搬送路27、30で搬送して二次転写ニップ部T2に対して所定の制御タイミングで導入する。
二次転写ニップ部T2を出た記録材Sはベルト17の面から曲率分離して、搬送路31で装置本体1内の定着装置50に導入される。この定着装置50は加熱、加圧定着装置である。これについては後述する。
制御手段部100は、定着装置50について所定の定着条件にて制御する。その定着条件は、記録材S上の未定着のフルカラートナー画像を十分に加熱溶融混色させて定着状態にすることができる定着条件である。
定着装置50を出た記録材Sは、フルカラー画像形成物として排紙ローラ対34により装置本体1側の排紙トレイ35に排出される。
モノクロ画像形成物の出力も可能である。この場合は、その画像形成モードを選択すると、ブラックトナー画像を形成するブラックトナーを充填した画像形成部、本実施例では、画像形成部Paだけが画像形成動作し、他の画像形成部はドラムの回転駆動はなされるけれども画像形成動作はなされない。そして、第1の画像形成部Paのドラム11aに形成されたブラックトナー画像がベルト17に一次転写される。そのトナー画像が二次転写ニップ部T2において、記録材Sに二次転写される。記録材Sの場合は定着装置50で定着処理を受けてモノクロ画像形成物として排紙トレイ35に排出される。
(2)定着装置
本実施形態において、定着装置50は、加熱、加圧定着装置(オイルレス定着装置)である。図3に、本実施例の定着装置50の詳細構成を示す。
本実施形態にて、定着装置50は、記録材上に形成されたトナー画像に接触して加熱する定着部材51と、記録材上のトナー画像を定着部材51へと加圧する加圧部材52とを備えている。定着部材51と加圧部材52とは、互いに当接して、定着ニップ部Nを形成し、この定着ニップ部Nにて記録材を挟持して加熱、加圧することによりトナー画像を記録材上に定着する。
本実施形態では、定着部材51は、定着ローラ51Aと、定着ベルト51Aの回りに嵌挿された無端のベルト形状とされる定着ベルト51Bとを備えている。また、定着ベルト51Bは、定着ローラ51Aと、2個のガイドローラ53との間に張設されており、定着ローラ51Aが駆動されることにより、定着ローラ51Aと同方向に循環移動する。
定着ローラ51Aは、金属の中空パイプローラ51Aaの外周面に弾性層51Abを具備させている。また、中空パイプローラ51Aa内に熱源としてハロゲンランプH1を配設してある。
加圧部材52は、本実施例では、ローラ形状の加圧ローラとされる。加圧ローラ52もまた、本実施形態では、金属の中空パイプローラ52aの外周面に弾性層52bを具備させている。また、中空パイプローラ52a内に熱源としてハロゲンランプH2を配設してある。
上記定着ローラ51Aと加圧ローラ52は、間に定着ベルト51Bを介在させて、並行に配列され、回転自由に軸受支持されると共に加圧機構(図示せず)により互いに加圧されて定着ニップ部N(本実施形態では、10mm)を形成する。定着ローラ51Aは、駆動源M1(図4)により、図3にて矢印方向時計方向に回転駆動される。加圧ローラ52は、定着ベルト51Bと共に定着ローラ51A及び定着ベルト51Bの回転に従動して回転する。
図4を参照すると、制御手段部100は、ドライバ77を制御して駆動源M1により定着ローラ51Aを回転駆動する。また、給電部73、74を制御してハロゲンランプH1、H2に電力を給電して発熱させ、定着ローラ51Aと加圧ローラ52を加熱する。定着ローラ51A(本実施形態では、定着ベルト51B)と加圧ローラ52の表面温度がそれぞれサーミスタTH1、TH2で検知され、その検知温度情報が制御手段部100に入力する。制御手段部100は、入力する検知温度情報に基づいて、定着装置50が所定温度に温調されるように、給電部73、74からハロゲンランプH1、H2への供給電力を制御する。
制御手段部100は、駆動源M1や給電部73、74を制御して、定着装置50の定着速度や温調温度を調整することができる。
定着ベルト51Bは、図5に示す断面構成を持ち、下層から、基材51Be、接着層51Bd、シリコンゴム層51Bc、接着層51Bb、離型層51Baより構成される。本実施例では、定着ベルト51Bの表面、即ち、離型層表面の形状を所定形状へと加工している。
離型層51Baはトナーに対して十分な非粘着性を有することが必要である。本実施形態では、定着ベルト51Bの表面の形状により定着後のトナー表面を制御するため、十分な離型性がない場合、定着ベルト51Bにオフセットしないまでも、分離する時に、トナー表面を乱し所望の特性が得られない。
本実施形態では、PFAを使用した。ほかに、PTFEやFEPなど、水の接触角において、100°以上の特性を有する材料が有効である。
次に、定着ベルト51Bについて更に説明する。
(3)定着ベルト
図6に示すように、定着ベルト51Bの表面には、所要とされる全表面に亘って、所定形状のパターン60が形成され、その傾斜頻度分布が所定値に制御されている。
つまり、定着ベルト51Bは、定着ベルト51Bの表面に、所定形状の母型を、所定の加圧力にて、所定時間、所定回数、押圧して、母型の形状を定着ベルト51Bの表面に転写する。これにより、定着ベルト51Bは、所定形状のパターが複数反復して形成された表面形状を備えたものとされる。
パターン60としては、例えば、図6に示すような、ハニカム形状とすることもでき、更には、長方形、三角形、菱形、円形、など種々の幾何学的形状のもの、或いは、ペイズリー模様のような非対称の非幾何学的形状とすることもできる。通常、パターン60としては、例えば、約0.01〜10mm2、更に、小さいパターンとすることもできる。
本実施形態では、母型として金属メッシュを使用した。本実施形態では、メッシュ形状としては、真鍋工業社製ステンレスメッシュ#500を使用した。図7(a)に、ステンレスメッシュ表面の概略の構成、形状、寸法を示す。また、図7(b)には、図7(a)中のAA’断面図を示す。図8(a)にメッシュが転写された定着ベルト表面の構成、図8(b)に図8(a)中のBB’断面図を示す。
