JP5315610B2 - 二フッ化カルボニルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二フッ化カルボニルの製造方法に関するものである。
二フッ化カルボニルは、有機フッ素化合物の原料、半導体製造時のクリーニングガスなどの用途があり、有用な物質である。
二フッ化カルボニルの製造方法は、一酸化炭素を原料とする製造方法として、一酸化炭素の電解フッ素化による方法(特許文献1)、一酸化炭素をフッ素ガスにより直接フッ素化する方法(非特許文献1)が知られており、ホスゲンを原料とする製造方法としては、溶媒存在下ホスゲンをフッ化水素によりフッ素化する方法或いは溶媒及びトリエチルアミン存在下フッ化水素によりホスゲンをフッ素化する方法(特許文献2)、溶媒中でフッ化ナトリウムによりフッ素化する方法(特許文献3)、ホスゲンを気相にて活性炭触媒でフッ化水素によりフッ素化する方法(特許文献4)が知られている。その他、テトラフルオロエチレン(TFE)と酸素を反応させる方法(特許文献5)が知られている。
しかし、一酸化炭素を原料とした製造方法である電解フッ素化や直接フッ素化は、高価な電解槽が必要であったり、大きな反応熱を制御するため設備が大きくなるなど、工業的には適さない方法である。また、一酸化炭素の電解フッ素化ではCFやCFOFが副生し、一酸化炭素の直接フッ素化では、CFOFなどの過酸化物が副生し、二フッ化カルボニルの選択率も高くない。また、ホスゲンを原料とした製造方法では、溶媒存在下フッ化水素でホスゲンをフッ素化する方法や、ホスゲンを活性炭触媒でフッ化水素によりフッ素化する方法は、生成した二フッ化カルボニルと塩化水素との沸点差が約1℃と小さくその分離が困難である。溶媒及びトリエチルアミン存在下フッ化水素によるホスゲンのフッ素化或いは溶媒存在下フッ化ナトリウムでホスゲンをフッ素化する方法は、塩化水素が生成せず二フッ化カルボニルが得られるが、トリエチルアミンの塩酸塩、塩化ナトリウムが、大量に生成するためその廃棄若しくは再利用が必要となる。
また、TFEを酸素で酸化する反応は、非常に大きな反応熱が発生するため爆発の危険を伴う。
さらに、上記の製造方法で用いられる一酸化炭素、ホスゲン、TFEは毒性や化合物の安定性などから一般的には大量に入手する事は困難であり、取り扱いも慎重さが要求される。
一方、容易に入手できる原料としてはクロロジフルオロメタン(HCFC22)、トリフルオロメタン(HFC23)がある。これらを原料とする製造方法としては、HCFC22などモノハロジフルオロメタンと酸素を反応させる方法(特許文献6)、HCFC22とオゾンを反応させる方法(非特許文献2)が知られている。また、製造方法ではないが、HFC23と電子的に励起された酸素原子であるO(D)との反応により二フッ化カルボニルが生成することが知られている。(非特許文献3)
しかし、特許文献6では、二フッ化カルボニルの生成が確認されたのみで、定量はされていない。また、副生成物に関する記述も無い。非特許文献2では、二フッ化カルボニル以外にHClやClに加え、不明の副生成物が得られている。ここで得られるHClは二フッ化カルボニルと沸点が近いためその分離が困難である。一方、HFC23はHCFC22と同じようにトリハロゲン化されたメタンであり、塩素を含まないため副生成物にHClが生成することは無いが、その反応性はHCFC22に比べて極めて異なるものである事が知られている。例えば、IPCCが示した大気寿命(O以上に強い酸化剤であるOHラジカルとの反応速度から算出した値)(非特許文献4)は、HCFC22が11.9年、HFC23が260年、ほかのトリハロゲン化メタンでは、CHBrFが7年とHFC23が他のトリハロゲン化メタンに比べ突出して反応し難い化合物であることが知られている。従って、特許文献6や非特許文献2と同様の方法でHFC23から二フッ化カルボニルが生成することを予測する事は不可能である。また、非特許文献3の方法は、高度に励起された酸素原子との反応であり、本発明とは基本的に異なる反応である。加えて、非特許文献3の方法は工業的にも実用化が困難である上、特許文献6同様に、定量はされてない。更に非特許文献3によると、レーザーによりCOが励起され、生成するのはO(D)の他O(P)が生成し、O(P)はHFC23との反応には関与しない。O(D)はHFC23と反応し二フッ化カルボニルを生成するほか、生成した二フッ化カルボニルとの衝突により失活しO(P)に変換されることが知られており(非特許文献5)、効率の良い反応とは言えない。また、O(D)は二フッ化カルボニルと反応して一部COとFに分解することが知られているが(非特許文献5)、二フッ化カルボニルとOでは、FはOより酸化力が強いため二フッ化カルボニルがCOとFに分解する事は無い。
