JP5315199B2 - 四輪駆動車両のトルク配分制御装置 - Google Patents

四輪駆動車両のトルク配分制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動源が出力する駆動トルクが第1ディファレンシャルギヤを介して伝達される主駆動輪と、前記駆動トルクが第2ディファレンシャルギヤを介して伝達される副駆動輪と、車両の走行状態に応じて前記副駆動輪に伝達される副駆動輪配分トルクを制御するトルク配分クラッチとを備える四輪駆動車両のトルク配分制御装置に関する。
前輪および後輪間にトルク配分クラッチを備えた四輪駆動車両において、前進変速段から後進変速段にシフトチェンジしたとき、あるいは後進変速段から前進変速段にシフトチェンジしたときに、トルク配分クラッチを介して後輪に配分する目標トルクが充分に低下していないと、プロペラシャフトに捩じれが発生したまま該プロペラシャフトに入力されるトルクの方向が反転することで、トルクの伝達経路のガタが急激に詰まって不快な衝突音やショックが発生する問題がある。
そこで、前進変速段および後進変速段間でシフトチェンジが行われたときに、トルク配分クラッチが後輪に伝達する目標トルクを例えばゼロまで低減する制御を行うことでプロペラシャフトの捩じれを解放し、シフトチェンジによりプロペラシャフトに入力するトルクの方向が反転したときのガタ詰めによる衝突音やショックを低減するものが、下記特許文献1により公知である。
特許第4248838号公報
ところで、四輪駆動車両のトルク配分クラッチが後輪に配分する後輪配分トルクの上限値は、前進変速段の確立時の方が後進変速段の確立時よりも大きく設定されている。従って、後進走行中に後進変速段から前進変速段にシフトチェンジしたときに前輪がスリップしたような場合に、慣性で車両が後進しているにも関わらず、後輪に前進変速段の確立時の大きな上限値まで前進側のトルクが配分されてしまい、リヤディファレンシャルギヤの負荷が増大して耐久性が低下する可能性がある。
このような場合に、エンジン回転数あるいはエンジン出力トルクを制限すれば、後輪配分トルクを減少させてリヤディファレンシャルギヤを保護することができるが、このようにすると、前輪および後輪のトータルのトラクションが減少してしまい、車両の発進性能が低下する問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、四輪駆動車両が後進変速段から前進変速段にシフトチェンジした際に、副駆動輪に過剰な実駆動トルクが発生してディファレンシャルギヤの耐久性が低下するのを、車両の発進性能を損なわずに防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源が出力する駆動トルクが第1ディファレンシャルギヤを介して伝達される主駆動輪と、前記駆動トルクが第2ディファレンシャルギヤを介して伝達される副駆動輪と、車両の走行状態に応じて前記副駆動輪に伝達される副駆動輪配分トルクを制御するトルク配分クラッチとを備える四輪駆動車両のトルク配分制御装置において、トランスミッションの変速段を検出する変速段検出手段と、車体速を検出する車体速検出手段と、前記変速段検出手段で検出した変速段が前進変速段であるときに、前記トルク配分クラッチの係合力の上限値を前進時トルク制限値に制限するとともに、前記変速段検出手段で検出した変速段が後進変速段であるときに、前記トルク配分クラッチの係合力の上限値を前記前進時トルク制限値よりも小さい後進時トルク制限値に制限するクラッチトルク制限手段とを備え、前記クラッチトルク制限手段は、前記変速段検出手段で検出した変速段が後進変速段であって前記車体速検出手段で検出した車体速が第1所定値以上になったときは、その後の車体速が前記第1所定値よりも小さい第2所定値より低下するまでの間に、前記変速段検出手段で検出した変速段が後進変速段から前進変速段に切り換えられた場合に、前記トルク配分クラッチの係合力の上限値を前記