定着ベルト51Bを作製するに際して、ベルト表面51Baと、母型としての金属メッシュを合わせ、加圧プレートに挟み、所望の圧力で凡そ10秒間加圧し、ベルトの離型層表面に、メッシュ形状の一部を転写した。この圧力と、転写回数、折り目の方向などの条件を変更し加工することにより、所望の形状を得ることができる。
圧力を変えることにより、メッシュの形状の転写範囲が変わる。また、メッシュの場合、図8に示すように、メッシュの空孔部は、ベルトと接触しないため、ベルトの平坦部分が残りやすい。従って、転写を複数回行うことにより、平坦部分が残らないようにすることができる。また、同じ方向、例えばAA’方向とBB’方向が平行になるようにして、複数回転写すると、パターンにモアレが生じることがある。そのため、同じ方向にならないよう、メッシュの目の方向と、ベルトの角度を変えて(例えば、30°毎時計方向に回すなど)転写を複数回行うのが好ましい。角度を変えることで、平坦部分が残りにくいという効果もある。
本発明では、形状を代表する値として、傾斜角の角度分布図から得られる、傾斜頻度積算値を使用する。次に、これらの意味について説明する。
先ず、傾斜角について、説明する。図8(b)は線分BB’上のベルト表面の高さを表しており、これらを結んで表される形状は、BB’上の表面形状を表している。線分BB’上の各点においては、水平面に対して様々な角度をとり得る。ある点に着目してその、水平面に対する傾斜角を図8(b)では表している。具体的な傾斜角の測定方法については、後述する。
次に、傾斜頻度積算値について説明する。ベルト上の高さデータから、上記のように各測定点における傾斜角を求めることができる。求めた傾斜角データから、度数分布図を作成する。これにより、例えば、1°〜2°の範囲の傾斜角を持った部分が全体の何%あるかを算出できる。
以上説明したように、この圧力と、転写回数、折り目の方向などの条件を変更し加工することにより、ベルト表面における、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値や、傾斜角17.5°〜27.5°(17.5°以上、27.5°以下)範囲の傾斜頻度積算値のバランスを変えることが可能である。
母型を押圧する前の未処理の定着ベルト51Bの表面は、非常に平滑であり、傾斜角5°以下(即ち、0°以上、5°以下)の傾斜頻度積算値が98%以上とされる。つまり、ほぼ平滑な表面である。
このような未処理の定着ベルト51Bの表面に対し、母型としてのメッシュの形状を転写すると、それまで平坦であった部分が数度の傾斜を持つようになる。面積的にベルトに接触する部位が僅かなので、傾斜頻度分布の変化は僅かであるが、より高い圧力で処理すると、接触面積が増えるとともに、メッシュのより深い部位まで転写し、より高い傾斜角の発生頻度が上昇し、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値は減少する。つまり、強さを換えることによりどの程度高い傾斜角まで転写するかが決まる。
本実施例における「傾斜頻度分布」の測定方法については、後で詳しく説明する。
メッシュは、定着ベルト51Bの全ての面積に接触するわけではないので、1回転写しただけでは、平坦な部分が多く残り、傾斜頻度分布としては傾斜角5°以下の頻度がまだ高い状態にある。一方、転写回数を増やし、メッシュの折り目の角度を順次変えながら複数回転写処理を行うことにより、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度分布を増やすことなく、傾斜角5°以下の傾斜頻度分布を減少させることができる。
詳しくは後述するが、定着部材51(本実施例では、定着ベルト51B)の表面の傾斜頻度分布において、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が62%〜70%(62%以上、70%以下)であることが好ましい。また、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0%〜1.23%(0%以上、1.23%以下)であることが好ましい。
また、本実施例では、メッシュを用いて複数回転写して目的の傾斜頻度分布を得たが、メッシュの代わりに予め傾斜頻度分布を調整した母型を作製し、型成型にて定着部材51を作製することも可能である。そのときの母型の傾斜頻度分布においては、前述の傾斜頻度分布範囲が好ましい。
ただし、型作製後、加熱処理をして表面のレベリングを図る場合、即ち、平滑処理を行う場合においては、傾斜角5°以下(即ち、傾斜角0°〜5°)の母型の傾斜頻度積算値は、30%〜70%(30%以上、70%以下)が好ましい。また、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0%〜1.23%(0%以上、1.23%以下)であることが好ましい。
一方、本発明の比較例として、表面の研摩やブラスト処理により表面処理を行った例も示す。この場合、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値は減少するが、それ以上に、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度分布の上昇が大きくなる。
本発明の各実施例の詳細な条件については、各実施例において述べる。
(4)定着装置の制御
