JP5315925B2 - 有機圧電材料、有機圧電体膜の製造方法、それらを用いた超音波振動子及び超音波探触子 - Google Patents

有機圧電材料、有機圧電体膜の製造方法、それらを用いた超音波振動子及び超音波探触子 Download PDF

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Description

本発明は、含窒素複素環を部分構造として有する樹脂組成物を含有する有機圧電材料に関する。詳しくは、例えば、マイクロホン、スピーカー用の振動板等の音響機器、各種熱センサー、圧力センサー、赤外性検出器等の測定機器、超音波探蝕子、遺伝子やタンパク等の変異を高感度に検出する振動センサー等、熱や機械刺激を電気エネルギーに変換するために用いることができる圧電性を持つ有機圧電材料に関する。
圧電体としては、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbOなどの単結晶、ZnO、AlNなどの薄膜、Pb(Zr、Ti)O系などの焼結体を分極処理した、いわゆる無機圧電材料が広く利用されている。しかしながら、これら無機材質の圧電材料は弾性スティフネスが高く、機械的損失係数が高い、密度が高く誘電率も高いなどの特徴を持っている。
一方でポリフッ化ビニリデン(以下「PVDF」と略す。)、ポリシアノビニリデン(以下「PVDCN」と略す。)等の有機圧電材料も開発されている(例えば、特許文献1参照)。この有機圧電材料は薄膜化、大面積化等の加工性に優れ、任意の形状、形態の物を作ることができ、弾性率が低い、誘電率が低い等の特徴を持つため、センサーとしての使用を考えたときに、高感度な検出を可能とする特徴を持っている。一方で、有機圧電材料は耐熱性が低く、高い温度ではその圧電特性を失うほか、弾性スティフネスなどの物性も大きく減じるため使用できる温度域に限界があった。
このような限界に対して、温度特性に優れるポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリウレア樹脂等の検討が為されてきたが、圧電特性が十分でなく、更なる改良が求められていた(例えば、特許文献2〜4参照)。
一方、ポリウレア樹脂の部分構造にオリゴチオフェン構造を導入したポリウレア樹脂が報告されているが、圧電特性が十分に満足できるものではなく、更なる改善が求められている(特許文献5)。
特開平6−216422号公報 特開平2−284485号公報 特開平5−311399号公報 特開2002−265553号公報 Jpn.J.Appl.Phys.,43,589−861(2004)
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、圧電特性に優れ、熱や機械刺激を電気エネルギーに変換するために用いることができる圧電性を持ち、かつ温度変化においても優れた安定性を有する有機圧電材料及び当該有機圧電材料を用いた有機圧電体膜とその製造方法を提供することにある。更には、当該有機圧電材料を用いて形成された有機圧電体膜を用いた超音波振動子及び超音波探触子を提供することである。
本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
1.下記一般式(1)で表される部分構造を有する樹脂組成物であることを特徴とする有機圧電材料。
Figure 0005315925
(式中、L1及びL2は、各々独立に、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基又は単なる結合を表す。Rは置換基を表し、mは0〜2の整数を表す。mが2の場合は、複数のRは同じでも異なっても良い。pは1〜10の整数を表し、qは1〜5の整数を表す。L3は、−NHCSNH−、−NHCO2−、−NHCSO−、及び−NHCO−から選ばれる基を表す。アスタリスクは結合点を表す。)
2.前記樹脂組成物の重量平均分子量が、3000〜10万の範囲内であることを特徴とする前記1に記載の有機圧電材料。
3.前記一般式(1)に記載のL 1 及びL 2 が、各々独立に、メチレン基、エチレン基、フェニレン基又は単なる結合手であることを特徴とする前記1又は2に記載の有機圧電材料。
.前記一般式(1)に記載のL3が、−NHCSNH−であることを特徴とする前記1から3のいずれか一項に記載の有機圧電材料。
.前記1からのいずれか一項に記載の有機圧電材料を用いた有機圧電体膜の製造方法であって、当該有機圧電材料を基板上に塗布する工程を有することを特徴とする有機圧電体膜の製造方法。
.前記1からのいずれか一項に記載の有機圧電材料を用いたことを特徴とする超音波振動子。
