JP5315225B2 - ベルト式無段変速機の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト式無段変速機の金属ベルトが巻き掛けられるドライブプーリおよびドリブンプーリ間に、潤滑油供給源に連なる潤滑油供給パイプを前記両プーリの軸方向に沿って配置し、前記潤滑油供給パイプに設けたノズル孔から前記両プーリと前記金属ベルトとの係合部に潤滑油を噴出するベルト式無段変速機の潤滑構造に関する。
かかるベルト式無段変速機の潤滑構造は、下記特許文献1により公知である。このものは、ベルト式無段変速機のケーシングの内面に潤滑油供給パイプの一端を片持ち支持し、ケーシングの油路から潤滑油供給パイプの内部に供給した潤滑油を、潤滑油供給パイプの他端に径方向に形成したノズル孔から噴出させることで、プーリと金属ベルトとの係合部を潤滑するようになっている。
特開2005−147282号公報
ところで、潤滑油供給パイプのノズル孔から噴出した潤滑油を目的とする潤滑部に確実かつ効率的に供給するには、ノズル孔から噴出した潤滑油が広角に拡散しないことが必要であり、そのためにはノズル孔を細長く(直径に対する長さの比を大きく)することが望ましい。しかしながら、上記従来のものは、潤滑油供給パイプを径方向に貫通する孔でノズル孔を構成しているので、ノズル孔を充分に細長くすることができなかった。なぜならば、重量やスペースの制約から潤滑油供給パイプの肉厚の上限値には制限があり、かつ潤滑油の噴出量を確保するためにノズル孔の直径の下限値には制限があるからである。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ベルト式無段変速機のプーリおよび金属ベルトの係合部に潤滑油を効率的に供給して潤滑効果を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ベルト式無段変速機の金属ベルトが巻き掛けられるドライブプーリおよびドリブンプーリ間に、潤滑油供給源に連なる潤滑油供給パイプを前記両プーリの軸方向に沿って配置し、前記潤滑油供給パイプに設けたノズル孔から前記両プーリと前記金属ベルトとの係合部に潤滑油を噴出するベルト式無段変速機の潤滑構造において、前記潤滑油供給パイプはパイプ本体よりも径方向外側に膨出するノズル部材を備え、前記ノズル部材の内部には各一対の長辺および短辺より成る四角断面の潤滑油溜まりが形成され、この潤滑油溜まりを貫通する前記パイプ本体に、該潤滑油溜まりに連通する油孔が該潤滑油溜まりの前記短辺側の壁面を指向して形成され、前記ノズル部材の周壁には、該周壁を貫通して一端が前記潤滑油溜まりの前記長辺側の壁面に他端が該周壁の外周面にそれぞれ開口する前記ノズル孔が形成され、前記ノズル孔の長さは前記パイプ本体の肉厚よりも大きいことを特徴とするベルト式無段変速機の潤滑構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記潤滑油供給パイプは回転方向に遊びを有するように支持されており、前記ノズル孔の軸線は前記潤滑油供給パイプの中心から偏心しており、前記ノズル孔から噴出する潤滑油の反動によるモーメントで前記潤滑油供給パイプを回転方向に付勢して前記遊びを消滅させることで、前記ノズル孔の軸線を前記係合部に指向させることを特徴とするベルト式無段変速機の潤滑構造が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記ノズル部材の重心位置は前記潤滑油供給パイプの中心から偏心しており、前記ノズル部材に作用する重力によるモーメントで前記反動によるモーメントを補助することを特徴とするベルト式無段変速機の潤滑構造が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜3の何れかの構成に加えて、前記ノズル部材は、変速比がLOWであるときの前記ドライブプーリ及び前記金属ベルトの係合部を指向して潤滑油を噴出するドライブプーリ側ノズル孔と、変速比がODであるときの前記ドリブンプーリ及び前記金属ベルトの係合部を指向して潤滑油を噴出するドリブンプーリ側ノズル孔とを備えることを特徴とするベルト式無段変速機の潤滑構造が提案される。
尚、実施の形態のオイルポンプ28は本発明の潤滑油供給源に対応し、実施の形態のドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gは本発明のノズル孔に対応する。