本実施例の定着装置50においては、制御手段部100は、プロセススピードを50mm/s、定着部材51の温度を175℃に制御する。これにより、記録材S上の未定着のフルカラートナー画像を十分に加熱溶融混色させて定着状態にすることができる。或いは、記録材S上の未定着のモノクロトナー画像を十分に加熱溶融定着状態にすることができる。本実施例にて画像形成時のプロセススピードは110mm/sである。
以下に述べる例によっては、前記定着条件では、トナーのオフセットが生じることがある。その場合は、定着温度を155℃、或いは、135℃程度まで下げて定着を行った。
また、逆に、175℃にてオフセットが全く生じない場合には195℃の温度条件でも定着を行い、光学濃度が高い条件を各実施例の評価の条件として用いた。
(5)トナー
本実施形態にて使用する有色トナーについて説明する。
本実施形態で用いた有色トナーは、結着樹脂と着色剤とワックスとを少なくとも含有するトナー粒子である。
前記トナー粒子に含有される前記結着樹脂には、従来よりトナーに用いられる一般的なものが用いられる。特に限定されないが、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系重合体、及びこれらの樹脂の混合物のいずれかであることがより好ましい。
前記結着樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、ピーク分子量(Mp)が4000〜10000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が300以上であることが好ましい。上記Mw/Mnは、より好ましくは500以上である。前記分子量分布は、前記結着樹脂の重合条件や、適当な平均分子量の結着樹脂の混合等によって調整することが可能である。
前記トナー粒子に含有される前記着色剤としては、公知の顔料及び/又は染料を用いることができる。
例えば、黒色着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック等が挙げられる。
また、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
さらに、マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28等の塩基性染料が挙げられる。
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15:1、15:2、15:3、16、17;C.I.アシッドブルー6;C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、97、155、180、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
前記着色剤の使用量は、中間色の再現性と着色力とのバランスから、結着樹脂100重量部に対して、3〜20重量部、さらに好ましくは6〜10重量部であることが好ましい。
前記トナー粒子に含有される前記ワックスとしては、公知のワックスを用いることができる。このようなワックスとしては、例えばポリオレフィンワックス低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックス等の脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの等が挙げられる。
更に、前記ワックスとしては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸等の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール類;ソルビトール等の多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加等によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。
前記ワックスは、前記結着樹脂100重量部当たり0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部使用することが好ましい。前記ワックスは、通常、結着樹脂を溶剤に溶解し結着樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら前記結着樹脂溶液に添加混合する方法や、トナー粒子の材料の混練時に混合する方法でトナー粒子に含有させる。
本実施形態の前記トナーには、流動性や現像性を制御するために公知の外添剤を添加することができる。外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム等の各種無機酸化微粒子、必要に応じて疎水化処理した微粒子、ビニル系重合体、ステアリン酸亜鉛、樹脂微粒子等が使用できる。外添剤の添加量は、トナー粒子に対して0.02〜5重量%の範囲が好ましい。
(6)トナー層の最大光学濃度
本実施形態において、トナーは各色において、光学濃度1.6を確保するために0.41mg/cm2の載り量と、光学濃度2.0を確保するために0.53mg/cm2の載り量の2種類の現像量に調整した。
トナーの最大光学濃度Dmaxは以下の手順で求めた。
Dmaxは次のように定義する。本実施形態の画像形成装置において、出力される有色トナーベタ部の光学反射濃度を、濃度計(X−Rite社製500シリーズSpectrodensitometer)にて測定すると、定着装置の制御条件により濃度が異なる。記録材上のトナー層は、その定着状態の違いにより、表面や内部の光散乱の状態が異なる。また、記録材の平滑性が悪い場合トナー層により記録材表面全体を覆うことが困難となり、結果、トナーの色材として持っている最大濃度を発揮できない場合が多い。本実施形態において、トナーの最大濃度の測定は、上記のような光散乱などによる光学濃度損失を防止することを配慮し、以下のような条件で行った。