.超音波送信用振動子と超音波受信用振動子を具備する超音波探触子であって、前記1からのいずれか一項に記載の有機圧電材料を用いた超音波振動子を超音波受信用振動子として具備したことを特徴とする超音波探触子。
本発明の上記手段により、優れた圧電性を有する有機圧電体膜を形成するための有機圧電材料と当該有機圧電材料を用いた有機圧電体膜の製造方法を提供することができる。また、当該有機圧電材料を用いて形成された有機圧電体膜を用いた超音波振動子及び超音波探触子を提供することができる。
即ち、本発明では、一般式(1)で表されるチオフェン構造と特定の結合を組み合わせることにより、圧電材料として圧電特性を著しく向上させた樹脂組成物を提供することができる。
なお、本発明の有機圧電材料とは、加えられた力を電圧に変換する、あるいは電圧を力に変換する機能を有する有機材料のことをいい、本発明の有機圧電材料を用いて、温度変化においても優れた安定性を有する有機圧電体膜を提供することができる。
本発明の有機圧電材料は、前記一般式(1)で表される部分構造を有する樹脂組成物であることを特徴とする。この特徴は、請求項1から6に係る発明に共通する技術的特徴である。なお、本願でいう「樹脂組成物」とは、当該樹脂を構成する分子量の異なる高分子化合物成分の集合体をいう。
本発明の実施態様としては、前記樹脂組成物の重量平均分子量が、3000〜10万の範囲内である態様であることが好ましい。また、前記一般式(1)に記載のLが、−NHCSNH−であることが好ましい。
本発明の有機圧電材料を用いた有機圧電体膜の製造方法としては、当該有機圧電材料を基板上に塗布する工程を有する態様の製造方法であることが好ましい。また、当該有機圧電材料は、有機圧電体膜として、超音波振動子、更には超音波探触子に好適に用いることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態・態様について詳細な説明をする。
(一般式(1)で表される部分構造を有する樹脂組成物)
本発明の本発明の有機圧電材料は、下記一般式(1)で表される部分構造を有する樹脂組成物であることを特徴とする。
Figure 0005315925
前記一般式(1)において、L1及びL2は、各々独立に、2価の連結基又は単なる結合を表す。2価の連結基として、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基が挙げられ、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基等が挙げられる。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等を挙げることができ、アラルキレン基としては、例えば、ベンジレン基、フェネチレン基等を挙げることができる。好ましくは、アルキレン基であり、更に好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
Rは、置換基を表す。置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリール基(フェニル基等)、シアノ基、ヒドロキシル基等を挙げることができる。好ましくは、アルキル基である。
mは、0〜2の整数を表し、好ましくは、mが0の場合である。mが2の場合は、複数のRは同じでも異なっても良い。
pは、1〜10の整数を表す。好ましくは、pが2〜5の場合である。
qは、1〜5の整数を表す。
は、−NHCSNH−、−NHCO−、−NHCSO−、及び−NHCO−から選ばれる基を表す。好ましくは、−NHCSNH−又は−NHCSO−であり、更に好ましくは、−NHCSNH−である。
は、如何なる手段を用いて形成されても良いが、チオフェン構造を有するモノマーを原料として用いて形成する方法が好ましい。チオフェン構造を有するモノマーは、公知の方法で合成することができ、例えば、J.Heterocycl.Chem.,33,173−178(1996)に記載の方法で合成することができる。
<−NHCSNH−の形成>
チオフェン構造を有するモノマーに対して、二硫化炭素又はチオホスゲンを反応させて高分子量化することにより、−NHCSNH−を形成させることができる。又、ポリイソチオシアナートとの反応により形成しても良く、チオフェン構造を有するモノマー末端のアミノ基に二硫化炭素又はチオホスゲンを反応させてチオイソシアナートとした後、更にポリアミン化合物と反応させて−NHCSNH−を形成しても良い。