請求項1の構成によれば、潤滑油供給パイプにパイプ本体よりも径方向外側に膨出するノズル部材を設け、ノズル部材の内部には各一対の長辺および短辺より成る四角断面の潤滑油溜まりを形成して、この潤滑油溜まりを貫通するパイプ本体に該潤滑油溜まりに連通する油孔を該潤滑油溜まりの短辺側の壁面を指向して形成するとともに、ノズル部材の周壁には、該周壁を貫通して一端が潤滑油溜まりの長辺側の壁面に他端が該周壁の外周面にそれぞれ開口するノズル孔を形成したので、潤滑油供給源からパイプ本体の内部に供給された潤滑油を潤滑油溜まりからノズル孔を経て噴出させ、プーリおよび金属ベルトの係合部を潤滑することができる。このとき、ノズル孔の長さはパイプ本体の肉厚よりも大きいので、ノズル孔の形状をオリフィス状ではなくチョーク状にして噴出する潤滑油の拡散を防止し、潤滑油を目的とする係合部に集中的に供給して潤滑効果を高めることができる。
また請求項2の構成によれば、潤滑油供給パイプが回転方向に遊びを有するように支持されているため、ノズル孔の軸線がプーリおよび金属ベルトの係合部を正しく指向しない場合でも、ノズル孔の軸線を潤滑油供給パイプの中心から偏心させることで、ノズル孔から噴出する潤滑油の反動によるモーメントで潤滑油供給パイプを回転方向に付勢して前記遊びを消滅させることで、ノズル孔の軸線を前記係合部に正しく指向させることができる。
また請求項3の構成によれば、ノズル部材の重心位置を潤滑油供給パイプの中心から偏心させたので、ノズル部材に作用する重力によるモーメントで潤滑油の反動によるモーメントを補助し、ノズル孔の軸線を一層精度良く係合部に指向させることができる。
また更に、請求項4の構成によれば、ノズル部材は、変速比がLOWであるときのドライブプーリ及び金属ベルトの係合部を指向して潤滑油を噴出するドライブプーリ側ノズル孔と、変速比がODであるときのドリブンプーリ及び金属ベルトの係合部を指向して潤滑油を噴出するドリブンプーリ側ノズル孔とを備えるので、最大の荷重を伝達する係合部に充分な量の潤滑油を供給して潤滑性能を確保することができる。
ベルト式無段変速機の縦断面図。 図1の2部拡大図。 図1の3−3線矢視図。 図3の4−4線断面図。 図4の5−5線断面図。 図4の6−6線断面図。 潤滑油供給パイプの分解斜視図。
以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1および図2に示すように、車両用のベルト式無段変速機Tは、右ケーシング11、中間ケーシング12および左ケーシング13を備えており、中間ケーシング12および左ケーシング13にそれぞれボールベアリング14,15を介してドライブプーリシャフト16が支持され、右ケーシング11、中間ケーシング12および左ケーシング13にそれぞれローラベアリング17、ボールベアリング18およびローラベアリング19を介してドリブンプーリシャフト20が支持され、右ケーシング11および中間ケーシング12にそれぞれアンギュラローラベアリング21,22を介してセカンダリシャフト23が支持される。ドライブプーリシャフト16の右端内周に左端外周を相対回転自在に嵌合するインプットシャフト24の右端は、右ケーシング11の開口部においてエンジンEのクランクシャフト25の左端に同軸に対向する。
右ケーシング11の内部には、インプットシャフト24の右端外周を囲むようにトルクコンバータ26が配置され、中間ケーシング12の内部には、インプットシャフト24およびドライブプーリシャフト16の嵌合部の外周を囲むように前後進切替機構27が配置されるとともに、前後進切替機構27の径方向外側に隣接するようにオイルポンプ28が配置される。
中間ケーシング12内部において、ドライブプーリシャフト16の外周に設けられたドライブプーリ29とドリブンプーリシャフト20の外周に設けられたドリブンプーリ30とに、無端状の金属ベルト31が巻き掛けられる。ドライブプーリ29は固定側プーリ半体29aと、その固定側プーリ半体29aに対して接近・離間可能な可動側プーリ半体29bとを備え、油室32に作用する油圧により溝幅を制御可能である。同様に、ドリブンプーリ30は固定側プーリ半体30aと、その固定側プーリ半体30aに対して接近・離間可能な可動側プーリ半体30bとを備え、油室33に作用する油圧により溝幅を制御可能である。
右ケーシング11および中間ケーシング12にそれぞれアンギュラローラベアリング34,35を介してディファレンシャルギヤ36が支持される。ドリブンプーリシャフト20に設けた第1リダクションギヤ37がセカンダリシャフト23に設けた第2リダクションギヤ38に噛合し、セカンダリシャフト23に設けたファイナルドライブギヤ39がディファレンシャルギヤ36の外周に設けたファイナルドリブンギヤ40に噛合する。そしてディファレンシャルギヤ36から左右に延出する左右のドライブシャフト41,42が左右の車輪に接続される。