この様に、二フッ化カルボニルの製造方法は多く報告されており、フッ素化されたメタン化合物を原料にした方法も報告されているが、容易な方法で且つ収率の高い反応は未だ見出されていない。
特公昭45−26611 特開昭54−158396 US3088975 US2836622 US3639429 EP0310255 J. Am. Chem. Soc., Vol.91,(1969) 4432-4436 Chemical Abstracts Vol.93,No.13,(1980)621 Abstracts No.132037x Chemistry Letters (1992)1309-1312 Climate Change 2001:The Scientific Basis Chemical Physics Letters Vol.69,(1983)129-132 Zeitschrift fur Anorganische und Allgemeine Chemie Vol.242, (1939) 272-276
本発明は含フッ素有機化合物の原料として、或いは半導体製造時のクリーニングガスとして有用な二フッ化カルボニルの経済的に有利な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、トリフルオロメタンと酸素(酸素ガスまたは空気や酸素富化空気などの酸素含有ガス)を加熱下で反応させる事により、収率良く二フッ化カルボニルが得られる事を見出した。さらに耐食性の反応器を用いる事により副生するCOの生成量を極端に抑制できる事も見出した。
本発明は、下記の方法を提供するものである:
1. トリフルオロメタンと酸素ガスもしくは酸素含有ガスとを加熱下で反応させることを特徴とする、二フッ化カルボニルの製造方法。
2. 反応温度が100℃から1500℃である項1に記載の方法。
3. 酸素含有ガスが空気または酸素濃度が空気よりも高い酸素富化ガスである項1または2に記載の方法。
4. トリフルオロメタンと酸素ガスもしくは酸素含有ガスを耐食性の反応器内で反応させることにより副生するCOの生成を抑制することを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 触媒存在下で反応させることを特徴とする項1〜4のいずれかに記載の方法。
6. トリフルオロメタンと酸素ガスもしくは酸素含有ガスとを反応器で加熱下に反応させて二フッ化カルボニルを製造する方法において、下記の工程を有することを特徴とする方法:
(i) 反応器からの粗生成ガスを、必要に応じて圧縮機で昇圧し、昇圧されたガスを冷却器で冷却し、酸素に富むガスとそれ以外の成分の液体に分離し、酸素に富むガスを反応器にリサイクルする工程。
(ii) 工程(i)で酸素と分離された液体を蒸留塔で蒸留し、高純度の二フッ化カルボニルを分離回収し濃縮されたトリフルオロメタンは反応器にリサイクルする工程。
7. トリフルオロメタンと酸素ガスもしくは酸素含有ガスとを反応器で加熱下に反応させて二フッ化カルボニルを製造する方法において、下記の工程を有することを特徴とする方法:
(i) 反応器からの粗生成ガスを、必要に応じて圧縮機で昇圧し、昇圧されたガスを冷却器で冷却し、HFを液化して除去する工程。
(ii) 工程(i)で液化しなかったガスは、必要に応じて圧縮機で更に昇圧された後冷却器で冷却され、酸素に富むガスとそれ以外の液体に分離し、前者を反応器にリサイクルする工程。
(iii) 工程(ii)で分離された液体を蒸留塔で蒸留し、高純度の二フッ化カルボニルを分離回収し濃縮されたトリフルオロメタンは反応器にリサイクルする工程。