ポリアミンは、分子内にアミノ基を2つ以上有する化合物であり、ジアミンが最も好ましい。ポリアミンとして、例えば、2,7−ジアミノ−9H−フルオレン、3,6−ジアミノアクリジン、アクリフラビン、アクリジンイエロー、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4−(フェニルジアゼニル)ベンゼン−1,3−ジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,3−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、1,8−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、m−キシリレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、6−クロロ−2,4−ジアミノピリミジン、2−クロロ−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
ポリイソチオシアナートは、分子内にイソチオシアナート基を2つ以上有する化合物であり、ジイソチオシアナートが最も好ましい。ポリイソチオシアナートは、前記のポリアミンに二硫化炭素又はチオホスゲンを反応させて得ることができる。
<−NHCSO−の形成>
チオフェン構造を有するモノマーに対して、末端のアミノ基をイソチオシアナートとし、ポリオールと反応させることにより形成することができる。ポリオールは、分子内に少なくとも2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、好ましくはジオールである。
また、分子内にエステル結合又はエーテル結合を有していても良い。ポリオールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチレンアジペート)等を挙げることができる。
<−NHCO−の形成>
チオフェン構造を有するモノマーに対して、末端のアミノ基をイソシアナートとし、ポリオールと反応させることにより形成することができる。ポリオールとして、例えば、前記記載のポリオールを挙げることができる。
<−NHCO−の形成>
オフェン構造を有するモノマーに対して、末端のアミノ基と、酸クロライドを反応させることにより得ることができる。原料として用いる酸クロライドは、2つ以上の酸クロライドを有する化合物が好ましく、ポリカルボン酸を原料として塩化チオニル、オキシ塩化リン、三塩化リン等を反応させて合成しても良い。2つ以上の酸クロライドを有する化合物として、例えば、塩化イソフタロイル、塩化テレフタロイル、トリメリイルクロライド、塩化スクシニル、塩化マロニル、グルタル酸クロライド、塩化スベロイル、塩化アゼラオイル、塩化アジポイル、塩化セバコイル等を挙げることができる。アスタリスクは結合点を表す。
前記一般式(1)で表される部分構造は、樹脂組成物を構成する高分子化合物の主鎖又は側鎖のいずれに導入されていても良いが、好ましくは主鎖に導入されている場合である。主鎖に導入されている樹脂組成物を構成する高分子化合物とは、鎖状化合物の炭素数が最大となる鎖中に、一般式(1)で表される部分構造が導入されている樹脂組成物を構成する高分子化合物のことである。
本発明に係る樹脂組成物の重量平均分子量は、圧電体膜の形成の観点から、3000〜10万の範囲内であることが好ましい。
以下に、前記一般式(1)で表される部分構造の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。
Figure 0005315925
Figure 0005315925
以下に、前記一般式(1)で表される部分構造を少なくとも1つ有する樹脂組成物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。
Figure 0005315925
Figure 0005315925
Figure 0005315925
Figure 0005315925
(樹脂組成物の合成例)
樹脂組成物A−21の合成
Figure 0005315925
ピメリン酸ジクロライド1.00gを15mlのN,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAc)に溶解させ、これをアイスバスにて冷却した。この溶液に1.97gのBAQ(J.Heterocycl.Chem.,33,173−178(1996)に記載の方法で合成)を窒素下で加え、攪拌を行った。その後、反応溶液を窒素下、室温にて3時間攪拌した。反応液を300mlのエタノールに投入し、沈殿物を濾別した。濾別した沈殿物を水、アセトンで洗浄した後、60℃で減圧乾燥を行い、目的とするA−21を得た。
樹脂組成物A−15の合成
Figure 0005315925
樹脂組成物A−34の合成
Figure 0005315925