記録材に電子写真用厚紙光沢紙(NS701;キヤノン製)を用いて、各色トナーのベタ画像を記録し記録画像を得た。得られた画像を処理1、処理2の2種類の処理方法でそれぞれ処理した。
処理1:記録画像をオーブン加熱器(東京理化器械株式会社製WFO−450ND型乾燥機)にて170度3分間加熱して、室温に戻した。
処理2:ポリイミドフィルムシート(東レデュポン社製200V)を画像にかさねて、本実施形態に用いた定着装置に、プロセススピード50mm/s、定着ローラ温度175℃にて通紙後、室温に戻した後、ポリイミドフィルムシートのみ剥離した。
以上、処理1、処理2により得られた記録画像のベタ部の画像濃度を各色トナーについて測定した。処理1と処理2の濃度を比較し濃度が高い方の数値を持って、最大光学濃度Dmaxとして定義した。
(7)透明トナー
本実施形態における、透明トナーは、前述したトナー作成方法において着色顔料を含まず作成した、可視光に透明な無色のトナーを意味する。本実施例において、透明トナーは有色トナーの上に配置するため、十分な透明性を有する必要がある。前述した、最大濃度を有色トナーと同様に記録画像を作成し、同濃度測定をVモードにて測定した。
また、同様にして、トナー層厚さの測定を行い。単位厚さあたりの最大濃度、すなわちAmaxを測定したところ0.015であった。透明トナーとして、Amaxは0.001〜0.1を使用するのが好ましい。
(8)傾斜頻度分布の測定方法
本発明における傾斜頻度分布の測定は、表面形状の測定装置SX520N(菱化システムズ社製)により表面形状を光学的に測定した形状プロファイルを解析することにより得た。
具体的には、凡そ0.8mm×0.6mmの測定エリアについて、640×480ピクセルの各測定点における高さを測定した。定着ベルト51Bは円弧状をしているため、シリンダー形状補正を行った。また、測定上のデータの補間処理(Fill)機能を有効にして測定を行った。測定は、90%以上の有効な測定点があることを確認してその後の処理を行った。形状データは、同社製解析ソフトウエアSX−Viewer(V3.6.8)により、傾斜データに変換後頻度分布を得た。
より具体的には、形状データを同システムの微分処理機能により、XY両方向について微分すなわち傾斜角を計算した。形状データから算出される各微小部位における傾斜角とは、試料面全体に垂直なベクトルと、微小部位に垂直なベクトルのなす角として算出される。これにより各微小部位における微小面の傾きが求まる。上記の傾斜データから傾斜頻度分布を算出するため、同システムのベアリング処理を行う。ベアリング処理は、角度刻みとして2mRを設定し、0°から90°の範囲の傾斜頻度分布を得る。そして、最終的に、本発明で最も注目すべき、2つの傾斜頻度積算値を算出する。
先ず、定着後のグロスと相関が良い、傾斜角5°以下の傾斜頻度分布を求める。上記傾斜頻度分布について、0°〜5°の範囲の頻度として計算される。同様にして、光学濃度との相関が良好な傾斜角17.5°〜27.5°の範囲についても同様に求める。
一方、光沢度の測定規格に立ち返って傾斜頻度分布について考えると、光沢度は、JIS Z8741に記載されている鏡面光沢度に準じた幾何学条件により光沢度を測定算出している。この光学配置を考慮すると、光沢度と相関が高い傾斜頻度分布の角度範囲は、0°〜1.1°であることが分かる。
しかし、本発明者らは、本発明における定着部材51の傾斜頻度分布においては、5°以下(即ち、0°〜5°)の相関が高いことを新たに見出したが、比較のため、傾斜角0°〜1.1°の傾斜頻度積算値も算出した。
本実施例で測定したSa面平均粗さについても同システムの等高線解析における、全領域内の面粗さを参照した。
[比較例1]
本比較例は、表面処理を施さない平滑なベルト表面を使用した。
傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が98%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0.00%であった。
また、傾斜角1.1°以下の傾斜頻度積算値は67%であった。
[比較例2]
本比較例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が80%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0.01%である定着ベルトを得た。
また、傾斜角1.1°以下の傾斜頻度積算値は54%であった。
定着ベルトの作製条件:加圧力は13MPa、加圧時間10秒、加圧回数1回であった。
[実施例1]
本実施例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が70%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0.02%である定着ベルトを得た。
定着ベルトの作製条件:加圧力は13MPa、加圧時間10秒、加圧回数2回であった。
[実施例2]
本実施例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が67%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0.04%である定着ベルトを得た。
また、傾斜角1.1°以下の傾斜頻度積算値は16.8%であった。
定着ベルトの作製条件:加圧力は13MPa、加圧時間10秒、加圧回数3回であった。
[実施例3]
本実施例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が65%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0.29%である定着ベルトを得た。