トルクコンバータ26はエンジンEのクランクシャフト25の左端にドライブプレート51およびトルクコンバータカバー52を介して接続されたポンプ53と、ベルト式無段変速機Tのインプットシャフト24の右端に接続されたタービン54と、中間ケーシング12に一方向クラッチ55を介して支持されたステータ56と、ポンプ53およびタービン54を一体に結合可能なロックアップクラッチ57とを備える。
エンジンEのクランクシャフト25に接続されたポンプ53が回転すると、ポンプ53から押し出されたオイルがタービン54に流入し、タービン54にトルクを与えてベルト式無段変速機Tのインプットシャフト24を回転させた後、ステータ56を通過してポンプ53に還流することで、クランクシャフト25の回転が減速され、かつトルク増幅されてインプットシャフト24に伝達される。
ロックアップクラッチ57はトルクコンバータカバー52の内面に当接可能なクラッチピストン58を備えており、油圧でクラッチピストン58がトルクコンバータカバー52に当接するとロックアップクラッチ57が係合し、クランクシャフト25のトルクが直接インプットシャフト24に伝達される。
トルクコンバータ26のステータ56を一方向クラッチ55を介して支持する筒状のステータシャフト61は、その左端外周に板状のステータシャフトフランジ62の開口部62aが圧入により一体に結合されており、ステータシャフトフランジ62はボルト63…で中間ケーシング12に締結される。トルクコンバータ26のポンプ53と一体の筒状のポンプシャフト64がステータシャフト61の外周に嵌合しており、ポンプシャフト64の外周にスプライン結合された駆動スプロケット65がボールベアリング81を介してステータシャフトフランジ62に回転自在に支持される。
中間ケーシング12の内部に配置されたステータシャフトフランジ62の一端部にオイルポンプ28が固定されており、そのロータシャフト91にスプライン結合した従動スプロケット66と前記駆動スプロケット65とが無端チェーン67で接続される。従って、クランクシャフト25に接続されたトルクコンバータ26のポンプ53の回転は、ポンプシャフト64→駆動スプロケット65→無端チェーン67→従動スプロケット66→ロータシャフト91の経路でオイルポンプ28に伝達される。
シングルピニオン型の遊星歯車機構からなる前後進切替機構27は、リングギヤ71と、サンギヤ72と、プラネタリキャリヤ73と、複数のピニオン74…とを備え、リングギヤ71はクラッチアウター75を介してインプットシャフト24の左端に結合され、サンギヤ72はドライブプーリシャフト16の右端に結合され、ピニオン74…を支持するプラネタリキャリヤ73はサンギヤ72の外周にボールベアリング76を介して相対回転自在に支持される。サンギヤ72と一体のクラッチインナー77と前記クラッチアウター75とがフォワードクラッチ78を介して結合可能であり、またプラネタリキャリヤ73と中間ケーシング12とがリバースブレーキ79を介して結合可能である。
従って、フォワードクラッチ78およびリバースブレーキ79を共に係合解除するとインプットシャフト24およびドライブプーリシャフト16は切り離されるが、フォワードクラッチ78を係合すると、インプットシャフト24の回転がクラッチアウター75→フォワードクラッチ78→クラッチインナー77→サンギヤ72の経路でドライブプーリシャフト16に伝達され、ドライブプーリシャフト16はインプットシャフト24と同一回転数で同一方向に回転する。
一方、リバースブレーキ79を係合するとプラネタリキャリヤ73が中間ケーシング12に回転不能に拘束されるため、インプットシャフト24の回転がクラッチアウター75→リングギヤ71→ピニオン74…→サンギヤ72の経路でドライブプーリシャフト16に伝達され、ドライブプーリシャフト16はインプットシャフト24に対して増速されて逆方向に回転する。
しかして、エンジンEのクランクシャフト25の回転がトルクコンバータ26からインプットシャフト24および前後進切替機構27を介してドライブプーリシャフト16に伝達されると、ドライブプーリシャフト16の回転がドライブプーリ29、金属ベルト31およびドリブンプーリ30を介してドリブンプーリシャフト20に伝達される。このとき、ドライブプーリ29の溝幅を広げてドリブンプーリ30の溝幅を狭めると、変速比がLOW側に連続的に変化し、逆にドライブプーリ29の溝幅を狭めてドリブンプーリ30の溝幅を広げると、変速比がOD側に連続的に変化する。
そしてドリブンプーリシャフト20の回転は、第1リダクションギヤ37→第2リダクションギヤ38→セカンダリシャフト23→ファイナルドライブギヤ39→ファイナルドリブンギヤ40→ディファレンシャルギヤ36→ドライブシャフト41,42の経路で左右の車輪に伝達される。