BAQにチオホスゲンを反応させた中間体A2.00gを15mlのDMAcに溶解させ、これをアイスバスにて冷却した。この溶液に0.60gのヘキサメチレングリコール、ジラウリン酸ジブチル錫28.7mgを窒素下で加え、攪拌を行った。その後、反応溶液を窒素下、室温にて3時間攪拌した後、80℃で更に3時間攪拌を行った。反応液を500mlのメタノールに投入し、沈殿物を濾別した。濾別した沈殿物をメタノール、酢酸エチルで洗浄した後、60℃で減圧乾燥を行い、目的とするA−34を得た。
合成した樹脂組成物の重量平均分子量(M)及び分子量分布(Mw/Mn)は下記の要領で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出した。測定条件は以下の通りである。
溶媒 :30mMLiBr in N−メチルピロリドン
装置 :HLC−8220GPC(東ソー(株)製)
カラム :TSKgel SuperAWM−H×2本(東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
試料濃度 :1.0g/L
注入量 :40μl
流量 :0.5ml/min
校正曲線 :標準ポリスチレン:PS−1(Polymer Laboratories社製)Mw=580〜2,560,000までの9サンプルによる校正曲線を使用した。
(有機圧電材料)
本発明の有機圧電材料は、前記一般式(1)で表される部分構造を少なくとも1つ有する樹脂を含有する樹脂組成物を用いて膜を形成することにより、或いは、樹脂組成物の膜に対して更に分極処理を施すことにより、有機圧電体膜を形成することができる。
有機圧電体膜は、当該圧電体膜に応力が加わるとそれに対応して当該圧電体膜の両端面に反対符号の電荷が現れる、即ち電気分極という現象を生じ、逆に当該圧電材料を伝場に入れる(電界を加える)ことで、それに対応した歪みを生じるという性質(圧電性能)を有する。特に本発明の有機圧電材料よりなる有機圧電体膜にあっては、高分子の主鎖や側鎖の双極子モーメントの配向凍結による分極により大きな圧電効果が生じる。
(有機圧電体膜の形成・製造方法)
有機圧電体膜の形成は、蒸着重合法を行うことにより、基板上に膜を形成してもよいが、塗布またはプレスによって膜を形成する方法が好ましい。特に、本発明の有機圧電材料を基板上に塗布する工程を有する態様の形成(製造)方法が好ましい。
塗布方法として、例えば、スピンコート法、ソルベントキャスト法、メルトキャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、バーコート法、ホットプレス法等が挙げられる。また、ソルベントキャスト法により成膜した後、乾燥後、ホットプレスで成型する等、前記の膜形成法を組み合わせてもよい。
成膜後の膜の冷却は膜を常温で冷却してもよく、急冷してもよいが、好ましくは急冷である。急冷の方法は如何なる手段を用いてもよく、氷水や液体窒素中に成型した膜を浸すことによって冷却してもよい。
蒸着重合法は、通常、1.33×10−2〜1.33×10−3Pa程度の圧力下で二つの蒸発源からそれぞれ二種類のモノマーを蒸発させて被蒸着面上で重合反応を起こさせ、被蒸着面上に重合体薄膜を形成する方法である。蒸着重合法では、上記圧力下で被蒸着面上に到達したモノマー同士をそれぞれのモノマーに固有の蒸気圧によって定まる一定の滞留時間内に反応させる必要がある。この滞留時間は一般的に非常に短いため、それぞれのモノマーは反応性が極めて高いことが望まれる。
蒸着重合法によって2種類のモノマーを重付加してポリウレア樹脂組成物を形成する際には、蒸着装置本体のチャンバー内側上部に、被蒸着面を下側に向けて被蒸着基板がセットされる。チャンバー内側下部にはタングステンボードなどの容器が2つあり、それぞれの容器の底部には抵抗加熱器などの加熱手段が付設され、2つの容器にそれぞれ収容された蒸着源を加熱できるようになっている。
蒸着重合法の具体的方法、条件については、特開平7−258370号公報、特開平5−311399号公報、及び特開2006−49418号公報に開示されている方法等が参考となる。
また、本発明においては、形成された膜に後述する分極処理を行う方法が好ましい。分極処理を行う場合の温度は、−50〜250℃であることが好ましく、より好ましくは−50〜200℃である。前述の温度範囲で温度変化させる方法も好ましい。
(分極処理)
本発明に係る分極処理における分極処理方法としては、コロナ放電や膜に電極を設けて電圧を直接印加する方法等、従来公知の種々の方法が適用され得る。例えば、コロナ放電処理法による場合には、コロナ放電処理は市販の高電圧電源と電極からなる装置を使用して処理することができる。
放電条件は、機器や処理環境により異なるので適宜条件を選択することが好ましいが、高電圧電源の電圧としては−1〜−20kV、電流としては1〜80mA、電極間距離としては、1〜10cmが好ましく、印加電圧は、0.5〜2.0MV/mであることが好ましい。