定着ベルトの作製条件:加圧力は17MPa、加圧時間10秒、加圧回数3回であった。
[実施例4]
本実施例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が63%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0.43%である定着ベルトを得た。
定着ベルトの作製条件:加圧力は21MPa、加圧時間10秒、加圧回数3回であった。
[実施例5]
本実施例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が62%、傾斜角17.5〜27.5°の傾斜頻度積算値が1.23%である定着ベルトを得た。
また、傾斜角1.1°以下の傾斜頻度積算値は7.3%であった。
定着ベルトの作製条件:加圧力は21MPa、加圧時間10秒、加圧回数9回であった。
[実施例6]
本実施例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が62%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0.04%である定着ベルトを得た。
定着ベルトの作製条件:加圧力は13MPa、加圧時間10秒、加圧回数3回であった。
[実施例7]
本実施例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が70%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が1.10%である定着ベルトを得た。
また、傾斜角1.1°以下の傾斜頻度積算値は20%であった。
定着ベルト表面形状の傾斜角の制御には、母型として上述の金属メッシュを使用した場合のように、角度が定まったパターンを転写することが望ましいが、本実施例においては、ランダムな形状のパターンを転写し、傾斜角を制御した。この方法も又、有効である。
つまり、本実施例では、上記実施例1〜6及び比較例1、2にて使用した金属メッシュの代わりに、永塚工業社製研摩布AAシート#400を使用した。
定着ベルト作製時の条件は、加圧力は30MPa、加圧時間10秒、加圧回数2回にて転写した。その後、同ベルトを200℃に予備加熱し、加熱したベルト表層に320℃のブロアーを1分間あてて平滑化処理する。
これにより、傾斜角5°以下の傾斜を残しながら17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値を減少させ、本発明の目的の傾斜頻度分布をローラ表面に形成することが可能である。
ここで用いた研摩布の傾斜頻度分布にについて、傾斜角0°〜5°の傾斜頻度積算値は9.6%、17.5°〜27.5°は19.0%であった。
研摩布に必要な特性は、傾斜角0°〜5°範囲が充分低い。少なくとも、目的とする定着部材51の同角度範囲の適正値上限70%より小さいことが必要である。傾斜角17.5°〜27.5°については、上記の平滑化処理により平滑化が可能である。傾斜角が高い部位は、平滑化処理による効果が大きく働くため、加熱などにより容易に低下させることが可能である。
また、本実施例では、幾何学的に周期性のあるパターンを持たないことが特徴である。傾斜を制御する場合、規則的な幾何学模様を形成することが制御性を良くするためには有利である。しかし、画像形成装置における使用ではモワレなどの弊害を生じることがある。本実施例では、周期性を持たない形状により本件の傾斜条件を満足させている。
ランダム性を客観的に確認する方法について述べる。
スクリーンゲージ(例えば日本画像協会作成)を定着部材51に押し当てモワレパターンがあるかどうかを目視にて確認した。本実施例の定着部材51(即ち、定着ベルト51B)ではモワレパターンは見出せなかったが、本実施例以外のメッシュを使用した定着部材表面に、スクリーンゲージを密着させて目視にて確認すると、360lpi近傍に周期的パターンが見られた。
従って、定着部材51の表面形状は、400lpi以下の特定周波数成分を持たないことが望ましい。
[実施例8]
本実施例では、定着ベルト表面形状の傾斜角の制御には、実施例1〜6と同様に、母型として上述の金属メッシュを使用した。定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が63%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が0.43%である定着ベルトを得た。
定着ベルトの作製条件:加圧力は21MPa、加圧時間10秒、加圧回数3回であった。
更に、本実施例では、透明トナーを使用し、メディアの白地部分が全て覆われるように現像し、定着した。
[比較例3]
本比較例では、定着ベルトを以下のように処理した結果、傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が53%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が7.00%である定着ベルトを得た。
また、傾斜角1.1°以下の傾斜頻度積算値は20.5%であった。
定着ベルトの作製条件:加圧力は33MPa、加圧時間10秒、加圧回数1回であった。
[比較例4]
実施例7に使用したアニ−ル処理前のベルトを使用した。
つまり、金属メッシュの代わりに永塚工業社製研摩布AAシート#400を使用し、加圧力は30MPa、加圧時間10秒、加圧回数2回にて転写した。
本比較例では、定着ベルトの傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値が64%、傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値が5.40%であった。