後進時トルク制限値から前記前進時トルク制限値まで漸増させ、また前記変速段検出手段で検出した変速段が後進変速段から前進変速段に切り換えられる前に、前記その後の車体速が前記第2所定値未満に低下した場合には前記係合力の上限値の漸増を禁止することを特徴とする四輪駆動車両のトルク配分制御装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記クラッチトルク制限手段は、前記トルク配分クラッチの係合力の上限値が漸増して前記前進時トルク制限値に達したときに、前記係合力の上限値の漸増を中止することを特徴とする四輪駆動車両のトルク配分制御装置が提案される
、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応し、実施の形態のオートマチックトランスミッションTは本発明のトランスミッションに対応し、実施の形態の前輪Wfは本発明の主駆動輪に対応し、実施の形態の後輪Wrは本発明の副駆動輪に対応し、実施の形態のフロントディファレンシャルギヤ11は本発明の第1ディファレンシャルギヤに対応し、実施の形態のリヤディファレンシャルギヤ16は本発明の第2ディファレンシャルギヤに対応し、実施の形態の車体速センサ52aは本発明の車体速検出手段に対応し、実施の形態のクラッチトルク制限部60は本発明のトルク制限手段に対応する。
請求項1の構成によれば、トランスミッションの変速段が前進変速段であるときにトルク配分クラッチの係合力の上限値を前進時トルク制限値に制限し、後進変速段であるときにトルク配分クラッチの係合力の上限値を前進時トルク制限値よりも小さい後進時トルク制限値に制限するクラッチトルク制限手段は、変速段が後進変速段であって車体速が第1所定値以上になったときは、その後の車体速が前記第1所定値よりも小さい第2所定値より低下するまでの間に変速段が後進変速段から前進変速段に切り換えられると、トルク配分クラッチの係合力の上限値を後進時トルク制限値から前進時トルク制限値まで急増させることなく漸増させるので、副駆動輪に過大な実駆動トルクが発生して第2ディファレンシャルギヤの耐久性に悪影響が及ぶのを未然に回避することができる。しかもエンジン回転数あるいはエンジン出力トルクを制限する必要がないので、車両の発進性能が低下する虞もない。
また、クラッチトルク制限手段は、変速段が後進変速段から前進変速段に切り換えられる前に、前記その後の車体速が第2所定値未満に低下した場合には前記係合力の上限値の漸増を禁止するので、車体速が第2所定値未満になって第2ディファレンシャルギヤに過剰な副駆動輪配分トルクが入力する虞がないときに、不必要なトルク配分クラッチの係合力の上限値の漸増制御が実行されるのを回避することができる。
また請求項2の構成によれば、クラッチトルク制限手段は、トルク配分クラッチの係合力の上限値が漸増して前進時トルク制限値に達すると、トルク配分クラッチの係合力の上限値の漸増を中止するので、前記係合力の上限値が前進時トルク制限値を超えて増加するのを回避することができる
四輪駆動車両の駆動力伝達系を示す図。 増速装置およびリヤディファレンシャルギヤの拡大図。 4WD−ECUの構成を示すブロック図。 ディファレンシャルギヤ保護モード成立判定ルーチンのフローチャート。 ディファレンシャルギヤ保護制御実行判定ルーチンのフローチャート。 作用を説明するタイムチャート。
以下、図1〜図6に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、本発明が適用される四輪駆動車両は、主駆動輪としての左右の前輪Wf,Wfと、副駆動輪としての左右の後輪Wr,Wrとを備えており、左右の前輪Wf,Wfは車両の走行時には基本的に常時駆動され、左右の後輪Wr,Wrは車両の運転状態に応じて適宜駆動される。