電極としては、従来から用いられている針状電極、線状電極(ワイヤー電極)、網状電極が好ましいが、本発明ではこれらに限定されるものではない。また、コロナ放電中に加熱を行うので、本発明により作製した基板が接触している電極の下部に絶縁体を介して、ヒーターを設置する必要がある。
なお、本発明において、前記原料溶液の溶媒が残留している状態で分極処理としてコロナ放電処理をする場合には、引火爆発などの危険性を避けるために溶媒の揮発成分が除去されるように、十分換気しながら行うことが安全上必要である。
(基板)
基板としては、本発明に係る有機圧電体膜の用途、使用方法等により基板の選択は異なる。ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマーのようなプラスチック板またはフィルムでもよいし、これらの素材の表面をアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素等で覆ったものでもよい。また、アルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素単体、希土類のハロゲン化物の単結晶の板またはフィルムでも構わない。
更に複層圧電素子の上に形成してもよい。圧電素子を積相する複層の使用方法においては、セラミック圧電素子の上に本発明の有機圧電体膜を電極を介して、重畳層する方法がある。セラミック圧電素子としてはPZTが使用されているが、近年は鉛を含まないものが推奨されている。PZTは、Pb(Zr1−nTi)O(0.47≦n≦1)の式の範囲以内であることが好ましく、脱鉛としては、天然または人工の水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、ニオブサンタンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O]、チタン酸バリウム(BaTiO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)等である。各種セラミック材料は、その使用性能において組成を適宜選択することができる。
(超音波振動子)
本発明に係る超音波振動子は、本発明の有機圧電材料を用いて形成した有機圧電体膜を用いたことを特徴とする。当該超音波振動子は、超音波送信用振動子と超音波送信用振動子を具備する超音波医用画像診断装置用探触子(プローブ)に用いられる超音波受信用振動子とすることが好ましい。
なお、一般に超音波振動子は膜状の圧電材料からなる層(または膜)(「圧電膜」、「圧電体膜」、または「圧電体層」ともいう。)を挟んで一対の電極を配設して構成され、複数の振動子を、例えば、1次元配列して超音波探触子が構成される。
そして、複数の振動子が配列された長軸方向の所定数の振動子を口径として設定し、その口径に属する複数の振動子を駆動して被検体内の計測部位に超音波ビームを収束させて照射すると共に、その口径に属する複数の振動子により被検体から発する超音波の反射エコー等を受信して電気信号に変換する機能を有している。
以下、本発明に係る超音波受信用振動子と超音波送信用振動子それぞれについて詳細に説明する。
〈超音波受信用振動子〉
本発明に係る超音波受信用振動子は、超音波医用画像診断装置用探触子に用いられる振動子であって、それを構成する圧電材料として、本発明の有機圧電材料を用いて形成した有機圧電体膜を用いたことを特徴とする。
なお、超音波受信用振動子に用いる有機圧電材料ないし有機圧電体膜は、厚み共振周波数における比誘電率が10〜50であることが好ましい。比誘電率の調整は、当該有機圧電材料を構成する化合物が有する前記置換基Rの数量、組成、重合度等の調整、及び上記の分極処理によって行うことができる。
〈超音波送信用振動子〉
本発明に係る超音波送信用振動子は、上記受信用振動子との関係で適切な比誘電率を有する圧電体材料により構成されることが好ましい。また、耐熱性、耐電圧性に優れた圧電材料を用いることが好ましい。
超音波送信用振動子構成用材料としては、公知の種々の有機圧電材料及び無機圧電材料を用いることができる。
有機圧電材料としては、上記超音波受信用振動子構成用有機圧電材料と同様の高分子材料を用いることできる。
無機圧電材料としては、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O]、チタン酸バリウム(BaTiO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、またはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)等を用いることができる。なお、PZTはPb(Zr1−nTi)O(0.47≦n≦1)が好ましい。
〈電極〉