ベーンポンプよりなる可変吐出容量のオイルポンプ28の外郭は、ポンプケース84にポンプカバー85を重ね合わせてボルト86…で締結して構成される。ポンプケース84およびポンプカバー85の内部には一対のサイドプレート87,88に挟まれたカムリング89が配置されており、カムリング89の内部に複数のベーン(不図示)を出没自在に備えたロータ90が配置される。ロータ90を貫通するロータシャフト91はポンプケース84およびポンプカバー85に回転自在に支持される。
ポンプケース84に突設した嵌合部84aをステータシャフトフランジ62のポンプ取付部62bにインロー嵌合した状態で、ステータシャフトフランジ62を貫通する図示せぬボルトをポンプケース84に螺合することで、オイルポンプ28がステータシャフトフランジ62に固定される。ステータシャフトフランジ62のポンプ取付部62bの近傍に従動スプロケット66がボールベアリング93を介して回転自在に支持されており、駆動スプロケット65および従動スプロケット66に無端チェーン67が巻き掛けられる。
図3〜図7から明らかなように、ドライブプーリ29およびドリブンプーリ30の間に、潤滑油供給パイプ95の円形断面のパイプ本体96がドライブプーリシャフト16およびドリブンプーリシャフト20と平行に配置される。パイプ本体96の一端は中間ケーシング12の壁面に形成した支持孔12aに嵌合して支持され、パイプ本体96の他端は左ケーシング13の壁面に形成した支持孔13aに嵌合して支持される。切欠き96aが形成されたパイプ本体96の一端が嵌合する中間ケーシング12の支持孔12aには油路12bが連通しており、オイルポンプ28からの潤滑油は中間ケーシング12の油路12bから切欠き96aを経てパイプ本体96の内部に供給される。
パイプ本体96の一端側にはステー97が溶接されており、このステー97の係止部97aが、中間ケーシング12の支持孔12aに連設した溝状の被係止部12cに係合する(図4および図6参照)。ステー97の係止部97aと中間ケーシング12の被係止部12cとの間には若干の遊びα(図6参照)があり、従ってパイプ本体96は回転方向に拘束されておらず、潤滑油供給パイプ95は前記遊びαの範囲で所定角度(例えば、1.5°程度)回転可能である。
潤滑油供給パイプ95は、パイプ本体96の長手方向中間部に設けられたノズル部材98を備える。ノズル部材98は概略円筒状のハウジング99と、その軸方向両端を閉塞してパイプ本体96に溶接される円環状のカバー100,100とで構成される。ハウジング99の内部には各一対の長辺および短辺より成る四角断面の潤滑油溜まり99aが形成されており、この潤滑油溜まり99aを貫通するパイプ本体96に2個の油孔96b,96bが潤滑油溜まり99aの短辺側の壁面を指向して形成される。ハウジング99は、潤滑油溜まり99aを挟んで一方側が中実で重いウエイト部99bを構成し、潤滑油溜まり99aを挟んで他方側に軽量化のための肉抜き部99cが形成される。
図5から明らかなように、ノズル部材98のハウジング99の一方側(肉抜き部99c側)には、ドライブプーリ29と金属ベルト31との係合部を指向する2個のドライブプーリ側ノズル孔99d,99eが、ハウジング99の周壁を貫通して一端が潤滑油溜まり99aに他端が該周壁の外周面にそれぞれ開口するように形成される。またノズル部材98のハウジング99の他方側(ウエイト部99b側)には、ドリブンプーリ30と金属ベルト31との係合部を指向する2個のドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gが、ハウジング99の周壁を貫通して一端が潤滑油溜まり99aの長辺側の壁面に他端が該周壁の外周面にそれぞれ開口するように形成される。
ドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gの直径aおよび長さbは、次のように設定される。即ち、長さbはパイプ本体96の肉厚tよりも大きく、かつ直径aよりも例えば3倍以上大きく設定される。つまりドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gはオリフィスではなくチョークを構成する。このことは、ハウジング99の肉厚がパイプ本体96の肉厚tよりも大きいことで可能になる。
2個のドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよび2個のドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gの軸線Lは、パイプ本体96の中心Oに対して偏心している。従って、各ノズル孔99d,99e,99f,99gから潤滑油が噴出すると、その反作用でノズル部材98を図5の時計方向に付勢するモーメントMが発生する。またノズル部材98のハウジング99の一方側に肉抜き部99cを形成したことで、ノズル部材98の重心位置Gはパイプ本体96の中心Oに対して他方側(ウエイト部99b側)に偏心しており、よってノズル部材98に作用する重力により、潤滑油の噴出に伴う前記モーメントMと同方向のモーメンとが発生する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