車体前部に横置きに搭載されたエンジンEにオートマチックトランスミッションTが接続されており、オートマチックトランスミッションTはフロントディファレンシャルギヤ11および左右のフロントドライブシャフト12,12を介して左右の前輪Wf,Wfに接続される。フロントディファレンシャルギヤ11は、トランスファー(不図示)と、フロントプロペラシャフト13と、増速装置14と、リヤプロペラシャフト15と、リヤディファレンシャルギヤ16と、左右のリヤドライブシャフト17,17とを介して左右の後輪Wr,Wrに接続される。
図2に示すように、増速装置14は、遊星歯車機構21と、増速クラッチ22と、直結クラッチ23とを備える。
遊星歯車機構21は、フロントプロペラシャフト13の後端に固設された入力側サンギヤ24と、リヤプロペラシャフト15の前端に固設された出力側サンギヤ25と、キャリヤ26と、キャリヤ26に支持された複数の2連ピニオン27…とを備える。各2連ピニオン27は入力側ピニオン27aと出力側ピニオン27bとを一体に備えるもので、出力側ピニオン27bの歯数は入力側ピニオン27aの歯数よりも大きく設定され、これに伴って出力側サンギヤ25の歯数は入力側サンギヤ24の歯数よりも小さく設定される。
油圧式多板型の増速クラッチ22は、ハウジング28に固定されたクラッチアウター29と、その内側に位置するクラッチインナー30とを複数の摩擦係合要素31…を介して対峙させたもので、油圧の供給により複数の摩擦係合要素31…が係合すると、クラッチインナー30がクラッチアウター29に締結されてハウジング28に回転不能に拘束される。
油圧式多板型の直結クラッチ23は、増速クラッチ22のクラッチインナー30および遊星歯車機構21のキャリヤ26と一体のクラッチアウター32と、フロントプロペラシャフト13と一体のクラッチインナー33と、クラッチアウター32およびクラッチインナー33間に配置された複数の摩擦係合要素34…と、クラッチアウター32およびクラッチインナー33間に配置された一方向クラッチ35とを備える。一方向クラッチ35は、クラッチインナー33の回転数がクラッチアウター32の回転数を上回ると、スリップして駆動力の伝達が遮断される。油圧の供給により複数の摩擦係合要素34…が係合すると、クラッチアウター32がクラッチインナー33に締結されてフロントプロペラシャフト13が遊星歯車機構21のキャリヤ26と一体化される。
従って、増速クラッチ22が締結して直結クラッチ23が締結解除すると、遊星歯車機構21のキャリヤ26がハウジング28に回転不能に拘束されるため、入力側サンギヤ24、出力側サンギヤ25および2連ピニオン27の歯数により定まる増速比(例えば、1.05)で、フロントプロペラシャフト13の回転数が増速されてリヤプロペラシャフト15に出力される。
逆に、増速クラッチ22が締結解除して直結クラッチ23が締結すると、遊星歯車機構21の入力側サンギヤ24とキャリヤ26とが一体化されてロック状態になるため、フロントプロペラシャフト13の回転はそのままリヤプロペラシャフト15に出力される。
リヤディファレンシャルギヤ16は、車体中心面を挟んで実質的に左右鏡面対称な構造を備えているため、その代表として車体中心面の左側部分の構造を説明する。
左右のリヤドライブシャフト17,17の対向端部間に同軸に配置された入力軸36の中間部に固設された従動ベベルギヤ37が、リヤプロペラシャフト15の後端に固設された駆動ベベルギヤ38に噛合する。入力軸36と左側のリヤドライブシャフト17との間に、遊星歯車機構39および電磁式多板型のトルク配分クラッチ40が配置される。
遊星歯車機構39は、リングギヤ41と、キャリヤ42と、サンギヤ43と、キャリヤ42に支持されてリングギヤ41およびサンギヤ43に同時に噛合する複数のピニオン44…とを備えており、リングギヤ41は入力軸36の左端に結合され、キャリヤ42は左側のリヤドライブシャフト17の右端に結合される。
トルク配分クラッチ40は、ハウジング45に固定されたクラッチアウター46と、遊星歯車機構39のサンギヤ43に結合されたクラッチインナー47と、クラッチアウター46およびクラッチインナー47間に配置された複数の摩擦係合要素48…と、摩擦係合要素48…を相互に係合させてクラッチアウター46およびクラッチインナー47を一体に結合する電磁アクチュエータ49(図1参照)とを備える。