本発明によれば効率よく二フッ化カルボニルを製造することができる。さらに、原料として用いられるHFC23は温暖化ガスであるが、冷媒やTFEの原料として製造されるHCFC22の副生成物として得られるもので、一部はエッチングガスとして利用されるが、その大半は焼却されている。このHFC23を有効利用することは、経済的にも、地球環境的にも意義深いことである。
本発明のCOF2製造プロセスの一例を示す。 本発明のCOF2製造プロセスの一例を示す。
本発明の反応を、化学反応式として以下に示す:
2CHF + O → 2COF + 2HF
本反応の実施方法について特に制限は無いが、通常の気相反応と同様の形態をとる事ができる。即ち、加熱した反応管に連続的或いは間欠的にトリフルオロメタン(以下、「HFC23」と略すことがある)と酸素ガスまたは酸素含有ガスを供給し、連続的或いは間欠的に粗生成物を得る方法である。粗生成物は主生成物である二フッ化カルボニルとHFの他に、副生成物であるCOが含まれる場合が多いが、反応条件によっては、未反応のHFC23や酸素が多く含まれたり、COがほとんど含まれない場合や、その他の微量の副生成物が含まれる場合もある。
粗生成物中の二フッ化カルボニル以外の化合物は、必要であれば蒸留等で分離が可能である。分離された二フッ化カルボニル以外の化合物、例えば未反応のHFC23や酸素(さらに二フッ化カルボニルが含まれていてもよい)は再び反応系にリサイクルできる。従って、二フッ化カルボニルからこれらを分離する際は、これらに二フッ化カルボニルが多く含まれていても問題ない。また、HFや酸素のように二フッ化カルボニルと沸点差が大きいものは、蒸留等で分離しなくとも、粗生成物を圧縮或いは冷却或いはその両方を行う事により、例えばHFを選択的に液化したり、酸素より高沸点の化合物を選択的に液化したりして分離する事もできる。
酸素として空気や酸素が富化された空気を使用した場合、空気または酸素富化空気は、酸素と同様に分離・回収、リサイクル等を行うことができる。
HFC23と酸素(酸素ガスまたは酸素含有ガス)の反応条件としては、反応温度は、高いほうが反応が速く効率が良いが、高すぎると副生成物であるCOが増えるため好ましくはない。具体的には約100℃から約1500℃程度、好ましくは約300℃から約1000℃程度、より好ましくは約350℃から約700℃程度が良く、反応温度が低すぎると反応速度が極端に遅くなるため反応時間が長時間になり、効率的ではない。また、反応温度が高すぎると、副生成物が増加する他、腐食等により反応器の寿命が短くなるためやはり効率的ではなくなる。
反応時間は、反応温度にも依るが、約0.1秒から約10時間、好ましくは約0.5秒から約1時間、より好ましくは約1秒から約30分である。反応時間は長いほど反応は進行するが、極端に長いと必要以上に加熱する事になり非効率である。また、短すぎると反応が十分に進行しないため、生成した二フッ化カルボニルの分離が困難になるなど、やはり効率が悪い。
HFC23と酸素(O)の比率は、任意に選択できるが、HFC23が1モルに対して酸素が約0.01から約200モル程度、好ましくは約0.1から約100モル程度、より好ましくは約0.5モルから約50モル程度が良い。理論的にはHFC23が1モルに対して酸素は0.5モル反応するが、酸素はそれ以下でも反応に問題はない。ただし少なすぎると生成する二フッ化カルボニルが少なくなり、効率が悪くなる。また、酸素を過剰にする事は、反応をより促進し生成する二フッ化カルボニルが増えるため効率が良く、かつ未反応の酸素は再び反応系に戻す事によりリサイクルする事ができるが、多すぎるとリサイクル量が増え、設備が大きくなるため経済的ではない。
酸素含有ガスとしては、空気や酸素富化膜等で酸素濃度を上げた空気を用いる事もできる。酸素含有ガス中の酸素濃度は、反応が進行する限り特に制限はないが、例えば10%v/v程度以上、100%v/v未満、好ましくは、20%v/v程度以上、100%v/v未満である。空気より酸素濃度が低くても問題はない。
これらの空気は、反応前に圧縮や冷却等の方法や吸着剤により水分やCOを除去する事が望ましい。これらの空気を使用する場合のHFC23に対する酸素の比率も上記と同様である。