また、傾斜角1.1°以下の傾斜頻度積算値は15%であった。
評価方法
a)発色効率
求められる光学濃度により2種類の評価指標により発色効率を評価した。それぞれ、目標濃度を1.6及び2.0に設定し、それぞれ、メディア上に転写されたトナー量として、0.6及び0.45mg/cm2を設定し、定着後の光学濃度を測定して、以下により発色効率を求めた。
発色効率(%)=(各例の光学濃度/最大光学濃度)*100
b)グロス差
C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について、16階調の階調パターンを印字し、各パッチの60度グロスを測定する。グロス計は、BYK Gardner社製マイクロトリグロスを使用し60度にて鏡面光沢度を測定した。印字するメディアはコート紙を使用し、コート紙の同光沢度は40%であった。
先ず、グロス最大値は、測定された光沢度の最大値である。また、グロス差とは、測定された光沢度の最大値−最小値により算出した。
◎:グロス差が10%以下である。
○:グロス差が10〜20%である。
△:グロス差が20〜30%である。
×グロス差が30%以上である。
c)オフセット
オフセットの画像不良とは、定着部材の離型性が不十分のときに融けたトナーの一部が定着部材に付着し、定着部材の周長分後に白地に汚れとして画像に表れる。従って、その画像不良の評価には、以下の方法にて行った。CMYK各色について、プロセス進行方向に、20mmの幅を持つベタパッチを印字しその後の部分を無印字状態にして画像形成、定着を行う。そして、白地部分に、オフセットしたトナーによる汚れを目視にて判断した。
○:目視により明らかにトナー汚れが認識できる。
×:目視ではトナー汚れが認識できない。
d)モワレ
本実施例では、CMKの画像について、スクリーン線数175lpiで作成し、それぞれのスクリーン角を、30°、60°、135°に設定した。CMK各8階調(50%〜100%)による組合せパターン512パターンを出力しモワレを目視にて確認した。
◎:5パターン以下でモワレが観察される。
○:5〜10パターンでモワレが観察される。
×:10パターン以上でモワレが観察される。
各例の評価結果
各実施例及び比較例の主構成、並びに、評価結果を下記表1に示す。
比較例1は、従来技術による平滑な定着部材表面を使用した定着装置による例である。傾斜頻度分布の上でもこれは明らかで、傾斜角5°以下(即ち、傾斜角0°〜5°)の傾斜頻度積算値は98%にも及ぶ。
比較例1による発色効率は非常に高いが、一方で、グロス特性としても光沢度が80%でありグロス差も非常に大きく、画像が浮き出たような違和感がある。
また、比較例4においては、粗面化処理を施したものである。傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値は64%まで低下しグロス最大値は40%まで低下、グロス差も小さく一様で自然な印刷物となっている。しかしながら、光学濃度が低下している。濃度目標値2.0で84%である。つまり、16%のトナーについては、発色に寄与せず無駄となっていると考えることもできる。
比較例4のような状態では、目標画像濃度に達するためには、更に多くのトナーを現像しなければならない。また、現像量を増やしても、トナー層中や表面の散乱成分が原因しているので、現像量を増やしても、2.0に到達させることは困難である。
一方、実施例1においては、傾斜角5°以下の分布を70%まで低減するとともに、表面に凹凸をつけたとき傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値も低く抑え、本発明の必要構成を満足することにより、グロス差も良好である。かつ、表面の凹凸により発色効率が低下することもない優れた画像特性が得られている。
実施例2、3、4、5、6及び比較例2、3により、傾斜角5°以下及び傾斜角17.5°〜27.5°の傾斜頻度積算値の適正範囲が求められる。
傾斜角5°以下の傾斜頻度積算値については、62%〜70%の範囲であれば、グロス差が少なく、安定で、一様なグロス特性が得られる。
鏡面光沢度のJIS規格における幾何学配置からは、前述のように、0°〜1.1°の頻度が非常に相関が高いことが予想されるが、本実施例からは、0°〜1.1°よりも0°〜5°の頻度との相関が非常に良いことが分かる。これは、トナーが定着されるときに、定着部材表面の形状と、定着後のトナー表面が一致していないことを表している。定着ニップ部Nの中では、トナーが溶融し、定着部材を反転した形状がトナーに形成されていると予想される。ただ、その後まだ、トナーの温度は高くトナーの粘弾性が低い状態が続き、定着部材との離型やその後のレベリングなどの経過を経てトナーの形状が固定されると予想される。
従って、これらのトナー形状の変化を考慮しながら、定着部材表面としてどうあるべきなのかを種々検討した結果、本発明のように、傾斜角1.1°よりはもう少し傾斜が大きな範囲も含めた0°〜5°の範囲の傾斜がどのくらい分布しているのかということが構成上非常に高い相関があることを見出した。
また、傾斜角17.5°〜27.5°の範囲については、傾斜頻度積算値0.02%から1.23%の範囲であれば、画像濃度を低下させること無く、効率よくトナーを発色させることができる。
ここで、本実施例では、傾斜頻度積算値は0.02%であったが、母型を精度よく形成できれば原理的には0.00%から、本実施例の発色を妨げないという効果は発揮される。従って、0.00%〜1.23%の範囲が好ましい範囲である。
勿論、これらの、二つの角度範囲は、それぞれ関係している。つまり、傾斜角5°以下の頻度が減少すれば、それ以外(17.5°〜27.5°も含めて)の部分の頻度が増すということである。ただ、本実施例でも明らかなように、傾斜角5°〜17.5°の範囲の角度を積極的に表面に形成することにより、本実施例の数値範囲にコントロールが可能である。また、本実施例の数値範囲に定着部材表面をコントロールすることが、良好な画像記録に必要な構成要件そのものである。