オイルポンプ28が吐出する潤滑油は、中間ケーシング12の油路12bからパイプ本体96の切欠き96aを経て該パイプ本体96の内部に供給され、そこからパイプ本体96の2個の油孔96b,96bおよびノズル部材98の内部の潤滑油溜まり99aを経て、ドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gから噴出する。
ところで、図3〜図5から明らかなように、ドライブプーリ29およびドリブンプーリ30と金属ベルト31の接触部を効果的に潤滑するには、回転する両プーリ29,30に金属ベルト31が噛み込む位置(係合部)を狙って潤滑油を供給するのが望ましい。レシオがLOW側でドライブプーリ29の有効半径は最小になり、ドリブンプーリ30側の有効半径は最大になる。逆にレシオがOD側でドリブンプーリ30の有効半径は最小になり、ドライブプーリ29側の有効半径は最大になるため、係合部の位置はレシオの変化に応じて径方向に移動する。またドライブプーリ29は固定側プーリ半体29aに対して可動側プーリ半体29bが軸方向に移動し、ドリブンプーリ30は固定側プーリ半体30aに対して可動側プーリ半体30bが軸方向に移動するため、係合部の位置はレシオの変化に応じて軸方向に移動する。
本実施の形態では、ノズル部材98の二つのドライブプーリ側ノズル孔99d,99eが、ドライブプーリ29のLOW時の係合部およびOD時の係合部をそれぞれ指向し、かつノズル部材98の二つのドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gが、ドリブンプーリ30のOD時の係合部およびLOW時の係合部をそれぞれ指向する。このように、LOW時およびOD時の係合部の両方を指向して潤滑油を供給することで、移動する係合部に全てのレシオにおいて潤滑油を効果的に供給することができる。
ドライブプーリ29の有効半径はLOW時に最小になり、有効半径が最小のときにドライブプーリ29および金属ベルト31間で伝達される荷重は最大になる。よって、少なくとも一つのドライブプーリ側ノズル孔99dがLOW時の係合部を指向することで、最大の荷重を伝達する係合部に充分な量の潤滑油を供給して潤滑性能を確保することができる。またドリブンプーリ30の有効半径はOD時に最小になり、有効半径が最小のときにドリブンプーリ30および金属ベルト31間で伝達される荷重は最大になる。よって、少なくとも一つのドリブンプーリ側ノズル孔99fがOD時の係合部を指向することで、最大の荷重を伝達する係合部に充分な量の潤滑油を供給して潤滑性能を確保することができる。
ところで、潤滑油供給パイプ95のパイプ本体96はステー97の係止部97aが中間ケーシング12の被係止部12cに係合してまわり止めされるが、パイプ本体96は前記遊びαの範囲で所定角度(例えば、1.5°程度)回転可能であるため、潤滑油の噴出方向が不安定になって目的の部位を指向して潤滑油を噴出させることが難しくなる。
そこで、本実施の形態では、ドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gの軸線Lをパイプ本体96の中心Oに対して偏心させることで、ドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gから噴出する潤滑油の反作用で潤滑油供給パイプ95にモーメントM(図5および図6参照)を作用させ、ステー97の係止部97aを被係止部12cの円周方向一端に押し付けて位置決めする。これにより、ドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gを正しく所定の方向を位置決めすることができる。
このとき、ノズル部材98のハウジング99の一方側に肉抜き部99cを形成したことで、パイプ本体96の中心Oに対して偏心したノズル部材98の重心位置Gに作用する重力により、潤滑油の噴出に伴う前記モーメントMと同方向のモーメントが発生するため、ドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gの方向を一層確実に位置決めすることができる。