反応圧力は、大気圧未満、大気圧以上から任意に選択できるが、高いほうが効率が良く、また後の分離にも都合が良い。具体的には、ゲージ圧にして−0.09MPaGから20MPaGが良く、プロセスの簡便さからいくと大気圧以上20MPaG以下が好ましく、反応器等機器類の耐圧を考えると、大気圧以上10MPaG以下がより好ましい。
反応器の反応ガスと接する部分の材質は重要である。高温で酸素やHFに耐え得る材質であれば、あらゆる金属や無機物が選択できるため、鉄や銅或いはそれらを多く含む合金なども選択できるが、これらは高温の酸素雰囲気下では、生成した二フッ化カルボニルと反応しCOやCOが生成してしまうため、二フッ化カルボニルの収率を低下させる原因となる。そのため、好ましくはSUS316などのステンレス鋼、HASTELLOY CなどのNi-Cr-Mo合金、INCONEL600などのNi-Cr合金、HASTELLOY BなどのNi-Mo合金、MONEL400などのNi-Cu合金といったニッケル合金や純ニッケルなど耐食性の材質が選択される。さらにステンレス鋼でも一部二フッ化カルボニルの分解の原因となるため、さらに好ましくはNi-Cr合金、Ni-Mo合金、Ni-Cr-Mo合金、Ni-Cu合金などのニッケル合金、ニッケル等の高耐食性の材質が選択される。或いは、上記合金以外にも、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウムなど安定な金属フッ化物で反応器をコーティングすることにより、高温の酸素雰囲気に耐え得る材質であれば、鉄やステンレスなども使用できる。
本願は、トリフルオロメタンと酸素との反応を加熱下で行う事を特徴としているが、二フッ化カルボニルは加熱下ニッケル或いは白金触媒により一部COとCFに分解する事が知られている(非特許文献6)。しかし、本発明では、酸素共存下であるためか、ニッケル系の反応器やニッケルビーズを充填しているにもかかわらず、反応により生成した二フッ化カルボニルが更に分解してCFが生成することは無かった。
気相反応で一般に用いられる様に、本発明でも触媒を用いる事ができる。或いは、単に熱の媒体として、ペレットやビーズを反応器に入れる事ができる。これらの材質は二フッ化カルボニルの分解の原因となるようなものは避け、フッ化ナトリウムのペレットやニッケルのビーズなどを選択する事ができる。
触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀が用いられる他、アルミ、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、銀、カドミウム、錫、ハフニウム、レニウム、タリウム、鉛、ビスマスなどのフッ化物が用いられる。これらのフッ化物は、調製時はフッ化物である必要は無く、塩化物、臭化物、酸化物等でも良く、例えば、CoCl、MnBr、MgCl、CuClなどはメタノールへの溶解度が高いため担体への担持が容易となる。調製された触媒は、COFやHF等と反応前或いは反応中に接触させる事によりフッ素化することができる。また、白金族の触媒は、やはり金属ハロゲン化物を担持した後、水素等により還元して用いる事ができる。触媒を担持させる担体としてはNaF、KFなどのアルカリ金属フッ化物、MgF、CaF、BaFなどのアルカリ土類金属フッ化物を選択する事ができる。
本発明の反応は、例えば図1,図2に示す製造プロセスにより実施することができる。
図1に示されるプロセスは、以下のように実施することができる。
(1)反応器を出た粗生成ガスは、必要に応じて圧縮機Iで昇圧される。粗生成ガスの圧力が十分高い場合には、圧縮は必要ない。
(2)必要に応じて昇圧されたガスは、冷却器Iで冷却され、酸素より沸点の高いガスは液化し受器Iに貯められる。受器Iに溜まった液は気相部または液相部からガスまたは液で蒸留工程に送られる。または、受器Iを冷却しHFと二フッ化カルボニルが分液すれば二フッ化カルボニルに富んだ相のみを次の工程に送る事もできる。
(3)冷却器Iで液化しなかったガスは、酸素を多く含むガスであるため圧力調整弁等で適切な圧力に調節された後、反応器にリサイクルされる。