本発明に係る圧電(体)振動子は、圧電体膜(層)の両面上または片面上に電極を形成し、その圧電体膜を分極処理することによって作製されるものである。当該電極は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)などを主体とした電極材料を用いて形成する。
電極の形成に際しては、まずチタン(Ti)やクロム(Cr)などの下地金属をスパッタ法により0.02〜1.0μmの厚さに形成した後、上記金属元素を主体とする金属及びそれらの合金からなる金属材料、更には必要に応じ一部絶縁材料をスパッタ法、その他の適当な方法で1〜10μmの厚さに形成する。これらの電極形成は、スパッタ法以外でも微粉末の金属粉末と低融点ガラスを混合した導電ペーストをスクリーン印刷やディッピング法、溶射法で形成することもできる。
更に圧電体膜の両面に形成した電極間に所定の電圧を供給し、圧電体膜を分極することで圧電素子が得られる。
(超音波探触子)
本発明の超音波探触子は、超音波送信用振動子と超音波受信用振動子を具備する超音波画像診断装置用探触子(プローブ)であり、受信用振動子として、本発明に係る上記超音波受信用振動子を用いることを特徴とする。
本発明においては、超音波の送受信の両方をひとつの振動子で担ってもよいが、より好ましくは、送信用と受信用で振動子は分けて探触子内に構成される。
送信用振動子を構成する圧電材料としては、従来公知のセラミックス無機圧電材料でも、有機圧電材料でもよい。
本発明の超音波探触子においては、送信用振動子の上もしくは並列に本発明超音波受信用振動子を配置することができる。
より好ましい実施形態としては、超音波送信用振動子の上に本発明に係る超音波受信用振動子を積層する構造が良く、その際には、本発明の超音波受信用振動子は他の高分子材料(支持体として上記の比誘電率が比較的低い高分子(樹脂)フィルム、例えば、ポリエステルフィルム)の上に添合した形で送信用振動子の上に積層してもよい。その際の受信用振動子と他の高分子材料と合わせた膜厚は、探触子の設計上好ましい受信周波数帯域に合わせることが好ましい。実用的な超音波医用画像診断装置及び生体情報収集に現実的な周波数帯から鑑みると、その膜厚は、40〜150μmであることが好ましい。
なお、当該探触子にはバッキング層、音響整合層、音響レンズなどを設けてもよい。また、多数の圧電材料を有する振動子を2次元に並べた探触子とすることもできる。複数の2次元配列した探触子を順次走査して、画像化するスキャナーとして構成させることもできる。
(超音波医用画像診断装置)
本発明に係る上記超音波探触子は、種々の態様の超音波診断装置に用いることができる。例えば、図1に示すような超音波医用画像診断装置において好適に使用することができる。
図1は、本発明の実施形態の超音波医用画像診断装置の主要部の構成を示す概念図である。この超音波医用画像診断装置は、患者などの被検体に対して超音波を送信し、被検体で反射した超音波をエコー信号として受信する圧電体振動子が配列されている超音波探触子(プローブ)を備えている。また、当該超音波探触子に電気信号を供給して超音波を発生させるとともに、当該超音波探触子の各圧電体振動子が受信したエコー信号を受信する送受信回路と、送受信回路の送受信制御を行う送受信制御回路とを備えている。
更に、送受信回路が受信したエコー信号を被検体の超音波画像データに変換する画像データ変換回路を備えている。また、当該画像データ変換回路によって変換された超音波画像データでモニタを制御して表示する表示制御回路と、超音波医用画像診断装置全体の制御を行う制御回路とを備えている。
制御回路には、送受信制御回路、画像データ変換回路、表示制御回路が接続されており、制御回路はこれら各部の動作を制御している。そして、超音波探触子の各圧電体振動子に電気信号を印加して被検体に対して超音波を送信し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波探触子で受信する。
上記のような超音波診断装置によれば、本発明に係る圧電特性及び耐熱性に優れ、且つ高周波、広帯域に適した超音波受信用振動子の特徴を生かして、従来技術と比較して画質とその再現安定性が向上した超音波像を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
(有機圧電体膜1の作製)
あらかじめ表面にアルミ蒸着済みの25μmのポリイミドフィルムに、1%の重合度500のポリビニルアルコールのメタノール溶液を乾燥膜圧が0.1μmに成るように塗布乾燥を行った基盤を真空処理室内に取り付け、蒸発用容器の一方に化合物1と、他方に1,3−イソチオシアナートプロパンを夫々充填し、シャッターを閉じた状態で処理室内の全圧を真空排気系で1.33×10−1Pa(1×10−3Torr)に設定した。1,3−イソチオシアナートプロパンを温度75±2℃に、また、化合物1を温度225±2℃に加熱し、ポリイミド基板上に蒸着重合を行い、10μmまで蒸着を行った。このようにしてポリウレア膜の形成された基板を取り出し、高圧電源装置HARB−20R60(松定プレシジョン(株)製)と針状電極を用いて0.2MV/mになるように電圧を加えながら、180℃まで5℃毎分の割合で昇温し、180℃で15分間保持したあとで電圧は印下したままで室温まで徐冷し、ポーリング処理を施し、有機圧電体膜1を作製した。