さて、潤滑油供給パイプ95から潤滑油を噴射するとき、噴射した潤滑油が広い角度で拡散してしまうと、目的とする潤滑部に潤滑油を効率的に供給することが難しくなる。必要な潤滑油の噴出量が決まっているとノズル孔の直径aの最小値も決められてしまうが、仮にパイプ本体96に直接ノズル孔を形成すると、ノズル孔の長さbをパイプ本体96の肉厚t以上に長くすることができず、ノズル孔がオリフィス状になって噴射した潤滑油が広い角度で拡散してしまう問題がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、パイプ本体96の外周を囲む厚肉のハウジング99にドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gを形成したので、そのドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gを、直径aに対する長さbが充分に長いチョーク状とすることができ、噴出する潤滑油の拡散を防止して目的とする潤滑部に効率的に供給することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gの数は各2個であるが、それらの数は任意である。
また実施の形態では各2個のドライブプーリ側ノズル孔99d,99eおよびドリブンプーリ側ノズル孔99f,99gが異なる位置を指向しているが、それらが同じ位置を指向しても良い。この場合、各プーリ29,30の有効半径が最小になるときの係合部を指向するのが有利である。
28 オイルポンプ(潤滑油供給源)
29 ドライブプーリ
30 ドリブンプーリ
31 金属ベルト
95 潤滑油供給パイプ
96 パイプ本体
98 ノズル部材
99a 潤滑油溜まり
99d ドライブプーリ側ノズル孔(ノズル孔)
99e ドライブプーリ側ノズル孔(ノズル孔)
99f ドリブンプーリ側ノズル孔(ノズル孔)
99g ドリブンプーリ側ノズル孔(ノズル孔)
b ノズル孔の長さ
G ノズル部材の重心位置
L ノズル孔の軸線
O パイプ本体の中心
t パイプ本体の肉厚
T ベルト式無段変速機
α 潤滑油供給パイプの回転方向の遊び

Claims (4)

  1. ベルト式無段変速機(T)の金属ベルト(31)が巻き掛けられるドライブプーリ(29)およびドリブンプーリ(30)間に、潤滑油供給源(28)に連なる潤滑油供給パイプ(95)を前記両プーリ(29,30)の軸方向に沿って配置し、前記潤滑油供給パイプ(95)に設けたノズル孔(99d〜99g)から前記両プーリ(29,30)と前記金属ベルト(31)との係合部に潤滑油を噴出するベルト式無段変速機の潤滑構造において、
    前記潤滑油供給パイプ(95)はパイプ本体(96)よりも径方向外側に膨出するノズル部材(98)を備え、前記ノズル部材(98)の内部には各一対の長辺および短辺より成る四角断面の潤滑油溜まり(99a)が形成され、この潤滑油溜まり(99a)を貫通する前記パイプ本体(96)に、該潤滑油溜まり(99a)に連通する油孔(96a,96b)が該潤滑油溜まり(99a)の前記短辺側の壁面を指向して形成され、前記ノズル部材(98)の周壁には、該周壁を貫通して一端が前記潤滑油溜まり(99a)の前記長辺側の壁面に他端が該周壁の外周面にそれぞれ開口する前記ノズル孔(99d〜99g)が形成され、前記ノズル孔(99d〜99g)の長さ(b)は前記パイプ本体(96)の肉厚(t)よりも大きいことを特徴とするベルト式無段変速機の潤滑構造。
  2. 前記潤滑油供給パイプ(95)は回転方向に遊び(α)を有するように支持されており、前記ノズル孔(99d〜99g)の軸線(L)は前記パイプ本体(96)の中心(O)から偏心しており、前記ノズル孔(99d〜99g)から噴出する潤滑油の反動によるモーメントで前記潤滑油供給パイプ(95)を回転方向に付勢して前記遊び(α)を消滅させることで、前記ノズル孔(99d〜99g)の軸線(L)を前記係合部に指向させることを特徴とする、請求項1に記載のベルト式無段変速機の潤滑構造。
  3. 前記ノズル部材(98)の重心位置(G)は前記パイプ本体(96)の中心(O)から偏心しており、前記ノズル部材(98)に作用する重力によるモーメントで前記反動によるモーメントを補助することを特徴とする、請求項2に記載のベルト式無段変速機の潤滑構造。
  4. 前記ノズル部材(98)は、変速比がLOWであるときの前記ドライブプーリ(29)及び前記金属ベルト(31)の係合部を指向して潤滑油を噴出するドライブプーリ側ノズル孔(99d)と、変速比がODであるときの前記ドリブンプーリ(30)及び前記金属ベルト(31)の係合部を指向して潤滑油を噴出するドリブンプーリ側ノズル孔(99f)とを備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のベルト式無段変速機の潤滑構造。
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