電磁アクチュエータ49がOFFした状態ではトルク配分クラッチ40が締結解除してサンギヤ43が自由に回転できるため、入力軸36の駆動力は左側のリヤドライブシャフト17に伝達されることはない。一方、電磁アクチュエータ49がONしてトルク配分クラッチ40が締結した状態では、サンギヤ43がハウジング45に回転不能に拘束されるため、入力軸36の駆動力は左側のリヤドライブシャフト17に伝達される。
このとき、電磁アクチュエータ49に供給する電流を変化させてトルク配分クラッチ40のスリップ量を変化させることで、入力軸36から左側のリヤドライブシャフト17に伝達されるトルクを連続的に変化させることができる。
従って、リヤディファレンシャルギヤ16の左右のトルク配分クラッチ40,40の締結力を変化させることで、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wr間で配分されるトルクの比率を任意に制御するとともに、左右の後輪Wr,Wr間で配分されるトルクの比率を任意に制御することができる。
次に、図3に基づいて、増速装置14およびリヤディファレンシャルギヤ16の作動を制御する4WD電子制御ユニットUaの構成を説明する。
4WD電子制御ユニットUaの入力部51には、エンジンEおよびオートマチックトランスミッションTの作動を制御するFI/AT電子制御ユニットUbと、車両挙動安定化システムの作動を制御するESC電子制御ユニットUcとがCANを介して接続されるとともに、例えばオートマチックトランスミッションTのギヤの回転数から車体速を検出する車体速センサ52aと、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ52bとが接続される。
FI/AT電子制御ユニットUbから入力部51に入力される信号には、エンジン回転数、吸気負圧、オートマチックトランスミッションTのメインシャフトおよびカウンタシャフトの回転数、オートマチックトランスミッションTのシフトポジション等が含まれる。またESC電子制御ユニットUcから入力部51に入力される信号には、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの車輪速、車両の横加速度、車両の前後加速度等が含まれる。
推定駆動トルク算出部53は、入力部51から入力されたエンジン回転数、吸気負圧(または吸気流量)、メインシャフトおよびカウンタシャフトの回転数から推定されるギヤ比、トルクコンバータの速度比、各ギヤ段における効率等に基づいて、トランスミッションTが出力する推定駆動トルクを算出する。尚、メインシャフトおよびカウンタシャフトの回転数からギヤ比を推定する代わりに、シフトポジションセンサで検出したシフトポジションのギヤ比を用いても良い。
操安制御部54は、推定駆動トルク算出部53が算出した推定駆動トルクと、入力部51から入力された横加速度、操舵角および車輪速とに基づいて、左右の後輪Wr,Wrに配分する操安制御トルクを算出する。例えば、車両のスリップ角が所定値以上の場合には、車両挙動が不安定な状態にあると判定し、リヤディファレンシャルギヤ16を制御して左右の後輪Wr,Wrに配分されるトルクを低減するとともに、左右後輪Wr,Wrのうちの旋回外輪に配分されるトルクを低減することで、車両挙動の安定を図る。
増速制御部55は、車体速が中速で横加速度が大きい場合に、増速装置14の増速クラッチ22を締結してフロントプロペラシャフト13の回転数に対してリヤプロペラシャフト15の回転数を増速するとともに、リヤディファレンシャルギヤ16で左右の後輪Wr,Wrのうちの旋回外輪にトルクを配分することで、車両のアンダーステアを回避しながら旋回性能を向上させる。また車体速が低速あるいは高速で横加速度が小さい場合には、増速装置14の直結クラッチ23を締結してフロントプロペラシャフト13の回転数に対するリヤプロペラシャフト15の回転数の増速を中止した状態で、リヤディファレンシャルギヤ16で左右の後輪Wr,Wrのうちの旋回外輪にトルクを配分することで、安定した旋回性能を確保する。