Figure 0005315925
(有機圧電体膜2〜8の作製)
表1に記載の樹脂組成物を、予め表面にアルミ蒸着済みの25μmのポリイミドフィルムに、1%の重合度500のポリビニルアルコールのメタノール溶液を乾燥膜圧が0.1μmになるように塗布乾燥を行った基盤上に、乾燥膜圧が10μmになるように塗布乾燥を行った。
次に、このようにして樹脂組成物の膜が形成された基板の表面にアルミ電極を蒸着で取り付けた後で、高圧電源装置HARB−20R60(松定プレシジョン(株)製)を用いて、100MV/mの電場を印加した状態で、180℃まで5℃/minの割合で上昇し、180℃で15分間保持した後で電圧は印加したままで室温まで徐冷し、ポーリング処理を施し、有機圧電体膜1を作製した。なお、当該有機圧電体膜は電極を具備しているので超音波振動子として使用可能のものである。
比較例
(比較有機圧電体膜1の作製)
あらかじめ表面にアルミ蒸着済みの25μmのポリイミドフィルムに、1%の重合度500のポリビニルアルコールのメタノール溶液を乾燥膜圧が0.1μmに成るように塗布乾燥を行った基盤を真空処理室内に取り付け、蒸発用容器の一方に化合物1と、他方に4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを夫々充填し、シャッターを閉じた状態で処理室内の全圧を真空排気系で1.33×10−1Pa(1×10−3Torr)に設定した。4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを温度70±2℃に、また、化合物1を温度225±2℃に加熱し、ポリイミド基板上に蒸着重合を行い、10μmまで蒸着を行った。このようにしてポリウレア膜の形成された基板を取り出し、高圧電源装置HARB−20R60(松定プレシジョン(株)製)と針状電極を用いて0.2MV/mになるように電圧を加えながら、180℃まで5℃毎分の割合で昇温し、180℃で15分間保持したあとで電圧は印下したままで室温まで徐冷し、ポーリング処理を施し、比較有機圧電体膜1を作製した。
(有機圧電体膜2の作製)
比較樹脂組成物を、予め表面にアルミ蒸着済みの25μmのポリイミドフィルムに、1%の重合度500のポリビニルアルコールのメタノール溶液を乾燥膜圧が0.1μmになるように塗布乾燥を行った基盤上に、乾燥膜圧が10μmになるように塗布乾燥を行った。
Figure 0005315925
次に、このようにして樹脂組成物の膜が形成された基板の表面にアルミ電極を蒸着で取り付けた後で、高圧電源装置HARB−20R60(松定プレシジョン(株)製)を用いて、100MV/mの電場を印加した状態で、180℃まで5℃/minの割合で上昇し、180℃で15分間保持した後で電圧は印加したままで室温まで徐冷し、ポーリング処理を施し、有機圧電体膜2を作製した。なお、当該有機圧電体膜は電極を具備しているので超音波振動子として使用可能のものである。
(評価)
得られた上記各種有機圧電体膜を超音波振動子として、共振法にて圧電性の評価を室温と、100℃まで加熱した状態で行った。なお、圧電特性は、比較有機圧電体膜の室温で測定した時の値を100%とした相対値として表1に示す。
Figure 0005315925
表1に示した結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物より形成された有機圧電体膜の圧電特性及び温度変化による安定性は、比較例に比べ優れていることが分かる。
実施例2
(超音波探触子の作製と評価)
〈送信用振動子を構成する圧電材料の作製〉
成分原料であるCaCO、La、BiとTiO、及び副成分原料であるMnOを準備し、成分原料については、成分の最終組成が(Ca0.97La0.03)Bi4.01Ti15となるように秤量した。次に、純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行い、混合粉体を得た。得られた混合粉体を仮成形し、空気中800℃で2時間仮焼を行い、仮焼物を作製した。次に、得られた仮焼物に純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を作製した。