上述したように、本実施例においては、定着部材である定着ベルトの表面形状を制御するためにメッシュなどの周期的な幾何学的形状パターンを使用しているが、画像の網点などの周期と干渉しモワレを起すことがある。定着部材表面形状の制御性の観点では難しいが、特定の周期を持たないようにすることが好ましい。実施例7は、メッシュを使用しない非幾何学的形状パターンを用いて作成した定着部材による例である。
グロス差を減らすには透明トナーを付与し、本実施例の定着部材を使用することが、より好ましい。
つまり、画像形成装置において、複数の有色のトナーと透明トナーを重ね合わせてトナー画像を形成することが好ましい。
実施例8は、透明トナーを付与した例であるが、優れたグロス一様性が得られている。また、透明トナーの付与により、光学濃度上昇やモワレの改善効果もある。
また、表面粗指標として、Saなどの粗さ指標があるが、これらでは、原理的に画像特性との相関が取れないことは明らかである。粗さの指標は、表面形状においてある基準面(平均高さなど)からの変位量やその積分値を指標としているが、つまり、変位量が同じなら粗さ指標としては同じである。
しかしながら、光沢や光学濃度に強く相関する表面形状の特徴は、傾斜角である。「傾斜が同じでも、粗さ変位量が異なる」か、或いは、その逆もあり得ることから、粗さ指標では本発明の目的である、画像特性の向上は期待できない。
より具体的には、実施例7と比較例2は、Saの値は同程度であるが画像特性は大きく異なる。傾斜頻度分布の方が良い相関が得られていることが分かる。
Figure 0005317450
上述のように、本発明によれば、定着部材の表面形状が、傾斜角0°以上、5°以下、及び、17.5°以上、27.5°以下の範囲の傾斜頻度積算値を所定の範囲に制御される。これにより、トナー使用量を抑えながら、一様で安定なグロス特性を得られる定着装置、及び、斯かる定着装置を備えた画像形成装置を提供できる。
他の実施の形態
上記実施形態では、定着装置50における定着部材51は、図3に示すように、定着ローラ51Aと、定着ベルト51Aの回りに嵌挿された無端ベルト形状の定着ベルト51Bとを備えており、定着ベルト51Bの表面形状が本発明に従った構成とされるものとして説明した。
しかし、本発明によれば、定着装置50は、定着部材51としては、定着ベルト51Bを備えていない構成とすることもできる。つまり、定着装置50は、定着ローラ51Aと、加圧部材としての加圧ローラ52とを備えた構成とすることもできる。この構成の場合には、定着ローラ51A自体の表面形状が、本発明に従った構成とすればよい。この構成においても、上記説明した作用効果を同様に達成し得る。
この場合の定着ローラ51Aは、図9に示すように、金属の中空パイプローラ51Aaの外周面に弾性層51Ab、接着層51Ac、離型層51Adを具備させている。
また、本発明の画像形成装置は、中間転写方式の電子写真画像形成装置であるとして説明した。しかし、中間転写ベルト17の代わりに記録材搬送ベルトが配置された、所謂、直接転写方式の画像形成装置とすることもできる。つまり、この構成では、各画像形成部P(Pa、Pb、Pc、Pd、Pe)へと記録材搬送ベルトにて搬送される記録材Sに対して、それぞれ感光ドラム1の表面に形成されたトナー画像が順次直接転写されてカラー画像が記録される構成とされる。斯かる構成の画像形成装置は、当業者には周知であるので、詳しい説明は省略する。
このような画像形成装置における定着装置にも本発明の原理を同様に適用し、同様の作用効果を達成し得る。
更に、上述したように、記録材上のトナー画像は、定着装置50における定着ニップ部Nの中では、トナーが溶融し、定着装置50を通過した後においても、トナーの温度は高くトナーの粘弾性が低い状態が続いていると思われる。
定着装置50においては、図3に示すように、記録材Sを搬送するための搬送部材、例えば、対をなす搬送ローラ34(34a、34b)が定着装置50の定着ニップ部Nに近接して設置されている場合がある。このような定着装置50においては、記録材Sの溶融トナーと接触する側の搬送ローラ34aにも、本発明の原理を同様に適用することができる。
つまり、搬送部材34の、本実施例では、搬送ローラ34aの表面形状の傾斜頻度分布において、傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値が、62%以上、70%以下であり、傾斜角17.5°以上、27.5°以下の傾斜頻度積算値が、0%以上、1.23%以下である、構成とすることができる。勿論、搬送ローラ34aは、搬送ベルトとすることもできる。
この実施形態によれば、定着部材により形成された表面形状を、搬送ローラ等の搬送部材により発生する光沢不良をなくすことができる。
斯かる構成の搬送部材も又、先に説明した定着部材と同様の作製方法にて作製し得る。つまり、第一の搬送部材の作製方法によれば、
トナー画像が定着された記録材上のトナー画像に接触して前記記録材を搬送するための搬送部材の表面に、所定形状の母型を押圧して、母型の形状を前記搬送部材の表面に転写して、所定形状の表面形状を備えた搬送部材を作製する方法において、
前記母型は、前記母型の表面形状の傾斜頻度分布において、
傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値が、62%以上、70%以下であり、
傾斜角17.5°以上、27.5°以下の傾斜頻度積算値が、0%以上、1.23%以下とされる。
また、第二の搬送部材の作製方法によれば、