また増速が実行されると車両挙動を乱す虞があるとして、操安制御部54が増速禁止要求を出力した場合には、増速装置14の作動が禁止される。
LSD制御部56は、左右の前輪Wf,Wfの車輪速と、左右の後輪Wr,Wrの車輪速とを比較し、車両の発進時に前輪Wf,Wfが踏む路面の摩擦係数が後輪Wr,Wrが踏む路面の摩擦係数よりも小さいために前輪Wf,Wfがスリップしたような場合に、もしくは四輪が踏む路面の摩擦係数が同等でも、前輪Wf,Wfの主駆動力が後輪Wr,Wrの副駆動力より大きくて前輪Wf,Wfがスリップしたような場合に、前後輪間の差回転に応じて後輪Wr,Wrに配分するLSDトルクを算出する。リヤディファレンシャルギヤ16により後輪Wr,WrにLSDトルクが配分されると、その分だけ前輪Wf,Wfのスリップが解消して車両のスムーズな発進が可能になる。
登坂制御部58は、前後加速度センサで検出した実前後加速度と、車体速を微分して得た推定前後加速度とを比較することで、車両の登坂角(路面の登り坂の傾斜角)を算出し、登り坂における車両の発進時の登坂力を高めるべく、登坂角に応じてリヤディファレンシャルギヤ16により後輪Wr,Wrに配分する登坂発進トルクを算出する。
トルク加算部57は、操安制御部54で算出した操安制御トルクと、LSD制御部56で算出したLSDトルクと、登坂制御部58で算出した登坂発進トルクとを加算する。
クラッチトルク制限部60は、車両の後進→前進のスイッチバック時にリヤディファレンシャルギヤ16に過大な負荷が作用して耐久性を低下させるのを防止すべく、リヤディファレンシャルギヤ16が後輪Wr,Wrに伝達する目標トルクの上限値を制限する。
後進→前進のスイッチバックとは、例えば駐車場から一旦後進して広い場所に出た後に、後進変速段から前進変速段にシフトチェンジして発進するような場合を言う。このような場合に、後進する車両が完全に停止しないうちに前進変速段にシフトチェンジしてアクセルペダルを踏み込むと、車体が慣性で後進しようとするのに後輪Wr,Wrに前進方向のトルクが作用するため、前輪Wf,Wfが浮き上がって空転することでトルク配分クラッチ40,40に急激な差回転が入力され、かつ後輪Wr,Wrに配分されるLSDトルクが急激に増加するため、リヤディファレンシャルギヤ16に過大な負荷が作用して耐久性を低下させる虞がある。
電流制御部61は、クラッチトルク制限部60で算出したクラッチトルク指令値を、リヤディファレンシャルギヤ16のトルク配分クラッチ40,40の電磁アクチュエータ49,49に供給する電流値(PWM値)に変換する。
しかして、駆動回路部62は、増速制御部55が出力する増速指令に基づいて増速装置14の作動を制御するとともに、電流制御部61が出力する電流値に基づいてリヤディファレンシャルギヤ16の作動を制御する。
次に、図4〜6に基づいて、クラッチトルク制限部60で実行されるリヤディファレンシャルギヤ16のトルク制御のロジックを説明する。
先ず、図4のフローチャートのステップS1でシフトポジションが後進変速段であり、かつステップS2で後進車体速が第1所定値(例えば、20km/h)以上である場合に、ステップS3でスイッチバック時のリヤディファレンシャルギヤ16のトルク制限モードに移行する。尚、ステップS1のシフトポジションは、FI/AT電子制御ユニットUbから4WD電子制御ユニットUaの入力部51に入力される信号から取得可能であり、ステップS2の車体速は、ESC電子制御ユニットUcから4WD電子制御ユニットUaの入力部51に入力される信号から取得可能である。