微粉砕においては、微粉砕を行う時間及び粉砕条件を変えることにより、それぞれ粒子径100nmの圧電セラミックス原料粉末を得た。それぞれ粒子径の異なる各圧電セラミックス原料粉末にバインダーとして純水を6質量%添加し、プレス成形して、厚み100μmの板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成形した。次に上記の成形体を焼成した。最終焼結体の厚さは20μmの焼結体を得た。なお、焼成温度はそれぞれ1100℃であった。1.5×Ec(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を施した。
〈受信用積層振動子の作製〉
前記実施例1において作製した有機圧電体膜1と厚さ50μmのポリエステルフィルムを、エポキシ系接着剤にて貼り合わせた積層振動子を作製した。その後、上記と同様に分極処理をした。
次に、常法に従って、上記の送信用圧電材料の上に受信用積層振動子を積層し、且つバッキング層と音響整合層とを設置し、超音波探触子を試作した。
なお、比較例として、有機圧電体膜1の代わりに、比較有機圧電体膜を用いた受信用積層振動子を上記受信用積層振動子に積層した以外、上記超音波探触子と同様の超音波探触子を作製した。
次いで、上記2種の超音波探触子について、受信感度と絶縁破壊強度の測定をして評価した。
なお、受信感度については、5MHzの基本周波数fを発信させ、受信2次高調波fとして10MHz、3次高調波として15MHz、4次高調波として20MHzの受信相対感度を求めた。受信相対感度は、ソノーラメディカルシステム社(Sonora Medical System,Inc:2021Miller Drive Longmont,Colorado(0501 USA))の音響強度測定システムModel805(1〜50MHz)を使用した。
絶縁破壊強度の測定は負荷電力Pを5倍にして10時間試験した後、負荷電力を基準に戻して、相対受信感度を評価した。感度の低下が負荷試験前の1%以内のときを良、1%を超え10%未満を可、10%以上を不良として評価した。
上記評価において、本発明に係る受信用積層振動子を具備した超音波探触子は、比較例に対して約1.3倍の相対受信感度を有しており、且つ絶縁破壊強度は良好であることを確認した。即ち、本発明の超音波受信用振動子は、図1に示したような超音波医用画像診断装置に用いる探触子にも好適に使用できることが確認された。
超音波医用画像診断装置の主要部の構成を示す概念図
符号の説明
P1 受信用圧電材料(膜)
P2 支持体
P3 送信用圧電材料(膜)
P4 バッキング層
P5 電極
P6 音響レンズ

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される部分構造を有する樹脂組成物であることを特徴とする有機圧電材料。
    Figure 0005315925
    (式中、L1及びL2は、各々独立に、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基又は単なる結合を表す。Rは置換基を表し、mは0〜2の整数を表す。mが2の場合は、複数のRは同じでも異なっても良い。pは1〜10の整数を表し、qは1〜5の整数を表す。L3は、−NHCSNH−、−NHCO2−、−NHCSO−、及び−NHCO−から選ばれる基を表す。アスタリスクは結合点を表す。)
  2. 前記樹脂組成物の重量平均分子量が、3000〜10万の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の有機圧電材料。
  3. 前記一般式(1)に記載のL 1 及びL 2 が、各々独立に、メチレン基、エチレン基、フェニレン基又は単なる結合手であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機圧電材料。
  4. 前記一般式(1)に記載のL3が、−NHCSNH−であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の有機圧電材料。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の有機圧電材料を用いた有機圧電体膜の製造方法であって、当該有機圧電材料を基板上に塗布する工程を有することを特徴とする有機圧電体膜の製造方法。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の有機圧電材料を用いたことを特徴とする超音波振動子。
  7. 超音波送信用振動子と超音波受信用振動子を具備する超音波探触子であって、請求項1からのいずれか一項に記載の有機圧電材料を用いた超音波振動子を超音波受信用振動子として具備したことを特徴とする超音波探触子。
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