トナー画像が定着された記録材上のトナー画像に接触して前記記録材を搬送するための搬送部材の表面に、所定形状の母型を押圧して、母型の形状を前記搬送部材の表面に転写し、その後、前記搬送部材の平滑処理を行い、所定形状の表面形状を備えた搬送部材を作製する方法において、
前記母型は、前記母型の表面形状の傾斜頻度分布において、
傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値が、30%以上、70%以下であり、
傾斜角17.5°以上、27.5°以下の傾斜頻度積算値が、0%以上、1.23%以下とされる。
また、上記作製方法において、前記母型が押圧される前の前記搬送部材の表面は、前記母型の表面形状の傾斜頻度分布において、傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値が98%以上とされる。
上記作製方法は、定着部材の作製方法と同様であって、上記定着部材の作製方法を参照すれば、当業者には容易に理解し得るところである。従って、これ以上の説明は省略する。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 画像形成部の部分と中間転写ベルト機構部の部分拡大概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の部分拡大概略構成図である。 定着装置の制御態様を説明する図である。 定着ベルトの断面図である。 定着ベルトの一部を示す斜視図である。 定着ベルトの表面形状を制御するための母型の一例であるステンレスメッシュを説明するものであり、図7(a)は、ステンレスメッシュの表面を示す平面図であり、図7(b)は、図7(a)のBB’断面図である。 図8(a)は、母型が転写された定着ベルトの表面を示す平面図であり、図8(b)は、母型が転写された定着ベルトの断面図である。 定着ローラの他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
P(Pa、Pb、Pc、Pd、Pe) 画像形成部
S 記録材
1 画像形成装置本体
11(11a〜11e) ドラム(像担持体)
12(12a〜12e) 一次帯電器
13(13a〜13e) レーザースキャナユニット(露光装置)
14(14a〜14e) 現像装置
15(15a〜15e) 一次転写ローラ(一次転写装置)
16 中間転写機構部
17 中間転写ベルト
50 熱ローラ定着装置(定着装置)
51 定着部材
51A 定着ローラ
51B 定着ベルト
52 加圧部材
100 制御手段部

Claims (7)

  1. 記録材上に形成されたトナー画像に接触して加熱、加圧することにより前記トナー画像を前記記録材上に定着する定着部材であって、
    定着後のトナー画像の鏡面光沢度(60°)が40%以上60%以下、一枚の記録材内の定着後トナー画像の光沢差が20%以下、且つ、定着後のトナー層の最大光学濃度に対する濃度を発色効率として、前記発色効率が89%以上となるように、
    前記定着部材の表面はメッシュ形状を転写することにより得られ、前記定着部材の表面形状の傾斜頻度分布において、
    傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値が、62%以上、70%以下であり、
    傾斜角17.5°以上、27.5°以下の傾斜頻度積算値が、0%以上、1.23%以下である、
    ことを特徴とする定着部材。
  2. 前記定着部材の表面形状は、400lpi以下の特定周波数成分を持たないことを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記定着部材は、ベルト形状の定着ベルトであるか、又は、ローラ形状の定着ローラとされることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着部材。
  4. 記録材上に形成されたトナー画像に接触して加熱、加圧する定着部材と、前記トナー画像を前記定着部材へと加圧する加圧部材とを備え、前記定着部材と前記加圧部材により前記記録材を挟持して定着ニップ部を形成して、加熱、加圧することにより前記トナー画像を前記記録材上に定着する定着装置において、
    定着後のトナー画像の鏡面光沢度(60°)が40%以上60%以下、一枚の記録材内の定着後トナー画像の光沢差が20%以下、且つ、定着後のトナー層の最大光学濃度に対する濃度を発色効率として、前記発色効率が89%以上となるように、
    前記定着部材の表面はメッシュ形状を転写することにより得られ、前記定着部材の表面形状の傾斜頻度分布において、
    傾斜角0°以上、5°以下の傾斜頻度積算値が、62%以上、70%以下であり、
    傾斜角17.5°以上、27.5°以下の傾斜頻度積算値が、0%以上、1.23%以下である、
    ことを特徴とする定着装置。
  5. 前記定着部材の表面形状は、400lpi以下の特定周波数成分を持たないことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記定着部材は、ベルト形状の定着ベルトであるか、又は、ローラ形状の定着ローラとされることを特徴とする請求項4又は5に記載の定着装置。
  7. 像担持体にトナー画像を形成し、前記トナー画像を記録材に転写し、前記記録材に形成されたトナー画像を前記記録材上に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、
    前記定着装置は、請求項4〜6のいずれかの項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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