続いて、図5のフローチャートのステップS11でスイッチバック時のリヤディファレンシャルギヤ16のトルク制限モードが成立しており、ステップS12で後進車体速が前記第1所定値よりも小さい第2所定値(例えば、5km/h)より低下せず、かつステップS13でシフトポジションが後進変速段から前進変速段に変化した場合には、ステップS14でスイッチバック時のリヤディファレンシャルギヤ16のトルク制限制御(トルク配分クラッチ40,40の目標係合力の上限値の制限制御)を実行する。また前記ステップS12で、シフトポジションが前進変速段に変化する前に後進車体速が前記第2所定値(例えば、5km/h)より低下すれば、トルク制限制御を実行する必要がなくなったと判断し、ステップS15で前記トルク制限モードを解除する。
通常時にトルク配分クラッチ40,40により後輪Wr,Wrに配分される目標トルクの上限値は、後進変速段の確立時には小さい値(例えば、30kgfm)に設定され、前進変速段の確立時には大きい値(例えば、10kgfm)に設定されている。しかしながら、上述したスイッチバック時には、後進変速段から前進変速段にシフトチェンジされたときに、後輪Wr,Wrに配分される目標トルクの上限値を後進変速段の確立時の48kgfmから前進変速段の確立時の120kgfmに直ちに増加させることなく、サイクル毎に所定値ずつ漸増させる。これにより、車両の後進中に前進変速段にシフトチェンジされてリヤディファレンシャルギヤ16に過剰な実トルクが入力され、リヤディファレンシャルギヤ16の耐久性に悪影響が及ぶのを防止することができる。
上記作用を、図6のタイムチャートに基づいて更に具体的に説明する。
時刻t1に後進変速段にシフトチェンジし、時刻t2に後進車体速が第1所定値であるトルク制限開始車体速(20km/h)に達すると、リヤディファレンシャルギヤ16のトルク制限モードが成立する。このとき、変速段は未だ後進変速段のままであるため、リヤディファレンシャルギヤ16のトルク制限制御は直ちに実行されることはない。
時刻t3に後進変速段から前進変速段にシフトチェンジされると、トルク制限制御が実行され、本来であれば後輪Wr,Wrに配分される目標トルクの上限値が後進変速段の48kgfmから前進変速段の120kgfmに急激に増加すべきところ、48kgfmから120kgfmに向けてサイクル毎に一定値ずつ漸増させる。そして時刻t5にトルクの上限値が120kgfmに達すると、トルク制限モードを解除してトルク制限制御を終了する。尚、時刻t4に後進車体速が第2所定値であるトルク制限終了車体速(5km/h)未満になっても、そのとき既にトルク制限制御が実行中であるため、時刻t5までトルク制限モードが解除されることはない。
また時刻t6に後進変速段にシフトチェンジし、時刻t7に後進車体速がトルク制限開始車体速(20km/h)に達すると、リヤディファレンシャルギヤ16のトルク制限モードが成立する。時刻t9に後進変速段から前進変速段にシフトチェンジされる以前の時刻t8に後進車体速がトルク制限終了車体速(5km/h)未満になると、その時点でトルク制限モードが解除されるため、時刻t9に後進変速段から前進変速段にシフトチェンジされてもトルク制限制御が実行されることはない。そして時刻t9に後進変速段から前進変速段にシフトチェンジされると、目標トルクの上限値が後進変速段のものから前進変速段のものへと持ち替えられる。
以上のように、車両が後進する車体速が20km/h以上になったときは、その後の車体速が5km/hより低下するまでの間に、変速段が後進変速段から前進変速段に切り換えられると、トルク配分クラッチ40,40の係合力の上限値を後進時の上限値から前進時の上限値まで急増させることなく漸増させるので、後輪Wr,Wrに過大な実駆動トルクが発生してリヤディファレンシャルギヤ16の耐久性に悪影響が及ぶのを未然に回避することができる。このとき、リヤディファレンシャルギヤ16を保護すべくエンジン回転数あるいはエンジン出力トルクを制限する必要がないので、車両の発進性能が低下する虞もない。