(4)受器Iに溜まった液は、そのまま蒸留工程に移され高純度の二フッ化カルボニル、HFC23と二フッ化カルボニルの混合物、濃縮されたHFに分離される。このうちHFC23と二フッ化カルボニルの混合物は再び反応器に戻される。この時、蒸留工程に送られる物質の組成や蒸留の条件にも依るが、塔頂から高純度の二フッ化カルボニルが得られ塔中段からHFC23と二フッ化カルボニルの混合物が得られる。
図2に示されるプロセスは、以下のように実施することができる。
(1)反応器を出た粗生成ガスは必要に応じて圧縮機で昇圧され冷却器1で冷却され、沸点の高いHFは液化され受器1に貯められる。粗生成ガスの圧力が十分高い場合には、圧縮は必要ない。
(2)冷却器1で液化しなかったガスは圧縮機2で更に昇圧された後冷却器2で冷却され、酸素より沸点の高いガスはほとんど液化されて、受器2に溜まる。
(3)冷却器2で液化しなかったガスは酸素を多く含むガスであり、圧力調整弁等を介して適切な圧力に調節された後反応器へとリサイクルされる。
(4)受器2に溜まった液は、そのまま蒸留工程に移され、高純度の二フッ化カルボニル、HFC23と二フッ化カルボニルの混合物、濃縮されたHFに分離される。HFC23と二フッ化カルボニルの混合物は再び反応器に戻される。この時、蒸留工程に送られる物質の組成や蒸留の条件にも依るが、塔頂から高純度の二フッ化カルボニルが得られ塔中段からHFC23と二フッ化カルボニルの混合物が得られる。
図1,2共に、酸素の替わりに空気や酸素富化膜で酸素濃度を上げた空気等の酸素含有ガスを利用する事もできる。この際、不純物である水分や炭酸ガスは吸着や圧縮、冷却等によって低減しておく事が好ましい。
反応器を出た粗生成ガスは熱交換器を介して仕込み原料の加熱に利用する事もできる。
また、反応器の圧力が十分に高い場合は、圧縮機が無くても良い。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
環状ヒーターで、外径3/4インチのSUS316製の反応管(加熱部分約30cm)を窒素を流しながら所定の温度にまで加熱した。その後、その温度でHFC23と酸素を所定流量で流した。この時の反応管内の圧力はゲージ圧で約0.01MPaGであった。反応管から出てくるガスを約1L/minの窒素で希釈し、FTIRにより生成ガスを分析し、反応率と選択率を算出した。その結果を表1に示した。
実施例2〜6
実施例1と同様の方法で、反応管にはNaFペレット(3mmΦ×3mmH)約20mlを加熱部分の一部に充填して反応を行った。結果を表1に示した。
実施例7〜9
環状ヒーターで、内径約2cmのHASTELLOYC製の反応管(加熱部分約50cm)を窒素を流しながら所定の温度にまで加熱した。その後その温度でHFC23と酸素を所定流量で流した。この時の反応管内の圧力はゲージ圧で約0.01MPaGであった。反応管から出てくるガスを約1L/minの窒素で希釈し、FTIRにより生成ガスを分析して、反応率と選択率を算出した。その結果を表1に示した。
実施例10〜16
実施例7と同様の方法で反応管にニッケルビーズ(2mmΦ)約40mlを加熱部の一部に充填して反応を行った。結果を表1に示した。
実施例17〜19
環状ヒーターで、外径3/8インチのニッケル製の反応管(加熱部分約50cm)を窒素を流しながら所定の温度にまで加熱した。その後その温度でHFC23と酸素を所定流量で流した。この時の反応管内の圧力はゲージ圧で約0.01MPaGであった。反応管から出てくるガスを約1L/minの窒素で希釈し、FTIRにより生成ガスを分析して、反応率と選択率を算出した。その結果を表1に示した。また、加熱部分の滞留時間を当該部分の容量、原料の流量、反応温度から算出すると、実施例17では18秒、同18では12秒、同19では9秒であった。
Figure 0005315610
上記実施例の結果から、HASTELLOYC製の反応管が優れていることが明らかになった。
また、実施例12,13は反応温度(520℃)が優れていることを示している。実施例11は反応温度が高いため選択率が低くなり、実施例14〜16は選択率は高いが、反応温度が低いため長い反応時間が必要になり、当該実施例の反応時間では反応率が低くなったと考えられる。