またトルク配分クラッチ40,40の係合力の上限値を漸増させる制御を行う間に、前記上限値が前進時の上限値に達すると前記漸増制御を中止するので、前記上限値が前進時の上限値を超えて増加するのを回避することができる。
また変速段検出手段Ubで検出した変速段が後進変速段から前進変速段に切り換えられる前に、前記その後の車体速がkm/h未満に低下した場合には、トルク配分クラッチ40,40の係合力の上限値の漸増を禁止するので、車体速がkm/h未満になってリヤディファレンシャルギヤ16に過剰なトルクが入力する虞がないときに、不必要なトルク配分クラッチ40,40の係合力の上限値の漸増制御が実行されるのを回避することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、モータ・ジェネレータあるいはエンジンEおよびモータ・ジェネレータの組合せであっても良い。
また車体速検出手段52aは、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの車輪速から車体速を推定するものであっても良い。
また実施の形態の四輪駆動車両は増速装置14を備えているが、増速装置14は必ずしも必要ではなく、省略することが可能である。
また実施の形態の四輪駆動車両はオートマチックトランスミッションTを備えているが、マニュアルトランスミッションや無段変速機(CVT)を備えるものであっても良い。
E エンジン(駆動源)
Ub FI/AT電子制御ユニット(変速段検出手段)
Wf 前輪(主駆動輪)
Wr 後輪(副駆動輪)
11 フロントディファレンシャルギヤ(第1ディファレンシャルギヤ)
16 リヤディファレンシャルギヤ(第2ディファレンシャルギヤ)
40 トルク配分クラッチ
52a 車体速センサ(車体速検出手段)
60 クラッチトルク制限部(トルク制限手段)

Claims (2)

  1. 駆動源(E)が出力する駆動トルクが第1ディファレンシャルギヤ(11)を介して伝達される主駆動輪(Wf)と、前記駆動トルクが第2ディファレンシャルギヤ(16)を介して伝達される副駆動輪(Wr)と、車両の走行状態に応じて前記副駆動輪(Wr)に伝達される副駆動輪配分トルクを制御するトルク配分クラッチ(40)とを備える四輪駆動車両のトルク配分制御装置において、
    トランスミッション(T)の変速段を検出する変速段検出手段(Ub)と、
    車体速を検出する車体速検出手段(52a)と、
    前記変速段検出手段(Ub)で検出した変速段が前進変速段であるときに、前記トルク配分クラッチ(40)の係合力の上限値を前進時トルク制限値に制限するとともに、前記変速段検出手段(Ub)で検出した変速段が後進変速段であるときに、前記トルク配分クラッチ(40)の係合力の上限値を前記前進時トルク制限値よりも小さい後進時トルク制限値に制限するクラッチトルク制限手段(60)とを備え、
    前記クラッチトルク制限手段(60)は、前記変速段検出手段(Ub)で検出した変速段が後進変速段であって前記車体速検出手段(52a)で検出した車体速が第1所定値以上になったときは、その後の車体速が前記第1所定値よりも小さい第2所定値より低下するまでの間に、前記変速段検出手段(Ub)で検出した変速段が後進変速段から前進変速段に切り換えられた場合に、前記トルク配分クラッチ(40)の係合力の上限値を前記後進時トルク制限値から前記前進時トルク制限値まで漸増させ、また前記変速段検出手段(Ub)で検出した変速段が後進変速段から前進変速段に切り換えられる前に、前記その後の車体速が前記第2所定値未満に低下した場合には前記係合力の上限値の漸増を禁止することを特徴とする四輪駆動車両のトルク配分制御装置。
  2. 前記クラッチトルク制限手段(60)は、前記トルク配分クラッチ(40)の係合力の上限値が漸増して前記前進時トルク制限値に達したときに、前記係合力の上限値の漸増を中止することを特徴とする、請求項1に記載の四輪駆動車両のトルク配分制御装置。
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