上記の結果から、好ましい反応条件としては、反応温度は400℃〜600℃が好ましく、それより低いと反応率が低くなり、高いと副生成物が生成し選択率が低下すると考えられる。
実施例20
実施例10と同様の方法で反応管を520℃まで加熱し、その後HFC23:5.2ml/min、酸素:10.1ml/min、窒素:39.8ml/minを流した。反応管から出てくるガスをそのままFTIRにより分析し、反応率と選択率を算出したところ、反応率は80%、二フッ化カルボニルの選択率は99.5%であった。
参考例1
環状ヒーターで、外径3/4インチのSUS316製の反応管(加熱部分約20cm)の加熱部分にNaFペレット約100mlを充填し、窒素を流しながら520℃まで加熱した後、温度を維持しながら二フッ化カルボニルを9ml/min、酸素/窒素(20/80vol)の混合ガスを171ml/minで流した。反応管から出てくるガスをそのままFTIRにより分析したところ、少量のCOが生成していた。反応後、反応管の内部を観察したところ、NaFペレットには変化は見られなかったが、反応管内部は腐食物が見られた。
一方、SUS316製の反応管に代えてNi-Cr合金、Ni-Mo合金、Ni-Cr-Mo合金、Ni-Cu合金などのニッケル合金、ニッケル等の高耐食性の材質の反応管を使用することで、二フッ化カルボニルのCOへの分解を抑制することができる。

Claims (7)

  1. 反応ガスと接する部分の材質がNi-Cr合金、Ni-Mo合金、Ni-Cr-Mo合金、Ni-Cu合金又はニッケルである反応器で、トリフルオロメタンと酸素ガスもしくは酸素含有ガスとを加熱下で反応させることを特徴とする、二フッ化カルボニルの製造方法。
  2. 反応温度が100℃から1500℃である請求項1に記載の方法。
  3. 酸素含有ガスが空気または酸素濃度が空気よりも高い酸素富化ガスである請求項1または2に記載の方法。
  4. トリフルオロメタンと酸素ガスもしくは酸素含有ガスを、前記反応器内で反応させることにより副生するCO2の生成を抑制することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 触媒存在下で反応させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. トリフルオロメタンと酸素ガスもしくは酸素含有ガスとを、反応ガスと接する部分の材質がNi-Cr合金、Ni-Mo合金、Ni-Cr-Mo合金、Ni-Cu合金又はニッケルである反応器で加熱下に反応させて二フッ化カルボニルを製造する方法において、下記の工程を有することを特徴とする方法:
    (i) 反応器からの粗生成ガスを、必要に応じて圧縮機で昇圧し、昇圧されたガスを冷却器で冷却し、酸素に富むガスとそれ以外の成分の液体に分離し、酸素に富むガスを反応器にリサイクルする工程。
    (ii) 工程(i)で酸素と分離された液体を蒸留塔で蒸留し、高純度の二フッ化カルボニルを分離回収し濃縮されたトリフルオロメタンは反応器にリサイクルする工程。
  7. トリフルオロメタンと酸素ガスもしくは酸素含有ガスとを、反応ガスと接する部分の材質がNi-Cr合金、Ni-Mo合金、Ni-Cr-Mo合金、Ni-Cu合金又はニッケルである反応器で加熱下に反応させて二フッ化カルボニルを製造する方法において、下記の工程を有することを特徴とする方法:
    (i) 反応器からの粗生成ガスを、必要に応じて圧縮機で昇圧し、昇圧されたガスを冷却器で冷却し、HFを液化して除去する工程。
    (ii) 工程(i)で液化しなかったガスは、必要に応じて圧縮機で更に昇圧された後冷却器で冷却され、酸素に富むガスとそれ以外の液体に分離し、前者を反応器にリサイクルする工程。
    (iii) 工程(ii)で分離された液体を蒸留塔で蒸留し、高純度の二フッ化カルボニルを分離回収し濃縮されたトリフルオロメタンは反応器にリサイクルする工程。
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